4.4 
 t 期の効用関数 (u) が式(4.7)ではなく
140104 (1)

   (1)   

 であると考えよう。
(a) 本文中の(4.12)~(4.15)でみたような1期のみの場合の問題を考えてみよう。労働供給は賃金とどのように関連しているか(あるいはしていないか)。
(b) 本文中の(4.16)~(4.21)でみたような2期からなる経済の問題を考えてみよう。2期間の余暇への相対需要は相対賃金とどのように関連しているか。利子率とはどうか。なぜγは賃金と利子率に対する労働供給の感応度に影響を与えるのか。直感的にわかるように説明せよ。

**********
(a)
 1期のみの場合のラグランジュ方程式を設定すると(予算制約式は c = w l となります)、次の式になります。
140104 (2)

     


 1階の条件を求めると、
140104 (3)
   (2)

140104 (4)
   (3)

140104 (5)
   (4)

 となります。(2)式から、λ=1/c なので、これを(3)式に代入すれば、
140104 (6)


 (4)式から、c = w l なので、これを代入すれば、
140104 (7)
   (5)

 (5)式から、1期のみを考えた場合、労働供給は実質賃金(w)の影響を受けないことがわかります。
 これは所得効果(賃金の増加で所得が増えるので、余暇を増やす = 労働供給を減らす) と代替効果(賃金が増え余暇の機会費用が増えるため余暇を減らす = 労働供給を増やす)とが互いに打消し合うためです。

(b)
 2期間の場合、2期間を合計した効用は次の式で表されます(ρは時間割引率)。
140104 (8)

  (6) 

 予算制約式は次の式になります(これは208ページの(4.16)式と同じです)。2期目の消費と所得を、1期目における割引現在価値で評価するために、1+r で割る必要があります。
140104 (9)

   (7)

 ラグランジュ方程式は次の式になります。
140104 (10)



140104 (11)



 1階の条件を求めると、
140104 (12)
   (8)


140104 (13)

   (9)

140104 (14)
   (10)


140104 (15)
   
   (11)

140104 (16)

   (12)

 (10)式から、
140104 (17)
   (13)


 (11)式から、
140104 (18)

   (14)

 となります。(13)式と(14)式の右辺を等号で結べば次の式を得ます。
140104 (19)



 整理すれば、
140104 (20)
   (15)


 となります。

 (15)式から、2期間で考えると、1期目と2期目の相対的な賃金(W/ W)の変化によって、相対的な労働供給(左辺)が影響を受けるとわかります。
 例えば、W/ Wが増加すると、つまり2期目の賃金 Wが1期目の賃金との相対で増加すると、l/ lが減少します。つまり、1期目の労働供給 lは減少します。2期目の賃金が(相対的に)増加するので、2期目により多く働いた(つまり、1期目の労働供給を減らす)ほうが望ましくなるからです(見方を変えれば、1期目の余暇の(機会)費用が下がるので、1期目の余暇を増やす)。
 また(15)式から、実質利子率 r が増加すると、1期目の労働供給 lが増加するとわかります。1期目の労働供給を増やし、貯蓄によって資産を増加させることがより魅力的になるからです。