流通ジャーナリスト金子哲雄〜金子観光協会〜

鉛筆からミサイルまで、あらゆるジャンルの流通過程を五感で追い続ける流通ジャーナリスト・プライスアナリスト金子哲雄の責任推奨観光ガイド

「”ネオ”ヨン様追っかけは趣味と実益を兼ねている」4

ソウルソウルの玄関口 仁川国際空港では、日本各地からの到着便が集中する午後6時台は、入国審査の通過に約1時間!!空前のウォン安円高メリットを受けようとする日本人観光客がどっと押し寄せています。民間調査機関によりますと、民間企業における従業員1人当たりの冬のボーナス平均支給額は40万5378円。去年の冬に比べて3%ほど減る見通しですが、円でもらったボーナスをウォンに両替し、ソウルで使えば事実上ボーナスアップですよ!そんな日本人観光客の心理をビビットにキャッチしているのでしょうか?ソウル中心部 明洞にある化粧品店では、どの店でも「IKKOさん ほめる」、なんとなく、意味はわかりますが、微妙に違う日本語のポスターが貼り、日本でも空前のヒットとなったBBクリーム(巧みな日本語で「ウォン安の今がお買い得です!」と声をかけてきます。購入者の多くは、大人買い、すなわちダース単位で買っているんですね。いくら、人気商品とはいえ、使いきれないだろうと思って、買っている張本人に尋ねてみると、「日本に帰国後、オークションで販売しているとのこと」。失礼ながら、インターネットに精通しているとは思えませんが、オークションはご子息に任せているそうです。つまり、ヨン様のおっかけをしながら、交通費や滞在費を稼ぐために、日本で人気がありながら、日本未発売の化粧品を買い、帰国後、ネットで売りさばく。そんな趣味と実益を兼ねた”ネオ”ヨン様追っかけが増えてきています。物価高、雇用不安など叫ばれていますが、お上(国)に頼ることなく、しぶとく生き抜く人も増えていることも事実です。個人では経済の流れを変えることはできないからといって、ただ指を加えて眺めているわけにもいきません。今のトレンドは稼ぎながら、楽しむ!!そんな生活エンジョイ型のライフスタイルへの転換が不景気を乗り切るコツではないでしょうか?

「サービスを選択できることが最良のサービスである」3

スカイマーク関西から東京に戻る際、神戸空港発のSKYMARKに搭乗しました。値段は片道12000円、同区間の新幹線料金が14670円ですから、お得感満載です。神戸空港は三宮からポートライナーで約18分、都市部からのアクセスも良好です。午後8時のフライトだったので、当日の午後3時頃、携帯電話から予約したのですがチケットの売れ行きは5割程度、意外と人気がないのだなぁ〜と思いながら空港に向かいチェックインすると、なんと自分が最後の客でした。つまり、約5時間で定員の5割、約100席が売れたことになります。さすが、物価高の今、価格志向の賢い消費者、安いチケットを知っています。機内に乗り込むと、レザーシートのデザインもなかなかよく、けっして格安だから機体が古いといったこともありません。約1時間のフライトですが、ドリンクは希望すれば有償で分けてくれます。機内のシートには備え付けの音楽プレーヤーや機内での映画もありません。だからといって、「サービスが悪い」とは決して感じません。というのは、アップルのi podを持っている人にとっては機内にて音楽サービスがなくても、自分の好みの曲や映画を入れて歩いているので、困ることはありません。ドリンクも必要があれば、搭乗口前にある自動販売機にて購入してから乗れば済むことです。従来の航空会社では音楽サービスやドリンクサービスが不要であっても料金に含まれており、余計なコストを強いられることもありました。さらに航空会社によっては、客が眠っている間にドリンクを配った場合などは、前席の背もたれに「お客様が眠っていたので、ドリンクを配らなかった。目覚めた後、必要であればキャビンアテンダントを呼んでくれ」など、なんとも恩着せがましいメッセージを残していたり。いずれにせよ成熟化した消費社会では客がサービスを選択できることが最良なサービスではないでしょうか。

「感動すると、また行きたくなる」5

ちゅら海沖縄県那覇市から車で約90分、本島北部・本部町にある沖縄美ら海水族館を訪ねました。高速道路を下り、名護市を通過して本部半島の高台に上ると、沖縄海洋博覧会跡地に整備された海洋博記念公園に到着。その核となる施設が水族館でした。公園内に入ると、東シナ海にぽっかり浮かぶ伊江島が飛び込んできます。目の前に砂浜に目を向けると、今度はサンゴ礁の海が広がります。この景色を見ただけで「那覇から90分以上、かけてきてよかった!!」を右手を高らかに突き上げたくなります。館内への入口は4階にあり、フロアが下に行くにつれ、沖縄の海の浅瀬から深海にいたる様子を展示しています。もちろん、水槽の中の魚は沖縄近海で暮らすものばかりです。同館には世界初と世界最大級の二つを同時に見ることができます。世界初は通常、水族館などの人工的な空間では複数飼育が困難とされていたジンベエザメ、マンタ、サンゴの大規模飼育を展示していること。そして世界最大級はビルの3階建ての高さに相当する8.2m深さ、幅22.5mの巨大水槽です。その中には全長7.9mものジンベエザメをはじめ、多種多彩な魚たちが泳いています。また、魚の上や横からは図鑑などでも見ることができますが、巨大水槽であるが故に、ジンベエザメなどの泳いでいる姿を魚体の下から眺められます。黒潮の回遊魚にも手が届きそうな感動と興奮を存分に楽しめます。自分は初めて美ら海水族館におじゃましたのですが、入館した瞬間から「もう一度、行きたい」と思ってしまったんですね。というのは、海に潜らなくても、海の中にいるような展示、さらに専門の解説員の方が丁寧に魚の生態を説明してくれます。つまり、単に魚を見るだけでなく、なぜ、そのような色になったのか、特徴になったのか。そんな魚の生態を少しでも理解できると、感動は増幅される。また行きたくなりますよね。

「商店街での食育を通じ、未来の顧客づくりを行う」5

商店街沖縄沖縄県那覇市にある第一牧志公設市場では鮮魚、精肉、青果、地元の漬物など、沖縄県内で収穫された生鮮産品を中心とした市場です。那覇市民のみならず沖縄県内で暮らす庶民の台所でしたが、内地の大手流通業の進出等により、客数は減少傾向にありました。さらに大手の進出は、沖縄県民の食生活までも大きく変えました。沖縄料理は長寿になると言われていますが、沖縄で暮らしていても20代〜30代のひとたちは、もはや、子供のころから大手流通業のチェーン店での買い物が一般的になり、いわゆる沖縄料理は正月、旧正月、盆、旧盆といった行事の時くらいしか、食べなくなってきたそうです。大手チェーンの進出は沖縄の食文化までも変えてしまう力があったんですね。そうなると、困るのは沖縄料理の食材を中心に販売していた牧志市場の店主たちです。もちろん、売上が減少することも困るのですが、それ以上に沖縄の食文化が消えてしまうことに危機感を抱きました。そこで、地元中学校と連携し、市場での職業体験を通じ、沖縄料理について理解を深め、沖縄の食文化を継承しようという取り組みをはじめました。まさに実践的な食育です。はじめは子供たちも、恐る恐る売場に立ち、食品を加工したり、袋詰めしたりしていましたが、作業が進むにつれ、「昔、おばあちゃんに作ってもらったよ」、「夏休み中、お盆の時、食べたよ」と沖縄料理について造詣を深めただけでなく、作り方を学ぶことによって、自宅でも食べたいと思うようになったといいます。沖縄料理の食べ方、おいしさを知らなければ、食べたいと思うようにならず、市場にも足を運びません。市場の集客力を高めるためにも、食育は重要な役割を果たしています。商店街は単にモノを売るだけでは生き残りません。地域コミュニティーの核として、食育を担うことも、未来の顧客づくりにつながるポイントではないでしょうか?

「大手流通業では産地との直接取引を強化している」4

漁港お盆の真っただ中の8月17日、日本の水産流通において画期的な出来事が起こりました。大手GMSイオンと漁業生産者の団体であるJFしまねが直接取引を開始しました。直接取引とは漁港で水揚げされた鮮魚類をすべて小売店が買い上げ、当日、もしくは翌日、店頭にて販売するというものです。今回は松江市近郊の加賀、多古、塩津、大社の4つの漁港で水揚げされた鮮魚類をすべてイオンが買い上げ、山陰、関西、中部地区の約80の店舗にて販売しました。通常の水産流通では水揚げされた鮮魚類は産地卸を経由し、築地などの消費地卸に送られてから、小売店、消費者に届きます。一般に漁業生産者、すなわち漁師さんの手取りは小売価格の約24%、例えばスーパー店頭で400円で売られている鮮魚の場合、漁師さんは約96円の手取りになります。命がけで魚をとっても、100円以下しか収入になりません。では残りの約300円はというと、産地並びに消費地の卸売業者のマージンと物流コストです。直接取引により、物流コストはかかるものの、卸売業者のマージンが支払われないため、その分、漁師さんの手取りが増えます。イオンでの鮮魚店頭価格は従来の取引形態の場合とほぼ同じですが、今回の直接取引の目的は店頭価格を下げるというよりも、漁師さんの経営を安定させることでした。というのも、原油高等の上昇にも関わらず、そのコストを事実上、漁師さんが負担していました。ただでさえ、手取りが少ないため、原油代の高騰分を負担すると、利益はゼロどころか赤字になります。このままでは漁に出る人がいなくなり、店頭から近海ものの鮮魚類が消える可能性もあります。そこで、イオンはJFしまねとタッグを組み、直接取引に取り組みました。もちろん卸売業者を通らないので、鮮度は抜群です!漁師さんも消費者も喜ぶ直接取引、今後の拡大が期待されますね。

「地方大型SCの開発が、若者の都市流出を抑制する」4

出雲島根県出雲市にオープンしたゆめタウン出雲は同店を中心に半径40劼ら集客する巨大ショッピングセンター(SC)です。テナントには東京や大阪で人気のブランドショップが入店し、そのフロアを歩いていると、渋谷109や大阪ミナミのアメリカ村にいるような気分になります。それまで大型SCは「商店街コミュニティーを破壊する悪者」といったイメージが映像等を通じ、作られていました。もちろん大型SCの出店は、商店街の衰退を加速させたかもしれませんが、もともと、車での来店利便性が低いだけでなく、最新のトレンドファッションの店がないなど、大型SCができても、できなくても商店街は衰退していく業態でした。さて、大型SCのオープンにより、最も喜んだ世代はティーンエイジャーから20代前半の女性たちです。それまでは、ティーン向けの洋服を買おうと思うと、片道3時間以上かけて広島、大阪などまで足をのばさなければなりませんでした。また、おしゃれなファッションを着て歩きたいと思っても、その服を着て歩く場所がありませんでした。その結果、ファッションに興味のある世代の中には都市で暮らしたいという気持ちになり、人口流出の要因にもなっていました。ところが、大型SCのオープンにより、それまで都市で買い物していた人が地元大型SCでショッピングするようになりました。さらに、買った服を他人に見せる場所もできました。ティーンのお客さんの様子を見ていると、売場を歩きながら、本当に楽しそう、何か新しいものに出会いたいといった好奇心があふれる表情でした。もちろん、都会的な生活をすることが、必ずしも幸せとは言えませんが、地方都市において都会的な暮らしを選択できることも、地域振興ではないでしょうか?大型SCの出店は消費者の選択肢を増やし、商圏人口や定住人口の都市への流出を抑制し、地域経済を活性化する起爆剤になると確信しました。

「健康は意識しなければ維持できない」4

荒川5月10日(土)荒川から埼玉県志木市までの80kmを走破するサイクリング、東京センチュリーライドに出場しました。前日にラスベガスから帰国したため、時差ボケ解消のために、ちょっとだけ負荷の高い運動をするんですね。すると、不思議と時差ボケが解消されます。さて、このこのイベントはファンライドという、スピードを競うのではなく、自転車専用道路を時速20km以下の速度で走り、時間内に完走するというものです。本来ならば100マイル、すなわち160kmを走破することをセンチュリーライドというのですが、荒川での開催は初回ということもあり、今年は80kmでの大会となりました。2月末日にビアンキというイタリアの自転車を購入していたのですが、寒さが厳しいこともあり、一般公道を走ったことはありませんでした。やっと新車に乗れる!と心待ちにしていたのですが、残念ながら朝から前が見えなくなるほどの激しい雨。迷った末に、え〜い乗ってしまえと、ずぶぬれになりながらビアンキに乗りました。車体の重さが8.5kgと軽いにも関わらず、直進安定性も高く、路面に吸いつくように走ります。イタリアをはじめとするヨーロッパでは馬車作りの文化があったせいか、ハンドリングや乗り心地といった数値化できない感性の部分で、乗り物作りがうまいですね。心地よく、サイクリングを楽しんだ後、体重計に乗ると、スタート前に比べ2kgほど痩せていました。しかし、その喜びもつかの間、サイクリング後は猛烈にお腹がすくので、ハンバーグやら、グラタンやら、ホットケーキなどをまとめて食べると、体重は2.5kgアップ、差し引き500gアップとなりました。「これではいけない」、自分の胃や腸に心の中で謝罪しながら、スポーツ後の暴食を慎むよう決意しました。35歳を過ぎると健康状態について意識的に取り組まなければ維持できないことを改めて実感しました。もう、暴食は本当にやめます。
今月のプロフィール
金子哲雄
1971年4月30日生まれ。
流通ジャーナリスト兼、
購買促進コンサルタント
鉛筆からミサイルまで、あらゆるジャンルの流通過程を「五感」で追い続けるジャーナリスト兼、日本で唯一の購買促進コンサルタント。泉田豊彦氏率いるマーケティング実践集団に所属。現利主義(現場に利益あり)を信条に「24時間密着取材」を得意とする。

年商20億未満の経営者必読メールマガジンMarunouchiOnlineの編集主幹。お金をかけないで、お客様を呼ぶ「戦略集客学」にスポットをあて、情報を発信している。今年のスローガンはGlobal Niche No.1 「小さくても世界で一番」を目標に取材、講演、コンサルティングを実践中。
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