川松VS生田

墨田区選出・川松真一郎都議(自民党)の都政報告会に「報道特注」でおなじみの生田よしかつ氏が参加し、豊洲市場移転問題について本音を語り合うというので、行ってきました。


まずは墨田区の山本亨区長の挨拶からスタート。川松都議はテレビ朝日の元アナウンサーで、現在は
1期目の都議会議員です。4年前に初出馬したときは支援する区議は1人もおらず、応援団は山本区長1人だったとか。環状2号線ができないと墨田区の交通事情に大きな影響があり、区長は最後まで2人の討論を熱心に聞いていました。

 

近くで見るナマ生田氏は「報道特注」のまんま。小池知事に激おこです。以下、お2人の発言の要旨です。

 

昭和10年建築の築地市場(23ヘクタール)は、35年前に既に老朽化が指摘されていた。土地所有者の都は、大家として老朽化を放置できず、土地を探し回ったが、豊洲(40ヘクタール)が都心で最後のまとまった土地だった。業者が胸ぐらをつかまんばかりのけんかをしながら、石原元知事が全員に手紙を出し、やっとのことで皆が移転に同意したのに、小池知事が豊洲市場への移転を期限を決めずに「立ち止まった」ために、築地の業者はかつてないほど分断され、合意の再形成は難しい。

 

昨年の11月7日に移転すると決めたのは、環状2号線を通すために逆算したタイムリミット。環2を通し、築地跡地を4,000台と見込まれる大会関係者用の駐車場にする必要があるが、今からでは工事は間に合わない。

 

築地残留希望者は「動きたくない」「自分の生活を変えたくない」「築地で死にたい」年寄りやわがまま者。

 

築地再整備案や活用案(土地賃貸)は荒唐無稽で非現実的。築地には既に地下鉄が通っているので、ツインタワーは建設できない。しかも、約6,000億円の豊洲市場の建設費は企業債(=借金)で賄っており、間もなく償還の時期を迎えるが、4,300億円で売れる築地市場跡地を売却したお金を充てる予定だった。「豊洲に移転し、築地の土地も貸して生かす」ことになったら、企業債を償還するキャッシュが都にはない。また、築地は松平家の屋敷跡地なので、仮に工事をすると埋蔵文化財調査が必要で、それだけで10年程度かかる。

 

豊洲の土地はもともと東京ガスが別会社をつくり、自前でショッピングモールなどを建設し再開発する予定だったのを、都が市場用地に頼んで売ってもらったいきさつがある。東京ガス由来の汚染は解決可能。

 

築地にはネズミが5,000匹いるというのは仲卸を除いた部分の生息数で、仲卸売り場には15,000匹いる。大手スーパーが魚の産直をふやしたのは、築地が不衛生だから。産直は卸を通してない分、安くて新鮮だけど、目利きが入ってないし、産直には自前のバイヤーが必要なため、かえって経費がかかり、市場に戻りつつある。魚がとれすぎた場合は生産者が在庫を抱えることになり、腐らせることもあり、卸を通すメリットが見直されている。

 

「築地ブランド」というけど、「大間のマグロ」のように産地のブランド力が大きい。築地では、魚は氷でなんとか対処できるが、野菜は冷蔵庫がないので温度管理ができず、どんどん腐るので魚より始末が悪い。おまけに、築地は狭いからターレー(市場内を移動するための乗り物)の事故が毎日起き、3日に1回は人身事故が起きている。

 

豊洲では包丁がつっかえてマグロがおろせないとか散々言われたが、「ためにする議論」。工夫すれば使い勝手が悪いということはない。また、テナント料が高くて零細企業は撤退するしかないというのは嘘。都内にある11市場はどこでも家賃は同一。 

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今、ネット上では「小池知事は歴代最低の都知事」とまでいわれ始めていますが、先週、美容院で見た「女性自身」に「小池都知事はサッチャーになる」みたいなヨイショ記事が出ていて、のけぞりそうになりました。テレビや新聞はうそをつかないといまだに信じているおばさんたちが、髪をきれいにしてもらいながら読む雑誌の影響力はばかにできません。小池知事は自分の政治的野心のために豊洲移転問題を利用し、都議会、都庁を混乱に陥れているのに、支持率が高い理由はこんなところにあります。

 

豊洲市場移転問題は東京の問題ですが、扱っている品物は全国の産地から集められているので、日本全体の問題です。このままでは日本中の生産者の方々の努力が無駄になりかねません。川松都議と生田氏は、今度の都議選でもし自民党が負け、都民ファーストの会が公明党と合わせて過半数を超えると、都議会運営、オリンピックは大変なことになるという危機感でいっぱいです。

生田氏いわく、「結局、市場移転問題は日本を転覆させたい共産党との闘いで、彼らの目的はオリンピックをつぶすこと。都議選で自民党が敗北すれば、日本の恥になる」。オリンピックまであと
3年、1年前にはリハーサル大会があるので、実質あと2年しかありません。

 

都議会自民党は去年秋までプレス対策がゼロだったとか。川松都議はテレビ朝日にいた経験から、今はマスコミの窓口になっています。36歳、都議会自民党最年少の都議です。抜群の質問力で、小池知事ご自慢の「オリンピック経費400億縮減」は「単に予算の付け替えにすぎなかった」ことを明らかにさせました。

なお、お二人のトークショーは6月22日(木)午後6時から自民党のカフェスタでも行われ、生中継されます。

 

川松真一朗都議総決起大会を兼ねる自民党演説会

応援弁士(予定):麻生太郎副総理、遠藤前オリンピック大臣

場所:墨田区曳舟文化センター

日時:6月20日(火)19時〜 (入場無料、どなたでもご参加できます)

お薦めの参考記事2本(青い文字列をクリックすると読めます)
これからがほんとうの地獄だ・・・小池都知事の豊洲市場移転案がヤバイ
小池百合子都知事、豊洲移転&築地活用の良いとこ取りをしようとして派手にコケる


改革幻想

「改革」は、まだ今のところ“魔法の杖”らしい。野心的な政治家が自身をアピールするには何を措いても改革である。改革と唱えれば、現状に不満を抱く層が期待してくれるし、守旧派を一掃しつつ自分の支持基盤への利益誘導もできる。もっとも政治家のやることは昔から改革に尽きるわけで、声高にそれを叫ぶのは小泉政権の「聖域なき構造改革」からだろうか。劇場型政治とセットで、ひとつの手法になってしまった観がある。
 その典型である小池都政を特集した。彼女もまず「東京大改革」を打ち出すが、いま振り返ってみると、豊洲への市場移転にしても五輪会場や費用分担の見直しにしても、とても考え抜かれた政策とは思えない。「大改革」も、情報公開や待機児童の解消は当たり前のことで、内容がない。では彼女の改革とはいったい何なのか。人気取りか、自民党への当てつけか、それとも考えもなく気分で振る舞っているだけなのか。適菜収氏が指摘した「空虚」という言葉が印象に残る。(『新潮45」編集長)
(さ)