エジプト各地で新しい発見が相次ぐエジプトですが、今月2日約4500年前の古王国時代第5王朝の高官クウイの墓と、今までその存在が知られていなかった王妃のピラミッドが発見されました。

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サッカラは古代エジプトの首都だったメンフィスのネクロポリス(埋葬地)として知られており、エジプト最古のピラミッドである階段ピラミッドや、美しいピラミッドテキストがあるウナスのピラミッド、そして古代エジプトの高官達が葬られたマスタバ墓などが多数ある場所です。

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チェコのエジプト学研究所によると、エジプト人考古学者のサイード・ムハンマド・メガヘッド博士率いる発掘調査隊が、古王国時代第5王朝8代目のファラオであるジェドカラー・イセシ王のピラミッドコンプレックス (ピラミッド複合体)近くで発掘作業中、この時代に王に仕えたクウイと言う名の高官の墓を発見。

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高官クウイの墓はL字型の礼拝堂の下に地下へと続く入り口があり、王族以外で下部構造を持っている墓の発見は今回が初めての例だそうです。

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地下の埋葬室の壁は色鮮やかな壁画で装飾されており、石灰岩で石棺の内部からはクウイのミイラも見つかっています。

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高官クウイの墓内部の壁画は、4500年前のものとは信じられないほど色鮮やかな美しい壁画が残されています。

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サイード・ムハンマド・メガヘッド博士率いる発掘チームは更に、1950年代に見つかったものの、誰のものかわからなかったピラミッドについても、「セティブホル」という名前が刻まれた花崗岩製の柱を発見。

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この王妃はジェドカラー王の妻だと考えられており、これまでその存在は知られていませんでした。

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名前が刻まれた柱。

そしてミニヤでは、神官のミイラが納められた石棺が見つかり、米テレビ番組で7日、その石棺の開封の様子が生放送で中継されました。

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動画:2500年前の古代エジプトの石棺、米テレビの生放送で開封

番組は、首都カイロやギザ(Giza)のピラミッドからナイル川(Nile River)沿いに南に下がったミニヤ(Minya)付近の発掘現場から放送された。
 同地では最近考古学者らが、一続きになった複数の立て坑を発見。これが地下道と複数の墓につながっており、墓の中からはミイラ40体が見つかった。ミイラはいずれも「身分の高いエリート層に属するとみられる」という。

 墓の調査では、像や魔よけ、内臓を納めるカノプスつぼなどの人工物やさらに多くのミイラが見つかった。中には腐敗が進み、骨だけが残ったものも1体あった。最後には、複雑な彫刻が施された「サルコファガス」と呼ばれる石棺が納められた一室に到達。

 はって中に入った考古学者らは、数人がかりで石棺を開封。中には、きっちりと布に包まれ、金などの宝飾品に囲まれたミイラ1体が納められていた。
ディスカバリーチャンネルの広報担当者は以前AFPに対し、今回のプロジェクトはエジプト考古省と共同で行ったものだと説明していた。

 番組の司会を務めた米冒険家のジョシュ・ゲイツ(Josh Gates)氏と共に、今回の調査を率いたエジプト元考古相で考古学者のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)氏は、「信じられない、これはすごい」と感嘆の声を上げた。

 ゲイツ氏は、このミイラは、学問や呪術をつかさどる古代エジプトの神「トート(Thoth)」に仕えた高位聖職者で、エジプト人の最後の王朝で紀元前525年まで続いた第26王朝までさかのぼると紹介。
そして「古代エジプト末期、真の権力は高位聖職者らにあった。これを見れば分かる…王家の埋葬さながらだ」と述べた。

まだまだこれからも新しい発見のニュースが期待されるエジプトです。

SPTツアーズ


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