A Question from France
http://gregmankiw.blogspot.jp/2007/07/question-from-france.html

マンキューの2007年7月17日のブログの翻訳です。
どうしてこんな古いものを引っ張りだしてきたかというと、最近日本で消費税増税が決定されたからでは 断じてなく、単純に短いからです。元の記事には追加の記事がありますが省略しています。

**********
フランスから問題です A Question from France

 ウォールストリート・ジャーナルが最近のフランスでの政策議論について報じている。

 政府の最新の提案は、政府運営の健康保険と年金に対する企業負担分――従業員数を基準にして決められている――を減らすというものである。歳入の減少を補うため、政府は付加価値税 (value-added tax) を増税する予定である。

 これは議論のためのいい問題だ: もし政府が給与税 (payroll tax) を減税し、消費税 (consumption tax) を増税したならば、この税の変更は経済にどのような影響を与えるだろうか?

 とりあえず僕の答えは次のようなものだ。

1.労働と余暇の決定
 この税の変更は、余暇と消費との配分に対して税がもたらす歪みを変化させない。消費税も給与税も同様に、限界での消費と余暇との代替を歪める。税金は違う場所で徴収されることになる(仕事ではなくてお店で)。しかし、どちらの場合も労働に対するインセンティブを同じくらい低下させる。

2.貯蓄の決定
 どちらの税も、現在の消費と将来の消費との配分に歪みを与えない。したがって、その税の変更は、貯蓄に対するインセンティブに影響を与えない。

3.税負担の配分の影響
 この変更によって税負担の配分による影響が出てくるかもしれない。とりわけ、若年世代と老年世代との間での配分である。老年世代はすでにより多く所得税を払っている。そして今後再び貯蓄から消費するときにより多く税金を払わなければいけなくなる。若年層は、税の負担を老年世代に移転することになるので、利益を得ると思われる。もし若年層が老年層よりも高い貯蓄性向をもっているなら、この負担の移転の影響によって総貯蓄は増加するだろう。

4.短期的なマクロ的不均衡
 課税前の商品の価格が国際的な価格で決まるなら、フランスにおける課税後の商品の価格は新しい消費税のために上がることになる。名目賃金も同様に上がるだろう。したがって、課税後の実質賃金は大きく変わらないだろう。しかし、高い価格と高い名目賃金への移行は同時に起こらない可能性がある。そうなると、短期的なマクロ経済的な影響が出てくる(1986年のPoterba, Rotemberg, and Summers の
論文が示しているように)。とりわけ、名目賃金が高いレベルに調整されるのが遅れるなら、実質賃金はその間、均衡レベルよりも低くなる。そうなれば、しばらくの間、雇用が増加することになるだろう。