2016年08月18日

羽の長さと角の先端の幅の相関関係
赤線 ヤマトカブト(岩手(模式産地)、鹿児島、宮城、熊本、埼玉、新潟)T.dichotomus septentrionalis
緑線 カブトムシ?原名亜種(韓国Gwangyang)T.dichotomus dichotomus?
黒線 ヤマトカブト(屋久島、種子島))T.dichotomus septentrionalis
頭の角の扇状の構造の幅と、エリトラの長さの相関を調べてみると図のようになった。
朝鮮半島〜中国北東部のカブトムシを日本のヤマトカブトT.dichotomus septentrionalisと同亜種とする研究者も多いようです。実際区別はほとんど付かない。問題は模式産地がいったいどこなのか、模式標本はどんな特徴なのかがわかっていないことである。インドが模式産地とされているがこれがどんな特徴になるかによってシノニムとして消える亜種があったりで実はこのカブトムシの抱えている分類上の課題は大きい。どちらにしても図より屋久島、種子島の個体群はヤマトカブトとは異なる特徴を持つ個体群と言える。大陸ではツヤカブトT.d.politusと原名亜種は境目がなく連続的に変化すると言われているが、実際韓国Gwangyangから得られた標本はまた変わった個体群でヤマトカブトT.dichotomus septentrionalisとは特徴が異なる(緑線)。グラフ中の学名タイプミスがありました。septentorionarisseptentrionalis

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2016年08月11日

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カブトムシ 種子島産 中部
種子島は南北に長く、地域変異があるという話を聞いた。そして、地域によっては本州並みに角の発達し他個体が見られるという話である。これは中部地域のもの。総じて赤いがやや黒いのも見受けられる。裏もかなり赤い。カブトムシは他の地域でも赤いものが採集されていて、赤カブトなどと呼ばれたりしているようだが、種子島産は屋久島同様オレンジがかった赤色でちょっと違う。栗色のものも出現するが、ランダムに採集されたこの個体群を見る限り、種子島産のカブトムシは「赤い」と特徴付けても問題はないと考えられる。また、少なくともこの中には小型なりにも角の本州産並みに発達した個体は見受けられない。

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2016年07月31日

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ミヤケノコギリ(Prosopocoilus inclinatus miyakejimaensis)御蔵島産
サンプル不足ですが、全体的な雰囲気を把握するため並べてみました。原歯形は奇形のようです。意外と原歯形を集めるのが容易ではありません。というかこれ以上標本を増やすのはほぼ不可能。No.306の個体は足が緩いので破損事故を防ぐため並べませんので中歯形はこれを確認していただきたい。大腮は細めで伊豆諸島の中では湾曲が弱い傾向があるが、完全大歯形は他の伊豆諸島の個体群と同様に湾曲している。ノコギリとしては比較的大型の60mmを超えなければ完全に湾曲しないことから完全な大歯形を確認した人物はごく少数でBEKUWAでも「大型個体では湾曲がなだらか」と述べられている。雌の右から2番目の個体はやや赤味が差しているがハチジョウノコギリより赤味のある雌は稀のようであるが繰り返すがサンプル数が少なく色については何とも言えない。大腮の湾曲が弱い傾向にあることはハチジョウノコギリにつながる特徴と考えられやはり、伊豆諸島のノコギリ類は伊豆大島〜八丈島にかけて隣接する島間で共通する特徴が確認できると言えそうである。また、それぞれの島の個体群には固有の特徴が見られるが、御蔵島産は小内歯の発達が悪い特徴があるといえそうである。これについては記載文には述べられていない。特徴をまとめてみると以下のようになる。
御蔵島産固有の特徴
・大腮は湾曲が緩い傾向があり原名亜種より大型で完全な湾曲した大歯形になる。
・小内歯の発達がさらに悪く、不明瞭。
・雌雄ともに伊豆諸島の中でも八丈島産に次ぎ黒化している。
・雄に対してメスが大型。(式根島産、伊豆大島産)
新島〜神津島産と共通する特徴
・付節が長い。
・前胸が丸みを帯びる。
・体長に対し大腮が短い。
・交尾器の基部が長い。



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2016年07月30日

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左 ミヤケノコギリ(Prosopocoilus inclinatus miyakejimaensis) 御蔵島産
右 ハチジョウノコギリ(Prosopocoilus hachijoensis)八丈島産
大腮が太く、短く、湾曲も決して弱くない、あまり御蔵島産の特徴が現れていない個体。やはり、ノコギリは少なくとも100匹くらいは最低でも見ないとその個体群の特徴を述べるには不十分だと考えられる。また、大腮の湾曲が弱い右のハチジョウノコギリと共通する特徴が御蔵島産にも現れるとすると黒化と並んでいくつかの特徴はやはり伊豆大島〜八丈島に連続性が見られると考えられる。本州ー八丈島間の違いはかなり大きいが御蔵島ー八丈島間はギャップがあるものの互いの関連性は垣間見られる。荒谷氏、細谷氏が述べているように伊豆諸島のノコギリは遺伝子解析より単血統であり、付節の長さの大きな違いは極めて早く変化が起こったと考えられる。ただし、ハチジョウノコギリの付節が短くなるよう変化した理由についての考察は交尾行動の仕方の違いに起因すると考えられる。

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2016年07月29日

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ミヤケノコギリ(Prosopocoilus inclinatus miyakejimaensis) 御蔵島産♂60mm♀36mm
御蔵島産がミクラノコギリとして記載された際の特徴を良く表していると思われる個体。大腮は短く弱く湾曲する。雌は完全に黒い。おそらく記載された当時はこのような個体が御蔵島産の最大級でもっとも発達した大腮と考えられていたものと思われる。しかし、これはまだ未発達でさらに大型では湾曲した大腮を持つ(304,303参照)。
BEKUWAにもこのような個体が最大個体として図示されている。

stagman at 00:22コメント(0)トラックバック(0)クワガタムシ標本 

2016年06月28日

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左 ミヤケノコギリ 御蔵島産 62mm 右 ミヤケノコギリ 神津島産 64mm
御蔵島産は点刻が粗いがやや光沢のある神津島産と比べるとその様子がわかりやすい。また、神津島産は赤味が比較的強い。この神津島産の個体は先端付近の内歯の発達が悪いがもっと発達し他個体も現れ安定しないのに対し御蔵島産は安定して発達が悪い。神津島産は一回り大きいが、付節の長さには著しい違いは認められない。

stagman at 00:04コメント(0)トラックバック(0)標本クワガタムシ 

2016年06月26日

ミヤケノコギリ(三宅島産、御蔵島産)
左 ミヤケノコギリ(P.i.miyakejimaensis) 三宅島産 61mm
右 ミヤケノコギリ(P.i.miyakejimaensis)御蔵島産 62mm
御蔵島産は付節が長いとして周りの伊豆諸島の個体群と区別されたが、この2産地の大型個体ではその差はそれほど顕著ではない。これは意外な結果であり、私も御蔵島産は顕著に長いと思い込んでいた。そして、三宅島産はやや短い傾向があると思っていたが大型個体の御蔵島産との差はわずかである。ミクラノコギリとして記載された際にはふれられていなかったが御蔵島産の特徴としては先端付近の内歯の発達が悪い特徴だと思っているが、他の産地でも先端付近の内歯の発達が悪い個体も現れるので記載者らは個体変異として省いたのかもしれない。実際、この両者の差違は先端付近の内歯の発達具合と、御蔵島産は黒化がさらに進んでいる点である。ただし、赤味のある個体も存在する。また、段階的に南下するに従って黒化する特徴は御蔵島産を別亜種として扱う特徴としては使えない。大腮の湾曲の具合や体長に対する長さ、太さの違い等は個体変異の範囲内でしょう。
 

stagman at 22:23コメント(0)トラックバック(0)クワガタムシ標本 

2016年05月20日

オキナワカブトとカブトムシ 種子島産
左 オキナワカブト 右 カブトムシ 種子島産
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近い産地でやや似た形態的特徴の傾向が見られるが、実際は大きく違うといえる。ともに本州でカブトムシが角が発達し大型化する進化をとげる以前に隔離されたものと考えられる。オキナワカブトと種子島産は前足脛節の形態が大きく違い、オキナワカブトは大陸の原名亜種に似るが種子島産は本州のカブトムシと同様やや細い。
前胸側縁の形態も異なり、オキナワカブトは直線的で、種子島産は丸みを帯びる。色についてはオキナワカブトはほぼ例外なく黒いが種子島産はほとんどが赤い。ただし、黒化したものも存在する。
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腹面は、種子島産は毛が細かく短く、少ない。特に後足、転節、中胸腹板で顕著。
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メスは前胸の溝に大きな違いがあり区別は一目瞭然である。

stagman at 09:01コメント(0)トラックバック(0)カブトムシ標本 

2016年04月10日

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上 ミヤケノコギリ三宅島産の交尾の様子
中 ノコギリクワガタ伊豆諸島北部型の交尾の様子
下 ミヤケノコギリ式根島産の交尾の様子
いずれの交尾の仕方も雄の跗節は幹に固定されていてハチジョウノコギリのように雌の体には固定されていない。雄の跗節の長さはこの交尾の仕方によってより適した長さに進化したものと考える方が自然である。伊豆大島産のように40mmを超える大型の雌を抱えるためにより長い跗節が必要となったと言える。三宅島産の雄の跗節は短めだがこれは大きな雌がいないためと言える。三宅島産では35mmを超える雌は極めて稀である。一方式根島産は雄が小型なのに対し雌は大きいので比較的長い跗節を持つ。いずれもオオバヤシャブシの樹上で交尾中だが図のように必ずしも細い枝ではない。従って荒谷邦雄氏、細谷忠嗣氏の推測はこの点からも当てはまらない。



stagman at 09:25コメント(2)トラックバック(0)クワガタムシワイルド 

2016年04月09日

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昆虫と自然 2014 特集 伊豆諸島の昆虫(Vol.49 No.3)「伊豆諸島の魅力を探る〜クワガタムシ科を題材に〜P.10の中で荒谷邦雄氏、細谷忠嗣氏は伊豆諸島のノコギリの付節の長さが比較的長いことについて「これはオオバヤシャブシをはめ枝先に樹液を出す樹木が多い島独自の環境に適した結果なのかもしれない。」と推測しているが、これには異論がある。なぜなら、細い枝先に止まる習性は本土のノコギリにも顕著に見られる習性で細いヤナギやコナラに普通に見られるからで、伊豆諸島のものだけが細い枝に集まるわけではない。伊豆諸島のノコギリ類の跗節が長いのは雄に対する雌の大きさが関係していると考えている。より大きい雌を抱え込むには足が長くなければならない。伊豆諸島の中で特に大きなメスが採れるのは、伊豆大島、利島、式根島でこれらの島の雄の跗節は長い。これに対し図示したように樹上で交尾しないハチジョウノコギリは雌に完全にマウントして地表で交尾するため雌に体を固定するために跗節が短い必要がある。実際雄は交尾中雌の上にのったまま移動する。ハチジョウノコギリの雄が大型化しない理由もこれですっきりするのである。つまりハチジョウノコギリは雌に対して大型化してしまうと交尾ができないという致命的な結果になることから小さい方が有利なわけである。正に騎士には小柄な方が適しているのと同じです。雄と雌の体長の差はハチジョウノコギリは極めて小さい。ミヤケノコギリの中で比較的跗節の短い三宅島産はあまり、大きな雌は採集されておらず、むしろハチジョウノコギリの雌の方が大きい。御蔵島産は極めて少ないデータしかないが所有する雌はどれも比較的大きい。雌の付節の長さは単に雄の付節の長さに連動しているものと考えられる。つまり、ハチジョウノコギリの雄はある程度大きくなるとそれ以上成長しないようなトリガーが働き大型化しないようにできていると考えられる。
もう1点、荒谷邦雄氏、細谷忠嗣氏の推測では島ごとに付節の長さが異なることが説明が付かない。

stagman at 16:51コメント(0)トラックバック(0)クワガタムシ生き虫 
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