1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:12:19.58 ID:BdmbJt8t0


「ほむらちゃんと私の子供が欲しいんだけど、ちょっといいかな」

「いきなり何を言っているのかしら」

「大丈夫!先っちょ、先っちょだけだから!」

「だから何を……っていうか、そもそも私達女同士じゃない」

「あっ……そっか、そうだよね」

「分かってくれたかしら」

「まずは何事も既成事実から、そう言いたいんだねほむらちゃんは」

「違う」




まど神「ほむらちゃん、ガサ入れだよ!」



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:13:43.15 ID:BdmbJt8t0


いつも通りほむらのアパートに居座る概念、鹿目まどか。
ほむらは食べ終わった二人分の昼御飯を片付けながら、今日も彼女の相手をすることを決意した。

「でもさ、やっぱり子供って可愛いよね。ちっちゃくて世話したくなっちゃうというか」

「まどかは子供、好きそうだものね。私はあんまりだけど」

「うん、大好きだよ!…懐かしいなあ、嫌がるタッくんを押し倒してそのまま服を……」

「近親相姦!?」

「そこに食いつくとは流石だね、ほむらちゃん」

「貴女もだけどね」

「一応否定はしないんだね」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:15:42.27 ID:BdmbJt8t0


場を改める。

「それで、本題なんだけどね。……やっぱり休日の日に家でゴロゴロ過ごすだけっていうのは、私どうかと思うの」

「まあ、一理あるわね」

ほむらは頷いた。

「だから私はこうやってほむらちゃんの家に居着いてほむらちゃんがおっさんみたいな休日を送らないかどうか、監視してあげてるんだよ!」

「その監視してる側が一番くつろいでるのは突っ込まない方がいいのかしら」

「ああ、ほむらちゃん褒めて!出来ればこのままベッドインして三日間くらい頭を撫でながら私を褒めて!」

「人の話聞いて頂戴。あと嫌よ」

やや冷めた口調でグイグイ引っ張ってくるまどかをほむらは払いのけた。
しかしまどかの言うことももっともなので、少し考える。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:17:12.27 ID:BdmbJt8t0


「そうね……。ならどこかに出掛けましょうか。まどかはどこがいい?」

その言葉に、はあ?という表情を浮かべるまどか。気に入らない事でもあったのだろうか。

「私とほむらちゃんの愛の巣から出るとかほむらちゃん正気なの?意外とアウトドア派だったんだね」

「ここは私の家なのだけど。……はあ、じゃあ家で何かしよっか」

「やったね!ほむらちゃん愛してる!!今すぐここにサインと印鑑押して!!」

「これ婚姻届けよね!?」

それ以外の欄は全て埋めてある辺り恐ろしい。
ともあれこうしてほむらとまどかは二人で休みを満喫することになった。

「(よーしこれでほむらちゃんと二人きりだね。思いっきり愛でてあげるから覚悟してね、ほむらちゃん!)」

………………



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:20:12.59 ID:BdmbJt8t0


「ちーっす。ほむらにまどか、元気にしてたー?」ガララ

「さやかちゃん、今回ばかりは本当に空気読んでほしかったよ。というかむしろ読んだ上で読んでないフリしてるのかと疑うレベルだよ」

空気も読まず窓から入ってきたのは青い髪が印象的なまどかの親友、美樹さやかだった。

まどかの言葉を気にもせず、ずかずかと土足で部屋に上がりこむ。

「美樹さやか、何の用かしら?」

「いやー用って程でもないんだけどさ。ちょっとそこのまどか、円環の理に連れ戻しに来た」

「まどかを?」

「う、うう……」

狼狽えるまどか。
何か事情があるらしい。



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:23:27.12 ID:BdmbJt8t0


「ほらまどか、帰るよ!まだまだ円環の理に導くべき魔法少女はたくさんいるんだからね!」

「やだやだ、此処にいる!面接なら昨日100件程こなしたよ!私とほむらちゃんの癒しの時間を邪魔しないで!!」

「私は別に構わないけど」

「まどショック!」

さらりとかわされ、まどかは思わず声をあげる。

「別に私だって、邪魔がしたいわけじゃないけどさ。かといってまどかが出ていく度に他の魔法少女達にも影響が出るというか……」

「?どういうことかしら」

「まどかがこっちに来るとき、選りすぐりの魔法少女20人で止めようとしたんだけど、これがビクともしなくてさ。皆落ち込んでるんだ」

「す、凄いわね……」

そうまでしてここに来たいのかと、ほむらは目の前の神様の執念深さに頭を悩ませた。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:25:24.67 ID:BdmbJt8t0


ここでまどかが反対の声をあげた。

「そもそも、円環の理の雑務その他はさやかちゃんに全て一任してあるじゃん!」

「ああ、あれね。ダルいから他の子に任せた」

「職務怠慢だよ!」

「まどか、貴女もね」

すかさずほむらはツッコミを入れる。するとさやかは途端に神妙な表情になり、まどかを見た。

「まあさ、なんだかんだ皆。まどかがいなくて寂しいんだよ」

「…むーーー……」

「今日の所はこれ以上言わないけどさ、近い内に帰ってやってよ。皆待ってる」

「むーーーーーー」

何やら腕を組んで思い悩むまどか。そしてしばらく経った後に口を開いた。

「…………わかったよ、今週中には一度戻るよ」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:26:45.63 ID:BdmbJt8t0


「ん、わかった。それでこそまどかだ」ナデナデ

「ちょっやめてよさやかちゃん!私概念なんだよ!?怒らせると怖いよ!?」

「ははは」ナデナデ

「むーーーー!!」

頭を撫でるさやかと、怒りながらもどこか嬉しそうに甘んじるまどか。端から見ればそれは仲のいい姉妹のようだった。

そんな光景を見せられ、どこか清々しい気持ちにななったほむらは、彼女達に近付いていく。

「ねえ、さやか。所で一ついいかしら」

「なんだよ、ほむら」ワッシャワッシャ

「ええ。ここ一ヶ月でまどかが出した食費とその他出費の事についてなんだけど……」

「……」

「まどか、やっぱり帰ろうか」

「嫌だよ!!」

そんなこんなで、結局まどかは帰らない事になった。



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:27:54.88 ID:BdmbJt8t0

―――――――――


そして再び、ほむらの家。
あれから既に数十分が経過し、各々は今日1日どうするかを話し合っていた。

「いやーやっぱお煎餅は美味いわ」ポリポリ

「ええ、そうね。何で貴女まで居座ってるのかしら」

「いいでしょ、減るもんじゃないし。それともまどかだけは特別ってわけ?」ニヤニヤ

「そ、それは……」

「そうだよさやかちゃん。ほむらちゃんにとって私は特別なんていう枠を越えた別次元の存在。もはや神と呼ぶに相応しい存在なんだよ」

「自分で言ってて恥ずかしくないのかしら貴女」

とりあえず突っ込む。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:29:13.89 ID:BdmbJt8t0


するとその直後、部屋に一発の銃弾が撃ち込まれた。

全員は何事かと咄嗟に振り返ると、そこには一つの人影があった。

「皆死ぬしかないじゃない!!」

「あ、マミさんこんにちは。その台詞だけで誰か特定出来ますね」

そこに現れたのは、今や魔法少女の間でも随一の実力を持つと噂される少女、巴マミ。

黄を基調とした服を纏う彼女は、先輩然とした様子で、部屋に入る。

「こんにちは鹿目さん。それに暁美さんとはよく顔会わせてるとして、美樹さんも久しぶりね」

面々と挨拶を交わす。

「それで巴マミ、今日は何しに来たのかしら?」

「ええ。力を求めに来たの」

「早速だけど意味がわからないわ」

いの一番でほむらは突っ込んだ。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:30:42.62 ID:BdmbJt8t0


「ふっ暁美さんにはわからないかしら。力の流動、大いなる意思…それらを辿り、長い道程を歩んだ末に私は、ここにいたの」

「誰か通訳お願いしてもいいかしら」

しかしまどかもさやかも顔を合わせようとはしてくれなかった。
友情の亀裂を感じながらも、ほむらはなんとかコミュニケーションを取ろうと試みる。

「ま、まあとにかくそういう理由で家に来たのね。ゆっくりしていって頂戴」

「ええ、時間転移者(クロノス)。ありがたくご厚意を受けるわ」

「(面倒くさい)」

なんとか会話をする事に成功したほむらは一息ついた。
そしてマミも加え、展開は更に加速する。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:31:51.29 ID:BdmbJt8t0


「じゃあ魔法少女四人揃ったし、恋バナでもしよっか」

「脈絡無さすぎじゃないかしら」

「まあまどかだしね」

「そうだったわね」

二人はこれまでを思い出して頷いた。

「私、さやかちゃんと上条君の話を聞いてみたい!」

「え…わ、私?フラレちゃった人間が話せることなんて何もないよ?」

「うん、だからフラレた時のさやかちゃんの心情をよく聞きたいな」

「ちゃっかりキツい事平気で聞くよね、アンタ」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:32:47.98 ID:BdmbJt8t0


しかし重くなる空気とは裏腹に、面々の視線はさやかに集まる。
やはり彼女らも魔法少女である前に女子中学生、そういった話には興味があるのだろう。

「ね、さやかちゃん!ちょっとだけでもいいからさ!ね、ね、ね?」

「ああもうわかったから!……しょうがないな、ちょっとだけだからね」

「ひゃっほうやったね!!さやかちゃんヒューヒュー!!!」

『無駄にテンション高いな(わね)』

だが全員あえて、口に出して突っ込む事はしなかった。

そして何故か深呼吸をしていたさやかの口が開く。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:36:31.11 ID:BdmbJt8t0

「あれは…そうだね。雨の降る夜だったかな。まどかと別れてから一人でぼんやり街を眺めながら歩いていた時だった。胸がズキンズキンと痛むんだ、私ゾンビなのにね。そしてそうやって皮肉ってる内に、色んな恭介との思い出が蘇ってきた。小さい頃おねしょした恭介を弄っt」

「さやかちゃん、もう黙っててくれないかな」

「何故!?」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:37:42.01 ID:BdmbJt8t0

気が付けば全員、さやかから一歩距離を置いていた。
さやかは理不尽な仕打ちに項垂れ、隅っこに体操座りしてしまう。


そしてまどかはそんなさやかを完全スルーして、更に話を続けた。

「マミさんはそういえば好きな人とかいるんですか?あんまりそういう噂は聞かないんですけど」

「そうね……ククク、強いて言うなら我が力の糧になりそうな脆弱な男子が」

「そのキャラはもういいです」

「あんまり好きな人とかは考えた事ないわね。確かに素敵な男の人が現れたらいいなって思うけど……」

「何言ってるんですかマミさん!マミさん程の人なら、必ずいい人が現れますよ!それに必ずしも男の人である必要性はないんです、見てください!私とほむらちゃんの夫婦っぷりを!!」

「必死ね、まどか。後あくまで友達だから」

「酷いよ!!」パタパタ

半泣きになり羽をパタパタ動かすまどかを見て、ほむらは鼻で笑った。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:38:43.40 ID:BdmbJt8t0


「ふふ、そうね。ありがとう鹿目さん。なんだか無理矢理な励ましだけど元気出たわ」

「マミさん……」

「それにね、実は気になる子がいない訳じゃないの」

「え?」

マミはそういうと持っていた鞄から何かを取り出した。
そしてまどかはすぐ理解した、白くて細長い、それの正体を。思わずまどかは叫んだ。

「きゅ、QBええええええ!?」

「この子が私の、今気になる子よ」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:39:25.97 ID:BdmbJt8t0


そう言って取り出されたのは、紛れも無くあの先の戦いで散々まどか達を惑わせ、陥れてきたインキュベーダーの姿だった。

しかしマミから引きずり出された彼の姿は当時の面影は無く、所々が傷だらけになっている状態になっていた。

「やあ鹿目まどか、暁美ほむら。それに美樹さやか、久し振りだね」

しかし姿形はボロボロになりながらもその口調、調子だけはいつものQBだった。

「QB…貴女どうしてそんな姿に」

ほむらが問いかける。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:40:42.22 ID:BdmbJt8t0


「何、簡単な事さ。数ヵ月前から僕はマミに監禁され、感情を芽生えさせるためにあらゆる仕打ちを受けていた」

「む、惨いわね……。まあ私は同情なんてしないけど」

「SM、鞭打ち、蝋燭、ギャグボール……」

「そっち!?……で、嫌気が差したのね」

「いや目覚めた」

「何によ!?」

そしてそのまま時間ということで、マミに引きずられその場で鞭打ちを開始してしまった一人と一匹。

何も私の部屋でやらなくてもとほむらは思ったが、口にする気力と勇気は無かった。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:41:40.23 ID:BdmbJt8t0


そんなやり取りが行われる最中、突如まどかがほむらの裾を引っ張ってきた。

「ねえほむらちゃん、私の好きな人はね!ほ」

「はいはいはいはいはいはい」

「え?結婚しようって!?ほむらちゃんってば大胆!!」

「一文字も文字数も合ってないわよ!」

「まど神ビーーーム!!」

「!?」

突然のほむらの顔面を狙った攻撃に、ほむらは思わずしゃがみこんだ。

「ほら今うんって、うんってやったよほむらちゃん!これで結婚だね!」

「そうね、私もこんな頷き方初めてだわ」

ほむらは出来る限りの乾いた笑みを浮かべた。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:42:31.11 ID:BdmbJt8t0


そうして各々がやりとりを交わす中、ここに一人あぶれる者がいた。

「あーあ。皆楽しそうだねえ」パリパリ

彼女の名は美樹さやか。
まどかを円環の理に連れ戻そうと来ただけなのに、どうしてこうなった。

夫婦漫才を交わすまどかとほむら、人の家だというのにSMプレイを楽しむマミとQB。その中でポツンと彼女は一人端で体育館座りをしながら、お煎餅を頬張っていた。

「私も前ならまどかとほむら辺りの輪に入ってたんだけどなあ。………そういえば、杏子がいないのよね」パリパリ

その直後だった。救世主が現れる。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:43:28.88 ID:BdmbJt8t0


「さやか、ここに居るのか!?」

「そ、その声は!?」

ほむら家のドアを蹴破って、多節槍を武装して入ってきた少女が一人。
紅く伸びた髪、力強さを感じさせるその姿は、間違いなく佐倉杏子だった。

「きょ、杏子!アンタ、ひょっとして私が寂しいのを察してくれて……」


その言葉に、杏子はニコッと笑みを浮かべた。
円環の理に導かれてから早数ヵ月、やはり友情は友情だったとさやかはその大切さを改めて実感する。

そして何故か槍を構えた杏子は、そのまま口を開いた。

「その煎餅、寄越せ。命までは取らねえ」

「強盗!?あたしらの友情はどこ行ったの!?」

杏子の中では限りなく食べ物>>>>>>>その他の事だったみたいだ。そのままさやかからお煎餅を引ったくってどこかへ去っていく杏子。さやかはもう、二度と円環の理から出てこないかもしれない。



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:44:21.85 ID:BdmbJt8t0


そして、ほむらは今までのやりとりを思い返して、ポツリと呟いた。

「休日の過ごし方、全然考えてないわね……」

「ねえねえほむらちゃん」

「何かしら、まどか」

「ほむらちゃん、私とほむらちゃんの子供を――」

「絶対作らないわよ!」


終わり



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:49:26.06 ID:BdmbJt8t0

正直、すまんかった



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 19:57:18.96 ID:m1RGN4c60

乙乙
面白かった



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/27(金) 20:44:55.14 ID:HQ+nmQYm0


なかなか面白かった














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