こんにちは。エスエス会計スタッフSawadaです。

大震災が発生してから、早いもので4ヶ月が経過しようとしています。エスエス会計のある東京では、いろいろな部分で日常が戻って来ていますが、被災地や避難先でまだまだ辛い思いをされている方が多くいらっしゃることもあり、できることは積極的に行っていこう、という気持ちは熱く持ち続けたいと思っております。

エスエス会計のお客様にも、地震により設備が壊れたり、売上げに影響があったり、少しずつ震災の影響が数字にあらわれて来ています。また、壊れた設備や建物を修繕し、損害保険の支払が起きたりするなど、災害後特有の取引きに関するご相談も増えて参りました。

直接の被災地ではない首都圏では、むしろこれから災害にまつわる取引が増えてくるのかな、という実感があります。

さて、今日のブログでは、そういうエスエス会計のお客様からの質問が多かったものを中心に、震災に関する費用が生じた場合に、どのような手続きが必要か、また、どのような取り扱いになるかを具体的な事例形式でお伝えしたいと思います。


Q1 同業者団体を通じて義援金を送りました。直接自治体などの団体に払ったものでないのですが、指定寄付金として寄付金控除の対象になりますか?

A1 寄付金控除の対象になります。

その同業者団体が集めた義援金を国または地方公共団体に送金することが確実である必要があります。決算に際しては、同業者団体からの寄付に関する募集要項と、同業者団体に送金したことを証明する書類を保存しておいてください。

Q2 会社から10万円の義援金を支出し、経営者のポケットマネーからも同額を支出し、合計20万円を会社からの義援金として、同業者団体の義援金募集に対して支払いました。20万円全額を会社の寄付金として取り扱うことができますか?

A2 会社の寄付金として取り扱うことができるのは、会社から支出した10万円のみです。

経営者がポケットマネーから支出した10万円は、経営者自身の確定申告で、所得税の寄付金控除の対象となります。平成24年3月15日までに確定申告を行い、還付を受けることができますので、同業者団体から領収書を会社と経営者、別々に分けて発行してもらいましょう。

ひまわり


Q3 被災地に近い店舗の従業員が被災しました。被災した従業員に一人5万円の見舞金を渡しました。福利厚生費として費用計上した場合、損金として認められますか?また、従業員の給与にはしなくても大丈夫でしょうか。

A3 福利厚生費として認められますし、給与として取り扱う必要はありません。

被災した従業員に公平に見舞金を渡した場合、福利厚生費として経費計上することができます。
「公平に」というのはとてもあいまいな表現になりますが、たとえば弔慶規定などに定められている基準を準用するなど、合理的な基準で見舞金の額を定めてある必要があります。

今回の災害で新しく災害見舞金規定を作成した場合でも、合理的な基準であると認められますので、これを機会に作成しておくと良いでしょう。

また、下請け先や退職者に対しても、従業員と同じ基準で支給する見舞金であれば福利厚生費とすることができますので、交際費に計上してしまった場合は、是非修正しておいてください。

交際費は、中小企業の場合、計上金額の一部が税務上の損金になりませんが、福利厚生費なら全額を損金としてすることができ、節税にもなります。

Q4 地震により、自社の建物の外壁にヒビが入りました。保険会社に見積もってもらったところ、保険金がおりるようです。保険金や修繕費については、どのような取り扱いになりますか?

A4 地震により固定資産や棚卸資産に損害が生じた場合は、損害金額を経費とすることで、法人税法上も損金として扱うことができます。

従って、ヒビによって建物の価値が帳簿価格よりも低くなってしまう場合は、その分の損失を特別損失として経理処理することができます。

また、そのヒビを修理する為に係った工事代金は、その工事が原状回復の為のものであれば、全額を費用として計上することが可能です。

また、保険金と、保険金が下りる修繕にかかった費用や資産の損害は、保険収入と相殺してP/Lに表示することになります

保険金がおりた場合は、会社の収益となります。おりた保険金を使って修理などの工事をする、という順序で手続きができれば仕訳もスムーズに作成できますが、破損箇所の修理は会社の経営上、また、建物であれば安全の面からも一刻も待てない、というのが実情ではないでしょうか。

そうなった場合に、修繕と保険金の確定が同じ決算期にできない場合、修繕は当期、保険金の確定は来期、ということで、当期は大幅な損失、来期は大幅な利益となってしまいます。つまり、修繕→保険金という一連の取引に関する損益を適正に決算に反映することができなくなります。

ですから、事例の様に保険金がおりる事故の場合、注意が必要です。保険金がおりる前の期の損失が不当に大きくならないように、「保険未決算」勘定を使い、処理をすることになりますので、注意しましょう。

※「保険未決算」勘定・・・将来入金されるであろう保険金額相当をB/Sに計上する為の仮勘定。保険金の「未収金」というイメージでとらえると、わかりやすい。

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いかがでしょうか。ご紹介した事例のほかに、災害による損失の繰越しなど、税務上の優遇措置がいろいろと設けられておりますが、中小企業の皆様が「今」気になる取引として、4つの事例をご紹介しました。

震災後の厳しい経済情勢の中ですが、読者の皆様の会社が少しでも元気に経営を続けて行ける様、エスエス会計では情報発信をして行きたいと思います。これからもエスエス会計のブログをお楽しみに!

参考サイト:国税庁HP