2013年12月29日


ブログを再開すると言ってから結局1回しか更新はせず、今にいたる。

子供が生まれ、マンションにも引っ越し、2013年は自分にとって人生の中で最も変化にとんだ1年だった。

来年はどんな年になるのやら。

また気楽にこのブログを面白おかしく書いていければいいなと思う。


と言う事で、2013年。

おしまい。





(23:46)

2013年05月30日

会社の朝会にて。

ヒヤリハットの紹介の場面があり

「会社帰りに歩いて帰宅していたところ、道路の向かい側に猫がいた為 眺めながら歩いて、横道から来た自転車に気づかず、ぶつかりそうになった。 対策としては、可愛いからと言って歩きながら猫を見すぎないよう注意する。」

と発言したところ、上司から

「この季節は子猫もたくさん出てくるので、十分に注意しましょう」

とのコメントがあった。


全く、猫には十分に注意が必要である。

(22:01)

2013年05月27日

久しぶりに更新である。

数えてみると2年半年ぶり。

あっという間の2年半であった。

その間に妻は妊娠し、お腹の中で順調に子供は成長していた。

けれど、出産間近に妻が妊娠中毒症となり、1ヶ月近く早く 息子は生まれることとなった。

息子の名は『ショウ』。

生まれた時の体重は1675gと息子は小さく生まれてきた。

体が小さい以外は特に悪いところもなかったけれど、医者からは2,3ヶ月は入院が必要と言われた。

しかし、ショウ君はひょいひょい、と成長し、1ヶ月ちょっとで退院してしまった。


そして、現在。

生まれてから約3ヶ月が過ぎた。

今、ショウ君はむちむちしている。

生まれた時の姿は何だったのかと思われるぐらいにむちむちと。

良く泣き、良くお乳を飲み、良くぶりぶりとう○こをするショウ君。

一体どんな子供に成長するのか。

楽しみでありながら、心配も尽きないのだろう。


とにかく、無事元気に生まれてきてくれてありがとう、ショウ君。

そして、ショウ君を生んでくれた妻に。

ありがとう。


これから、ショウ君を含めた3人の生活が繰り広げられるのであった。

(23:41)

2011年12月02日

チロリン。

それは、うちの側でたまに見かける謎の白い犬。

これは、そのチロリンの日々の日記。


○月×日

チロリンが道ばたに立っていた。

どこか遠くを眺めながら。

いかにもチロリンらしい立ち方だった。

その日からチロリンの立ち姿を

『チロリン立ち』

と名付ける事にした。


○月△日

自転車に乗ったおじさんが自転車を止めてどこかを見ていた。

視線の先にはチロリンがいた。

おじさんがチロリンの方を見ながら

「ちっちっち」

と口から音を出していた。

不思議そうにおじさんを見るチロリン。

少しして視線を外すチロリン。

あんなに気まずそうなチロリンの表情を見たのは初めてだった。


□月☆日

道ばたの用水路と壁の間にある狭い草むらに

チロリンがチロリン立ちをしていた。

草むらに立っているチロリンを初めて見た。

何か、野生だった。


□月$日

家の側の一軒家の庭にチロリンがチロリン立ちをしていた。

実は飼い犬らしい。

そういえば、首輪をしていた。



□月▽日

前にチロリンとのコミュニケーションを図ろうとしていた

自転車に乗ったおじさんがチロリンの家らしき一軒家を

「ちっちっち」

と口から音を発しながら通り過ぎて行った。

どうやら、チロリンを呼び出していたらしい。

でも、チロリンらしき犬の姿は見当たらなかった。


◇月♯日

ゴミ捨て場のゴミが荒らされていた。

直ぐ側にチロリンがいた。

口に白い何かをくわえていた。

たまにゴミが荒らされている光景を見かけていたが

犯人はチロリンのようだった。

白い何かをくわえたチロリンは

住処であろう一軒家へと、とことこと向かって行った。

その後ろ姿は

今までに見た事の無い程自信にあふれた

勇ましい感じの後ろ姿だった。

少し、惚れそうになった。


◇月%日

それは余りにも神々しいチロリン立ちだった。

後ろ姿を見せているチロリンは、ピクリとも動く気配はなかった。

少しずつ俺が近づいて行っても、チロリンは微動だにしなかった。

そして、ついにチロリンの背中に手が届くまで近づいた。

少し躊躇した後、チロリンの背中に手を伸ばした。

びくりっ。

弾け飛ぶようにチロリンは動いた。

いや、「ように」ではなく、弾けとんだ。

さっきまで微動だにしなかった姿が嘘だったかのように。

4本足をわしゃわしゃ動かすも、なかなかその場から動く事ができない。

その動きはまるでアニメのような滑稽さだった。

そして動きを止めた後、恨めしそうにチロリンは俺を見つめてきた。

頭をたれて、恨めしそうな視線で。


ああ、いつものチロリンだ。


そう思いながら、会社に向かう為にチロリンから遠ざかって行った。


(00:22)

2011年11月29日


日曜日。

妻が趣味で行っているバドミントンの試合があったので見に行った。

女性だけの大会と言う事もあり、体育館の中に入ると男は俺を含め2,3人しかいなかった。

何となく居心地が悪く、そわそわしてしまった。

体育館の2階にいた妻を見つけ出し、所属しているチームの人達と挨拶をした。

後に妻が語った所によると、優しそうな旦那さんやね、皆から言われたそうだ。

「『かっこよくて』優しそうな旦那」と言われたんやろ。

と妻に言った。

『優しそうな旦那』とだけ言われたと強調された。

照れて正直に言えないだけなのだなと言う事で納得する事にした。


試合までまだ時間がありそうだったので、ひとり体育館の外に出てぶらぶらする事にした。

外のグラウンドにはお年寄りしかいなかった。

男の老人がひとりグラウンドで後ろ向きに一生懸命歩いていた。

ムーンウォークの練習をしていたに違いない。

おそらく1年後その老人は、なんちゃらジャクソンの再来として世界を震撼させていることだろう。


試合になったら連絡をするように妻に伝えていたのだが、一向に連絡が入らなかった。

これは連絡を忘れてしまっているか連絡をする暇もなかったに違いないと思い体育館に戻ると案の定妻の試合は始まっていた。

試合内容は押されてた。

相手の大きな掛け声にも呑まれているような感じだった。

見ている俺も相手の声にビビッていた。

おそらく相手の人達は、技術的な練習とは別で発生練習も行っているに違いない。

なかなかの気合の入ったペアだ。

残念ながら妻のペアは敗れた。


次の試合まで時間がありそうだったので、また体育館の外に出た。

こんな事もあろうかと暇つぶし用に文庫本を持ってきていたので、ベンチで本を読む事にした。

ベンチに座り文庫本を開き本を読んでいると、ハエが1匹飛んできた。

左側の隅にとまると、2本の前足をごにょごにょしだした。

本を読んでいて少し飽きるとハエを眺め、眺めるのを飽きるとまた本を読む。

そんなことを繰り返していた。

ふと、ハエと反対方向の右側を向くと、モンキチョウがひらひらと飛んでいた。

きれいやなあ。

そんな事を思いながら左側のベンチの隅を見ると、相変わらずハエが前足をごにょごにょしていた。


更にしばらく本を読んでいると、左側にいたハエが飛び立ち、右側のベンチに移動した。

移動した後、今度は前足ではなく後ろ足をごにょごにょさせだした。

そんな姿をしばらくぼーっと眺めていた。


そろそろ戻るかあ。


そう思った俺はベンチを立った。

すると右側にいたハエは飛び立ち、俺が座っていたベンチの背もたれの部分にとまり、前足をごににょごにょしだした。


そうかあ、このベンチはあのハエの家なのか。


そう思いながら俺は妻の姿を見に体育館へと向かった。





(21:53)

2011年11月25日

会社にて。

机に座りPCで仕事をしていると、耳にいきなり息を吹きかけられた。


まさか、可愛らしいおなごが俺にアプローチを!

いやいや、今は仕事中だし、俺には妻がいる。

そんな事ではなびいたりせぬ!


などと思いながら横を向くと

そこには顎髭を生やした40過ぎのおっさんが笑って俺を見つめていた。


世の中の世知辛さを知らされた瞬間だった。

(23:36)

2011年11月23日


久しぶりに更新。

11月19日。

妻の友達が滋賀から遊びに来た。

新居浜駅で合流後うどんを食べに行った。

店に入り席に着くと、張り紙があった。

『美味しくなかった場合はお申し付け下さい。お金は頂きません』

と言った内容が書かれていた。

全部食べた後、美味くなかったとお申し付けしてはどうかと妻に提案した。

却下された。

少し食べてから言うならともかく、全部食べといて言うのはありえんやろうと妻友から追い討ちをかけられた。


食べ終えた後、妻がアンケート用紙に記入をしていた。

『本音で一言』と言う項目があった。

メニューを頼むとき、カキフライ単品を頼もうとしたが、値段が分からず店員が少しもたもたしていた。

それを書こうかと妻は言ったが、少し考えやはりやめると言った。

書け書けと俺は言った。

じゃあ、自分で書いたらと言われた。

仕方なく自分で書いた。

『カキフライの値段をちゃんと覚えて下さい』


店を出る時に、割引券を渡された。

使わない事を分かりつつも、妻友に割引券を手渡そうとした。

いや、使えんし。

と案の定返された。


砂金採りをしにマイントピア別子に行った。

採り方のビデオを見ながらもたもたしていると、知らないおじさんが話しかけてきた。

ザル貸してみ。

教えたるから。

と言われたので、ザルを貸した。

するとおじさんはダイナミックにザルをまわし、あっという間に金を見つけ出した。

ええか。

金は重いから、下に溜まるんじゃ。

じゃけん、下の方から砂をすくってザルでかき混ぜていったら自然に下に底に溜まっていくんじゃ。

分かったか。

と言った感じで言われた。

(注)実際のおじさんの言葉はもっと丁寧であった。

ちなみに金は、直径2,3mmの卵型の板、と言うより箔に近いものであった。


制限時間30分間、3人とも黙々と金の採取に励む。

結局俺は4枚ぐらい採取する。

一番多いかなと思っていたら、妻が7,8枚採っていた。

恐るべし妻である。


終わった後歩こうとすると、かなり足が痛かった。

同じ姿勢でずっといたせいである。

制限時間うんぬん以前に、採取は30分が限度だと知る。


一旦マイントピア別子を後にし、別子銅山記念館に行く。

その後直ぐ裏手にあるえんとつ山に登る。

えんとつ山とは、その名の通り山の上にえんとつがある山である。

元々山の麓に精錬所があり、山の上に煙突を設けていたのだが、そのえんつとつだけが残ってしまったのである。

昔からあるので特に気にはしていなかったが、客観的に見ると煙突だけが山の頂上にあるのは何ともシュールだ。


さて、そんな山の頂上に行くと、車が1台いた。

3人とも驚く。

山頂までの道は歩くには比較的快適ではあるが、車が通れるとなるとまた別である。

一体どうやって登ったのかと不思議に思うがあるのだから仕方がない。

車の側にはおじさんが一人おり、えんとつの土台の部分で何か作業をしていた。

しばらくすると側にあった機械が動き出した。

すると、機械からはしゃぼん玉が大量に放出されだした。

余りの予想外の光景に3人とも驚く。

それはとても幻想的な光景だった。

おじさんに聞いたところ、その日はえんとつの麓で演奏会を行うと言うイベントがあり、その一環としてしゃぼん玉を飛ばすと言う事だった。

大量のしゃぼん玉越しに麓に広がる新居浜の風景は格別だった。

そんな景色を眺めたり、山頂に登る時に登り口で持っていた杖(と言ってもただの木の枝)でしゃぼん玉をつついたりしてしばらく遊んでいた。

予想外の楽しい出来事だった。


えんとつ山を後にし、再びマイントピア別子に戻り、温泉に入った。

風呂に入ると、露天風呂でおじさんが壁に向かって立ち、ゆらーりゆらりと全裸のまま何か不思議な動きをしていた。

余りの動きに、こちらも全裸でベンチに座り遠め目しばらく凝視してしまう


1時間半程風呂に浸かった後、車に乗り俺の実家に行った。

その日はうちに妻と妻友が泊まり、俺は実家に泊まる予定だった。

うちで俺が真ん中で、3人川の字で寝るのはいかがでしょう?

と妻に提案したところ、却下された。

次回は是非に、と密かに心に誓う。


さて、家に帰りご飯を食べくつろいだ後勝手口をあけると野良猫たちが集まって来た。

よく見ると、みんなころころとよく太っている。

夏はかなり痩せてたのに。

どうやら冬モードに入っているようだ。

野良猫たちとしばし戯れた後、うちのトト猫を抱く。

軽い。

野良猫たちより軽いとはどういうこっちゃ。

とトト猫を見つめながら心の中で言う。

するとトト猫は嫌そうな表情をし、俺から顔をそらした。


仕方が無いので、部屋で不貞寝した。





(22:55)

2011年10月17日


ある日の朝。

家を出て歩いて会社に向かっていると

チロリンがいた。

チロリンとは

真っ白い中型犬の

おそらく、野良犬である。

名前は妻が勝手につけた。

朝出勤していると

たまにとぼとぼと歩いている姿を

見かける。

そんなチロリンが

立ったまま

どこかを眺めていた。

よく見るとチロリンの側に

何か四角いものが

ぽつんと1つ置かれていた。

おそらくその四角い何かは

1枚の食パンだったのだと思う。

更によく見ると

その四角い何かから少し離れた所に

一匹のカラスが立っていた。

するとカラスは

ひょいひょい

と四角い何かに近づき

ぱくっ

とそれを咥え

直ぐにばさばさと

大きな羽を広げ

飛んでいってしまった。

四角い何かを咥えたまま

頭上を飛んでいくカラスを

しばらく眺めた後

チロリンの方に視線を戻した。

するとチロリンは

え、なになに?

と言った感じで

きょろきょろと

辺りを見回していた。


チロリン。

明日があるさ。


チロリンの姿を横目に見つつ

そんな事を心の中で考えながら

俺は会社に向かって歩いて行った。


(22:25)

2011年09月25日


ピクニックに行った。

妻の作った弁当を持って

近くの公園に。


最初に公園にある池を一周した。

公園をまともに廻るのは何年ぶりだろう。

池では白鳥が優雅に浮かんでいた。

亀が気楽そうにプカプカ泳いでいた。

鯉が餌くれと近寄って来た。


一周した後

池沿いのベンチに座って弁当を食べた。

野良猫が寄って来た。

三毛と真っ黒の雌猫が2匹。

割と毛並みは綺麗だった。

結構餌を貰っているのだろう。

少しおかずをやった。

むしゃむしゃ食べた。

黒猫の方はとても人懐っこく

妻の側にしゃがみ込んでいた。

しばらくして、グレーと白の雄猫がきた。

頭がでかかった。

おかずをやった。

食べなかった。

抱きかかえて写真を撮った。

俺と妻が1枚ずつ。

どちらもちゃんとカメラ目線だった。

笑ってしまった。


弁当を食べ終え、山の上の展望台に登った。

展望台で座ってお菓子を食べた。

来る前に買った駄菓子。

一人200円までと決めて買った駄菓子。

100円を握りしめ

毎週土曜に駄菓子を買いに行っていたのを思いだした。

展望台からは市内の景色が見渡せた。

ミニカーのような車が走っていた。

老夫婦らしい2人が歩いていた。

勤めている会社の工場が見えた。

瀬戸内海に浮かぶ島が見えた。

運動会の音楽が色んな場所から流れてきた。

今日は市内の小学校が一斉に運動会だった。

そんな景色を眺めながら

音を聞きながら

風を感じながら

妻と二人でまったりとしていた。


展望台からおり、再び池の側に行った。

水に浮かべた板の上に餌が置かれていた。

その餌を白鳥が食べていた。

白鳥は首を伸ばし

板の上の餌をついばみ

嘴を水につけ

ふるふると嘴を左右に振った。

そして、落ちた餌を周りの鯉たちが大きな口を開け食べていた。

意図的にそうしているのかどうかは分からないが

まるで、白鳥が鯉に餌をやっているような光景だった。

そんな隣で

亀も必死で水面から首を伸ばし

板の上の餌をついばんでいた。

そんな光景をしばらく眺めた後

公園を後にした。


とても穏やかで

喉かな一日だった。

(22:12)

2011年09月22日


なぜだ。

なぜ今、俺が走っている自転車の隣で見知らぬ犬が並走しているのだ?

犬よ。

雨が降る中、合羽を着て走っている俺の隣で、なぜそんなに楽しそうに並走しているのだ?

一体俺はこれからどうすれば良いのだ?


話は少し遡る。

その日俺は定時後組合の仕事があった為、自転車で打ち合わせが行われる別工場に向かっていた。

台風が近づき雨が降っていた為、合羽を着て自転車を走らせていた。

しばらく道沿いを走っていると、前の方に青い合羽を着たおじさんが自転車を走らせているのが眼についた。

更に近づくと、足元で白い椅子が並走しているのが分かった。


こんな雨の日にわざわざ散歩をさせなくても。


そう思いながら俺は自転車を走らせていた。

信号が赤になった為、おじさんと犬は横断歩道の前に止まった。

そして、直ぐに俺もおじさんと犬の隣に止まった。

犬は真っ白で、中型犬の子犬と言った感じだった。

信号が変るのを待っていると、その犬が俺の足にじゃれついてきた。

えらく人懐っこい犬だなと思いながら、俺は犬の頭をなでてやった。

すると犬は嬉しそうにしばらく俺の足にじゃれついてきた。

そしてじゃれるのも飽きたのか、再びおじさんの足元に行き、おじさんの足にじゃれついていた。

信号が変った。

おじさんよりも先に自転車をこぎ出した俺は、再び目的地へと向かって自転車を走らせた。


100m程自転車で走った時の事だった。

はて?

何かがおかしい。

違和感を感じた俺は、自転車走らせながらふと左側を見た。

そこにはさっきじゃれついていた犬が嬉しそうに俺の自転車と並走していた。


いやいやいや。

ちょっと、待て。

お前が並走する相手は、俺ではない!


そう思った俺は自転車を止めた。

犬も走るのをやめた。

俺から離れようとしない。


どうしよう...。


そう思っていると、立ち止まっていた俺の隣を、さっきのおじさんがスーっと通り過ぎていった。


犬,お前が行くのは向こうだ!


心の中でそう思いながら俺は、おじさんの方を指差した。

すると犬はおじさんの方を見る事もなく、はっはっ、と舌を出しながら俺を見つめていた。

どうやら、あのおじさんは犬の主人ではなかったのだろう。

どこかで俺の時と同じように引っ付いてきたのではないか。


どうしよう...。


悩みながらも、打ち合わせの時間も迫っていることから再び自転車を漕ぎ始めた。

すると、犬はぴったりと俺の自転車に並走してついてきた。

会社を終え、帰宅している人たちが逆方向に次々と通り過ぎて行く。

通り過ぎる人々は思うだろう。


彼は、なぜこんな天気の中、犬と並走して走っているのだ?

台風の近づく中、犬と自転車で並走して走らなくても良いのでは?


その疑問に対して、俺は言いたい。


俺にもそれは分からない。

誰か俺に教えて欲しい。


このまま進み、工場に入る時に、守衛の人たちに何て言えばよいのだろうか?


自転車で走っていると犬がついてきてしまいました。

どうすればよいでしょうか?


そう言ったとして、守衛の人たちはどう答えるのだろう?

どう対応してくれるのだろう?

俺は、敷地内に入れるのだろうか?

相変わらず、犬は横で並走していた。


犬、君は一体俺に何を求めているのだ?

人、私はただあなたと走りたいのです。

犬、その気持ちは嬉しいが、俺にはやらなければならない事がある。

人、しかし、私は走る。


そんな会話を脳内で行った後、ふと隣を見た。

犬はいなかった。

後ろを振り向いたが犬の姿は見えなかった。

新しい主人を見つけ、そっちに付いていったのだろうか。

ほっとしつつも、少し寂しい気分になった。

その後目的の工場に着いた俺は、無事犬を連れる事無く正門をくぐる事ができた。


その時の経緯を帰って妻に語った。

妻は言った。


ビーフジャーキーの臭いでもしたんじゃないん?


その言葉を聞いた俺は、自分の腕の臭いを嗅いでみた。

ビーフジャーキーの臭いはしなかった。

腕を舐めてみた。

ビーフジャーキーの味はしなかった。


どうやら俺は、ビーフジャーキーではないようだった。

(23:48)