1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:43:51.53 ID:grDN6JG70

月火「ムリムリムリカタツムリだよ!!」

暦「む、無理なワケねーだろ! 皆やってることだ。世間一般ピープル共に出来て僕に出来ない筈はないだろ。働いてその対価にお金をたまわる。げに美しき等価交換」

火憐「じゃあさぁ兄ちゃん。こういうバイトはどうだ? 私達金払う。兄ちゃん私達の言うこと聞く。ギブアンドテイク」

暦「時給はいくらだ?」

火憐「残念ながら月給だ」

暦「お、おい……その月給ってもしや」

火憐「月給は一万円だ」

暦「お前らの小遣いじゃねぇか!! 自分で使いなさい!」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:52:44.54 ID:grDN6JG70

火憐「それ以上は現物支給か、身体で払うことになるな」

暦「それ以上ってなんだよ。月給制でなんでそれ以上が出てくるんだよ。残業あんのかよ?」

火憐「? 兄ちゃん今値段を釣り上げようとしてんじゃねーのか?」

暦「してねーーよ! お前らの小遣いはお前らで使いなさいって言ってんだよ! 親から貰った大切なお金をなんで全部僕に貢ぐことになっちゃうんだよ!」

火憐「貢ぐんじゃねーよ。給料だっつの。働きに応じて払われる正当な対価だ」

暦「その対価で僕に何をしろというんだ」

火憐「……え? 何も?」

暦「は? 何も? 何もしなくていいのか?」

火憐「んーまぁそうだな。強いて言えばずっと家にいてくれれば御の字」

暦「つ、つまんねーーーー!!!」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:55:53.88 ID:grDN6JG70

暦「月給一万で引き篭れってか!? 生産性皆無じゃねぇか!!」

火憐「不可能か?」

暦「……まぁ、余裕だが」

火憐「余裕か。さすがあたしの兄ちゃんだ。私だったら一日でも家でジッとなんてしてたら発狂しちまう」

暦「褒められても全然嬉しくねーよ。僕はてっきりファイヤーシスターズの活動を手伝えとでも言われるのかと思った」

火憐「あ、兄ちゃん知らなかったっけ? あたしが高校上がってからはそれぞれ個人活動してんだよ。ファイヤーシスターズは解散してんの。
だから兄ちゃんが二人いるならまだしも、とりあえずは手伝って貰うことはねーな。取り合いになっちまう」

暦「そうなのか? まぁ、学校が変われば都合も変わるか。じゃあ本当に僕は家に引き篭もってテレビでもみていれば一万円貰えるのか?」

火憐「そうだ。悪い仕事じゃないだろう?」

暦「つ、つまんねーーーーー!!!」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:59:19.91 ID:grDN6JG70

火憐「あのなぁ兄ちゃん、アルバイトにやり甲斐や面白味を求めるのは愚か者だぜ。
その辺にすっ転がってる、職歴も問わない、働いたこともないような兄ちゃんを雇う職場。そう言うところはそれこそ猫の手も借りたい場所だってこった」

暦「ぼ、僕は僕のやりたいところに応募するつもりだ!」

火憐「へぇ。そこ、時給はいくらだ? 交通費は出るのか? 駅から近いか? 車で行くなら兄ちゃん、駐車料金はいくらだ?」

暦「……………」

火憐「本当にやり甲斐があって、面白い仕事ってのは努力して手に入れるものなんだ。兄ちゃんはその努力の途中なんだろ? 変なとこに金目当てで働くくらいなら、今だけは両親に甘えまくって出来る限りで遊ぶのが一番だろ?」

暦「……………」

火憐「だから素直に私らに買われちゃいなって」

月火「ちょっと待って、なんで私も払うみたいになってるわけ?」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:01:41.84 ID:POzzZegH0

火憐「兄ちゃん、月火ちゃんは払わないそうなんで、半額の五千円、プラスαは私の身体ということになりそうなんだが、それで構わねーよな?」

暦「構うも構わんもまだオッケーすらしてねーよ」

火憐「いやー、悪い条件ではないと思うぜ? 寧ろ満額よりもお得かもしんねー。兄ちゃんは妹の身体っつったら取り敢えず性的な奉仕が浮かぶかもしんねーが」

暦「浮かんでねーーーよ!! まずそれが浮かぶのは神原かお前くらいのもんだ!!」

火憐「いや、普通浮かぶだろ。まぁそこは嘘でも浮かばないと言うのが常識的っつーのはわかるけどな」

暦「うるさーよ。とにかく、僕はそんなことおぇっ、全くメリットと思えないから。そう言うことだから!」

火憐「わかってる、わかってるんだ。まず取り敢えず聞け、兄ちゃん」

暦「わかってるなら始めから言うな。ややこしい」

火憐「まーまー。それでな、私の身体を手に入れるってことは別に性的に使わないでもだ、もっと短絡的に考えると、それってつまり、安価な労働力を手に入れたってことになんねーか?」

暦「は? ばかじゃねぇのお前」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:04:47.09 ID:anpHwJIF0

暦「働こうとしていたつもりが、何時の間にか妹を労働力として、働かせようとしていた……」

火憐「あれ? ポルナレフがJ.ガイルの旦那にぶっ殺されたのは妹だったっけか?」

暦「んーーーーー忘れた」

火憐「兎に角、兄ちゃんはぼろ儲けなんだから、受けとけ受けとけー」

暦「い、一応聞くけど、お前の高校はバイトOKなんだよな?」

火憐「いんや。でも皆フツーにしてっし。それに学校側もいかがわしいアルバイトでもなけりゃ黙認って感じだな」

暦「え、だめじゃんそれ。お前の学校にしなこ先生でもいなきゃ停学免れるねーじゃん」

火憐「大丈夫だよー。バレねーって!」

暦「いや、兄として妹の校則違反は見逃せん。髪型とか服装とかにとやかく言うつもりはないが。さすがに停退学が関わる校則違反には口出しせざるを得ないな」

火憐「えーー? じゃあやっぱり性的なご奉仕~? 私得意じゃねーんだけどなぁ」

暦「それ如何わしいアルバイトに抵触すんだろーがこの馬鹿野郎!」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:06:24.67 ID:anpHwJIF0

暦「そもそも妹のヒモなんかになったら戦場ヶ原に八つ裂きにされる。ヒモ。そうだ、これヒモじゃん! どう考えてもヒモだこれェ!! 仕事でもなんでもねーじゃん!」

火憐「別に私は兄ちゃんの身体を性的に求めちゃいねーから、ヒモとはちぃとばかし違うんじゃねーの?」

暦「いや、どう考えてもヒモだ。僕はただ家にいてお前とおしゃべりする。火憐ちゃんその時点で五千円払うことが確定する。この時点でデート援交並の如何わしさだろ?」

火憐「如何わしくねーよ。ただ喋るだけじゃん」

暦「給金が発生する時点でどこか胡散臭いんだよ。そんでもう半月僕は引き篭ってれば、今度は火憐ちゃんに労働の義務が発生するんだろ? そんでその給金は僕が取れるってわけだよな?」

火憐「当たり前だろ」

暦「ぎゃ、逆に聞くけど、お前はそれでいいのか?」

火憐「おん?」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:08:37.19 ID:anpHwJIF0

火憐「私は別に、兄ちゃんと違ってコミュ障でもねーし、大変な仕事を機械的にこなすのもそれほど苦でもないだろうしな。容量もいい方だと思うし。兄ちゃん、居酒屋のバイトとか出来るか?」

暦「出来るわけねーだろ。僕を何だと思ってんだ!」

火憐「兄ちゃんはキッチンもホールも無理だろうな。私は女だから多分ホールだろうけど、出来ねーことはねーと思うぜ」

暦「そもそもなんで居酒屋なんだよ」

火憐「年がら年中スタッフ募集してっからだよ。それだけ大変で、それだけ実入りがデカイってこったな。だから挙げたんだ」

暦「そんだけ頑張って働いて稼いだ金をどうして全額僕に貢げるわけ?」

火憐「あ、正確には全額じゃねーよ。半額だろ。半月分だからさ」

暦「半額でも信じらんねー」

火憐「兄ちゃんあのな、こう考えるんだ。これはお小遣い制だ」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:12:34.87 ID:anpHwJIF0

火憐「兄ちゃんが私の嫁で、一家の金を管理してんだよ。そんで私がなんか欲しいなー、なんかして貰いたいなーって思ったら兄ちゃんに頼むから、その金から私に払ってくれりゃあいいんだよ」

暦「旦那じゃなくて嫁かよ。それに面倒臭いわ。だったら端から全額お前が取れっての」

火憐「別に私は金に困っちゃいねーんだから、そもそも働く意味がねーんだよ」

暦「僕はお前の行動理念が全く理解できねーーんだが」

火憐「んーーーわかんねーか?」

暦「わかんねーな」

火憐「だから、そんだけ兄ちゃんのことが大好きだってこった。言わせんなよ! このこの!」

暦「えっ、なにそれ重い。正直ドン引きなのだが……」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:14:05.07 ID:anpHwJIF0

火憐「月火ちゃんも兄ちゃんにはいつも家にいて欲しいだろう?」

月火「……ん? え? 私? ごめん聞いてなかった。なんの話?」

火憐「兄ちゃんを家に軟禁するって話だ」

月火「お小遣い全部はたいて?」

火憐「そうだ!」

月火「アルバイトしてそのお金も貢いで?」

火憐「なんだよ、ちゃんと聞いてたんじゃん」

月火「んーーーー……」

暦「軟禁はされねぇよ」

月火「私はパス」

火憐「ほらぁ!! 兄ちゃんが軟禁はヤダとか言うからぁ!!」

暦「ヤダもんだって」

火憐「ヤダモンじゃねぇ!」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:15:37.44 ID:anpHwJIF0

暦「島流しにされた帝みたいな軟禁生活でも嫌だな」

火憐「軟禁とは名ばかりの至れり尽くせり!」

暦「お前らにとっては至れり尽くせりでも、帝にとってそれは屈辱なんだ」

火憐「私にとっては昔の帝より、兄ちゃんの方がえれーよ?」

暦「そらならば尚のこと、不敬だとは思わんか? 火憐ちゃん」

火憐「兄ちゃんを、思っての苦渋の選択なんだ。アルバイトなんかして兄ちゃんが傷付くのを見たくないだけなんだ」

暦「え、そうだったの? そうならそうと始めに言えよ。意味わからなかったよ」

火憐「うん、今思いついた」

暦「え?」

月火「はぁ……。お兄ちゃん、火憐ちゃんの言うことも最もだと思うよ。やっぱりお兄ちゃんにアルバイトは無理だよ」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:17:49.95 ID:anpHwJIF0

暦「全く、月火ちゃん、お前は本当そればっかりだな。やる前からダメだと決めつけるのは良くないだろ」

月火「じゃあ因みに、お兄ちゃんが受けようとしてたアルバイトってなに?」

暦「学生塾の事務だ。如何に僕がコミュ障だろうと、事務なら平気だろう? エクセルもワードもさる人物に教わったから大丈夫だ!」

月火「お兄ちゃん、塾の事務は電話応対もするんだよ? お兄ちゃん、親御さんとお話できるの?」

暦「………なに?」

月火「事務って言ってもうちに持ち帰ってデータ打ち込みするだけってわけじゃないよ。お兄ちゃんにできるの?」

暦「そ、それは………」

月火「ま、いいけどね、私は。でもお兄ちゃん、バックれとか、世間様に迷惑かけるようなことをするようなら、『だからおっしゃいましたのに』って言ってあげるから」

暦「………」

火憐「それ私が言われたいんだけど」

月火「因みに毎食後、日に三回言ってあげるね、お兄ちゃん」

暦「やめて! 執事はノーマンか、ウォルターがいいんだぃ!!」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:19:29.29 ID:anpHwJIF0

月火「お兄ちゃんが仕事バックれて、居間でご飯たべて、食後に私がコーヒー淹れて
あげて、ホッと一息ついた時を見計らって言ってあげるね」

暦「や、やめろよ!」

火憐「そうだぜ月火ちゃん! そんな目に兄ちゃんを合わせるわけにはいかねー!! その為の私だ。兄ちゃんはハゲねー! 私が護るんだ!!」

暦「だからってお前のヒモになる気はねーよ! なるんだったら、羽川のヒモになるわーー!」

火憐「いや、翼さんのヒモこそ不味いだろ……。人生終わるぞ……」

月火「人間として終わるだろうね。もしくは耐えられないんじゃないかな。お兄ちゃんの器では」

暦「羽川だったら人生ダメにされても甘え続ける自信あるんだ!」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:20:48.33 ID:anpHwJIF0

月火「本当に? 羽川さんのヒモはきっついと思うよ?」

暦「なんでだよ。人生の楽園だろ。西田敏行がナレーションだろ」

火憐「楽園に到る前に逃げ出すか、もしくは枯れ果てるだろうぜ」

暦「なんで逃げる必要があるんだよ」

月火「だって全部先回りされちゃうんだよ? お兄ちゃんが虫の居所が悪かったとしても、それを察して気を回されちゃって怒ることもできない。
欲しい時に欲しいことを言ってもらって、どんな理不尽な要求も全部達成されたらきっと自力で生きてる気がしなくなるよ」

火憐「兄ちゃんそのうちメモ帳に羽川翼って書いて、翼さんのケー番添えて八つ折りして飲み込むようになるだろうね。あーー翼さんに妹か弟がいればなぁ」

暦「僕は人に恨みを買ってバラバラにされる心配はねーから! 羽川に悼んでもらわんでも、きっと神原とか千石とかが悼んでくれるからーー!!!」

火憐「兄ちゃんみたいな男をバッドマンと呼ぶ」

暦「被せてくんじゃねぇよ!」

月火「寛容表現ですげーいい男」

暦「ウホッみたいに言うな!」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:22:09.74 ID:anpHwJIF0

暦「わかったわかった。羽川が造物主に選ばれたアダムのイブってことはわかった」

火憐「兄ちゃん肋骨欠けてる?」

暦「欠けてねーよ!!」

火憐「つーと誰だ?」

月火「あ、私かも。トラックのホロにジャッキーした時にぶっ飛んだ気がする」

暦「あんじゃねぇかちゃんと!」

月火「どはっ! ちょ、お兄ちゃん! どこ触る!?」

火憐「そんなことはどーでもいーんだよ!! 兄ちゃん! ふつつか者ですけど、その、よろしく!」

暦「アルバイトもしない! ヒモにもならない! もう勘弁してくれ!!」



おわり


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:31:44.63 ID:anpHwJIF0

神原「オッスオッス阿良々木先輩! アララギって死ぬほど変換するの面倒臭いな! ホトトギス先輩と呼んでもいいか?」

暦「僕は横顔で作者近影撮られる趣味はねぇよ」

神原「バイト辞めたんだってな! 妹さんから聞いたぞ!」

暦「げっ、あいつ余計なことを」

神原「いやいや、賢明な判断だ。バイトなんてするもんじゃないさ。先輩はまだまだ若いんだから、今は勉強こそ第一に考えるべきだ。まぁ興味を持つのもわかるが」

暦「あのな、言っておくけどな、神原、僕はバイトを辞めたわけじゃない、まだやってすらいない。やる前に妹達にやる気をへし折られたんだ」

神原「うはははは。先輩、そんな先輩に身の毛もよだつ体験談でも語ろうじゃないか」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:35:25.00 ID:anpHwJIF0

暦「立ち話もなんだし、そこのカラオケボックスにでも入ろうぜ」

神原「カラオケ!? 先輩はカラオケをする人なのか!?」

暦「色んなことをやってみたい年頃なんだよ。バイトもその一つだ」

神原「カラオケならいくらでもやればいいさ! 傷付く心配がないからな」

暦「皆して僕を社会不適合者みたいに言うよな」

神原「先輩、それは違うぞ、二流の社会性には、阿良々木先輩は大き過ぎるだけなんだ。いいかい、アララギ先輩、世界は誤りで満ち満ちているんだよ」

暦「うるせー。ブギーポップに謝れ」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:41:26.10 ID:anpHwJIF0

神原「しかしあれだな、こんな狭い個室にアララギ先輩と二人きりだなんて、なんだかちょっぴり緊張するな」

暦「そうか? 僕はそもそもカラオケなんて初めてだから、そっちの方がギンギンに緊張しちまうな」

神原「いや、もうカラオケなんていいからもっと密着しよう、お互いの性差を確かめ合おう。アララギ先輩」

暦「僕はフリータイム分は歌う気満々だからそういうおふざけはよしこちゃんだぞ」

神原「ちぇっ、いけずだな、先輩は。その上ドケチだ。一発目でフリー入るカラオケ初心者なんていないぞ」

暦「うるせぇ、このデンモクとやらの使い方を早く教えろバ神原」

神原「あ、じゃあ私が先歌っていいのか?」

暦「ダメだ」

神原「やりたい放題だな!」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:45:02.75 ID:anpHwJIF0

暦「あー歌った」

神原「時間だけが余ったな」

暦「フリー分は歌ったから話をしようぜ。神原」

神原「待ってました! エロい話だな!?」

暦「いや、アルバイトの話だ」

神原「十分エロいぞ」

暦「お前はエロいアルバイトをやっていたのか?」

神原「しかり」

暦「よし、話してみろ」

神原「あ、そんなことより、別の話をしないか?」

暦「やりたい放題だな!」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:57:12.59 ID:anpHwJIF0


逃げ水を踏んだら、それが体に溶けていった


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:06:11.12 ID:anpHwJIF0


暦「えっ、撫子蜉蝣?」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:10:05.02 ID:anpHwJIF0

忍「そうじゃ。あの娘は怪異に取り憑かれておる。蜉蝣の怪異にな」

暦「そ、それは実害はあるのか?」

忍「ん? まぁお前の妹御の例もあるしのぅ、触らぬ怪異に不便なしということもあるか」

暦「で、どうなんだよ。実際は」

忍「うーん、それについては、一つ、主様に問うて欲しい事柄があるのじゃが」



暦「よ、よう千石ちゃん!」

撫子「暦お兄ちゃん! 一週間ぶりだね!」

暦「お、お前さぁ? 生理きた?」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:15:03.41 ID:anpHwJIF0

暦「お、おい忍! 卒倒しちまったじゃねぇか!!」

忍「主様よ、もう少しデリケートな聞き方はなかったのかのぅ?」

暦「そもそも、友達の女の子に生理の有無を尋ねるっことが非常織なんだから仕方ねぇだろ!!」

忍「じゃが重要なことじゃよ。ふむ、仕方ないのぅ……」

暦「ちょ、お前馬鹿! それはやめろって言ったじゃねぇか! それが嫌だから僕は恥を偲んで千石ちゃんに直で聞く方法を……」

忍「くんくん、喜べ、主様。この娘御はまだ生理は来ておらんようじゃ」

暦「せ、戦場ヶ原の匂いすら満足に嗅いでないのに……他の女の子のアソコの匂いを知ってしまった……」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:20:41.95 ID:anpHwJIF0

忍「さて、改めて説明するかの。蜉蝣、この娘御についている怪異じゃ」

暦「カゲロウ。それは虫の蜉蝣か?」

忍「しかり、だがそうでもあり、他の様々の蜉蝣の特性を併せ持つ怪異じゃ。カゲロウという単語に他に心当たりはないか?」

暦「えーっと、夏とかにアスファルトに出来る水たまりみたいな……」

忍「そうじゃな、それもカゲロウ、陽炎じゃな」

暦「そのくらいだぞ。思いつくのは」

忍「じゃあ加えて蜉蝣という字についてじゃ。これはトンボとも読む」

暦「トンボ? トンボって、あのヤゴからトンボになるトンボだよな?」

忍「そのトンボじゃ。ケータイで変換してみよ。どちらも蜉蝣という字が出るはずじゃ」

暦「ほんとだ……」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:25:46.71 ID:anpHwJIF0

忍「そしてもう一つ、カゲロウには重要な要素がある。それは棲み分けじゃ」

暦「えーっと……何と言ったらいいかな。ロリが好きとか、熟女趣味とか」

忍「……本来は、カゲロウが水の清濁によって、生息する種を明確に変えるという事柄を指す。川でカゲロウを調べれば、その水がどの位綺麗かわかるということじゃ」

暦「そ、そんな目でみるな」

忍「怪異のカゲロウの棲み分けは、水の清濁にはあらず、その地域の怪異の数に関係しておる。怪異の多い地域にはカゲロウも多い。カゲロウがいる地域には必ずと言っていいほど、怪異がいる。ということじゃ」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:29:36.28 ID:anpHwJIF0

忍「して主様、虫のカゲロウというたら、一体何を思い浮かべるかのぅ?」

暦「カトンボ」

忍「カトンボと言ったら」

暦「足とかすぐ取れるよな」

忍「他に何か」

暦「そう言えば蟻地獄ってウスバカゲロウっていうよな? あれも仲間なのか?」

忍「あれは殆ど別種じゃ……」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:34:14.34 ID:anpHwJIF0

忍「カゲロウの成長の命は三日とか言われておる。昔から儚いものの象徴といったらカゲロウなんじゃ」

暦「なんかセミみたいだな」

忍「そうじゃ、セミとよく似ておる」

暦「でもセミは幼虫の間に長生きするぜ?」

忍「カゲロウも幼虫でいる期間は、虫としてはそう短いわけでは無い方なんじゃよ」

暦「へぇ!」

忍「この娘御もカゲロウの特性を引き継いでおる。だから生理の有無が重要なんじゃ」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:38:34.52 ID:anpHwJIF0

忍「怪異の多いところにカゲロウも多い。これは、カゲロウが怪異と交尾をして生殖すらからなんじゃ」

暦「それと千石ちゃんの生理となんの関係があるんだよ」

忍「さっきも言ったとおり、この娘御は
カゲロウの特性を持っておる。じゃから、成熟した大人になるまでの期間が異常に長くなるはずじゃ。具体的には90歳くらいまで中学生の容姿じゃろうな」

暦「まじかよ! それで生理も来てないわけだろ?」

忍「そうじゃな」

暦「AV界期待の新星現る……だな」

忍「死ぬほど悔しいがその指摘もかなり的を射ているんじゃ……」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:43:06.70 ID:anpHwJIF0

忍「カゲロウは成熟してから老衰するまでがとても短い。だからその時の後尾で失敗するわけにはいかないんじゃ。けれども、
幼虫のままでは交尾の練習は出来ぬ。だから人に取り憑き、修練するわけじゃ」

暦「おおう……」

忍「まぁ怪異のカゲロウは虫のカゲロウの
性質を持っているが、形は現象の陽炎じゃから、交尾しようにも出来んわけじゃが」

暦「逃げない逃げ水みたいな感じか?」

忍「基本的には普通の陽炎じゃよ? しかし、人に取り憑く時にだけは、主様の言うとおり逃げない逃げ水になる。そして、人がカゲロウを求めた時、逃げ水は追い水にもなる。求めに応えるのが怪異じゃからな」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:50:41.04 ID:anpHwJIF0

暦「千石ちゃんが、カゲロウを求めた?」

忍「かもしれないという話じゃよ。単にたまたま追いついてしまったというだけかも知れぬ。しかし、そう言った例は多い。ずっと若く美しくありたいなんて、男も女も良く考えることじゃろう?
そもそもカゲロウという怪異は普段は普通の逃げ水と区別が出来ないんじゃよ。だからもっぱら人に着いたカゲロウを見て棲み分けを知ることになる」

暦「え? じゃあその辺にいっぱいいんのか?」

忍「ああ。そうじゃよ。あいつもこいつもカゲロウじゃよ」

暦「まじかよ……」

忍「まぁ基本的に害は無いからのぅ、そう殺気立つこともないじゃろう。それに蜻蛉は蜻蛉。もしも成熟した大人に取り憑いてしまったとしても、その性質をカゲロウぇは無く、トンボにしてしまえばそれですんでしまうんじゃよ」

暦「なんだそれ! 簡単じゃねぇか!」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:53:38.32 ID:anpHwJIF0

忍「そう、簡単なんじゃよ。そのくらい曖昧で、弱い怪異なんじゃ。その分色んな姿を持つ面白いやつなんじゃがな」

暦「そ、それはどうやって、トンボにすればいいんだ?」

忍「別に何も。自殺願望でもなければ、勝手にトンボになる」

暦「……なんだよ。僕の恥かき損じゃないか」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:58:24.83 ID:anpHwJIF0

暦「じゃあとっとと千石ちゃんを起こして謝らなきゃ。おい、起きろ、さっきは悪かったな変なこと聞いて」

撫子「ううん……暦お兄ちゃん?」

忍「……主様、カゲロウの最終目的は怪異との生殖じゃ。その対象はもどきとは言え主様も含まれておるんじゃよ」

暦「? そうなのか? で、それがどうしたんだ?」

忍「どうやら、その娘御は主様のことが好きらしい、そして、ぶっちゃけて言うと、
主様と生殖したいみたいじゃ」

暦「………なに!!?」

撫子「ふぇ……?」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:03:13.63 ID:anpHwJIF0

忍「その娘御がトンボのような生よりも、カゲロウのようでも、主様と結ばれる儚さを選んだから、カゲロウは娘御に憑いた。主様、その娘御が成熟するまで、そう長くはなさそうじゃよ」

暦「そ、そんな!? だってさっきは……」

忍「ヤゴのように生き、カゲロウのように死ぬ。そういう成り方も可能じゃということじゃ」

暦「な、なんでっ、なんでそんな!?」











撫子「それだけ、お兄ちゃんのことが好きだからだよ」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:06:08.21 ID:anpHwJIF0

撫子「どうする? お兄ちゃん。撫子はどっちでもいいよ。このままカゲロウの
ように儚く朽ちても、トンボのように永らえても」

暦「なら、トンボにっ」

撫子「でも、お兄ちゃんと一緒でないなら、撫子はトンボになるつもりはない」

暦「お前は、自分が何を言ってるのかわかってるのか!?」

撫子「わかってないのは、お兄ちゃんの
方だよ。私は、これ以上無いくらい、本気」

暦「………」


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:08:35.26 ID:anpHwJIF0

撫子「お兄ちゃん、撫子を殺す? それとも、撫子と生きる?」

暦「………」

撫子「選んで! 暦お兄ちゃん! 撫子はずっとお兄ちゃんのことを」

忍「アホくさ、主様よ、ハッキリ言ったらいいのじゃ。この娘御についてるのは怪異その物じゃ。それをわらわが食えぬわけがなかろう」


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:09:53.29 ID:anpHwJIF0

撫子「そ、そんな!」

忍「とんだ三文芝居じゃったな。ほれ、主様早くハッキリさせてしまえ」

暦「千石ちゃん……僕は」



戦場ヶ原「その必要は無いわ。アララギ君」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:12:54.54 ID:anpHwJIF0

撫子「戦場ヶ原、ひたぎ……」

戦場ヶ原「全く、貴女って子は、どうしようも無いくらい面倒臭い娘ね。本編であれだけ迷惑をかけておっ死んだくせに、二次SSでもアララギ君に選択を迫るなんて、ちゃんちゃらおかしいわ」

撫子「お兄ちゃん! 例え撫子の中の蜻蛉を取り除いても、暦お兄ちゃんに捨てられるくらいなら、撫子は、自分で」

戦場ヶ原「どうぞ」

撫子「あ、貴女には聞いて」

戦場ヶ原「どうぞご勝手に」

撫子「………くぅっぅ!!」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:18:39.75 ID:anpHwJIF0

戦場ヶ原「貴女がどれだけアララギ君に迷惑を掛けて死のうがね、どうでもいいのよ。私はそれで面食らったアララギ君を慰めたり、癒したりして、それなりにやっていくわ。だからどうぞ、死ぬならご勝手に」

撫子「………」

戦場ヶ原「死んだらね、それでおしまいなのよ。誰かに何かを残すなんて死んだら関係ないじゃない。だって何も無くなるのよ。だから私達は生きて愛し会いますので、貴女はどうぞご勝手に、とっとと死んで消えて無くなるといいわ。ね、アララギ君?」

暦「戦場ヶ原、」

戦場ヶ原「ちなみに貴方に選択件はないわ」

暦「うぐっ……!!」どさっ

戦場ヶ原「今はただ愛しい貴方の名前を呼びたかっただけ。そんな感じで、私達は元気に乳繰りあっていますので、さようなら、千石さん、死ぬならどうぞご勝手に」

撫子「………」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:21:38.85 ID:anpHwJIF0

撫子「いいわ。私は生きる」

戦場ヶ原「あっそう」

撫子「ヤゴのようでは無く、カゲロウのように生きてやる、貴女が年老いて皺くちゃの婆になる頃、暦お兄ちゃんの気持ちがどうなっているか……」

戦場ヶ原「あ、それは無理よ。だってね」

撫子「………なっ」

忍「やれやれ……」


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:25:05.60 ID:anpHwJIF0

戦場ヶ原「さて、アララギ君、あら気絶してるわ。酷い。だれがこんなことを」

忍「………」シュルシュルシュル→暦影

戦場ヶ原「まったく、大学生で既に子持ちだなんて、ひたぎびっくりだわ。さて、帰りましょうか、そこで伸びてる小娘はどうしましょう」






火憐「お、おい月火ちゃん! 通報にあったとおりだ!」

月火「千ちゃんがのびてる!!」


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:29:35.94 ID:anpHwJIF0

暦「…………で?」

戦場ヶ原「あらあら、気分は熟年夫婦かしら。飯風呂寝るしか言わない所存かしら?」

暦「あれからどうなったんだよ」

戦場ヶ原「アララギ君の中の人がカゲロウはやっつたわ。正義の味方にも連絡しておいたし、あの小娘が生殖の練習台にされることもないでしょう」

暦「…………」

戦場ヶ原「私が都合良く出て来たのはご都合主義よ」

暦「…………」

戦場ヶ原「あ、あ、あと、殴ったのは謝るわ。でも殴る方の手だって痛いんだぞ?」

暦「………はぁ」

戦場ヶ原「やめてよ、ため息とか、煩わしい」




おわり


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:35:53.39 ID:anpHwJIF0

最後までお付き合いしてくれてありがとう
おやすみなさい



元スレ:月火ちゃん「お兄ちゃんがアルバイトなんて無理!」

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