CHARLOTTE THE HARLOTのKobayashi氏のインタビュー、後編です。
前編を未読の方はこちらからどうぞ。
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>作曲はどのような形でしているんですか?

Kobayashi:まずはギターでリフを作ります。シンプルでベーシックな型を作ってから、
そこにメロディやベースラインを重ねていくスタイルです。これは
TOXOPLASMAぶおぶおでの
作曲と全く同じです。CHARLOTTE THE HARLOT (以下CTH)の曲には、
TOXOPLASMAぶおぶおで音源化していない曲をアレンジし直したものもあります。
ベースから作った曲、なんてのもありますが、基本はギターのリフからですね。

その後、打ち込みのドラムパート、歌まで入れたデモを作ってセッションプレイヤーに展開します。
ドラムパートは本当にベーシックな打ち込みだけで、セッションプレイヤーにイメージを
具体的に伝えながら直して貰い校正していきます。参考動画や音源を提示して、細かくイメージを
伝えます。ギターソロについても同様ですね。でも皆センスが良いので、殆ど数回の校正で
OKとなります。こうしてほぼ音源通りのデモが完成します。


>ブラック寄りのデス/スラッシュという感じだった1stEPの収録曲に対し、
2ndEPの"The Malicious"等はメロデスっぽいリフをメインに、後半はメロディックなギターが続く
大作と、やや雰囲気の異なるタイプの曲ですが、何か意識したものがあったのでしょうか。

Kobayashi:自分の中から出てくるリフから曲を作るというスタイルは従来通りですが、
"The Malicious"なんかは、作っている途中から「これはDARKTHRONE風の曲だな」と自分でも
わかりますよね。モロに影響されたリフです。そこでそのまま押し通すようなフォロワーの美学も
理解していますが、更にキャッチーなコーラスと弾きまくりギターソロ、という本家に無い要素を
ブチ込んだら、面白いと思ってくれる人もいるかな?と思って取り入れてみました。
ただこういう点が、真正ブラックメタルファンに認められない要素だという事は自覚しています。
余計な事しなくて良いのに、と。

質問にメロデスという言葉が出たので少し脱線しますが、初期スウェディッシュデスのバンドとか
昔のメロデスバンドって、アルバムの中でデスメタル的な曲とブラックメタル的な曲が
混在していたり、ひとつの曲の中でも絡み合っていたりして興味深かったですよね。
聴いている側も「このバンドはブラックメタル色が強いけどジャンルの分類はどうなんだ!?」
とか議論して楽しめましたし。

最近の焦点を絞り過ぎたメタルレコードは、ずっとメインディッシュのステーキを食べている様な
感じがして、自分は食傷気味です。徹頭徹尾Heavy Metalイメージを掲げているMANOWARだって、
キャッチーな曲やバラードを演奏していますし、それこそ初期IRON MAIDENなんかは
パンク色が強いじゃないか?とか。バンドイメージから極端に逸脱しない範囲で
様々なタイプの曲があった方が自分は楽しめます。自分でも速さや重さに徹底的に拘った
スラッシュメタルやグラインドコアのレコードを聴きたい日もありますし、他のバンドの音源に
ケチをつけているわけでは無いので、あくまで個人の好みです。


>レコーディングはどのような流れで?特にKobayashiさん以外のメンバーのパート等は
大変かと思うのですが。

Kobayshi:はい、各メンバー全国のバラバラなところに住んでいるので、
集まれるのは1日だけです。
その日で自分以外のパートが録り終われる様に、万全の準備をしてレコーディングに臨みます。
1日のタイムスケジュールを目で見てわかる様に表にしたり、各曲の構成、歌詞、注意ポイントを
まとめて事前に伝達、また印刷したものも持参して、エンジニアさんとのコミュニケーションが
円滑に進められる様に努力しています。バンドでのレコーディングと違って、
時間の管理や金銭面での負担も全て自分が請け負うので気が抜けません。

幸い皆、素晴らしいプレイヤーばかりで、しかも充分に準備をして
レコーディングに臨んでくれるので、パートによっては予定よりも早く録り終わったりもします。
本当に感謝しています。
全員が楽しめる様な雰囲気作りや、思い通りにいかなくてもイライラしたりしない様に、
といった点も気を付けています。


>レコーディング後、ミックスの作業等はどのように?Kobayashiさんが単独で
やっているのでしょうか?


Kobayashi:フェーダーの上げ下げの実作業やマスタリングはエンジニアに依頼していますが、
音決めの1つ1つ、バランスは全て自分のさじ加減で決定してます。作業にはすべて
立ち会う様にしていますが、席を外す場合は仕上がりを確認し、何度も校正を重ねています。
ヴォーカルパートの振り分けなどは録音データを自宅に持ち帰って自分で作業したりもします。

そして、最終段階でメタルに精通した友人にチェックしてもらい、盲目的なミックスに
なっていないかを確認、完パケとなります。ずっと同じ曲を聴いていると、何が正しいのか
分からなくなってしまう事もあるので。


>Kobayashiさん以外の参加メンバーの方について教えてください。

Kobayashi:もともと皆、過去に一緒にやっていたバンドメンバーや友達です。
ヴォーカルで参加してくれているのは
TOXOPLASMAぶおぶおでも歌ってくれているTanaka氏。
ギターソロはGUILTYS LAWというメロパワバンドに在籍していたIwahara氏。
ドラムは昔に自分とTHE DYERというロックバンドで一緒に演奏していたHiroki氏。
Hiroki氏は現在はメジャーバンドのサポートをしていたりもするプロフェッショナルです。
コーラスや日本語バージョンで歌ってくれたSyogo氏も元
TOXOPLASMAぶおぶおのメンバーです。

>Kobayashiさんを始めとしてプレイヤーはみんな高水準だと思うのですが、
自分は特にヴォーカルに驚きました。
エフェクトはかけているのかもしれませんが、凄いグロウルですよね。

Kobayashi:ヴォーカルはCARCASS流のツインヴォーカルスタイルです。
高音シャウトはTanaka氏、低音グロウルとしゃがれた語り声は自分が担当です。
しかし実は二人とも「一人二役」が可能で、過去に録音したそれぞれの音源を聴き比べてみても、
遜色の無いレベルの事が出来ています。なお、過度なエフェクトはかけていません。
普通のエクストリームメタルバンドのヴォーカルよりも少ないぐらいです。

彼とは学生時代にも一緒にバンドをやっていましたが、デス声で歌える人なんて他にいませんから、
二人で「自分達でなんとかするしかないよな」と身に付けていった感じですね。
本来Tanaka氏にはCTHにはギターでの参加を要請していたんですが、ヴォーカルを依頼していた
友人の参加が難しくなってしまい、急遽ギターは自分が弾いて、彼にはヴォーカルにチェンジして
専念してもらいました。
TOXOPLASMAぶおぶおとヴォーカルのスタイルが同じになるのでどうしようかとも考えましたが、
Tanaka氏のパフォーマンスについては信頼していますし、自分の負担を軽減してくれるだろうと
思って決断しました。


>CTH以外も含めて、今後の活動予定がありましたら教えてください。

Kobayashi:当面はCTHのフルアルバムの制作を目指して曲作りをしていきます。
ただ、お話しした通りの制作方法なので時間がかかるんですよ。
CTHはもともと自分のソロプロジェクトとして始めましたが、正式にバンドにして、
もっと活発に動ける様にしたいとも思っています。ライブもしたいですし。
それに
TOXOPLASMAぶおぶおでも活動を再開したい等、色々と構想はあります。
現実的な時間や予算との折り合いが難しいところですが。
また勿論、現在サポートで参加しているDOWNFALLにも全力で貢献出来たらと考えています。


>最後に、CTHの作品を聴いた方、あるいはこれから聴く方に伝えたいことがあれば
お願い致します。

Kobayashi:自分もメタルミュージックの大ファンです。様々なタイプのHeavy Metalが好きです。
今もCDをいっぱい買っていて、部屋が圧迫されている様な典型的なメタル野郎です。
「同じメタルファンの作った音楽なんだな」という目線で楽しんで頂ければ嬉しいです。


>今日は長い時間ありがとうございました。CTH、TOKOPLASMAぶおぶお、またDOWNFALL等、
いずれも今後の活動を楽しみにしています。

Kobayashi:こちらこそ、ありがとうございました。

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いかがでしたでしょうか。
今回のインタビューは昨年末に取らせてもらったのですが、暮れのくそ忙しい時期にも関わらずKobayashi氏は非常に丁寧に答えてくださいました。
やり取りの中で感じたのは、氏は頭が良い、というか
質問の意図を汲み取る能力が高いということで、こちらの拙い質問にも
適切かつ鋭い回答をしてくれています。
インタビュー中「メンバーやエンジニアとの円滑な意思疎通には気を付けている」との言葉がありましたが、それも納得です。

この記事が書けたのは氏のご厚意のお陰です。
本当に感謝しております。

ということで、CHARLOTTE THE HARLOTに興味を持った方は是非聴いてみてください。
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