1: saga 2014/10/21(火) 23:05:52.71 ID:RXrkRoksO

天草 「ダムだ!」

津田 「どうしたんですかいきなり」

天草 「実は昨日テレビを見ていたら、クリスマスの時期に、あるダムの湖畔でライトアップするというイベントを見つけたんだ」

萩村 「なるほど、それをみんなで見に行こうということですね」

天草 「それもある」

萩村 「?」

天草 「なんと・・・ダムの放水イベントもあるらしい」

アリア「わかったわシノちゃん!我慢してせき止められた水が決壊するとこ見たいんだね!!わかるよ!!」

津田 「分かるわけねーだろ」




3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:07:58.12 ID:RXrkRoksO

津田 「まあ放水はともかく、いいですね、クリスマスイルミネーション。俺そういう雰囲気結構好きなんですよ」

天草 「うむ、放水もな」

アリア「私も好きだよー、放水」

津田 「やっぱそっちメインなんですか、あんたらは」

天草 「よし、決定だな!冬休み入ったらみんなでいくぞ!」

アリア「おー!」

津田 「・・・萩村も行くよね?」

萩村 「そうねー特に予定ないし、でも津田はちゃんと宿題もしなさいよ」

津田 「ハハ・・頑張って年内には終わらせるよ」

萩村 「全く・・」


萩村 (・・・津田とクリスマスイルミネーションか・・)




4: saga 2014/10/21(火) 23:08:37.78 ID:RXrkRoksO

天草 「と言うわけで、待ちに待った放にょ・・ではなく放水の日だ」

アリア「大自然の中でなんて解放感がすごいよね!」

津田 「萩村、間違いが起こりそうになったら頑張って俺たちで止めような」

萩村 「自信ないわー」


津田 「にしても寒いですねー」

天草 「そうだな、もう12月だものな」

アリア「(今年も)あっというまだったねー」

津田 「思わせぶりな省略やめて」

萩村 「けっこう歩くんですね、私てっきりバスか何かで行くんだと思ってました」

天草 「うむ、冬の山歩きも健康にいいと思ってな」

アリア「帰りは出島さんが車で迎えに来てくれるよー」

津田 「あーそれは楽ですね」




5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:09:32.72 ID:RXrkRoksO

天草 「お、あそこの川にカモがいるぞ」

津田 「ほんとですねーなんて鳥だろう」

萩村 「オシドリとトモエガモよ。冬の渡り鳥ね」

津田 「さすが萩村、そんなことまで知ってるのか」

萩村 「ちなみに、おしどり夫婦という言葉がありますが、実際のオシドリは毎年つがいが変わるので全然おしどり夫婦ではありません」

アリア「スワッ●ングかー」

津田 「脊髄反射的に出る言葉じゃないぜ」

萩村 「まあ、言ってる途中で何かネタにされる気がしてたわ・・」

萩村 「それはそうと、全然人いないですね。クリスマスイルミネーションだから結構混んでるのかと思いました」

天草 「みんな上流から車で行くんだろう。世間はまだ平日だから昼間から時間をかけてハイキングできるのは我々学生位のものさ」

萩村 「なるほど、確かにそうですね」




6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:10:24.75 ID:RXrkRoksO

アリア「もう12月だね・・・」

天草 「ん?どうしたアリア」

アリア「私たち来年の春には卒業なんだなって」

天草 「そうだな・・・」

津田・萩村「・・・」

天草 「津田、萩村。」

津田・萩村「「はい」」

天草 「来年度からの桜才は任せたぞ!」

津田・萩村「「はい!」」




8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:11:14.29 ID:RXrkRoksO

天草 「アリアはもう大学決めたのか?」

アリア「うん、前言った通り。変わらずだよー」

天草 「そうか。私も変わらずだ。合格したら離れ離れだな・・・」

アリア「そんなことないよ。いつだって遊べるじゃない」

天草 「そうだったな・・私としたことがちょっと感傷的になってしまった・・」

天草 「津田、萩村、覚悟しておけよ!授業が無い日は生徒会室に押し掛けるからな!」

津田 「ハハ、古谷さん状態ですね。いいですよ、いつでも待ってますから」

萩村 「いきなり来て驚かせないでくださいよ」


萩村(そうか・・来年は会長が居ないんだ・・・津田は・・・)

津田 「萩村」

萩村 「うわっ!なによ!驚かせないでよ」

津田 「え?そんな大声じゃなかったと思うけど・・・」




9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:12:00.59 ID:RXrkRoksO

津田 「萩村はさ、来年は留学の準備で忙しいよな」

萩村 「あ・・そ、そうかもね」

津田 「はー・・・来年受験心配だなー」

萩村(留学か・・・留学したら私、生徒会のみんなとは会えなくなるんだろうな・・・)

天草 「津田よ」

津田 「なんですか?」

天草 「もしよければだが・・来年の冬は私が勉強見てやってもいいぞ」

津田 「ほんとですか!・・でも年末忙しいんじゃないですか?」

天草 「大学生の休みだ。バイト等行かなければ結構時間あるだろう」

津田 「マジですか!あー助かります!萩村は留学でさすがに忙しいだろうかどうしようかと思ってたんですよ!」

天草 「う、うむ!任せておけ!」

アリア「そのためには、私たち、ちゃんと勉強して大学合格しないとね」

天草 「そうだな、油断大敵だな」

津田 「先輩たちが大学落ちるって想像できませんよ」

萩村(・・・)ズキズキ




11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:13:36.05 ID:RXrkRoksO

萩村 「津田、会長に勉強見てもらって大学落ちたらシャレにならないわよ」

津田 「う・・仰るとおりです」

萩村 「全く、ちゃんと分かってるの?」

津田 「ハハ・・精一杯頑張るよ」

萩村(まったく・・ちっとも分かってないじゃない・・アンタは・・)


天草 「ん?」

アリア「そうしたのシノちゃん?」

天草 「あれ、カモか?」

津田 「あ・・・(カモの死体だ)」

アリア「なんか嫌なもの見ちゃったね」

天草 「す・・すまん」

津田 「別に会長は悪くないですよ、もうちょっとでダムみたいですし頑張りましょう」

萩村 「・・・」
 テクテク

津田 「萩村?」




12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:14:30.39 ID:RXrkRoksO

萩村 「・・なんかかわいそうだから、ちょっと埋めてくるわ」

津田 「あ、俺も手伝うよ」

萩村 「いいわよ、すぐ終わるから」

 ザッザッ
萩村(外国から渡ってきて、知らない土地で一人ぼっちで死んじゃったんだね・・・)
  (留学する私にちょっと重なっちゃった・・・)
  (留学・・したくないな)


萩村 「終わったわ、行きましょう」

津田 「あ、うん」

萩村 「もうダム見えてるわね。」

津田 「うん」




13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:15:12.78 ID:RXrkRoksO

ジュボボボボ・・・ドザーーーーーーーーー

天草・アリア「放水ーーーー!!!!」

津田・萩村「はぁ・・・」


天草 「さて、日も落ちてきたしイルミネーション会場に向かおうか」

アリア「そうねー」

津田 「ツッコミ疲れたわ」

萩村 「・・・・」

津田 「もう、会長達どんどん先に行っちゃうんだからなー」

萩村 「・・・」

津田 「萩村、どうしたの?」

萩村 「・・何が?」

津田 「なんか、元気ない感じだからさ」

萩村 「・・別に」




14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:15:50.12 ID:RXrkRoksO

津田 「もしかして寒い?俺のパーカー着る?」

萩村 「バカ。そしたらあんたが風邪ひくでしょ・・別に寒いんじゃないわ」

津田 「?」

萩村 「将来のこと、考えてたの」

津田 「・・そっか」

津田 「萩村は頭いいから・・やっぱり研究職とか?」

萩村 「別にそこまで考えてないわ」

津田 「?」

萩村 「留学のこと」

津田 「ああ・・・どこに行くの?」

萩村 「イギリス・・の予定」




15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:16:27.54 ID:RXrkRoksO

津田 「そっか、萩村は英語ペラペラだろうから全然大丈夫だよ。俺なんて日常生活ができないと思うし」

萩村 「英語できたって・・外国行くのは不安よ」

津田 「そういうもん?」

萩村 「そうよ」

津田 「もしかして一人で行くの?」

萩村 「分からないわ。それはまだ」

津田 「そっか・・でも・・確かに一人だったら寂しいだろうな」

萩村 「ホームシックになったら電話するわ」

津田 「うん・・あでも時差とかあるんじゃないの?」

萩村 「イギリスは日本と9時間の時差があるわ。だから津田のこと夜中に起こしてやるから」

津田 「あははは・・意外とゲームして起きてるかも」

萩村 「そしたら叱ってあげる」

津田 「こわいなぁ」




16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:17:00.29 ID:RXrkRoksO

天草 「おーい二人とも、遅いぞー!」

津田 「やばっゆっくり歩きすぎた!」

萩村 「急ぎましょう」

津田 「うん」

萩村(外国から津田に電話して・・会長が津田のそばにいたら・・私・・)


アリア「すごい綺麗だねー」

天草 「そうだな!」

津田 「そうですね」

萩村(綺麗・・二人で・・見たいな・・)




17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:17:39.09 ID:RXrkRoksO

天草 「せっかくだからみんなで写真を撮ろうじゃないか」

津田 「あ、いいですねーってボケないでくださいよ」

アリア「そっそんな・・・涙」

津田 「そこまで落ち込むことか」

萩村 「あ・・じゃあ私撮ります」

天草 「何をいってるんだ萩村は!みんなで映らなきゃ意味ないだろう!」

津田 「そうだよ萩村」

アリア「でも係員さんとかいないねー」

畑  「では私が撮りましょう」

津田 「ぶっ!」

天草 「畑!いたのか!」

畑  「ええ、もちろん。」

アリア「じゃあお願いしてもいいかなー」

畑  「ええもちろんです。記事にしていいのであれば」

津田 「脚色すんじゃねーぞ」

畑  「えーありのままを伝えるわよー」

津田 「絶対ウソ」




18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:18:54.70 ID:RXrkRoksO

畑  「ではみなさん、もっと笑顔でー」

畑  「特に萩村さん、表情硬いわよー」

萩村 「あっはいすいません」

畑  「はーい、じゃあイクわよー」

一同 「せーの」

天草・アリア「「バター犬!」」

津田・萩村((うわー))




19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:20:12.93 ID:RXrkRoksO

出島 「お嬢様。皆様がた。」

アリア「出島さん、ご苦労様ー」

出島 「おや皆さんは?」

アリア「なんかね、もう少しイルミネーション見たいって」

出島 「そうでしたか・・で、どうでしたか、放水は」

アリア「うん、ちょっと濡れちゃったかな」


*******

萩村 「はー・・・イルミネーション綺麗だなー」

萩村(私はあと何回津田と一緒に遊びに行けるんだろう・・・)

萩村 「ちょっと、寒いな・・」

萩村 「津田はお店のほう行ったみたいだったな・・私も行ってみよう」




20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:20:55.58 ID:RXrkRoksO

津田 「ふう・・やっぱり寒いな。コーヒーが温かい」

天草 「津田」

津田 「あ、会長」

天草 「ちょっと寒いな」

津田 「そうですねーコーヒーがしみます」

天草 「暖かそうだな・・」

津田 「あ、ちょっといります?」

天草 「い、いいのか?」

津田 「ええ、もちろんです」

天草 「じゃあ一口だけ・・(かっ間接キスだ///)」

津田 「?」


萩村 「あ・・津田と会長が居る」

萩村 「つ・・?!」




23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:25:51.88 ID:RXrkRoksO

津田 「もういいですか?俺飲んじゃいますよ」

天草 「う・・うん///」

津田 「なんか顔赤いですよ?もしかして風邪引いたんじゃないですか?」

天草 「だっだいじょうぶだ!(顔が近い///)」

津田 「そうですか?受験前の大事な時期ですし風邪は気を付けてくださいね」

天草 「あ、うむ、そうだな」





24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/21(火) 23:26:20.38 ID:RXrkRoksO

天草 「あ・・あのその・・」

津田 「ん?なんですか会長?」

天草 「その・・受験が終わったら、キミに言いたいことがあるんだ!」

津田 「ん・・?ああ引き継ぎのことですね。分かりました。時間できたら呼び出してください」

天草 「そ・・それもあるが・・別のこともある・・///」

津田 「え・・なんですか?」

天草 「それは・・・その時のお楽しみだ!///」

津田 「?そうですか?・・じゃあ楽しみに待ってますね」

天草 「う・・うん///」


萩村 「・・・」




25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:27:26.19 ID:RXrkRoksO

アリア「みんなおかえりー帰りましょうー」

津田 「あ、出島さん、ありがとうございます」

出島 「いえいえ、みなさんが来るまでの間いろいろ楽しみましたし」

津田 「内容は聞きたくありません」

出島 「おや?」

天草 「・・・///」
萩村 「・・・」

アリア(シノちゃんまさか津田君に言っちゃったのかな?)
アリア(でも津田君は普通だし・・うーん・・)

津田 「萩村、やっぱり調子悪そうだけど大丈夫?」

萩村 「別に」

津田 「え?なんか怒ってる?」

萩村 「怒ってないわよ・・ちょっと疲れただけ」

津田 「そう?じゃあもう帰りの車の中は寝てなよ」

萩村 「・・そうするわ」




26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:28:18.30 ID:RXrkRoksO

津田 「・・というわけで萩村はもう限界みたいなので後ろに座るそうです」

出島 「分かりました、リクライニングを倒せば寝ることもできますし毛布もありますので」

萩村 「・・・ありがとうございます」

アリア「じゃあしゅっぱーつ」

天草 「♪」

アリア「シノちゃん、後で聞かせてね?」

天草 「?!」

津田(萩村大丈夫かな・・真っ青だったな)


萩村(そっか・・会長は受験が終わったら津田に告白するんだ・・・)
萩村(会長じゃあ・・勝てないよ・・・)




27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:28:58.49 ID:RXrkRoksO

次の日の朝。

コトミ「タカ兄ーもうお昼だよー」

津田 「うーん・・」

コトミ「そんなに疲れたということは...昨日は生徒会の誰とお楽しみだったのかなー!?」

津田 「ちげーし」

 ピンポーン
コトミ「はーい!」

津田 「あー生徒会の誰かかな・・さすがに起きよう・・」


コトミ「えっ?!なに・・どういうことですか?!・・はい・・津田タカトシは私の兄です。・・はい・・います・・。」

津田 「?誰が来たんだ?」

コトミ「タカ兄!」

津田 「どうした?誰が来」

コトミ「早く起きて」

・・・見たことないコトミの真剣な顔が、異常事態が起きていることを告げていた。




29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:36:50.20 ID:RXrkRoksO

白い防護服の人「津田タカトシさんですか?」

津田 「は、はい。そうですけどあなたは?」

防護服「保健所の職員です」

津田 「え・・保健所の人が俺に何の用ですか?」

防護服「あなたはインフルエンザに感染している疑いがあります。今すぐ私たちとともに病院まで来てください」

津田 「え?え?インフルエンザ?俺、全然元気ですけど」

防護服「あなたが感染している疑いのあるインフルエンザは非常に危険なタイプのものです。あなたと接触のある妹さんも一緒に来てもらいます。」

津田 「そ、そんな急に」

防護服「病気が蔓延するのを防ぐためです。これは法律に基づいいます。」

津田 「・・・」




30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:47:05.42 ID:Gj8xX9lkO

 訳が分からなかったが俺は重々しいマスクをつけられ救急車にコトミと乗った。
 あのコトミが震えていた。

コトミ「タカ兄・・」

津田 「大丈夫だよ・・たぶん」

防護服「ご両親にはあとで連絡します。」
防護服「混乱されてると思いますが、いくつか質問に答えてください」

津田 「はい・・・」

防護服「昨日、ご友人たちとダムへ行った帰り、車から降りたのち、誰かと接触しましたか?」

津田 「いえ、そのまま家まで送ってもらって風呂に入って寝ました」

防護服「妹さんは、お兄さんが帰ってきたあと、今日私たちが来るまでの間に家から出ましたか?」

コトミ「で、出てないです!」

防護服「分かりました。三次感染の可能性はなさそうですね。」

防護服「ではこれから簡易検査をします。」




31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/21(火) 23:55:19.16 ID:Gj8xX9lkO

 防護服の人はそう言うと、小さなビニール袋から綿棒を取り出し、俺とコトミの鼻の中をこすった。
 そしてそれを、小さな入れ物に入った液体に付けると、その液体を体温計のようなものに垂らし、机に置いた。

防護服「15分ほど待てば検査は終わります。」

 ・・・重い空気が流れた。

津田 「あの・・なんで俺が病気に感染してる可能性があるということになったんですか?」

防護服「今朝、感染者が見つかりました。その感染者からの聞き取りであなたの名前が真っ先に上がりました。」

津田 「?」

 嫌な予感がした・・・
 よく分からないが危険な病気だと言われた。
 その病気に感染している人がいて・・その人は俺を知っている・・

津田「!・・・だ、誰が病気になったんですか?!」

防護服「プライバシーもあるので普通は公表しないんですが、友人であると聞いていますのでお伝えします。ですが、他に口外なさらないでください。」

津田 「は・・い。」

防護服「萩村スズさんです」




32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/22(水) 00:04:40.39 ID:V7dqnBhlO

病院・・というよりも大きな研究施設のような場所だった。
建物の名称には『感染症』という文字が入っていた。
俺とコトミは『丁重』に扱われて、研究施設のような病室のようなところへ通された。
窓はなかった。

防護服「では詳しいことを説明していきます。」

津田・コトミ「・・・」

防護服「簡易検査ではあなた方二人は陰性です。」

津田・コトミ「それって・・どういうことですか?」

防護服「とりあえず感染している証拠はないということです。ただし“潜伏期間”を経て発症する可能性があるので、別々の部屋で72時間ほど隔離させていただきます。」

コトミ「いや・・タカ兄・・」
津田 「大丈夫だよコトミ。とりあえず罹ってないんだから。」
コトミ「うう・・」

コトミは別の防護服に連れられ、別の部屋に移動した。

津田 「あの、ちょっと聞いてもいいですか?」

防護服「はい、なんでしょう」

津田 「確か、インフルエンザって言いましたよね。」

防護服「はい」

津田 「俺、おととしの冬も罹ったんですが・・」




33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/22(水) 00:13:15.40 ID:V7dqnBhlO

防護服「あなたたちが感染した可能性のあるインフルエンザは特に強毒なものである可能性が高いです。」
防護服「現在、特別な検査でウイルスの型を調べています。」

津田 「そうなんですか・・・」

防護服「・・・」

津田 「・・あの・・・」

防護服「はい」

津田 「萩村や・・・他の人は大丈夫なんですか?」

防護服「・・・」

防護服「七条アリアさん、出島サヤカさん、天草シノさん、畑ランコさん、およびそのご家族は現在のところ簡易検査で陰性です。その他ダムの施設スタッフも陰性です。」

津田 「萩村はどうなんですか!」

防護服「萩村さんは現在専門の医師が治療中です。」

津田 「大丈夫なんですか?!」

防護服「・・・分かりません」

津田 「ーーーーー!!!」




34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/22(水) 00:18:40.57 ID:V7dqnBhlO

防護服の職員の言葉で、鈍感な俺でも萩村が危険な状態であることが分かった。
 昨日元気がなかった萩村が思い出される。
 なんで・・萩村が・・・
 もうこれは夢なんじゃないのかというくらい現実感がない。

津田 「萩村に会えますか?」

防護服「それはできません。あなたもまだ疑いがありますから、3日間はここにいていただきます。」

津田 「・・・」

防護服「では何かあったらよんでください。部屋にあるものは自由に使ってください。」
 ガチャ

津田 「は・・ぎむ・ら・・」
 情けないことに俺はぼろぼろ泣いていた。




42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 21:55:06.64 ID:NZ7ypuyUO

 同日、時間はさかのぼり、午前3時。
萩村 「うう・・げほげほ」

萩村 (熱い・・ノド痛い・・眠れない・・)

萩村母「スズちゃん入っていい?」

萩村 「ん・・ごほごほ」

萩村母「大丈夫?」

萩村 「・・・」

萩村母「やっぱり救急車呼ぶわ」

萩村 「・・・」フルフル

萩村母「救急車はこういう時のためにあるのよ?」

萩村 「・・・」

萩村母「とりあえず熱だけ測るわね」




43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 21:55:48.45 ID:NZ7ypuyUO

ピピッ

萩村母「・・・やっぱり救急車呼びましょう」

萩村 「・・・(そんなに熱高いのかな)」

 体温計『40.1℃』

ピーポー ピーポー

・・・

医者 「インフルエンザですね」

萩村母「でもスズちゃんはAもBもワクチン打ってるんですが・・」

萩村 「・・・」

医者 「インフルエンザの人と一緒にいたかな?」

萩村 「・・・」フルフル

医者 「ちょっと熱高すぎるな・・昨日の行動を教えてもらえますか?」

萩村 「げほげほ・・えっと・・・」


萩村 「・・です」

医者 「・・死んでいた鳥はなんだか分かる?」

萩村 「・・トモエガモでした」

医者 「・・・」




44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 21:56:36.43 ID:NZ7ypuyUO

医者 「お母さんも、ここでしばらくお待ちください。」

萩村母「は・・はい。」

 スマホピッピッピ
医者 「もしもし○○医院ですが・・指定感染症疑いの患者を診察しています」

萩村 「・・?なんだろう・・・のどいたいなあ・・」

******************

※ 指定感染症とは「感染症法」で定められる感染症で、この疾病に感染している患者を診察した医師はただちに最寄りの保健所に届け出て適切な処置を行わなければなりません。
現在指定されている疾病は『中東呼吸器症候群(MERS)』と『鳥インフルエンザ(H7N9)』の二種類です。

******************




45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 21:57:15.82 ID:NZ7ypuyUO

医者 「・・・というわけでお子さんは隔離施設での治療となります」

萩村母「スズちゃんは大丈夫なんですか!?」

医者 「分かりません。これから専門の機関ではっきりとした病原を検索し、治療して行きます」

萩村母「スズちゃん・・・」

医者 「おそらくあなたも隔離対象となるでしょう。私もそうです。」

萩村母「・・・?!スズちゃんの病気はインフルエンザなんじゃないんですか?本当はもっと危険な病気なんですか?!」

医者 「インフルエンザは危険な病気です。」
   「お子さんが感染している可能性のあるインフルエンザは、本来人間に感染しないものです」
   「先週、県内の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したニュースは見ましたか?」
   「お子さんの感染したインフルエンザは鳥インフルエンザの可能性があります」





46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 21:57:41.60 ID:NZ7ypuyUO

萩村母「でも・・!スズちゃんは養鶏場には行ってないはずです!」

医者 「先ほど聞いた話ではお子さんは死亡したカモに接しています。感染源はそのカモの可能性があります」

萩村母「・・・そんな・・」

ピーポー ピーポー

医者 「・・・救急車が来ました。行きましょう」

萩村母「・・どこへ行くんですか?」

医者 「新宿です」


萩村 (・・・)
萩村 (お母さん・・医者と何話してるんだろう・・)
萩村 (はぁ・・入院かなぁ・・)
萩村 (ノドと胸が痛い・・眠い・・・)
 ZZZ・・・




47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 21:58:23.40 ID:NZ7ypuyUO

「ぎ・・む・・・・・さん」

萩村(・・・ん)

医療スタッフ「萩村スズさん」

萩村 「ん・・ごほっごほっ!」

スタッフ「起こして申し訳ありません、薬を飲んでください」

萩村 「・・・!!」

 声に起こされて、最初に見たのは、白い防護服を着た人間だった。
 その人間が私に薬を飲めという。
 ぼんやりとした意識をかき消すように、私は私の置かれた状況が分かってしまった。

萩村 「・・ここは・・ごほっ!・どこですか?」

スタッフ「新宿の病院です。あなたは他の人に感染しやすい病気にかかっているかもしれないので現在、隔離した状態で治療をしています。とにかくこの薬を飲んでください。」

 そう言って医療スタッフは黄色と白のカプセルを渡した。
 私がそれを飲むと、今度は大きな目薬のようなブルーと白のケースを出した。

スタッフ「これを吸引していてください。これも薬です。」

 私は言われるままにその薬を吸い込んだ。
 私は何となくわかった。
 だって、カプセルのシートに“タミフル”と書いてあったから。
 たぶん私はインフルエンザなんだ。
 それも季節流行性のものでない、新しい型の。




48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 21:59:03.01 ID:NZ7ypuyUO

スタッフ「お疲れのところ申し訳ありませんが、何点か聞き取りをさせてください。」
スタッフ「声を出すのはつらいと思うので、正しければうなずいてください。」

萩村 「・・・」コクッ

スタッフ「あなたが昨日ダムで個人的接触をしたのは、津田タカトシさん、七条アリアさん、天草シノさん、畑ランコさん、出島サヤカさんで間違いありませんね?」

萩村  コクッ

スタッフ「ダムから帰った後、接触をしたのはあなたの母親だけですね?」

萩村  コクッ

スタッフ「ダムに行く前に、倦怠感や発熱の症状はありましたか?」

萩村  フルフル

スタッフ「症状が出始めたのはダムにいるときですか?」

萩村  フルフル

スタッフ「症状が出始めたのは家に帰ってからですか?」

萩村  コクッ




49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/22(水) 22:00:52.79 ID:NZ7ypuyUO

 いくつかの質問の後、私は白い防護服の人に尋ねた。
 私以外に感染した人はいるんですか?と。
 防護服の人は、「今はいない」と言った。
 私は、津田や受験間近の先輩たちにうつっていないことを少し安心した。
 そしてそのまま飲み込まれるように眠りに落ちた。




50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 22:01:21.31 ID:NZ7ypuyUO

 天草家、七条家、畑家の家に、白い防護服のスタッフが訪れたのは、津田がコトミとともに家を出る少し前だった。
 皆、一様に驚き、皆、津田と同じ検査を受け、津田と同じ質問をし、萩村スズが危険な状態にあることを悟った。
 萩村と萩村母を除く感染疑いの者たちは、皆同じ建物の中に隔離されていたが、お互いが顔を合わせることはなかった。
 
 程なくして、海外にいたアリアの両親と津田兄妹の両親は帰国し、電話にて子供たちと面会した。
 状況が呑み込めていなかったコトミは親からの言葉を聞き、自分の置かれている状況をやっと理解し、少し落ち着きを取り戻した。
 隔離されてから48時間が経過したが、症状が出る者はいなかった。





51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 22:02:09.40 ID:NZ7ypuyUO

津田 「・・・萩村・・」

津田 「なんで俺じゃなく萩村なんだ・・・」

津田 「萩村に会いたい・・」

津田 「怒られてもいいから萩村に会いたい・・・」

津田 「・・・」

津田 (ニュースで俺たちのことはやっていないのか・・?)

 ニュースをつけたことを津田は後悔した。




52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 22:02:40.62 ID:NZ7ypuyUO

キャスター『先週、神奈川県で発生した低病原性鳥インフルエンザは、ウイルス型がH7N9亜型であることが農林水産省より発表されました。このウイルスは2013年中国で発生したウイルスに近縁であり、中国に事例と同様に鳥から人への感染が起こるものと考えられます。国立感染症研究所の調べでは、現在分かっている感染者は65歳男性、41歳女性、17歳女性の3名であり、このうち65歳男性が死亡。二名の女性も重度の呼吸器症状を訴えているということです。これに関連して政府は先ほど緊急事態宣言を発令し、鶏に接する機会のあるものや医療関係者にタミフルの配布を決定。また鶏での初発事例が出た神奈川県では野鳥からの感染を疑う感染者が見つかっており無用な外出を避けるように指示が出ています。以上、厚生労働省前からお伝えしました。』


医師『・・しかし2013年の中国に事例では初期の死亡率は50%近く、治療がされるようになった後も25%程度と高い値で推移していましたからね。』

キャスター『政府の発表では今回のインフルエンザが人から人に感染した事例はまだないということですが、この辺りはどうなんでしょうか?』

医師『そうですね、本来鳥に感染するインフルエンザが、鳥から人に直接感染した事例はごくわずかです。普通は鳥から豚に感染し、豚の中で変異したウイルスが人に感染する。このようにインフルエンザウイルスは型によって感染する動物が違うのです。』

キャスター『しかし、今回は鳥から人に感染したと』

医師『そう見て間違いないでしょうね。感染者のうち65歳の男性と41歳の女性は低病原性鳥インフルエンザの出た鶏農家でしたからね。かなり濃厚に接触したものと思われます。ただし、先ほども申しあげたようにウイルスが感染する宿主を変える、つまり人から人に感染するようになるにはかなりの時間がかかる。』




53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/22(水) 22:03:16.59 ID:NZ7ypuyUO

キャスター『なるほど。では人から人への感染は現時点では起こりづらいと。』

医師『そう言えるでしょうね。現に感染者と接触した48名が現在隔離されているとのことですが未だ発症するものはいないですからね。』

キャスター『そのあたりは2013年の中国の事例と同じですね。ところでこれだけの人に対して強力な病原性を持つのに、“低病原性”とはどういうことなんでしょうか?』

獣医師『“高病原性”や“低病原性”という言葉は家畜である鶏などに対してどうか、という意味なんですよ。なのでこの言葉は人に対してではありません。学術的にはHのいくつNのいくつというウイルス型で表現しますね。ただ今回のインフルエンザは人に対して強毒性を示すのは間違いないでしょう。』

キャスター『そうですか。未確定の情報ですが、感染者のうち17歳の女性は鶏と接触しておらず、疫学調査によれば死亡した野鳥に触ったとの報告がありますが。』

獣医師『それが事実であれば、今回のインフルエンザは野生のカモが冬の渡りでウイルスを持ち込んだ可能性がありますね。そうなると屋根がない鶏舎などではウイルスを持つ野鳥が侵入して鶏に移す可能性が十分に考えられます。』

キャスター『鶏農家の方は特に注意が必要ですね。』

獣医師『そうですね。鶏に触れる機会がある方で発熱などの症状が出た方は早急に診察を受けてください。また、死亡野鳥、特にカモやハクチョウといった水鳥やワシやフクロウのような猛禽類の死体を見かけた方は、絶対に触れずに自治体の環境課や林務課に連絡してください。』

キャスター『その他インフルエンザに関しての疑問点などがある方は政府が以下の番号にホットラインを設けています。』

津田 (嘘だろ・・死亡率50%・・?)
津田 (萩村・・)

津田 (・・神様お願いです・・どうか萩村を助けてください・・)




58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:13:36.65 ID:wvX1Pg6XO

萩村 『私はこれでも16歳だ!!』
津田 『ええ?!』

津田 『萩村フランス語の勉強してるの?』
萩村 『高校卒業したら留学しようと思ってね』

萩村 『どうせ私のこと子供っぽいと思ってるんでしょ?』
津田 『まぁ正直。でもそれ以上に萩村のこと知れたのは良かったと思ってるよ』

津田 『・・中腰きついです』
萩村 『がんばれ・・!』

萩村 『ん』(チョコ)
津田 『おっサンキュー!』

・・・
津田「・・夢か」
萩村(・・夢か)

津田「萩村に」
萩村(津田に)

津田・萩村(あいたい・・。)




59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:14:11.58 ID:wvX1Pg6XO

 コンコン
防護服「入りますよ」

津田 「・・はい。」

防護服「72時間が経過しました。もう一度簡易検査をして陰性であれば隔離措置を解除します。」

津田 「・・・はい。」

防護服「・・・陰性ですね。では荷物等をまとめておいてください。」

津田 「・・・。」




60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:14:45.60 ID:wvX1Pg6XO

 コンコン
コトミ「タカ兄・・いる?」

津田 「・・うん」

 ガチャ
コトミ「タカ兄・・・・」

津田 「コトミ」

 ぎゅっ
コトミ「タカ兄・・タカ兄・・うわーん!」

津田 「・・・もう大丈夫だぞ、コトミ。さあ、行こう。」

コトミ「うん・・うん」

津田父母「タカトシ、コトミ。」

コトミ「お母さん!お父さん!」

津田母「よかった・・ホントによかった・・!」

津田父「さあ、帰ろう。」




61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:15:21.59 ID:wvX1Pg6XO

津田 「とうさん、かあさん。コトミを連れて先帰って。」

コトミ「タカ兄も一緒に帰ろうよ!!」

津田 「俺は・・生徒会のみんなに会ってから帰るから。いいでしょ父さん。」

津田父「ああ。そうだな。じゃあお金置いておくから。」

津田 「ありがとう父さん。」

津田母「山に入ったりしちゃだめよ?まっすぐ帰ってくるのよ?」

津田 「はは・・そんなことしないよ。・・じゃあ後で。」

津田父「ああ」




62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:16:18.19 ID:wvX1Pg6XO

スタッフ「ええ、あなたのお友達もあと1時間ほどで72時間が経過します。先ほど親御さんが見えられてました。ここで待っていれば会えますよ。」

津田 「ありがとうございます。」

・・・

天草 「津田!」
アリア「津田君!」

津田 「会長、先輩。」

天草 「・・・」

津田 「?どうしました?」

天草 「づだー!!うわーん!!」
 ぎゅうう

津田 「会長・・・」
アリア「シノちゃん・・」




63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:16:47.10 ID:wvX1Pg6XO

天草 「すまなかった・・だいぶ落ち着いた」

津田 「大丈夫です。俺だって今にも泣きたいです。」

アリア「あ、出島さん」

出島 「みなさん、おそろいで。」

天草 「アリアも津田も家に帰らなくていいのか・・?」

津田 「何言ってるんですか、会長こそ」

アリア「みんな考えは同じだよね」

出島 「お嬢様、現在お父様が萩村さんに会えるよう交渉しているとのことです」

津田 「!!萩村に会えるんですか!!!」

出島 「3日間も監禁されて溜まっているんですね。ですが今はじっと我慢して待ちましょう。」

津田 「・・下ネタ聞いて現実感がやっと出てきました。」

天草 「・・・」




64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:17:34.99 ID:wvX1Pg6XO

天草 「そうだな・・今はアリアの親御さんを信じ、じっと待つ時だ」

アリア「そうだねー私だって出来ることなら今すぐ会いたいけどね」

津田 「うう・・はい。」

天草 「津田よ」

津田 「はい。」

天草 「私は今学期を持って生徒会を引退する」
アリア「私もねー」

津田 「え?」

天草 「だが最後に、桜才学園生徒会長として最後に、萩村が無事退院するまでの指揮を執る!」
アリア「津田君は、副会長としてしっかりシノちゃんの言葉を聞くんだよ」

津田 「・・はい!」




65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:18:11.41 ID:wvX1Pg6XO

天草 「まずは状況整理だ。アリア!」

アリア「うん。出島さんが集めてくれた資料から今の状況をざっくり説明するね。」

津田 「はい。」

アリア「今私たちがいるのが、国立感染症研究所。私たちの他に40人以上の感染疑いの人が隔離されてたわ」

天草 「うむ。」

アリア「そしてスズちゃんとスズちゃんのお母さんがいるのが隣の大きな病院。国立国際医療研究センター。ここには特別な病気の人を治療できるベッドが4つあるの。」

津田 (そういえば自分が今どこにいるかも考えてなかった・・・)

アリア「スズちゃんが感染した病気はインフルエンザH7N9。感染源はダムに言った日に見たカモの死体。スズちゃんは重い呼吸器症状が出ているそうよ。」

津田 「・・・(萩村)」

アリア「ちなみにスズちゃんのお母さんはスズちゃんと最も長く一緒にいたからあちらの病院に入院したみたい。」

天草 「なるほど」

出島 「お嬢様」




66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:19:30.38 ID:wvX1Pg6XO

出島 「ただ今新たな情報が入りました。萩村さんのお母様は陰性が確認されたため退院となったようです。」

アリア「そうなんだ。よかったわ」

津田 「じゃあ萩村のお母さんに会いましょう!」

出島 「そう焦らずに。萩村さんのお母さんも、萩村さんを残してそのまま帰るとは思えません。事情を説明し、あとでゆっくりと合流しましょう。」

津田 「しかし・・」

天草 「そうだぞ津田。それによく考えろ。萩村のお母さんが無事退院したということはどういうことだかわかるか?」

津田 「え?・・え?!」

アリア「津田君ホントにスズちゃんが心配なんだね。でももっと冷静にならなきゃ。」

天草 「そうだぞー!ぷんぷん」

津田 「は・・はい」




67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 00:20:21.78 ID:wvX1Pg6XO

天草 「隔離中、テレビでニュースを見た。私たちのように隔離されてる人に感染者はいないらしい。そして萩村とずっと一緒にいたと思われる萩村の母が感染していないとなると・・・」

津田 「あ・・!つまり人から人には感染しない!!」

アリア「そういうことになるよねー」

出島 「つまり言ってしまえば、私たちが無理やり萩村さんに会ったとしても感染する確率はほとんど0であるということです。」

津田 「でも無理やりって・・」

出島 「はい、もちろん無理やりはいけません。ベッドで以外は。ちゃんと筋を通して会う段取りをつけます。感染の危険が限りなく0であるということは、面会することへの強力なカードになるということです。」

津田 「なんか途中妙な感じだったけど分かった!」

 ピリリリリ
出島 「ほら。ご都合主義にもタイミングよく電話がかかってきました。」

出島 「はい・・はい・・。承知しました。」

出島 「・・・・」

津田 「?」

出島 「とりあえず病院に入る許可が下りました。向かいましょう。」

天草 「よし、行くぞ!」




71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 19:48:17.48 ID:RimmckQxO

医師 「・・・どうぞこちらに」

一同 「・・・はい」

医師 「この待合室でお待ちください。また後で呼びに来ます」
 ガチャ

出島 「・・・お嬢さま」

アリア「どうしたのー?」

出島 「ちょっとよろしいですか」

アリア「うん、じゃあシノちゃんと津田君は先に行っててね」

天草 「ああ。」
津田 「・・・?はい。」

天草 「とりあえず座って待とう、津田。」

津田 「はい・・」




73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 19:49:56.58 ID:RimmckQxO

アリア「・・・」

津田 「七条先輩・・・どうしたんですか?なんか怖い顔になってますよ?」

アリア「う、うん、なんでもない。大丈夫よ」

津田 「?」

アリア「出島さんは、ちょっと欲情したからおトイレ行くって」

津田 「このシリアスなタイミングで?!」

天草 「・・・にしてもどれだけ待つんだろうな」

津田 「何か準備とかあるんじゃないですか」

アリア「そうだね、出島さんの情報によるとこのドアの向こうはバイオセーフティーレベル3の空間になっているんだって」

天草 「なんだそれは?」

アリア「私もよく分からないけど危険な微生物を扱うことができる密封空間なんだって」




74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 19:50:32.37 ID:RimmckQxO

津田 「・・・それだけ危険なものなんですね・・」

アリア「ちなみに朝まで私たちがいたところもそうらしいよ?」

津田 「えっそうなんですか?」

天草 「そういえば出るときと入るときに着替えたり空気のシャワーを浴びたな」

津田 「あー確かに」

 ガチャ
医師 「みなさん、お待たせしました。」

一同 「!」

医師 「この先はエアシャワーを浴びて、白衣に着替えて入室していただきます。靴も履きかえてもらいます。」

津田 「はい、大丈夫です。」

医師 「・・それと、分かっているかと思いますが・・・あなた方がこの先に入ることは内密にお願いします。」

アリア「分かってるよー」

医師 「これは患者が望んだたこともあって実現していることです・・よろしくお願いします」

津田 「?」




75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 19:51:10.82 ID:RimmckQxO

アリア「あ、あとでもう一人、メイド服の女性が来るから通してあげてください」

医師 「はい、聞いています」

天草 「では、行こう」

 ガチャリ

・・・

天草 「病室というより実験室だな」

津田 「そうですね・・。」

アリア「・・・」

津田 (さすがの七条先輩も緊張してるのかな・・口数が少ない)

医者 「ここが病室につながる廊下の全室です。これから入室時の注意事項を説明します」




76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 19:51:40.07 ID:RimmckQxO

医者 「入室の注意事項は以上です。なにか質問は?」

天草 「大丈夫です。」

医者 「では、現在患者の親族の方が面会していますのでしばらくお待ちください。」

天草 「はい」

津田 「萩村のお母さんが中にいるのかな」

天草 「たぶんそうだろう」

津田 「・・やっと萩村に会えますね」

天草 「ああ・・そうだな」

アリア「・・・」




77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 19:52:10.89 ID:RimmckQxO

医者 「患者の病状はすでにご存じだと思います。ご心情はお察ししますが、あまり長い時間の会話はお遠慮ください」

天草 「はい」

医者 「容体が急変した際はすぐに退室し、私にお知らせください」

津田 「え?・・萩村はそんなに悪いんですか?!」

医者 「??聞いていないのですか?患者は・」

アリア「!!」

医者 「会話ができる状態を保てるのは今日一杯と思われます。患者本人には伝えないでほしいとのご家族の意向ですのでくれぐれも患者には伝えないでください。」

津田 「・・・・・・・え?」

医者 「本来このような容体の患者との面会は行われないのですが、患者本人の希望であなた方と会話がしたいと要望がありました。ですからこの面会は実現しています。」

津田 「・・・・・・う・・そだろ?」




84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 22:49:39.58 ID:J7OQFJ1gO

ガチャ
萩村母「うっうっ・・・スズちゃん・・」

天草 「・・萩村のお母様」

萩村母「みなさん・・来てくれてありがとうございます」

津田 「あの・・萩村は・・?」

萩村母「・・スズもタカトシ君や皆さんと話したいと言ってました。どうかあってあげてください」

医者 「では、次に面会される方、どうぞ」

津田 「はぎむら・・」

医者 「あなたですか?では先ほどの説明に従って入室してください」

津田 (え・・?嘘だよな??・・やっと萩村に会えて・・病気も治って・・3学期は一緒に学校行けるよな・・?)
 ガチャ

アリア「津田君・・シノちゃんも言わなくてごめんなさい。・・私もさっき出島さんから聞いたの。」

天草 「本当・・なのか・・?」

アリア「・・・」

天草 「アリア・・私は・・」

アリア「シノちゃん、あのね・・」




85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 22:56:26.98 ID:J7OQFJ1gO

津田 (萩村・・いや・・まだ分からないだろ・・これから治っていく可能性だって)

津田 「・・萩村」

ガラス張りの部屋の向こうに人工呼吸装置につながれて横になる萩村がいた。
 萩村はこちらに気付くと苦しそうに笑った。
 防護服を着て、さっきの説明に従って部屋に入った。

萩村 「津田・・久しぶりね」

津田 「萩村・・」

萩村 「・・アンタは大丈夫なの?」

津田 「・・え?」

萩村 「インフルエンザ」

津田 「・・俺は大丈夫」

萩村 「そう。よかった・」

津田 「・・萩村こそ」

萩村 「・・私は結構キツイかな」

 萩村の体が、いつも以上に小さく感じた。




86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 23:04:57.21 ID:J7OQFJ1gO

萩村 「そんな顔しないでよ」

津田 「だって・・すごくつらそうだから・・」

萩村 「・・・面倒だから手短に言うわね」

津田 「え?」

萩村 「私は、私の状況分かってる。津田も、他の人も悪くない。これは私の責任。だから津田が悩む必要はない。」

津田 「でも俺・・!」

萩村 「・・でも、最後に津田に会えてよかった。ありがとう。来てくれて。」

津田 「はぎっ・・うっ・・はぎむら・・俺・・俺・・」

萩村 「男が簡単に泣くんじゃないわよ。あんたは帰ってコトミちゃんの心のケアしなさい。それと会長達がちゃんと大学に合格するようにサポートすること。それと自分の勉強もサボらずやること。」

津田 「ダメだ萩村!そんなの無理だよ!俺、萩村がいなかったらなんにもできない!お願いだから・・・!!」

萩村 「いつまでも私はいないのよ。私は卒業したら・・いずれにしろいなくなるんだから。」




87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/23(木) 23:11:44.38 ID:oRlPmzA0O

萩村 「だから・・約束して。」

津田 「・・」

萩村 「私のことは忘れること。」

津田 「・・いやだ」

萩村 「いつまでもあんたの心の中にいて、あんたの邪魔をするのは嫌なの」

津田 「・・いやだ」

萩村 「お願い・・私の一生のお願い」

津田 「・・萩村」

萩村 「タカトシ。指きり。」

津田 「・・萩村・・」

 きゅっ
萩村 「ゆびきりげんまんウソついたらはりせんぼんのーますゆびきった」




88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/23(木) 23:20:10.35 ID:oRlPmzA0O

 カチャ
 ガラス張りの窓の死角に入って、萩村の姿が見えなくなった。
 今見た萩村が、俺の人生で最後に見る萩村なんだ
 そう分かったとき俺は廊下に倒れこむようにして泣いた
津田 「うあああああ!はぎむらあああ!!」
 
萩村 (バカ・・聞こえてるわよ・・ありがとう・・タカトシの手の感触忘れないね)


アリア「津田君?!」

津田 「うっ・・うっ・・七条先輩・・」

アリア「スズちゃんの容体が悪いの?!」

津田 「ち・・違います・・すいません・・長く時間取っちゃって。次は先輩ですね・・」

アリア「・・うん」

津田 「・・俺前室に戻ってます。」

アリア「・・うん」

 ガチャ
津田 「・・・」

 待合室には出島さんが来ていた。
出島さんも萩村のお母さんも会長も、一言もしゃべらなかった。




93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/24(金) 00:08:09.02 ID:SjifqbGGO

 ガチャ
アリア「シノちゃん、OKよ。私の番は終わり。次はシノちゃんね。」

天草 「そうか!分かった。行ってくる。」
 ガチャ

アリア(シノちゃん・・・)


 カチャ
天草 「萩村」

・・・

萩村 「会長」

天草 「なんだ」

萩村 「・・・最後に、会長にお願いがあります。」

天草 「なんでも言ってくれ」

萩村 「私が・・いなくなった後、津田のことをよろしくお願いします」

天草 「えっ?」

萩村 「私は津田が好きです。」

天草 「・・・」

萩村 「でも、会長が津田のこと好きなのも知ってます」
 「もしよかったら・・津田のそばにいてやってください」
 「会長なら・・私、安心です」

天草 「・・・分かった。」




94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/24(金) 00:14:31.32 ID:SjifqbGGO

 ガチャ
天草 「終わりました」

医者 「・・はい。あなたはいいんですか?」

出島 「私は結構です。」

津田 「会ってあげてください」

出島 「私と話すことで消耗してほしくありません。私は私のやれることをします。」

津田 「・・・」

医者 「では、みなさんはご帰宅ください。くれぐれも口外しないように。あと、万が一症状が出たらすぐに戻ってください。」

 ガチャ

・・・

萩村母「みなさん、ありがとうございました。みなさんのおかげで・・・スズちゃんも元気が出たと思います。私は近くのホテルに宿泊しますので。」

天草 「・・・はい。あまり無理をなさらないでください」

萩村母「ありがとう」




101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 01:08:52.21 ID:cyv9H4iyO

津田 「会長、七条先輩、お久しぶりです。」

天草 「ああ、今年もよろしく、津田。」

アリア「うん、今年もよろしくねー」

津田 「じゃあ行きましょうか。」

天草 「ああ、そうだな」




102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 01:18:38.73 ID:cyv9H4iyO

津田 「やっぱりすごい人ですね。このお寺がこんなに混んでるのは年明け位ですよね」

アリア「うん、そうだねー。去年は神社だってけど混んでるのは変わらないね」

天草 「世間には二年参りと言って、年明け前から並ぶ人たちもいるようだ」

津田 「俺は大丈夫ですけど、先輩たちは受験勉強があるからそういうわけにはいきませんよね。」

天草 「ああ、そうだな。実は昨日は12時過ぎまで勉強をしていた。」

津田 「正直、会長はそこまで勉強する必要はないんじゃないですか?」

天草 「・・なあ、津田、アリア。・・聞いてくれるか?」

アリア「どうしたの?」
津田 「どうしたんですか?」

天草 「実は、私は志望校を変えた。よりハイレベルの大学だ。」

津田 「えっ?会長の志望校ってもともとかなりの難関校でしたよね?」

天草 「ああ・・でも私も将来、本当にやりたいことが見つかったんだ。そのためにはもっと高いレベルを目指さなければならない。」




103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 01:26:06.96 ID:cyv9H4iyO

アリア「ふふ、シノちゃんもなんだね」

天草 「?」

アリア「私もね、志望大学は変わらないけど、将来やりたいこと見つけたの。」

津田 「・・・実は俺もです。って言っても俺はまだ受験は来年ですけど」

天草 「・・・そうだな。やはりみんな考えは同じか。」

アリア「そうだね」
津田 「ですね」


天草 「それにしても行列が長いな・・」

津田 「そうですね」

天草 「時に津田よ。コトミは今日は一緒じゃないのか?」

津田 「あいつは寝坊したからおいてきました・・・午後、時さんと初詣に行くそうです。」

天草 「そうか・・・」

津田 「・・・大丈夫です、会長。コトミももういつも通りですよ・・俺の部屋を勝手に漁るくらい元通りですから」

アリア「あらあら、それはコトミちゃんに詳細を聞かないとねー」




104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 01:33:55.71 ID:cyv9H4iyO

津田 「そういえば今日は出島さんはお迎えに来るんですか?」

アリア「来ないよーなんで?」

津田 「いや・・非常に不本意なんですがコトミのやつ出島さんの下ネタを聞くと元気になるというか・・まあ別にいいんですが・・・」

アリア「ホントは津田君が聞きたいんじゃなくてー?」

津田 「断じてありえん」

天草 「ふふっ、津田もついにこちら側か!」

津田 「いえ、ずっとあちら側です」

天草 「・・まあ気持ちは分かる。コトミも一時期すっかり元気をなくしていたからな・・・」

津田 「ええ・・」


アリア「もうすぐだねー」

天草 「そうだな、津田、ちゃんとお賽銭用意したか?」

津田 「はい、大丈夫です」


ジャラジャラジャラ 
チャリーンチャリーン




105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/25(土) 01:48:31.24 ID:94+rwHXXO

出島 「皆様」

津田 「出島さん!」

出島 「こんにちは津田さん。さっそく両手に花で姫はじめですか?」

津田 「雇い主に対しても失礼だろ!」

アリア「あらあら、私は快楽には逆らわないタチだよー?」

津田 「あ、雇い主もダメだったんだ」


出島 「ところでお嬢様、お急ぎの用事ですのでお迎えに参りました」

アリア「うん、私はじゃあ先に帰るねー」

天草 「ああ、お互い受験頑張ろう」
津田 「お疲れ様です」


津田 「別に運転手がいたぞ・・何で出島さんが来たんだ?」

天草 「まあ、出島さんもいろいろと大変なんだろう」

津田 「いや、意味わかんないです」




106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 01:52:23.64 ID:94+rwHXXO

天草 「では私もそろそろ帰るとしよう」

津田 「会長。」

天草 「どうした?」

津田 「唐突ですけど、会長に聞いてほしいことがあるんです」

天草 「・・え?!」

津田 「俺の決意です。」

天草 「?」

津田 「あの日・・萩村と病室で会った日に萩村に言われたことです」

天草 「・・・うん」




107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 02:10:20.49 ID:94+rwHXXO

津田 「で、俺考えたんですけど、先輩たちの勉強のサポートは正直俺には荷が重すぎます。だから、先輩たちが引退した3学期からは俺、全力で生徒会の仕事をします。」

天草 「・・私は津田を信じている。だからこそ生徒会長を任せるんだ。」

津田 「ありがとうございます・・それに、実はコトミが3学期から生徒会に入りたいと言っているんです」

天草 「そうか・・コトミが・・・」

津田 「会長達にとってはコトミの力は不安だらけだと思いますが、俺、ちゃんとコトミを指導して一人前の生徒会役員にします。先輩として、兄として。」

天草 「津田・・」

津田 「それともう一つ・・これは決意俺自身のことなんですが・・」

天草 「?」

津田 「俺、今まで、定期試験で何度か補修とかになって会長や萩村に迷惑をかけたことがありました。でも・・俺これからは生徒会役員として恥じない成績を自分の力で取ります。会長達や・・萩村に心配かけないように。」

天草 「ふふ・・大丈夫か?」

津田 「大丈夫です。将来の目標も決めました。それに向かって頑張ります。・・・それに・・いつも萩村が勉強見てくれてる気がするんです。」

天草 「・・・そうか」




108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 02:13:22.36 ID:94+rwHXXO

津田 「すいません・・なんかカッコつけました・・・」

天草 「・・津田の気持ちは分かった。私も安心して自分の勉強ができると思う。」

津田 「はい」

天草 「私は・・本当に友人と後輩たちに恵まれた。」

津田 「・・・」


天草 「・・じゃあすまないがもう帰る。勉強しないといけないからな。」

津田 「はい。応援しています。会長ならきっと合格します。」

天草 「うん。ありがとう。津田。」


************

そして高校に入って初めての萩村のいない冬休みは終わり、やがて3年生の受験シーズンも終わりが近づいた。




111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 02:38:03.39 ID:XhTsYTrnO

津田 「あの日・・萩村は俺に約束しろって言ったんです。」

天草 「・・・うん」

津田 「コトミの世話をちゃんとすること、会長達の勉強のサポートをすること、俺自身の勉強をサボらずやること、そして・・萩村のことを忘れること」

天草 「・・・・」

津田 「・・俺頑張ったんですが、4つ目の約束は守れそうにないんです。」

天草 「・・・そうだな」

津田 「だから・・それ以外の3つの約束は全力で守りたいんです。」

天草 「・・・うん」

津田 「萩村と俺の・・最後の約束なんです。」

天草 「・・・うん」




118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/25(土) 23:16:11.53 ID:RDKlllA+O


卒業式まであと5日に迫ったある日、俺のケータイが鳴った。

津田 「もしもし」

天草 「私だ」

津田 「天草先輩」

天草 「津田」

津田 「はい」

天草 「・・受かった」

津田 「おめでとうございます」

天草 「・・うん・・実感がない」

津田 「先輩」

天草 「うん」

津田 「おめでとうございます」

天草 「・・・ありがとう、津田」




119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 23:16:49.51 ID:RDKlllA+O

天草 「一足先に合格したアリアと一緒に、安心して卒業式に出られそうだ」

津田 「はい。俺、送辞読みます」

天草 「ああ、私は答辞を読む」

津田 「なんだか変な気持ちですね」

天草 「ああ、君を生徒会に勧誘した日が・・昨日のようだ・・」

津田 「ええ・・でも、いろいろありましたね」

天草 「ああ・・そうだったな・・」

津田 「式が終わったらみんなでパーティーするんでしたよね?」

天草 「ああ、アリアの家でだ。門の前に集合だ。」

津田 「遅れないように頑張ります」




120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 23:17:47.14 ID:RDKlllA+O

天草 「・・津田」

津田 「はい?」

天草 「式の後、ちょっとだけ生徒会室に寄ってくれないか?」

津田 「え?何でですか?」

天草 「忘れたのか?前に言っただろう?引き継ぎと・・あと津田に伝えておきたいことがある」

津田 「ああ、そうでしたね」

天草 「他の生徒会役員は帰しておいてくれ。引き継ぎは生徒会長だけで十分だ」

津田 「はい、分かりました」

天草 「・・なんて偉そうなことを言ってるが、私はもう部外者だったな」

津田 「そんなことないです、卒業しても来てください」

天草 「・・ありがとう、津田」

津田 「・・・」

天草 「っと、もうそろそろ切るよ。家族に合格を伝えねば」

津田 「ふふっ、普通逆ですよ」

天草 「そうだな・・でも君に最初に報告しなければいけない気がした・・じゃあ学校で」

津田 「はい、待ってます。天草先輩。」




121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 23:19:13.20 ID:RDKlllA+O

横島 「続きまして、在校生送辞です。在校生代表、津田タカトシ。」

津田 「はい。」

 カツ・・カツ・・
津田 (不思議だな・・緊張・・はしてるけど不安は全然ない。先輩たち・・下ネタ大好きだけど、俺にいろいろと大切なことを教えてくれた。今は感謝の気持ちしか浮かばないや・・。生徒会・・天草先輩、七条先輩、見ていてください。俺、あなたたちのおかげで今ここにいます。感謝を伝えます。)
 カツ・・カツ・・
津田 (萩村、見ててくれ。俺、お前と出会ったときは全然頼りなかったと思う。ていうか、お前から見たら今でも頼りないんだろうな・・。でも、俺ちゃんとお前と約束守るから。俺一人の力でもちゃんとやれるってこと示すから。だから・・・ちゃんと見ててくれ。)
 カツ・・カツ・・

すうっ
津田 「・・・冬の寒さ和らぎ、桜の蕾が膨らみかけたこの良き日に、わが桜才学園高等部を卒業される諸先輩方、卒業おめでとうございます。・・・・」




122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 23:20:47.14 ID:RDKlllA+O

津田 「・・・・桜才学園の共学化により、伝統ある母校に新たな風が吹き込みました。その中においても先輩方は、後輩男女分け隔てなく接し、不言実行の言葉どおり、私たちにあるべき姿を示してくれました。私たちはこれから、この気風を受け継ぎ・・・・」

天草 「・・・・(津田・・)」

アリア「・・・(シノちゃん・・私も涙我慢できそうにないや・・)」

津田 「・・・・本日卒業を迎えられる先輩方は、希望と夢を抱いて新たな世界に羽ばたこうとしていらっしゃることと思います。私たち在校生は先輩方から学んだ、仲間を信じて精一杯努力することの大切さを忘れず、本校の伝統に恥じない精神を・・・・」

天草 「・・・・(涙ふかなくては・・答辞が読めないではないか・・)」

津田 「・・・・いつでもお待ちしております。どうぞ、元気な御姿を見せて私たちを励ましてください。先輩皆様方のご健康とご活躍をお祈りして、送辞とさせていただきます。・・・第○○期生徒会長、津田タカトシ。」




123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 23:21:22.35 ID:RDKlllA+O

天草 「・・・窓から差す光は温かみを増し、木々の緑は春を告げる色へと変わり始めました。本日は私たちのために、このような盛大な卒業式を開いていただき、感謝に絶えません。・・・・・」

津田 「・・・・(しっかり見届けよう)」

天草 「・・・・桜才学園での三年間は私たちに、個性の異なる皆で力を合わせて、障害を越えていく勇気を与えてくれました。・・・・」

津田 「・・・・(俺・・結構涙もろいんだな・・)」

天草 「・・・・今日、私たちは卒業します。卒業は別れであり、皆それぞれ違う道を歩き出します。しかし、それは悲しいことではありません。諸先生方、先輩、同級生、後輩、そしてこの桜才学園がくれた絆は私たちの中にしっかりと残り・・・・」

津田 「・・・・(萩村は・・どんな気持ちで聞いてるんだろう・・)」

天草 「・・・・私たちはこれを、みなさんに託して旅立ちます。最後になりましたが、桜才学園のますますの発展を願い、答辞とかえさせていただきます。・・・・卒業生代表、天草シノ。」


津田 「・・・・(会長があんなに泣いてるの初めて見たな・・・)」




124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 23:22:09.54 ID:RDKlllA+O

横島 「お疲れー生徒会長」

津田 「お疲れ様です、横島先生」

横島 「なんかさ、つまんないのよね」

津田 「?何がですか?」

横島 「みんなまじめすぎるのよ。生徒会役員共は」

津田 「先生が不真面目すぎるんですよ」

横島 「全く・・天草もさーボケの一つもなく」

津田 「あの式のどこにボケる場面がありましたか」

横島 「ま、いいや。来年度も私が顧問だ。あと一年よろしくな。じゃあ私は式の後片付けあるから、お前はさっさと帰れよー」

津田 「はいはい・・(まったく・・先生だってしっかり泣いてたじゃないですか)」




125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/25(土) 23:22:42.93 ID:RDKlllA+O

津田 「さて、生徒会室で引継ぎだったな・・」

 ガラガラ
天草 「・・・津田」

津田 「天草先輩、すみませんお待たせしました」

天草 「いいんだ、生徒会長は何かと大変だからな」

津田 「先輩の偉大さを身に染みて感じてます」

天草 「はは・・」

津田 「・・・引継ぎでしたよね?」

天草 「・・ああそうだった。・・・まず4月に入って最初にな・・・」

・・・

天草 「・・とまあこんな感じだ。」

津田 「・・いや、改めて大変な仕事だって実感しました」

天草 「なに、今の君なら何の心配もない。」

津田 「そうですか?」

天草 「ああ、私は安心して君にすべてを任せられる。・・・萩村との約束、守ったな。」

津田 「・・・はい。」




129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 00:58:26.77 ID:rpP5k00bO

天草 「・・・」

津田 「どうしたんです?窓の外見て」

天草 「・・・春だな」

津田 「ええ、春ですね」

天草 「津田、君に言わなきゃならんことがある」

津田 「なんですか?」

天草 「・・・萩村の病室に入った日のことだ」

津田 「・・・はい」




130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 00:59:08.67 ID:rpP5k00bO

天草 「初詣の日、君は私に萩村と約束したことを教えてくれた。」

津田 「はい」

天草 「萩村がなぜ、自分のことを忘れろと言ったか分かるか?」

津田 「それは・・いつまでも俺が萩村のこと忘れられずに前に進めなくなると思ったからですよ」

天草 「うん、そうだな・・でもそれだけじゃない」

津田 「え?」

天草 「あの日、萩村は私にこう言った。」

  『私がいなくなった後、津田のことをよろしくお願いします。私は津田が好きです。もしよかったら津田のそばにいてやってください。会長なら私、安心です』

津田 「え・・・?」

天草 「あのな、津田」

津田 「・・は、はい」




131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 01:00:00.47 ID:rpP5k00bO

天草 「私も君が好きだ。」

津田 「へ?」

天草 「でも萩村のあの言葉と、君から聞いた萩村の言葉を聞いて私は・・勝てないと思った。私だったら死の床に見舞いに来た思い人に、きっと気持ちを告げてしまうだろう。そして恋のライバルに彼をよろしくお願いしますなんて言えないだろう。でも萩村は・・君に『自分を忘れろ』と言った・・最後まで愛する人の幸せを願った。・・私はまだまだ未熟だ・・・。」

津田 「・・・」

天草 「・・・私から君に伝えることは以上だ。・・いつか・・・私が萩村みたいに君を思うことができるようになってら・・・その時は君にもう一度告白する・・・かもな」

津田 「天草先輩・・」

天草 「・・・やっぱり少しだけ抱きしめてほしい・・合格祝いとして・・・」

津田 「・・はい」
 ぎゅっ




132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 01:00:38.78 ID:rpP5k00bO

・・・

天草 「もう、この部屋とはお別れだな」

津田 「・・また遊びに来てください」

天草 「うん・・そうだな・・」


天草 「そうだ、最後に何か私に聞きたいことはあるか?」

津田 「・・・あります」

天草 「何だ?」

津田 「本当のことを教えてください」

天草 「?」

津田 「あの日・・萩村の病室に入った日、天草先輩、七条先輩、出島さんは何を話したんですか?」

天草 「!」




136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:17:52.92 ID:AEG7HgzxO

天草 「それは・・・言えない。君のためだ。」

津田 「先輩たちが俺のこと庇ってくれてるの分かってるんです。お願いです、教えてください。俺、覚悟してます。」

天草 「・・・分かった・・やっぱり私は君には嘘はつけないようだ・・」

天草 「あの日・・・津田が萩村の病室に向かったあと、アリアが切り出した」


//////////
アリア『スズちゃんのこと言わなくてごめんなさい。・・私もさっき出島さんから聞いたの。』

天草 『本当・・なのか・・?』

アリア『・・・』

天草 『アリア・・私は・・』

アリア『シノちゃん、あのねスズちゃんを助けることができるかもしれない方法が一つだけあるの』




137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:18:25.73 ID:AEG7HgzxO

天草 『それはなんだ!私はなんだってする!』

アリア『今、インフルエンザに対する新薬があるらしいの。でもそれはまだ国の認証を受けていない薬で処方することができないの』

天草 『じゃあ結局それを手に入れることはできないんじゃないのか?』

アリア『できるわ。出島さんが今大急ぎで取りにいってる。でも、もちろんこれは法律違反だし、何より臨床試験をしていないから副作用が出るかもしれない。』

天草 『副作用・・・』

アリア『動物実験では今のスズちゃんに副作用が出る可能性はほとんどないらしいの。でも人間で実験したわけじゃないから何とも言えないって』

天草 『・・・放っておけばいずれにしろ萩村は死んでしまう・・・私は萩村の命を優先したい』

アリア『うん・・そうだよね。私も同じ気持ち。でもこれは津田君には黙っていようと思うの』

天草 『なぜだ?』

アリア『これは法律違反だからいずればれたとき私たちは罰せられるかもしれない。津田君にはそんな罪を背負わせたくないでしょ?』

天草 『そうだな』




138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/26(日) 02:19:37.50 ID:AEG7HgzxO

天草 『だが、萩村の気持ちはどうなんだ?』

アリア『?』

天草 『未承認の副作用があるかもしれない薬を知らずに飲ませられるのは嫌かもしれないぞ』

アリア『そうね・・じゃあこうしましょう。私が津田君の次にスズちゃんに会って、副作用があるかもしれない薬を飲むかどうか確認するわ』

天草 『なるほど』

アリア『そしてスズちゃんが了承したらシノちゃんが薬を持って次に面会して飲ませるの』

天草 『了解した。しかし・・・この部屋には医者がいる・・この会話は聞かれていないようだが、萩村が了承したかどうかを私とアリアで意思疎通できない可能性もある』

アリア『じゃあ、スズちゃんが了承したら、言葉の中に“OK”って単語を入れるわ』

天草 『なるほど』




139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:20:05.71 ID:AEG7HgzxO

 ガチャ
出島 『お待たせしました。これが先ほどお話ししました新薬です。』

アリア『ご苦労様。それはシノちゃんに渡して。私はスズちゃんに意思確認して、飲ませるのはシノちゃんの役目だから』

出島 『かしこまりました』

アリア『飲ませた後、万が一副作用が出た場合のケアを手配しておいてもらえる?』

出島 『はい、もうすでに手配済みです。投薬後は治療チームのメンバーを七条家関係者の医師に変える準備ができております』

天草 『さすがだな・・』

出島 『しかしお嬢様、わたくししばらく車の運転はできそうにありません。ここに来るまでに信号無視17回、一時停止無視6回、速度超過60キロ、その他様々な道路交通法違反を犯しました。ほとぼりが冷めた後警察に行きますので、免停は免れないかと』

天草 『出島さん・・ありがとうございます。』

出島 『いえ、これもメイドの務めです。あと事故は起こしていないので安心してください。人の命を救うために人の命を奪うわけにはいきませんので』




140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:20:35.70 ID:AEG7HgzxO

アリア『あ、津田君来たみたい。私行ってくるね。』
 ガチャ

*******

アリア『・・・というわけなの。これを飲むかはスズちゃんに任せるわ』

萩村 『先輩たちの気持ち嬉しいです・・でも犯罪者にはしたくありません・・』

アリア『スズちゃん』

萩村 『・・・』

アリア『私たちはね、この2年間4人で1つの生徒会だったの。1人だって欠けることはシノちゃんが許さないわ。それに・・・津田君だって悲しむよ』

萩村 『・・・私は・・・』

*******

アリア『シノちゃん、“OK”よ。私の番は終わり。次はシノちゃんね。』

天草 『そうか!分かった。行ってくる。』
 ガチャ

アリア(シノちゃん、お願いします)




141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:21:12.70 ID:AEG7HgzxO

*******

 カチャ
天草 『萩村』

萩村 『会長』

天草 『いろいろ言いたいことはあるが、まずはこの薬を飲んでくれ』

萩村 『・・・はい・・ありがとうございます・・』

天草 『必ず治せ・・生徒会役員が欠けることは私が許さん』

萩村 『・・・はい』

萩村 『でももしも・・・もしもの時のために最後に、会長にお願いがあります・・・』

*******




142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:21:46.49 ID:AEG7HgzxO

//////////

天草 「副作用は・・・あった。」

津田 「えっ?!」

天草 「投薬後3日ほどでインフルエンザの症状は治まったが、直後から白血球が減少しだした。」

津田 「大丈夫なんですか?!」

天草 「数値が正常になり、もう退院しても問題ないという状態になるまで1か月近くかかってしまった。だから登校するのも3学期の途中からになってしまったんだ。」

津田 「そうだったんですか・・・」

天草 「投稿の日、朝萩村が津田の家に行った時の君の泣き顔はすごかったな」

津田 「もう・・忘れてくださいよ!!」

天草 「スズースズーうわあああん」

津田 「やめろー!!!」

天草 「まあでも、あれで君の気持ちは分かった」

津田 「あの後畑さんのせいでえらい目にあったんですからね」

天草 「津田よ」

津田 「なんです?」

天草 「もう帰れ・・校門のところで萩村が待っている。さっき窓から見えた。パーティーには遅れるなよ」




143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:22:27.31 ID:AEG7HgzxO

タカ 「萩村。待っててくれたんだ」

スズ 「ま、まあ同じ生徒会役員としてね」

タカ 「じゃあ帰ろうか」

スズ 「ん」

テクテク
スズ 「あのさ」

タカ 「ん?」

スズ 「スピーチ、津田にしては良かったんじゃない?」

タカ 「うん、ありがとう」

スズ 「・・・」




144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:22:55.57 ID:AEG7HgzxO

スズ 「ねえ」

タカ 「ん?」

スズ 「天草先輩と何話してたの?」

タカ 「うん、引継ぎのこと」

スズ 「ふーん・・・それだけ?」

タカ 「うーん」

スズ 「ウソね」

タカ 「あー」




145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:23:30.70 ID:AEG7HgzxO

タカ 「病室で萩村が天草先輩に言ったこと聞いてしまった」

スズ 「ん?・・・・・・げっ!!」

タカ 「聞いてしまった」

スズ 「二回言うなああああ!!/////」

タカ 「あのさ」

スズ 「何よ・・・///」

タカ 「もうあんなこと起きてほしくない」

スズ 「・・・うん」

タカ 「だから」



「これからはずっとそばにいてほしい」




146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:24:13.90 ID:AEG7HgzxO



←この辺にタカトシ


            この辺にスズ
               ↓





147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/26(日) 02:25:03.79 ID:AEG7HgzxO



←この辺にタカトシ


      この辺にスズ
         ↓





148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:25:34.29 ID:AEG7HgzxO




←この辺にスズとタカトシ







149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:26:22.90 ID:AEG7HgzxO

津田タカトシが桜才学園を卒業して約30年後


津田娘「パパ、ちょっといい?」

タカ 「ん?どうした?」

津田娘「進路のことなんだけど」

タカ 「うん」

津田娘「私ね、パパとママの大学行きたい」

タカ 「・・そっか」

津田娘「うれしいよ。でも一応言っておくぞ。」

タカ 「医者っていうのはな、なるのは大変なのは言うまでもないけど、なった後も大変だ。給料がいいていっても、激務で休日出勤は当たり前だし、つらい場面に出うことも多い。」

津田娘「うん、パパとママ見てるからわかるよ。お兄ちゃんは違う道選んだけど、私はパパたちと同じ道を選びたいの」

タカ 「そうか・・・」




150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:26:56.31 ID:AEG7HgzxO

津田娘「実はね、アリアおばちゃんからママがインフルエンザになった高校生の時のこと聞いたの」

タカ 「言わないって約束だったんじゃないんかーい!」

津田娘「誇れることだと思うよ。それにそうじゃなかったら私もお兄ちゃんも生まれなかったもん」

タカ 「まあそうだけどな」

津田娘「なんかパパに聞いてもらってすっきりしたよ。わたし頑張るね!じゃあ今日のゴハンは私が作る!」

タカ 「ほんとお前はママに似て頑張り屋だな。パパはテレビ見て待ってるよー」

 パチッ
TVキャスター『本日、14年ぶりの薬事法改正が成されました。これにより治験の制度は大幅に変わり、新薬が患者に届けられるスピードは飛躍的に向上します。この恩恵を最初に受けることになりそうなのは七条コンツェルン傘下の七条メディカル社が開発した抗レトロウイルス薬です。この薬によりHIVをはじめとする多くのレトロウイルス疾患の患者に希望の光が見えたと言えます。改正薬事法の原案作成にあたり天草厚生労働事務次官は関係各所に賛辞の言葉を述べ・・・』




151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/26(日) 02:27:42.71 ID:AEG7HgzxO

おわり



153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:36:01.31 ID:AEG7HgzxO

最後に

冒頭でスズが野生のカモに触れてインフルに感染していますが、実際はこれで感染する確率はほぼ0です。
また、ここで書いたように感染可能性がなくとも指定感染症患者の病室に立ち入ることはまず無理です

今、日本ではデング熱や重症熱性血小板減少症などが、海外ではエボラ出血熱などの感染が伝えられています。
こういったセンセーショナルなニュースはテレビで毎日のように伝えられますが、ニュースキャスターや
時には新聞においても、誤った内容が報じられることがあります。(ss中でキャスターが言ってることは正しいです)
こうした新興感染症からの防御として最も大切なことは「正しい知識をつけること」です。
自分や、自分の大切な人を守るために、ぜひ正しい知識をつけてください。




152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 02:32:34.48 ID:6UF7m8w9o


ハッピーエンドで良かった・・・



157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/26(日) 03:14:29.76 ID:3WHCuKbxo


面白かったしためになったよ




津田「神様お願いです・・萩村を助けてください」【後編】








http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413900352/