先日、バイト帰りにラーメン屋に寄ったら、『のだめカンタービレ』が置いてあった。
(…そういや読んだことねーな)
ねぎラーメンを待つあいだ手にとってみたら、これがえらくおもしろい。すっかり気に入ってしまった。
そんなわけで、周囲から「何をいまさら」という反応を受けつつ、もっぱら古本屋で買い集めている。そしてこの漫画は、私に音楽の楽しさを思い出させてくれた。
もともと、子供の頃の私はクラシックの神童として名を馳せていた。
得意だった楽器はピッコロ、タンバリン、シンバル。とくにピッコロ奏者としては国際マジュニアコンクールで優勝し、賞金の20万ゼニーと電子ジャーを獲得したこともある。
中学の頃といえば何といっても合唱コンクール。
歌に目覚めた私は日々練習に励んでいた。私の熱唱を聞いた音楽教師が、
「あなたは指揮者をやった方がいいかもね」
と言ったほどである。
結局、その頃は歌にしか興味がなかったので指揮者への勧めは断ってしまったが、先生は私に全休符の大切さを教えてくれた。そんな指導を受けたのは私だけだったことからも、先生が私の才能に目をかけていたことがわかる。
…つづく