2012年05月15日

★No.86【なぜ嘘をついてはいけないのか?】


カントはいかなる場合も嘘をついてはいけないと説きました。

カントの道徳理論はともかく。
なぜ「嘘」をついてはいけないか。
ということについて考えてみたいと思います。

嘘に関する問答を行う場合、必ず問題になるのは、

「嘘も方便」

という言葉です。

「嘘」が、相手の為になるのであれば、それは許容されるという考え方です。

■末期がんの患者にショックを与えないように事実を語らない。
(※最近は、本人の希望を事前に確認した上で告知するのが主流になっていますが)

■ストーカーから友人を守る為に嘘の居場所を伝える。

■人を傷つけない為に本当のことを言わない。

等々。

「嘘=悪」とは言い切れないことが往々にしてあります。

そして嘘にはいろいろな種類があります。

1 陥れる為の嘘
2 利益を求める為の嘘
3 傷つけない為の嘘
4 守る為の嘘
5 楽しませる為の嘘
6 悲しませる為の嘘

その他にもあると思います。また、状況に応じて、
上記の複数が組み合わされる事も起こることでしょう。

しかし、実は大きく分けると嘘は2種類しかありません。

それは「自分の為」か「他人の為」かです。

ちょっと自分自身に照らし合わせて
今まで付いた嘘について考えてみましょう。

「自分の為に付いた嘘」がその後どのような影響をもたらしたか。
「他人の為に付いた嘘」がその後どのような影響をもたらしたか。

少し考えてみるとすぐに分かるのですが、
「自分の為についた嘘」が長期にわたって自分自身の為になっていることは殆どありません。
「他人の為についた嘘」もよくよく考えてみると、本当に他人の為にはなっていないことも多くあります。

理由は二つです。

まず、殆どの場合「嘘」はばれます。
嘘は永遠に嘘なので、永遠にばれる可能性がいつまでも残るからです。
その場で逃れる利益よりも、先にばれる不利益の方が大きかったり、
良かれと思ってついた嘘が、かえって物事を悪い方向へ導いて
しまったような経験が、殆どの人にあると思います。

もう一つは、精神的な問題です。

自分でついた「嘘」はいつもでたっても自分自身の心に傷(罪悪感)を残します。
たとえ、他人にばれていなくても、自分自身にはばれているからです。
だから嘘はいつまでも頭にへばりついて離れてくれません。


「だから嘘はついてはいけないのだ。」


などと大上段から宗教家のごとく言うつもりは全くありません。

でも、「嘘」は本当のことを言うより、エネルギーが必要であり、
精神的な負担をもたらすことに違いはありません。


これはビジネスの現場にも共通します。


おだてるマネジメントはうまくいきません。
指摘するマネジメントが重要です。

その場でうまいこと言う営業は長期的にはマイナスの成果が生まれます。
事実に基づいてしっかりと提案する営業が必要です。

粉飾決算は、企業を窮地に陥れます。
正確な経理が企業に利益をもたらします。


ノウハウ本に「褒めて伸ばす」と書いてあるからと、
褒めるところも無いのに褒めてもうまくいくはずがありません。

目先の利益を追っていい加減なことを言ったら、
二度と発注はもらえません。

正確な数字にのみ、経営の神様は微笑みをもたらします。
(根拠はありませんが、なぜかそうなるのです。税理士や会計士に聞くと異口同音に「正確な経理を行っている企業ほど利益を計上し、伸びていく」と言います)


テクニックにさえ、嘘があってはうまくいかないのです。

つまり、ほとんどの場合

「嘘をつかないこと、が、結局は自分自身の為になる」

と、考えて間違いないと思います。

嘘をつかずに自分を守る。
嘘をつかずに人を傷つけない。
嘘をつかずに人を指導する。
嘘をつかずに人を守る。

安易に嘘に頼る前に、立ち止まって考えたいと思います。



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