病院で静脈からの点滴を打ち始めて数日が経ちましたが
中々容態に変化が見られませんでした

静脈点滴は半日近くかかりますので、病院に預けている間に容態が急変して
家族が誰もいない心細い場所で息を引き取ってしまう事が心配です
せめて最後はこの手で看取ってあげたくて
皮下点滴と皮下注射のやり方を教わって後は自宅での看病を選びました

片道2〜30分かかる病院に毎日通い預けられるストレスも減りますので
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)も上がるのでは・・・?


夜はつきっきりで看病し、朝は早起きして慣れない点滴・注射を打ってあげました
もちろん昼間は仕事をせねばならないのですが
幸い自営業なのでどちらかがずっと付いてあげることができました


そうした膠着状態が続き、さらに数日が経ちました
元々腎不全でドッグフードをほとんど食べなくなっていて
嫁さんが手作りで療法食を作っていたのですが
とうとうそれにも全く口をつけなくなってしまいました

その上マッシュポテトのお団子と緑イ貝であげていた薬も飲まなくなり
ついに最後の時を覚悟するようになりました
次に苦しみ始めたら、先生に連絡しようと思いました


ただ、あんなに食べることが好きだったそうちゃんに
せめて最後にもう一度美味しいものを食べさせてあげたくなり
生の馬肉が大好きだった事を思い出しました

馬肉は高タンパク低カロリーで必須脂肪酸も豊富な上に
体温が高いので寄生虫の心配も少ないのです
犬は元々狼の時代から食べていましたので生肉を消化できる動物です


はたして長崎のスーパーに馬肉(馬刺し)が置いてあるだろうか?
車を走らせましたがやはり売っているお店はありませんでした

最後に美味しいものさえ食べさせてあげることができないなんて・・・
自分の無力さを感じ、肩を落として帰宅しようとしていました


その時ふと、牛肉コーナーのローストビーフが目に入りました
これであれば生肉に近いし犬が食べても美味しいのではないか?

塩などで下味が付けられていますので健康に悪いのではとも思いましたが
最後の時なのでもう関係ありません


急いでレジを済ませて自宅に帰って
きつそうに横たわるそうちゃんの口元に近づけてみました

クンクンクン・・・と鈍くなった鼻を動かして
パクリ、と口の中に入れてくれました
目はうつろですが美味しく感じてくれているのがわかりました


「食べれるだけ何枚でも食べていいよ、全部そうちゃんのだからね」


ところが、1枚・2枚・・・と数枚食べさせるとまだ食べたそうにしています
その時、そうちゃんがまだ生きたいと言っているように聞こえました