September 16, 2016

オランダからの左折。青山、表参道、再訪。

懐かしい、という言葉がしっくりくるほど馴染んだ街並みでもないのだけど、運良く1年ほどこのあたりにアーティストインレジデンスしていた。その頃に知り合った友人の好意で、またもや運良くこのあたりにロングステイできることになった。早速、何軒かよく知っているお店を訪ねてみた。と言っても、小さな自転車を乗り回し通っていたのはもちろん、ハイエンドにクールでおしゃれでステレオタイプではない、こんなところにこんなお店が、という地に足付いた店。それは好みというよりも生活する実感を得る必要に迫られて。

いつ行っても「あら、mamoruさん!」と言って迎えてくれて、個人的には特に日曜の遅い時間に珈琲もウィスキーも飲めて、相当に音も良くて、その気になれば考え仕事ももちろんできて、海外から帰ったときは「おかえりなさい!」と声をかけくれるとっても素敵なカフェのドアに貼り紙がしてあってつい最近閉店したことを知った。(お疲れ様でした。)

ドアは空いていて中を覗くとテーブルに置かれた「Closed」の看板がまず目に入るという相変わらずの入りにくさをかいくぐり「いるー?」と言うと少し歳をとったけど少年の様な好奇心が溢れかえっているマスターが出てきて「ひさしぶりだね〜」と迎えてくれ「あのもう一人のお兄ちゃんはどうした?」からはじまってノンストップで話し続けることもあってか食べ物持ち込みOKという意味不明で絶対に打ち合わせの際には言ってはならない喫茶店(と言っても結局、珈琲も飲まず1時間くらい話しをほぼ聞いていたただけで帰ったのだが・・・)は1971年から続いていて、観葉植物のプランターがぶらさがりまくった素敵なベランダとともに今も健在だ。

当時、青山でおそらく最安であったはずの中華料理店ではなぜか窯焼きピザがメニューに加わり、気に入っていた大きめの豚まんと酸辣湯みたいなセットメニューはどこかへ消え、餃子が窯で焼かれ不味くなり(個人的な意見です)、飲む人は2時間まででお願いしますというどうやって線引するのかわからないルールがなくなっていて、時間帯のせいもあったかもしれないが客が前ほどあまり忙しく出入りしていなかった。

あの居酒屋にはまだいっていないが、相変わらずビールは薄く感じ(個人的な意見です)、もしかしたらパンクな店員さんたちが減ってたりはするのかもしれないが人の話し声がうるさすぎて結局隣に座った人としか話せない音環境はきっと何も変わっていないだろう。曲がった角のビル2階だかには同じ名前のカラオケ屋があってそちらも異常な安さを醸し出している。店や人と結びついた記憶というのはこうして再訪のたびにアップデートを余儀なくされ、その幅によって懐かしさみたいなものを感じるのだろうか。

あの坂を下ってみる。あの道を曲がってみる。体がロケーションとそこに結びついた自分の行動パターンを結びつけて記憶しているように感じ、時間が経ったにも関わらず身体は感覚で土地を認識できる?そのことの方がむしろ懐かしさなのだろうか、などと考えながら別の友人から借りた自転車であの頃よく行ったスーパーへ買い物に向かっていくがまったくたどり着かない。

「そうそう、このあたりは決まった道以外はできるだけ通らないようにしていたんだった。」

あの頃乗っていた自転車よりは大きめの自転車で車道の脇を走っていた私は左折しようとした瞬間に左腕をのばし、いるのかどうかもわからない後続の車にサインを送った。思わず笑ってしまった。日本でもそういう交通ルールはあったような気もするが、私としてはこれは完全にオランダの習慣。そうか、確かに何かを身に着けて帰ってきたのか。

行為によってあるロケーションに別の土地の記憶を持ち込む・・・

少しだけいま考えている作品と通じるところもあって気になる感覚に思える。よし、特に迷惑でもないだろうからこの習慣は続けてみることにするか。

soundartist77 at 09:38|この記事のURLComments(0)2016 Tokyo 

June 01, 2016

作品収蔵のご報告&Time of Others exhibition travelling to Australia, Brisbane!

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photo: (C) mamoru, Museum of Contemporary Art Tokyo, Courtesy of YUKA TSURUNO GALLERY

Exhibition@Queensland Art Gallery|Gallery of Modern Art, Brisbane
https://www.qagoma.qld.gov.au/whats-on/exhibitions/time-of-others

It’s June! How are you doing? I am about to finish my master in a month meanwhile… my work "THE WAY I HEAR, B.S.LYMAN 5th Movement Polyphony for Collective Imagination" will be exhibited again. "Time of Others", a travelling exhibition which opened in April 2015 and went around, is now going to be re-opened for the last time in Australia, Queensland Art Gallery|Gallery of Modern Art, Brisbane, from June 11 and ends in September 18, 2016. Thanks to all the artists, curators, staff, and visitors that I got(will get) in contact through this exhibition. The work has been acquired by Museum of Contemporary Art Tokyo and now a part of their collection, so I hope that they would show it sometime in the future. Special thanks to all the people I collaborated during the research and MOT and my gallery YUKA TSURUNO GALLERY.

Here is 1min Trailer/Prelude, using the very first part of the whole work(15min). Please have a look!
https://vimeo.com/168648575

More about the work(pdf 1.3MB): http://www.afewnotes.com/TWIH_LYMAN_1-4.pdf

….

クイーンズランド州立美術館・現代美術館での展示に参加します!
https://www.qagoma.qld.gov.au/whats-on/exhibitions/time-of-others

大変ご無沙汰しています、久々に展示の案内をさせて下さい。昨年発表した「THE WAY I HEAR, B.S.LYMAN 第5章 協想のためのポリフォニー」ですが再度、オーストラリア・ブリスベンのクイーンズランド州立美術館|現代美術館にて6月11日から9月18日の期間展示されます。2015年4月より巡回していた「他人の時間」展もこれでいよいよファイナルです。もしも夏休みなどでブリスベンに行かれる際は是非ご覧ください。参加アーティスト、キュレーターチーム、スタッフの皆さんいろいろとお世話になりました、そしてご来場下さった (る)皆様、ありがとうございます。おかげさまで作品の方は昨年度、東京都現代美術館に収蔵されました。また近い将来また展示される事を願ってます。何よりもこの物語の舞台であり、リサーチの際に色々な方に協力いただいた北海道と米国マサチューセッツでなんとか展示したいと願っています。

作品冒頭の1分ほどを使ったトレーラー・前想曲を作ったのでご覧ください。(全編は15分、2スクリーンの映像作品です。)
https://vimeo.com/168648575

作品詳細(英, pdf):http://www.afewnotes.com/TWIH_LYMAN_1-4.pdf

May 31, 2016

風を知るータンデム飛行2&Documenting my WIND STUDY!

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photo: Miyake Kotaro

<2015年8月4日の事>

風を知るータンデム2

昨日に引き続き霊石山からのフライト。風はある。むしろ強すぎるくらいで、今日は風が乱れている。前回は全力で駆け下りた崖もほんの2メートルほど歩いたかどうかという程度で、キャノピーが風を受け、崖側に落ちるどころか、むしろ斜面から引き剥がされる感じでいとも簡単に浮かび上がった。

眼下の樹々も田んぼも風で揺れている。斜面を駆け上がる気流を観察し、サーマルの位置を市川さんは正確に捉えるとそちらに寄せてゆく。サーマル(上昇気流)のコアに入った時の上昇圧は、まるで強い海流に下からつき押されるような感触。ハーネスに深くはまる位置に動くと、空中で座っている様な感覚になる。そのハーネスの底面から伝わってくるエネルギー、耳元を轟音で吹き抜ける風から大気はかたまりで流動していることを知る。

サーマルにも大きなものと小さなものがあり感触は違う。眼下の樹々の葉の揺れ具合ー広葉樹の葉などは裏返って白くなる、稲が揺れて上空からは黒い影かモアレのように見えるーなどからあらかたの予測を立て、サーマルをつかむ。

高度は上がり、気がつくとテイクオフした頂上を見下ろす形になり、手を振るスタッフの姿が見えた。彼女の顔が笑顔なのがわかるくらいには近いが、地表からの高度はすでに350m。近くにはハンググライダーが二機、そしてトンビが一羽。音もなく、滑るようにして滞空し、近づいてきては遠ざかる。

パラグライダーを何度か大きくスウィングさせ、高度をさげ、想像以上にソフトタッチで川沿いの草地に降り立つ。飛び立つ前に遠くに見えていたこの場所に降り立ち、あそこから飛んだのか、と山を振り返る。「飛ぶ」という言葉には思っていた以上に振れ幅が大きいと感じた。そのことを話し、どうやって大気の流れと一体になるのかと質問すると、風を知る人は一言「一体?ではないですねぇ。ただ遠くにいきたい、と思って状況に対応してるだけですよ」と言った。

本日の滞空時間約20分。

お礼を言ってインストラクターの方と別れ、私はスタッフの三宅君と2人と帰り路に着く。ひとしきり空中で得た感覚を興奮気味に語り終えると、彼が「パラグライダーの起源の話し聞きました?」と尋ねてきた。彼が言うにはアルピニストの一部で、山を降りる際にパラシュートで降りるというやり方があって、そこからいろいろと改良されて、今のパラグライダーの形になってきたそうだ。まだ30年程度の歴史だとか。そういえば命知らずのフリークライマーが断崖絶壁をロープなしで素手で登り、登頂後に、背中に背負った小さなパラシュートで降りる映像を見た事があるが、あんな感じだろうか。
「だから楽したい、っていうのが起源にあるんですよ、って笑いながら仰ってました。」と彼は言い添えた。

体力的な問題もあるかもしれないが、登って来た山道と全く違うルートで帰りたい、完全に違う体験をしたい、ということもあるんじゃないかと思う。確かに歩いて降りるよりは圧倒的に楽だし、楽しいのは間違いないと思うけれど。
私の場合は空の上にいるだけで妙に笑いがこみあげてくるような、内側から活き活きと湧いて来る喜びを感じた。目に自然と良い力がきて、毛穴がひらき・・・普段私の体を地面にしっかりと結びつけている重力から、束の間だが、自由になったように感じ、何か勝ち誇った様な気分になった。そしてそれを心から楽しいと感じ笑いが止まらなかった。
遠くへいきたい、空を飛びたい、そういう意思と気象条件というコントロールの対象外にあるパラメーター、その2つが接する時に、サーマルのあの圧力が私の体を押し上げるのだ。あの感触と、あの風の音をきっとこの先何度も思いだすだろう。

風を知るータンデム飛行1&Documenting my WIND STUDY!

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photo: mamoru

いまになって昨年の夏の事を記録するというのもやや妙なのだが、オランダでの大学院研究生活が残り3ヶ月となったこともあって、たまりにたまったこの2年間のまとめマインドに入ったのだと思う。

ともかく、鳥取で2015年8月に鳥取藝住祭の関連企画として、Hospitaleプロジェクトの赤井さんを呼びかけ人として、アーティストの山本高之さんと共同ディレクションした「SCHOOL IN PROGRESS」という企画を行った。その際に、私が長年地味に進めている「風を知る」というリサーチプロジェクトに絡めさせてもらうことにした。以下は、前にHospitaleで鳥取に呼んで貰った時から協力していただいているパラグライダー・インストラクターの市川正さんとの飛行記録を主にFBへの投稿を元にかきおこす。

「風を知るータンデム1」

2015年8月3日
朝から特急に乗り鳥取へ。

ー向かってます。空へ!(it's true. You'll see later!)

ーまだ向かってます!空へ!On the way!

ーまじですよ。serious business

などとFBに投稿しつつ、久々の鳥取、久々のパラグライダー。駅まで迎えに来てくれた風友三宅くんとともに国内でも有数のフライトスポットである霊石山へ向かう。

山頂に着くと良い風が。上昇気流をとらえたとんびが目の前をいともたやすく駆け上がってゆく。ただ遠くには嫌な雲が見え、吹き流しが時折強くはためいて、風が強まる気配がする。インストラクターの市川さんと電話で連絡を取ると、ともかくやってみましょう、とのこと。風がめまぐるしく変化する日暮れ前の時間帯、ちょうどフライトの準備が整った頃には風が無くなった。市川さんは積乱雲がこれ以上発達するか、日が暮れるともうアウトだと言う。かなり粘ってはみたがやや気持ちは折れそうになる。

ーどうします?明日もありますし今日はあきらめますか?

ー出来ればいろんな気象条件を経験したいので、なんとか飛びたいです。

迷惑だろうな、とは思ったがこのために来たんだから、と正直な気持ちを誠心誠意伝えた。しばらくすると市川さんはスタッフの方に「よし飛ぼうか」と声をかけた。

ーまず僕らでが飛んでみますね。マモルさんは滑走路の脇あたりで風を見て、こちらにタイミングくださいますか?

ータイミングくださいって、僕の判断で良いんですか?

スタッフの方の反応が心なしか「本当に飛ぶの?」という風に見えたせいもあって。滅多に緊張することはないが、さすがに自分のタイミングで誰かが飛ぶ(落ちるかもしれない)となるとプレッシャーがかかる。

風がわずかに強まる、または強まりそうだというタイミングを告げるには、眼下の崖沿いに生える草や下木の葉のわずかな揺れを観察するよりない。風が山肌を上がってくるのを見なくてはいけない。その風が自分に届いてからでは遅いからだ。

ーいきますねー!

と言う声がして、振り返ると、市川さんはパラグライダーのキャノピーを背負って、走りだした。

ーダメダメダメ!

足場用の単管とベニア板で延長された滑走路を急ブレーキで止まる。仕切り直し。
再度風を待つ。今度は風の強弱を見ながら市川さん達の方にも注意を向ける。

ーいきます!

今度は止まる気配がない。私はその邪魔になるまいと滑走路脇で崖を覗き込んでいた位置からさらに必要以上に飛びのけた。間髪入れずに全力で駆け抜けた市川さん達は・・・飛んだ、というよりも落ちたように私には見えた。樹々に触れるか触れないかというポイントすれすれでパラグライダーは浮かび上がる。そして、右にゆっくりと旋回していき私の視界からは消えてゆく。着陸ポイントは飛び出し方向とは真逆の河原なのだ。猛ダッシュで山頂逆側に向かう。現れてくるはずの方向から市川さん達はなかなか現れない・・・まさか落下したなんて事はないだろうがどうしても想像してしまって、ゆっくりと視界に市川さん達が見えた瞬間は何かを大発見したかのような興奮すら覚えた。三宅君が市川さん達を河原まで車でピックアップしに行ってる間に私は果たしてどうやって飛ぶのかと想像を繰り返す。思った以上に時間が経過している。おそらく時間からしてもそうチャンスはないだろうが、果たしてこの滑走路を走り抜けた先に私は空に浮かぶことができるのだろうか。

市川さん達が戻ってくると、いよいよ風はなくなっていった。

無風。そして無言。

ー逆側の斜面に行きましょう。

滑走スペースも広く、見晴らしも良くテイクオフが容易な斜面に着く。吹き流しは完全にうなだれて風が無いことだけを伝えている。

ー風無いですね。

ーもうダメでしょうか?

ーいや、逆にね風が全く無い場合こっち側の斜面だとひとつだけ飛ぶ方法があるんですけどわかりますか?

ー・・・

ー向こうと決定的に違う点があるんですが。

ー滑走路が斜面になってる?

ーそう、この斜面を迷いなく全力で崖まで走り切ると・・・

ー風を・・・生む。

ーやってみますか?

正直、これがコントなら落ちるのは見え見えだな、と思ってしまって思わず笑ってしまった。

ーやります!

後には引けない。着々と飛ぶ・落ちる準備をする。

ー走って、と言ったら走ってください。ダメだと思ったら私が「止まれ!」って言いますから、言わない限りは迷わずに走りきってくださいね。

ハーネスの各部を確認し、気持ちを整える。

ー走って!

前傾姿勢で斜面に足を取られないようにダッシュする、キャノピーが空気抵抗を受けて立ち上がったのか少しスピードが緩む、が崖はすでに数メートル先にせまっている。1回は練習がてら止まるのかと思っていたがその気配は無い、と察し邪念を振り払っう。どうにでもなれ、と斜面が崖っぷちに変わるその瞬間まで思い切り力をこめて走り切る。

ーまだまだ!

重力で体全体が下方に引きつけられ、ハーネスが食い込む。次の瞬間、私と市川さんの体は宙に浮かんだ。
上昇気流がほぼ無いため飛び出した高さよりも上に行くことはできないが、すでに十分な空気抵抗を得た私たちは、無風の静けさの中、斜面からゆっくりと離れていくと、眼下には樹々と田畑、川、人家、街並みをも遠くに見ることができる。遮るものが何もないため、上空では鳥の声がより澄み渡って聞こえる。
前年に砂丘で経験したパラグライーダー飛行と比べるとかなり長い時間のフライトだ。その感触に浸りつつ、無風でも、走って風を作り、飛べるという事実、その体験の面白さがこみ上げてくる。考えともつかぬ、興奮だけでもない、喜び。

ー風があるともっと自由に飛べますよ。明日は楽しみにしててください。

July 31, 2015

想像のための幾つかのスコア and upcoming lecture-performance!

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image: performance view: "THE WAY I HEAR/Several Scores for Imagination" 2015.Jan.27th, Tokyo

(Please scroll down for English)

現在、大阪の国立国際美術館にて開催中のグループ展「他人の時間」の関連イヴェンととして、私が各地で取材進行中の幾つかのリサーチプロジェクトを「想像のための幾つかのスコア」として紹介しつつ、来場者との「協想」、現代音楽フルート奏者の木埜下大祐氏とのことばと音の重なりによる”ポリフォニック”なセッションを織り交ぜたレクチャー・パフォーマンスを行います。
国立国際美術館で同時開催中の「ウォルフガング・ティルマンス」展や同エリア(徒歩圏内!)で開催中の堂島ビエンナーレにお越しの方はどうぞこちらも合わせてご覧下さい!

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レクチャー・パフォーマンス
「THE WAY I HEAR/想像のための幾つかのスコア」

出演:mamoru(テキスト、トーク)、木埜下大祐(フルート、トーク)
会場:国立国際美術館、地下1階講堂
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4-2-55 TEL:06-6447-4680(代))
日時:2015年8月8日(土)14:00 - 16:00(休憩あり)
入場:無料、先着130名 ※10:00から整理券を配布

音響:小松音響研究所
撮影:NOET PHOTO VISUALS
主催:国立国際美術館
協力:YUKA TSURUNO GALLERY、アジア同時代音楽協会(ADOK)

ー幾つかのスコアー

「アルノルデゥス・モンターヌスとアンドレアス・ベークマン」
現在オランダに長期で滞在しつつ展開中の17世紀アムステルダムにて出版された西洋初の体系的な日本書誌を著したオランダ人、また同時代にオランダ東インド会社に従軍した画家にまつわるリサーチより。

「B.S.ライマン」(>関連リサーチ記事)
明治初期、日本政府に招聘され北海道にて地質調査を行い日本初の近代的な地質図を作ったアメリカ人地質学者・鉱山技師ベンジャミン・スミス・ライマンにまつわるリサーチより。大阪でのパフォーマンスに先立ち、東京都現代美術館における「他人の時間」展にて発表した、字幕、ナレーション、音源による新作映像の紹介など。

「風を知るために」(>関連リサーチ記事
古今、東西、人文、科学を越えて人類のイマジネーションをかき立ててきた風。実際にパラグライダーやヨットを体験取材したり、いろいろなロケーションでの風見パフォーマンス、大気について考察した科学者達や、歴史に残る風を調べるなどしている長期継続中のフィールドワークより。特に今回は「風を知る人」として現代音楽フルート奏者の木埜下氏をパフォーマーとして迎える。

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Lecture Performance

"THE WAY I HEAR / Scores for Collective Imaginations"

performer: mamoru(text, talk), Daisuke Kino-shita(flute, talk)
date: 8th, August 2015, 14:00 - 16:00 (with intermission)
venue: The National Museum of Art, Osaka
admission: free, register at the reception from 10:00 -

sound: Komatsu Sound Lab.
photo: NOET PHOTO VISUALS
organised: The National Museum of Art, Osaka
special thanks: YUKA TSURUNO GALLERY, Asian Contemporary Music Society (ADOK)

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Dear readers!
Here is an INVITATION to my upcoming lecture-performance! As a part of "TIME OF OTHERS" exhibition now taking place at The National Museum, Osaka, the lecture-performance will include several projects that I have been working on as I briefly introduce below. I am very much excited to work with DAISUKE-Kinoshita, an excellent Japanese flute player and composer, who will be performing "polyphonic-talk" with me. He will also introduce special techniques of wind-instruments in relation to my WIND STUDY.

-about the "Scores for Collective Imagination"-

"Arnoldus Montanus and Andries Beeckman"
17C Dutch writer, Arnoldus Montanus was the author of "Atlas Japannensis being remarkable addresses by way of Embassy from the East India Company of the United Provinces, to the Emperor of Japan", so-called first Western book of Japanese Historical account and a painter who was his contemporary and went around East Indies as a soldier of Dutch East Indies(VOC).

"B.S.Lyman" (>related posts)
It is based on the research I have been doing over the past 3 years about an American geologist/mine engineer who were hired by the Japanese government in late 19C and conducted an important geological survey and made the first modernised geological map in Japanese history. I will introduce the work I presenting at the Museum of Contemporary Art Tokyo, titled "THE WAY I HEAR, B.S.LYMAN, The 5th Movements Polyphony for Collective Imagination". It is 2ch bilingual text-projection with bilingual narration and some field recording.

"WIND STUDY"(>related posts)
It is a fascinating borderless-timeless subject of curiosity and I have indulged into the subject for years; trying out sailing and paragliding, learning science of it, visiting windy locations, researching stories/myths and wind that changed the history. I am so pleased to have an opportunity to invite Daisuke Kino-shita again after the performance we did in earlier this year as a "wind player". He will tell/play us about his thoughts around wind instruments!

April 30, 2015

協想のためのポリフォニー and about TIME OF OTHERS exhibition

(for English scroll down please!)
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現在、東京都現代美術館にて開催中の「他人の時間」展に「THE WAY I HEAR, B.S.ライマン 第五章 協想のためのポリフォニー」という新作の「サウンドインスタレーション」を出品してます。
この作品は、明治初期に日本政府に招聘され来日し日本全国の地下資源を調査したアメリカ人地質学者・鉱山技師であるB.S.ライマンが夕張川流域で行った調査に関するリサーチを題材にしたもので、昨年、第四章として発表した「独想のためのスコア」からの展開となるサウンドインスタレーションです。
作品を構成する「音源」は、日本語と英語のナレーション、幾つかのフィールドレコーディングなどを編集した音、2つのスクリーン上に展開する日本語と英語による字幕。耳から聴く音、ナレーションや字幕から想像する「音」による「ポリフォニー/多声音楽」です。

ちなみに「協想」という発想はもともと第四章の際に提示した「独想」というアイデアに通じるものですが、今回は印刷されたテキスト譜ではなく、インスタレーション全体を「想像のためのスコア」として捉え、同じ空間に同じスコアからそれぞれの想像を働かせる複数の人達がいるという前提で書きました。そういう時間・空間でどういう意識のレイヤーが生まれるのか、協想はあり得るのか、という点に関心を持ちつつ作りました。もしかすると特に干渉しないのかもしれませんが、その場合でも「併想」の様な状態があり得るのかもしれません。

「想像の音」で言うと、作中の要素はいろいろな資料に基づいているので「B.S.ライマンが聴いたかもしれない音風景」と言えるものになっていると思うのですが、ある場面を編集している時に「ライマンが想像しただろう音」というのが「きこえた」瞬間があり、これまで追ってきた想像するサウンドスケープというレイヤーから、誰かの想像を想像するという、もうひとつ聴覚的に深化した感覚を得ました。その「音」も作品に含まれています。

展示の詳細は以下の通り、まだまだ会期はありますのでお時間ある際に是非ご覧下さい!

「他人の時間 - Time Of Others」展@東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/timeofothers.html
展示期間:4月11日ー6月28日

尚、「他人の時間」展は大阪の国立国際美術館、シンガポール美術館、クイーンズランド近代美術館に巡回しますが、展示中の作品は今のところ都現美とクイーンズランドのみで展示予定です。
関連イベントとして、8月8日に国立国際美術館でレクチャー・パフォーマンス「想像のための幾つかのスコア」を行う予定です。また詳細決まり次第掲載します。

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group exhibition "Time Of Others"

I went back to Japan for a little while to install my recent work for the exhibition at MOT, The Museum of Contemporary Art Tokyo. I am presenting a work titled "THE WAY I HEAR, B.S.LYMAN, The 5th Movements Polyphony for Collective Imagination". It is based on the research I have been doing over the past 3 years about an American geologist/mine engineer who were hired by the Japanese government in late 19C and conducted an important geological survey. A continuous chapter from the one I exhibited in 2014; Score for solo imaginative listener. The new chapter consists of several narrations that you hear from wireless headphones, series of short Bilingual(EN/JP) texts on two screen, and edited field recordings and a few other sound. It is 2ch text-projection with stereo sound.

I named the piece as polyphony for "collective imagination" thinking that the installation would become sort of a "score" to inspire collective people in the exhibition space, inviting them into their own imaginary soundscape. I am curious how/whether their imaginations would resonate each other in the space or may be they would not? then becomes parallel imagination?

Speaking of imaginary hearing, I had a very interesting moment when I was editing one part of the text-film. I "heard" one sound that B.S.Lyman might have imagined. Based on different types of research, I am now able to imagine what was like to be there and what you might hear if you were there, but "imagining the imagination of other" was a new layer for me. I have tried to included this sound in the work.

The exhibition runs until the end of June, so if you are ever in Tokyo please visit and see/listen to the work!

"Time Of Others" @ The Museum of Contemporary Art Tokyo
http://www.mot-art-museum.jp/eng/exhibition/timeofothers.html
exhibition period: April 11th - June 28th
more about the exhibition > e-flux/announcement

* Although the exhibition will travel to 3 other museums, my installation is planned to be shown only in Tokyo and Brisbane. However, a lecture performance related to the work is going to take place in National Museum of Art Osaka on the 8th Aug!

-National Museum of Art, Osaka
25 July - 23 September 2015
*8th Aug - lecture performance "THE WAY I HEAR"

-Singapore Art Museum
November 19, 2015–February 28, 2016

-Queensland Art Gallery|Gallery of Modern Art, Brisbane
June 11–September 18, 2016

January 16, 2015

一時帰国中のイベントリスト!and this is the list of lecture+performances in Tokyo Jan-Feb 2015

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image: front cover of the flyer for the Tokyo performance

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1 -Jan 25th/Tokyo/Talk

下記の展示に関連したトークイベントにて、昨年にリニューアルオープンした庭園美術館に関する物語執筆まつわる話などを書籍の写真を担当された写真家の高橋マナミさんとします。

1月25日(日)17:00-18:30
『庭園美術館へようこそ 〜旧朝香宮邸をめぐる6つの物語』
出版記念 高橋マナミ写真展(2015.1/22 Thu. - 2/1Sun.)
場所:ユトレヒト
Web: http://utrecht.jp/?p=14132

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2 - Jan 27th / Tokyo/Lecture Performance

「THE WAY I HEAR / 想像のための幾つかのスコア」
オランダにて進めているリサーチプロジェクト紹介や「風を知る人」(フルート奏者:木埜下大祐)との共演など

場所
東京文化発信プロジェクトROOM302
東京都千代田区外神田6-11-14(3331 Arts Chiyoda 3F)
日程
2015年1月27日(火)19:00〜21:00(開場18:30)
無料(要予約)info-ap@bh-project.jp
件名を「レクチャー・パフォーマンス申し込み」とし、「お名前」「ご所属(ご職業)」「メールアドレス」「当日連絡先(携帯電話など)」をご記載のうえ、info-ap@bh-project.jpまでお申し込みください。席に余裕のある場合は当日も受け付けます。
詳細: http://www.bh-project.jp/search/tabid/62/pdid/756/Default.aspx

Venue: 3331 Arts Chiyoda 3F, ROO302,
Date: Jan 27th 2015, 19:00-21:00
Admission: Free but RSVP; email to "info-ap@bh-project.jp" write mamoru/lecture performance, your name, email, phone. Thank you! and looking forward to see you.>
No translation but part of the performance will be done and presented in Engilsh. There will be polyphonic performance with the wind player(flutist Daisuke Kinoshita).

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3 - Jan 31st / Tottori/Lecture Performance

「THE WAY I HEAR / 想像のための幾つかのスコア」
オランダですすめているリサーチ・プロジェクトの紹介、庭園美術館リニューアル記念書籍に書き下ろしたサウンドスケープ・テキストのことなど

場所
旧横田医院・Hospitale Project
日程
2015年1月31日(土)18:30-20:00
詳細:https://www.facebook.com/events/1396086280685450/?pnref=story

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4 - Feb 1st / Osaka/mini party + mini lecture

「想像のための持ち寄られる食べ物と飲み物とスコア」
ift流のミニパーティー(皆と食べたいもの飲みたいもの一品ずつ持ち寄ってシェアします)+近況報告などとレクチャーパフォーマンスの一部。

日時: 2月1日(日) 19:00 - 22:00
場所:project room ift(大阪市北区中津3-21-15)https://www.facebook.com/iftproject/timeline
会費:500円(会場の長屋運営のためのご寄付をお願いします)

soundartist77 at 19:15|この記事のURLComments(0)news | live performance

November 30, 2014

まだ会った事のない友人 and that's how I met Kosta Tonev!

(Please scroll down for English)画像1


「CHAPTER SEVEN -03- まだ会った事のない友人」

キャリー付きの大きなバックパックにもなるかばんを2つピックアップし、ひとつを背負い、ひとつを引っぱり駅へと向かう。税関の背後にある大きな自動ドアを抜け、ターミナルに出るとすぐに格安プリペイドのSIMカードを購入し、手持ちのiPhoneに SIMを差し込み、いろいろと設定をしながら電車のチケット券売機に並ぶ。言語を英語に指定し、チケットを購入。階段を降りるとプラットフォームになっていて、運良くすぐにDen Haag Central行きの電車が来たところだったので、空いている席を確保して、15時間のフライトで疲れた体とやたらと重い荷物を座席に置いた。アムステルダム・スキポール駅からハーグまではIntercityという快速電車で約30分ほど。オランダはとても狭い。

ーyou can just send me a message after you get on the train. (電車にのってから連絡してくれれば大丈夫だから)

空いている席に腰掛けて、iPhoneを取り出す。オランダ鉄道(HS)の車両内では無料でWi-Fiが供給されている。Wi-Fiを接続すると、オランダ語の認証画面がポップアップする。全く意味は分からないが大体の雰囲気で判断し、チェックボックスを適当にクリックしログインする。iPhoneのWi-Fiシグナルが表示され、私は早速FBメッセージのアプリを立ち上げる。

新規メッセージ
宛先:Kosta Tonev
メッセージを入力:
I just got on the train to Den Haag Central. I will be there in about 30min or so!
Looking forward to meet you.(いまハーグ行きの電車に乗りました。だいたい30分くらいで到着しそうです!会うのを楽しみにしています。)


彼の名はコスタ・トネフ。まだ会った事のない友人(のパートナー)。

私がハーグに引っ越すと知って、数年前に東京で知り合って仲良くなったアムステルダム在住のアーティストの友人ダニエルが、ハーグ在住で彼の親友のアーティスト、アナを紹介してくれた。アナとはメッセージをやり取りしたり、Skypeで話したりしてハーグのアートシーンや大学院の事、日常生活に関してなどあれこれ教えてもらった。

Anna(以下、A): It's not easy to find a place here, you know. (オランダは部屋探しが大変だけどどうするつもりなの?)
mamoru(以下、m): I'm thinking to book a cheap hostel or airbnb for a week and try to find the room to rent.(とりあえず一週間くらい安宿に泊まりつつ、住む家を探そうかな。)
A: You can stay at our place if you don't find any place. But my first advise to you is to GET A BIKE!(もしいいところがなかったら家に泊まってもいいから言ってね。でもともかく自転車はゲットする事!)
m: OK! thanks a lot.(ありがとうー!)


まだ会った事もない友人は、見知らぬ土地に引っ越す私を気遣って部屋が見つかるまでの間、彼女が住んでいるアンチ・スクワット(*オランダ独特の合法的「不法占拠」:一定の期間使用されていない建物に許可を得て住む行為)のゲストルームに泊まっても良いよ、と言ってくれた。この「アンチ・スクワット」という非常に不思議な!?(空き家問題と住宅問題を直接つなげて解決?してしまう)オランダらしい合法化政策にも興味津々だったのと、安宿が意外に高かった事もあって、ありがたく彼ら(アンチ・スクワットは数名のアーティスト達でシェアされている。)のところに泊めてもらう事にした。出発の数日前に再度連絡したところアナは展示か何かでちょうど海外に渡航するとの事で、パートナーのコスタが迎えてくれることになった。

いったいどんな人だろう、と想像しつつ、メッセージ履歴を見たり、外の景色を眺めたりしつつ、しばらく返事を待ったが、メッセージが開封された様子はない。もしかすると気づいていないかもしれないと思い、とりあえず電話をかけることにした。

電話の発信音
電話の向こう口で男性の声
短く会話が交わされる

"OK. Then see you later!"(じゃあ、あとで!)


日本では電車内の通話は基本的に禁止されているし、個人的にもその方がありがたい気はするけれど、他国では電話している人を見かける事は多い。たぶん料金プランがほとんどの場合かけ放題で、プリペイドにしても同じ会社間は無料という様な事情も関係しているのだろう。そして、ここオランダも例外ではない。

周囲から聞えてくる人々の会話
英語、オランダ語(たぶん)、スペイン語・・・
ロシア語(確信無し)の様な響き・・・


電車はほぼ時刻通りにセントラル駅に着いた。プラットフォームを歩きつつ、周囲を見回してみるが、迎えらしき姿は見当たらない。しばらく駅のベンチに座って待っていると、私の想像に反して小柄な男性が肩にエコ・トートバッグをひっかけて、にこにこしながらこちらへ向かって歩いてくる。

Kosta(以下、K): Hi. I am sorry I am late. I had to do something with my friend.(遅れてちゃってごめんなさい。どうしてもちょっとやらなきゃならいことがあって。)
m: No sorry! I mean, thank you for everything and letting me stay at your place.(いやいや全然大丈夫! というか泊めてもらえるだけで本当に助かります。)
K: Sure, sure. How was your flight? Well, shall we go? I can carry one of your bag.(もちろん。疲れてない?まぁ、とりあえずいこうか?ひとつ持つよ。)


そう言って、コスタは私のキャリーバッグの一つをひっぱり歩き出した。彼の名前の響きから、東欧か中欧かロシアの人かな、とは思っていたが彼はブルガリア出身でオランダに来る前はウィーンに居たそうだ。ちょうど、私も2009年にウィーンに半年ほどいたので「もしかするとどこかですれ違っていたのかもしれないね」などと話しながらデン・ハーグセントラル駅から商店や映画館が立ち並ぶ中心を通り抜ける。ハーグの中心街、と言ってもたいした大きさではない。5分もあるけばデパートやショッピングモールの様な大きな建物は姿を消してしまう。運河沿いを歩きつつ、何軒かバーやレストランを通り過ぎ、15分ほど歩き、アパートに到着した。

確かに、他の建物と比べると外から見ても痛んでいるのはわかるけれどスクワットという言葉からイメージしていたよりは「普通」に見える。中に案内されると一階はおそらくもともとバーかレストランだったような雰囲気で、たくさんのテーブルや椅子、ところせましと木材、家財道具などが雑然と積み上げられている。2つ、3つ建物が地上階でつながっていて相当に広い。地上階のひとつのスペースでは不定期でイベントや展示があって、ギャラリーとして運営しているそうだ。天井のあちこちが剥がされていたり、雨漏りの痕跡がある。

ーなるほど

スペース効率を最大にする目的なのかわからないが、オランダのアパート特有の細く急勾配で湾曲して進む階段をあがる。ゲストルームは整理整頓されていて、部屋は広く、ベッドもあって、大きな窓が2つ運河に面している。幅1mほどの廊下をはさんで向かいには洗濯機と洗面台のある部屋があって、廊下のつきあたりには別の部屋があって他のアーティストが住んでいるらしい。挨拶しようと何度かドアをノックしたが、出かけていて留守の様だ。コスタ達の住んでいる部屋は階下のレストランの様なスペースを抜け、別の建物にあるらしく、少ししたらそちらに訪ねていくことにして、私はともかくも荷物を降ろした。

ーともかく、ここからスタート
………..

「CHAPTER SEVEN -03-A friend that I have never met 」

I picked up my two language with small wheels. One on my shoulders and another one pulling, I go towards the station, passing through the big automatic door behind the tax-desk. I get my prepaid SIM, trying to setup while waiting on a line to buy a train ticket. I arrived right on time on the platform as the train going to Den Haag Central arriving. I sat down put my heavy luggage and myself which is being tired from the 15-hour-flight. From Schipool Airport to Den Haag Central is more or less about 30min. The Netherlands is not so big.

ーyou can just send me a message after you get on the train.

I put out my iPhone and set the Wi-Fi. There is a free Wi-Fi in the train here. Off course you need to click some kind of “Agreement” to give all the data while you are using it…so it is not “free” in deeper sense. I cannot read Dutch, but anyway I agreed. Logged in.(I guess that’s what it says on the screen since I see the signal) I open my messenger App.

Create a new message
to: Kosta Tonev
message:
I just got on the train to Den Haag Central. I will be there in about 30min or so!
Looking forward to meet you.


His name is Kosta. He is one of a friend that I have never met.

An artist friend of mine who lives in Amsterdam introduced his good artist friend Anna Morelo after we chatted over FB about my coming and about his project going to Hokkaido. I got in touch with Anna and she helped me to get some sense of what’s it like to be in Den Haag.

Anna: It's not easy to find a place here, you know.
mamoru: I'm thinking to book a cheap hostel or airbnb for a week and try to find the room to rent.
A: You can stay at our place if you don't find any place. But my first advise to you is to GET A BIKE!
m: OK! thanks a lot.


She lives in an anti-squatte together with few other artists.(I guess there are this kind of very unique sense of legalization here in Netherlands.) They have a guest room and she offered me to stay there. In fact, Airbnb was way more expensive than my expectation in the case in the Hague, so I decided to thankfully take my opportunity. I contacted her before I left Tokyo and found out that she was also going abroad for her project, so Kosta came to pick me up.

I was looking at messages we wrote before, wondering what kind of person he is, sometime looking out from the window. There was no reply after a while, so I decided to call him.

the phone is ringing on the other side
a man picks up a phone
short conversation
and
"OK. Then see you later!"


It is not allowed to talk on the phone in Japanese trains.
Personally, I like it that way, however I see many people talk on the phone in other countries. I assume that a lot of them have unlimited contract, which was not the case in Japan up until recently or still today.

I hear a lot of conversation
English, Dutch(I guess), Spanish
and this one sounds like ….Russian?(I am not sure)


The train has arrived at Den Haag Central almost on time. I walked on the platform and look around, but there seems no one looking for me. I sat on a bench for a little while, then saw a guy rather shorter than I somehow was imagining came towards me with his smile on his face covered with beard.

Kosta(K): Hi. I am sorry I am late. I had to do something with my friend.
m: No sorry! I mean, thank you for everything and letting me stay at your place.
K: Sure, sure. How was your flight? Well, shall we go? I can carry one of your bag.


We started walking. From his name, I was thinking that he might be from East Europe, Central Europe, or Russia. He is from Bulgaria and before coming to the Hageu, he had lived in Vienna. I was there in 2009 for about half a year, so I said that we might have seen each other on the street. We passed through shops and theaters in the center of the Hague. When I say central, it really doesn’t mean that it is big, but it is rather small. If I walk 5-10min away, big buildings disappear. Walking along the canal, passing by bars and restaurants, we arrived at the apartment.

It certainly looks damaged compare to other buildings in the neighboorhood, but not so much. It is actually normal and if I didn’t know that it is anti-squatte, I would probably not notice. The ground floor used to be a bar or restaurant, I saw many chairs and tables, and other furnitures, kitchenwares. Two or three buildings are connected. It is a huge space all together. One of the space is used as a gallery space and they organize exhibitions or events once in a while. I looked up the ceiling which is partly scraped off and I can see the trace of leaking as well.

I see.

The typical staircase in the Netherlands is very steep, narrow, and someone circulating. Probably to maximise the economy of the space. I went up the stairs. The guest room was clean, big, has big bed and windows facing the canal. There is another room next to it where one of the artist lives in. I knocked on the door to say hi, but he was not there. Kosta lives in the other building, so I put down my luggage in the guest room, organized a little, and walked down the stairs again and visited their space.

Anyways, the beginning


November 21, 2014

「そして、すべては残響する」 and my text work is published today!

画像1

画像:参考資料より、image: from the research material

日本時間の今日22日、東京都庭園美術館がリニューアルオープン。その記念書籍として『「庭園美術館へようこそ」ー旧朝香宮邸を巡る6つの物語』が河出書房新社から刊行されます(した)。

参加作家は、朝吹真理子さん(小説家)、小林エリカさん(作家・マンガ家)、福田里香さん(お菓子研究家)のテキスト、ほしよりこさん(漫画家)の漫画、阿部海太郎さん(音楽家)の譜面、高橋マナミさん(写真家)というバラエティーに富んだ面々と私、mamoruです。

私のテキストは庭園美術館の敷地中央に生える2つの木との出会いから書きおこしたリサーチベースのテキスト作品です。これまで、パフォーマンスの為のスクリプトやテキストスコアを書いてきましたが、出版を主に念頭にしたものは初ですが現在とりくんでいる「THE WAY I HEAR」シリーズの延長線上のものです。是非ともお手にとって読んで下ると嬉しいです。

Amazon: http://www.amazon.co.jp/dp/4309255574
museum website: http://www.teien-art-museum.ne.jp/special/

My new soundscape-text work titled "そして、すべては残響する" (potential English title... "then, lasting echo" is published by a Japanese publisher Kawade Shyobo together with 5 other variety of texts written by novelist Mariko Asabuki, musician/composer Umitaro Abe, artist/manga writter Erika Kobayashi,sweets researcher Rika Fukuda, manga writter Yoriko Hoshi on a book that is made for the occasion of the renewal opening of Tokyo Metoropolitan Teien Museum.

My researched-based-text starts from my encounter with the two huge trees in the middle of the "teien"(garden). Over the summer, I started researching two tree and found very intriguing facts about them. It lead me to meet several people including a retired botanical researcher, a gardener, a historian. The text goes in between my field notes and imaginary conversation that was inspired by those professionals in relation to the soundscape texts related to the history of the trees.

I have written a script for performances and text-score for imaginary soundscapes but this would be the first work for me that was written for the publication in the first place. I do hope I(or someone!) can translate it into English one day soon, but for now it is in JAPANES ONLY!

soundartist77 at 19:53|この記事のURLComments(0)news | publications

October 21, 2014

入国 and I am in Den Haag !

(For English, please scroll down )ChSEVEN_02

..........

「CHAPTER SEVEN -02- 入国」

成田を発ち、インチョンで乗り換え、アムステルダム・スキポールに到着。

オランダへ日本人として留学する場合「VVR」という種類のビザ取得の必要がある。しかし以前と違ってビザは個人ではなく留学先の大学、大学院のみが申請できるため入国後にビザが発給される。つまり私のパスポートには何のスタンプもない・・・。大学院から送られて来たpdfにも、オランダ留学サイトにもその旨は記載されているし、大使館に他の用事で電話した際にも質問したところ同じ趣旨の回答があった。しかし、本当にビザ無しでスムーズに入国できるのだろうか?この「スムーズに」というのが大体にしてネックで、どうしても過去の入国審査での嫌な想い出が感情的な拒否感と不安をもたらしてくる。(何も悪い事はしていないのだけれど・・・。機材や作品を持ち込むと何かしら足止めをくらう事が多い・・・。)

もちろん帰国用のチケットは持っているけれど、それもフィックス・オープンのeTicketで仮に抑えている日時は来年の日付。ビザ無し合法滞在期間3ヶ月をとうに過ぎた日付だ。学長の直筆サイン付き大学院の入学許可証、授業料の領収書、後々ビザ取得に必要な銀行の残高証明のコピーも持ってはいる、でも全てプリントアウト。正直こんなもの全部Photoshopで偽造できてしまうのだから信用する意思がなければ何の価値もない。これまでも入国審査で緊張しなかった事はないが、3ヶ月以上を越える滞在者がビザ無しで本当に入国できるのだろうか?ちょうど数日前にスキポール空港の入国審査で足止めをくらったという友人のFBポストを見たこともあって、嫌なイメージしか沸いてこない。到着時間は夕方18時過ぎなのでそこからデンハーグに移動したとしても多少の時間ロスなら遅くなり過ぎる事はないだろうが・・・。

ーあぁ、本当にこういう感じ嫌・・・

「NON EU CITIZENS」の列に並んで待つ事15分
何組か手前のアジア人らしき数名が別室に移動して行った・・・

とりみだしたような女性の声(中国語?)
落ち着いた調子の男性の声
"Just wait here. It won't take you too much time.
Don't worry. We will just clarify it. It won't take too much time. Okay?"
(ここで待って。すぐ終るはずだから。心配いりませんよ。確認する必要があるだけなので。すぐ終るはずです。OK?)


入国を待つ人達は声のする方向に顔を向け、小声で何かをささやきあっている。
少し嫌な空気が流れ込んでくる。

長い金色の髪を後ろでまとめた女性の入国審査官が留学生らしきアジア人女性と一言、二言会話を交わした後にスタンプを押す。列の先頭に並ぶ中東系の出で立ちの家族が呼ばれる。その隣りでは大柄の男性入国審査官が別の審査官とちょうど交代するところで、時々別室に目をやりながら何やら談笑してる。もちろん、長い列を待たせたまま。

ーこういう光景ってどこの国でも見かけるな

そうこうする間に1人、また1人と審査をすまし、入国していく。いよいよ次は私の番だ。入国審査官の女性と目が合うと、私はカーペットにひかれた太い線を越えてガラス越しに審査官と対峙する。

[私(以下、m)はパスポートを審査官(以下、Q)に手渡す]

Q: Is this your final destination?(アムステルダムが最終目的地ですか?)
m: Oh, no I am going to Den Haag after this.(いえ、この後ハーグまで行く予定です。)
Q: Why are you going to Den Haag?(ハーグに行く目的は?)
m: Studying.(留学です。)


[mは大学院の入学許可証を手渡す。Qはその書類を受け取り目を通しはじめると、時折mの方に顔を向け、それまでの形式張ったやりとりとは違った雰囲気で話しかける。]

Q: Master Artistic Research - Master of Music. So you do music?(アーティスティック・リサーチー音楽修士号。ということは音楽家なの?)
m: Yes. I am starting my master at the Royal Academy of Art and Royal Conservatory in Den Haag.(はい。王立アート・アカデミーと王立音楽院で修士の研究をはじめるところなんです。)
Q: Sounds interesting.(面白そうね。)


[Qはまだ書類を眺めている。mは念のために用意していた他の書類をかばんから取り出そうとする。Qはそれを察した様子で、首を軽く左右に振り「その必要はない」事をmに伝える。Qは書類をカウンターに置く。]

パスポートにスタンプが押される

Q: Welcome to the Netherlands and good luck on your study.
(オランダへようこそ、研究がうまくいくと良いですね。)
m: Thank you.


[Qは笑顔でパスポートをmへと手渡す。mは入国する]

戦闘態勢とは言わないまでも、あれこれと言葉を用意していた割りには、あまりにも「スムーズに」入国審査が進み、それどころか、歓迎と励ましの言葉まで貰ってなんだか自分の疑心暗鬼が可笑しく感じられた。

ーこんなこともあるんだな

とつぶやきつつ、早速ハーグへと向かうために書類をカバンに入れ、空港駅へと急ぐ。ハーグ・セントラル駅ではまだ「会った事のない友達」が待ってくれているはずだ。

.........

"CHAPTER SEVEN -02- Entering"

After leaving Narita Airport, making transit at Incheon Airport in Korea, I have arrived at Schiphol Airport in Amsterdam.

To enter the Netherlands for studying purpose as a Japanese, you need a VVR VISA. Due to the change of the law, students cannot apply for the VISA on their own, but the host institution has to apply for them instead. It will be issued after the entry into the country. It means I don't have any stamp on my paspport indicating my legal status as a international student. This is mentioned in the pdf file that the University had provided me, on the Websites, even I confirmed with the Embassy of Netherlands in Japan when I had to call them for other reasons. Although, they all say that's how it works now..., I couldn't shake off my doubt; can I enter "smoothly"? I have too many bad memories at the immigration in the past that make me anxious about it. I never carry anything wrong, but sometimes they give me a trouble for carrying my custom-made-equipments and art works.

Off course, I have a return ticket, but it is a fix-open eTicket and the returning date indicated on the ticket is next year which is obviously over 3 month of non-VISA regal time period. I have brought the acceptance letter from my school with the signature of the president, a receipt of the payment for the tuition, a copy of my bank statement, etc. However, they are basically all print-out stuff, and easily be manipulated by Photoshops...Without the intention of trusting the person, these can loose its validity in a second. I just heard from my friend via FB that she had a bad time in Schiphol, which made me more anxious about it. I can be little late since my flight arrived around 18:00 and train to Den Haag won't be that long. I can still get there before dark.

- I just don't like the immigration stuff at all...(who does!?)

Waiting on a "NON EU CITIZENS" line for about 15 min or so.
I saw a group of Asian people been taken to the other rooms.

I hear a woman screaming. (probably in Chinese?)
A man calmly saying;
"Just wait here. It won't take you too much time.
Don't worry. We will just clarify it. It won't take too much time. Okay?"


People waiting on their lines looking towards the other room, whispering something to each other.
Not a good atmosphere...

On my line, a female immigration officer whose long blonde hair tied in back, talking to an Asian student, stamping on her passport. The next moment, a family probably somewhere from Middle East was stepping forward. In the next counter, there is a tall male officer talking to his colleague probably as he is finishing his working our, looking towards the other room, sometime laughing, off course making people waited on the line.

- I know this things happen everywhere...

One by one, people cross the border into the Netherlands, and I am the next.
My eyes and officer's met and I stepped in front of the glass wall facing her.

[I(m) hand in my passport to the officer(Q).]

Q: Is this your final destination?
m: Oh, no I am going to Den Haag after this.
Q: Why are you going to Den Haag?
m: Studying.


[m hand in the acceptance letter to Q. Q starts reading it and looking towards m a few times. Then Q talks to m in a little casual manner.]

Q: Master Artistic Research - Master of Music. So you do music?
m: Yes. I am starting my master at the Royal Academy of Art and Royal Conservatory in Den Haag.
Q: Sounds interesting.


[Q is still looking at the acceptance letter. m takes out the other papers from his bag, but Q notices it and makes eye contact, shakes her head a little to say "there is no need for that". Q puts the letter on the counter.]

The passport is stamped.

Q: Welcome to the Netherlands and good luck on your study.
m: Thank you.


[Q smiles at m and hand back his passport. m receives it and enter the country. ]

I was almost ready with every situation I could have imagined but not with this one. It went too "smooth" and I even got a words of encouragement. I just laugh at myself being so suspicious...

- nicely entered

Putting all the papers back in my bag again, and hurried to the train station. "A friend that I have never met" will be waiting for me at Den Haag Central.


September 06, 2014

圏外 and I am out of Japan for a while!

(For English, please scroll down )

..........

「CHAPTER SEVEN -01- 圏外」

早朝 iPhoneのアラーム音

友人宅のリビングの大きなカウチで目覚める。目線の先にカーテンの隙間からプランターに植わったアロエの葉に夜露が光っている。

ー快晴

いつもよりも少し重たく感じる体を起こし、大きな窓に近づく。ビルの間から朝日が昇ってゆく、光は強く眩しい。昨日、一日降り続いた雨のおかげかこの街の空気にしては澄んで見える。もしくは、旅立つ朝に雨があがった、それだけのことかもしれない。

ーいや、どちらにせよいい気分だ

などと考えていると、朝にめっぽう弱いはずの友人が私と同じアラーム音を何度も鳴らしながら起きてきて、おはよう、といつもより低い声で言ってからボソボソ何かをつぶやきながらコーヒー豆を挽き、フルーツとマヌカハニーの混ぜられたヨーグルトを用意してくれた。いまだに繰り返し鳴りはじめるアラームを友人がその度にただ消しているのが可笑しくて、私は妙に幸せな気持ちになった。

コーヒーメーカーのたてる蒸気の音

淹れたての珈琲をやや流し込み気味で飲みほして、じゃあ行くね、と言って部屋を出る。通りには人がまばらにいて、そのほとんどはこの街らしく外国人だ。ビルに写る朝の光を一枚撮ってみようかと思って取り出したスマホには圏外の2文字。そうか、昨日解約したんだった。

ー圏外

何かから解かれたその事実と、その感覚をポケットにしまいこみ、乗ろうと思っていたよりも一本早いメトロに乗り込んだ。

I am out of here maybe for a while / しばらく行ってきます

(-02-入国 へ続く)

..........

"CHAPTER SEVEN -01- OUT OF RANGE"

Five o’clock in the morning, the alarm of my iPhone ringing

I wake up on a big couch at my friend’s place. Peep through the curtain, there I find a drop of water on the leaf of aloe in a planter placed outside. Reflecting the sunlight. It's crystal, shining.

-clear day

I am feeling little tired than usual, but force myself to sit up, stand up, and walk over to the big window. The sun has been rising in between the skyscrapers. It seems to me that the sight is much clearer than usual. Maybe because it rained all day yesterday? or maybe it’s me who is setting out on a new journey.

-Well, in either case, it’s good to start a day like this

Ringing the same alarm on the phone over and over again, my friend has just woke up. With a “good morning” in her very low key, she is murmuring something, gliding coffee, and preparing a bowl of yogurt with some fruits and honey for me. Her alarm is still snoozing. It’s really good to have a friend like her.

the steam coming out from the coffee maker

I drink up the fresh coffee at last, saying “good bye” to my dear friend, and go out. There are only few people on the street, mostly foreigners, which is always the case in this part of the city. I put out my phone thinking to take a photo of the light on the building. I then realize two letters on the left upper corner of the screen on my phone; "圏外(out of range)”. Oh that's right, I have cancelled my phone last evening.

-OUT OF RANGE

I put my phone back in my pocket and get on a Metro little earlier than I planned.

I am out of here maybe for a while / しばらく行ってきます

May 20, 2014

音楽をつかまえて and 3 etude works are exhibitied in Kochi, Japan !

etude-book-warakoh
etude no.19 本、短い前想曲とともに、2014
photo: Mitsu Maeda

齋藤裕一/mamoru  音楽をつかまえて
4月29日(火・祝)〜6月29日(日)

藁工ミュージアム http://warakoh.com/ongaku

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現在、高知県の藁工ミュージアムにて上記の展示を開催中です。blogの方での案内が遅れてしまいました。この展示では「日常のための練習曲」から3作品を出品しています。
これまで各地でいろいろなバリエーションを重ねてきたetude no.11ハンガーとeutde no.13氷、そして新しい展開を「etude no.19 本」では試してみています。

「日常のための練習曲」はインストラクション/楽譜に沿って鑑賞者の皆さんに音を実演してもらう事で成り立つ、というのを基本としています。「etude no.19 本」ではページをめくる音を聴いてもらう、演奏してもらうのですが、本の内容はこれまで展覧会にちなんだ本やその時に読んでいる本などを選んでいましたが、今回は、高知にゆかりの作家の本を選び、そのための「短い前奏曲」というものを作り作品の一部としています。

上の画像にあるのが実際に手に取ってもらうために設置されている「冬彦集」という本です。昭和10年に再発刊された吉村冬彦(寺田寅彦のペンネーム)の著作で、その中におさめられた「病院の夜明けの物音」というエッセイをとりあげています。(エッセイは大正9年3月に書かれた。)

THE WAY I HEARというシリーズで特に取り組んでいる、テキスト楽譜による「想像の音」と「日常のための練習曲」の合わさったような雰囲気です。

24日14−15時に展示会場を使ったトークの際は、このエッセイのまつわる言葉の演奏を行うつもりにしていますので、ご興味のある方は是非お越し下さい!




soundartist77 at 14:26|この記事のURLComments(0)2014 Kochi | exhibition

May 03, 2014

新しい「独想曲」を発表します and the title is "THE WAY I HEAR, B.S. LYMAN"

(Please scroll down for English)

sml_TWIH_LYMAN
(c)Tokyo Wonder Site / mamoru

このたび、Tokyo Wonder Site本郷にて「THE WAY I HEAR, B.S.LYMAN」を発表します。この作品は、明治初期、近代化を急ぐ日本政府によって雇われた外国人専門家の一人で、鉱物資源調査や、その従事者の育成を託され、当時まだ「蝦夷」とも呼ばれていた北海道に赴き精細な地質調査を行い、その結果から日本初の総合的な地質地図「日本蝦夷地質要略之図」を出版したベンジャミン・スミス・ライマン(1835-1920)という人物を取り上げ、彼が聴いただろうサウンドスケープをテキスト譜を中心としたインスタレーションを通して「リスニング」して頂く作品となっています。
(制作プロセスの一部をこちらの過去記事から少しご覧頂けます)

今回は、その中からライマンが夕張川で小さな石炭の塊を発見する場面をもとにした第四章「19 June, 1874」を「独想曲」(お一人ずつ用意されたテキスト譜とインスタレーションから想像していただく形式)として発表します。

"聞いた事のない音を聴く事はできるだろうか?そんな事を思いめぐらしながら、この何年か幾つかの土地にまつわるサウンドスケープを題材に作品を作って来た。

現地におもむき自分の耳で音を拾い、実際に様々な模倣体験をしてみたり、土地の人達の話しに耳をすまし、歴史的な資料や気象や生態系に関する統計データを集め、日記や伝説等にも目を通し、一見ほとんど音とは関係のないそれらの体験やテクストの中にわずかに「残響」する、過去のある時点、ある地点で実際にあり得たかもしれない音風景をとらえようとしてきた。

「THE WAY I HEAR」という言葉には、耳を通してのリスニングだけでなく、知ること=リスニングへと拡張させた「音を聴く術」という意味を込めている。"


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TOKYO STORY 2014

場所:Tokyo Wonder Site Hongo(http://www.tokyo-ws.org/
期間:2014.05.03(Sat) –2014.06.08(Sun)  *Closed:5/7・12・19・26・6/2
時間:11:00–19:00
入場無料、Admission Free

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"THE WAY I HEAR B.S.LYMAN"

The new work that I am showing at the exhibition features an American geologist Benjamin Smith Lyman who came to Japan in 1873, conducted a three-year long geological survey trip in the northern island of Japan which then called Yesso/Ezo. He was one of the foreign experts hired by the Japanese government when it was rushing to modernize the country at the beginning of the Meiji Era. Lyman was hired to conduct a survey of mineral resources and train those taking part in the survey. He published the first comprehensive geological map in Japan ("A Geological Sketch Map of the Island of Yesso, Japan") as the result of his survey. The installation is a "stage" for imaginative listening; it is only activated by the audience engagement through reading the text-score and with simple actions suggested in the same text.
(You can see some of the past posts related to the research for this work.)

The 4th Movement "19 June, 1874" is based on a scene in which Lyman finds coal pebbles on a sandy beach of the River Yubari. The piece is for a "soloist" meaning that the space can be entered by one person at a time.

"Is it possible to hear a sound that one has never heard before? I have been asking this question for some years and travelled some places.

I have listened to the surrounding sound with my ears, tried to recapture the situation by imitative learning and observation, interviewed locals, gone through historical archives, methodological datas, environmental datas, personal diaries, and mythes. They may not directly refer to soundscape, but through collective resources, I have tried to listen to the reverberation of the sound of a certain moment and a place.

THE WAY I HEAR is my way of extending the modes of listening from physical one to more general idea; that is knowing=listening. "


March 29, 2014

風を知る人達 and I thank you for all of you!!

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photo: Ryoko Tanaka, 2014.03.23 旧横田医院屋上、西風、約3m/s

鳥取にて耳を澄まし、風を知る人達に出会い、彼らから預かった言葉とそこから考えた事、想像した事を自分なりにパフォーマンスと展示に編集することができた。協力してくれたみんなのおかげでやれたこと、時間が限られていてやれなかったこと、それらを憶いながら、ずいぶんと暖かくなったな、と思いながら鳥取を発つ。

展示は4月13日までやっていますのでお近くの方、鳥取を訪れる予定がおありの方、ご覧頂ければ幸いです。

エンドロール・クレジット

<風を知る人達>

・パラグライダー
インストラクター:市川 正さん(JHF公認インストラクター)
協力:砂丘本舗/鳥取砂丘パラグライダースクール(http://para.sakyu.info/

・ヨット
インストラクター:新家憲一郎さん(全日本トッパー級優勝、湖山池ヨット活動代表)、長尾達彦さん(Laser鳥取湖山池フリートサブキャプテン、鳥取大学体育会ヨット部第50代主将)
インタビュー:新家和憲さん(レジェンドセイラー、スナイプ級全日本グランドマスターズクラス優勝、スナイプ級マスターズ世界選手権優勝など)
文章取材:岡崎志保さん(鳥取大学体育会ヨット部 新 4 回生 )

・鳥取大火に関してのインタビューに応じて下さった皆さん

・気象データ
解析:石田祐宣さん(弘前大学大学院理工学研究科・気象学研究室)

資料提供:鳥取県立図書館、鳥取県立公文書館、鳥取地方気象台

<風を知るための/team mamoru_tottori>

・キュレーター:赤井あずみ
・リサーチ、取材コーディネート、記録など:
大下加奈恵、谷口沙希、河本珠奈、藤木美里、
佐々木航平、井上舞、伊垣実智、樽本光代、上山梓、小林巧三、隅田麻梨香、大西利永子、中田心、他

・撮影:田中良子、三宅航太郎

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March 20, 2014

風を知るための幾つかのパフォーマンスとそのスコア and the lecture performance + a show of its score!

P1100487
image: 北西の風、風速11m/秒を知るためのパフォーマンス / wind study - NW, 11m/s

mamoru|風を知るための/幾つかのパフォーマンスとそのスコア
Lecture Performance|幾つかのパフォーマンス 2014/03/22 & 23 15:00 start
Exhibition|幾つかのスコア 2014/03/27-4/13 13:00-18:00 入場無料・会期中無休

会場:旧横田医院(鳥取市栄町403)
このたび、ホスピテイルではサウンド・アーティスト、mamoruによるレクチャー・パフォーマンスを実施します。4週間にわたる鳥取滞在中、mamoruはこの土地の風を知ろうと、リサーチグループを作り資料にあたり、風を知る人達に会い、インタビューを重ね、自らもそれらの風を体験するためのフィールドワークを行いました。本作はその「風のスタディ」に基づいて制作され、パフォーマンスではそれらの成果がレクチャーされ、演じられ、集まった人達もまた「風を知る」でしょう。 パフォーマンス後に残された舞台装置と、新たに置かれるインストラクションおよびテキスト・スコアによる「風を知るための」手がかりとなる展覧会も開催します。

プロフィール|mamoru
1977年大阪生まれ。近年は身近な物や行為から生まれる微かな音をとりあげる「日常のための練習曲」や、過去−現在−未来/架空の音風景を実際のリスニングやリサーチによって書きおこす「THE WAY I HEAR」などのシリーズ作を発表。普段あまり気にとめない音を「聴くこと」から知りうる世界を提示することを試みる。主な展覧会に「MEDIA/ART KITCHEN」(アヤラ美術館、マニラ、2013)、「十和田奥入瀬芸術祭」(十和田湖、2013)など。www.afewnotes.com

主催・お問い合わせ:ホスピテイル・プロジェクト実行委員会(鳥取大学野田研究室内) 〒680-8551 鳥取市湖山南4-101
tel & fax:0857-31-5128/090-9546-9894(担当:赤井)email: hospitale.project@gmail.com http://hospitale-project.jimdo.com/
後援:鳥取市中心市街地活性化協議会
協力:砂丘本舗/鳥取砂丘パラグライダースクール、湖山池ドリームジュニアの皆さん、鳥取地方気象台、弘前大学大学院理工学研究科・気象学研究室
企画:鳥取大学地域学部(野田研究室、榎木研究室、小泉研究室、藤井研究室、浅井研究室)、赤井あずみ(キュレーター)
鳥取大学地域再生プロジェクト

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March 14, 2014

「風を知るための/竹ざおとロープ」and the wind brings the fish!

Tougou_morning
image taken at 10:52, 2013.Mar.13

テキスト :mamoru
コーディネート、撮影:三宅航太郎、リスニング:藤木美里

取材協力:東郷池の白魚を捕る人達
。。。。。

T18

2014.03.12 快晴、気温も高め。鳥取滞在中で一番いい天気かもしれない。
朝早くから好天ということもあり、予想していた午前10時よりも前に、風が海風に変わった。

急いでポイントへ向かう。三宅君が言っていた通り、竹ざおに荷造りロープをくくりつけけたのDIY風見が脇に立てられた小さな浜には、すでに何人か魚捕りの人達が居た。

東郷池では2月終わりから5月まで白魚が捕れる。
産卵期を迎えた白魚が風が強いと浜際にたくさん流されてくるのだそうだ。

首からさげた、ペットボトルを切っただけの魚かごに、網ですくった何匹かの白魚をつまみあげながら

「ポイントはわからん、網をただいれるだけ」

と、胴長を履き、腰まで海水につかって網を右へ左へと動かしながら、魚捕りのお父さんが楽しそうに、でも真剣に言った。

彼らはこの季節、風を何気なく待っていて、海風が吹いてくると家から出かける。

風は強ければ強いほど良い。
多い時には、網でひとすくいするだけでごっそりと大漁だそうだ。

「そんな時は何キロも捕れる」
「あれがあるさかい、やめられん」

一人の魚捕りの方が何も言わずに数匹の白魚を私の目の前に網であげてくださった。
つまんで透明の小さな5cmほどの白魚を眺めていると、横にいた別の魚捕りの方が

「生でも食べれる」

と、いうことで一匹頂いた。ザクっという良い歯ごたえ。(ちょっと生臭い)

しばらく話しを聞かせてもらってからその場をあとにした。
池沿いに車を走らせていくとおなじ様な竹ざおの風見が何本か目につく。
風見を誰が立てたのか聞き忘れたことを思い出し、先ほどのポイントに慌てて戻った。

「誰っちゅうことはない」

北北西からの風が強さを増す
目の前の波の音はひときわ大きくなり
すぐ後ろを通る車の音、
時折、魚捕りの人達同士がかわす短い会話だけが聞こえている

その場を離れ、その日の取材を終えて再び同じポイントを午後に通過した時には風は拮抗しつつも、すでに南よりの風にかわりつつあった。魚捕り達の姿はもうない。

Tougou_afternoon
image taken at 14:32, 2014.Mar.13

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March 13, 2014

「風を知るための/データ」and the Tottori Meteorological Observatory!

Meteorological Observatory
image taken at the Tottori Meteorological Observatory


テキスト: mamoru
インタビュー:北脇安正さん(鳥取気象台 調査官)
コーディネート: 谷口沙希

。。。。。。。。

T16

1952年4月をリスニング

現在は鳥取市内にもある観測ポイントだが、当時は湖山池付近にしかなかった。今では車で20分ほどの距離だが、湖山池というのは海際にあり(今では海とつながっているいわゆる汽水)気象条件は市内とずいぶん異なる事もある。当然風向きの変化も異なる場合がある。

調査官の方のお話によれば、当時は全国規模の天気図を一枚作成するのに半日かかったそうだ。

「当時はまだモールス信号ですかねぇ、外国からのそういうデータが集まってきて・・・それで手でねこういう等圧線なんか書き入れていったんでしょう・・・」

私にが天気図に大して抱いていたイメージは「現在」を知る手だてであり、また「予測」をたてるためのものだが、つまりその当時は純然たる記録でしかあり得なかったのだ。だから明日の天気がどうなるか、よもや明日どんな風が吹くのかは(今もってそれはとても困難な事だそうだが)知り得るものではなかったのだそうだ。

「予測は・・・できなかったでしょうね」

資料を撮影し、その後当時を知る人のお話を聞きに急いで移動。

リスニング継続・・・

取材協力、資料提供:鳥取地方気象台

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March 08, 2014

「風を知るための/テイクオフ」and I did Paragliding !

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「風を知るための/テイクオフ」

テキスト:mamoru
画像:三宅航太郎、映像:河本珠奈、リスニング:大下加奈恵、コーディネート: 谷口沙希

パラグライダーインストラクター:市川 正さん(JHF公認インストラクター)
協力:砂丘本舗/鳥取砂丘パラグライダースクール(http://para.sakyu.info/
。。。。。。。。。。

T-10

2014年3月4日、晴れてはいるが、曇が多く時折日が隠れる、気温は10℃を下回りじっとしていると寒い

砂丘にたたずみ海に向かって耳をすませば、
少し遠くから、幾重にも力強い波の音
時折、とんびが上空でピュロロロローと鳴く
耳元で風がする音がして、砂の上では何かがころがっている
そしてゴォォ、シュー、ドゥオーンとひときわ大きな波が打ち寄せる
周囲から砂丘散策を楽しむ話し声や、服がこすれる音がちらほら聞こえ
上空をヘリが南西の方向へぬけていく

つい30分ほど前に砂丘に到着した時はまだ陸地があったまっておらず、山から海へと弱い南風が吹いていたが、インストラクターの市川先生が「10時前後にはきっと、風のおしあいがはじまって、北向きに変わると思いますよ」と言った通り、10時きっかりに吹き流しはほぼ真北からの風を受けてそれまでとは逆の方向へとはためきだした。風速1−2m/秒程度の穏やかな北よりの風。私たちはその風をとらえるためにテイクオフのポイントを変えた。


「もう少し右に動きましょうか」

私の目の前には、砂につきたてられたプラスチック棒にとりつけられた吹き流しがたっていて、海から私の背後へとはためている。これが海風だ。

「それじゃあ、そのまま前に進みましょう」

背中に背負ったパラグライダーにずしんと抵抗が加わる

「手を挙げてー」

キャノピー(パラグライダーの翼)からのびている何本もの細くて固いラインがピンと張って、風は私の体を上へと吊り上げはじめる。

「はい、はなしてくださいー。そう帯はなしてー」

ラインを束ねた先にあるベルト状の帯と呼ばれる部分を手放すと、手に握られているのは舵取りのためのハンドルだけだ。下が砂地ということもあって、一歩前に進むのにも相当に力が必要になるが、前傾姿勢になるとブレーキ作用が働き余計に進まない。ここからが風からの抵抗を最大に感じる場面。

「前に走って!」

そう言われて走ろうとするも殆ど前に進んでいる気がしない、上半身をあげ、目を海の方へやり、必死で前へ前へ、ともがく。

<ほんとに前にすすんでる?>

「そう、まだ走って、まだまだ!」

<でも、もう足浮いてますよ!>

そう思いつつも、教えられた通り走っているかのように足を動かし続け、砂丘の頂上から斜面が下りにさしかかる、と同時にテイクオフ。間際まで、帯のあたりを手に持ちひっぱりながら並走してくれた先生の息はもう聞こえない。

足が宙に浮く、まだ重心は乱れていて、地表に戻されそうな力を感じて不安になった、のも束の間、体は完全に浮かび上がる。

「はい、肩ーー!」

ハンドルを握った両手を肩の位置へやる。バランスがとれてくる。
つい先ほどまで全身に感じていた抵抗は「0」に近づいている。

風にのったのか?

「はい、右ーー!」

おそらくほんの数秒のことなのだろうが、目には見えない大気の動きにあわせてすべる、ただすべる。少し異質な空間の流れ方を知る。驚いたことに私はほとんど「無音」に近い感覚を覚えた。

「両手ーーー!」

地表が迫ってきて<あともう少し飛んでいたい!>という私の想いは、私の背中へと伝わってきたパラグライダーの重みによってかき消され、束の間味わいかけた異質な感覚は散り散りになる。風にあおられたキャノピーが私の前方にスクリーンのように広がってから砂の上に落ち、少し引っ張られる。

風はそのあとも刻一刻と変化を続け、午後になって太陽が雲に隠れ陸が熱を失いはじめてからは海風が負けて、風速6−8m/秒の少し強めの南風にかわった。

私は砂丘をあとにし、その風をたどるためにある山へと向かった。

soundartist77 at 17:30|この記事のURLComments(0)2014-2015 Tottori 

March 05, 2014

風を知るための幾つかの習作ープロローグー and THE WAY I HEAR, Tottori 2014

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image: 旧横田医院の一室

現在、鳥取市に滞在しながら「風を知るための幾つかの習作ーパフォーマンスなどー」の制作を行っています。「THE WAY I HEAR」というサウンドスケープをあつかったシリーズの新作を、と思ってたのですが、どちらかというと2012年頃から地味にやってきた「風のスタディ」という風や大気に関連した作品になりそうです。

鳥取では3月8日14時よりトーク
https://www.facebook.com/events/236066536517644/

3月22、23日(両日とも15時開演)にパフォーマンス
おそらくこちらに詳細がアップされると思います
https://www.facebook.com/pages/Hospitale-Project/292567924186154

パフォーマンスもテキスト(語り)が主体になる作品ですが、こちらのブログではその一部、または別の内容を、1月の下見から、幾つかの場面だけになるとは思いますが書き起こしてみたいと思います。
。。。。。。。。。。。。。。。。。

<プロローグ>

T-1

2014.1.4. くもり・雨
大阪駅11時24分発のスーパーはくとに乗って鳥取へと向かう。
途中、明石辺りでは灰色の海が間近に見え、大原駅辺りからは雨が振り出した。
枯れた山を両側に眺めつつ、いくつかの川を越えて、トンネルを抜けていく。所々、雪が積もっている。

予定よりも少し遅れて鳥取駅に到着。プラットフォームから階段を降りつつ、迎えを探そうと改札付近に目をやると、小柄な女の子が私の名前を書いたメモを頭の上にのせているのが見えて、すぐにそれとわかる。

鳥取市内も小雨まじり

大学三年生だというOさんに連れられて、いったん地下に下り、短めのアーケードを抜け、今回の滞在先であることめや旅館に着いた。駅からわずか5分くらいであろうか。

宿は想像していたよりも小綺麗な構えで、もと旅館(その前は遊廓)の風情をそのままに備えている。

ガラガラ、と引き戸をひらき、「おじゃまします」と一言

宿のご主人の岩原さんが木造二階建ての建物内を案内してくださった。「旅館」と言っても、すでに旅館業としては廃業し、現在はコワーキングスペースとしてWi-Fi、コピー機などを用意し、一階の居間部分を安い使用料で開放したり、二階部分は別のアートプロジェクト関連のアーティストのためのレジデンスとなっている。(そしてまさしく私がその「別のアートプロジェクト関連アーティスト」なのだ。)

表から見えるよりも奥行きがあって、部屋数も多い印象を受けた。

「この建物自体は築何年くらいなんですか?」と尋ねると、岩原さんは昭和18年の鳥取大地震、そして昭和27年の鳥取大火の事を話してくれた。そして今私達がいるこの宿はその大火のあとに建てられたのだと。土地の記憶はこうした大きなエポックによって区切られていて会話の端々にのぼるのかな、などと考えた。ともかくこの建物は築60年ということになる。

今回、鳥取にやってきたのはHospitale Projectというアートプロジェクトからのお誘いを頂いたからで、鳥取大学の地域学部の学生達とも連携し、3月に滞在制作と作品発表の予定。このプロジェクトは旧横田医院という元病院施設をベースにして活動を展開されている。

私もことめやを後にして早速旧横田医院へ下見へと向かった。町の病院にしては規模が大きい、事前に聞いてはいたが、鳥取の近代建築物として異彩を放つこの円形の病院は廃墟と呼ぶにはしっかりとした風体であるが、病院としての機能を放棄した感が覆っていて、時間が止まった様な印象は否めない。外よりも冷んやりとした病院内を歩いて回る。

..................
病院内に作られた小さなサロンにてリスニング

窓の外から雨音
壁にかけられた時計の秒針
少し離れたところから、横断歩道かなにかの電子音
すぐ窓の外で、鳥のギャーギャーと鳴く音
雨に濡れた通りを車が走りぬける
猫が耳障りな鳴き方をしている

.............

約1週間の下見だったが、町を見下ろせる山に登り、図書館で資料をあさり、そこからインタビューをしたり、小学校を訪ねて貴重な資料を借りたり。。。手伝ってくれる人たちにも助けられ、いくつか「風の種」をみつけた。私は協力してくれるスタッフに追加リサーチやそのレポートをお願いして、ひとまず鳥取を離れ、3月にその「風の種」をさらに掘り下げる事にした。

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January 31, 2014

独奏曲「六ペンスの風」という作品 and my second wind study

(please scroll down for English)
AIT_room_sml
installation view

本日より開催される下記の展示にて小品を出品しています。AITのオフィスに併設されたレクチャーなどが行われているシェアオフィスの様なスペースでのアールブリュットの作家さん達との展示で「リビングー日々の世界の奏でかた」という展示です。詳しいことはリンクからご覧下さい。
http://www.a-i-t.net/ja/future_archives/2014/01/living-exhibition.php


独奏曲「六ペンスの風」、日常のための練習曲(風のスタディを兼ねて)、2013
テキスト、ケトル、水、コップ、六ペンス銀貨、二種類の茶葉、書籍による独奏又は独想

という長いタイトルなのですが、etudeシリーズで扱ってきた日常の音と、そこから徐々に興味を膨らませてきた「風」に関するのスタディをテキストでつないだ新作で、来場された皆さんに私の書いた楽譜ースコアを元に独奏&独想してもらう作品です。小品というか習作的なものですが新しい試み(といってもなんだかわかりせんよね。。。)なので、期間は短いのですが、是非お近くにこられた際にはお立ち寄り下さい。よろしくお願いします!

。。。。。

リビング - 日々の世界の奏でかた

会期:2014年1月31日(金)- 2月9日(日)
時間:11:00 - 18:00 *入場無料
場所:AITルーム(東京都渋谷区猿楽町30-8ツインビル代官山B403)
休 :2月2日(日)
主催:「リビング - 日々の世界の奏でかた」展実行委員会 
(MAD2013受講生+NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト])
特別協力:日本財団
協力:工房集/社会福祉法人ほのぼの会 わたしの会社/救護施設 松山荘

※ 本展は、NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]のアール・ブリュット講座受講生による修了展です。

..........

I'll be showing my small work for a small exhibition at AIT room in Tokyo, Daikanyama along with 3 other so-called-outsider artists.

My new work titled; "a wind for sixpence"

The visitor would read the score and play/imagine the sound to realize the piece.

Please come by if you are around. The score is written both in Japanese and English!

Exhibition"Living"

Date;
2014 Jan 31st-Feb 9th, not open on the 2nd
Time; 11:00 - 18:00
Free admission
Place;
AIT
https://www.a-i-t.net/en/form/contact.php

soundartist77 at 07:03|この記事のURLComments(0)exhibition