こんにちは。
エスエス会計スタッフのNakamuraです。A103_084

今回のブログは、土地や建物を売った場合の譲渡所得に関するお話です。
特例をうまく利用することによって、税金が安くなったり、場合によっては税金がゼロになることもあります。

税金は知らないと損をしてしまう場合もあります。
「そういえば去年、家を売ったな(買換えたな)」という方は、利用できる特例がないか、ぜひ検討してみて下さい。

それでは、平成22年中にマイホームを買換えたAさんと一緒に見てみましょう。

<土地や建物を売った場合の譲渡所得>

Aさん 「家が手狭になってきたから、家を買い換えたけど税金はどうなるのかな?」


マイホームを売って得た利益は、譲渡所得となります。譲渡所得(計算)
譲渡所得は、売った金額から土地や建物の購入代金など(取得費)、仲介手数料など土地や建物を売るために直接かかった費用(譲渡費用)を引いて計算します。


土地や建物の所有期間によって、次のように長期譲渡所得短期譲渡所得に分けられます。
また、長期譲渡所得と短期譲渡所得では、所得税・住民税の税率も違ってきますので、よく確認しましょう。
譲渡所得譲渡所得(短期・長期)
<上の図はクリックすると拡大します>

<居住用の家や敷地を売った場合の特例>


Aさん
「そんなに税金を取られるのか。もっと税金が安くなる方法はないのかな。」


マイホームを売った場合には、一定の要件を満たすことにより受けられる特例があります。

(1)居住用財産を売却した場合の3,000万円の特別控除の特例
居住用の家や敷地(居住用財産)を売った場合、譲渡所得②3,000万円の特別控除を受けることができます。
この特例を適用すれば、最高3,000万円を特別控除することができます。
つまり、譲渡益が3,000万円以内なら課税される所得金額はゼロとなり、所得税がかかりません。
※この特例を適用するには一定の要件があります。要件等、詳しくはタックスアンサーでご確認下さい。

【3,000万円の特別控除の特例のPoint】
●自分が住んでいた家を売った又は家とともに敷地を売った場合に適用できます。
 *投資用のマンションや事務所を売った場合はNG
●売った相手が夫婦や親子の場合には、適用できません。
●この特例は3年に1回だけ適用できます。
●3,000万円の特別控除をした結果、譲渡所得がゼロとなった場合も確定申告は必要です。
●居住用財産の所有期間による制限はありません。

ところで、Aさんが売った物件は、いつ購入したものですか?

Aさん 「平成11年8月1日に購入した物件を売りました。」

それなら、他にも受けられる特例があります。

(2)所有期間が10年超の居住用財産を売却した場合の軽減税率の特例
Aさんのように所有期間が10年を超える(*1)居住用財産を売った場合、3,000万円譲渡所得③
の特別控除に加えて軽減税率の特例を受けることができます。
この特例を適用すると、6,000万円以下の部分の所得税率が15%から10%に軽減されます。

(*1)平成22年に売った場合は、平成11年12月31日以前に取得した場合に適用されます。

※この特例を適用するには一定の要件があります。要件等、詳しくはタックスアンサーでご確認下さい。

【軽減税率の特例のPoint】
●自分が住んでいた家を売った又は家とともに敷地を売った場合に適用できます。
 *投資用のマンションや事務所を売った場合はNG
●売った年の1月1日において家や敷地の所有期間が10年を超えている場合に適用できます。
●売った相手が夫婦や親子の場合には、適用できません。
●この特例は3年に1回だけ適用できます。

(3)特定の居住用財産を売却した場合の買換えの特例
Aさんの場合、マイホームを買換えていますので、特定の居住用財産の買換えの特例を受けることもできます。
ただし、この特例を適用した場合には、(1)3,000万円特別控除の特例や(2)軽減税率の特例を受けることはできません。

この特例を適用すると・・・
 a)売った金額より、買換えた金額が多い場合・・・課税が将来に繰り延べられます。
 b)売った金額より、買換えた金額が少ない場合・・・売った金額と買換えた金額の差額を収入金額として譲渡所得を計算
  
※この特例を適用するには一定の要件があります。要件等、詳しくはタックスアンサー(a)の場合 b)の場合)でご確認下さい。

<居住用の家や敷地を売って損が出た場合の特例>


Aさん
「そういえば、うちは損だったな。そうすると特例は関係ないのか。」

いいえ、そうとは限りません。
損失が出た場合にも受けられる特例があります。
所有期間が5年を超える居住用財産を売った場合に受けられる特例がありますので、Aさんも特例を受けられる可能性があります。

Aさん 「どんな特例が受けられるんですか?」

居住用財産を売った損失を給与所得や事業所得などの他の所得から控除することができます。
さらに他の所得から控除しきれなかった場合は、翌年以後3年間繰り越すことにより、他の所得から控除することができます。

(4)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
住宅を買換えたとき、居住用財産の売却に係る損失の金額を一定の要件のもとに他の所得から控除することができます。また、他の所得から控除しきれなかった場合は、翌年以後3年間繰り越すことができます。

 ※要件等の詳細は、タックスアンサーでご確認下さい。

(5)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
住宅を売っても住宅ローンが返済しきれない場合、譲渡損失のうち、住宅ローン残高-売却価額を限度とし、一定の要件のもとに他の所得から控除することができます。

 ※要件等の詳細は、タックスアンサーでご確認下さい。

<注意点等>

Aさん
「ところで、特例を受けるうえで何か注意することはありますか?」


まず、(1)から(5)の特例を受けるためには、確定申告が必要です。

Aさん 「なるほど。確定申告をしなければいけないのですね。」

(1)から(3)の特例を受けると、住宅取得控除を受けられなくなります譲渡所得④
確定申告をする前に、どちらを利用するかよく検討しましょう。
また、特例の要件に該当するかどうかよくご確認下さい。

Aさん 「難しくてよく分からないな。」

そのような場合には、ぜひエスエス会計までご相談下さい。
しっかり確認。しっかり確定申告。

※このブログで取り上げた特例は、一部です。その他の特例については、国税庁のホームページ等でご確認下さい。

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さて、1月から2月のエスエス会計ブログは、【確定申告特集】です。確定申告に便利な情報をエスエス会計ならではの切り口でご紹介して行きます。ご期待ください。

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>>>次回のブログは「年末調整と確定申告の関係」です。年末調整と確定申告、ごっちゃになっている方いませんか?同じ部分、違う部分を解説していきます。お楽しみに!!

※このブログは内容をわかりやすくするために、平易な表現にしております。各規定の適用には厳密な要件がありますので、ご自分でご確認の上、実務にご利用ください。