2014年01月20日

☆No.62【なぜ評価には不満がつきものなのか】



【問題1】

例えば、同じ8時間で、「10」の仕事をこなす人(A)と、「2」の仕事しかこなせない人(B)がいます。

あなたは、この二人をどのように評価しますか?


完全なる実力主義で評価すれば、Aの報酬はBの5倍となります。
働いた時間で換算すれば、AとBは同じ報酬となります。

さて、どうしましょう。


【問題2】

問題1と同じ条件で、

Aは、仕事は出来るが、遅刻が多いなど規律を乱します。
Bは、仕事の取り組み姿勢が真摯で、真面目です。時間に遅れたこともありません。

あなたなら、これをどのように評価しますか?


さらに、

【問題3】

Aは、10の仕事を一日8時間、残業無しでこなしました。
Bは、10の仕事を一日10時間、月間残業40時間でこなしました。

結果、残業手当を含めると、Bの報酬の方がかなり高くなりました。

Aはこれに対して不満を持ってきました。
あなたならどうしますか?

さらに、同時期に、

Bは、自分だけが残業をやらされている、と不満を言ってきました。
あなたならどうしますか?


【問題4】

ベテラン社員が年々動きが鈍くなり、生産性が下がってきました。
しかし報酬は高く、他とのバランスが悪くなり、社内に不満が溜まっています。

そして本人にその自覚はありません。
また、過去の貢献があるのだから当然との考えも持っています

あなたならどうしますか?


【問題5】

一生懸命努力して時間もかけて、10の仕事をやり遂げる社員と、
才能だけで、簡単に短時間で同じ10の仕事をこなす社員がいます。

あなたなら評価に差をつけますか?
差をつける場合、どちらを高い評価にしますか?



これらに共通して重要なのは、これらの問題の
解答は、目の前の社員だけの評価に留まらないことです。

その評価を行ったときに、組織全体に
どのような影響が生まれるかをも予測しなくてはなりません。



このような問題は、会社の中では日常茶飯事に起こります。
通常の判断では、「あっち立てればこっち立たず」、で、常に不満が残る結果となります。



果たしてこれらを解決する手段はあるのでしょうか。



そもそも人の評価には、少なからず、哲学的な側面が存在します。

例えば、「人は生まれながらにして平等か否か」という概念です。

もし、平等だと考えるなら、全て、働いた時間で換算すべきでしょう。
評価に差をつけるべきではありません。

また「努力をどう評価するか」ということも課題です。
努力することも才能と捉えれば、それも評価すべきではありません。


しかし、完全に時間で平等に評価すれば、モチベーションの上がらない組織になりかねません。


しかし、これにも異論があります。


「自ら生まれ持って得た才能は、授かり物なのだから、
それを持って世のため人の為に使うことが使命なのだ」


と、


働く人間全員が、そう思えたのなら、完全平等でも
生産性の高い組織が完成される可能性があります。

この場合、組織的に強力な宗教的な概念が必要となるでしょう。
一部非常に生産性の高い宗教団体が存在するのもこれが理由です。



哲学的には、自由主義者は、自分の稼ぎは、自分のものであり、
弱者保護も、慈善活動も、その人間の自由意思によって行われるべきと言う発想をします。

アメリカ合衆国の文化は、こういった思想が強い文化です。
実際に慈善活動に熱心な大富豪は数多く存在します。


逆に共同体主義者は、一定の格差を認めながら、その格差を埋めるために、
組織や国の中でルールを定め、それを埋めることを提唱しています。

日本の資本主義は、これに近い発想です。


所得税の仕組みからしてもこの違いは明確です。


少し、話が飛躍しましたが、個々人の思想に違いがある以上、
どのような評価を行っても必ず不満が残ります。

あなたの周りにも、完全に会社の評価制度に満足している人は殆どいないはずです。


でも、不満を極力減らすことは可能です。

それは、企業の経営側に責任があります。


 1 評価基準と評価思想を明確にすること。

 2 その制度が、最も会社全体の生産性を高めることができる論理的裏付けがある事。

 3 会社の利益の使い方が明確なこと。(一部の利益の為に使われないこと)

 4 評価実務に際して立場の異なる複数の人間が関わること。

 5 その組織で最も評価を受ける人物像を想定し、明示すること。

 6 その評価が、個々人の人生にとってプラスに作用すること。


さらに上記に関して、その考え方が理解されるよう
社内で時間を割いて制度と考え方を伝えていくことが重要です。


そしてもちろん、評価される側の自覚を促す事も重要です。

もしあなたが自分自身の評価に不満を持ったなら、視点を少し上げてみて、


「もし自分が評価者ならどうするか?」


と考えてみることから始めて見ましょう。


必ず何かが見えてくるはずです。


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