セルビア出身…で現在はカナダのケベック州モントリオールで活動中(の筈)の
メロディックブラック/メロディックデスメタル、
2018年リリースの3rdフルレングスアルバムです。
BANE_Esoratic1
BANE_Esoratic2
頑固に同一のコンセプトを貫くジャケ絵。
Bahrull Martaなるインドネシアのイラストレーターによるものです。

(  ゚Д゚)ベーーーーーーン!!!

まあこのバンドも3作目。
でもこのバンドはちょっと前置きで書くネタあるよ。ラッキー。
ええとでは前置き書くね。このバンドはそもそも中心人物のBranislav Panićがセルビアで立ち上げたバンドなのだけれども、
Branislavは2ndアルバムリリース後の2012年にカナダに移住したらしく、事実上いったんそこでバンドは解散状態に。
その後現地で改めてバンドを再編した模様。
よって、現在の彼らはセルビア出身ではあるものの
環境は前作までの時期とは大きく変わっていることになる。

んだけれども、ブックレットにあるクレジットを見るとだ。
本作のレコーディングはBranislavがVo./G./Ba./Keyをひとりで担当、
ドラムのみHonza Kapákがプレイ。
Branislavはドラム以外のパートを2014年~2018年の間に少しずつ録音し、
2018年にドラムのみKapákがチェコのスタジオで録音した旨が書かれている。
Kapákはチェコのプレイヤーで、以前にもBANEのアルバムにはミックスなどで参加。
そして本作でも同様にミキシングは彼。
よって、本作はほぼ「ひとりプロジェクト」状態で作られたアルバムの模様。

カナダ、しかもフランス移民で構成され、
VOIVODCRYPTOPSY等、イカれた個性的なバンドを多く輩出しているケベック州。
ましてメタル人気が高いモントリオールに拠点を移したことは
メタルミュージシャンとしてはポジティヴなことだったのではないかと思うのだけど
実際には東欧セルビアからの遠く離れた北米への移住。
現地でスムーズに活動、というわけにはいかなかったのだろう。

おっ?なかなかレビュー記事っぽい文章じゃね?良くね?

よし、前置きもキマったところで、そんじゃまあアルバムの内容だけれども。
このバンドもね、DISSECTIONフォロワーとして知られていたバンド。
まあ過去作についても書いたから読んでよ。

そんでね、本作はどうかっていうと
相変わらずJon Nodtveidtさんへの愛が変わらず貫かれていて好感持てる。
ただ、前作までの「もろ」という、良い意味で溢れんばかりのDISSECTION愛の発露と
荒削りにスラッシーな音から、本作はもう少し大人っぽい方向に成長した感がある。

(゚∀゚)って言っといて何だけどこれはイントロでもう濃厚にDISSECTION。

いいよね。安心させてくれるよ。
数年ぶりに制作されたドラマの第二シーズン第一話で「フッ…変わらねえな、あいつ」
とか主人公のライバルがつぶやいちゃうレベル。

(^ω^)…が、実はそうでもない。
勢いに任せたアグレッシヴなファストメロブラという印象だった前作から、
本作には全体の印象として、陰りを湛えたメロデス風味の増加を感じる。
というと、「ああこのバンドもそういう方向に行っちゃったか」って思う人もいるよね。
わかるよ。メタラーって「1stアルバム原理主義者」とか多いじゃん。
なんなら「デビュー前のデモが最高」みたいな。めんどくせえよなしね。
お前らはもう一生サウンドハウステープスとかノーライフティルレザーだけ聴いてろ。

いや違うのよ、そうじゃねえの。
多分このバンドの本作の方向性っていうのは
DISSECTIONからの影響ってところから変わっていない。
どういうことかっていうと

「Reinkaos」までも消化している。

これ。

いやね?「DISSECTIONぽい」っていうと
ほぼ「The Somberlain」と「Storm of the Light's Bane」ぽい音を出してるものを指すじゃん。
いやわかるよ、それはさ。
どっちも最高の作品ですよ。
でもだ、しかしだ、お前ら「Reinkaos」忘れてねえかコラ。
DISSECTIONの最終作にしてNodtveidtの遺作と言って良いであろう名盤。
それまでの寒々しく、緊迫感に満ちたメロブラから
モノトーンな諦観、厭世、あるいは達観か。
そうした、何かの悟りを得たようなムードのメロデスへ変わったかの作風は
ブラックメタラーからは今ひとつ微妙な評価を受けているわけ。
けど素晴らしいアルバムなわけ。

(#゚Д゚)もう一度言うがReinkaos聴いてつまんないとか言う奴とは
俺は話し合いの席を持つ用意がある。

で、BANEは、というかBranislav
そのReinkaosまでも含めたレベルでDISSECTIONを消化しているのだと思う。
その結実が本作。
これを聴いてみて欲しい。

(゚Д゚)最高だろこれ。

いや素晴らしい。
僕はここまで"Reinkaos"を正しく落とし込んだ作品はちょっと思い浮かばない。
いいかお前ら、もう一度言うが
「DISSECTIONいいよね」とか言うならReinkaosまできちんと聴くべきなわけ。
ジャケがNecrolordさんじゃないとか死神が描かれていないとかそういう話はちょっと置いとくべきなわけ。
1st、2ndで聴けるトレモロリフとかギターのパッセージのフレーズをちょっとそれっぽく真似てどうですかDISSECTIONぽくないですかとかおじさん許さないわけ。
その点でBANEは本作において「DISSECTIONフォロワー」としての真髄を見せ付けたと言えるわけ。

泣くね。
曲自体もいいし、浅くない、真なる敬愛の念が見て取れる。

ということで本作、
決して良い制作環境にあったとは言えない状況下での作品のようだけれども
Branislav Panićが自分の影響源を掘り下げた結果の力作だと思う。
もちろんメロブラ/メロデス好きには勧められる好作だけど
DISSECTION好きは特に聴いてみて欲しい。
凡百のフォロワーとは一線を画すスタイルを提示してるアルバムだから。

さて、んでもって現在。
BANEはバンドとして再編し、ライブ等も含め活発に活動中の模様。
先日、モントリオールは「メタル・シティ宣言」を市議会が採択したほどメタルが活発な地。
是非とも頑張ってほしいところ。

Bandcamp貼っときます。

( ゚Д゚)あとこの機会にReinkaosも聴いとけ。まあ聴いてない奴なんてこの世にいないはずだけど。