1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 20:53:43.11 ID:C7+K47FS0

理樹(バスの事故から3ヶ月、もう雪が降る季節だ。僕らは悪夢のような出来事から目を覚まし、今をこうして悠々と過ごしている)



教室

真人「なあ理樹、喉渇いてないか?」

理樹「マッスルナントカは飲まないよ」

真人「マッスルエクササイザーmk3.6だ!」

理樹(凄いぞ、真人が遂に小数点以下の数字を使いこなした!)

真人「仕方ねぇな…じゃあ代わりにジュースでも買いに行こうぜ!」

謙吾「なーにが仕方なくだ」

理樹(となりで聞いていた謙吾が言う)

理樹「謙吾も一緒に行く?」

謙吾「そうだな、俺もちょうど喉が…」

真人「ならマッス…」

謙吾「いらんわ!」


9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 20:59:22.01 ID:C7+K47FS0

トコトコ

理樹(廊下に出ると生徒たちが掲示板の中央を指差して集まっている)

ガヤガヤ

謙吾「なんだアレは…」

理樹(真人が内容を読み上げる)

真人「えーと、なになに…『棗恭介のメル友を作ろうの会』だと?」

謙吾「またバカな事を考えてたらしいなアイツは…」

理樹「なんか前にも見覚えがあるんだけど…」

理樹(あの時は確か『棗恭介の一問一答』だったか…あれはあれで暇を潰せたけど今回は何を企んでるんだろう)


13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 21:03:42.55 ID:C7+K47FS0

真人「ちょっと見てみようぜ!」ガシッ

理樹「あ、ちょっと!」

真人「あー皆さんおどき下さいー!筋肉、筋肉が通りまーす!」

謙吾「ご協力お願いしまーす!」

理樹(真人が僕の手を掴んで人混みの中を果敢と進んだ。というか謙吾もノリノリだった)



真人「ふぅ~さて何て書いてあるんだ?」

理樹(一番前に来た僕らはそのポスターの文章を読み上げた)


15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 21:13:45.72 ID:C7+K47FS0

『棗恭介のメル友を作ろうの会』

こんな寒い日に心を割って話せる友達はいるか?クリスマスが近い頃ごろ一人で泣きながら寝る生徒も少なくないだろう……しかし!そんな悲劇も去年で終わりだっ!

この棗恭介はそんな奴らの為にメル友を作ろうの会を立てた、説明しようメル友を作ろうの会略してメル会とは!

1.棗恭介が製作したサイトを通じて学校内でメル友を作ろう

2.方法は簡単、以下のURLにメールアドレスを登録したら後は簡単な情報を書き込みランダムでメル友相手を紹介します

3.実際のメールアドレスはサーバー主しか知りません、勿論悪用するつもりはありませんのでご心配なく

4.多分男同士女同士になるかも知れんが恨むなよ?最初はメル友でもそこから出会うのも個人の自由だ!では検討を祈る


16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 21:18:33.83 ID:C7+K47FS0

真人「出会い系サイトじゃねーか!こんなもん学校は許可してんのかよ!?」

謙吾「こっちを見てみろ、この企画は学校内のみの試みであるからして面白そうだから不問とする…と書いてある」

理樹(曲がりなりにも学校側が「面白そう」なんて書いていいのか…)

真人「へっ…まあいいぜ、俺には腹を割って話せる親友がいるからこんなもん要らねーよなぁ理樹!」

理樹「まあ確かにわざわざ作るまでもないかな」


33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 22:08:54.02 ID:C7+K47FS0

生徒1「いやぁ、僕としてもクリスマスまでには彼女が欲しい所だねぇ!」

生徒2「お前もほら、あの生徒会長様にアタックしろよ」

生徒1「いやお前絶対先の事見越してないよね!?殺す気かっ!」



真人「彼女……」

謙吾「お前達も彼女でも作ったらどうだ?こういうのは試して見るのが吉だぞ…ほれ貸してみろ」

理樹「かっ、返してよ!」

理樹(謙吾が僕の携帯を使って勝手に読み取った!)

謙吾「これでよし」

真人「お前はやらなくていいのかよ?」

謙吾「俺は剣道の道を歩む、その様なことはまだ駄目だな」

真人「ふん!俺だって理樹一筋だからな!女なんか興味もねーぜっ!」

ザワザワ

理樹「いやいやいや!そんな言い方だと勘違いされちゃうからっ!?」


34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 22:12:55.24 ID:C7+K47FS0

理樹(そうこうしていると辺りが急に静かになった)

真人「ありゃ?こいつら皆帰って行くぜ…」

謙吾「……まずいぞ」

理樹「えっ?」

理樹(謙吾の方向を向く前に正体が分かってしまった)


佳奈多「いったい何の騒ぎですか!」


真人「げぇっ風紀委員長!」

理樹(大きな声を張り上げてそこら一帯を張り詰めた空気にさせた。確か名前は二木さん…だったかな?)


35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 22:22:18.70 ID:C7+K47FS0

コツコツコツ

佳奈多「ふぅん……」

理樹(二木さんは僕らを見ようともせず恭介が貼ったポスターを見回した)

佳奈多「一応生徒会の判子は貰ってるのね…棗先輩のことだからどうせコネを使ったんでしょうけどね。ただ風紀委員としてこれは見逃せと言われると悩むところだわ」

理樹(どうやらこのポスターを剥がそうか迷っているらしい。後ろに着いてきた他の風紀委員は何も言わず剥がすためにポスターへ近付いていく)

葉留佳「あっ、お姉ちゃん!」

理樹(と、そこへ葉留佳さんがやってきた)


36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 22:26:17.51 ID:C7+K47FS0

佳奈多「は、葉留佳…」

理樹(僕は二木さんが葉留佳さんを見る目に……焦りを感じた)

佳奈多「校内でその言い方はやめてって言ったでしょ…!」コソコソ

葉留佳「やだナー、姉妹同士当たり前のことじゃないですカ」

理樹(どうやらバスの事故の後から葉留佳さんと邪険な空気だったこちらのお姉さんも幾らか仲直りしたらしい。これも事故の影響なんだろうか)


37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 22:30:43.48 ID:C7+K47FS0

葉留佳「おや?なんですかコレ」

佳奈多「ああ…また棗先輩が変なことやってるらしいの」

葉留佳「ほうほうメル友を作ろうの会……なんだか面白そー!」

佳奈多「駄目よ!こんなので怪しい男にでも引っかかったらどうするつもり?」

葉留佳「えー!お姉ちゃんのケチんぼっ!……いや…いい事考えた」

佳奈多「?」

葉留佳「じゃあ風紀委員長が実際にやってみるってのはどうですかネ?」

佳奈多「はぁぁあ!?」


38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 22:36:28.78 ID:C7+K47FS0

佳奈多「なんでそんな事する必要があるのよ!」

葉留佳「いやだってさー何も知らずにオジャンにするのは幾らなんでもあんまりだしここは代表として一度やってから悪いかどうか見極めたらいいじゃん!」

佳奈多「あなた面白がってそう言ってるだけでしょうっ!全く…あっ」

ピロリン

葉留佳「あははー!ちょろいちょろいっ!」

理樹(二木さんも僕同様勝手に登録されてしまっている)

佳奈多「かっ、返しなさい!」

葉留佳「さあ、私を捕まえてごらんなさーい!」

佳奈多「何やってるの?追うのよ!」

風紀委員「待てー!」

ダダダッ

謙吾「行ったか……」

理樹(嵐が過ぎ去ったあと一時期避難していた生徒はまたポスターに群がってきた)


39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/06(土) 22:46:14.59 ID:C7+K47FS0



理樹部屋

真人「んが……」

理樹「なんだか今日も疲れたな……」

ピロン

理樹「メール?」

カパッ

『本サイトを利用してくれてありがとう、さっそくお前の相手が決まったぜ。存分に楽しんでくれ』

理樹「あっ、消すの忘れてたや……」





佳奈多部屋

クド「すぅ…」

ピロリン

佳奈多「メール?…ああ、取り返すのに必死で消すの忘れてたわ……あのヘンテコな企画」

カパッ

佳奈多「相手が決まった?関係ないわ、さっさと消しましょう」




理樹「せっかくだから少しだけやって見ようかな…。いや本当に興味本位で」

理樹「えーっと…『夜遅くにすいません、これを見たら返事下さい』…っと」カチカチッ




ピロリン

佳奈多「えっ?ま、まさか……」

『夜遅くにすいません、これを見たら返事を下さい』

佳奈多「やられた…これじゃあ無下に消す訳にもいかないし……どうしようかしらこれ」


45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 01:20:44.68 ID:YRLcVTu40

佳奈多「とりあえず軽い返事でもしようかしら?」

『どうもこんばんわ、メール見ました。随分と遅い時間まで起きてるんですね?』




ピロン

理樹「あっ、もう来た……あはは…ちょっと怒ってるなこりゃ」

『それは同じ事を言えますね、よろしければ理由を聞いてもいいですか?』



ピロリン

佳奈多「むっ…まさか言い返してくるとは思わなかったわ」



ピロン

理樹「へぇ、委員会の仕事かぁ…頑張り屋なんだな」

理樹(こうしてあちらが切り出すまでメールでの会話は花を咲かせた)


46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 01:29:58.82 ID:YRLcVTu40

次の日

理樹「えへへ…」モグモグ

クド「わふー?今日は理樹が上機嫌なのですっ!」

謙吾「もしかして『アレ』をやってみたのかもしれないな」

小毬「アレってなにかな?」

来ヶ谷「多分恭介氏が始めた出会い系サイトのことだろう」

恭介「いや待て!その言い方は語弊があるぞっ!?」

真人「いや…間違っちゃいねえだろ」

葉留佳「えー!理樹君もやってたんだー!?」

理樹「ま、まあ成り行きでね…」

西園「その話はお伺いしたことがあります、そしてもしも昨日それを使ったという事ならそのお相手が気に入られたのでしょう」

理樹「えっ僕そんなに嬉しそうにしてた?」

鈴「めちゃくちゃ楽しそうな顔してた…いや、もうくちゃくちゃだ」コクン

理樹(鈴を始め皆が頷く。僕はただ気が合う人を見つけたのに喜んでいたんだけどなぁ…)


47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 01:37:55.42 ID:YRLcVTu40

昼休み

カチカチッ

理樹「『所でお互いの正体を言い合うなんてどうですか?』っと」

ピロン

理樹「って早!」

『それは駄目です、絶対になりません。お分かり?』

理樹(もの凄い勢いで断られた…)



ピロリン

『そこまで言うなら分かりました、あなたの意見を尊重しましょう。ただ思いを馳せてみたかっただけです』

佳奈多(まったく、正体をバラしたらどんな噂になるか……しかしこの人いやに女々しいわね、相手には基本食い下がるんだしもしかして…)

理樹(ただこの人かなりわがままというか我を通す人だな…これは僕の予想だけどもしかして…)

佳奈多(私と同じ女性かしら?)

理樹(僕と同じ男の人かな?)


48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 02:03:42.44 ID:YRLcVTu40



理樹部屋

真人「なぁ~理樹~~携帯ばっか触ってないで俺にも構ってくれよぉ~!」クネクネ

理樹「新手の筋肉ダンスを踊っている所悪いけどもうちょっとだけごめん」カチカチッ

謙吾「元はと言えばお前が突き進んだからこうなったんだ。しばらく放っておいてやれ」

恭介「そうだぞ、見ろ理樹の顔を!あれはまさしく恋人のメールを待ち焦がれている目だっ!」

理樹「いや多分相手は男の人だと思うし悪いけど恭介達の期待してる展開にはならなさそうだよ…」

恭介「なんだつまんねえな…」

理樹(まさか恭介は僕がこれをやった時のことを考えて全部作ったのでは無いかと疑ってしまう。とにかく今日も何か話す話題を振ろう…なにがいいかな)


1.交友関係
2.恋愛話
3.筋肉談義


50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 02:05:00.58 ID:UUeCOGvJ0

2


51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 21:44:29.80 ID:YRLcVTu40

『ちなみに彼女は居ますか?』


佳奈多「ぶっ!」

クド「ど、どーされたんですかっ!?」

佳奈多「い、いえ…なんでもないわ……」

カチカチッ



ピロン

理樹「打つの早いのかな?」

『もしもそんな浮ついた関係の方が居るならここを利用しているはずがありません』

理樹「あはは…確かに」

ピロン

理樹「また?」

『それと何故「彼女」なんですか?もしも私が女性なら大変失礼だと思いますが』

理樹(わちゃー!女の人だったのか)


52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 21:50:16.88 ID:YRLcVTu40

佳奈多「はぁ~…どうしてこう女っていうのは恋の話をしたがるのかしら」

クド「わふー?佳奈多さんも女の子さんじゃないですか」

佳奈多「あらクド知らなかったの?私実は男よ」

クド「な、な、な、」




パタン

恭介「じゃあ、そろそろ寝るか」

理樹「うん、ごめんね最後まで参加出来なくて…」

謙吾「構うことは無い、俺達全員お前の明るい未来を応援しているからな」

理樹「だからそんなんじゃないってば!」


53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 21:56:07.56 ID:YRLcVTu40

kanata

佳奈多「それじゃあ電気消すわね」

クド「か、佳奈多さんは本当に…」

佳奈多「もう、冗談に決まってるじゃない」

クド「そっ…そーでしたか……心配してしまいました」

佳奈多「ふふっ…」

佳奈多(こんな暖かい暮らしも、もう明日まで…。明日私は三枝の跡取りと顔合わせをする。別に分かってた事だから今更後悔は無いわ)

佳奈多(私は葉留佳を救えるなら何だってする)



真人「それじゃ…ほやふみ(お休み)~」パチッ

シーン

理樹(どんな人か知らないけどいい人だと思うな…文面は敬語のためにキツい感じだけど所々相手を気遣っている優しさを感じる。明日また話すが楽しみだ)


54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:05:40.41 ID:YRLcVTu40



ブロロロ

女生徒「こちらです」

佳奈多「ええ……」

バタン



教室

葉留佳「なんかお姉ちゃん遅いな~」

ガラッ

教頭「先生、話が…」

教師「これは教頭先生……」

コソコソ

笹瀬川「どこへ行くのかしら?」



ガラッ

教師「えー…待たせてすまなかったな……」

ガヤガヤ

教師「突然だが聞いて欲しい。昨日、急に二木は親の事情で学校に来れなくなったそうだ…二木も他の皆との別れは拒否したらしい」

葉留佳「……っ!!」

ガタッ

葉留佳「嘘!絶対に嘘だっ!」

笹瀬川「三枝さん…?」

葉留佳「急に決まったなんて嘘!あの家は絶対に前から何か予定してたはず…そうだ」

ガラッ

教師「あっ、おい何処に行く三枝!?」


55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:13:05.12 ID:YRLcVTu40

別の教室

ガラッ

教師2「な、なんだお前は!別の組の生徒か!?」

ザワザワ

女生徒「……」チラッ

葉留佳「居た……」

カツカツカツ

ダンッ

葉留佳「ねえ…家の使いなら知ってるんでしょ?佳奈多をどこへやったの!?答えてっ!」

女生徒「駅前のホテルにある結婚会場です」

葉留佳「……!」

女生徒「何故簡単に言うのか疑ってますね?……それはもう私の義務が終わったからですよ、これであの両家の沈黙を果たす義理は無くなりました」

葉留佳「…ありがと!」

ダダッ

教師2「おい!授業中なんだぞっ!」

女生徒「ですがもう今からでは…」


56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:15:59.59 ID:YRLcVTu40

ホテル

葉留佳「はぁ…はぁ…!」ダダダッ

ホテルマン「……?」

葉留佳「佳奈多は…ここの結婚式は今どこで開かれてるの!?」

ホテルマン「3Fになります」

葉留佳「佳奈多……っ!」




チーン

葉留佳「絶対結婚なんかさせない…っ!」

ギィ


57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:22:11.76 ID:YRLcVTu40

婚約者「えっと……」

佳奈多「……」

二木家当主「ほら何を俯いてる佳奈多?お前の大事な人が呼びかけているぞ」

葉留佳「お姉ちゃんっ!!」

ザワ…

佳奈多「は、葉留佳…なんでここに!?」

「葉留佳だと…?」

「何故ここが分かった…」

葉留佳「佳奈多を助けに来たんだよっ!うちのお姉ちゃんを返して!」

当主「返す?人聞きの悪い事を言わんでくれ……佳奈多は自分から顔合わせを望んだんだぞ?」


58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:27:08.18 ID:YRLcVTu40

葉留佳「それどういう意味…?」

当主「佳奈多はお前を学校へ行かせ、二度と昔の様な仕打ちをしないことを条件に未来を捨てたのだ。言わば等値交換という奴じゃないか」

葉留佳「私を守るために…?それって脅しじゃんか!」

当主「いやいや……だからそう耳聞こえが悪い言葉を使うな、佳奈多は選択する余地があったんだぞ?自分の未来を自由に出来るはずでもあった訳だ」


59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:34:08.47 ID:YRLcVTu40

葉留佳「そんなのって…あっていい事じゃないよっ…!そうなったら二度と家から出られなくなるんだよ!?」

佳奈多「もういいのよ!」

葉留佳「か、佳奈多…」

佳奈多「もういいの…貴方は自由に生きなさい、私は貴方と喋られただけで幸せだったわ…だからもうこれ以上は要らないの、余計な事しないで」

葉留佳「……っ!!」

当主「彼女をホテルの入り口まで案内しろ」

ガードマン「……」

葉留佳「触らないで!……いいよ、自分で行くから…」

佳奈多「……」

葉留佳「佳奈多」

佳奈多「!」

葉留佳「絶対に助けるから」

バタン


60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:40:39.43 ID:YRLcVTu40

放課後

グランド

理樹(葉留佳さんが今日学校を抜け出したらしい。理由は検討も付かないけど多分二木さんが昨日急に退学したことと関係があるんじゃないだろうか)

鈴「見ろ!校門に葉留佳がいるっ!」

理樹「帰ってきたの!?」

恭介「行くぞお前ら!」

真人「おうっ!」

理樹(その時葉留佳さんの顔を遠目から見て何か嫌な予感がした…)


61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 22:53:22.28 ID:YRLcVTu40

葉留佳「……あ…恭介サン…それに皆も」

理樹「いったいどうして出て行ったのさ!?」

理樹(葉留佳さんに生気がない)

葉留佳「…佳奈多が、お姉ちゃんが……結婚させられたの」





恭介「つまり跡取りが欲しかった訳か…まさか政略結婚がこの時代の日本で通用するとは」

謙吾「冗談はやめろ」

恭介「冗談なもんか…!しかしこいつはかなりヤバい事になったな……結婚するのがもう少し早かったなら止められていたかも知れなかったというのに」

来ヶ谷「今から家に乗り込むのは流石の私達でも無理だ。奪還はかなり難しいだろう」

葉留佳「じゃあお姉ちゃんは…っ!」

来ヶ谷「今は確かに無理だ、だが準備する手はずを整えれば…」

恭介「その手はずも完璧に用意出来るまでかなり時間が掛かるだろう。それまで奴の精神が持つか…それに奴等の気が早かったらもしかすると……」

理樹「もしかすると…何さ…?」

恭介「次の跡取りの息子を作らせてもおかしくない」

理樹「……っ!!」

葉留佳「私の両親もそうさせてたから間違いないよ…もしあっちの人がそれを拒んでも他の男を使って産ませるかもしれない」


62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/07(日) 23:09:12.08 ID:YRLcVTu40

理樹「そんな……どうにか出来ないの!?」

恭介「だから無理だ…三枝や俺達みたいなのが乗り込んで来る事も想定してるだろうからあそこは要塞と化してるだろうぜ。並大抵のことじゃ辿り着けやしない」

理樹(二木さんは僕とほとんど喋ったことがないけどこんな事になってしまっては心配しか出来ない、その妹である葉留佳さんは何十倍も辛いだろう)

恭介「とにかく今は願うことしか出来ない…だがいつか必ず助け出そう、俺の命を賭けても」

葉留佳「ありがとう…ございます」

恭介「俺だけに言うな、それにそもそも礼はまだ早いぜ」

謙吾「助け出してからまた言ってくれ、元それに元々俺達はこういうのが目的だったよな?」

恭介「ああそうさ!俺達は悪を成敗する正義の味方。その名も、リトルバスターズだ!」

葉留佳「皆…本当にありがとう!」

理樹(恭介の言葉に少し心が軽くなった様子だ。だけど、それでも僕らの頭には不安という言葉が重くのしかかった)


70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 21:17:01.79 ID:VhKWBPe90

召使い「カップはここに置いておきますね」

佳奈多「……」

葉留佳『絶対に助けるから』

佳奈多「無理に決まってるじゃない…」

召使い「はぁ?」

佳奈多「いや…何でもないわ…」

佳奈多(結婚してからという物の、あの当主を除いて他のお家の人間は私への態度があからさまに変わった、道を通れば必ず譲り、ばったり会えば私が見えなくなるまでお辞儀をする。まるで女王になった気分だわ、張りぼての城のね)


71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 21:22:37.50 ID:VhKWBPe90

佳奈多(多分結婚した事で私の権威が引き上げれたのだろう。それでも私の夫の方が上だけれど)

夫「えっと、こ、こ、こんばんわ…」

佳奈多「………」ギロ

夫「ごっ、ごめんなさい!」

佳奈多(少しふっくらした顔つきのこの男はどうやら私に恐怖をなしているらしい。これならまだあーちゃん先輩の方が男らしいわ)


72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 21:28:41.47 ID:VhKWBPe90

佳奈多(この家では基本的にどこを歩いてもいいけど決して外へ出てはならない。その代わりに望む物は何でも用意してくれるけどこれじゃあ文字通り囚われの姫だわ、女王というのは否定しなきゃね)

夫「お、お、お茶でもどうかな?」

佳奈多「勝手にしてください」

夫「あっ…う、うん…」

スタスタ

佳奈多(彼を見ていると『ティファニーで朝食を』のワイルドウッドを思い出すわ。いつも落ち着かない『お、お、お喋り』をするんだから…お家の人間は男女を閉じ込めておけば好き合うとか本気で思ってるのかしら)


73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 21:40:51.07 ID:VhKWBPe90

カチカチッ

佳奈多(でも私はこの生活でも小さな喜びは失っていない、それはこのメール交換。皮肉な物ね…最初は嫌々ながらやっていた事が今では外の世界が存在する事を確認出来る唯一の方法なのだから。それに続けている内にこの話相手との会話も、もう慣れたわ)

『今日は遅れてごめんなさい、少し事情があったの』






理樹部屋

ピロン

理解「あ……来た…」

理樹(今日はもう来ないのかと思っていた、この話相手といる間は苦しい現状を忘れられる。皆は真剣に悩んでいるのに卑怯な自分がやるせない)

『今日はどうしたんですか?少し心配しましたよ』



ピロン

『ごめんなさい。ちょっと色々立て込んでいたから連絡が取れませんでした』

理樹(この人も何かあったのか…。この事を相談したかったけど止めておいた方がいいだろう)

『今日は学校のサイレンがなりましたね、結局間違いでしたけど…』




ピロリン

佳奈多(そうだったわ…あっちは学校へ通ってる身、このままではいづれ話が合わなくなる)


74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 21:48:38.79 ID:VhKWBPe90

「いいんですか?誰かと連絡を取っていますが……」

当主「心配するな、たとえ警察を呼んで我々が捕まったとしてもいつかお前と葉留佳の所へ辿り着いてやると脅しをかけておいた。妹の事となると何も出来ないからな…それにもし友人だとしても続かないだろうさ、念の為佳奈多の携帯は葉留佳のアドレスは登録出来ない様にしてある」

「随分用意周到ですね」

当主「勿論だ」


75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 21:56:10.24 ID:VhKWBPe90

コンコン

佳奈多「入って」

女生徒「お呼びでしょうか?」

佳奈多「ええ、早速だけど貴方にしてもらいたいことがあるの」

女生徒「なんでしょうか」

佳奈多「……学校の様子を私に逐一伝えて欲しいの、例えば学校集会の話や学校内で起きた小さな事件とか」

女生徒「…それをしてなんの意味が?もはや貴方は…」

佳奈多「戻れない事は分かってる……お願い」

女生徒「……分かりました今までの償いとは言えませんが望むのであれば貴方の目と耳になりましょう」

佳奈多「ありがとう」


76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 22:06:27.73 ID:VhKWBPe90



自動販売機

理樹(今日は眠れなくて外でメールをした)

パタン

理樹「ふぅ……」

恭介「よっ」

理樹「恭介?」

理樹(既に暗くてよく見えなかったが恭介の声がした)

恭介「こっちだぜ、お前も眠れなかったのか?」

理樹(振り向くとレノンの光った目がまず目に付いた。どうやらついて来たらしい)

理樹「うん…こんな事になるだなんて」

恭介「メル友とは続いているんだろ?」

理樹「ご、ごめん…」

恭介「責めてる訳じゃない。誰にだってストレスを吐き出す場所は必要だ、むしろそれを続けろ…何があってもな」

理樹「どういう事?」

恭介「ま、それは置いといてこれから俺の部屋に来ないか?」

理樹「ええっ!?」


77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/08(月) 22:11:59.11 ID:VhKWBPe90

恭介部屋

理樹「勝手に入っていいのかな…」

恭介「大丈夫だ、ほらこれ見てみろよ」

パサッ

理樹(恭介はライトを付けた机の上にとある紙を置いた)

理樹「これは……どこかの見取り図?」」

恭介「ご明察。ずばりこれは敵陣の家の構造だ、とあるルートから仕入れて来たぜ!」

理樹(本当に恭介に出来ない事はないんじゃないだろうか)


113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 19:11:07.71 ID:HrVCkRuT0

恭介「といっても作戦らしい作戦はほとんど出来ちゃいない…そこで、どうせ眠れないなら一緒に救出する策を考えないか?」

理樹「僕が恭介の手伝いを!?」

恭介「手伝いじゃない…お前はもうチームの次期リーダーなんだ。俺ともう同等の関係になりつつある、これは俺とお前の共同作業だ!それにワクワクするぞ人を助ける為の計画ってのは」

理樹「でも僕に出来るか…」

恭介「出来るさ、これが例えば結婚式をめちゃくちゃにして救出するだけならお前に全て任せていたが今回ばかりはそうもいかないからな…俺も一緒に考える」

理樹(恭介の心強い言葉でやっと決心がついた)

理樹「分かった、一緒に二木さんを助け出そう」

恭介「よし決まり!名前はそうだな……作戦名オペレーション二木ハンターズ!…なんかどうだ?」

理樹「それじゃ僕らが悪者みたいじゃないか!」


116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 21:12:58.69 ID:HrVCkRuT0



真人「起きろよ理樹っち」

理樹「あれ…ごめん今何時?」

真人「もう朝の9時だぜ、あんまりに気持ち良さそうに寝てたんで起このはやめておいた。一応カツサンド買ってきたが食うか?」

理樹「……えーっと…」

真人「どうした?汗が凄えぜ」

理樹「き、今日何曜日だったっけ…?」

真人「火曜…うおおおぁぁっ!」

理樹「普通に学校あるじゃないかっ!」

真人「すっ、すまん!通りでワゴンにいた全員が俺が帰って行くのをアホみたいな顔して見てた訳だぜっ!」

理樹「バカは真人だよっ!」

真人「バカとは言ってねーだろーがっ!!」

理樹「いや一緒だから!」

理樹(今日寝坊した理由は恭介と3時まで作戦を考えていたからだった、「ナポレオンは一日4時間しか寝なかったから俺達も負けてらんねえよな!」とか言ったお陰でやっぱり寝過ごしてしまった…真人がいるからと安心していたが迂闊だった)


教室前

理樹「どうしよう…何か上手い言い訳が…」

真人「ふっ、俺に任せな」

理樹「えっ?」

ガラッ

ザワザワ

担任「どうしたお前達?結構な遅…」

真人「か、火星人が攻めてきたぞー!!」

シーン


117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 21:19:41.17 ID:HrVCkRuT0

休憩時間

謙吾「やれやれだな」

真人「毛穴があったら入りたい…」

理樹「なんでわざわざ恥をかくような登場をするのさ!?」

鈴「こいつらアホだな」

理樹「ぼ、僕を入れないで…」

真人「くそっ!明日が水曜なら使い古された火星人は使わなかったのに」

謙吾「お前は宇宙から考えを一旦置け」

クド「わふー!真人さんは宇宙について考えてらしたんですか!?」

真人「おうよ!まず宇宙と筋肉の関連性がだな…」

理樹(真人は昨日あれだけの事になっても皆を自然と明るい空気にしている…それが意図していた物かは分からないけど居るのと居ないのとでは大違いだ)


118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 21:39:47.80 ID:HrVCkRuT0

裏庭

トコトコ

理樹(そうだ、そろそろメールを…)

ガサッ

シュッ

理樹「ムグッ!?」





理樹「痛てて…」

来ヶ谷「おはよう理樹君、食堂に来ないんで心配したよ」

理樹「く、来ヶ谷さん…どうしてこんな乱暴に連れて来るのさっ」

来ヶ谷「どうせ言っても大人しく来ないだろう、それと佳奈多君救出の予行演習と言った所だ」

理樹「その事なんだけどさ…」

理樹(僕は恭介と考えた計画を話した)



来ヶ谷「ふむ…なかなか良い案じゃないのか?」

理樹「そ、そうかな…」

来ヶ谷「そう謙遜するな。しかし準備に少し時間が掛かるな」

理樹「そうだね…」

来ヶ谷「まあ心配するな、葉留佳君の姉はちっとやそっとのことじゃ折れる人間では無いよ」

理樹「…そうだよね」

来ヶ谷「うむ、そうだ」

理樹「そうさ!」

理樹(若干自分に言い聞かせるように叫んだ)


119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 21:49:08.94 ID:HrVCkRuT0

佳奈多「………」

ピロリン

佳奈多「!」

カパッ

佳奈多「……」ニヤ

佳奈多「……はっ!」

佳奈多(い、今メールが来たことににやけてしまったかしら…なんだか一日中心待ちにしてるみたいで悔しいわね……)





ピロン

理樹「!」

カパッ

理樹(メールが早く帰ってくると自然に口頭が上がる)

理解(一度も会ってはいないけどこの人は多分不器用な人間なんだろうなと思う、最初はかなり無愛想で思いやりがない人だと思っていたけど言葉の奥にかすかな温かみを感じる…以前友人と呼べる人間は少ないと言っていたけどそれはこの人を本当に理解出来る人が少ないせいだろう)


120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:03:31.93 ID:HrVCkRuT0

当主「佳奈多」

佳奈多「何の用ですか?」

当主「この家に戻ってどれくらいだ?」

佳奈多「分かりません、時間が立っている様に感じませんから」

当主「減らず口を叩くな。そろそろ世間では騒ぐ日が近いな」

佳奈多(そう…明後日はクリスマス、去年はあーちゃん先輩が私の部屋に乗り込んで来た事もあったかしら……)

当主「ちょうどいい、そろそろ……」




佳奈多「………早すぎるわ」

当主「私だってそう思っている。ただ他の者がうるさくてな…以前、お前の親は良い年までそれをとどめた所為で反抗にあったのだ。鉄は柔らかい内に叩くに限る、だから佳奈多……」

当主「産め」

佳奈多「……ッ」

佳奈多(こいつ等は本気…私達のことなんか何とも思ってないんだわ。ただの自尊心のための駒同然)

当主「遅かれ早かれこうなるのは分かっていただろう?お前の夫も最終的には賛成してくれたよ」

佳奈多「……」


121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:16:19.68 ID:HrVCkRuT0

放課後

理樹「雪が降ってきた…」

真人「そうだな、ちょっとシロップ持ってくる」

鈴「腹壊すぞ!」

葉留佳「ねえ理樹君…」

理樹「なに?」

葉留佳「……お姉ちゃんはいつ助けるの?」

理樹「……もうちょっとかかる…」

葉留佳「急かすのは駄目だって分かってるけどさ……早く行かなきゃ佳奈多がいつ壊れるか分からないよ。取り返しが付かないことでもあったらどうするのっ!」

ダンッ

小毬「は、はるちゃん…」

西園「……」

葉留佳「あ……ごめんなさい…」

来ヶ谷「葉留佳君」

葉留佳「んむっ!」

理樹(来ヶ谷さんが後ろから抱きしめた)

来ヶ谷「急かしても良いことはひとつもないぞ。皆こんなだが一日足りとも佳奈多君の心配をしなかった事はない…安心しろ、恭介氏はあれでも死ぬほど頑張ってる所だ。もう一度言うぞ、君は心配しなくていいんだ」

葉留佳「……分かったよ姉御…」


122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:20:11.96 ID:HrVCkRuT0

小毬「はるちゃん!お菓子を食べましょ~っ!甘い物食べたら元気になるから」

葉留佳「やはは…ありがとこまりん」

小毬「おっけ~、ですよ」

真人「俺にも一個くれよ!」

クド「わふー!私も食べたいですっ!」

謙吾「俺の分もちゃんと残しておけよ?」

理樹「……」ニコッ

理樹(本当に皆が居てよかった…!)


123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:29:40.36 ID:HrVCkRuT0



カチカチッ

『今日はサイレンが鳴ってビックリしましたね、誤報だったけど』



ピロン

『そうですね、ああいう不注意なことはやめてほしいです』

理樹「……あれ?」

『ごめんなさい、そういえばアレって昨日の事だったような…』


ピロン

理樹(次のメールは帰ってくるのが遅かった)

『そういえばそうでした、私も勘違いしてましたね。所で駅前の…』

理樹(何か様子がおかしい…今までこんなに早く話を逸らすことなんか無かったぞ?)

カチカチッ

『話は変わりますが今日タカが学校中で飛び回って大変でした』


ピロン

『私も驚きました、あれは結局無事に帰ったのでしょうか?』


理樹「…なんて事だ……」

理樹(今送ったタカの話は全て僕の嘘だ。それをさも見たかの様に同調するという事はこの人はいったい…)


124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:38:02.12 ID:HrVCkRuT0

次の日



恭介部屋

ガチャ

理樹「恭介…」

理樹(予想通り計画を練っている途中だった、僕も毎日の様に来るが恭介はいつ寝ているんだろう)

恭介「ん?どうしたこんな土曜の朝早くに…」

理樹「起きてる恭介も人の事言えないけどね」

恭介「…ああ分かったよ、言い合いする気はない。用件を言ってくれ」

理樹「僕のメール相手について」

恭介「……」

理樹(今まで鉛筆を動かしていた手が急に止まった)

恭介「それを聞いてどうするんだ?俺はプライバシーを守る立場だ、見れん事もないがそういうのは道理に反する」


125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:43:16.14 ID:HrVCkRuT0

理樹「それが相手はプライバシーも何も無い様な所にいたら?」

恭介「……気付いたか」

理樹「薄々とね…最初は僕だって自分の考えを疑っていたけど今の恭介の反応で確信した」

恭介「彼女は今お前だけが心の拠り所だろう、俺もこんな事になるとは思ってなかったけどな」

理樹「なんで黙ってたんだ!そしたら葉留佳さんに代わってあげられたのにっ!…ここを出たら言うつもりだよ、いち早く話させてあげたい」

恭介「ダメだ、今までの苦労を水の泡にする気か?」

理樹「えっ…?」


126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:49:37.10 ID:HrVCkRuT0

恭介「この作戦の中核は油断させる事にある。長い時間を掛けるのは準備でそうせざるを得なかった事もあるが相手に反抗の気配を与えないのが重要なんだ」

恭介「だがいくら二木と言えど限界がある、本当はそのメール交換もやめさせたかったが流石にソイツは残酷すぎるよな?しかしそれが三枝と話してみろ、今はどんな状況かは知らないがあっちが明らかに同様するとメール内容もすぐ探られる事になるだろう」

理樹「そうだったんだ…」

恭介「本当に悪い……今は耐えてくれ」

理樹「……うん」


128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 22:58:30.95 ID:HrVCkRuT0

ガラッ

当主「いよいよ明日だな」

二木「キリスト教だったなら明後日にしてくれたのかしら」

当主「ほう…余裕がありそうだな。我々はあくまで我々の神を信じているのだよ」

佳奈多(誰1人祈ってない癖に……)

当主「安心したまえ、隣で見るわけではない…いつ始めるかはお前達の自由だが……誤魔化そうなどと思うなよ?」

佳奈多「……分かってる」

当主「ならいい…行くぞ」

召使い「……」スタスタ

佳奈多「…くそったれな世界だわ…」

佳奈多(こんな汚い言葉は風紀委員の頃は使おうと思った事もなかった…でもいざ言ってみると少しの背徳感が感じられた)


129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 23:08:38.65 ID:HrVCkRuT0



理樹部屋

理樹(僕はやっと分かった…自分は二木さんの事が好きなんだと)

理樹(確かに実際にほとんど会った訳じゃないけどこんなに誰かからのメールの返信を心待ちにしたのは初めてだ…)

ピロン

『かなり遅い時間に送ってくるんですね?一番最初に送られた時のようです』

『ちょっと話がしたかったんです、時間は大丈夫ですか?』

『別に構いません、もう慣れましたから』

理樹「あはは…相変わらず厳しいな……」

理樹(僕は相手の正体が分かっていてもたわいない話を振る、何故なら必ず救うと信じているからだ)

コンコン

ガチャ

恭介「うす」

理樹「やあ恭介」

真人「ふぅああぁ……あと数分でクリスマスだな」

恭介「ああ、そうだな…おっと理樹はまだお楽しみ中だったかい?」

理樹「そういう言い方はやめてよ!」


130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 23:13:50.36 ID:HrVCkRuT0

真人「でさぁ~」

恭介「ん~めちゃ面白かった、かなり大爆笑」

真人「じゃあ、ちっとはその真顔やめろよ!」

ガチャ

謙吾「なんだお前ら……俺が驚かしてやろうと思ったというのに」

理樹「謙吾」

理樹「ちょっと待ってね…今終わるから」

謙吾「おっとお楽しみ…」

理樹「もういいよ…」

カチカチッ

『それでは最後に、メリークリスマス』


131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 23:16:54.84 ID:HrVCkRuT0

ピロリン

カパッ

佳奈多(そう言われて初めて日にちが代わってることに気付いた)

『ええ、メリークリスマス』

パタン

佳奈多「………ふぅ」

バサッ



ジャーッ

佳奈多「……」

キュッキュッ


132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 23:22:50.16 ID:HrVCkRuT0

夫「………んん」

パチン

夫「うえっ!?」

佳奈多「……起きなさい」

夫「な、なんですか…?」

佳奈多「起きなさい」ギロッ

夫「はっ、はい!」



夫「そ、そ、それでなんですか…?」

佳奈多「貴方の当主から聞いてるんでしょ?始めるわよ」

夫「こっ、こんな時間から?」

佳奈多「なによ真昼間にしたい訳?私だってこんな事は早く済ませたいのよ…」

夫「あ…あ……」

佳奈多「早くシャワーを浴びてきなさい」

夫「わ、わ、わ分かりました!」


133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 23:28:51.62 ID:HrVCkRuT0

プルルル

理樹「?」

ピッ

理樹「もしもし?」

葉留佳『…ごめん私…』

理樹「葉留佳さんか…どうしたの?」

葉留佳『夜遅くなのは分かってるんだけどさ…一つ聞きたい事があって』

理樹「なんだろう」

葉留佳『…せめてさ、お姉ちゃんを助けに行くのがいつか教えてほしくて私…!』

理樹「心配要らないよ」

葉留佳『えっ?』

理樹「今恭介達と話し合って決めたんだけど、行くのは明日だ」

葉留佳『それ本当!?』

理樹「うん、やっと救いに行けるんだ…」

葉留佳『分かった…ありがとう理樹君』

理樹「礼は恭介達にも言ってね」

葉留佳『……うん!』


134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 23:35:13.93 ID:HrVCkRuT0

佳奈多「遅かったわね」

夫「ご、ごめんなさい!」

佳奈多「一々謝らないで」

夫「はい…」

佳奈多「ふぅー………」

佳奈多(こんなことなんでもないわ、すぐ終わるのよ佳奈多)

佳奈多「…じゃあ脱がして」

夫「わ、分かりました…」

佳奈多(まず背中の方を向いた、アレが見える様に)

夫「じ、じゃあ……」

バサッ

夫「うわっ!?」

佳奈多「ふっふふ…貴方に抱かれるなら傷を見せてからよ、それぐらいの覚悟は出来てるわ」

夫「うぐっ……そうですね…」

佳奈多(最後まで正面を、この男の顔を向きたくない。そうしたら嫌でもこの行為を実感知られるから)


135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/09(火) 23:42:49.69 ID:HrVCkRuT0

佳奈多「ほらっ…さっさとしなさいって言ってるでしょ?」

夫「ご、ご、ごめんなさい…!」

佳奈多(手がブラジャーのホックを触った)

佳奈多「……っ」ビクッ

夫「あっ…どこか痛かったですか!?」

佳奈多「何でもないわ、肌寒い所為よ…」

夫「……」ガッ

佳奈多(今度はしっかり紐の先を掴んだ、どうやらぎりぎりになるまで肌に触る根性は無いらしい)

夫「では外しますね…」

スッ

佳奈多「………っ」

バンッ

佳奈多「!?」



理樹「二木さーんっ!!助けに来たよっ!」



佳奈多「貴方は……っ!!」


138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 21:53:39.33 ID:6KuFQcK+0

数時間前

パタン

恭介「…メールは終わったか?」

理樹「うん、行こう…」

真人「遂にこの日が来たな…」

謙吾「奴がまだだろう」

恭介「俺の予想じゃもう…」

ガチャ

来ヶ谷「待たせた」

恭介「よし!全員揃ったな?急いで出発だっ!」

理樹(今回はいつもと全く違う遊びじゃないミッションだ、失敗は許されない。そしてクドや葉留佳さん達を連れてはいけないのでこの少数精鋭で行く事となった)


139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:01:11.43 ID:6KuFQcK+0

グラウンド

パララララ

真人「まさか本気で来るとは思ってなかったんだが……」

理樹(恭介は出張で出会った知り合いに自家用小型ヘリを持っている人がいた、僕らはこれで敵の屋敷に侵入するんだ…)

恭介「今日は頼りにしてるぜサミュエル!」

サミュエル「HAHAHA!キョースケの頼みならいつでもOKネ!」

シュンシュンシュン



恭介「ここだ、全員準備はいいな?」

謙吾「俺は今でも夢の中にいるのかと錯覚する…」

理樹「僕もさ…」

理樹(今、二木家の真上にいる。ヘリのドアが開いて強い風が流れ込んできた)

恭介「パラシュートの開け方は分かるな!?それじゃあ行くぞっ!」

理樹「うん!」

恭介「ミッションスタートだ!」


141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:12:17.90 ID:6KuFQcK+0

ドシュゥ

ブワッ

理樹(僕らはパラシュートを使い、なんとか着地した、それと同時に電話が鳴った)

プルルル

理樹「?」

ピッ

理樹「もしもし?」

葉留佳『…ごめん私…』

理樹「葉留佳さんか…どうしたの?」

葉留佳『夜遅くなのは分かってるんだけどさ…一つ聞きたい事が~~』



理樹「礼は恭介達にも言ってね」

葉留佳『……うん!』

理樹(嘘をつくのに罪悪感を覚えた)

恭介「ふぅ…いいかお前ら…この先からは慎重を要するんだ、出来るだけジェスチャーでコミュニケーションを取ろう」

理樹(その言葉に全員が頷く)


ササッ



ガラッ

恭介「もう声を出しても大丈夫だろう」

理樹(恭介が見取り図を取り出して次に出る部屋を指で叩いた、どうやら次が二木さんの部屋らしい)

来ヶ谷「理樹君が開けてみろ」

理樹「うん…」

ガラッ


142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:17:40.58 ID:6KuFQcK+0

バンッ


理樹「二木さーん!!助けに来たよ!」

佳奈多「貴方は……っ!!」

佳奈多(後ろで襖が勢いよく開けられた、振り返るとあの直枝理樹に、来ヶ谷さん…それと馬鹿3人がいた)

夫「あいぇえ!?」

佳奈多(隣の男は素っ頓狂な声をだし尻餅をついた)

来ヶ谷「おやおや結構ギリギリなタイミングだったようだな、ほれ服を着たまえ」

バサッ


143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:23:12.71 ID:6KuFQcK+0

佳奈多(私の言った第一声は我ながら情けない物だった)

佳奈多「どうしてここに…直枝…何で?」

理樹「だから助けに来たんだよ、ここを出たいでしょ?」

佳奈多「どうして私なんか…ほとんど喋った事さえないじゃない!」

理樹「た、確かに喋っては無いかもしれないね…」

佳奈多(目の前のこの男は照れ隠しなのか苦笑いなのか分からない顔をしていた)

真人「さあ早く出ようぜ!さっき何人か吹っ飛ばしたからここに居んのも気付いてるはずだっ!」

謙吾「……この男は婚約者か?」

佳奈多「名ばかりのね…彼も三枝の跡取りよ」

佳奈多(次第に落ち着いて来た)


144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:31:31.23 ID:6KuFQcK+0

夫「うぁ…ご、ごめんなさい…っ!」

恭介「ふむ……こいつも連れて行こう」

理樹「ええっ!?」

恭介「よく考えてみろよ、こいつも無理やり結婚させられて閉じ込められてるんだから二木と同じ被害者だぜ?どっちも助けなくては道理に合わない」

理樹「確かにそうかもしれないけど…」

恭介「それにここに放っておいたら俺達がどっちから逃げたのかバラすかもしんねえしどちらにしても連れて行こう」

謙吾「その代わりお前が担げ」

恭介「よっしゃあ!話は決まった、さっさとズラかるぜっ!」

佳奈多「待って…」

ガシッ

佳奈多(私の意見を聞きもせずに行こうとすることを抗議しかけて直枝に腕を掴まれた)

理樹「行こう」

佳奈多「……ふん、まったく助けに来るのが遅過ぎるわ、最低ね……。最低」ニコッ

佳奈多(その時の私は少し涙ぐんでいたのだろう)


ウーウー

当主「いったい何の騒ぎだ!?」

「何者かが侵入してきたようです!」


145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:35:38.04 ID:6KuFQcK+0

バララララ

サミュエル「もう少し遅かったらもう行ってた所だ!」

恭介「悪いな!上げてくれっ!」

サミュエル「イエッサー」



当主「はぁ…はぁ…!あれは佳奈多か!?おーい!戻ってこぉぉい!!」

佳奈多「……」

佳奈多(私はその時何も言えなかった、長年積もりに積もった恨みを晴らすには見下した目を向けるだけで充分だということもあったけど)

夫「だ、だ、誰が戻るかこんな家ー!」

理樹「!?」


146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:44:26.87 ID:6KuFQcK+0

理樹「……美味しい」ズズッ

理樹(その後あの家へ完全に喧嘩を売ったのでしばらく目の届かない所へ身を潜めることになった、ヘリで学校へ帰ったあと皆に事情をメールで送って葉留佳さんを連れ出しそのまま恭介の車で出て行った。当分葉留佳さんと僕と二木さんで暮らすこととなったがあの二木さんの婚約相手だった人はなんと海外まで飛んだ)

葉留佳「いやぁ理樹君もすっかりおじいちゃん臭いですな」

理樹「あはは…」

佳奈多「あっ、忘れてたわ…ちょっとごめんなさい。知り合いにメールを送らなきゃ」

葉留佳「お姉ちゃんに知り合い?」

佳奈多「……」カチカチッ

『遅くなってごめんなさい、それと少し話があります』

ピロン

理樹「あっ」

佳奈多「……!?」

理樹「……」カチカチッ

『直接今聞きましょう』



ピロリン


147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/09/10(水) 22:45:48.19 ID:6KuFQcK+0

終わり


151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/09/10(水) 23:28:46.35 ID:S1+C7iFL0

乙 楽しませてもらった



元スレ:理樹・佳奈多「「メル友?」」真人・葉留佳「「おう(うん)」」

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