1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:25:24.14 ID:7dngkdO10

短編です



アルミン「エレン、今日は休日だけどまた自主訓練するの?」

エレン「ん? ああ、そのつもりだ」

アルミン「たまにはしっかり休んだほうがいいよ? 体を壊しちゃったら元も子もないし」

エレン「つってもまだミカサに追いつくには遠いしなあ……そうだ、それならこの機会に座学の復習でもするかな」

アルミン「それは休むって言わないよエレン……たまには町に遊びに行って羽でも伸ばしてきたら?」

エレン「えー……アルミンは今日何するんだ?」

アルミン「僕は本でも読んでゆっくりするつもりだけど」

エレン「一人で町に行ってもなあ」

アルミン「ならミカサでも誘ったら? うん、それがいいよ!」

エレン「ミカサを?」

アルミン「さあ善は急げだ。ほらほら、ミカサを誘って二人で町にいってきなよ。あ、財布持った?」

エレン「分かった、分かったから押すなって。ちゃんと財布は持ってる」

アルミン「それなら大丈夫だ。行ってらっしゃいエレン、ごゆっくり」

エレン「ああ、また後でな……何かアルミンのやつ、最近やたら俺とミカサを二人にしようとするな。まあいいや、女子寮に行くか」


3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:28:17.61 ID:7dngkdO10

エレン(……と思ったがよく考えると)テクテク

エレン(ミカサのやつ、いつも俺に引っ付いて世話焼いてるよな)テクテク

エレン(頼んでないとはいえ……たまの休日くらい、あいつも一人で自由に過ごしたいんじゃねーか……?)

エレン(うん、そうだな。たまには気を使ってやるか)

エレン「……やっぱ町には一人で行くか」



「エレン、町へ行くんですか?」



エレン「うぉっ」ビクッ

エレン「……ってサシャか。ビックリさせんなよ」


4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:29:10.46 ID:7dngkdO10

サシャ「あはは、考え事をしていたようなので気を使ったんですよ?」

エレン「は、そりゃどーも」

サシャ「それで、エレンは今から町に行くんですか?」

エレン「ああ、そのつもりだ」

サシャ「ちょうど私も行くところだったんですよ! よかったら一緒に行きませんか?」

エレン「サシャとか?」

エレン(サシャのことだから食べ歩きだろうな……まあリラックスは出来そうだし、それでいいか)

エレン「よし、じゃあ一緒に行くか」

サシャ「はい! ぐっふっふ……エレンには私のイチオシの食べ物を案内してあげますよ……」

エレン「清々しいほどに予想通りだなお前……」


5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:29:50.38 ID:7dngkdO10

サシャ「はい? 何か言いました?」

エレン「いや、それじゃあ行こうぜ。俺はあんま町に出ないから、案内頼むな」

サシャ「お任せ下さい! 正直、自信ありです!」ムッフー

エレン「あー頼もしい頼もしい」

サシャ「さあ行きましょう! 始めはタイヤキという変わった食べ物からですよ」ギュ

エレン「? おい、自分で歩けるから手離せよ」

サシャ「ほらほら、早く歩いてください!」ズンズン

エレン「ったく……」


6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:30:31.10 ID:7dngkdO10

サシャ「いやあ、相変わらず賑わってますねえ」

エレン「大通りだからな……手離せって」

サシャ「そんなに恥ずかしがらないで下さいよ。はぐれないようにしてるだけなんですから」ニッコリ

エレン「俺は子供かっての。大体恥ずかしいなんて……」

エレン(そういやサシャ、私服だな。休日だから当たり前だけど……)

サシャ「もうすぐですよ。確かここら辺に屋台が……」

エレン(普段意識しねえけど、何かこんな格好してるとちょっと……)

サシャ「あ、ありましたよエレン! ……エレン? どうかしましたか?」

エレン「え!? あ、ああいや、何でもない」


7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:31:22.18 ID:7dngkdO10

サシャ「? そうですか?」

エレン「ああ、ただ……その、何だ。その服、似合ってるなと思って」

サシャ「……え?」

エレン「……」

サシャ「そ、そんなこと言われても……ふ、普通の私服ですよ?」

エレン「別に……ちょっと女の子っぽくて可愛いなって、そう思っただけだ」

サシャ「お、女の子っぽくて、可愛い……って」

エレン(ぐ……何か恥ずかしいこと言っちまった気がする)

サシャ「ええと…………」

エレン「…………あー」

サシャ「……その、ありがとうございます」

エレン「あ、ああ……いや……よし! そのタイヤキってヤツの店はどこにあるんだ?」

サシャ「あ、あそこですよ! 凄くいいにおいがするんです!」

エレン(……何とか話は変えられたか?)


8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:32:12.99 ID:7dngkdO10

エレン「へえ、あれか。何か、変わった形だな」

サシャ「何でも鯛という魚を象った伝統の形なんだそうですよ。中にはあんこっていう甘い物が入ってるんです」

エレン(結構安いな……試しに買ってみるか。どうせサシャも買うだろうし)

エレン「ってあれ? サシャ、買わないのか?」

サシャ「う……それが、もう今月のお給金は使い果たしてしまって……」

エレン「使い果たしたって……全部か? なんでそれで町に来てんだよ」

サシャ「においを頑張って嗅いで、夕食の時のオカズにしようと……」

エレン「せっかくの休みをそんなんに使っていいのかお前は……って俺が言うのもなんだけどな。まあいいか、ちょっと待ってろ」スタスタ



エレン「すいません、これ2つ下さい……はい、ありがとうございます」


9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:33:11.02 ID:7dngkdO10

エレン「……ほら、1つやるよ」スッ

サシャ「エレン……でも、いいんですか?」

エレン「普段あんま金使わないからな、少しは余裕あるんだ。いいから食えよ」

サシャ「でも……」モジモジ

エレン「? なに遠慮してんだ? らしくねえぞ」

サシャ「……」モジモジ

エレン「あー……それなら、案内料ってことでどうだ?」

サシャ「……案内料ですか?」

エレン「ああ、俺はあんま町で遊ばないからな。今のタイヤキ屋みたいな場所を教えてくれたお礼だ」

サシャ「それなら……うう、でも」

エレン「? 本当にどうしたんだお前」


10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:34:05.82 ID:7dngkdO10

サシャ「……あの、エレンは大食いの女の子ってどう思いますか?」

エレン「大食い?」

サシャ「……」モジモジ

エレン「それってサシャのことか?」

サシャ「い、いえ! 一般論、一般論として……やっぱり、あまり女の子らしくはありませんよね」

エレン「一般論は知らねえけど……」

エレン「……まあ、少なくとも、サシャが美味そうに飯を食ってるのを見るのは結構好きだな」

サシャ「!? そ、そうですか……」

エレン「ああ」

サシャ「それなら、ありがたくいただきますね」

エレン「そうだな、せっかく熱々なんだから早く食べようぜ」


11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:35:55.11 ID:7dngkdO10

エレン(何だか変な感じだった)

エレン(サシャがあんな風に食べ物に関して遠慮することなんて初めて見た)

エレン(まるで、俺が柄にもなく女の子っぽいなんて言ったからサシャ自身も意識しちまったみたいな……まさかな)

エレン(……おかしいのはサシャだけじゃない)

エレン(サシャがいつもの制服じゃない……まるで、普通の女の子が着るような服を着ていて)

エレン(多分そのせいで……自分が女の子と二人で町を歩いていることを意識してしまっていた)

エレン(そうなると何故だか……普段のような軽口を叩けなかった)

エレン(それはサシャも同じなのか、会話はほとんどなかった)

エレン(ぽつりぽつりと話しながら……タイヤキを買うときには離していた手を、いつの間にかにまた繋いでいた)

エレン(タイヤキの他にも、サシャの案内で色々な店を見て回る間も)

エレン(段々太陽が落ちてきて夕暮れになって、大通りも人が少なくなってきた。だからもう、はぐれる心配なんてないのに)

エレン(俺もサシャも、握った手を離そうとはしなかった)


12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:38:38.26 ID:7dngkdO10

サシャ「そろそろ、帰らなくちゃいけない時間ですね」

エレン「ああ、そうだな。日も暮れたし、夕飯の時間に遅れちまう」

サシャ「今日はありがとうございました。色々買ってもらっちゃって」

エレン「案内料なんだから、気にすんなって言ったろ?」

サシャ「いえ、サシャ・ブラウスの名にかけて、お返しは必ずします!」

エレン「名にかけてって、大げさだな。俺も初めて見る美味しいもん色々食えたし、楽しかったんだからそれで本当に十分だって」

サシャ「そういう訳には行きません。ですから……今度、私の給金が出るまで待っていてください」

エレン「給金?」

サシャ「はい。それで……エレンが良かったら、ですけども」



サシャ「今度は私がお金を出しますから……また、デートしましょうね」


14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:40:00.30 ID:7dngkdO10

エレン(これはデートだったのか? と)

エレン(そう言おうとして……やめた)

エレン(サシャと一緒に町を気ままに食べ歩きする休日が楽しかったのは、本当だから)

エレン(だから俺は、頷いて言った)



エレン「じゃあ、次回はありがたく奢られてやるけどな」

エレン「……その次のデートはまた、俺が奢るからな」


15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:40:59.41 ID:7dngkdO10

サシャ「あ……な、なら!」

サシャ「次の次の次は……私が奢ります!」

エレン「じゃあ次の次の次の次は……」



エレン(そうして、俺たちは次の次のと何度も繰り返しながら帰り道を歩いた)

エレン(サシャと繋いだままだった手を、ライナー達に見られてからかわれるのはまた別の話だ)

エレン(サシャとの二回目以降のデートや、その時にあった色々な騒動もまた、別の話だ)

エレン(けれど……)


16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:47:12.43 ID:7dngkdO10

ミカサ「エレン……」

ミカサ「今日どこに行っていたのかを詳しく説明して欲しい」

ミカサ「私が一日兵舎中を探しても見つからなかった」

ミカサ「詳しく……詳細に教えて欲しい」

エレン「だから……サシャと町に遊びに行ってたんだって」

ミカサ「? 何故?」

エレン「何故って、お前なあ……いい加減夕飯食わせろよ」

サシャ「あの、ミカサ……私もお腹が減ってて……」

ミカサ「何故?何故?何故?何故?何故?」



エレン(時々物分りがやたら悪くなる、この幼馴染を相手にするのは、別の話では済ませられそうにない)


17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/18(火) 22:48:01.62 ID:7dngkdO10

終わりです、ありがとうございました



元スレ:サシャ「デートしましょうね」エレン「デート?」

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