1:2014/10/04(土) 22:35:25.11 ID:
咲SS 有珠山メインです



由暉子「? ……どうされたんですか?」

爽「えっ、べつに…」

爽「どうもしないし…。うん。うん、なにが?」

由暉子「すごく慌ててるので」

爽「いや全然ッ! 慌ててねーし!」

由暉子「手で何かを潰すような動作が見えたんですけど」

爽「む、虫がさー! 飛んでてさー! 思わずこうブチッと!」

爽「いきなり窓からでっかいの入ってくんだもん! やー、びっくりだよなー!」ハハッ

由暉子「素手でやったのですか。引きます」

爽「お、おう…」

由暉子「あと、窓開いてませんよ?」

爽「……」

由暉子「それに部室……なんだか煙くさいです」


爽「………」ダラダラダラ

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2:2014/10/04(土) 22:41:52.78 ID:
由暉子「爽先輩? 汗すごいですけど…」

爽「だ、だいじょぶだって。フツーフツー…」

由暉子「顔色真っ青ですよ」

由暉子「あの、ハンカチ。汗ふきますから」フキフキ

爽「いい子…」

由暉子「やっぱり部室が煙いのが原因では?」

爽「だ、だいじょぶだって。フツーフツー…」

由暉子「いえ、普通じゃないです」


3:2014/10/04(土) 22:46:59.94 ID:
爽(やっべ…超やっべー)

爽(今日って一年は6限じゃなかったっけ。油断してたわ)

爽(タバコ吹かしてるトコ、直で見られたわけじゃないみたいだけど)

爽(かくなる上は…)ムムム


爽「そ、そーだな! やっぱ窓締め切ってると換気悪いな! 開けよう!」ガララッ

爽(強引に誤魔化すっ! これっきゃないッ)


ドタバタドタバタッ…

爽「さ、さあッ…どーだ?」

爽(証拠隠滅完了ッ!)

爽(換気したし、箱とライター回収したし、ついでにエロ本も蹴っ飛ばしてベッドの下に入れたっ!)

爽(これでもう、OKなはず…!)


由暉子「……」

由暉子「やっぱり、怪しいです」


4:2014/10/04(土) 22:55:37.43 ID:
爽「え?」

由暉子「爽先輩、動かないでください」

由暉子「私の勘が告げています…。これは、事件です!」

爽「ちょっ……ユキ?」

由暉子「煙くさい部室…。窓も開いていないのに入ってきた虫…。不可解な爽先輩…」

由暉子「無造作に転がっていた薄い本…。乱暴に蹴っ飛ばした爽先輩…」

由暉子「極めつけ! 部室に不釣合いな空き缶っ!」



爽(ぎゃあーっ! ぜんぶ見られてんじゃん!)

爽(てかあの空き缶、灰皿代わりの…。やばいやばいッ)



由暉子「爽先輩……私にはすべてお見通しです」

由暉子「これら数々の証拠が突きつける事実ッ……それは!」


由暉子「不良ですっ! 間違いありません!」バーンッ


5:2014/10/04(土) 23:04:27.60 ID:
爽(あぁ……とうとうバレちゃったかあ)

爽(真面目っ子のユキの前では、いい先輩でいたかったけどな)

爽(ま、しょーがないか。今更言い訳すんのダッセーし)


爽「ゴメン…」

由暉子「? なぜ爽先輩が謝るのですか?」

爽「へ?」

由暉子「不良はどうやら、私たちの居ぬ間に部室を土足で荒らしたようです」

由暉子「許せません。絶対に捕まえましょう!」

爽(えっとー…これって私がタバコ吸ってたんじゃないって、勘違いしてる?)


7:2014/10/04(土) 23:10:32.29 ID:
爽(やっりぃー! 儲けっ! セーフ! セエエェェェフッ!!)

爽(助かったーっ! さすがユキっ、微塵も疑ってない!)


爽「やー、ユキはいい子だなぁ」ナデナデ

由暉子「ひゃっ…。もう、撫でてる場合じゃありません」

由暉子「爽先輩もちゃんと怒ってください。不良に荒らされたんですよ」

由暉子「私たちの神聖な部室を!」プンプン

爽「怒ってる怒ってる」モミモミ

由暉子「全然怒ってるように見えないです」

由暉子「それと、なぜ胸を?」

爽「ユキはやっぱりやわらかいな!」

由暉子「……」ツネッ

爽「いたたたっ!」


8:2014/10/04(土) 23:14:22.35 ID:
爽「なんだよぅ…いつもはもっと触らせてくれんのに」

由暉子「真面目な話をしてるんです」

爽「私だって中途半端な気持ちで揉んでないよ」

爽「責任は取る」キリッ

由暉子「……」ジト

爽「ゴメン」


由暉子「…私、とても好きなんです」

由暉子「先輩たちが私を必要としてくれた、この麻雀部が」

由暉子「だから。ここが汚されたら……すごく、悲しいんです…」

爽「………」


9:2014/10/04(土) 23:19:14.01 ID:
爽(そーいやユキ、中学でイジメられてたっけ)

爽(本人は、全然つらくねーって言ってたけど)

爽(そもそもイジメだとも気づいてなかったんだけど)

爽(べつに強がりじゃなくて本心だと思うけど)

爽(…でも、それと独りで寂しくないってのは、違うよな)


爽「……わかった」

由暉子「え…?」

爽「部室の件は、私に任せとけ」

爽「私がちゃんと……ユキの大事なもの、守ってやる」


10:2014/10/04(土) 23:24:08.98 ID:
由暉子「……」ポケー

由暉子「…はい。よろしくお願いします、爽先輩」クスリ

爽「ああ」

由暉子「じゃあ私、帰りますね。今日は用事があって部活出れないので」

爽「…あ、それでもしかして先に伝えにきたのか?」

由暉子「はい。おかげで思わぬ事件に遭遇しましたけど」

由暉子「でも爽先輩に会えたので。だいじょうぶだと思います」



由暉子「爽先輩はいつも……カッコいいですし!」


11:2014/10/04(土) 23:28:06.98 ID:
…………
……


爽「………」スパー

爽「…はぁ~。どうすっかなー」プカプカ

爽「誤魔化せたけど…限界あるよな」

爽「ユキがいくら鈍くっても一度尻尾が見えたら、いろんなトコに目端がいくだろーし」

爽「やっぱ時間の問題だよな」ギュッギュ


爽「……」シュボッ

爽「スフー…」


12:2014/10/04(土) 23:33:52.94 ID:
-唐突な回想-

ユキが有珠山高校にくる前。
まだ、中学生のゲストだった頃のこと。

あの頃は、部室で当たり前に煙吸ってたな。
ユキが部外者だから、そういうのを見せないようにしてただけで。


べつに、不良のつもりはないんだ。

喫煙が悪いことだとも思ってないし、たまに酒だって持ち込んで飲んでた。
見つかんなきゃいいだろ、ぐらいの感覚。

でもヤバイ薬みたいな、そういうのには手を出そうなんて思わない。
つーかクスリとかハーブやるヤツってただのバカだろ。

ケンカなんて小学生以来したことないしな。
こっそりバイトして、遊んで、目をつけられない程度に勉強して。

普通だよ。いい子じゃないだけ。
私たちのほとんどは、カトリック系学校に通っててもイエス様を信じてない。



じゃあなんでユキを麻雀部に入れたんだ、ってなるよな。

暇だったから。

理由はそんだけ。
麻雀部だと思って入ったら雀卓もなくって、先輩が売り飛ばしたって話聞いたら、
急にどうでもよくなった。

そんな日常がダラダラ続いて、ちょっと刺激が欲しかったんだ。


ユキを助けたかったわけでも、
カッコいい先輩になりたかったわけでも、ない。



13:2014/10/04(土) 23:39:24.46 ID:
そんで、いつもみたいに賭けポーカーしながら、そういう話になった。


揺杏「なあ、爽」

爽「んー?」

揺杏「あのさ。話があんだけど」

爽「金なら貸さないよ」

揺杏「違うって。…あのさ、うちのちゅーがくせーだけど」

爽「ユキがどうかした?」

揺杏「爽さぁ。いつまでやるわけ?」

爽「なにが?」

揺杏「だから…こういう茶番だよ」


14:2014/10/04(土) 23:44:31.15 ID:
揺杏「隠す必要なくねー? つか、イチイチ証拠隠すのめんどいんだけど」

揺杏「ユキがくる時間になったらタバコと酒隠して、換気して、床掃除して、テーブル拭いて…」

揺杏「私らメイドかよ。なんで年下相手におもてなししてんだ」

揺杏「べつに言ったって引かれねーって。成香だってあっさり染まったじゃん」

爽「ちかちゃん怖いです…ってな!」

揺杏「そーそー! チカはあの見た目でエロ本マニアだもんなー」

爽「一緒に読も!って膝に座らされた成香、泣いてたな!」

揺杏「泣くっしょ。こえーよ、あれ。ハァハァ息荒えし! 犯される!って思うわww」

爽「wwwww」

揺杏「wwwwww」


揺杏「やべ、脱線してるわ。だからさ、チカもストレス堪ってんの」

揺杏「コレクション半分近く焚書されるし、猥談もできねーって」


15:2014/10/04(土) 23:51:10.68 ID:
ガチャッ

誓子「あ、二人とも早いわね。もういたんだ」

爽「おー。成香は?」

誓子「掃除当番。すぐ来るって」

誓子「…その様子だと、揺杏話したみたいね」

揺杏「チカがエロ本処分されて涙目、まで話した」

爽「プッ」

誓子「ちょっと!」


誓子「…あー。いいや。で? 爽、どうするのよ」

誓子「ユキちゃん、もう有珠山受かったじゃない。来月には入学してくる。時間ないよ?」

爽「今のままでいいじゃん」

爽「バレないバレない。今までバレなかったくらいなんだからさ」

爽「私たちの隠蔽スキルを信じろ!」


誓子「…はぁ~。重症ね、これ」


16:2014/10/04(土) 23:57:56.00 ID:
爽「ていうかそろそろ時間か。ほらタバコ消せ。換気、換気」ガラッ ビュオーーッ

揺杏「さっむッ!」

誓子「さっむッ!」

爽「さっむッ!」


揺杏「…マジで? 爽、来年もこんな風雪に耐えんの?」

誓子「真冬でも窓開けるの? 正気?」

爽「コート着れば楽勝だから」カタカタ

揺杏「なんで極寒の中でタバコ吸わなきゃなんねーの…なんの罰ゲームだよ…」

爽「嫌なら吸わなきゃいいだろ」

揺杏「……爽が吸ってるから私も吸ってるだけなのに…」

爽「ん、なに?」

揺杏「…なんでもねー」プイッ


17:2014/10/05(日) 00:13:04.17 ID:
誓子「あぁもうッ、寒すぎ! ぜんっぜん割りに合わない!」ブルブル

誓子「爽! 今度買い物付き合ってよ! 防寒着買うから!」

爽「いいよ。でもせっかく街に出るなら映画も観よーぜ! 封切りしたばっかの話題作観てー!」

誓子「あったり前でしょ! 貴重な外出日使うんだから!」

誓子「午前中に映画観たらランチ食べて、それから服見に行って、カラオケしてボーリングして」

誓子「ベンチで夜景観ながら晩御飯食べて、寒くないように手を繋いで帰るの!」

爽「いいね、いいね」

誓子「待ち合わせは駅前に朝十時!」

爽「待ち合わせって……一緒に行けばよくねー?」

誓子「バカ! そういうことじゃないの。ムードが大事なの!」

爽「そっか? まぁチカがそうしたいんならいいけど」


誓子「…よしッ」グッ!

揺杏「チカ、上手くやったねー?」

誓子「な、なんのことかなっ?///」


18:2014/10/05(日) 00:23:59.75 ID:
爽「じゃ、そろそろ閉めるぞー」ガラガラ

揺杏「あとはファブリーズ撒いて、っと」シュッシュッ

誓子「あっ、ユキちゃんきた! 校門のとこ……あはは、走ってる走ってる」

爽「あんな急がなくてもいいのにな!」

揺杏「証拠隠滅ずみだし、もーいつきても平気だけどー」


ガッチャッ

成香「肺炎怖いです…」スッパァーー モクモクモク…


爽・揺杏・誓子「………」


爽「け、消せ! 消せーーーーーッ!!」


モッカイマドアケロ! サッムッ! ナルカタバコ!タバコケシテ! コワイデス!

ユキチャン、モーキチャウヨ! ユキ、ハシルナーッ! ハシンナクテイイ!


…………
……


19:2014/10/05(日) 00:27:25.54 ID:
外見改造が上手くいったのか、イジメはなくなったらしい。

でも、それは私たちがいたからじゃなく、ユキが自分で解決した問題だ。

高校入学からはそういう場面に出くわしたことはない。
たまに漏れ聞くユキの一年生での立場は、なかなかになかなかだ。


真屋さんって可愛いよね。アイドルみたいだよね。おもちだよね。揉みたいよね。

麻雀でインターハイ出るって。すごい。可愛い。舐めたい。

でも、ちょっと中二病入ってるよね。


概ね正解。


『爽先輩はいつも……カッコいいですし!』

ズキッ…

爽「……ユキ」

爽「ユキにとっては、ここは大事な場所だもんな」

爽「私はさあ。おまえが思ってるほどカッコいい先輩じゃないんだよ」

爽「そんな幻想は……もうお終いにしよう」


20:2014/10/05(日) 00:35:55.19 ID:
揺杏「ん? おっ、爽…」スフー

爽「没収」

揺杏「うぇ? え…なんで?」

爽「部室でタバコなんて言語道断」ギュッギュ

揺杏「ちょっ…! なにしてんの!」

誓子「もったいない…」

揺杏「まだ火つけたばっかなんですけど」

爽「チカ、揺杏…。私、決めたよ」


爽「今後、有珠山高校麻雀部は、タバコ・飲酒・エロを禁ず!」バーンッ


揺杏「…は?」

誓子「えっ」


21:2014/10/05(日) 00:42:42.05 ID:
揺杏「なにいきなり。どした?」

爽「実はユキにバレかけた」

揺杏「マジで?」

爽「うん。でさ。もういっそ全面禁止にしようと思って」

爽「タバコも酒も、もともとは暇潰しだし、ちゃんと麻雀部として活動するならいらないさ!」

爽「エロ本を嗜む女子高生ってのはそもそもおかしーし」

誓子「ど、動画はっ? 動画はおやつに入りますか!?」アタフタ

爽「アウト! ていうか余計やべー」

誓子「そんな…!」ガクッ


22:2014/10/05(日) 00:48:28.17 ID:
爽「隠し通すのは、もう無理だと思うんだ」

爽「でも、私一人がやめても意味ないから。これを機にみんなでやめるってことで」

揺杏「…べつに私らニコ中ってわけじゃないけどさ。ホントにやめれんの?」

揺杏「ある程度習慣になってると禁煙してからがつらいって言うじゃん」

揺杏「そりゃあユキは真面目だから、裏切られた!って怒ると思うけどさー」

揺杏「でも、絶交したりはしないんじゃね?」

爽「だな。ユキはたぶん許す」

爽「聖書の一句でも詠んで説教しながら、許すよ」

爽「でも、だからって悲しくないわけじゃない」



爽「ユキのカッコいい先輩のままでいるか、幻滅させて傷つけちまうかでいったら……」

爽「私はユキを悲しませたくないんだ」


23:2014/10/05(日) 00:52:09.81 ID:
揺杏「結局、爽はユキのために自分を変えるってわけだ…」

誓子「嫉妬してる?」

揺杏「べっつにー。私、負けたとは思ってないし」

揺杏「爽とは、私とチカのほうが全然付き合い長いんだし。幼稚園ンときから一緒なんだから」

揺杏「外面取り繕ったってそのうちボロが出るに決まってるよー」

誓子「そうかなぁ。私はけっこう爽マジだと思うけど」

誓子「最初ユキちゃんに、うちに来いって言ったのも爽だもん」

誓子「幻滅されたくないなんて…爽の口から聴くなんてね」

揺杏「……あんなこと、私には言ってくれなかったのにさ」

揺杏「ちっくしょ」グス…

誓子「……」ナデナデ

誓子「あはっ。慎重差あるから、あまり格好つかないわね」

揺杏「どーせデカ女だよ、私は…」

誓子「子供の頃は私よりチビで可愛かったのになぁ」

誓子「……いつの間にかみぃんな、おっきくなっちゃったね」


24:2014/10/05(日) 00:59:45.17 ID:
由暉子「えっ……もう解決したんですか!?」

爽「ああ。もはや奴らが部室に現れることはない…」

爽「しかしユキよ、この事件には有珠山高校の深い闇が関わってる……訊くなよ、絶対訊くなよ?」

由暉子「ゴクリです」

由暉子「さすが爽先輩です。昨日の今日で解決されてしまうなんて」

由暉子「私、先輩の名探偵ぶりに感服しました!」キラキラ

爽「いいね、いいね」

爽「惚れ直していいぞ!」

由暉子「もう惚れてますから、もっと好きになりました」

爽「いいね……うん?」

爽「ユ、ユキ…。いまなんて…?」



由暉子「有珠山高校の《闇》……暗部……いったい何者?」ムムム


爽「あ、中二スイッチ入っちゃった」


25:2014/10/05(日) 01:04:37.26 ID:
爽「…なあ、ユキ」

由暉子「はい? なんでしょう?」

爽「インターハイ終わったらさ。……遊園地に行かないか?」

由暉子「遊園地?」

爽「せっかく東京に行くんだから、行ってみたいだろ。ネズミーランド」

由暉子「行きたいです! あ、でも…時間あるでしょうか」

爽「なんとかなるさ。なんなら最終日の夜、抜け出してもいい」

由暉子「夜から?」

爽「ああ。限られた時間でどれに乗るか悩みまくって、ナイトパレードに慌てて飛んでって…」


爽「きっと楽しいぞ!」


由暉子「……はい!」




カンッ!


26:2014/10/05(日) 01:08:24.30 ID:
もし有珠山の風紀がちょい乱れてたら、的な感じでやってみました

読んでくれた方ありがとうございました


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