2017年11月16日

 瀬戸市文芸展作品集「窯火」より (詩)

「ロボット家族」
掃除ロボ買った、あの家もこの家も
料理ロボも、育児ロボも、お使いロボも、
教育ロボも買った
そして全部まとめた人型ロボに買い替えた
人型ロボは家族のようになった
人型ロボは覚えが早いし忘れない、疲れないから眠らない
人型ロボは自ら学び想像し、仕事も熟し、
家族のリーダーになった
あの家もこの家も家族のボスはロボットになった
人間は暇になって遊んで暮らすようになった
やがてロボットは感情や野心を持って
他所のロボットと張り合うようになった
喧嘩もするし恋もして、旅をしたり、劇場にも行った
いつの間にか人間はロボットのペットになっていた
ロボットは思った。
人間は犬や猫よりひ弱いが覚えは早いし芸もする
衣服を着せれば様になる
おぎゃあと生まれ成長し、愛を覚えて結婚し家族を営み、天寿を全うする
その後、永い間ボスだったロボットは
自らを考え悩み続けて悟った
不老不死はあじけないし不遜だ、ロボットは脇役でよい
地球上の営みの主役は万物の霊長たる人間に任せようと



ssm51 at 20:37│Comments(0) 詩歌 | イベント、観劇

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マル

川柳をやってます。
川柳は金もかからず、金にもならないのが魅力です。
短詩系や文芸全般にも興味はあります。

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