名盤です。Metronomyの『Nights Out』(2008)。チープな音色のシンセサイザーを中心としたテクノポップですが、構成、展開、メロディ全てが素晴らしい。ふんだんに盛り込まれた数々のアイディアはそれぞれがぶつかることなく程良く融和し、 面白くも聞きやすく軽やかな音楽に仕上がっています。
エレクトロと言うには泥臭く、ポップスと言うには尖っており、かと言って前衛音楽と言うには聞き手を意識した親切な音設計。微妙に不協和音に聞こえるようなサウンドも良く聞くとちゃんと和音になっており、おかしく聞こえるのは音色のせい。滅茶苦茶ながらも美しいメロディラインもインパクトが強く、非常に丁寧に作りこまれています。
外見はゴテゴテしていながら中身は安っぽい音楽はいくらでもありますが、中身は安っぽくないの一見安っぽく聞こえる音楽と言うのは中々見ません。
この曲以外のどれも面白く外れがないので、気に入った方は是非通して聞いてみてください。
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