UNDER THREAT。

コロンビア出身のメロディックデスメタルバンドです。
UnderThreat-BandPic
危険な仕事を終えて一杯、なマフィアの写真ではない。


( ^ω^)メロデス。
いいよね。melodeath。

でもまあ、もうメタルのサブジャンルとしては曖昧になってるとは思う。
バッキングは完全にメロスピでヴォーカルだけグロウルとか、
現代型のエクストリームメタルだけど、メロもちょこっと導入してますみたいなのは
メロデスなのかって話じゃん。わかんないじゃん。

でもそんな中、90年代型メロデス、
ああこういうのが当初はメロデスって言われてたよね、的なのをプレイし続けるバンドもいるわけ。
で、そういうバンドの中で僕が大好きなバンドがあるわけ。

それが、UNDER THREAT。

まああのさ、去年の暮れさ、Twitterとか見てたら
いろんな人が2018年のベストアルバムとか挙げてたの。
うーんなるほどみんな凄いなあ、いろいろ聴いてるんだなあとか思って。

僕はもう年間ベストとかは書くのめんどくさいんでアレなんけど
2018年よく聴いたアルバム考えてたら
UNDER THREATの5thアルバム、あれ2017年リリースだったけど
去年もずっと聴いてたなって。 

そんで思った。これもうまとめ書こうって。
UNDER THREATについてきちんと書こうって。

以前にも書いたけどUNDER THREATは
その圧倒的なクオリティにも関わらず正直マイナー。
お前らメイニアは「は?アンダースレット?日本盤もリリースされてたし有名だろバーカ」
とか言うかもしれないし俺もそう思うしむしろこれ聴かずにメロデス好きとか言うやつがいたらちょっと話し合おうぜこのポーザーめとか思う
だからお前らは今さら書かなくていいよとか言うかもしれないけどいいだろ書きたいの。
もう書きたくて仕方ないから書く。

まずこのバンドは1997年にコロンビアのボゴタで結成。
南米でもブラジル等は当時既にメタルシーンは活発だったけど
それ以外の南米~中南米諸国出身のバンドはあまり見なかった。
そんな中、コロンビアから彼らは現れた。

コロンビアですよ?
今でこそ、コロンビアやチリあたりも優れたバンドがどんどん現れてるけども
かつてはコロンビア言うたらアンタね。
麻薬戦争の国みたいなイメージですからね。
なんなら今でも外務省のサイト見たら、コロンビア、大部分が黄色。危険色。
赤じゃないならギリセーフだなとかそういう話じゃない。
「不要不急の渡航は止めてください。」とか「渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」
とかそういう奴。
いやボゴタは首都だしそこまでじゃないとは思うけども。

まあとにかく、そういった国の中でバンド活動などをしていくことは難しかっただろうと思う。
そんな彼らのスタイルは90年代北欧型、
もっと言えばスウェーデンのイエテボリやストックホルム型メロデス直系の音。

彼らが結成された1997年と言えば、北欧メロデスシーンもピーク、あるいはそれをやや過ぎていた頃か。
でも当時はまだネットも発達していない時代。
彼らはおそらく大変な思いをしてそういった欧州のバンドの音源を聴き、
俺たちもこれをやりたいと楽器を手にした、そんな少年たちだったのだろうと思う。

かくてスタートしたUNDER THREAT。
初期はIN FLAMESA CANOROUS QUINTETみたいなイモ臭いメロを多く配した
垢抜けないスタイルだったけれども、
徐々にAT THE GATESの4thのようなスラッシーなキレを重視した硬派なスタイルに。
その苦味に満ちた音階のリフもさることながら
とにかく終始手の止まらないドラムに痺れる。
おのおの振り返ってみようぜ。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
Hipostasis

1999年リリースの1stアルバム。
Hipostasis

記念すべきデビューアルバム。
この時点でのメンバーは下記の通り。

John Perez (Vo.)
Nicolas Bermudez (G./ Vo. / Synth)
David Bermudez (Ba.)
Alejandro Rojas (Dr.)
 
さっきいずれも傑作とか書いといて何だけども
まあこのアルバムはぶっちゃけB級感が強い
でもB級メロデスを愛せるようなダメな人々なら刺さるものがある。あるよな?

この時点ではリフもキレや苦味よりも臭さやメロウさを優先した印象で
曲構成もやや唐突にシンフォアレンジを導入(裏ジャケのメンバーのクレジットにも、Nicolasのパートにわざわざシンセサイザーと書いている)したりしていて
まだ方向性も定まっていない。音質もショボい。

ただ様々な点でハンデも多い土地柄だからこそであろう、
愚直なまでに真摯にメロデスを追求する姿勢に胸を打たれる。お前らも打たれろ。
ただ問題なのはこのアルバム今はやや入手困難。
一度、2011年にバンドの自主リリースで再発されたようだけど、そちらもほとんど見ない。
僕もそっちは持ってない。ボートラ入ってるらしいんで欲しいのだけど。
そういうわけだから再発しろ。おう早くしろよ。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
Behind Mankind's Disguise

2003年リリースの2ndアルバム。
Behind

裏ジャケのクレジットにあるメンバーは下記の通り。

John Perez (Vo.)
Nicolas Bermudez (G./ Vo.)
Erick Leider (G.)
David Bermudez (Ba.)
Alejandro Rojas (Dr.)

上記の通りギタリストがひとり加入。
ただしおそらくこのErick Leiderはアルバム制作には参加しておらず、
実質、前作と変わらないメンバーで制作されたアルバム。

しかしもうこの時点で別人のようにレベルアップ。
Yes!高須クリニック!でゴニョゴニョしたアイドルのようにレベルアップ。
いや彼らは自力でレベルアップしたんだと思うけど。
4年という時間はこんなにも人を大きくするのだ。

ちなみに本作はプロデュースに当時JUNGLE ROTChris Wisco(Chris Djuricic名義)、
マスタリングにTrevor Sadler(同じくJUNGLE ROTVEIL OF MAYA等に関わっている)が参加。
プロダクションも大幅に向上している。

1stで見せたシンフォアレンジは排し、
ソリッドなギターサウンドのみで骨子を組み立てるスタイルへ。
ギターがリフの刻みは細かく、音もエッジの効いたタッチになったことで
リードの泣きメロはよりダイナミックに際立つように。
ギター1本でも心配するなと言わんばかりにベースも激しくランニングし、
そしてこのバンドの屋台骨というかむしろもう主役とさえ言って良いドラムは急成長。
手が止まらない。常にロールかブラストかみたいな。
この手数の多い楽器隊が絡みながら
何かに追い立てられるように突進するスタイルが彼らの真骨頂。
それでいて#2のラストのような熱く昇天するリードもたまりません。
いやいや彼ららしいニヒリスティックなリフに
まるでフィニッシュメロデスのような昏い叙情が絡む#5も最高かよ…とか
12曲も入ってんのに捨て曲が見当たらない恐ろしいアルバム。
本作は1stよりはまだ見付かる…と思うけどこれも再発しろ。はやくしろーっ!間に合わなくなっても知らんぞーーーっ!

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
Deathmosphere

2006年リリースの3rdアルバム。
Deathmosphere1
Dethmosphere2

メンバーは下記の4人。

John Perez (Vo.)
Nicolas Bermudez (G./ Vo. / Synth)
David Bermudez (Ba.)
Alejandro Rojas (Dr.)

前作でクレジットされていたErick Leiderは
短期間のライブのみの参加だったと思われる。

本作で彼らを知ったという人は多いと思う。僕もそう。
なぜなら本作、今はなきSoundholicから日本盤がリリースされていたのです。
本当にSoundholicは目利きだったと思うわ。

ちなみに資料を見ると、彼らはこのアルバムリリース以前に
アメリカに活動拠点を移したらしい旨が書かれている。
実際、本作のオリジナルはUSのBarbarian Recordsからのリリース。
US盤と日本盤が存在するので現在も比較的手に入れやすい。

ミックスとマスタリングは前作同様にChris DjuricicとTrevor Sadlerが参加。
また、本作のジャケデザインはNiklas Sundin (DARK TRANQUILLITY)。
この頃のNiklasの画風はいかにもCG感が強くて今とは異なる。

さて、本作は前作の延長線上にある作風ながら
更にプロダクションが良くなり、ギターの音に厚みが増したこともあって
いよいよAクラスの風格を纏うに至った。

UNDER THREATは全作傑作なのでどこから聴いても良いけど
もし敢えてどれか最初に推すなら僕は本作を選ぶ
本作は全体的にスピーディな曲が多く一気に聴かせられる作風だし、
何よりも、#5 "Black Inertia Desintegration"が収録されているから
この曲は彼らのマスターピースと言って良いであろう。
いや、彼らの最高の1曲ってほんと選べないんだけど、
たぶん日本のメロデサーに最もウケるのはこれじゃないかと思うんだ。
ブルデスのように打ち鳴らされるリズムに乗る切迫感に満ちた単音リフ、
そしてタメに満ちた変則的な展開を経ての2:50からはもう全編がクライマックス。
ラストの泣きのリードにはもう土下座。
この曲を聴いて何も感じないとか言う奴は俺と話し合おう

ちなみに本作CDはエンハンスド仕様で1曲、ライブ動画が収録。
この動画ではCarlos Venegasなる人物がゲストギタリストとしてクレジットされている。
基本的にはUNDER THREATはライブではサポートギタリストが参加している模様。

ライブもカッコ良さそうだぜ…。

あ、そうそう、心配しなくても大丈夫。本作はわりと入手しやすいって。わりとね。
たぶんしやすいと思う。でも覚悟はしておけ。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
The Manifested Void

2013年リリースの4thアルバム。
TheManifest1
TheManifest2
本作CDは画像の通りスリップケース仕様。
ジャケ絵は本作もNiklas Sundin。

メンバーは下記の3人編成となっている。

Nicolas Bermudez (Vo./G.)
David Bermudez (Ba.)
Alejandro Rojas (Dr.)

前作はそれなりに評判を呼んだらしく、バンドの知名度を上げることに成功したのだけど、
そのチャンスを放棄するかのように、
本作まで7年もの間が空いてしまう。
正直、僕も彼らは消えてしまったのだと思っていた。

と思ったら、ギター&ベースのBermudez兄弟が前作リリース直後にBlaze Bayleyのバンドに参加。2011年までメンバーとして活動していたらしく、その間バンドは活動停止していたらしい。
なお前作まで参加していたヴォーカルのJohn Perezは活動停止期間中に脱退していた様子。

事実、クレジットを見ると、本作は2006年の段階で既に制作に動いていた旨の記載がある。
そこから2012年まで断続的に製作を続け、ようやく2013年にレコーディングに至った模様。

これ知った時は僕はまあBlaze許さねえと思ったね。
いやIRON MAIDENのあの2作についてはもういいよ。あれはBlazeだけが悪いんじゃない。
WOLFSBANEだってわりと好きだよ僕。
だがUNDER THREATの活動停止の原因を作ってしまったことは絶対に許さない。
男性ホルモン濃過ぎの北大路欣也みたいなモミアゲしやがってこのやろう。

しかし。

やはり彼らは凄かった。
正直このバンドの作曲能力の高さには舌を巻く。敬服せざるを得ない。
基本的な路線は変わらないのに、クオリティがまったく落ちない。

敢えて言えば、前作よりも半歩ほど乾いた作風になったというか、
ジャケからも感じられるように、よりモノトーンな色合いのアルバム。
臭みはほぼ無くなり、乾いた苦味に支配された
ハードボイルドな男のメロデス

ただ本作はレーベル契約なしの完全自主制作となっていて、制作環境は前作までより厳しかったと思われる。
プロダクションもやや低下。
特にポコポコしたスネアの音はいただけないが、バンドの活動停止中も
SOULBURNERLEISHMANIASISのデスメタルバンドで活動していたRojasのドラムワークは本作も冴え渡る。
アルバム冒頭のロール一発で、UNDER THREATが帰ってきたのだと感じる。

なお#6 "Order 666"ではコロンビアの古豪デスメタル、MASACREのAlex Okendo、
#10 "To the Great Unknown"ではROTTING CHRISTのSakis Tolisが
それぞれバッキングヴォーカルでゲスト参加。
今回も捨て曲は見当たらないけど、彼らのナンバー中でも特に高いブルタリティを有する
"Order 666"に僕、震える。西野カナより震える

この曲のギターソロなんかも痺れるだろ?な?

あ!? CD?
…しつこく探してりゃそのうち見付かるだろ!甘えんなボケ!

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
The Prison Within

2017年リリースの5thアルバム。
ThePrison

前作からまた間が空いてしまい心配されたが、無事に新作をリリース。
このアルバムは以前の記事を読んでほしいけど、相変わらずどこを切っても
「ああ…ウチはね、豆を…通常の5倍使用してるんですよ (渋微笑)。」
とか言うマスターが営む喫茶店のブラックコーヒーみたいな苦味on苦味みたいなメロデスが楽しめる傑作。

うん、これはね。
ユニ◯ンとかで2,000円しない額でまだ見掛けるから手に入れやすいよ。
でもできれば新品で買ってあげたらいいと思うよ。
しつこいようだけど年間ベストクラスの傑作だよ。

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

ということで。

活動20年以上でリリースしたアルバムはわずかに5作という寡作なバンド、UNDER THREAT。
しかしながら現在、バンドは活発にライブ等、活動中の様子。
昨年のコロンビア版Knotfest等にも参加しているので、現地ではそれなりに支持を受けているんじゃないすかね。
このまま順調に活動を続けてくれれば、
次作はこれまでほど間を置かずに期待できるのではないかと思う。
Bermudez兄弟のセンスフルなソングライティングにRojasの高速ドラム、という
鉄壁の布陣は変わることも無さそうだし。
頼んますよマジで。

でさ、先に書いたけどもさ。
こんなナイスなバンドである彼ら、今ひとつマイナーに甘んじているのは否めない。
それはいくつか理由はあるのだろうけど
まあとにかく一番の理由は「音源が手に入らない」
これ。

過去作のCDは軒並み入手困難で、デジタルリリース等もされていない。
曲を聴けないんじゃ知りようも無いって話よ、そりゃあさ。
この記事に貼ろうと思ってYoutubeの動画も探したんだけど、オフィシャルだとほとんど無かった。

なのでですね、とにかく旧譜は再発して欲しい、今すぐに。ナウ。スーン。
あるいはせめてデジタル音源をリリースするくらいはして欲しい。

まあ来日とかそういう可能性はほぼゼロだろうけど、
日本では確実にニーズのある音ですよ。
かつて多くのメタラーを痺れさせたのに、
ゼロ年代にあっさり消えていったあのバンドやあのバンドの音
スウェーデンから遠く離れたコロンビアで正統的に受け継ぎ
なんならむしろ当時より優れたクオリティでプレイしているこのバンド。
もっとみんな聴くべき。僕みてえなオタクメタラーだけに聴かせていてはいけない

もし来日したら今なら30人くらいは集まると思う。
でも再発されて流通良くなったら50人くらいは集まると思う。

( ^ω^)まあとにかくだ、すぐに再発しろ。今すぐにだ。

真面目な話、現在では4thまでは中古市場をこまめにチェックするしかない。
でもじっちゃんの名にかけて後悔はさせないよ。