2006年11月

2006年11月27日

邂逅の森

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みなさん、こんにちは。
栃木はいま大雨です。
ずいぶんと寒くなってきましたが、体調は崩されていませんか?


僕は、ステロイド剤・免疫抑制剤を減量して数日経過しましたが、以前のような湿疹が出ることありません。
やっと新しい血液が馴染んできたのでしょうか。

ニキビ状の吹き出物も広がってはいますがひどくはありません。
まだまだもたれやすいお腹も食事量を調節しながら管理しているので、ときたま調子が崩れてもうまくコントロールできています。
目に見えてグングンとまでは行きませんが、全体的に体調は良くなってきています。



僕が海の楽しさを初めて知ったのは18歳のとき。
それ以来海のことばかり考えて、また少しでも時間があれば海に足繁く通いました。

会社員になるも海に対しての漠然とした憧れは強まりせっかく雇用してもらった会社も辞めてアメリカ西海岸へと向かいました。

ほぼ毎日海に入り、海から様々なことを学ぶことになりました。
せっかくの留学で、英語や社会から学ぶべきなのはわかっていましたが、海から学ぶことの方が大きく意味があるような気がしていました。

事実、経済社会的に学ぶことは少なくとも、人の、いや動物の根本にある生きるということに対しての学びは多かったように思います。



そして今、少なくとも3年から5年は海に入れないという状況下にあります。

僕にはこの仕打ちのようにも聞こえる状況が、偶然である以上に何か見えない海の持つ力――海を支配する神のような存在――に方向付けられた環境なのではないかと感じています。
海が、波が、僕に怪我をさせて病気を気付かせてくれたんではないかと薄々思っているのです。

毎日波を見て、海に入り、明け方や日暮れ過ぎるまで海と接する機会に恵まれた人ならわかると想いますが、人智では計り知れない何かが海には存在するはずだ。
そんな大きな力からのメッセージなんだ、と。


日本の古来の人々は、自然のこういった目には見えない力の存在を敬い、そこから配されたメッセージをスルドク読み解き生き延びてきたのです。
そして人智の及ばない目に見えない大きな力を、人々は神と形容したのでしょう。


今日は、最近読んだ本の中でも一際こころに残ったものを紹介します。
邂逅の森
「邂逅の森」熊谷達也著

この本はマタギという特殊な生業を通して生き方を学んだ主人公の、波乱に充ちた半生を紡いだ物語です。狩猟民の生で触れる自然観を描いていて、久々に魂をグラグラ、グラグラさせられました。

――熊を殺すと雨が降る――という1行がちょうど目に入ったとき、外では雨が轟々と音を立てて鳴りだしました。
小説からふと現実に戻された僕は「これも何かの知らせか?」などと一瞬思いを巡らせてしまいましたが、また一気に物語の世界に引き込まれていくのでした。


自然が発することに耳を傾け森を散歩してみると、確かに様々な匂いや音が驚くほどたくさんあります。
僕にとってこの本は感性を昂らせてくれる珠玉の一冊でした。



谷沢 淳

junphoto at 00:30|PermalinkComments(9) junphoto diary | マイ フェイバリット

2006年11月22日

移植から約5ヶ月経過です。

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秋風になびくススキを見て
何を思ったのだろう
澄んだ大気に沈む夕陽を前に
何を考えたのだろう
きっと ただ静かに
風に吹かれていただけだったんだ




みなさま、こんにちは。



今日の検査では、白血球は正常、赤血球や血小板も正常値に近づきつつありました。
しかし相変わらず腎機能が高めなのと、免疫抑制剤の血中濃度が普段の倍ちかくあがっていたので薬で調節していきます。腎機能に関しては水分を多くとり腎臓を働かして尿を出していくしかないです。

ステロイド薬(ホルモン剤)は更に7.5mgまで減量。プログラフ免疫抑制剤は半分の5mgまで減らします。
保険適応外であるため高額な薬のセルセプトも徐々に減らしつつあります。

サイトメガロウィルスは3個と前回から増えていませんでした。
この厄介なウィルスがこのまま増えずにいて欲しいです。


月日を数えてみると、移植から約150日が経過していました。
新たな命としてドナーさまの骨髄液をいただいてから早5ヶ月経っているんですね。
そのうちの4ヶ月は入院しているのでシャバの空気を吸い出してからはまだ1ヶ月なのです。
少しずつですが順調に進んでいることをありがたく思えます。



家の中から見るまたは想う外界の移り変わりは間接的であるがゆえ想像的でもあります。
窓辺に色づく樹々や枯れていく枝に時の流れを感じます。
ほんのひと月前の暖かい日々には躍動的だった小鳥のさえずりも、いまやそのなりを潜めようとしています。
銀杏の黄色が地面をカラフルに彩り、歩道をゆく人のこころを踊らせるようなこの季節に哀愁と愛着を感じてしまいます。

人はこういった景色の中で、生まれた町への郷愁の念を育んでゆくのでしょう。
日本人がなぜに独特の季節感をもつのか、またそれが美しいのかわかるような気がします。


秋とは、なぜか人をノスタルジックにさせるものですね。



谷沢 淳

junphoto at 21:55|PermalinkComments(6) junphoto diary | 淳の病状日記

2006年11月18日

ドッグスケボーの季節

ドッグスケボー
ちょうど一年前の初冬の日。
ゴンと僕は、
ドッグスケートボーディングで風になった。


ここ数日ですっかり寒くなりましたが、みなさんは風邪などひいていないですか?
風邪やインフルエンザなどが流行り出していますね。


今週の検査では、白血球数も安定していて身体(皮膚)の様子もそんなに悪くないので更に薬を減らすことになりました。

この数日は体力は上がって来ているものの、皮膚にはニキビ状の出来物が首から肩にかけて増えているので少し注意しています。
ステロイド剤の副作用と診断されましたが、プツプツした発疹なので引っ掻かないように気を付けています。その傷からの感染が懸念されるからです。

サイトメガロウィルスも2〜3個と入院までに至るような数値で増えてないので安心しました。
これがまた増えてしまうと再々入院ということになるので明確に心配の種であります。



この冬間際の季節になり、ふと思い出すことがあります。
それは移植前に飼っていたゴンと名付けた犬のこと。
移植後は菌感染の関係で動物との接触は厳しく制限されるため、退院後は知り合いに預けています。


ゴン谷沢家3代目犬のゴンは極北生まれの犬ぞりドッグ(あくまで推測)。
僕がスケボーを持ち、散歩用の綱を繋ぐと一気に性格が変わり興奮し出します。
なぜスケボーで興奮するかというと、幼犬の頃から散歩と言えばスケボーに乗る僕を引っ張らせていたからなのです。まるで犬ぞりのように。
この散歩法をドッグスケートボーディング(ドッグスケボー)と呼びます。


おかげで力がつきすぎてしまい僕以外散歩できなくなりました。彼女がゴンを散歩に連れ出した時、グイッと引っ張られ肩を脱臼してしまうほど・・・。

そんな彼とはペット以上の仲になり、僕が怒ると彼は噛むフリをしてくるので逆に僕が噛み付いてやったり、よくお互いをガルルル…と威嚇し合いました。組んづほぐれづな関係ですね。

ドッグスケボー(単なる散歩)では、犬の尻穴のビミョーな動きで急ストップを感知し、液体ではなく固形物でのマーキング行動(単なる糞)を事前に予知するという高度技術も完成させました。

また散歩コース最長のホームストレートの直線に入ると、僕の「マッシュ!(それ行け!)」というかけ声に即座に反応してダッシュを決め、2人いや1人1犬は風になったものでした。


乾いた大気の香りが強まる今日この頃、周りの散歩犬を横目にドッグスケボーで疾走した日々を思い出してしまうのです。


いかにも愛犬家らしいことを書きましたがそうでもないんですけどね。犬にスケボー引っ張らせてる時点でわかるか・・・。
犬と人は原始時代からの長い付き合いです、今後とも良い関係でいたいものですね。


みなさんも風になる術を見つけたとて、この時期の風邪には注意してください。


谷沢 淳

junphoto at 16:32|PermalinkComments(6) junphoto diary | 淳の病状日記

2006年11月09日

募金報告

募金口座への振込をいただいております。

10月11日 マヤナギ ミチコ様
10月17日 オウエンサセテクダサイ様

ご協力ありがとうございます。
これで募金金額の合計は 1,341,007円となりました!

マヤナギ様、いろいろとありがとうございます。
凄くうれしかったです。
皆様のお気持ち、心から感謝いたします。


それからポストカードを購入していただいた、丹羽様ありがとうございました。


また、さえこちゃんがこのような可愛い募金箱で、たくさんの方からの
お気持ちをいただき、私に渡してくれました。
聞いたところでは、かなりの数の人達からパワーをいただいたようです。
金額ではなく、すごく温かいものをいただきましたよ!
ご協力していただいたみなさん、本当にありがとうございました。
みんなのパワーが詰まったこの象さん、とても温かいです。
淳に直接渡したいと思います。

象さん







稲垣洋子

st_cecilia1012 at 23:58|PermalinkComments(2) 募金活動♪ 

2006年11月08日

ナミノリヨ波乗りよ

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みなさま、こんばんは。

今日の朝は冷え込みましたね。朝晩と日中の温度差がありますので体調管理にお気をつけ下さい。



本日、水曜は通院日でした。
採血の結果は良好ということで、プレドニゾロン5mg(ステロイド薬)を2.5錠(12.5mg)まで減量。
免疫抑制剤のプログラフは朝晩で各5mgの服用(各0.5mgの減量)、セルセプト250mgは朝2錠/晩3錠の服用(朝1錠減)。
しばらくは薬減量にともなうGVHDの再燃に注意していかなければなりません。

まだ肝機能と腎機能(尿酸など)が高めです。
「肝腎要=特に重要な部分」というくらいなので人にとって肝腎要の臓器であること間違いありませんね。
水分をしっかり摂取します。



体調は良くなっていて多少動いても苦にならなくなってきました。
といっても家のなかを動き回っているだけなのですが・・・。

少しでも身体が動くようになるとサーフィンをしたくてしょうがないという衝動にかられます。
あの水の感触、海面の音、ボードが波を滑るとき発するシャーという声、それらを感じる日を想い描いてしまいます。

復帰は何年後になるかは判りませんが、きっと立つ事もパドルもままならないんでしょうね。
コスタ並


波乗りを通しての出会いは世界観を広げる素晴らしいものがありました。


僕の写真&波乗りの師匠であるNAKIさんとの出会いにより、僕の波乗り哲学はかなり影響を受けました。
僕の浅く薄い哲学は多少なりとも深みを増したようです。

波乗りを多角的視点でグローバルかつユニバーサルに、もしくはフィロソフィーでありながらフィレステーキよりサーロインのが口にあい、松茸よりは椎茸よ・・・と、言葉の意味はよく分からんがとにかくすごい自信です。
おっと、すみません、アデランスの中野さんの人格がでてしまいました。

人格休題。


そう、師から受けた思想は「波乗りは深い哲学を含み波自体が人生そのものである。要するにサーフィンは上手い下手以上に楽しむ事が大事である。」
これはシンプルかつとても深い思想なのです。


ビデオグラファーとしてのデビューもNAKIさんのおかげでありました。

初仕事は、なんとクリス・ワード。
サーフィンを始めた頃からずっと憧れていたプロサーファーで、波乗りも車の運転もヤハリ天才的でした。
クリスのエアバリエーションと高さはゆうに想定の範囲外でした。
何度もクリスを撮影をしていたのですが、会って挨拶するたびに「はじめまして。俺はクリス、よろしくな。」って言われます。
僕も最初の5回目くらいまでは「俺たち一緒にリンコンも行ったよ」なんて説明してたのですが、それ以降は「初めまして。俺はジュン、こちらこそよろしく。」と返答するようにしました。
彼はズバリ天才的ですね。


そして大先生マット・アーチボルド。
彼は生き様がとてもスタイリッシュで、一般的に言えば問題アリなのですが容姿にあわず優しくてカッコ良いのです。初対面では2〜3発ぶん殴られるのは覚悟していたのですが、笑顔でサンドウィッチをおごってくれました。もちろん波乗りは言うまでもありませんが元祖直角リップでわからされました。
一緒に行ったコスタリカでも友達想いのいい兄貴って雰囲気でした。
子供のようなイタズラばかりしていましたが・・・。



彼らから学んだのは、波乗りはライフスタイルであり、人の生き方などはとても自由でいいんだということです。
日本で「大人とはこうあるべきナノダ、常識的にちゃんとしてなきゃイカン」などという制約を植え付けられていた僕にとって大きな驚きでもありました。
彼らと行動をともにするうちにそれがとてもシンプルな事でありナチュラル(=当然)な人生観なのだと考えるようになりました。
もちろん波乗りをライフスタイルにまで昇華させているのは凄いことなのですが、それが至極(しごく)自然な感覚だったのです。



この考え方は、移植という厳しい治療また長い療養を要する僕の精神面の手助けになっています。
基本的にビビリ性な僕ですが、「人は人、自分は自分さ・・・」そう考えて焦らず目の前の環境を受け入れていこうと考えるようになりました。

そしてまた海で彼らと再会できる日を楽しみに、前向きにやっていこうと病院の待合所で心を熱くするのでした。



nakiart001←NAKI PHOTO
夢のような波、早くこの波面に・・・

NAKIさんのブログ
http://www.nakisurf.com/
彼がコラムを寄稿している雑誌PAPER SKY
http://www.khmj.com/FLASH/knee.html




谷沢 淳



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2006年11月05日

夢のある神話を・・・

みなさん3連休はいかがお過ごしでしょうか?
旅行や紅葉観察で日頃の疲れをリフレッシュしていますか。


僕は水曜日の検診が良好だったのでプレドニゾロン(ステロイド剤)を半錠減量しました。前回の減量ではGVHDの発疹が再燃したので注意深く観察しています。
今のところ順調で体調も良いので、たまに外食などして活動量を増やしたりしています。
風邪なども流行っているようなので極力外出を避けて感染に注意した生活を送っています。

免疫抑制剤の副作用なのですが、お腹や首周りに脂肪がプクプクと付いてきています。薬を飲んでいる間はしょうがない事といえ、まさに贅肉ですから気になってしまいます。
油断していると元力士の曙のような体型になってしまう人もいるようです。

骨髄液この写真は、移植日にドナーさんの骨髄液を持つ僕です。
まさにこのあと手術が始まったのです。
新しい自分の命となる骨髄液パックを手に新誕生日を祝うという希有な経験をしているところなんですね。
旧誕生日が6月8日、新誕生日が6月21日、これからはどちらを祝いましょうか?
いっその事、6月8日から21日までをバースデイウィークとして毎日祝ってしまうなんていいかもです。



僕らは、何もかもが決まっているものと錯覚しそうな時代を生きています。
しかし、この病気になり、また病床の僕を取り巻く環境で起こったさまざまなことは、命とは予想の出来ないとてもあやふやな存在で不安定な土地に咲く花のようなものなのだとしっかり気付かせてくれました。


なぜそんな錯覚を抱くのでしょうか。今の社会はいとも容易く情報を得られます。その手軽さは情報の核心を得づらいという局面も持ち合わせていると危惧されます。
それはまた僕らの価値の置き所を広く浅いものとし、安易なマスメディアに流される世の中を作り出してしまうのではないでしょうか。


情報の見えすぎてしまう恐さ・・・。

見えない世界への価値観や憧れが僕らを動かす原動力になるはずなのに、実際に触れたことのないものさえ、知ったような気分になってしまう。

それは僕らが頭の中で描く神話などの想像世界を狭め衰退させていってしまうような気がしてなりません。
神話や昔話の物語は僕らが見えないものに対し畏怖の念を持って描いていた世界であり、心に多様の夢を植え付けてくれた世界であったのです。


夢のない虚構の世の中より、夢の育める物語世界に価値を見いだせる人になりたいものです。



おっとっと、なぜか予告もなく熱く語ってしまい申し訳ありませんでした。
最近切ない事件が多すぎて考えさせられますよね。



自宅療養のあり余った時間にテレビなど見ていると、あまりにも品格の落ち込んだテレビの情報やくだらない話に真面目に熱中している中年男性たちにとても違和感を感じてしまうのです。


先日、ミリオネアを見ていました。
みのさんの正解を言う間(ま)が長すぎるのに驚かされました。あれをなくしたらかなり時間の節約を計れるはずです。
みのさん独特のあの間(ま)を有効利用して何かできないかと思ったが、結局クイズの正誤が気になり何にも集中できませんでした。
ということでミリオネアは時間的無駄を感じてしまいもう見ません。


最近のテレビは何かと無駄な贅肉(時間)が付きすぎてメタボリックシンドローム化しているように見えます。

人間もマスメディアも付いてしまった贅肉は落としにくいものです。

そういえば!僕のお腹と首周りについた副作用のお肉さんもすくすく育ち気味なので、リハビリを始めてしっかり管理していかなければと焦っています。



みのさん、いや、みなさんも無駄な贅肉には気を付けてください。

そして僕らに夢のある「素敵な神話」を・・・。


谷沢 淳


junphoto at 00:25|PermalinkComments(10) junphoto diary | 淳の病状日記