2021年07月26日

両端 ノコギリクワガタ 福江島産
中央 ノコギリクワガタ 北海道東北部産
うちのミニ博物館で唯一充実しているのが日本産のノコギリクワガタです。日本各地のノコギリクワガタをご覧いただけます。画像では特徴が目立たないですが実物を見ると日本の北東端と南西端では形が異なっています。
2021年06月27日
2020年11月03日
ゴホンツノカブト 中国広西チワン族自治区亜種

この産地の新亜種のメスはもっていなかったので入手出来てラッキーでした。この産地(白色(地名))のメスは前胸の前方が丸く盛り上がる特徴を持っています。オスはすべての角の発達が悪いです。中型個体ですが他の亜種はもっと角が発達します。もう、記載がタッチの差で終わっているのでパラタイプに指定できず残念でした。この標本は非常に状態が良いですが、他のパラタイプ標本はほとんど状態が悪く経年劣化心配されます。

この産地の新亜種のメスはもっていなかったので入手出来てラッキーでした。この産地(白色(地名))のメスは前胸の前方が丸く盛り上がる特徴を持っています。オスはすべての角の発達が悪いです。中型個体ですが他の亜種はもっと角が発達します。もう、記載がタッチの差で終わっているのでパラタイプに指定できず残念でした。この標本は非常に状態が良いですが、他のパラタイプ標本はほとんど状態が悪く経年劣化心配されます。
2020年11月01日

左 新亜種 中国広西チワン族自治区産
右 原名亜種 タイ産
広く知られているタイ産の原名亜種との比較。
やや新亜種は比較的小型だが角の発達の悪さは明らかだと思います。よってヒメゴホンツノカブトと見誤っていた人が多かったわけです。前足脛節がやや短く外側の2つの棘の間隔が狭いものが多いですがこの個体はあまりはっきりしません。羽の色は分類の基準としてはあてになりません。20年ほど前くらいの標本がほとんどで新しいものはこのところ入っていないようです。状態も悪く羽にぶつぶつ穴が開いているもの、中が腐っているいるものなどはあたりまえで、パラタイプも少ないので心配です。
上段 ゴホンツノカブト中国広西チワン族自治区亜種
下段 ゴホンヅノカブト原名亜種 タイ産

この産地のゴホンヅノカブトは角が短く、長らくヒメゴホンヅノカブトに分類されていました。ゴホンツノであると気が付いていた人は多かったと思いますが、そのまま長らく注目されずほったらかされていました。明らかに分類的にゴホンツノカブトに近い種類で、角はすべて短く胸の上側の一対の角は平行に発達します。この特徴はベトナム産にも表れますが頭の角がより短くからだがずんぐりしています。雌は前胸の前方が盛り上がり丸みが強いです。前足脛節がふと短いものが多く見られますがこの特徴は安定しません。一般にタイ産のものが原名亜種の特徴を表しているように考えられていますが、実際にはベトナム産が模式産地なので模式標本が比較的角が短く、胸の上側の一対の角が平行に出るものをこの種の特徴とするとタイ産のものが逆に亜種として記載されることになるかもしれません。この件があり私も中国広西チワン族自治区産を記載すべきか悩みましたがベトナム産の似た個体群とはよく似るものの大型個体でもより角が太短いので記載に踏み切りました。亜種名は角の形態にちなみbrachycerusとした。
下段 ゴホンヅノカブト原名亜種 タイ産

この産地のゴホンヅノカブトは角が短く、長らくヒメゴホンヅノカブトに分類されていました。ゴホンツノであると気が付いていた人は多かったと思いますが、そのまま長らく注目されずほったらかされていました。明らかに分類的にゴホンツノカブトに近い種類で、角はすべて短く胸の上側の一対の角は平行に発達します。この特徴はベトナム産にも表れますが頭の角がより短くからだがずんぐりしています。雌は前胸の前方が盛り上がり丸みが強いです。前足脛節がふと短いものが多く見られますがこの特徴は安定しません。一般にタイ産のものが原名亜種の特徴を表しているように考えられていますが、実際にはベトナム産が模式産地なので模式標本が比較的角が短く、胸の上側の一対の角が平行に出るものをこの種の特徴とするとタイ産のものが逆に亜種として記載されることになるかもしれません。この件があり私も中国広西チワン族自治区産を記載すべきか悩みましたがベトナム産の似た個体群とはよく似るものの大型個体でもより角が太短いので記載に踏み切りました。亜種名は角の形態にちなみbrachycerusとした。
2020年10月14日

隠岐の島産
大型個体は左前足短縮異常。小型雄は角曲がりです。よって、自分で行ってとってみたいみたい島の1つです。微妙にヒラタやコクワが違っているし、ハナムグリも面白いです。ミヤマやノコギリも生息しているので数日滞在してみたいところです。
2020年10月11日
韓国巨済島産、大田産


対馬産、壱岐産との違いはほとんどありませんが、やはり前足脛節に違いがあります。まあ、ミヤケノコギリは原名亜種だと言っている人がいるくらいですから、この違いはほとんどの人は日本産のカブトを別亜種にしていることは多くの人が疑問視することでしょう。そもそも、大陸、朝鮮半島のカブトが原名亜種で日本のヤマトカブトが誤って岩手県産の小型個体を型として区別したことから始まっていることを知っている人がマニアの中にどれだけいるか。ほとんど関心がないのではないかと思われます。朝鮮半島産をヤマトカブトとしている研究者もいますがこれは明らかな間違いです。朝鮮半島産はちゃんと中国産と同じ特徴を持っています。ただし済州島産はまだよく調べていませんが以前書いたように対馬や壱岐よりの特徴を持っている可能性は十分あります。も少し個体数を確認していきたいところです。


対馬産、壱岐産との違いはほとんどありませんが、やはり前足脛節に違いがあります。まあ、ミヤケノコギリは原名亜種だと言っている人がいるくらいですから、この違いはほとんどの人は日本産のカブトを別亜種にしていることは多くの人が疑問視することでしょう。そもそも、大陸、朝鮮半島のカブトが原名亜種で日本のヤマトカブトが誤って岩手県産の小型個体を型として区別したことから始まっていることを知っている人がマニアの中にどれだけいるか。ほとんど関心がないのではないかと思われます。朝鮮半島産をヤマトカブトとしている研究者もいますがこれは明らかな間違いです。朝鮮半島産はちゃんと中国産と同じ特徴を持っています。ただし済州島産はまだよく調べていませんが以前書いたように対馬や壱岐よりの特徴を持っている可能性は十分あります。も少し個体数を確認していきたいところです。
ヤマトカブト対馬産、壱岐産


九州南部の離島と対称的に九州〜朝鮮半島の個体群は角が長くいわゆるスタイルの良い個体群です。対岸の朝鮮半島や採集島との違いはまだ明確ではありませんが、わずかに前足脛節がやや太めの傾向なのがタイリクカブトですが、決め手に欠けます。中国大陸にはかなり形態的に特徴のある個体群も見られますが境目は不明瞭でしょう。ただ、連続的にツヤカブトに近づき、区別がつかないような中国産の個体はまだ見たことがなく、ツヤカブトとされて図示されている四川省産の個体もどちらかというと原名亜種のように見えます。ツヤカブトの模式産地はラオスなのでこの個体群は黒く横幅がありタイリクカブトとは簡単に区別できます。交尾器も違いが見られるようです。


九州南部の離島と対称的に九州〜朝鮮半島の個体群は角が長くいわゆるスタイルの良い個体群です。対岸の朝鮮半島や採集島との違いはまだ明確ではありませんが、わずかに前足脛節がやや太めの傾向なのがタイリクカブトですが、決め手に欠けます。中国大陸にはかなり形態的に特徴のある個体群も見られますが境目は不明瞭でしょう。ただ、連続的にツヤカブトに近づき、区別がつかないような中国産の個体はまだ見たことがなく、ツヤカブトとされて図示されている四川省産の個体もどちらかというと原名亜種のように見えます。ツヤカブトの模式産地はラオスなのでこの個体群は黒く横幅がありタイリクカブトとは簡単に区別できます。交尾器も違いが見られるようです。
2020年10月10日
ヤマトカブト 下甑島産


興味深い産地のカブトムシです。亜種のレベルには達していませんが固有の特徴をもっています。屋久島、種子島産と近い特徴を持ち、やや角の発達が悪く細く短めで、胸の角は前方に向かって発達する傾向があり、光沢もやや強めのようですが、個体変異の範囲に含まれると思われます。気になるところは赤い個体と黒い個体の割合です。出品者様の出品状況では半々のようです。まだまだ不勉強で赤い個体と黒い個体の出現率の地域性などこれから調べていきたいテーマですが、最近採集した神奈川県のカブトムシの中では赤みの強い個体は見られませんでした。


興味深い産地のカブトムシです。亜種のレベルには達していませんが固有の特徴をもっています。屋久島、種子島産と近い特徴を持ち、やや角の発達が悪く細く短めで、胸の角は前方に向かって発達する傾向があり、光沢もやや強めのようですが、個体変異の範囲に含まれると思われます。気になるところは赤い個体と黒い個体の割合です。出品者様の出品状況では半々のようです。まだまだ不勉強で赤い個体と黒い個体の出現率の地域性などこれから調べていきたいテーマですが、最近採集した神奈川県のカブトムシの中では赤みの強い個体は見られませんでした。
2020年10月07日
カブトムシ新亜種 (インドツヤカブト)

特徴は安定しています。特大個体は含まれていませんがやや角は発達するもやはりツヤカブトと
比べて明らかに角は短いです。赤い個体は出現しません。
ツヤカブトとカブトムシ原名亜種は中国南部あたりで連続的に変化し区切りがはっきりしないためシノニムとするという考えがあるが、私の意見ではツヤカブトは独立した亜種以上と考えています。
今回の新亜種は明らかにツヤカブトと近い種類であることからもタイリクカブトとツヤカブトの違いは決してあいまいではないとも考えられます。

特徴は安定しています。特大個体は含まれていませんがやや角は発達するもやはりツヤカブトと
比べて明らかに角は短いです。赤い個体は出現しません。
ツヤカブトとカブトムシ原名亜種は中国南部あたりで連続的に変化し区切りがはっきりしないためシノニムとするという考えがあるが、私の意見ではツヤカブトは独立した亜種以上と考えています。
今回の新亜種は明らかにツヤカブトと近い種類であることからもタイリクカブトとツヤカブトの違いは決してあいまいではないとも考えられます。