2009年07月05日

草地豊子集

「セレクション柳人」(番外編)の草地豊子集が
出た。初期から現在までの約500句が、ほぼ
年代順に収められている。何編かの散文もあり、
草地豊子の独特の世界を知ることができる。
草地さんの句は、派手ではないが目立つ。
簡単のようだが奥が深い。
難しそうだが、感動として伝わる。
眺めている方向も広いというより、
多面で球体のようである。
言葉の組み立て方や転がし方が上手い。
じっくり何度も味わってみたい。

とりあえず、チェックした触りを数句あげる。

紙たしてたしてキリンの首を描く

黙すとき舌は正しい位置にある

春の宵ボールが来れば打ち返す

図書館でひっそり閉じている毛穴

グラジオラス足を閉じると倒れそう

吸盤を閉じて流れていった父

パン粉つけてしまえば誰か判らない


天根夢草さんと樋口由紀子さんの評論がまた
草地豊子を理解するとてもよいガイドである。

今日は玉野で草地さんも選者だったはず、
是非、選を受けたかったが、参加できず残念。


ssm51 at 22:07│Comments(2)TrackBack(0) 句集 

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この記事へのコメント

1. Posted by 菜々子   2009年07月08日 13:58
 このところの蒸し暑さ、私の不快指数も100パーセントを超えました。
 草地豊子さんの素敵な作品に思わず心を洗われています。さらさらさらっと流れるような表現の奥からドスンと心を打つ作者の個性を感じます。

・パン粉つけてしまえば誰か判らない

 昨晩夕食は鰺のフライをしましたがこういう表現力は私のカチカチ頭からは湧いてこず(ーー゛)。
2. Posted by マル   2009年07月08日 21:51
菜々子さん
どうもです。
草地さんの世界は広くて深いと思います。何を食べるとそんな風になるのかわかりませんね。そういう問題じゃないか。

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マル

川柳をやってます。
川柳は金もかからず、金にもならないのが魅力です。
短詩系や文芸全般にも興味はあります。

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