1.7 
 均斉成長経路上で効率労働1単位当たりの産出量( y* )の人口増加率( n )に関する弾力性を計算せよ。もし α(k*) =1/3 ,g = 2% ,δ= 3% であれば、人口増加率が2%から1%に減少した場合の y*  の上昇はどれだけか。

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均斉成長経路上で効率労働1単位当たりの産出量( y* )の人口増加率( n )に関する弾力性は、
140120 (1)
   (1)

 です。
 まず∂y*/∂n を計算します。y* = f(k*) の両辺を n で微分すると
140120 (2)
   (2)

 となります。

 k (効率労働1単位当たりの資本ストック)の動学 (dk/dt) を表す式は本書の(1.18)式です。
140120 (3)
   (1.18)
 経済が均斉成長路にいるとき(k=k*のとき) 、k( = dk/dt )= 0 となります。 したがって、(1.18)式の右辺は0です。
140120 (4)

 第2項を右辺へ移項すれば、
140120 (5)   
   (3)

 となります。この(3)式はすべての n に関して成立するので、(3)式の両辺を n で微分しても成立します。したがって、
140120 (6)
   (4)

 が成り立ちます。この式から ∂k* /∂n を求めると、
140120 (7)
   (5)


 となります。この(5)式を(2)式に代入すれば、
140120 (8)
   (6)


 を得ます。
 ここで、(3)式から貯蓄率 s を求めると、
140120 (9)


 となります。これを(6)式の s に代入すれば、
140120 (10)




140120 (11)
   (7)



 となります。

 そこで(1)式の効率労働1単位当たりの産出量( y* )の人口増加率( n )に関する弾力性を計算します。
(1)式は
140120 (12)


 と表せます。(7)式を代入すれば、効率労働1単位当たりの産出量( y* )の人口増加率( n )に関する弾力性は
140120 (13)






 となります。f’(k*)k*/f(k*)は、(効率労働1単位当たり)産出量の資本ストックに対する弾力性なので、これを
αとおけば、
140120 (15)

   (8)

 となります。

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 求めたいのは人口増加率が2%から1%に減少したときの産出量の弾力性です。(8)式でその弾力性を計算する場合、人口増加率 n は中間をとって0.015とします。g=2%,δ=3% なので、(8)式を計算すると
140120 (16)


140120 (17)

 となります。

 [産出量の増加率]=[産出量の人口増加率に関する弾力性]×[人口増加率の増加率] です。人口増加率の増加率(Δn/n)は、人口増加率が2%から1%した場合なので、(0.01-0.02)/0.02 です。したがって、
140120 (18)


140120 (19)

 人口増加率が2%から1%に減少すると、産出量は6%増加することになります。