ブラックサタデー in 東高円寺
0216二万 - コピー
寒かった。この時。早く中入れよって自分で思った。

さて、僕の今のお気に入りのバンドのひとつ、GALGA FALMUL
結成当初から素晴らしいメロブラを聴かせている彼らがついに1stEPをドロップ。
んで、この日はいわゆるレコ発企画。
行ってまいりました。

その日の夕方、僕は仕事を適当にぶん投げて高円寺へ。
僕はライブには身軽で行きたい派なので
いつも荷物はコインロッカーに入れちゃうんだけれども
二万電圧のある東高円寺はコインロッカー無いのね。
んで仕方ないから高円寺駅のコインロッカーに入れた。着てたアウターと鞄。
これでカッコはTシャツに手ブラでカンペキよ。全力でライブ見れるわ。
さて歩くかと。東高円寺まで。徒歩15分てとこか。

(゚Д゚)………。
寒い。すっげ寒い。
あたりまえじゃん2月の夜だぞTシャツとかバカじゃないのアホじゃないの。
まあいい。すれ違う人こっち見てた気もするけど、
「いや僕すぐそこに住んでるんで。近くのコンビニに行くだけなんで。」的な空気を出して歩いていたからたぶん不審者ではなかったと思う。たぶんね。
まあ言わばブラックメタルを聴くにふさわしいコールドネスを事前に味わってから
ハコに入ったってところだよね。
僕くらいの上級者になるとさ。

さて二万電圧に着いたのは19時半頃か。
RISING FALLBAFOMETは既に出番を終え、3番手のDEATH HORNがプレイ中でした。
好きなバンドなのですが、2曲しか見れず残念。
しかし実はDEATH HORNは翌日も見る予定があったのでセーフ。
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SSORC

しばらくの転換を経て、SSORCが登場。

昨年にも二万電圧で見る機会があったのだけれども
まあともかく「ブラックメタルらしいブラックメタルの雰囲気」の纏い加減は
今やここまでのバンドはそうそういないのではないかというほど濃いバンド。
発する空気の不穏さがエライことになっている。

主としてそれは現ヴォーカルのChihiro氏が持つ雰囲気によるところが大きい。
側頭部を剃り落とした長髪に気合の入ったペイントを施し、
時に遠くの何かを見据えるように中空を見つめ、
あるいは時にフロアを見下ろし、おもむろにメロイックサインを掲げる姿は
まさに地下宗教の教祖のようなカリスマ性満点。
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バンドの音楽性としては、どこまでも一定のビートを刻み続けるドラムに
これまたシンプルなリフが延々繰り返されるプリブラ。
でも、そこにあのパフォーマンスが組み合わされた時。
その場に満ちる空気の陶酔感はハンパない。妙な非現実感に溺れる
以前見たMAYHEMを思い出した。

終始ダウナーとアッパーがないまぜとなったような、
だがとにかく不穏な雰囲気を撒き散らして去っていきました。
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怒号

東京のブラックメタル。
見るのはこの時が初めて。
だけれども、そのメンツで以前から話題になっていたバンド。
ドラムがIronfist辰島氏でヴォーカルが関口靖彦氏。
(この人たちの経歴は書くまでもないっていうか書き始めたらエライことになるから割愛。)
またギターもSSORCに在籍したMayo Odium氏だそう。
彼らの前に出たSSORCも含めて、
多くのハードコア、ブラックメタルのバンドに関わっている人脈のバンド。

結論から言えば、めちゃくちゃカッコ良かった

スタイルとしては、ブラックと言ってもノルウェー等のそれよりも
南米産あたりのバンドを思わせる非常に粗野で野蛮な音
凄まじい目力で吠え立てる関口氏のメイクが白塗りのコープスペイントではなく
BLASPHEMYのようなウォーブラック等に多いものであることもそれを感じさせる。
また、着ていたTシャツがIMPALED NAZARENEというのも
ハードコア感の強い怒号の音を表していたようにも思う。

さてライブ。まず関口氏。あのフロントマンとしての存在感。凄い。
デカいガタイにスキンヘッド。んであのメイク。ヒャッハー感すげえ
そんな野郎がフロアに噛み付くようにステージから乗り出してガナリ立てる姿は
正直ちょっと怖さすら覚えるほど。
あやうく種もみ渡しそうになったもんね僕。ミスミのじいさんかよ。
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んで僕、最初は後方で見てたんだけれども、
あまりのカッコ良さに前に行ったよね。
でさ、ビジュアル面でのインパクトは関口氏のそれによるところは大きいんだけど、
見ているうち、聴いているうちにぐいぐい引き込まれたのは、ドラム。
やっぱりすげえあの人。Ironfist辰島氏。

国内のハードコアシーンでは伝説的な人ですけども
なんだろあの迫力。
現代のいわゆる超人ドラマーはそのスピードや正確性も凄いのが多いけども
辰島氏はそういうのとちょっと違う。
もっとバッコンバッコンと荒っぽく、身体全体を使ってプレイするようなスタイル。
スネアのブラストからライドシンバルを叩きに行く姿は上半身を大きくスイングしてるし、
クラッシュシンバルなんて棍棒でぶん殴ってるようにしか見えないし。
暴力的。いや暴力。ドラムヴァイオレンス。DV。

ブラックメタルだけど、寒々しくはない。
もっと粗野で暴力的。やっぱりハードコアの匂いが強い。
しかしそんな理屈も無用。
エクストリームミュージックとして問答無用の迫力に満ちていた。
圧巻。

しかし、ライブ終了後にCD買ったんですけど
対応してくれた関口氏、ステージを降りると物腰の柔らかい紳士。
「ライブめちゃくちゃ良かったです」と伝えると、
優しく微笑みながら「ありがとうございます」。
これがギャップ萌えってやつか。

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GALGA FALMUL

僕はGALGA FALMULを見るのは今回が3度目。
前身バンドであったCRUCEM時代からのキャリアもあるとはいえ、
結成以来コンスタントにライブをこなし、2017年末にデモをリリース、
そして今年はEPをリリースということで、順調かつ勢力的に活動中。

んで今回のライブ。
もうホントに良かったこれが。
文句無しに今回が一番良かった、というか見る度に良くなってる。
でも今回は、スケールの大きさというか
今後ブレイクするのではないか、という予感めいたものを覚えた。

特に感じたのはヴォーカルのWinterkaldのパワーアップ。
もともとディープな低音グロウルとノイジーなスクリームを使い分ける技術は高かったけれども
これまではステージでのパフォーマンスは素っ気ないというか、
ある意味ブラックらしい無愛想ぶりだったのだけど、
今回はその表情、特にフロアを見下ろす目付きが凄まじく、鬼気迫る威圧感ビリビリ。
極端に暴れたり騒いだりすることなしに、目付きでアピールするって凄い。

それともひとつ、ギタリスト二人のステージ上でのコンビネーションの良さ
ほら、あるじゃん、ギター二人がソロパートで向かい合って弾くとか
いかにもメタルらしくネックを並べて弾くとか。
ああいうのが実に自然にキマっててカッコ良い。
これはライブを多くこなしてるからだと思うし、
プレイヤー個々のみでなく、バンドとしての状態の良さの表れでもあると思う。
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今回はトリということでいったん終了後にアンコールで再登場。
この時、既に発表されてはいたんだけれども
キーボーディストの加入が改めてアナウンス。
このキーボーディストはシンフォブラックのZEMINENCEでも活動中のKen氏。
彼を加えた6人体制で「このバンドで最初に作った曲」との紹介で"Bloodbath"をプレイ。
確かにキーボードが加わったことで音に厚みと奥行きが増していた。
僕はシンフォ色が強すぎない、ギター中心の方が好きなのだけど、これは好バランス。

いやマジでこの日、
このバンド、アンダーグラウンドなブラックメタルバンドというポジションから
もうひとつ上のレベルでの活動に向かうのでは?という感を覚えた。マジで。
あと書いときたいんだけど、このバンド、めっちゃメタルだわ。すげえメタル。
これは聴けばわかる。ブラックメタルだけど熱い。

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ということでこの日のライブ、
怒号が予想を上回る圧巻ぶりで、こりゃ今日は怒号が一番かなあ、
と思ったんだけれども、
GALGA FALMULがその上を行ったと感じた一日でした。

で、この日はもちろんこれ買った。
0216CD
怒号とGALGA FALMULのEP。

GALGA FALMULの音源、マジで素晴らしい。
90年代型のスウェディッシュメロデス/メロブラ好きには絶対にオススメ。
特に2ndの頃のNAGLFARとかが好きな人はド真ん中だと思う。
4曲入りのEPだけど記事書きたい。

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そんなわけで楽しい時間も終了…。
僕はCDを手に、満足感を胸に、二万電圧を後にしたのだけれども、
外の空気に触れたその瞬間、自分はTシャツ姿であり、今は冷え込む2月の夜であり、
そして高円寺駅までは徒歩15分の道のりである、
その現実を思い出させられたよね。
まあ言わばブラックメタルを聴いたにふさわしいコールドネスを事後にも味わいながら
家に帰ったってところだよね。僕くらいの上級者になるとさ。

(;゚Д゚)………。
いや寒かった。すっげ寒かった。