24日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。欧州市場ではドイツ銀行(NY市場でのティッカーは<DB>、以下同) の優先債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が上昇したことをきっかけに、金融システム不安が高まった。売り先行で始まった米国市場は、NYダウが一時300ドルほど下落する場面が見られた。その後、セントルイス地区連銀のブラード総裁が金融ストレス抑制に前向きな見方を示したことを受けて、過度な警戒が和らぎ、景気敏感株を中心に買い戻されて上昇に転じた。また、米長期金利の低下を受けて、マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>など大型テック株の一角が買われた。S&P500業種別指数は公益事業、不動産、家庭用品・パーソナル用品が上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、消費者サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比65円安の2 万7115円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の2万7190円で始まり、直後に付けた2万7230円を高値に軟化し下げに転じると、一時2万6850円まで売られた。米国市場の取引開始後は2万6900円◆2万7050円辺りで底堅い値動きを継続。終盤にかけて買い戻され、2万7130円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢となりそうだ。ナイトセッションで支持線となる75日、200日移動平均線を下回る場面もあったが、その後の切り返しにより、引き続き両線が支持線として意識されることになろう。また、売り一巡後は2万7000円水準での底堅さも見られているため、2万7000円を下回る場面では押し目狙いのスタンスに向かわせよう。

 欧州市場ではドイツ銀行に加え、クレディ・スイス・グループ<CS>や買収を発表したUBSグループ<UBS>のほか、コメルツ銀行、ソシエテ・ジェネラルなど銀行株が軒並み売られた。金融システム不安が警戒されるなかではリバウンド基調は強まりづらい。一方で、イエレン米財務長官は金融安定監視評議会(FSOC)の緊急会合を開催し、「一部銀行はストレス下にあるが、全般的な金融システムは依然として健全」と表明したと報じられている。下へのバイハスも強まりづらく、下値の堅さが意識されるなかでは、ショートカバーを誘う動きはありそうだ。

 そのため75日、200日線が支持線として機能し、25日線とのレンジ推移が意識されやすく、オプション権利行使価格の2万6875円◆2万7375円での推移を想定。ただし、権利行使価格の2万7125円処で底堅さがみられるようだと、25日線突破から2万7500円を目先的なターゲットとしたロングが強まりやすいとみておきたい。

 VIX指数は21.74に低下した。一時25.00を上回る場面も見られたが、連日で上ヒゲを残す形状を見せているため、ショートを仕掛けづらくさせよう。なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.03倍だった。3月14日に一時14.09倍まで上昇し、その後は低下を見せていたが、75日線を支持線に切り返している。200日線が位置する14.12倍辺りをターゲットとしたNTロングによるスプレッド狙いに向かわせやすい。



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