1:2014/10/15(水) 21:20:52.72 ID:
周防桃子「えっ?」

天海春香「あー! 奈緒ちゃんまた周防って言ってるー!」

奈緒「あ、イヤ、今のは…………せや、吸おう! 乳吸おか言うたんや!」

桃子「はぁ?」

春香「えー……ホントに?」

奈緒「ホンマやホンマ、周お……桃子、最近乳が育たんくて困っとるらしいからのォ……」

桃子「……ちょっと、何言ってんの?」

春香「なーんか怪しいなぁ……のり子ちゃん、どう思う?」

福田のり子「うーん……吸っても意味ないんじゃない?」

春香「そっち?」


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2:2014/10/15(水) 21:21:50.95 ID:
ガチャッ


松田亜利沙「出来たぞ桃子! 新しい発明品じゃ!」

桃子「何? 今日のこの感じ何なの?」

亜利沙「『ターボエンジン付きローラースケート』。犯人の追跡に便利じゃ!」

桃子「ターボ……はぁ!?」

亜利沙「ヘルメットも渡しておくぞ。公道を走るときは気をつけてくれ」

桃子「え、何それ」

亜利沙「あ、『ダンス力増強シューズ』も調整しておいたぞい」

桃子「それは普通のダンスシューズじゃないの?」



3:2014/10/15(水) 21:22:43.18 ID:
亜利沙「それから春香くん。頼まれたもの、作っておいたぞい」

春香「わっ、本当ですか!?」

亜利沙「『リボン型発信器』。確かに作動するはずじゃ」

春香「ありがとうございますっ! 早速着けますね!」

亜利沙「ほっほ、くれぐれも悪用するんじゃないぞ~!」

のり子「博士ー、うな重はないの?」

奈緒「そら発明やのうて料理や、出前でも取り」

桃子「……」



ガチャッ


P「おっ、みんな来てるな」



4:2014/10/15(水) 21:23:55.19 ID:
桃子「何やってんの、遅刻だよ?」

P「すまん、ちょっと営業先から電話があってな」

奈緒「私らのレッスン見ててええんか? 忙しいんとちゃう?」

P「んー、全体練習だからな……任せっきりは不安だし」

のり子「あはは、春香だと頼りないってさ」

春香「むー……」

P「ほら、早く行くぞ皆! 時間ちょっと押してるんだからな!」ガチャッ

春香「誰のせいですか! もう!」



亜利沙「桃子、他の発明品も渡しておくぞい」ガシャッ

桃子「……」

亜利沙「くれぐれも悪よ」

桃子「うるさいな!」



5:2014/10/15(水) 21:24:53.48 ID:
ブロロロロ…


奈緒「なあ、のり子はどこ行ったん?」

P「バイクで直接行くってさ」

奈緒「ほー……自由なやっちゃ」


春香「桃子ちゃん、酔い止め飲む?」

桃子「……いらない」

春香「そっか」

桃子「……」

奈緒「どうした周防、元気ないやん」

春香「周防?」ピクッ

奈緒「あーいや、なんでもないで、はは……」



6:2014/10/15(水) 21:25:33.01 ID:
桃子「……」


桃子(皆の様子が、おかしい)

桃子(奈緒さんの口調とか、なんかキャラが皆変になってるし)

桃子(亜利沙さんに至っては完全に別のキャラになってるし……)


桃子「……」ゴソゴソ


桃子(シューズとか『リストバンド型変声器』、ここまではまだ分かるよ? いや、おかしいけどさ)

桃子(『サイリウム型麻酔銃』って何? なんでわざわざ三色揃ってるの?)

桃子(『DRバッジ』なんてもうパクリのパクリじゃん……)


桃子「……」


桃子(Detective Ricotta――ね)



――――

――



7:2014/10/15(水) 21:28:38.37 ID:
――回想――


桃子「ふぁあぁ……」

P「お疲れ、桃子。車で寝てていいぞ、毛布あるから」

桃子「…………別に、眠くないし」

P「今の欠伸は何だったんだ……」

桃子「それに、やらなきゃいけないこともあるしね」

P「宿題か? 算数なら教えられるぞ」

桃子「違うよ……」スッスッ

P「……なんだ? その動画」

桃子「レッスンの様子。亜利沙さんに撮ってもらってたの」

P「ほー……それで、桃子がアドバイスするわけだ」

桃子「まぁ、そうだね」

P「……」



8:2014/10/15(水) 21:29:59.13 ID:
P「……でも、別に今やらなくてもいいんじゃないか? 休むときは休むのも大事だぞ」

桃子「桃子がやんなくちゃいけないの。時間無いんだから」

P「そうは言ってもだな……」

桃子「いい? リコッタのメンバーの中で、桃子が一番先輩なの。経験があるの」

P「……」

桃子「だから、桃子が指導役なワケ。わかる?」

P「……桃子は大人だなあ」

桃子「何それ、皮肉?」

P「言葉通りの意味だよ。見た目は子供、頭脳は大人」

桃子「……何それ、コナン?」



9:2014/10/15(水) 21:30:50.74 ID:
P「コナンに少年探偵団っているだろ?」

桃子「……何の話?」

P「あれだって、別にコナンのワンマンチームってわけじゃない。皆で協力してやってるんだ」

桃子「……」

P「リコッタだって同じだよ」

桃子「……」

P「何も、自分1人で全部やることはない。動画観てアドバイスするなら、俺に頼んだっていい」

桃子「……」

P「皆が桃子を頼ってるように、桃子も皆を頼っていいんだ。それが――」

桃子「……」ガクッ

P「寝てるし」




P「…………ふむ」


――

――――



10:2014/10/15(水) 21:31:46.79 ID:
桃子(絶対あれだ……あれが原因としか考えられない……)

桃子(悪ふざけにしては凝りすぎてるし……ドッキリ?)

桃子(お兄ちゃんが『コナン擬似体験ドッキリ』みたいな謎の企画を通してきた……のかな)

桃子(……というか、何のドッキリ?)



P「もうすぐ着くぞー。春香、亜利沙を起こしてくれ」

春香「はーい」

奈緒「おっ、のり子もう着いとるやんけ!」

P「早っ!」



桃子「……」

桃子(……まぁ、あの発明品とか、かなり予算掛かってそうだし)

桃子(あんまり白けた態度で企画をフイにしちゃっても、お兄ちゃんが可哀想だよね)


桃子(――いいよ、お兄ちゃん。このドッキリ……カンペキに引っかかってあげる)



11:2014/10/15(水) 21:34:25.62 ID:
春香「この前は発声したから、今日は一回ダンスだけで通してみよっか。桃子ちゃん、いい?」

桃子「うん、いいよ」

春香「プロデューサーさん、拍取ってもらってもいいですか?」

P「分かった」




P「1、2、3、4、5、6、7、8!」パンパン

桃子「……」タンッタンッ

亜利沙「……わわっ!?」ドシャァ

奈緒「亜利沙!?」

春香「ちょっ、大丈夫!?」

亜利沙「あ、ハイ大丈夫で……ですじゃ」

桃子(キャラ作りも大変だね……)



12:2014/10/15(水) 21:35:47.88 ID:
桃子「亜利沙さん、ズレてる。ズレた状態で無理にやるから転ぶんだよ。落ち着いて」

亜利沙「う、は、ハイ……」

P「軽く捻っただけだから問題無さそうだけど、大事をとって少し休むか」プシュー

亜利沙「はい……」

のり子「亜利沙、ドンマイドンマイ!」

桃子「のり子さんは力入れすぎ。あれじゃ、本番でバテるよ」

のり子「うぐっ……」

桃子「奈緒さんも。歌いながら踊るってことを意識して」

奈緒「せやな……サンキュ、周防」

春香「わ、私は?」

桃子「春香さん……は、大丈夫」



13:2014/10/15(水) 21:36:49.78 ID:
桃子「……」

桃子(そういえば……ダンス力増強シューズって、どんな感じなんだろう)

桃子(ただの軽い靴だと思うけど……)ゴソゴソ

桃子(……スイッチがある)

桃子(使うべきなのかな……ドッキリ的には……)



春香「じゃあ、今のところから再開しよっか」

桃子(ここは、周りの目を気にしながら……とりあえず中で……)カチッ バチバチバチバチ

P「1、2、3、4!」パンパン

桃子「……」ダァン!!!

奈緒「周防!?」



14:2014/10/15(水) 21:37:52.79 ID:
桃子「!?!???」ゴォォォッ

P「桃子ッ!」ガシッ

桃子「え? え!? ……えぇ???」

P「落ち着け桃子、張り切りすぎだ」

桃子(確か今、ちょっとサイドステップ踏んだだけなような……)

奈緒「周防、お前エラい勢いでぶっ飛んでったで……」

春香「だ、大丈夫?」

桃子「う、うん……?」


のり子「えげつないね、ダンス力増強シューズ」

亜利沙「すまん桃子、出力の調整を間違ったかもしれん」

桃子「ダンスっていうかアクションの域だよ、亜利沙さん……」

亜利沙「また調整しておこう。それと、アリサ博士と呼んでくれんか」

桃子「……」



16:2014/10/15(水) 21:38:45.35 ID:
春香「えっと、色々ゴチャゴチャしたし、そろそろお昼だから……一旦休もっか」

桃子「え? さっき始めたばっかじゃ……」

春香「この後ずっとレッスンでしょ? まだ長いし、一旦気持ちを切り換えた方がいいかなって」

桃子「……わかった」

のり子「あ! アタシ、うな重の出前取っていい? 全員分!」

奈緒「なんで全員やねん! レッスン中にうな重要らんやろがい!」

P「あ、じゃあ俺の分も頼む」

春香「あ、私の分も!」

奈緒「要るんかい!」

桃子(のり子さん……元太?)



17:2014/10/15(水) 21:39:53.83 ID:
亜利沙「桃子、再調整が済んだぞい」

桃子「……」

亜利沙「威力を最強まで上げなければ、さっきみたいに吹っ飛ぶこともないはずじゃ」

桃子「……ねぇ」

亜利沙「む?」

桃子「もしかして、他の発明品にも何かデメリットがあったりするの?」

亜利沙「……」



ピーンポーン

のり子「あ、来た! 取ってくるね!」ダッ

春香「のり子ちゃん、素早いね……」

P「うな重も届くの早いな……」



18:2014/10/15(水) 21:41:14.59 ID:
亜利沙「デメリット……ふむ、無いと思うがのぉ」

桃子「さっきのはデメリットだと思うんだけど……」

亜利沙「あれは仕様じゃな……仕様というと、ワシの発明品は単二電池で動くものが多いぞ」

奈緒「なんでよりによって単二やねん、懐中電灯とちゃうねんで」

桃子「サイリウムはボタン電池じゃないの?」

亜利沙「単五じゃ」

奈緒「そんなんばっかやな!」

桃子(っていうか、一人称ワシなんだ)


P「……」

桃子「……」チラッ



19:2014/10/15(水) 21:42:25.88 ID:
桃子(お兄ちゃんの表情が、読めない)

桃子(……まぁ、どうせ撮れ高とか考えてるんだろうけど)


P「……」


桃子(奈緒さんたちのキャラの豹変にビックリ、謎の発明品にビックリ)

桃子(ここまでは順調のはず……次はどう来るの?)

桃子「……」


春香「……ねぇ、のり子ちゃん遅くない?」

奈緒「セールスやったんちゃうか? うなぎ屋やのうて」

春香「私、ちょっと見てくるね!」

奈緒「あっ、おい、春香!」



20:2014/10/15(水) 21:43:32.24 ID:
桃子(待って……このドッキリが、桃子をコナンの世界観に巻き込むものだとしたら)

桃子(次に起こるのは……!)



「きゃあああああああああああ!!!!!!」



奈緒「!?」

P「今の声は……春香か!?」

桃子「……ッ!」ダッ


桃子(次に起こるのは『事件』……ドッキリとはいえ、のり子さんが危ない!)



21:2014/10/15(水) 21:44:27.53 ID:
桃子「春香さん!」

春香「あ……あぁ……」

奈緒「オイ、どうした何があった!」

春香「の……のり子ちゃんが……」



のり子「……」



桃子「のり子さ……アレ?」

桃子(…………生きてる?)

P「これは……」

のり子「あ、アタシは……アタシは…………」





桃子(へたり込むのり子さんの周りには、グチャグチャに散乱していた。……うな重が)


桃子「……なにこれ」



22:2014/10/15(水) 21:45:22.86 ID:
桃子(てっきり、死体で見つかるものだと思ってたんだけど……)

桃子「……もう、2人して脅かさないでよ。急に叫ぶからビックリしたじゃん」

春香「……」

桃子「ほら、ボーッとしてないで片付けないと」


奈緒「触るなァ!!!」


桃子「!?」

奈緒「触ったらアカン……のり子、春香、あんたらもや」

桃子「ちょ、何言ってるの? うな重落としただけじゃ……」

P「いいや。これは立派な事件だ」

亜利沙「そのようじゃのう……」

桃子「えぇー……?」



24:2014/10/15(水) 21:46:21.42 ID:
奈緒「とは言っても、状況を見るに……」

P「うな重を受け取ったのり子が焦って転んだ、って感じだな」

のり子「ちっ……違う! アタシじゃない!」

桃子「……」


奈緒「ま、一応現場は見とこか……うわっ、こら酷いな」

亜利沙「思いっきりひっくり返した感じじゃな……」

P「階段で躓いた、ってとこか」

桃子「……」


桃子「…………」



桃子「………………」




桃子(え? なに? これが事件?)



25:2014/10/15(水) 21:47:27.54 ID:
桃子(殺人事件ならまだしも、うな重落下事件って何? しょぼくない?)


P「春香、大丈夫か?」

春香「あ、ハイ……」

桃子「…………」

桃子(しかも、手すりのこの跡ピアノ線じゃん……現実で見ると思わなかったんだけど……)

桃子「……………………」

桃子(推理……? 推理するの? これを……?)



のり子「だから、アタシは……!」

奈緒「しつこいのォ、春香やったら一瞬で開き直るで?」

桃子「……」

桃子(ピアノ線の跡、下から三段目……ね)



26:2014/10/15(水) 21:48:37.67 ID:
亜利沙「ふむ……」

桃子「ねぇ、亜利……アリサ博士」ボソッ

亜利沙「む?」

桃子「さっきの、サイリウム型麻酔銃ってどう使うの?」

亜利沙「あれか? 発光部分で眠らせたい人に触れるだけじゃ。6~8時間は持つぞ、麻酔は」

桃子「銃じゃないじゃん、それ……」

亜利沙「便宜上仕方無いのじゃよ」

桃子「……リストバンド型変声器は?」

亜利沙「裏のダイヤルを回して喋るだけじゃ。リコッタの皆の声はプリセット登録されとるぞ」

桃子「何その親切設計」



27:2014/10/15(水) 21:49:20.85 ID:
P「決まりだな……うな重はのり子が落とした」

のり子「っ……」

桃子(発光させて、お兄ちゃんの足首辺りに……)

P「まぁ気にすんな。それぐらい、俺がいくらでも出してやるさ! ガッハッハッ――」パシュン

のり子「!?」

春香「プ、プロデューサーさん!?」

P「はれっ?………うにゃ……」ドサッ

桃子(とりあえず背中に隠れて、変声器を)カチカチ

奈緒「おい、どうしたんや急に?」

P(桃子)『いやぁ~悪い悪い。つい笑っちまったよ』



P『この事件の真相が、あまりにも呆気なくて……な』



28:2014/10/15(水) 21:50:28.34 ID:
桃子(こんな感じでいいかな……)



奈緒「どういうこっちゃ? 犯人はのり子で決まりなんとちゃうんか?」

P『違うな……犯人をのり子に仕立て上げたやつが、他にいる』

亜利沙「ほお……」

P『まず、のり子が転んだのは階段の下から三段目だ。手すりを見てみろ』

奈緒「ん? これは……ピアノ線か!」

P『真犯人が、レッスン場に来たときに仕掛けておいたんだ。そうだろ? 真犯人――いや』


P『――――春香!』


春香「!!」



29:2014/10/15(水) 21:51:37.96 ID:
奈緒「は、春香やと……!?」

春香「ちょ、ちょっと待って下さい! なんで私なんですか!」

P『今日ここへ来るとき、春香は一番後ろを歩いていた。そのときにピアノ線を仕掛け、のり子を見に行くついでに回収した……そう考えるのが自然だ』

春香「っ……大体! ピアノ線なんて仕掛けておいたら、うな重を受け取る前に転んじゃいますよ!」

亜利沙「それもそうじゃな……」

P『ところが、それが違うんだ。桃子!』

桃子「はーい! いっくよー……とうっ!」タンッ

亜利沙「と、跳んだ!?」

奈緒「……なるほど? 急いで受け取りに行って階段を飛び越えたら、行きは引っかからないっちゅーこっちゃ」

春香「……っ!!!」




30:2014/10/15(水) 21:52:24.15 ID:
春香「で、でも、証拠が無いじゃないですか! 私がやったっていう証拠が!」

P『証拠ならあるさ。……そのリボンだ』

奈緒「リボン?」

P『今日、春香は亜利沙に貰ったリボン型発信器を着けている。なら、普段のリボンはどこにある?』

春香「そ、それは……」

P『見せられないだろうな。ピアノ線が隠されているだろうし、何より汚れている』


P『手すりに付いていた埃と……春香、お前の欲望で…………な』


春香「…………っ」ガクッ

奈緒「春香……お前……」

春香「私……私………………っっっ」



桃子(うん……こんな感じでオッケー、かな)



31:2014/10/15(水) 21:53:20.66 ID:
のり子「片付け、こっちは終わったよー」

奈緒「おう。……すまんな、疑ってもうて」

のり子「いいよいいよ! 気付かずにすっ転んだアタシが悪いんだし!」

桃子「……」

桃子「…………」


桃子(冷静に考えると、全然オッケーじゃないよね)

桃子(なんなの? 桃子ノリノリで推理しちゃったんだけど。すっごい恥ずかしい)

桃子(それに、みんな麻酔銃とか変声器の存在知ってるじゃん……バレバレじゃん……)

桃子(いや、これはドッキリ……これは演技……桃子はプロ……桃子はアイドル……)ブツブツ



春香「私、うなぎ屋さんに容器返してくるね」

奈緒「今度は転ぶなよー?」

春香「はーい!」タッタッ



32:2014/10/15(水) 21:54:29.56 ID:
桃子(でも、腑に落ちないこともある)


亜利沙「桃子、さっきはいい推理じゃったな。録画しておいたぞい」

桃子「なんで?」

亜利沙「それはそれは可愛かったぞ……とうっ! のあたりとか♪」

桃子「素が出てるよ、亜利沙さん……」


桃子(このドッキリ……もう山場は越えたはずなのに、まだネタバラシが来ない)

桃子(理由は大体分かるけど……)チラッ

P「」

桃子(効きすぎでしょ、麻酔銃)


亜利沙「ムフフ……春香さんの生泣きと合わせて……あと半年は……」ブツブツ

桃子「ちょっと! キャラしっかり!」



33:2014/10/15(水) 21:55:20.54 ID:
奈緒「なあ、春香遅ないか?」

のり子「気のせいじゃない? 考えすぎだよ」

奈緒「また転んでんのとちゃうやろな……ちっと見てくるわ」

桃子「待って、桃子も行く」

桃子(正直、何があるか分からないし……)





奈緒「……居らんな。迷っとんのか?」

桃子(もう、コナンだったらCパート、オチの段のはず……そこでネタバラシ?)

奈緒「おーい、春香ー! 春香ーどこやー?」

桃子(いや、もしかして……まだ、終わってないんじゃ――)カツン


桃子「……!?」



34:2014/10/15(水) 21:56:31.90 ID:
奈緒「おい、どうしたんや周防?」

桃子「これ……」

奈緒「なっ……うな重の容器やないか!」

桃子「もしかしたら春香さんは……ここで……」

奈緒「攫われたっちゅうんか!?」

桃子「その可能性がある、ってだけだよ」

奈緒「っな……!」


桃子(なるほど……さっきの事件はやっぱり本筋じゃない、前編だったんだ)

桃子(うな重落下よりも緊張感のある、春香さんの誘拐! まだドッキリは――)

奈緒「――う……!」

桃子「えっ?」




奈緒「ちゃう……こんなの、予定にあらへん……!!」



35:2014/10/15(水) 21:59:21.33 ID:
のり子「プロデューサー! プロデューサーーーッ!!!」ギリギリギリギリ

P「」

のり子「……ダメだ、起きない」

亜利沙「に、二度と起きなくなっちゃいますよ……」


桃子「――ってことは、ドッキリだったっていうのは認めちゃうんだ?」

奈緒「ああ、周防にはバレとったやろけどな」

桃子(服部言葉が抜けてないよ、奈緒さん……)

桃子「元々はどういうオチをつける予定だったの?」

奈緒「……分からん、プロデューサーさんの指示があるっちゅう話やった」

桃子「……」



36:2014/10/15(水) 22:00:24.48 ID:
のり子「やっぱり、警察に……」

桃子「ダメだよ。警察沙汰になったらこのドッキリはお蔵入り……最悪、お兄ちゃんの首が飛ぶ」

奈緒「せやかて周防! 春香が危ないんやぞ!」

桃子「それに」


桃子「警察呼ぶよりも、桃子たちで追跡した方が早いもん」


奈緒「何やと……!?」

桃子「亜利沙さん、リボン型発信器ってスマホで受信できる?」

亜利沙「は、はい、多分」

桃子「分かった、ありがと」ガチャッ



37:2014/10/15(水) 22:01:30.52 ID:
奈緒「おい、何する気や」

桃子「何って……これで春香さんを追跡して、助けるんだよ」

亜利沙「む、無茶ですよ!」

桃子「そう思うなら、皆は待ってていいよ。このローラースケート、桃子のサイズだし」

のり子「桃子、1人で……」

桃子「……春香さん、まだ近いね。じゃ、そういうことだから」

奈緒「……ッ、ちょお待てぇ!」


バシュゥウウウウウウウン


のり子「うわ、速っ!」

奈緒「桃子………………ッ」



38:2014/10/15(水) 22:02:23.62 ID:
バシュゥウウウウウウウウウウウ!!!!


桃子「速ぁあああああああああ!!!?!!?」

桃子(ターボエンジン付きローラースケート……思ったよりめっちゃ速い!?)

桃子「でも、これですぐに追いつけ……」

ガッタン!

桃子「きゃっ! 何、小石!?」

桃子(ローラースケートの経験があって良かった……)

桃子「……」チラッ

桃子(よし、もうすぐ犯人に)



バシュゥウウウゥゥゥ…ンンン

桃子「……………………え?」



39:2014/10/15(水) 22:03:30.84 ID:
桃子「うそ、故障? なんで……」


 『ワシの発明品は単二電池で動くものが多いぞ――』


桃子「ちょっと! 単二切れるの早すぎない!?」

桃子(やばい、このままだと犯人に逃げられ――)


ブォオオオオン キキーッ!

桃子「え?」

のり子「乗って! 早く!」

桃子「のり子さん……!」



40:2014/10/15(水) 22:04:33.94 ID:
ブォオオオオオオオオオン


のり子「次どっち!?」

桃子「左!」

のり子「オッケー! 右じゃなくてよかった!」

桃子「……ねぇ、のり子さん」

のり子「ん?」

桃子「どうして追いかけて来たの? 危ないのに……」

のり子「何言ってんの、桃子の方が危ないじゃん! 無免許でしょ!?」

桃子「それは……そうだけど」

のり子「それに、たまには桃子の力になってあげたいしね」

桃子「……ありがと」プルルルル



41:2014/10/15(水) 22:05:29.02 ID:
桃子(あれ、電話? この番号は……)

奈緒『ドアホーーーーーーー!!!』

桃子「!?」

奈緒『なに先走っとんねん! アホかぁ! 春香より先に死んでどうすんじゃボケェ!』

桃子「……奈緒さん、口調荒すぎ」

奈緒『今、亜利沙とタクシーで追っかけとるからな! ええか周防! 全部1人でやろうとすなよ!』

桃子「!」

亜利沙『だってありさたち、リコッタ探偵団じゃないですか♪』

桃子「…………ふふっ、初めて聞いたよ」



42:2014/10/15(水) 22:06:26.76 ID:




春香「…………」


「気分はどうだ……? 天海春香」

春香「……こういう犯人って、ほんとに真っ黒なんですね」

犯人「フン……」

春香「私を、どうする気ですか」

犯人「余裕だな。王子様が助けに来るとでも思ってんのか?」

春香「来ますよ。……私の、仲間が」

犯人「……ま、せいぜい気丈に振る舞ってくれ」







43:2014/10/15(水) 22:08:22.10 ID:
桃子「のり子さん、そこ! その軽トラ!」

のり子「オッケー!」


桃子(麻酔銃を用意して……)

桃子「あの、ごめんなさい」コンコン

男「ん?」

桃子「ちょーっと、お荷物見せてもらってもいいですかー?」パシュン

男「え、なn」ガクッ

桃子「よし。……のり子さん! 春香さんは!?」

のり子「……桃子、これ」

桃子「え?」



桃子「春香さんの、リボン型発信器…………だけ?」




44:2014/10/15(水) 22:09:19.97 ID:




犯人「ふ、ふは、ヒャハハハハハハハ!!!」

春香「……」

犯人「滑稽だなァ天海春香……リボンが無くなって、どんな気分だ?」

春香「……」

犯人「ケッ、すましやがって」

春香「……」


春香(プロデューサーさん、皆……)






45:2014/10/15(水) 22:10:25.80 ID:
奈緒『春香がいなかったァ!?』

桃子「うん。多分、犯人がリボンだけ捨てたんだと思う」

奈緒『なっ……どうすんねん周防! そしたら春香は』

桃子「……大丈夫だよ」

奈緒『なんやと?』


桃子「だって桃子たち、リコッタ探偵団……でしょ?」


奈緒『……は、はぁ?』




46:2014/10/15(水) 22:13:21.37 ID:




犯人「ムカつくんだよなァ……てめーみたいなガキは」

春香「……」

犯人「ガキは大人を怒らせねえもんだ。 そう思わねえか? なァ!!」バン

春香「っ……」

犯人「大人の怖さってやつを、身に染みて覚えさせてや―――」





「キライなんだよねー、そういうの」





犯人「!?」




47:2014/10/15(水) 22:14:24.86 ID:
「年功序列っていうの? ちょっと早く生まれたからって、それがスゴいわけじゃないじゃん」

犯人「なんだ……てめえは……!?」



桃子「そう思わない? オジさん」



春香「桃子ちゃん…………!!」

のり子「春香、大丈夫!?」

亜利沙「大丈夫ですか!? ご尊顔に損傷ございませんか春香さんっっっっ!!!?」

奈緒「見たとこ、間に合ったみたいやな」

春香「みんな…………!!!」



48:2014/10/15(水) 22:15:24.19 ID:
犯人「な、なんだてめえら……どうしてここが……!」

桃子「これだよ」

犯人「……バ、バッジ?」

桃子「『DRバッジ』。発信器機能もついてるんだよ、コナン読者なら常識だよね?」

亜利沙「リコッタの皆が持ってるんですよ!」

犯人「なっ、な、何者だ…………!」




桃子「周防桃子。た……」




桃子「…………アイドルだよ」

奈緒「今探偵って言おうとしたやろ」

桃子「うるさい」



49:2014/10/15(水) 22:16:49.54 ID:
犯人「ふ、ふふ、そうか……アイドルか」

犯人「馬鹿野郎どもがァ!!」シャキン

「「!?」」

犯人「女子供が何人集まろうが関係ねぇ……全員ぶっ殺してやる!!」

桃子「……ふーん」カチッ バチバチバチバチ

犯人「てめぇからだ、クソガ――」

桃子「……」ダァン!!!

犯人「――キ!?」ヒュン

犯人(飛ん……!?)


桃子「バカなオジさんに、教えといてあげる」

犯人「なっ……テm」パシュン



桃子「アイドルって、結構ハードなんだよ?」



犯人「」ドサッ

桃子「……まぁ、普通のアイドルはこんなことしないけどね」




―――――

―――

――



50:2014/10/15(水) 22:19:28.52 ID:
桃子(――こうして、長い長いドッキリは、終わった)

桃子(『ドッキリ大成功』のプレートを持ったお兄ちゃんは、真っ先に犯人に向かっていった)


P「だ、大丈夫ですか?」

社長「うむ……しかし、ここまで動くと身体が痛いねぇ……」


桃子(コナンの犯人みたいに真っ黒な顔の……社長だった。何あの迫真の演技)




桃子(……まぁ、薄々勘付いてはいたけど、最後の最後までドッキリだったみたい)

桃子(『1人で背負い込むな』……それだけのために、ちょっとやりすぎじゃない?)

桃子(全部を知らされていたのは春香さんだけ。桃子だけじゃなく、リコッタの皆を騙してた……ってわけ)



51:2014/10/15(水) 22:20:21.38 ID:
桃子(なんていうか、終始変なドッキリだったけど――)



亜利沙「えぇ、発明品没収なんですか!?」

P「そりゃそうだろ、元々お前のじゃないし。何より危険だからな」

のり子「変声器ぐらいいいじゃん!」

P「だーめ! 悪用されたら困るのは俺だ!」

亜利沙「そんな殺生な!!」

P「お前一番悪用するじゃねえか!」

桃子「……バッジ」

P「え?」

桃子「DRバッジは、いいんじゃないの? ……ダメ?」

P「…………まぁ、それだけなら……」

のり子「ひゃっほーう!」



52:2014/10/15(水) 22:21:17.53 ID:
奈緒「確かに、お揃いのアイテムって感じやしな。可愛いとこあるやん、周防」

春香「ふふっ、奈緒ちゃんまた周防って言ってる」

奈緒「わあああ!? アカン、服部が抜けへん! 許してくれ桃子、桃子ぉぉおお!!!」ガシガシ

桃子「わっ、ちょっとやめてよ! もう……」





桃子(――これはこれで、いいのかな)


おわり




53:2014/10/15(水) 22:21:54.64 ID:
【おまけ】


P「ふー……」

P「しかし、桃子が楽しそうなのはいいんだが……疲れたな」

桃子「ずっと床で寝てたからじゃないの?」

P「ああ。正直、肩がカナリコッタ、なーんてな! ガッハッハ!」

桃子「は、ハハ……」



桃子(あ、なんかこれコナンのオチっぽい)



おわり


54:2014/10/15(水) 22:23:41.52 ID:
以上です。最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。

正直すまんかった。
リコッタのメンバーを見た瞬間にやるしかないと思った。
桃子に指輪あげてくる


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