UNANIMATED

スウェーデン、ストックホルム出身のメロディックデス/ブラックメタルバンドです。
unanimated_shot
ライダースに袖をカットしたGジャンのレイヤード。時代を感じさせます。

さて、DISSECTIONやその周辺のバンドが好きで書き始めたこのまとめですけれども
DISSECTIONの音楽性を考える時に重要なバンドがあります。
それが今回ご紹介のUNANIMATED!(ジャパネットたかた風に)

彼らはDISSECTIONやMARDUKDARK FUNERALと同様
スウェーデンのブラックメタルシーンに大きく寄与した
No Fashion Recordsの初期に所属していたバンド。
1stアルバムの「In the Forest of the Dreaming Dead」はレーベル番号NFR004。
つまりはNo Fashion Recordsのリリース4作目。
シーンの初期から活動していたバンドであることが窺えます。

で、なぜDISSECTIONの名を比較対象に出したかといえば
DISSECTIONの音楽性にはUNANIMATEDの影響があったと言われているからです。

そもそも、DISSECTION以前にJon Nodtveidtが活動していたバンドは
デスメタルやスラッシュメタルが中心で、DISSECTIONのようなブラックメタルではありませんでした。
そのJonがなぜDISSECTIONでブラックメタルをやるようになったかについては
一時期THE BLACKというブラックメタルバンドに在籍したことや
MAYHEMの影響があった等の理由が言われていますが
その音楽的な元ネタについてはこのUNANIMATEDの名がよく挙げられます。
実際に聴いてみると、トレモロリフの音階であったり
ギターのフレージング等には確かにDISSECTIONを想起させるところがあります。

んじゃアレか?Jon NodtveidtはUNANIMATEDをパクったんか?というと
そういう訳じゃないと思います。
UNANIMATEDは1988年に結成、1stアルバムのリリースが1993年、
DISSECTIONは1989年に結成、1stアルバムのリリースが同じく1993年と
両者はほぼ同時期に活動を開始しています。
同郷で当然お互いに知っていたでしょうし、レーベルメイトでもあるわけで
相互に影響を受けていたと考えるのが自然かと。
ただ、Nodtveidtがブラックメタルを志向した時に
曲作りでUNANIMATEDを参考にした可能性は高いと思います。

そんなわけで、アルバムを見てみようや、なあ?

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In The Forest of the Dreaming Dead
UNANIMATED_INTHEFOREST1
「夢見る屍者の森で」とかイカしたタイトルの1st。
現在よく見掛ける再発盤はジャケがイラストになっていますが
オリジナル盤は画像の通り適当感漂うグループショット
しかしこのバンドの売りのひとつ、実にカッコ良いロゴはこの時点で既に完成されています。

方向性としてはメロブラでもメロデスでもなく、
そこここに北欧らしいメロウなリフやギターワークを織り込んだデスメタル
しかし、後にスウェディッシュメロブラの基本形となるメロやリフが多く見られます。

若干、粗さは見られますが
デス/スラッシュ系の荒々しい疾走感がカッコ良い#5
イントロ/アウトロの叙情的なリードプレイからグッとくる#6
スウェディッシュデスらしいヘヴィなリフの応酬から、
中間部でメロディックなトレモロリフでの疾走に転ずる名曲#8など
初期北欧メロブラ/メロデスを探る上では重要な作品。
泣きの叙情性に溢れたリードプレイが堪らない#10も最高。

Ancient God of Evil
UNANIMATED_ANCIENT1
こちらは名盤とされる2ndアルバム。
当時トイズファクトリーから日本盤がリリースされたんですが
普通に「エインシェント・ゴッド・オヴ・イーヴル」という邦題でガッカリでしたw

まだスタイルの定まっていなかった1stに対し、
本作はジャケの色合いにも象徴的なように、
いわゆる北欧的なクサメロを多用したメロデス/メロブラにフォーカスしています。
メロディックなトレモロや単音リフで疾走する#1からしてもう素晴らしい
しかしここで感じられるのはDISSECTIONぽさ。
前述した通り、彼らがDISSECTIONに影響を与えた一方、
彼ら自身もまたDISSECTIONから影響を受けていた
のでしょう。

#3などはどちらかと言えばメロデス寄りのリフワークですが
まだメロデス/メロブラが未分化であった頃ならではの
イーヴルさと叙情性が混在する当時のシーンを代表する名曲
ただひとつ言いたいのは、

(# ^ω^)いいところでフェイドアウトして終わる癖やめろ

前作でもあったんだけど、フェイドアウトすんのはええんだよ!もうちょっと聴かせろよ!お預け癖かよ!

しかしいずれにせよ、最初から最後までメロウなギターワークが満載の名盤。
曲構成も巧みになり、いずれも4~5分のコンパクトにまとめた中に多様な展開を織り込み飽きさせませんし、
2本のギターを活かしたリフのアイディアも豊富で
各曲がアルバムの中で役割を持っています。
間違いなくメロブラ/メロデス史に残るべき名盤。

今後の飛躍が期待された名盤でしたが、その後程なくしてバンドは解散してしまいます。

In the Light of Darkness
UNANIMATED_INTHE2
前作をリリース後、1996年にバンドは解散、
しかし2007年に主要なメンバーが揃って再結成、そしてリリースされた3rdアルバムです。

解散後メンバーはそれぞれDISMEMBERENTOMBEDDESULTORY等で活動していたものの
すっかりスウェーデンのブラック/デスのシーンも様変わりしてしまった中
彼らがどのような作風でくるか注目されましたが
こちらも名盤と言って良い出来のアルバム。

前作は叙情的なメロをたっぷり盛り込んだ作風でしたが
本作はこれまたジャケやタイトルにも表れているように
墨をたっぷりと落としたような黒々とした重さを湛えたアルバム。

良好なサウンドプロダクションによる分厚く奥行きのある音作りの中、
スウェディッシュブラックらしいトレモロリフ
ヘヴィな暗黒性漂うリフの応酬が重厚な世界を作り上げています。
混沌とした暗黒性の中にイーヴルかつメロウなフレーズが挿入されるスタイルは
WATAINの近作あたりにも通じるものがあります。
本作のレイアウトやデザインにはWATAINのE. (Erik Danielsson)が関わっているようなので
実際、影響はあったのかもしれません。

この変化を残念に思った人もいるかもしれませんが
#2や#6、#7などを聴けば
現代的な北欧ブラックを消化しつつUNANIMATEDらしい個性を落とし込んだ
傑作であることがわかる筈。
不穏さと叙情性を併せ持った#7のギターソロなどは絶品です。

また名前を出して気が引けるんですが
DISSECTIONが3rdで路線変更することなく
ブラックメタルのまま活動していたら
こんな風になっていたのではないか
、とも感じさせる場面もあります。

奇しくもDISSECTIONはこのアルバムの前年に復活作である「Reinkaos」をリリース。
それに呼応するかのようにUNANIMATEDも再結成し新作をリリース。
DISSECTIONはご存知の通りそれが最後の作品となってしまうのですが
UNANIMATEDもまた、これ以降新作をリリースしていません。

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バンドは3rdアルバムをリリース後2ndギタリストとして
後期DISSECTIONに在籍、現在はWATAINのサポートを務めるSet Teitanを迎え
ライブ等の活動をしていたようですが
2012年の初頭、長年ドラムの座を守っていたPeter Stjarnvindが脱退して以降は活動停止状態です。
3rdアルバムは彼らが今もって高いクリエイティビティを有することを証明した傑作ですし
今後の新作も期待しているんですけどね。

いずれにしても、彼らは90年代の北欧ブラックメタルシーンにおいて
ひとつの足跡を残しました。
2ndアルバムのリリース後、解散せずに活動を継続していたら
今のポジションは違っていたかもしれません。

センス溢れるギターのメロのみならず
Peterの手数の多いドラムワークも必聴です。
現在はどのアルバムも廃盤状態のようですが
入手するのはさほど難しくないと思います。

というわけで
( ^ω^)さっさと活動!再開! しばくぞ!!
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