スピタメウォッチング

スピリチュアル好きによるエンタメウォッチング

flumpoolの「two of us」という最強ラブソング



今回紹介したいのはflumpoolの最強ラブソング「two of us」。2011年発売アルバム「Fantasia of Life Stripe」のリード曲であり、MVも作られている。初期flumpoolの真骨頂とも言えるほど、幸福感と相手へのあたたかい愛にあふれたラブソングである。こんなにまっすぐでストレートでやさしい気持ちになれる歌詞を書けるのも、山村隆太真面目で誠実な性格からくる素晴らしい才能だろうと思う。人柄が良いのがにじみ出ている…。タイトルの「two of us」というのは”僕たち(私たち)二人”という意味。女性なら好意を寄せる男性、彼氏、夫から、心の底から歌われたら本当に嬉しい一曲だろうと思う。男性諸氏はぜひ覚えて歌えるようになっておきたいところだ。

●「two of us」(2011年発売アルバム「Fantasia of Life Stripe」収録曲)



正直歌詞はストレートすぎて特に解釈するまでもない。MVはライブ映像となっており、カラオケなどでも配信されていることが多いので観ながら歌うこともできる。アルバムのリード曲らしく、ジャケットと同じカラフルなストライプ模様が印象的。メンバーの髪型に時の移り変わりを感じる。このMVを何度も観てしまうのは、ボーカル山村の歌い方に惹きつけられるから、というところがあって、すごく情感を込めて身振り手振り激しく歌ってくれるので、それが気になって仕方ないのは筆者だけではないと思う。この頃は若さ絶頂という感じで、”美男子ここに極まれり!”、と言いたくなるほどだ。

「また君はね 不機嫌そうに顔しかめて
 「ほら僕だって完璧じゃない」 言い訳すれど

 なんだかんだ君に夢中なのは 相変わらず僕で
 どんな辺鄙な場所でも 君とならかまわないんだよ

 君が笑うたび 僕は思い知る 生きる意味なんて その笑顔で
 充分 それ以上 何も望んではいないと
 不安に思うこともあるだろう 直せない性格もあるだろう
 だけどね 聞いて欲しい言葉がある 「愛してるんだよ」」(1番Aメロ、Bメロ、サビ)


本当に何も解釈する余地がないほどストレートな歌詞だ。彼女に話しかけるかのような言葉がとてもやさしく、あたたかい印象を与える。ただ、この歌詞の主人公「僕」はおそらくやさしすぎて彼女に振り回されるか、尻に敷かれるであろうことが予想できる(笑)。この結婚直前かのような幸せ絶頂期を越えたあとが問題なのであって、こんなに好き好き言っていると彼女になめられる可能性がある。という現実的な話はさておき(笑)、本当にこういった思いを抱いたことがある人でなければ書けない歌詞だろうなぁと思う。

「永遠だとか 絶対だとか 大袈裟に歌う
 ラブソングは照れるけれど 君とだったらさ

 喧嘩する度 いつも互いの欠点に気づくけど
 思い返せば はにかんでいる そんな僕がいて

 だから いつもいつまでも傍に居て 癒えない傷を抱えていても
 50年先でも 微笑み合い 許し合える
 そんな関係になれるといいな そう思える君に逢えただけで
 愛の意味など どうでもいいような気がするんだよ」(2番Aメロ、Bメロ、サビ)


2番の歌詞で良いなと思うのが、サビのラスト「そんな関係になれるといいな そう思える君に逢えただけで 愛の意味など どうでもいいような気がするんだよ」の部分。実際に「50年先でも 微笑み合い 許し合える」関係でいられるかというのはわからないし、何の保証もない。それでも、そんな関係でいたいと”今”思える「君に逢えただけで」いいのだと言っている。それが世間で言われるような「愛」なのかはわからない。ただ、この「僕」のなかでそれは確かに「愛」だということを言っているのだろう。世間一般の意見はどうでもいいが、「僕」のなかではこの気持ちは「愛」そのものなのだ。実際に関係を築けるかどうかではなく、この人と築きたいという気持ちが大事だということを言っているのだろう。

永遠の愛を誓うわけではないというところが、かえって正直で誠実!?

florence-1076151_640

「人は生きる為のエチュードなんて ありもしないものを強請ってる
 痛みも 涙も 君が背負って生きてくなら
 僕と半分にすればいいさ 奏でる 希望への「two of us」

 君が笑うたび 僕は思い知る 生きる意味なんて その笑顔で
 充分 それ以上 何も望んではいないと
 未来を憂うこともあるだろう 現実に歯痒くもあるだろう
 だからね 伝えたい想いがある 「愛し続けたい」」(Cメロ、ラストサビ)


Cメロで唯一意味深な歌詞が出てくる。「人は生きる為のエチュードなんて ありもしないものを強請(ねだ)ってる」の部分。「エチュード」というのは”練習曲”といった意味。このCメロ冒頭部分は、「生きる為のエチュード」=生きる為の練習曲ととらえると、失敗を恐れる気持ちや、本気を出すのを恐れるような気持ちのことかなと感じる。人生は全て本番で、練習も本番もない。恋愛においても練習の相手、本番の相手という区別は本来ないのではないか。そんなのはちっぽけな人間が考えることであって、本質的なことではない。人生は楽なことや楽しいことばかりではなく、「痛みも 涙も」たくさん「背負って生きて」いかなければならないが、どれもこれも本番、全力投球しようということか。

そんな人生における辛いことも、「僕と半分にすればいいさ」と言ってくれる人がいるだけでどんなに心強いだろうか。それも2番の歌詞と同じで、本当に半分になるかどうかが重要なのではなく、「僕と半分にすればいいさ」という気持ちが”愛”なのであり、お互いがそういった思いで結ばれることがどんなに幸せなことかということを想像してみると、誰の心もあたたかく喜びに満ちたものになるだろう。

1番とラストサビ共通の「君が笑うたび 僕は思い知る 生きる意味なんて その笑顔で 充分 それ以上 何も望んではいないと」の部分は、”君が笑ってくれるだけでいいんだ”という、さらっと言うけれどもかなり深い愛を語っているように思う。多くの場合、相手に不満を感じて、条件を付けたり、自分の思い通りにならないと不機嫌になったり相手に当たったりしてしまう。この歌詞の面白いところは、ラストで”君を愛し続ける”と約束はしないところだと思う。「愛し続けたい」というのは「僕」の単なる「伝えたい想い」である。保証もできない未来のことは軽々しく言わないが、とにかく”今”「愛し続けたい」と思っている、ということを言っている。これはある意味、誠実で正直な態度と言える。

この曲は”今、この瞬間”というものに、ものすごく意識が向いている曲なのだと思う。神の前で永遠の愛を誓っても別れてしまうカップルが多数いることを考えると、”愛し続けるよ”、”ずっと一緒にいよう”と口先だけで軽々しく約束してしまう人よりも、今の気持ちを正直に言ってくれる人の方が信用できるということもある。2番では「永遠だとか 絶対だとか 大袈裟に歌う ラブソングは照れるけれど」と言っていることからも、この曲では敢えてそういったクサいことは言わずに、等身大で正直な”今”の想いを歌っているのだろう。とはいえ、この曲の歌詞も相当にクサいし、筆者的には「照れる」内容のように思える。それでもあまりにもまっすぐで爽やかなので、純粋な気持ちで受け入れることができるのだ。聴いていてすがすがしいくらい幸せ絶頂のラブラブソング、ごちそうさまでした。

「two of us」
歌手名:flumpool 作詞:山村隆太 作曲:阪井一生

歌詞サイトはこちら

※すべての記事一覧はこちら
※flumpool関連記事
「FREE YOUR MIND」歌詞の意味&解釈
「ムーンライト・トリップ」歌詞の意味&解釈
「夜は眠れるかい?」歌詞の意味&解釈
「labo」歌詞の意味&解釈
「東京哀歌」歌詞の意味&解釈
「36℃」歌詞の意味&解釈
「ラストコール」歌詞の意味&解釈
「キズナキズ」歌詞の意味&解釈


flumpool 2017年5月21日の「Re:image~ナミダリセット~」@日本武道館に参戦して

01aad2cda047c68e46891b98b9f1c4fcfa7aa4e562

2017年5月20日、21日に行われたflumpool2daysライブ「Re:image」の2日目に参戦した。この日は5月とは思えないほど気温が高く、夏の到来を感じさせる陽気で、日本武道館も熱気ムンムンであった。秋からスタートする全国ツアーの皮切り公演のような形で行われた当公演、3度目の武道館とのことでメンバーやスタッフの方たちの公演にかける思いというのもひとしおだったようで、かなりのアツい情熱が伝わってくるライブだった。

感想1 「9」&「ナミダリセット」にちなんだ演出と、考えられたセット&舞台装置

flower-247409_640

ファン層は20~30代の女性が多く、男性ファンも徐々に増えてきているとのことだがやはり割合としては少なかった。当ブログで紹介しているようなアーティストのライブに比べても女性率が圧倒的に高い。今年でデビュー9年目ということで「9」という数字や、サブタイトルである「ナミダリセット」にちなんだ演出が要所要所で挟まれていて、簡単なストーリー仕立てになっていた。セットは中央に円形の回転ステージがあり、360度お客さんに囲まれるような設計。その回転ステージを囲うように筒状の映像装置が配置される演出もあり、これがかなり凝ってある力作で、今までに見たこともないようなものだった。

感想2 『FREE YOUR MIND』の映像とライブ演奏が融合する演出に目を奪われた

FREE YOUR MIND 初回限定盤
flumpool
A-Sketch
2016-11-02


セットリストはシングル曲、もしくはMVがあるくらいの定番曲が中心。アルバムツアーではないので人気曲やライブで盛り上がる曲を満遍なく歌った感じだった。少しネタバレすると、上記の筒状映像装置の演出で一番すごいなと思ったのが「FREE YOUR MIND」で、これだけでももう1回観たい!と思うくらい細部まで凝られていてとても印象に残った。MVの世界観はそのままに、生で歌っているというライブ感を感じさせるようなもので、映像と生の世界が融合しているような錯覚を覚えた。映像が流れているかと思うと、額縁のような枠の中から演奏する本人たちの様子が映し出され、円形ステージそのものも回転し…という、観るものを虜にする本当に練られた演出となっていた。

※参考記事
「FREE YOUR MIND」歌詞の意味&解釈

感想3 flumpoolのライブで大事なのは「一体感」。同調圧力がある日本人らしいライブ。

towels-1615474_640

筆者は当ブログで紹介しているアーティストのライブにはほぼ足を運んだことがあり、オールスタンディング形式のライブに行くことも結構多い。flumpoolのライブは他のロックバンドのライブとは明らかに違うと感じる特徴がある。それは、手拍子や手の振りみたいなのが細部まで決まっているということだ。自由に踊るスタイルではなく、全員が揃っていることを良しとするスタイル。ここでは手拍子、ここでは手をたてに振る、ここでは横に振る、ここではこの振りをするここでは…と曲によって決まっているのである。その辺りがちょっとアイドルのコンサート感を感じさせる。ファンの一体感という意味ではすごい。ただ、オールスタンディング形式の自由に踊るスタイルに慣れていると、みんなで同じ振りをしなければならない同調圧力的なものにちょっと驚くこともあるかもしれない。もちろん、それが良いとか悪いとかではない。今回のツアーで初めてライブに行くという方がいたら、タオルは必ず購入することをおすすめする。ライブの終盤で必ずタオルを振り回す振付のある曲(いくつかある)をやるからである。

3度目の武道館であることが強調されていた当公演だったが、幾多もの苦労や危機を乗り越えてここまで続けて来られたのだということが非常に伝わってくるものだった。flumpoolはいつも悩んでもがいて苦しんでいる感じが曲に現れていて、その正直でまっすぐな人間くささについ惹かれてしまう。曲もいいし、見た目も良いし、人気も実力もあるのに調子に乗っていない感じが良いのだ。秋から始まる全国ツアーにも参戦予定。今後の公演も楽しみにしている。

※すべての記事一覧はこちら
※flumpool関連記事
「ムーンライト・トリップ」歌詞の意味&解釈
「夜は眠れるかい?」歌詞の意味&解釈
「labo」歌詞の意味&解釈
「東京哀歌」歌詞の意味&解釈
「36℃」歌詞の意味&解釈
「ラストコール」歌詞の意味&解釈
「キズナキズ」歌詞の意味&解釈
「two of us」歌詞の意味&解釈


星野源初のMV集「MUSIC VIDEO TOUR 2010-2017」を観て。

Music Video Tour 2010-2017 (DVD)
星野 源
ビクターエンタテインメント
2017-05-17


2017年5月17日に発売された星野源「MUSIC VIDEO TOUR 2010-2017」を購入し、視聴した。この作品は星野源の2010年から2017年までの全作品のミュージックビデオ(MV)集で、これまでMVが作られた作品のすべてを星野源のコメント付きで紹介するという内容となっている。ざっくりと言うと、コメント→MV→コメント…のような形で流して観ていく番組のようなつくりだ。本編と特典映像編があり、特典映像ではメイキング映像のほか、ニセ明がコメントを担当している。毎度のことながらこちらの作品もオーディオコメンタリー付き(副音声でのおしゃべり)で、通常の収録時間×2倍の内容量、計8時間近く楽しめる。すべてを観るのにはとても時間がかかるが、それだけサービス精神旺盛の作品となっている。



当作品については雑誌『ROCKIN'ON JAPAN 2017年6月号』で語られた星野源のインタビューが参考になる。


読んでいていいなと思ったのが以下の箇所。少し引用してみる。
「(略)で、自分の作った音楽の変遷というかストーリーみたいなものが見えるような気がして、すごくグッとくるところもありました。特に”フィルム”と”夢の外へ”のあたりは結構グッときて。自分が明るい曲を作ろうと思って作っていってる感じが映像にもちょっと表れている感じがして、すごくおもしろかったです」

ラジオや本編でも語られていたが、星野源なりのMVやMVを公開すること、MV集についてのこだわりがかなりあるらしく、その思いが反映されたような内容となっている。本当にざっくりと言うと、「CDを買ってくれた人に一番得をしてもらいたい(から動画サイトではすべてを見られないようにする)」、「MVをただ収録しただけのMV集では労力が少なすぎる(から解説やメイキングなどで付加価値をつけている)」ということである。いつもそうだが、本当にサービス精神が旺盛で、できる限りファンの方や買ってくれる方に楽しんでもらおうという思いが伝わってくる。それがこの大人気につながっているのだろう。

●途中で顔つきが変わるのがよくわかるMV集


ネタバレを極力せずに感想を書いてみたい。本編は処女作「くせのうた」(動画)から社会現象となった「恋」までの星野源の活動をMVとともに振り返ってみるという内容で、当時の思いや撮影の裏話的なものが語られている。筆者が一番感じたことは、本人が苦労された”病で生死をさまよう”という経験が、本当に彼の人生を変えたんだろうなということだった。病の前後で顔つきがまったく変わっていて、不謹慎だがもし途中での闘病がなければ、今の星野源はいなかっただろうということを強く感じた。病の前は楽しそうではあるが、本気で目が笑っていないというか(笑)、やはりちょっと影がある感じがする。人や社会に心を閉ざしているような感じもする。今も昔も大きな世界観は変わっていないものの、時系列に沿って観てみると、やはり「なんか違う」ということを誰しもが感じることと思う。

●オーディオコメンタリーで語られた内容も見逃せない

pizza-2068271_640

副音声のオーディオコメンタリーでは、時折ゲストが来て2~3人で他愛もない会話をしているのだが、だらだらして取るに足らない(失礼)部分もあれば、リラックスした状況だからこそ本音を語っていると思われる個所もあり、ファンならぜひとも全編聞いておきたい内容だ。特別映像のオーディオコメンタリーで上記の闘病前後での心境の変化を本人が語っている場面があり、筆者はそのコメントが一番グッときた。生死をさまよって得た気づきや変化について本人の素直な気持ちが語られていて、「よくぞ死なずに元気になってくださった…」と心から思った。

●MV集でもニセ明がいい味出してる

ジャム (初回限定盤A)(DVD付)
関ジャニ∞
インフィニティ・レコーズ
2017-06-28


ジャニーズグループ、関ジャニ∞への楽曲提供など、活動の幅を広げているニセ明氏が特別映像でのトークに登場している。筆者はニセ明のキャラクターが好きで、大御所気取りでビッグマウスだけど実はダメな人っぽい感じや独特の落ち着いた口ぶり、時折垣間見える星野源の素の姿がとてもユーモラスで面白い。ニセ氏はテレビには登場していないので、お金を払って作品を買ったりライブに足を運んだりしたファンしかその姿を観ることはできないレアキャラでもある。登場時間は少ないが、やはりニセ氏が出るか出ないかで味わいが変わってくるなぁと思った次第だ。

※参考記事
【星野源】【ニセ明】「君は薔薇より美しい」紹介記事

古株ファンの方にも、新しくファンになった方にもお勧めしたい、星野源のこれまでの歴史がよくわかる作品だった。

※すべての記事一覧はこちら
※星野源関連記事
「恋」歌詞の意味&解釈
「Drinking Dance」歌詞の意味&解釈
「Continues」歌詞の意味&解釈
「雨音(House ver.)」歌詞の意味&解釈
「フィルム」歌詞の意味&解釈
「化物」歌詞の意味&解釈
「時よ」歌詞の意味&解釈
星野源のオールナイトニッポンおすすめ記事
「ステップ」歌詞の意味&解釈
「日常」歌詞の意味&解釈

サカナクション、ファン人気投票1位に選ばれた「目が明く藍色」

kikUUiki(初回限定盤)
サカナクション
ビクターエンタテインメント
2010-03-17


2017年5月9日に行われたサカナクションの10周年記念イベントにおいて、ファン投票で選ばれたサカナクションの人気曲ランキングが発表された。堂々の1位に輝いたのが「目が明く藍色」。ファンの間では有名な楽曲で、かなり納得の結果だと感じた。本人もこの曲に関する思い入れは強いようで、様々な媒体で語られることの多い一曲だ。
音楽サイト『RO69』のインタビュー『特集 サカナクション』ではこんなことが語られている。
僕、"目が明く藍色"を書けた時に、「あ、もうこれで一生ごはん食べていける」と思ったんですよ。この1曲ができたお陰で、僕ら絶対音楽でごはん食べていけるね、ってメンバーみんなに言ってたんですよね。「こんないい曲、ほかに絶対ないよ」みたいな。他にロックやってる人でもいないし、ポップスでもいないし、耳に残るし、絶対いいよ、みたいに言ってたんですけど。 
"目が明く藍色"を好きだって言ってくれる人って、やっぱりすごいセンスいいなと思うし(笑)、(略)

詳しくはこちら(http://ro69.jp/feat/sakanaction_201109?p=4)をご参照のこと。

作成経緯などについては、ラジオ『スクールオブロック(2012年12月10日放送)』で語られていたものを引用してみる。
「"目が明く藍色"っていう言葉は、僕が10代のときに夢に出てきた言葉なんです。目の前に知らない女の人が立っていて、僕に「目が明く藍色、目が明く藍色」って言ってきたんですよ。それを僕は枕元でメモって書いてあったんですよね。その言葉がタイトルになっています。実は、札幌のアマチュア時代に、僕は「目が明く藍色」っていう曲を作っていたんです。だけど、それは未完成のままで、歌詞も違うものでした。もう覚えてないけど、こんな感じ……」
詳しくはこちら(http://www.tfm.co.jp/lock/sakana/smartphone/index.php?itemid=150&catid=17)。

読み解くヒントとなりそうなツイートも発見。

この曲は4thアルバム「kikUUiki」収録曲(リード曲)で、シングルではないがMVも作られている。かなり力の入った作品だ。世界観がこのアルバムのタイトルやジャケットにも関連していて、「目が明く藍色」のために作られたアルバムと言っても過言ではないのではないかというくらい熱がこもっている。仕掛けや言葉遊びが何重にも組み込まれていて、山口一郎の類まれなる才能とこだわりをこれでもかと見せつけられるような渾身の一曲だ。

●「目が明く藍色」(2010年3月17日発売アルバム「kikUUiki」収録曲)



今回はMVをじっくり視聴し、出てくるテーマやモチーフを読み解いてみたいと思う。この曲をまず大きくパート分けしてみると以下のようになる。

(1) イントロ
(2) Aメロ、Bメロ(×2)
(3) Cメロ(「光はライターの光~」から)
(4) Dメロ(「メガアクアイイロ」から)
(5) Aメロ、Bメロ(再)
(6) サビ(「君の声を聴かせてよ~」から)


(1) イントロ
青い花びらが枯れ木の隙間をひらひら舞い落ちていく。白い空。垣間見える雑踏。おそらく季節は冬で寒そう。

(2) Aメロ、Bメロ
女性の手のひらに青い花びらが落ちる。青いドライフラワーが増殖、木の枝の模様。ボタンが涙、星になる。人形2体が遊んでいる。ボタンが目の形、そして泣く。ケースから白ワンピースが出てくる。糸まきがブロンズヘアを運び、みつあみにする(青リボン)。蝶が7羽飛ぶ。ふわふわした糸玉みたいなもの。いちごのホールケーキ。書類・手紙。食器、ティーカップ。カラフルな積み木のおもちゃが水色と青(青と藍)の2色に。ケースと手芸道具。古いラジカセ(たぶん)。
ノートパラパラまき戻る・黒いページ。

(3) Cメロ

黒い背景に丸い光(白・黄色・赤っぽい)。同じ色の線(糸)。青い水滴が落ちる。また丸い光(白・黄色・赤)。次第に青と白の小さい光になる。3台のアイロンが縦横無尽に走る。くつが歩く。カラフルな光が揺れる。青と白の光(一瞬)。フォーク・ナイフ・スプーンの花火。カナヅチが皿を破壊。

(4) Dメロ
「メガアクアイイロ」のリズムに合わせて、青と藍色の光が重なり合って、やがて目のようになる。最後は目玉がなんとなく赤い。

(5) Aメロ、Bメロ(再)
ノートの黒いページ。さらにまき戻る。
女性。髪から枝がのびる(花なし)。糸玉が当たって紙のしみになる。プレゼント用のケーキがぐちゃぐちゃになる。三つ編みが刻まれる。人形が縛られる。白いワンピースが青に染まる。ちょうちょが身動きが取れず標本にされそうになる。ラジカセが分解される。
ノートがパラパラまき戻る。
ノートのあるページがひっくり返る。


(6) サビ
燃やされた女性の写真が元に戻る(女性接近)。ラジカセが元に戻る(白いカナヅチ)。ぐちゃっとなってたカバンからブドウとマスカットが出てくる。ワンピースが白に戻る(青い水滴の蒸発)。食器が元に戻る(丸い光)。ボタンの目がまた目を開き去る。糸がどこかへ行く。縛られた人形が解放され元に戻る(ハサミ)。刻まれた三つ編みが元に戻る(ハサミ)。蝶が自由になる。ケーキが元に戻る。糸玉が元に戻る。枝の絵が元に戻る。女性の全体像。青いワンピース。足が青い。小雪がちらつく。白い雪の上か?全体が映し出され、雪の模様のような青いしみが増える。大きなにょろっとしたひもみたいなものが張り巡らされている。(たぶん)枯れ木がある。

ざっと書いただけでこれだけある(笑)。なんという情報量だろうか。
たくさん出てきたモチーフ・象徴・キーワードを分類してみるとこんな感じになる。

<1>目 
<2>集合
<3>"U”
<4>光
<5>青・藍色
<6>糸・服・裁縫
<7>女性
<8>冬・寒い
<9>幼児性・過去懐古
<10>破壊と創造


●目と集合と”U”と光の関係性について

「目が明く藍色」というタイトルにもあるように、”目”というのは大きなテーマとなっていて、モチーフでも何度も登場する。また”目””涙””光”とも関係が深い。そして、山口一郎のツイートにもあるように、”集合”(数学)とも関係している。それは赤字下線を引いた(5)のパートの終わりの部分が最も象徴的だ。和集合(∪)から積集合(∩)に変わる。わかりやすいように図を作成してみた。

無題

ノートがひっくり返るところで、”目”の形が強調されることになる。”U”は”you”と”∪(和集合)”のかけ言葉なのだろう。
”積集合”になって”目”が強調されるということから、物事をしっかり識別できるようになったことや客観的に、冷静に物事をとらえられるようになったこと、混沌から明晰さへの開眼、不要なものを見分ける力といったキーワードを連想した。歌詞の中の「藍色いや青い色した ずれて重なる光 探して」の部分は、アルバムのジャケットでもあり、まさにこの”積集合”のことを言っているのではないだろうか。
「光はライターの光」という歌詞があるが、目の形や積集合の形が「ライターの光」の形に見えなくもない。光と目を重ねているのだろうか?

●青・藍色について

sunset-111920_640

青と藍色を明確に違うものとして書き分けていることからも、そこに重大な意図があることがわかる。歌詞を読まないとわからない部分も多いので、この件は次回。ちなみに、スピリチュアル的に言われていることを書くと、第5チャクラ(のどのチャクラ)のテーマカラーは青、第6チャクラ(第三の目のチャクラ、眉間の辺り)のテーマカラーは藍色(紺・インディゴ)となっている。”目・藍色”というのはチャクラの色という意味でも非常に整合性が取れている。スピリチュアル的に読むとすれば、第三の目の開眼、覚醒といったテーマも隠されているように思う。

●糸・服・裁縫について

pins-923867_640

冒頭Aメロの歌詞「制服のほつれた糸 引きちぎって泣いた」など、「服」「糸」に関する歌詞に関連しているものと思われる。MVではボタンや糸、人形の糸、ワンピース、髪の三つ編み、ふわふわの糸玉、手芸道具入れ、アイロン、ハサミなどが登場。”糸を紡ぐ”と言ったりもするが、山口一郎”言葉を紡ぐ”ことを連想。また、紡いだ糸を織って洋服ができることから、言葉を組み合わせて曲を作ることも連想した。また、上記”和集合”から”積集合”になり、混沌から解放される様子は、ぐちゃぐちゃの糸がまっすぐにほどける様子とも重なる気がした。

●謎の女性について

powder-snow-496875_640

雪の上で横になっている髪の長い青ワンピースを着た女性はいったい何者か、(6)サビパートに登場する写真の女性との関係性はあるのかなど、謎が多い。この曲を恋愛の歌として見ると、愛する女性の象徴なのかもしれない。(6)サビパートの写真は、最初はやや遠景で全身が写っているのだが、すぐにバーンと燃やされ、そのあとパラパラマンガのように近づいてくる。不吉な解釈をすると、いつも隣にいた彼女がなんらかの事故(=火)などに巻き込まれ亡くなってしまった、その様子を巻き戻しているようにも見える。ラストで青いワンピースの女性の全身が写されると、足は冷え切って青くなってしまっていることがわかる。雪、枯れ木(=冬)、青と白という映像の色味から言ってもあまり生気を感じず、この女性は亡くなってしまっていると想像することもできるだろう。

●幼児性・過去懐古について

book-2265490_640

この曲の歌詞の中でも「制服」というのは大きなキーワードとなっている。「制服」=学生時代の象徴と見ると、おそらく過去懐古の要素はあるだろう。人形、積み木、ちょうちょ、ケーキ、ラジカセなどのモチーフも、子どもや幼児が好きなもの、または過去の遺物のようなものの象徴として描かれているように思える。白のワンピースは白=純白、純真、汚れのないことの象徴で、少女性を表していると感じた。ブロンドの三つ編みも○○人形などの少女趣味、おさげ姿の学生を連想させる。ちょうちょは一般に(さなぎが美しい蝶に変容することから)”変容”のモチーフとして知られており、子どもが大人になる過程の象徴なのかもしれない。
シーンの切り替えで登場するノートのモチーフは常にまき戻っており、時間軸的に過去を振り返っていることを表しているのだろうと感じた。ノートの黒いページから光の異世界ゾーン(3)(4)に切り替わること、(6)のパートへの入り口にもノートがひっくり返ることから、シーン転換の重要な節目の役割を担っているように思う。

●破壊と創造について

scissors-1534065_640

MVを見て、”破壊と創造”、”死と再生”といったキーワードが浮かんだ。占星術的に言えば冥王星、タロットで言えば死神のようなイメージ。(2)のパートで登場するモチーフは主に、新たに創られていく様子が描かれている(創造)。(3)のパートでカナヅチで皿を破壊するシーンがあるが、(3)は全体的に暴力的なイメージが強い。(5)のパートでは、冒頭で出てきたモチーフが刻まれたり破壊されたり拘束されたりしてしまう。ノートがひっくり返った後の(6)パートですべてが元通りになっていく様子は、”復活””再生”といったキーワードを連想させる。万物は諸行無常であり、常に移り変わっていくものだ、というメッセージも感じた。また、カナヅチやハサミなどは、”モノを破壊することも創造することもできる”ということの象徴として使われていると感じた。季節は冬のようだが、冬というのも”死”を連想させるものだ。あらゆる物事の二面性みたいなものが描かれていると思った。

思いの外長く書きすぎてしまった。歌詞については次回書いてみたいと思う。

「目が明く藍色」
歌手名:サカナクション 作詞・作曲:山口一郎

歌詞サイトはこちら

※すべての記事一覧はこちら 

※サカナクション関連記事
「多分、風」歌詞の意味&解釈
 

レミオロメンの珠玉のバラード「海のバラッド」を久しぶりに聴いたら良すぎた

ether[エーテル]
レミオロメン
ビクターエンタテインメント
2005-03-09


久しぶりの更新は筆者が学生時代の頃に大好きだったレミオロメン「ether」というアルバムから「海のバラッド」を取り上げてみようと思う。この「ether」は大傑作アルバムとして知られており、筆者の短い人生で聴きこんだあらゆる音楽作品の中でも、いまだにこのアルバムを超えるアルバムは存在しないのではないかと思うほどに完成度が高い作品だ。久しぶりに「ether」を聴いてみようと思いしばらく聴きこんでいたのだが、このアルバムのラストに収録されている「海のバラッド」を聴いた時に思わず涙があふれてしまい、これはと思って記事にしようとパソコンに向かったのであった。
昨今の音楽シーンはフェスの興業が中心で、盛り上がる曲、ノリの良い曲が重要視され、量産される傾向にあると思う。それはそれで良いのだが、「海のバラッド」のような珠玉のバラードが生まれにくい状況が少なからずあると思う。胸の奥深くに染みいるような、心の琴線に触れて涙が自然と零れ落ちるような、この曲を超える名作バラードを聴いてみたいものである。

●「海のバラッド」(2005年3月9日発売アルバム「ether」収録曲)

sunset-2244642_640

レミオロメンは音楽、メロディもさることながら、歌詞が本当に素晴らしく、日本らしい四季折々の情緒を感じさせるような表現が多数織り交ぜられている。「海のバラッド」が特に好きだなと感じるのは、”好き”とか”愛してる”とか”love”といったような、直接的でわかりやすい愛の表現ではなく、二人で海にいるという状況描写と繊細な感覚や気づきのみが綴られている点である。取り繕うことも着飾ることもない、素直な気持ちが歌われているところも心に響く。

「手をつないだら はずかしくなって
 そっと波の際を歩いてみる
 風の音なら 空の呼吸だね
 きっと世界の事 繋いでる
 何だか不思議だよね
 この時を分け合うって

 君といれると 僕は誰でもなく
 本当の自分に近付ける気がするよ
 二つの影 砂浜に寄り添って
 僕らの前には 海が広がるよ」(1番Aメロ、Bメロ、サビ)


恋人同士がはずかしそうに手を繋いで海の波打ち際を歩いている様子が目に浮かぶ。「風の音なら 空の呼吸だね」という表現、こんなに繊細で透明感のある歌詞はなかなかない。Bメロの「何だか不思議だよね この時を分け合うって」の部分は、二人が出会って今この瞬間にここにいることの奇跡への感動みたいなものを感じて、うるっとくる。二人で同じものを見て、感じたことを分かち合えることの喜びや尊さ、美しい海の描写と相まって感動が増してくる。
サビの「君といれると 僕は誰でもなく 本当の自分に近付ける気がするよ」というのは、最高の愛の言葉だと感じる。”好きだ”とか”愛してる”といった口先だけの言葉ではない、本当にそういった感覚を得たことがある人でなければ書けない歌詞だと思う。本当に深い愛で結ばれた時に、お互いにありのままの自分でいても良いのだと心の底から感じられるようになるのだろう。相手といると自分のことももっと好きになり、深く受け入れられるというのが真の愛ということなのだ。
「二つの影 砂浜に寄り添って 僕らの前には 海が広がるよ」、ただ状況を描いているだけなのにどうしてこんなにも心を打つのだろうか。これはおそらく「海」そのものが象徴するものが深く関わっているように思う。「僕らの前には(空)が広がるよ」「僕らの前には(緑)が広がるよ」とかではだめで、「海」だからこその感動なのである。「海」”母なる海”とも言われるように、広くて深い普遍的な愛を象徴しているのだろう。二人の愛が母なる海のごとくに深く、条件付けではない普遍的な愛であるということを表しているのだ。

大好きな人と同じ時間を分かち合うことができる喜び。一際輝きを放つ海。

sunset-1641230_640

「目と目が合って 照れくさくなって
 そっと波の順を数えてみる
 風の音なら 命の鼓動だね
 きっと世界の事伝えてる
 何だか嬉しいよね
 この時を分け合うって

 君といれると 僕は誰でもなく
 本当の自分に気付ける気がするよ
 何かしゃべろうか 静か過ぎるから
 波打ち際には 光が差し込むよ」(2番Aメロ、Bメロ、サビ)


2番も1番と似たような趣の歌詞が続く。普段から仲の良い二人であってもいざ「目と目が合」うと、「照れくさくなって」しまうのだという。とてもかわいらしい二人だ。「風の音なら 命の鼓動だね」というまたも詩的な表現。パッとすぐに意味はわからなくとも、雰囲気は伝わるような巧みな歌詞だと感じた。2番では「何だか嬉しいよね」という表現になっており、1番より直接的だ。二人で「この時を分け合う」ことの喜びの度合いというのは、おそらく大都会よりも大自然の中の方が感覚は強いのではないかと思う。心が震えるような雄大な自然の風景、海や空の美しさを共に感じ、分かち合えた時にお互いの絆も深まるのではないだろうか。
サビラスト2行「何かしゃべろうか 静か過ぎるから 波打ち際には 光が差し込むよ」、この部分もじわじわ泣けてくる。静かな海に光が差し込み、海辺がキラキラと輝いている。それを二人で手をつなぎながら黙って見つめているのだろう。本当に、ただそれだけなのだ。それだけなのに、胸の深い部分が震えるような感動がある。余計な言葉もプレゼントも何もいらない、ただ、相手と手をつないで、美しい景色を一緒に眺めているだけで深い愛と幸せを感じられるということなのだ。

海の描写だけで愛をここまで表現できる秀逸すぎる歌詞。脱帽。

sunset-699123_640

「君といれると 僕は誰でもなく
 本当の自分に近付ける気がするよ
 
 長い影も 波の輪郭の中
 水平線上 空と出会ったよ
 抱きしめていいかい 星が出るまで
 運命線上 君と出会ったよ
 僕らの前には海が広がるよ」(ラストサビ)


ラストの盛り上がりの前にサビの1フレーズが入る。ここが本当に感動を増すポイントなのだ。「長い影」「星が出るまで」というフレーズから、この時が夕暮れ時であることがわかる。「水平線」を境に広大な「海」「空」があたかも一体となったかのように見える夕暮れ時。「海」「空」「出会っ」て一体となったように、「僕」「君」「抱きしめていいかい」と、一体になろうとしている。ラストは「海」「空」も、「僕」「君」も、すべてがひとつで一体となったかのような錯覚を感じ、そこに深い感動があるように思う。レミオロメンの歌詞にはよく見られる「運命線」という独特の表現もあるが、”君とは結ばれる運命だったんだ”といったようなロマンチックな響きもある言葉だ。「海のバラッド」は愛し合う二人を「海」「空」「光」「星」も、すべてが祝福し見守っているような、深くて普遍的な愛を感じる歴史に残る傑作バラードだと思う。残念ながらレミオロメンとしての活動は休止してしまっているが、一ファンとしてまたこのような名曲を世に送り出してほしいと切に願っている。

「海のバラッド」
歌手名:レミオロメン 作詞:藤巻亮太 作曲:レミオロメン


※すべての記事一覧はこちら

↑このページのトップヘ