1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:19:22.77 ID:hx44DY1Y0

エレン「俺が鈍感だという風潮」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369471523/

クリスタ「私が女神って風潮?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370130931/

ジャン「俺が死に急ぎ野郎の引き立て役という風潮だと?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370444501/
の続きです

あらすじ
エレンがコニー、サシャと仲良くなった
クリスタとユミルの仲が少し深まった
ジャンじゃん

注意点
なぜか毎回説教臭い

では投下


2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:25:56.55 ID:hx44DY1Y0

エレン「きゅーう!」

コニー・サシャ「きゅーう!」

エレン「じゅーう!」

コニー・サシャ「じゅーう!」

アルミン(ここは休憩室兼食堂です。そして、彼らは今、逆立ち腕立てをしています)

アルミン(なぜか? それはまだ僕にもわかりません)

アルミン(ただ、彼らの傍にあるチェスが関係している事は明らかでしょう)


4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:28:42.26 ID:hx44DY1Y0

時は遡り、教官室


キース「馬鹿を治したい?」

コニー「はい!」

エレン「よい方法はありませんか?」

サシャ「よろしくお願いします!」

キース「欠点を克服しようとする姿勢は認めよう。だが、どうして自分たちで解決しようとしない」

エレン「親しい者たちに尋ねて試行錯誤してみたのですが、あまり成果が得られなかったのです」

エレン「そこで、アルレルト訓練兵がある考えを口にしました」

キース「教官である、私の意見も取り入れる、か?」

コニー「はい!」

サシャ「よろしくお願いします!」


5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:31:24.11 ID:hx44DY1Y0

キース「……しかし、気になる事がある」

エレン「なにがでしょう?」

キース「イェーガー。貴様の座学の成績は悪くなかったはずだ。いや、むしろ上位に入るほどの好成績だと報告を受けている」

キース「その二人はまだわかるが、何故貴様もここにいる?」

エレン「わけがありまして、二人と行動を共にしております。故に、自分も同じ事をするために同行している次第です」

キース「そのわけとやらは私に言えないのか?」

エレン「いえ、隠しているわけではありませんので、お伝えしてもよろしいですよ」


6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:33:07.21 ID:hx44DY1Y0

キース「ならば教えて貰おう」

エレン「はっ! スプリンガー訓練兵は大変敏感なため、鈍感な自分と同じ生活する事で体質の変化を狙っているのです」

コニー「はい!」

サシャ「よろしくお願いします!」

キース「……」

エレン「……? どうかされましたか?」

キース「……よくわからんが、なんらかの考えがあっての事だと受け取ろう」


8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:35:37.64 ID:hx44DY1Y0

キース「訓練に支障が出ず、規則を守っているのであれば、あとは自由だ。好きにしろ」

エレン「ありがとうございます」

コニー「はい!」

サシャ「よろしくお願いします!」

キース「しかし、馬鹿を治すか……」

エレン「ご無理を言って申し訳ありません」

キース「構わん。……そうだな、ゲームで頭を柔軟にしてみるのはどうだ?」


9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:37:25.71 ID:hx44DY1Y0

エレン「ゲーム、ですか?」

キース「チェスはやった事があるか?」

エレン「いえ、自分はありません」

コニー「はい!」

サシャ「よろしくお願いします!」

エレン「二人もないそうです」

キース「……先程から、若干頭を抱えたくなっているが、その事は後にしよう」


11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:43:06.83 ID:hx44DY1Y0

キース「チェスはあくまでゲームだが、戦略の勉強になる。非常に頭を使う遊びだからな」

キース「それだけで頭が良くなるわけではないが、余っている脳を稼働させるには向いているだろう」

エレン「なるほど。チェスの一式は食堂に何セットかありますので、丁度よさそうです」

エレン「ご意見、ありがとうございました。夕食も済んで人も少ないでしょうから、早速やってみようと思います」

キース「それがいいだろう。……ところでだ」

エレン「なんでしょう?」

キース「そこ二人が、同じ言葉しか口にしない理由はわかるか?」

エレン「アルレルト訓練兵の助言を実行しているからです」

キース「念のために、アルレルトがどんな助言をしたのか、言ってみろ」

エレン「『コニーは、はい、サシャは、お願いします、とだけ言ってればいいから。余計な事を言うと、話がこじれちゃうからね』との事です」

キース「そうか……」

コニー(なんで教官は憐れんだ目で俺とサシャを見てるんだ?)

サシャ(チェスって食べられる物でしたっけ?)


12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:44:57.61 ID:hx44DY1Y0

エレン「では、これで自分たちは失礼します」

キース「なんらかの形で成果が出るように努めよ」

エレン「はっ!」

コニー「はい!」

サシャ「お願いします!」

キース「……」


14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:49:05.39 ID:hx44DY1Y0

食堂


エレン「えっと確か……あったあった」

コニー「チェスってやつ、見つかったのか?」

エレン「これだ」

サシャ「やっぱり、食糧じゃなかったんですね……」

エレン「当たり前だろ」

コニー「白黒の升目が描いてある板と、なんだこれ?」

エレン「駒ってやつだな。それを板に並べて、一対一で遊ぶゲームがチェスだ」

サシャ「エレンはチェスの事、詳しいんですか?」

エレン「アルミンから話は聞いてる程度。よかった、遊び方の本もある」


16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:53:00.58 ID:hx44DY1Y0

エレン「やる前に、駒の名前とか、ルールとか覚えるぞ」

コニー「へー、これがポーンって言うのか」

サシャ「こっちはナイトで、これがビショップですね」

エレン「で、これがルーク、これがクイーン。そんでもって、キングだ」

コニー「六種類だけならすぐ覚えられるな」

サシャ「そうですね」

エレン「んじゃ、これはなんだかわかるか?」

コニー「ルーク!」

サシャ「ナイト!」

コニー「あれ? ルークじゃねぇのか?」

サシャ「ナイトですよね、エレン」

エレン「サシャが正解だな」

コニー「なんだ、それがナイトか」


17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:54:39.73 ID:hx44DY1Y0

エレン「間違えた罰として、逆立ち腕立て十回な」

コニー「そんなの聞いてねぇぞ!」

サシャ「ププッ、頑張って下さいね、コニー」

エレン「なに言ってんだ? 俺らもするぞ」

サシャ「……えっ?」

エレン「連帯責任だ。ほれ、よっと」

コニー「仕方ねぇな。はっ」

サシャ「わかりましたよぉ、ほいっと」


18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:56:16.15 ID:hx44DY1Y0

エレン「みんな逆立ちしたな。んじゃ、いーち!」

コニー・サシャ「いーち!」

エレン「にーい!」

コニー・サシャ「にーい!」

アルミン「……三人はなにやってるのかな?」

エレン「おう、アルミンとミカサか。ちょっとこれが終わるまで待っててくれ。さーん!」

コニー・サシャ「さーん!」


19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 00:59:11.92 ID:hx44DY1Y0

ミカサ「アルミン、私も逆立ち腕立てをやりたい。ただ、アルミンはどう思う?」

アルミン「三人は訓練服のままだけど、ミカサはもう着替えててスカート穿いてるからね。止めておこうか」

ミカサ「やっぱり……。今回は見送ろう。けど、次から参加するために着替えて来る」

アルミン「うん、まぁ、そこは好きにしたらいいよ」

ミカサ「すぐに戻る」

アルミン「走って転ばないようにね」


20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:03:18.83 ID:hx44DY1Y0

エレン「じゅーう!」

コニー・サシャ「じゅーう!」

エレン「よし、終わり」

コニー「腕だけじゃなくて、バランス保つために全身の筋肉を使うからしんどいよな」

サシャ「コニー、もう間違えないで下さいよ」

コニー「わかってるって」

アルミン「もういいかな?」

エレン「いいぞ」

アルミン「このチェスって、この部屋の隅に置いてあったやつだよね?」

エレン「あぁ。教官が、チェスをすれば頭が柔軟になる的な事を言ってな」

アルミン(……本当に教官に相談したんだ、エレンたち。夕食時に話したばかりなのに、三人の行動力は本当にすごいや)

アルミン(まぁ、知ってたけど)


21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:05:33.31 ID:hx44DY1Y0

アルミン「それで、なんで逆立ち腕立て伏せを?」

エレン「覚えられなかった罰だ。コニーがナイトの事をルークって言ってな」

コニー「悪かったよ。今度は間違えねぇ」

エレン「責めてるわけじゃねぇから、気にすんな。じゃあ、一から覚え直すぞ」

コニー・サシャ「おー!」

アルミン「あっ、ちょっと待って。えっと確かここに……あった」

エレン「手持ち式の簡易黒板なんて持って来て、どうするんだ?」

アルミン「こういうのがあった方が覚えやすいんだよ。自分たちで書いた方がいいだろうけど、紙は有限だからね」


22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:07:31.17 ID:hx44DY1Y0

コニー「それになにを書くんだ?」

アルミン「えっとね――」

ミカサ「着替えてきた」

エレン「おかえり」

ミカサ「ただいま」

エレン「なんで着替えたんだ?」

ミカサ「私もエレンたちと同じ事をするため」

エレン「そっか」

ミカサ「うん」


23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:12:02.94 ID:hx44DY1Y0

サシャ「話の続きをお願いします、アルミン」

ミカサ「中断させてしまった? ごめんなさい、アルミン」

アルミン「いいよ、ミカサにも教える事だからね」

アルミン「じゃあ、話し始めるよ。ポーンがあるよね?」

コニー「あるな」

アルミン「下手で悪いけど、黒板にポーンの絵を書くね」

エレン「十分上手いぞ」

アルミン「ありがとう、エレン。で、今度は形の特徴をあげてみようか」

コニー「頭が丸い!」

サシャ「コニーみたいですね」

エレン「本当だな」

コニー「俺はポーンだったのか……」


24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:14:59.81 ID:hx44DY1Y0

アルミン「ちょっと違うけど、その特徴を、描いたポーンの横に書き加えるね」

エレン「そうか。明確な特徴を覚えたら、名前の区別もつき易いって事だな」

アルミン「そういう事。別にポーンをコニーって呼んでも差支えはないけどね」

エレン「なら、ナイトはジャンだな」

コニー「馬面だからか?」

サシャ「馬面だからですね」

アルミン「なら、ナイトの絵を描いて、ジャン、っと。まぁ、こんな感じで覚えて行こうか」

エレン「わかった」


25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:17:19.74 ID:hx44DY1Y0

ミカサ「キングはエレン」

エレン「なんでだ? 俺は王様じゃないぞ」

ミカサ「この意見は譲れない」

エレン「? まぁいいけど」

コニー「いいなぁ、キング」

サシャ「羨ましいです」

アルミン(先が読めてしまったけど、余計な事は口にしないよ)

ミカサ「そして私がクイーン」

アルミン(予想通りです、どうもありがとう)


26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:21:30.22 ID:hx44DY1Y0

エレン「ミカサも女王様じゃないだろ?」

ミカサ「気にしたらダメ」

エレン「そう言われたら、逆に気になるな」

アルミン(一応、フォローしてあげようかな)

アルミン「詳しい事は後で説明するけど、クイーンは一番強い駒なんだ。だから、現状、総合成績一位のミカサで丁度いいと思うよ」

ミカサ「流石アルミン、よくわかってる」


28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:24:33.41 ID:hx44DY1Y0

アルミン「加えて、クイーンがミカサなら、自然とキングがエレンになるんじゃないかな?」

エレン「俺とミカサは夫婦じゃないぞ」

アルミン「でも、家族だよね?」

エレン「納得した」

コニー「家族なら仕方ねぇな」

サシャ「はい。キングはエレンに譲ります」

ミカサ「アルミン。私はアルミンが親友である事を心より誇りに思う」

アルミン「言葉の裏に隠された意味は至極単純な下心でも、そう言われて嬉しいよ」


30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:29:04.41 ID:hx44DY1Y0

サシャ「塔みたいなのと三番目に大きな駒は、私とアルミンになりますね。どっちがいいですか?」

アルミン「僕の方が身長は低いから、塔の方でいいよ」

サシャ「では、私がこちらのビショップですね」

アルミン「今までの事を簡易黒板に書いてみると、こんな感じになるね」

コニー「俺がポーンで、ジャンがナイトか」

サシャ「私がビショップで、アルミンがルークです」

エレン「そんでもって、俺がキングで、ミカサがクイーンだな」

ミカサ(私とエレンが添い遂げた……)

アルミン(ミカサがなにを考えているのか、手に取るようにわかってしまう……)


31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:32:21.20 ID:hx44DY1Y0

アルミン「じゃあ、黒板を一度隠して問題だよ。この駒の名前は?」

コニー「俺!」

アルミン「えっ、あっ、うん。そうだけど、駒の名前は違うよね?」

エレン「なに言ってんだ? コニーはコニーだろ? ど忘れしたのか?」

サシャ「アルミンも物忘れがあるんですね」

コニー「ひでぇな。俺はコニー・スプリンガーだぞ。もう忘れんなよ」

アルミン(教え方を間違えちゃったかな。……まっ、いいか)

アルミン「うん、そうだったね。うっかりしてたよ、ごめん」


32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:36:31.25 ID:hx44DY1Y0

エレン「アルミンは謝ったし、許してやってくれよ、コニー」

ミカサ「私からも謝ろう」

コニー「いいぞ。俺は心が広い男だからな」

アルミン「ありがとう。じゃあ、次はこの駒」

サシャ「ミカサです!」

アルミン「あってるよ。次はこれ」

ミカサ「エレン」

アルミン「流石の即答だね。順番的に、次はエレンに答えて貰おうか。これは?」

エレン「サシャだな」

アルミン「正解。そしてこれが僕で、こっちがジャン。みんな、駒の名前は大丈夫そうだね」

コニー「完璧だぜ」

サシャ「問題ありません」

エレン「だな」

ミカサ「エレンと同意見」

アルミン「じゃあ、駒の動かし方とルールを順に説明するね」


33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:39:03.63 ID:hx44DY1Y0

説明中


アルミン「コニーはこんな感じで進むからね」

コニー「俺は前にしか動けないのか? 一番奥にぶつかったら身動きが取れねぇぞ」

アルミン「そうだね。だから、コニーだけは昇格出来るんだよ」

コニー「昇格?」

アルミン「うん。最終列に到達したら、ミカサ、ジャン、サシャ、僕のどれかに駒を交換するんだ」

コニー「俺はいなくなるのか……」

アルミン「ドンマイ」


34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:41:15.21 ID:hx44DY1Y0

説明中


サシャ「私は同じ色のマスしか踏めないんですね」

アルミン「駒の特性上、そうなるね」

サシャ「残念です。でも、いつの日か、黒ばかり踏んでいる私が白の上に立つ事も……」

アルミン「絶対にないよ」


36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:46:42.86 ID:hx44DY1Y0

説明中


アルミン「と、ジャンがこの位置なら、エレンは負けてしまうね」

エレン「俺がジャン相手に手も足も出せず……」

ミカサ「そのために私がいる。何人もエレンに触れる事は許さない」

アルミン「見方次第じゃ、全員でエレンを守るゲームだからね。ただ、リアルですると危ないから、止めようか」

ミカサ「気を付ける」

エレン「?」


37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:50:02.30 ID:hx44DY1Y0

説明後


アルミン「まぁ、説明はこんな感じだね。みんな、覚えられたようでよかったよ」

エレン「腕がプルプルする……」

サシャ「コニーが何十回も間違えるから……」

ミカサ「五百回以上、逆立ち腕立て伏せをした」

コニー「ごめん……」

エレン「二人共、あまりコニーを責めるなよ。俺だって何回かは間違えちゃったしな」

サシャ「そう言われると、私も間違えていましたね。ごめんなさい、コニー」

ミカサ「悪かった。エレンの腕が小鹿の脚のように震えているのを見て、冷静じゃいられなかった」


38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:51:37.16 ID:hx44DY1Y0

アルミン「仲直りできたようだね。良かったよ。じゃあ、今日はそろそろ休もうか」

エレン「明日も普通に訓練はあるからな」

サシャ「寝て体力を回復します!」

コニー「じゃあ、また明日な」

ミカサ「お休み」

エレン「おう」


39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:54:39.37 ID:hx44DY1Y0

翌日(訓練後)


エレン「さて、昨日の続きをするぞ」

愉快な仲間たち「おー!」

クリスタ「おー!」

ユミル「なんで私まで……」

クリスタ「ほら、ユミルも」

ユミル「……おー」


40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 01:57:52.45 ID:hx44DY1Y0

アルミン「今日はクリスタとユミルも参加するんだね」

クリスタ「だって、楽しそうだもん」

ミカサ「二人は、チェスの事をどこまで知っているの?」

ユミル「普通に対戦するくらいなら、支障はねぇよ」

クリスタ「私も同じくらいかな」

アルミン「普通とはちょっと違うけど、二人ならすぐ覚えられるよ」

クリスタ「? どういう事?」

アルミン「すぐにわかるよ。みんな、昨日はルールを覚えたし、実際にやってみようか」


41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:02:09.79 ID:hx44DY1Y0

コニー「サシャ、勝負だ!」

サシャ「受けて立ちましょう!」

エレン「俺はミカサとやるか」

ミカサ「喜んで」

アルミン「クリスタとユミルは、最初見学してて。僕が説明するから」

ユミル「特殊ルールでも作ったのかよ」

アルミン「ルールは一緒なんだけどね」


42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:05:40.44 ID:hx44DY1Y0

コニー「いけっ、俺!」

サシャ「私のコニーは強いですよ!」

ユミル「は? なんでポーンをコニーって呼んでんだ?」

エレン「うーん。ここはジャンを進めるか」

ミカサ「そのジャンは、私の私が削ぐ」

エレン「げっ。ミカサの行動範囲内だったのかよ……」

クリスタ「クイーンはミカサで、ジャンがナイト?」

アルミン「エレンと愉快な仲間たちに駒の名前が変わったんだ。ちなみに、僕はルークで、サシャがビショップ、そしてエレンがキングだよ」


43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:12:08.67 ID:hx44DY1Y0

クリスタ「いいなぁ。どうせなら、私も駒に名前を付けて欲しかったな」

ユミル「そうか?」

クリスタ「だって、仲間外れっぽいから……」

アルミン「そうだなぁ……なら、ジャンを解雇にして、クリスタをナイトにしよう」

クリスタ「いいの? ありがとう!」

アルミン(至近距離で浴びるクリスタの笑顔……もう死んでもいいや)


44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:15:33.57 ID:hx44DY1Y0

クリスタ「どうかしたの?」

アルミン「な、なんでもないよ! みんな、ちょっと中断して僕の話を聞いて」

エレン「なんだ?」

アルミン「この駒、ジャンって呼んでたけど、クリスタに変えようか」

コニー「なんでだよ。ジャンで馴染んじゃったぞ」

サシャ「ですね。もうジャンの顔にしか見えませんし」

アルミン「いや、僕たちは大事な事を忘れていたんだ。訓練兵の中で、馬術が一番上手い人は誰かをね」

エレン「はっ! クリスタだ!」

アルミン「その通りだよ」

サシャ「不思議とジャンではなくて、クリスタに見えて来ました」

コニー「俺もだ」

アルミン「問題なさそうだね。じゃあ、続きを始めていいよ」


46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:19:38.44 ID:hx44DY1Y0

クリスタ「無理を言ってごめんね」

アルミン「そんな事ないよ。ほら」

エレン「早速だけど、ミカサのクリスタは貰うぞ」

ミカサ「クリスタを倒したエレンの私は、私のアルミンが削ぐ」

エレン「しまった!」

アルミン「ね? もう馴染んだよ」

ユミル(言葉だけ聞くと、かなりややこしいけどな。いや、クリスタの名前が入る前からか)

クリスタ「うん。ありがとう、アルミン」

アルミン「どういたしまして」


47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:23:26.26 ID:hx44DY1Y0

クリスタ「でも、ジャンに悪い事しちゃったな……」

アルミン「ジャンは僕らが勝手に名付けたから、むしろ知られる前に変わって良かったよ。本人は絶対に怒るだろうし」

クリスタ「そうなの?」

アルミン「うん」

クリスタ「なら、少し安心した」

ユミル「普通と違うのは、駒の名前だけだろ? じゃあ、私らもやるぞ、クリスタ」

クリスタ「いいよ」

エレン「あっ、ユミルはアルミンと組んでくれ」

ユミル「なんでだよ」

ミカサ「いいから」

アルミン(僕が告白したって勘違いは、いい加減忘れて欲しいなぁ。いくら説明しても、聞いてくれないし……)


48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:28:35.82 ID:hx44DY1Y0

クリスタ「私が余っちゃうよ……」

エレン「なら、俺と一緒に考えてくれ。ミカサ、強いんだよ」

クリスタ「うん、わかった」

ユミル「……仕方ねぇ。おい、やるぞ」

アルミン「う、うん」

アルミン(まぁ、所詮チェスだし、気楽にやろうかな)

ユミル「最近、お前の幼馴染どもは何考えてんだ? 事ある毎にクリスタと離れさせやがって」

アルミン(ユミルの愚痴を聞きながら……)


50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:33:05.27 ID:hx44DY1Y0

チェスを始めて数日後


エレン「くっそー! またサシャに負けた!」

コニー「負け犬ハウスへいらっしゃい」

クリスタ「次は私だよ、サシャ」

サシャ「クリスタもリベンジですか? いいでしょう。相手になります」

ミカサ「エレン、次は私と――」

エレン「やだよ。今度はコニーとやる約束してるし」

ミカサ「……」

コニー「エレン、今日こそどっちが強いかはっきりさせようぜ」

エレン「望むところだ」


51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:34:54.74 ID:hx44DY1Y0

ミカサ「……」

ジャン「ミ、ミカサ、暇なら俺が相手を……」

ミカサ「……わかった」

ジャン「ほ、本当か!?」

ミカサ「機嫌が悪い。ので、瞬殺する」

ジャン「……え?」

マルコ(ドンマイ、ジャン)


52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:40:25.85 ID:hx44DY1Y0

アルミン「意外だったよ。まさか、サシャがクリスタよりも強くなるなんて。チェック」

ユミル「クリスタは、思考が単純な馬鹿と紛れもない馬鹿とは、違った意味で馬鹿だからな」

ユミル「その点、芋女は奇抜な手で攻めて来るから、私でも時々危うくなる……くそ、この手しかない」

アルミン「勘って恐ろしいよね。僕も、サシャとやって何度も驚かされたよ。チェック」

ユミル「……参りました」

アルミン「うん。八手前のサシャが惜しかったと思うよ。あそこはクリスタを動かすべきだったかもね」

ユミル「余裕だな、腹立たしい」

アルミン「こういう戦いで負けると、僕のアイデンティティがなくなるからね。死に物狂いだよ」

ユミル「よく言う」


53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:42:47.11 ID:hx44DY1Y0

キース「やってるようだな」

アルミン「きょ、教官!?」

一同「!?」

キース「立たなくてもいい。楽にしていろ」

アルミン「どのようなご用件でしょうか?」

キース「一部の訓練兵の間でチェスが流行っていると聞いた。だから少し様子を見に来ただけだ」


54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:44:39.92 ID:hx44DY1Y0

エレン「教官!」

キース「なんだ?」

エレン「恐れながら、お願いがあります」

キース「言ってみろ」

エレン「はっ。ぜひとも自分と勝負して頂きたいのですが」

アルミン(流石エレン。怖いもの知らずだ)

ジャン(馬鹿だろあいつ……あっ、最近は本気で馬鹿になってたな)


55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:46:13.85 ID:hx44DY1Y0

キース「ほう。私とか」

エレン「はい。聞けば、教官もチェスを嗜んでおられるとの事ですので」

キース「よかろう。相手をしてやる。だが、手加減はせんぞ」

エレン「そのような事は望みません。全力でのお相手を宜しくお願いします」

キース「後悔はさせん」

エレン「ありがとうございます!」


56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:48:41.43 ID:hx44DY1Y0

コニー「イェーガー訓練兵の後は、自分もお願いします!」

サシャ「私もよろしいですか?」

クリスタ「その……わ、私も!」

ユミル(クリスタもやるのか!?)

キース「順に相手をしてやる」

三人「ありがとうございます!」

キース「イェーガー。始めるぞ」

エレン「はっ!」


57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:53:12.31 ID:hx44DY1Y0

数分後


エレン「……参りました」

キース「攻撃が単調、視野が狭く、守備まで頭が回っていない。蓄えられているはずの知識も、無駄になったな」

キース「更に、自陣の駒が減ると感情的になり、無理な攻めを仕掛ける。そんな事は、愚の骨頂だ」

キース「ここ数日、貴様はなにをしていた? 駒でお手玉でもしていたのか?」

エレン「言葉もありません……」

キース「全てのレベルが低い。一から出直せ」

エレン「はっ。鍛えて直し、再度挑みたいと思います!」

コニー「次は自分です」

キース「貴様が一番の心配の種だ。少しは出来るようになったのか、実際に体験して判断してやる。こい」

コニー「はっ!」


58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:55:23.84 ID:hx44DY1Y0

数分後


コニー「参りました」

キース「全然なっていない。イェーガーと同等か、それ以下だ」

コニー「その通りです……」

キース「貴様も一から出直せ」

コニー「はい」


59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:57:13.12 ID:hx44DY1Y0

キース「……しかし、貴様とこうしてチェスをする日が来るとは思ってもいなかった。その点は評価しよう」

コニー「教官……」

キース「この調子で励め。真面目にやっていれば、いずれ座学にも成果は出るだろう。怠るな」

コニー「はい!」

サシャ「今度は私のお相手、お願いします」

キース「座れ」

サシャ「はっ!」


60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 02:59:33.63 ID:hx44DY1Y0

十数分後


サシャ「参りました」

キース「予想外だったぞ、ブラウス。貴様があそこまで私を追い詰めるとはな」

サシャ「? 私が教官を追い詰めていたのですか?」

キース「……まさかとは思うが、適当に駒を動かしていたのではないだろうな」

サシャ「す、すみません! 定石はまだ覚えておりませんので、ほとんど勘で……」


61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:01:57.57 ID:hx44DY1Y0

キース「まぁいい。その勘の鋭さが貴様の持ち味だ。しかし、だからと言って基礎を疎かにしていいわけではない」

サシャ「はい……」

キース「基礎を固めれば、より一層、貴様の勘が有効なものとなる。どんな状況下でも、考える事を放棄するな。わかったか」

サシャ「はっ!」

クリスタ「こ、今度は私のお相手を……」

キース「レンズか。いいだろう。始めるぞ」

クリスタ「よろしくお願いします!」


62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:03:56.73 ID:hx44DY1Y0

十分前後


クリスタ「参りました……」

キース「貴様の実力はブラウス以下だ。駒の動かし方から察するに、前の三人よりも慣れているようだがな」

クリスタ「齧る程度ですが、以前、少しだけ」

キース「やはりそうか。しかし、駒を捨てる事に躊躇いがあり過ぎる。余計な動きばかりで、結局周りも道連れだ」

クリスタ「……」

キース「これが戦場であれば、貴様の迷いで、大勢の仲間も巨人に食われていただろうな」

クリスタ「申し訳、ありません……」


63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:06:13.45 ID:hx44DY1Y0

キース「レンズ。貴様は優しいのだろうが、今のままではただの偽善だ。切り捨てる事の大切さを知れ」

クリスタ「……はい」

キース「――万が一」

クリスタ「?」

キース「万が一だ。貴様が本当の優しさを得た時、クリスタ・レンズは大きく成長しているだろう」

キース「兵士としても、一人の人間としても」

クリスタ「もっと……もっと私は立派な人間になれるよう、努力します。ご指導、ありがとうございます!」

キース「期待している」

クリスタ「はい!」


64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:12:45.18 ID:hx44DY1Y0

ミカサ「……」

キース「次は貴様か、アッカーマン」

ミカサ「お手合わせ、お願いします」

ミカサ(このハゲは、エレンだけいい点を口にせず、ただ貶していた)

ミカサ(許さない。全力で削ぎ潰す)

アルミン(向上心の塊のエレンには、なにも言う必要がなかっただけだよ、って言いそびれちゃった……)

アルミン(エレンは放っておいても力を身に付けるからね。もっと言えば、エレンはそれだけ教官に信頼されてるって事なんだよ、ミカサ)

キース「いい目をしている。少しは楽しませて貰おう」


65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:27:26.29 ID:hx44DY1Y0

数十分後


ミカサ「くっ……ま、参りました」

キース「流石、と言っておこう。たかが数日で、ここまでやるとはな」

ミカサ(負けてしまった……。エレン、ごめんなさい)

キース「素人の域はすでに軽く超えている。しかし、詰めが甘い」

キース「私が隠していた罠に最後の最後で引っ掛かったのが、いい証拠だ」

ミカサ「不覚でした。今度は完全に削ぎ落せるよう、努めます」

キース(削ぎ落す?)

キース「そ、そうか。とにかく、貴様は多くの経験を積め。体験した一つ一つが血肉となる」

ミカサ「わかりました」


68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:29:18.51 ID:hx44DY1Y0

アルミン(みんなはやらないの?)

ジャン(ミカサの仇は取ってやりたい。けど、勝てるわけないだろ。ダメ出しされて終わりだ。だから俺はパス)

ユミル(同感)

マルコ(僕はやってみたいけど、実力不足は明白だからね。今は止めておくよ)

アルミン(そっか。なら、僕がやらせて貰うね)

アルミン「教官。自分ともお願いします」

キース「アルレルトか……わかった。座れ」

アルミン「はっ」


69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:32:00.61 ID:hx44DY1Y0

ユミル(アルミンか。こいつは面白そうなカードだ)

ジャン(どっちが勝つと思う?)

エレン(アルミンに決まってんだろ)

ジャン(俺は教官だ。アルミンが負けたら、百回まわって犬の遠吠えしろよ)

エレン(アルミンが負けるわけねぇ。覚悟しとけ、言いだしっぺ)

ジャン(お前がな)


70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:34:42.84 ID:hx44DY1Y0

ミカサ(私はアルミン)

コニー(じゃあ、俺もアルミン)

クリスタ(私もアルミンを応援する!)

サシャ(うーん……私は教官が勝つと思いますね)

エレン(なんだよ、サシャも仲間を応援しないのか?)

サシャ(アルミンを応援はしますけど、勝つのは教官のような気がしましてね)

マルコ(僕も教官が勝つと思うな)

ユミル(教官に一票)

エレン(仲間を信じられねぇやつらは、あとで遠吠えしろよ)

クリスタ(罰ゲームはなくてもいいと思うけどね)

ミカサ(みんな、静かに。始まる)


71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:36:16.63 ID:hx44DY1Y0

十数分後


アルミン「……」

キース「……」

アルミン「……」

キース「……」

アルミン「チェックです」

キース「これでどうだ?」

アルミン「やはり、簡単には行きませんね」

キース「当然だ」


72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:39:26.44 ID:hx44DY1Y0

コニー(……なぁ、あれってチェスなのか? なにやってんのかさっぱりわからねぇんだけど、それって俺が馬鹿なせいじゃねぇよな?)

エレン(俺もよくわからねぇ。なんで、あんなとこに置いてた教官のサシャが、あんなに有効活用されるんだ?)

サシャ(アルミンもですよ。変なところにあったアルミンのクリスタが、一気に教官のエレンを射程圏内に入れましたし)

ジャン(相変わらず、アホみたいな会話してるな、お前ら。駒の名前くらい、ちゃんと覚えろよ)

エレン(うるせぇぞ、元ナイト)

コニー(クビになった分際で偉そうだな、元ナイト)

サシャ(クリスタに地位を奪われたからって、僻まないで下さい、元ナイト)

ジャン(……俺は今、貶されたのか?)

マルコ(さあ? そうなんじゃないかな?)


74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:43:20.44 ID:hx44DY1Y0

更に数十分後


アルミン「……」

キース「……」

エレン(二人共、長考が増えて来たな)

ミカサ(一手でもミスをした方が負ける。だから慎重にもなる)

エレン(ミカサはどっちが優勢なのか、わかるか?)

ミカサ(状況から察すると、アルミンの方がほんの僅かな差で優勢……だと思う)

エレン(曖昧だな)

ユミル(正直なとこ、もう私やミカサでもどっちが勝つかわからねぇ。それくらい高度な勝負をしてんだよ)

エレン(そうなのか……)


75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:45:32.46 ID:hx44DY1Y0

アルミン「……っ!」

エレン(ん? アルミンが一瞬表情を変えたぞ)

ジャン(勝負ありって事だ)

マルコ(みたいだね)

キース「まだ続けるか?」

アルミン「……いえ、自分の負けです。参りました」

エレン「どうして止めるんだよ、アルミン。まだ俺は囲まれてすらいないだろ?」

キース(俺? イェーガーはなんの話をしているんだ?)

アルミン「今はね。あと、十六手先で、僕は詰みだよ」

コニー「そうなのか?」

サシャ「私に聞かれても、答えられるわけないじゃないですか」


76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:48:19.81 ID:hx44DY1Y0

キース「アルレルト、貴様の頭脳には心底驚かされる」

キース「短期間で今ほどの実力とはな。チェスに関しては、末恐ろしささえ覚えた」

アルミン「いえ、負けは負けです。自分の実力が不足していた証拠」

キース「謙遜する事はない。昔、ピクシスとやっていた時を彷彿させられたほどだ」

ジャン「ピクシス……もしかして、ドット・ピクシス司令官の事でしょうか?」

キース「そうだ。今のところ、やつには負け越しているがな」

マルコ「教官はピクシス司令官とお知り合いだったのですね」

キース「これでも私は、調査兵団の団長を任されていた身だ。それなりに繋がりはある」

エレン「……」

ジャン「調査兵団団長……噂では聞いていましたが、やはりそうでしたか」


77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 03:57:45.02 ID:hx44DY1Y0

キース「……少々余計な事を口にしてしまったな。もう私に挑む者がいなければ、終わりにするが?」

マルコ「自分はまだ教官の足元にも及びません。ですが、納得出来るようになれば、挑みたいと思っております。よろしいでしょうか?」

キース「構わん。その時を待っておこう。他の者もな。では、私は行くぞ」

エレン「あ、あの!」

キース「なんだ?」

エレン「自分は、団長だった頃の教官を見た事があります!」

キース「……」

エレン「……自分はウォールマリアが壊される前から、調査兵団に憧れていました」

エレン「超大型巨人が現れた日も、アッカーマン訓練兵と、帰還した教官たちを眺めていました」

キース「要領を得んな。なにが言いたい?」


78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 04:01:17.64 ID:hx44DY1Y0

エレン「その……もし、もしもですが、あの日、民衆の前で頭を下げなければいけない状況を作った事を――」

エレン「いえ、団長であった事を少しでも悔いているのでしたら、知っていて欲しい事があります」

キース「……」

エレン「自分は、教官のあの姿を尊敬しております!」

エレン「心が折れかけて、教官自身、感情を抑え切れなかっただけかもしれません」

エレン「ですが、罵られようとも、物を投げられようとも、責任を誰かに押し付けず、一人で負った教官は凄いと思います」

エレン「えっと、自分でも何言ってるか、よくわからなくなってきましたけど……少なくとも一人は団長であった教官に憧れ続けています!」


79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 04:06:00.85 ID:hx44DY1Y0

キース「……そうか」

エレン「は、はい」

キース「エレン・イェーガー」

エレン「はい」

キース「……感謝する」

エレン「……はい!」

キース「私は教官室に戻る。明日の訓練の支障がない程度で、お前たちも切り上げておけ」

エレン「ご指導、ありがとうございました!」

一同「ありがとうございました!」


80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 04:07:57.00 ID:hx44DY1Y0

教官室


キース「憧れ続けている、か……」

キース(ただでさえ、民衆の支持率が低かった調査兵団の信用を、更に下げたこの私を……)

キース「全く、目が眩むほど真っ直ぐな眼差しを向けられるとはな」

キース「……エレン・イェーガー。決して、お前を私のような無能にはしない」

キース「イェーガーだけではない。訓練兵、全てが立派に戦えるよう、育てて見せる」

キース「それが私に出来る、無二の礼だ」

キース「……」

キース「……」

キース「……外から聞こえた遠吠えは、今回だけ見逃してやる、イェーガー、アッカーマン、スプリンガー、そしてレンズ」


82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 04:12:59.91 ID:hx44DY1Y0

翌日(朝食時)


エレン「あれ? こんなのあったか?」

コニー「どうしたんだ?」

エレン「いやな、ちらっとチェスの方見たら、こんな本があってな」

サシャ「中級者用、上級者用、それに超上級者用のチェスの本がそれぞれ一冊ずつですか」

ミカサ「かなり詳しく書かれている。最初からあった、薄い本とは比べ物にならない」

アルミン(教官の、だろうなぁ。ほんと、人は見かけによらないよね。こんな風にさり気なく気を遣ってくれるんだから)

アルミン「じゃあ、今度はその本を使って、みんなで勉強してみようか」

エレン「わからないところがあったら教えてくれよ」

アルミン「色々覚えて、教官に一度は勝たないとね」

エレン「当然だ。訓練兵であるうちに、一勝以上してみせるからな!」

アルミン(きっと、教官にとって最高の恩返しになると思うよ、エレン)


83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 04:15:29.76 ID:hx44DY1Y0

頑張れベルトルさん!


ライナー「……」

アニ「……」

ベルトルト「……」

ライナー「チェック」

アニ「……参りました」

ベルトルト「……」

ライナー「これでまた勝ち数が並んだな」

アニ「私が二連勝すればいいだけ」

ベルトルト(みんなと一緒にやりたいからって始めたのに、二人で熱中してどうするんだよ……)


84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 04:17:53.77 ID:hx44DY1Y0

終わり

キース教官を書こうと思って、最初はアームズのキースシリーズ的な感じでやってたけど、オチが思い浮かばず断念
キース・バイオレットの教官(女)を想像して、僕は微笑んだ
お疲れさまでした


87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/16(日) 04:19:30.61 ID:pWAu9C0qo


キース・ブルーが一番好きだった



元スレ:キース「私が、実は訓練兵に優しいという風潮、か……」

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