例によってゲーム自体はやってないのですが、最近いいな、と思ったゲーム音楽がこちら。
ポケットモンスターブラック・ホワイト2の最後のボスの曲。曲名でネタバレしてますね・・・。

戦闘曲!?と思わせるほどのどかなイントロが先ず衝撃。キラキラしている音はラスボスのイメージ「天女」や「織姫」から来ているとか。
で、一瞬戸惑っていると、ポケモンのいつものバトルになります。ポケモンの戦闘の曲は何故か殆どがBPM180以上と思われる高速仕様なのです。

この曲の面白さは、メジャーとマイナーを絶妙に行ったり来たりすること。「元気な女の子」と「緊張感ある戦闘」を両立しなければならないのが作曲家の大変なところです。覚悟はいいか?俺は出来てる。

解析していきましょう。
先ず始めにこの曲は基本的にGmajorなのですが、全編を通して本来F#であるはずのⅦ度は殆どが半音下のFになっています。これはGminorの構成音と同じ。ここからして調性がぼやかされているのです。

イントロはGmajorに乗っかる明るいメロディになります。が、
0'20~本編。16beatになり、一気に音楽が動き出すのですが、この時右から聞こえるフレーズはG-F-A-G-F-Abと、本来Gmajでは入らないⅡ度のフラットが含まれています。同時にキラキラ流れるフィルにもF-Eb-F-Eb-Dと、完全にGminorの音階が入ります。

その後0'30~からギターのリフが流れますが、これもG-F-G-Bb-G-F-Db-C-Bbと、完全にマイナー音階。ここでのDbはブルーノートにもなっています。

0'40~はG-G-Bb-A-Ab-Gと、半音階のフレーズ。クロマティックを多用することで調性は更に曖昧になります。

続いて0'50~からはD-Db-C-B-Ab-G-F-Ab-Bb-Ab-Gと増二度音階を使うことで、少し怪しげでエキゾチックな雰囲気に変わります。これは多分この曲のイメージの女の子の「国籍不明」を意識しているのでしょう。手が込んでます。

で、このままマイナーで行くかと思いきや、1'00~まさかのメジャーに戻ります。G-G-G-B-B-A-Dで、コードはC-D-G。
おおっと思った矢先、次の小節では最後の和音がまた不協和音に。
その次の小節では4度下からD-D-D-E-E-D-G-A-F-F#。メジャーながらもちょっと不穏。目まぐるしく動き回ります。

そこから1'13~最後のサビ。ここはメジャーでポップソングのようですね。Gから順に下降進行していき、Eb-F-Gと「前向きさ」を感じさせるお決まりの借用Ⅵ⇒借用Ⅶ⇒Ⅰで締める。

1'33~はアウトロ。が、キラキラ音の下のギターはF-Abとやっぱりマイナー風味。そこからまたメジャーに戻り、曲はループします。

いやあ、わずか2分弱にこれだけ調性があっち行ったりこっち行ったりする曲は余りないですね。隅々まで行き届いた愛を感じます。
そう言えば、曲中銅鑼が二発なるのですが、これはキャラクターがドラゴン遣いであることに掛けているとか。銅鑼ゴ~ン!!ってダジャレか!!!

こういう遊び心、大好きです。