2007年10月

2007年10月21日

マルチェロ・マストロヤンニ

先日(といっても1ヶ月ほど前のことなのですが)渋谷Bunkamuraル・シネマで公開されていたイタリアを代表する名優“マルチェロ・マストロヤンニ”のドキュメンタリー映画「甘い追憶」を見てきました。

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マルチェロ・マストロヤンニ                    甘い追憶

 

 

「マルチェロ・マストロヤンニ〜甘い追憶〜」はイタリアが生んだ稀代の俳優マストロヤンニの真実の姿を、異母兄弟である二人の娘バルバラとキアラをはじめ、その才能を見出したルキーノ・ヴィスコンティや師弟関係であったフェデリコ・フェリーニなど30人もの映画人たちの証言と映像によって語っていくドキュメンタリー映画。未公開映像や知られざるマストロヤンニの秘話がたくさんあって、興味深く、とても楽しむことができました。

さて早速帰り道、自宅でマストロヤンニの映画を鑑賞しながら、ワインでも飲もうと一本のワインと一本の映画を購入&レンタル。今日のDESIGNER'S EYEではその映画とワインをご紹介。

 

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映画「BARにに灯ともる頃」

出演: マルチェロ・マストロヤンニ, マッシモ・トロイージ 監督: エットーレ・スコラ

 

 

1980年代、ローマ近郊のティレニア海に臨む小さな港町チヴィタヴェッキア。そこで兵役をしている息子ミケーレを尋ねて、ローマから父親がやって来る。多忙を極める弁護士の父と思慮深く穏やかな性格の息子。一緒に暮らしていた頃、すれ違ってばかりいた2人が、誰にも邪魔されずに一日を過ごす。久しぶりの再会に戸惑いながらも、お互いの近況を報告し合う内に少しずつ打ち解けてゆく。トラットリアで食事をすませて、ふと立ち寄った店でお揃いの靴を買い、気まぐれに映画を観る。そんなふうに楽しく過ごした一日の終わり、ミケーレの馴染みのBARを訪れ…というストーリー。

父親役はマルチェロ・マストロヤンニ、息子役は「イル・ポスティーノ」のマッシモ・トロイージ。1989年ヴェネツィア映画祭で二人同時に主演男優賞を受賞した幻の作品で父と子の絆が描かれている心が温まるとても良い映画です。

この映画では邦題にもなっている“バール”が頻繁に登場するのですが、登場するお店の少しずつ違う雰囲気もまたみどころのひとつ。特にラストに登場するバールが魅力的で、ここで寒い冬の日にグラッパ入りのエスプレッソ“カフェ・コレット”を飲んでみたい、とこの映画を見るたびに思ってしまいます。(このお店で使われているエスプレッソマシーンは当店と同じもの!)狭いカウンターとテーブルでカードに興じる人々、一台だけあるビリヤード台で子供っぽい遊びに真剣になる大人たち。そんなイタリアのどこにでもある小さな街の日常を、この映画を通して体感できるだけでも見る価値があるとおもいます。バールが好きな方には本当におすすめの映画ですよ。

 

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ワイン「カンポ・ベッキオ・ビアンコ」

Canpo Vecchio Bianco del Lazio                                   CASTEL DE PAOLIS

 

 

このワインは今回の映画の舞台、ローマ近郊の港町チヴィタヴェッキアの近くで生産されているイタリアを代表する白ワイン「フラスカティ」を現代的なアプローチで造っているパオリス社の“カンポ・ベッキオ・ビアンコ”。当店でも何度かおすすめワインとして登場しています。このワインの特徴的なエチケットはマストロヤンニと同名のイタリアを代表する画家マストロヤンニがパオリスの為に書き与えたもの。徹底的な収量制限から造りだされるこのワインはとてもフルーティーで果実味豊かな味わいです。

 

Spedire Design



(19:23)

UDINE

昨日は友人が主催するワイン会に参加しました。
カンパーニャ州やプーリア州のワインが中心で9月に彼らが南イタリアを周ったときに揃えたワインをいただいて来ました。
もちろんイタリアワイン好きの方が来ているのですが、
その席でフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のウディネの話になり15人ぐらいの集まりの中に僕を含めて5人も行ったことがありちょっとびっくりしました。
ウディネはフリウリのワイナリーを周るときに拠点にしている町ですが友人の富永夫妻が住んでいていつもアテンドしてもらっています。

ウディネ

ウディネは人口約10万人の情緒あふれる小さな街で、白ワインの名譲地や生ハムで有名なサンダニエーレが近く、街の至る所にワインバーがあります。

色々なタイプのワインバーがあり、ハムやチーズがたくさんある店やワインの品揃えが良い店、料理がおいしい店など何軒かはしごするのも楽しみです。

特に週末は老若男女たくさんの人がくりだし、路上まで人が溢れワインを注文するのも一苦労する店もあります。

東京でもこういう雰囲気でワインを楽しみたいとimplicitoを創めましたが、もっとたくさん気軽にワインが楽しめる場所が出来るといいですね。

 

Spedire S.p.A. S.Matsunaga



(19:07)

2007年10月19日

今週のレストラン紀行は先週告知しました”ドン・チッチョ“を紹介したいと思います。移転する前の店(トンマジィーノ)の活気、料理、店内の雰囲気をそのまま再現した”ドン・チッチョ”(スタッフも代わっていません)。

変わった所といえば店の席数が増えさらなる活気、勢い、そして本当にイタリアにあるトラットリアのような雰囲気がより強くなったと思います。

私自身は知人の誕生日のお祝いをさせて頂いたのですが、常に店内が盛り上がっているので、誕生会は店の活気に乗りさらに盛り上がり本当に楽しい時間を過すことが出来ました。

是非、皆様も盛り上がりたい祝いの日に訪れてみてはいかがでしょうか。(なかなか予約がとれないのが残念ですが・・・)

お店のご紹介

Trattoria  Siciliana  Don  Ciccio(ドン・チッチョ)

住所  渋谷区渋谷2-3-6

電話  03-3498-1828

 

今週飲んだ美味しいワイン#9(赤ワイン)

masciaMontepulciano d`Abruzzo 2004 / Masciarelli

~Abruzzo~

フレッシュ&フルティーで軽すぎず、重すぎずブドウの味が素直に楽しめるワイン。料理に合わせても、カジュアルに楽しみたい時にも最適なワインです。

Splendido.Manager.K.Miura



(04:01)

2007年10月18日

ブタプロシュウト

 

 

 

 

今回はとても可愛らしいブタのトレーについてです。イタリアで生ハムやサラミ類を注文すると、木製のトレーで出される事がしばしばあります。先日、セイショウトレーディングから届いたのも、羽の生えたブタを型どった木製のトレーでした。これはイタリアのLEVONI(レボーニ)社のもので、当店でもサラミを中心に使っています。シェフの田沢も催事などイベントを手伝っている会社です。 ぜひ、ワインと共に生ハムやサラミを楽しんで下さい。

Barista.Y.Akiyama



(15:52)

2007年10月17日

今週もまずは恒例の週間賄い日記です!

 

(木曜日) 肉うどん、具沢山味噌汁、おにぎり

(金曜日) カレーライス、ゆで卵と緑野菜サラダ

(土曜日) スパゲッティー二 サーモン入りジェノベーゼ、カツレツ ミラノ風、仔羊の香草パン粉焼き

(月曜日) 野菜とアンチョビのスパゲッティー二、鶏肉とジャガ芋のロースト

(火曜日) スパゲッティー二アラッビアータ、ムツのフライと鯖のコンフィのサラダ仕立て

(水曜日) スパゲッティー 仔羊と春菊のカルボナーラ、豚肉のサルティンボッカ

 

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先週の土曜日、誕生日でした!その日の賄いで田沢シェフに「仔羊の香草パン粉焼き」を作って頂きました。沢山ある料理のなかで特に好きな料理なんですが、以前にシェフとの何気ない会話のなかで「好きな肉料理」の話しをしていた時の事を憶えていらして、ドカンと塊の仔羊を焼いて頂きました。味は勿論のこと、お皿から気持ちが伝わってきたことに尊敬と感謝です!田沢シェフありがとうございました!!

 

Cuoco A.Sigahara 



(04:15)

2007年10月16日

今週はプーリア州の美味しいパスタの紹介です。

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GILLI (ジッリ)

フィレンツェ・メディチ家の紋章である               ジッリ (百合の花)を模ったパスタ。

 

このパスタは、2001年に創業のまだ比較的新しい GINA E SOFIA 社のパスタです。南イタリア・プーリア州の MAGLIE という町にある小さなパスタ工場で、プーリア州伝統の最高級パスタを生産しています。

プーリア州は北イタリアと違って、とても暑く、パスタの生産において卵が使えなかった為、祭り事となると、それぞれの家庭ではプーリア州で育った特別な種の硬質小麦と水だけを使った、とても風味豊かなパスタを作っておりました。しかしこの習慣は近代化が私たちの暮らしを変え、あの素晴らしいパスタを作ることの出来る女性は今や僅かとなってしまいました。

GINA E SOFIA 社は、このパスタを再現し、乾燥パスタながら厚みがあって表面がザラザラしているおばあちゃんの手で作ったかの様なパスタを提供しています。

小麦はイタリアでも随一の優良な小麦の生産地で、DOPに指定されているパン           PANE DI ALTAMURA で有名なアルタムラ町産の小麦100%。最も美味しい小麦が育つといわれる海抜450mの地域の小麦粉を使用しています。

乾燥は、大きなパスタ工場では130℃の高温、そして短時間で乾燥させるのが主流ですが、その場合は重要なパスタの栄養素を損なわせてしまいます。80℃で乾燥させても約40%のビタミンB1、53%のビタミンB2、アミノ酸を失ってしまうので、GINA E SOFIA 社では旨みを十分に引き出し、小麦の持つ栄養価を逃がさないよう、35℃で約35時間かけてじっくりと乾燥させています。

 

今週のシェフのおすすめより

ジッリ

 

メディチ家の紋章パスタ<ジッリ>                                                          銀杏と鴨のブラザート

1800円

 

ブルターニュから届いた鴨の腿肉をミルポワとハーブ、赤ワインで一晩マリネし、皮目を香ばしく焼きあげてからこの鴨の骨でとったフォンやトマト、赤ワインで2時間弱火で蒸し煮にしました。紅葉を告げる銀杏をたっぷりと添えて。

 

Chef M.Tazawa

 

ご予約・お問い合わせは

オステリア スプレンディド



(00:00)

2007年10月15日

今週はロンバルディア州、ヴァルテッリーナ地区の赤ワインを2本ご紹介いたします。

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(左から)

Valtellina Superiore "Valgella" 2003

~ Nino Negri ~

Rosso di Valtellina "Santa Rita" 2005

~ Mamete Prevostini ~

ともに グラス¥950

        

どちらもこの土地では‘キアヴェンナスカ’と呼ばれるネッビオーロ種から造られています。ネッビオーロといえば西に隣接するピエモンテ州において‘バローロ’や‘バルバレスコ’などで知られるパワフルでしっかりとした味わいの偉大な高級品種ですが、ヴァルテッリーナでは少し穏やかでやわらかく出来上がるように思います(もちろん生産者やワインそのもののスタイルにもよりますが・・・)。

ちょうど昨年の今頃、‘Mamete Prevostini’の輸入元であるワイン・ウェイヴの土橋さん、‘Vino della Pace’の内藤さんが中心になって行なわれたセミナー形式の試飲会でのこと。「ここ数年来、専門誌やガイドブックなどで脚光を浴びているワインが力強く濃縮感のある派手な味わいに偏りすぎていないか?本当の意味での濃縮度とは何なのか?本来、ワインは食中酒として発展してきたはず」などに話が及び非常に有意義なひと時でした。

今回御紹介する2本は食事とともに楽しんでこそ真価を発揮するまさに「食中酒としてのワイン」の王道です。特に‘Santa Rita’は以前スプレンディド・スタッフ、三浦もこのブログ内で取り上げていたとうり「秋の食材」との愛称は抜群でここ数週間気に入って使い続けています。‘Vargella’も第2弾として並行しておすすめしていきますのでぜひぜひお試しいただきたいと思っています。

 

Direttore&Sommelier S.Takechi



(15:38)

2007年10月14日

Pitti Gola e Cantina

今回のブログはイタリア旅行中、偶然に入ったワインバーのお話です。フィレンツェに宿泊中、夜バールやエノテカなどを写真に撮ろうと何気なく散策をしているとピッティ宮殿の向かいに小さなワインバーを見つけました。遅い時間にランチを食べていたので、少々お腹が空いていたこともあり入ってみることに。

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そこはカウンターを入れてもやっと20席程度の小さいお店でしたが、四方の壁にワインが並べられていてとても良い雰囲気!席につきワインをオーダーしようとカウンターを見ると、当店のマネージャー武智に良く似た人がこちらを見て笑っています。ちょっと可笑しくなり「Mi consiglia un buon vino rosso, per favore?」(おすすめの赤ワインはなんでしょう?)と尋ねると、カウンターから出てきて棚にかかっているはしごを器用に使い、おすすめのワインを3本ほどテーブルまで持ってきてくれました。

そのうち2本がキャンティ・クラッシコだったのですが内1本が“サン・ジュースト・ア・レンテンナーノ”という作り手のキャンティ・クラッシコでした。私はマネージャーの武智が「数あるキャンティ・クラッシコの生産者の中で、もし自分が一番好きな生産者はと聞かれ、強いて一つをあげるとしたらサン・ジュースト・ア・レンテンナーノかな」と言っているのを幾度となく聞いていたので、同じような店で容姿がそっくりなマネージャーのような人に同じワインを薦められたことが、たまらなく可笑しくて、ついついボトルでオーダーをしてしまったほど(笑)。そしてさらにびっくりしたのが、久しぶりに飲んだレンテンナーノのキャンティの美味しいこと、美味しいこと!凝縮した果実味と綺麗で細かいタンニン分、穏やかにスーッと消えるように伸びる酸味....。本当に“エレガント”という表現がぴったりの素晴らしいワインでした。その後も私にしては珍しくワインを飲み続け、薦められるままにドルチェワインまで飲んでしまった位です。

その夜、ワインを「美味しい」って思う瞬間って、今回のような出会いや、きっかけも勿論大切なのですが、「このワインをこう飲んで!」と後押しをしてくれる、お店の方の薦め方も大切なんだな、と感じたのです。もともとそんなに飲める方ではないので、こういったお店に入ってもグラスで頼む事の方が多く、なかなかボトルではワインを頼まないのですが、時間をかけて一本をゆっくりと飲む楽しさ、というか味わい方みたいなものを心から実感できた貴重な体験でした。

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このお店は(ここも当店と似ているのですが)素材にこだわったおつまみを出していて、いろいろ伺った中でも特にフィレンツェとアレッツォの間に位置するカゼンティーノ地方の農家で作られたチーズや豚肉チンタ・セネーゼのサラミなどがおすすめのようです。小さいお店ですがとても居心地のよいお店「ピッティ・ゴーラ・エ・カンティーナ」。フィレンツェに行かれた際、散策がてらに。

Pitti Gola e Cantina                                                                                                  Piazza Pitti 16 Firenze

 

さて先程お話にでたキャンティ・クラッシコ。当店でも勿論ボトルで常時ご用意していますので、機会がありましたら是非お試しください。

 

Spedire Design



(17:30)

DELTA

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今週はペンについて書いてみたいと思います。
ペンといっても色々な種類があり、万年筆やボールペン、ファーバーカステルのように鉛筆になったものなど。
ペンを見ると使っている人の趣味嗜好性が分かりますよね。
訳があって僕は専らボールペン党なのですが、今使っているペンがDELTA社のドルチェヴィータです。
DELTA社は1982年にニノ・マリーノとチロ・マトローネによってイタリアのパレートで設立された筆記具メーカーで、1994年にナポリで開催されたG-7サミットでは、各国首脳の調印式にもデルタの万年筆が使用されました。
ドルチェヴィータはDELTA社の代表作で地中海の太陽をイメージしたオレンジのボディがとても印象的な作品です。
やはりペンもイタリアの物が好きで以前はモンテグラッパ社のペンを使っていたのですが、友人のプレゼントを買いに行ったときに一目惚れして自分の分も購入したのがきっかけで使い始めました。
ドルチェヴィータ(甘い生活)という名前もロマンティックでフェリーニの映画を思い浮かべますね。

 

Spedire S.p.A. S.Matsunaga



(02:57)

2007年10月12日

今週のレストラン紀行は、今はなき名店を紹介したいと思います。

その、名店は”トンマズィーノ”。活気、料理、店内の雰囲気、すべてがシチリア一色の店でした。お店のコンセプトがとても明確でわかりやすく、全スタッフが、コンセプトのもと一丸となって仕事をしている様子がすごく伝わってきます。同業者ながら頭があがりません。(笑) 

料理も、すべてがシチリアを感じさせてくれる郷土感あふれる料理です。どの料理にも一工夫、二工夫があり、手を加えてはいるのですが、飽きのこないシンプルながらも豪快な料理です。東京にいながら本場シチリアの料理と雰囲気が味わえた店でしたが、現在はありません。

しかし、今は新たに”ドンチッチョ”と名前を変え、場所を移転し復活しております。次回のレストラン紀行ではその”ドンチッチョ”の話をしたいと思います。

お店の紹介

Trattoria da Tommasino(トンマズィーノ)

 

今週飲んだ美味しいワイン#8 (白ワイン)

グレコGreco di Tufo / Pietracupa 2006                                        CAMPAGNA

柑橘系、杏、パイナップルを思わせる香りと味わい。果実味の中にすがすがしい酸味が全体を引き締めて、とてもバランスの良い都会的なワインです。

暑い季節も終わり、秋の夜長にぴったりなワインです。

 

Splendido.Manager.K Miura



(04:01)