February 03, 2004

未来を見据えたフィールドの現在

亀山湖◎千葉県
 年間30匹前後の50cmオーバーがキャッチされている亀山湖の特徴は、なんといっても7軒のボート店と小櫃川漁協のパートナーシップにあるだろう。バスのベイトフィッシュとなり得るワカサギの放流には特に積極的で、3年ほど前から従来の10倍に上る量のワカサギを放流している。結果、バスは通年コンスタントに釣れるようになり、湖に訪れるバスフィッシャーマンの数も安定したという。また、ボート店同士の協力体制は、利用する側のメリットも大きい。たとえば、どのボート店から出船しても、亀山湖にあるボート店のすべての桟橋を利用できる。このシステムは、休憩する場合に重宝するだけでなく、不意のトラブルが発生した場合にも便利だ。
 湖がオープンし、バスが釣れ始めて10年ほどの間は湖の管理をしなくても釣果は安定していたという。しかし、利用客の増加とともにプレッシャーが高くなるにつれバスが釣れない状態が続いた。その対策として、ボート店が月2回の定休日を設定したことで、バスのコンディションは安定したそうだ。地元がバスフィッシングを安定した産業と位置づけ、バスを貴重な資源として捉えているからこその対応と言えるのだろう。
 入漁料はひとちあたり1日3000円(ニジマスを除く)しか徴収していないにもかかわらず、その資金を有効に活用しているからこそ、今の魅力的フィールドがあるのだ。

西湖◎山梨県
 ヒメマス釣りのメッカとしても知られる西湖では、約10年前にバスが漁業権魚種に認定された。当初、漁協内おけるバスのイメージは決してよくなかったという。しかし、レンタルボート「白根」のオーナーであり、西湖漁業共同組合の理事も務める渡辺安司さんは言う。
 「西湖にくるバスフィッシャーマンは『いつもは河口湖に通っているけど、もう少し静かな湖で釣りをしたい』という方が多いですね。バスの経済効果は大きいですよ。現在、利用客の大半はバスフィッシャーマンで、入漁料の年間収入は約3000万円ほどになります。今は、その予算の多くをワカサギとヒメマスの放流に使っています。当然(バスは)それらを捕食するのですが、バスが捕食できない深い場所にも生息できるこれらのベイトフィッシュとうまく共存しているんです。おかげで、バスのお客さんだけでなく釣り客の総体数も増加傾向にあります」
 現在、バスは年間2回、合計1tを放流している。県内で養殖された個体が100%だ。今後、市町村の合弁に伴い、河口湖と同様に法廷外目的税(遊漁税)を徴収できる可能性もあるという。実現すれば、トイレや駐車場などの周辺施設が充実し、より利用しやすいフィールドになるだろう。

片倉ダム◎千葉県
 2001年に完成したばかりのリザーバーだ。ボート店がオープンし、ボートフィッシングが楽しめるようになったのは昨年の4月から。「笹川ボート」のスタッフ、渡辺範行さんによると、隣接する亀山湖を参考として、さまざまなプランを検討しているという。
 「ウチは家族で経営しているのですが、ボート店としてのノウハウはまったくありませんでした。そこで亀山湖のボート店の方々にアドバイスをいただき、やっと軌道に乗り始めました。とにかく、多くのお客さんに満足してもらえる湖にしたいと思っているのですが、なかなか難しいですね。将来的にはベイトフィッシュを放流して安定した釣果を望める湖にしたいと考えています。今は、とにかくフィールドに切れたラインや根掛かりしたルアーが放置されることによるフィールドコンディションの低下が心配です。まだまだ余裕はないのですが、ウチだけでなく湖周辺に利益が還元されるシステムを作っていきたいですね」

この記事へのトラックバックURL