2016年05月29日

ウォーク・ザ・ライン 君につづく道

2005年のアメリカ、ハリウッド映画です。
監督は、ジェームズ・マンゴールド。
脚本は、ジェームズ・マンゴールド、ギル・デニス。
撮影は、フェドン・パパマイケル。
美術は、デヴィッド・J・ボンバ。
衣装は、アリアンヌ・フィリップス。
音楽は、T=ボーン・バーネット。
主演は、ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン。





空軍を除隊したジョニー・キャッシュ(ホアキン・フェニックス)は、
初恋の女性ヴィヴィアン(ジニファー・グッドウィン)と結婚し、
テネシー州メンフィスで訪問セールスの仕事を開始した。
向かない職業に就いて塞ぎ込んでいたジョニーは、
ある日、街角のサン・レコードに飛び込んで強引にオーディションの約束を取りつける。

「ゴスペルは古い」
「じゃ、どんな曲ならいいんだ?」
「トラックにはねられ 死ぬ前に1曲だけ歌を聴ける時間がある、そんな時に聴きたい曲だ」

空軍時代に書いた曲を歌った彼は合格し、
プロのミュージシャンとして活動を始めることになった。

やがてツアー中、少年時代の憧れの的だった歌手、ジューン・カーター
(リーズ・ウィザースプーン)と共演したジョニーは、彼女への恋心を燃やしはじめる。
だが前夫との離婚の傷が癒えないジューンには、妻子のいるジョニーとの
恋に向かう気はなく、まもなく2人は仲違いしてしまう。
彼らが再び音楽活動を共にするようになったのは、6年後の1964年。

この間にジューンは再婚し、ジョニーはヴィヴィアンとの関係が悪化して
ドラッグに逃避する日々を送っていた。まもなくジョニーは覚醒剤を密輸して逮捕され、
どん底へと落ちる。皆から見離された彼に、ジューンは手を差し延べた──。


Early one mornin' while makin' the rounds
I took a shot of cocaine and I shot my woman down
I went right home and I went to bed
I stuck that lovin' .44 beneath my head

Got up next mornin' and I grabbed that gun
Took a shot of cocaine and away I run
Made a good run but I run too slow
They overtook me down in Juarez, Mexico

Late in the hot joints takin' the pills
In walked the sheriff from Jericho Hill
He said Willy Lee your name is not Jack Brown
You're the dirty heck that shot your woman down

Said yes, oh yes my name is Willy Lee
If you've got a warrant just a-read it to me
Shot her down because she made me slow
I thought I was her daddy but she had five more

When I was arrested I was dressed in black
They put me on a train and they took me back
Had no friend for to go my bail
They slapped my dried up carcass in that county jail

Early next mornin' bout a half past nine
I spied the sheriff coming down the line
Up then he coughed as he cleared his throat
He said, "Come on you dirty heck into that district court"

Into the courtroom my trial began
Where I was handled by twelve honest men
Just before the jury started out
I saw that little judge commence to look about

In about five minutes in walked the man
Holding the verdict in his right hand
The verdict read in the first degree
I hollered, "Lawdy Lawdy, have mercy on me"

The judge he smiled as he picked up his pen
99 years in the Folsom pen
99 years underneath that ground
I can't forget the day I shot that bad bitch down

Come on you've gotta listen unto me
Lay off that whiskey and let that cocaine be

そして、有名なフォルサム刑務所でのコンサート。
「囚人向けの曲でな」と言われ、「コカイン・ブルース」を歌ったジョニー・キャッシュ。

同時期に活躍したエルヴィス・プレスリーとは違う地味でカントリーな“ 伝説の歌手 ”の物語。




いい映画です。







監督:ジェームズ・マンゴールド
出演者:ホアキン・フェニックス、 リーズ・ウィザースプーン、 ロバート・パトリック、 ジニファー・グッドウィン
収録時間:136分
レンタル開始日:2006-05-26

Story
ホアキン・フェニックス、リーズ・ウィザースプーン共演で贈るラブドラマ。ボブ・ディランをはじめ数多くのアーティストに多大な影響を与えた男、ジョニー・キャッシュと、彼の2番目の妻・ジューンの愛の軌跡を描く。 (詳細はこちら


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2016年05月27日

オーバー・ザ・ブルースカイ

2012年のベルギー、オランダ映画です。
監督は、フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン。
製作は、ディルク・インペンス。
原作戯曲は、ヨハン・ヘルデンベルグ、ミーカ・ドブルス。
脚本は、フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン、カール・ヨース。
撮影は、ルーベン・インペンス。
編集は、ニコ・ルーネン。
音楽は、ビョルン・エリクソン。
主演は、ヨハン・ヘルデンベルグ、フィーラ・バーテンス。





“ ブルーグラス ”

ブルーグラスはアメリカで生まれたアコーステックなアンサンブルを奏でる
ストリングバンド音楽のこと。基本的な楽器編成はバンジョー、マンドリン、ギター、
ベース、フィドル(バイオリン)、ドブロ(ハワイアン・スティール・ギターが発展した物)
の6種類。また、多くの楽曲にソロの歌とハーモニーが伴い、様式美−スタイルと
バンドメンバー各個性のインプロバイズ(アドリブ)と技量を楽しむ音楽でもある。
ブルーグラスのルーツはアメリカの開拓時代にさかのぼる。米国南東部、
アパラチア地方の山岳地帯(ヴァージニア州、ウエストヴァージニア州、ケンタッキー州、
テネシー州、ノースキャロライナ州、サウスキャロライナ州にまたがる地域)に移住した
アイルランド系やスコットランド系移民の音楽、アフリカから奴隷として連れてこられた
黒人達の音楽などが融合して新しい音楽が生まれる。現在、このアパラチアの
山岳地帯から誕生した音楽スタイルはオールドタイム(マウンテンミュージック)と呼ばれ、
ブルーグラスの原型として知られている。
1939年、ビル・モンローがBill Monroe & His Bluegrass Boysを結成。
1946年、オールドタイムの単なるストリングバンドの一つであったこのバンドに転機が訪れる。
ビル・モンロー(マンドリン)、レスター・フラット(ギター)、アール・スクラッグス
(バンジョー)、チャビー・ワイズ(フィドル)、ハワード・ワッツ(ベース)という
バンド編成により、これまでのどのストリングバンドのスタイルとも全く違った
新しいサウンドが生れる。この新しい音楽スタイルを作り上げたビル・モンローは
「ブルーグラスの父」と呼ばれるようになる。1946年以降、ブルーグラスの中にも
様々なスタイルが生まれ、色々なジャンルの音楽との融合をしながら現在に至っている。



「カウボーイさん、この(牛の骸骨)のタトゥーはどう?」

「鉱脈で一攫千金を狙う男たちが(アメリカの)アパラチア山脈に集まったんだ、
 だが岩盤が硬く掘り進めない、そこでスペイン人はギター、イタリア人はマンドリン、
 アフリカ人は故郷の楽器パンジョーを弾いた、飢えと苦しみをしのぐため、彼らは歌い始めた、
 “ 約束の地 ”への夢や死の恐怖についての歌だ、来世への希望をこめて、
 現実のつらさや悲しみを歌ったんだ 」

 夏までは順調だった、9月になって霜が降りたから、畑のトウモロコシは枯れ果ててしまった──♪
 ナマケモノの男は結婚しようかと考えた──♪
 “ トウモロコシは獲れたか ”と聞かれ──♪
 “ 何度もがんばったが結局ダメだった、1粒も収穫できない ”──♪
 男は隣の家を訪ねた、よく遊びに行く家だった──♪
 “ お嬢さん、僕と結婚しないかい ”、“ いいだろ ”──♪
 “ よくも結婚なんて言えるわね ”“ トウモロコシも育てられないのに ”
 “ わたしはずっと独身を貫くつもりよ ”“ ナマケモノの男は要らないわ ”──♪
 彼は背を向けて帰って行った──♪
 “ お嬢さんきっと後悔するぜ ”──♪、“ 心の底から後悔するはずだ ”──♪
 “ ナマケモノのオレに冷たくしたことを ”──♪
 キスをするエリーゼとディディエ。
 
性格も好みも違う二人。エリーゼは、篤い信仰心を持った情緒的な女性。タトゥー・
デザイナーで、スタジオを開いている。体中に自身の歴史を語るタトゥーを彫り込んでいた。
ディディエは、カウボーイに憧れるアナーキスト。ブルーグラス・バンドでバンジョーを弾き、
ベルギー国内をキャラバンでまわっている。彼にとって、「自由の国=アメリカ」は理想の国だった。
突然恋に落ちた二人。まもなくエリーゼは天性の歌声を開花させ、ディディエのバンドで
歌うようになる。音楽は、二人の愛を紡ぎ、絆を固くしていった。プロポーズ、結婚、
そして子供の誕生。それは、型破りな二人にとって完璧な幸せだった。
しかしやがて愛娘が重い病気にかかり、二人の愛が試されることになる──。



“ アメリカ ”ではなく、ベルギー、オランダの映画。
ディディエは、カウボーイハットをかぶり、家では馬を飼い、SEXをするときは
ブーツをはいたままというほどの“ カウボーイ ”。
映画は、エリーゼとディディエの幸福な愛と“ ブルーグラス ”とカントリーな日常で綴られます。
が、その幸福のすべてが愛娘の重い病気から二人の愛と“ 信仰 ”が試される物語。




いい映画です。







監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
出演者:ヨハン・ヘルデンベルグ、 ヴェルル・バーテンス、 ネル・カトリッセ
収録時間:111分
レンタル開始日:2015-03-06

Story
性格も好みも違う男女の生き様をブルーグラスミュージックに乗せて綴るドラマ。突然恋に落ちたカウボーイに憧れるミュージシャンの男とタトゥーデザイナーの女。やがて家族となったふたりは人生の喜びを分かち合うが、ある悲しみに見舞われる。 (詳細はこちら


stainbeck at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)オランダ映画 | ベルギー映画

2016年05月25日

ワン・デイ 23年のラブストーリー

2011年のアメリカ、ハリウッド映画です。
監督は、「幸せになるためのイタリア語講座」「17歳の肖像」のロネ・シェルフィグ。
原作は、デヴィッド・ニコルズ「ワン・デイ」
脚本は、デヴィッド・ニコルズ。
撮影は、ブノワ・ドゥローム。
衣装は、オディール・ディックス=ミロー。
編集は、バーニー・ピリング。
音楽は、レイチェル・ポートマン、カレン・エリオット、エルヴィス・コステロ。
主演は、アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス。





二人の出会いは1988年7月15日、エディンバラ大学の卒業式だった。
真面目なエマ(アン・ハサウェイ)と自由奔放なデクスター(ジム・スタージェス)は、
その日初めて言葉を交わした。意気投合した二人はお互い惹かれ合いながらも、
そのまま親友として付き合うことになる。7月15日は「聖スウィジンの日」で、「マザー・グース」に
「聖スウィジンの日が雨ならば40日間雨つづき 聖スウィジンの日が晴れならば40日間雨はなし」

エマは恋心を隠しつつ、デクスターとの友人関係を続けていく。

「・・・。快適な住まいね」
「このにおいは?」
「タマネギと失望のにおいよ」
「はは・・」
「でもそう悪くないわ、タイプライターも本もあるし、なにかできるかも」

1989年には、エマはロンドンで暮らし始めていた。

「部屋はまだ汚れたままなの、ネズミは出るし、ブラジャーは流しにつけたまま」
「悲惨でもないさ」
「めげそうよ、成功どころか無名だわ」
「聞けよ、成功の道は険しい」
「格言?」
「君が言った言葉だ」
「ひどい格言ね、グチッてごめん、フランスはどう?」
「楽しんでる」

1990年、デクスターはマスコミ業界の仕事を謳歌していた。
マスコミ業界の裏方から深夜のバラエティ番組の司会者になっていた。

「奴がまた来た、別の女と」
「え?」

「キスだけだ」
「お客もうんざりしてた、彼女はどう思っているの?」
「僕は複雑だとさ」
「自己中心的なだけよ──店をやめない条件で店長をやらないかって」
「テキーラの瓶を持って店を去るべきだね」
「仕事は大事よ」
「退屈な仕事のために人生を投げ出すのか?」
「もうわたしの髪はチーズのにおいが染みついてるわ」
「詩は書いてる?」
「お金にはならないわ、落ち込みそう」
「あきらめるな、君はおもしろいし、魅力的で頭もいい」

1992年、二人はイタリア旅行に出かけるが、デクスターがカルバンクラインのパンツを盗まれてしまう。

1994年、病気の母親を抱える家族とのトラブルに頭を悩ましたデクスターはエマに電話をするが、
その時エマは男と「死霊のはらわた3」を観てレストランでデートしていた。

1996年、久しぶりに会ったものの、思いがすれ違っていく。

「教師生活はどう?」
「興味ないなら聞かないで」
「興味あるさ、小説はどうなった?」
「今は教職で稼がないと、わたしはいい教師よ」
「当然だ、──格言がある」
「どんな?」
「できる者は・・・」
「知らない格言ね、最後まで言って」
「できる者は成功する、そうでない者は教師になる」
「ふざけないで!」

「エマ、悪かった!、君も飲みすぎだ!」
「酔っ払い!、この3年間いつも酔っ払ってるじゃないの!、
 コカインか下痢か10分おきにトイレに!、番組だって“ 騒ごうぜ! ”って絶叫するだけ!」
「楽しけりゃいい!、悩みを隠してはしゃぐのを責めるのか!?」
「責めてないわ、お母様を亡くしたつらさはわかるわ、・・・でも」
「わたしだってあなたに悩みを聞いてほしいの、愛してない男とどう暮らしてるとか、
 ──わたしたちってなんなの!?」

1997年、デクスターは番組が時代に取り残され解雇になり、恋人の家族ともうまくいかない。
エマはデクスターへの愛を綴った詩を同居の恋人に読まれ、嫉妬される。

2000年、友人の結婚式で再会するが、デクスターは「結婚する」とエマに伝える。
教師だったエマは詩人として有名になり、ジャズミュージシャンと付き合っているというが、
デクスターを追いかける。そして転機となる2004年を二人は迎える。
それから数年、2009年も、2011年も同じ7月15日がやってくる──。


最初のすれ違いから、それぞれの人生を歩んでいく23年の物語。




おもしろい映画です。







監督:ロネ・シェルフィグ
出演者:アン・ハサウェイ、 ジム・スタージェス、 パトリシア・クラークソン、 ケン・ストット
収録時間:107分
レンタル開始日:2012-11-16

Story
『幸せになるためのイタリア語講座』のロネ・シェルフィグ監督が、アン・ハサウェイとジム・スタージェス主演で描くラブロマンス。エマとデクスターは、出会った日に惹かれ合ったが親友でいることを選択する。それから幾年も“7月15日”が訪れ…。 (詳細はこちら


stainbeck at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)アメリカ ハリウッド映画 | 2000年〜

2016年05月23日

あと1センチの恋

2014年のドイツ、イギリスの映画です。
監督は、クリスティアン・ディッター。
原作は、セシリア・アハーン「愛は虹の向こうに」
脚本は、ジュリエット・トウィディ。
撮影は、クリスティアン・ライン。
衣装は、レオニー・プレンダガスト。
編集は、トニー・クランストゥーン。
音楽は、ラルフ・ヴェンゲンマイアー。
出演は、「白雪姫と鏡の女王」のリリー・コリンズ、「スノーホワイト」のサム・クラフリン、
クリスチャン・クック、タムシン・エガートン、スーキー・ウォーターハウス。





アレックスの夢

「昨日見た夢はさ、なんかへんてこなんだよね」
「アレックスの夢はなんか変わってる」
「ボートが出てきてさ、中にオールが積まれてた、名前はタマタマ、
 タマタマっておかしくない?、きんたまみたいで、ぼくはそのオールだった」
「・・・ダメだ、これは秘密にしておこう」


ロージー18歳の誕生日、飲みすぎて記憶なしの翌日

「アレックス来たよー!」
「ほんっとにすみません、すべてぼくの責任です、ぼくが悪いんです」
「まったく、ロージーは自分からあんなに飲む子じゃないの、
 あなたも未来のお医者さんなら悪いこと教えないで」
「もー、みんな大声やめて」

「あ、やだ、死ぬほど恥ずかしいよ」
「そう気にすることないさ」
「最悪だ、大失敗しちゃった、あー!」
「これも経験ってことで」
「はぁ?、最低じゃん、まさに黒歴史、誰にも話しちゃダメだからね」
「わかった」
「ロージーがゲロッた!」「ロージーがゲロッた!」  「うるさい!、出てけ!」
「病院からどうやって帰ったの?」
「うちの母さんを呼んだ、君の母さんにばれたらやばいと思ってさ、
 結局、君のお母さんには悪影響を与えるなと怒られたけど」
「たしかに与えてる」
「罰として、明日からぼくは毎日図書館で2時から2時間の勉強」
「それは地獄だね」
「それがそうでもない、ベサニーがウエイトレスであそこでバイトしているんだよ」
「あんた甘いよ」
「どこが?」
「あのベサニーでしょ?、無理無理一番人気の子じゃん」
「はあ?、言っとくけど最近よく目が合うんだよ」
「そのおでこのにきびが気になっているだけじゃない」


浜辺でのキャンプ

「グレッグは女にだらしないな」
「でも彼かっこいいよ、さっきダンスに誘われた」
「で、なんて答えたの?」
「断ったわよ、アレックスと行くんじゃん」

「女ってめんどくさい生き物」
「うーん、もっとこんなもんじゃないよ」
「ベサニーはダンスに誘ってほしいっぽい」
「ほんと?」
「たぶん、これってすごくない?」
「誘えば?、そんなにそうしたいなら」
「ロージーをひとりにできない」
「わたしはグレッグに誘われたんだよ大丈夫」
「ぼくがベサニーと行った方がむしろロージーにとっても好都合ってことか」
「まあね」
「そうか、じゃ彼女を誘ってみよう」


学校

チャット:ねえ、目障りなんだけど
                   「まったく」
                   チャット:実は報告がある
チャット:わたしも、ここで試験に集中しないと人生ヤバイ
                   チャット:童貞を卒業した
                   チャット:聞いてる?
チャット:相手の子は?
                   チャット:ベサニー
「しね!!」
「おい、誰だ?、ロージーか?、今すぐ校長室へ来なさい」
「悪いのはぼくなんです先生、ぼくが彼女の邪魔をしました」
「ああ、そうらしいな、卒業おめでとう」


ダンス・パーティの会場

「ロージー?」
「アレックス今どこ!」
「出るとこだけど」
「待って!、助けに来て!、ヤバイ事故だよ」
「事故?、おい無事か!」
「違うよ、そういうんじゃないのケガはないから」
「なんだよ脅かすな!」
「だけど事故は事故なの、さっきまでグレッグといたんだけど」
「なに?、やったってこと!?」
「いいから!、とにかくなくなっちゃったものがあるから至急見つけなきゃいけない、
 だけど見つからない!、どうしたらいい!?」
「な、言っている意味がわからない、後で話すでいい?」
「アレックス助けて!」
「ロージー、もっとはっきり、具体的に説明してくれよ」
「わかった!、コンドームがわたしの局部に入ったまま行方不明になっちゃったの!」
「・・・必要以上によーくわかった」


ロージーの家の前

「あー、やだ、あんな恥ずかしいこと人生でそうそうないよ」
「はは」
「まったく」
「・・なあロージー、ここを出ないか?」
「いいよ、どの店行く?」
「いや、ぼくボストンに行こうと思っているんだ」
「この国を離れるってこと?」
「ああ、そうだよ、この街じゃ先が知れてるって2人でずっと言ってただろ?」
「それ本気で言ってる?」
「有数の医学部もあるし、それに君だってホテル経営が学べるぞ、ホテル経営が夢だったろ?」


英国の小さな田舎町に暮らすロージーとアレックスは幼なじみの親友。
青春時代をずっと一緒に過ごしてきた2人は、
どんなに恥ずかしいことでも遠慮なく言い合える関係。
そんな2人の夢は、アメリカの大学に一緒に進学すること。
そして2人とも見事合格し、夢に大きく前進した矢先、
ロージーは同級生のグレッグとの一度のセックスで妊娠してしまう。


ロージーの自宅

チャット:アレックス今会えない?
                   チャット:ちょうどこれからベサニーの両親と食事なんだ
                   チャット:外でディナーさ、すっげー優雅だろ
チャット:ベサニーもあんたもなにもかもクソ食らえ!
<Enter>を押す前に<Back Space>
チャット:楽しんで


進学を諦め、地元に残って子育てをする決断をしたロージーと、
ひとりボストンへと旅立つアレックス。
再会を誓い合い、離ればなれになっても連絡だけは取り合う2人だった──。


「言ったらあの人絶対こっちに残る、巻き込みたくなかったの、だから言わなかった」
「逃げられたんじゃん、卑怯な男」
「違う、彼は父親じゃない、父親はもっとばか」
「あんたって見かけによらず経験豊富なんだ──堕ろせば?」
「親がカトリックなの、わたし的にもそれはできない、
 あー、計画が台無し、
 ボストン行って、勉強して、就職して、27で帰国してホテルをオープンする予定だった、
 そして結婚し、出産」
「うわ、綿密かつ理想的だ」
「それが今じゃ、ただの妊婦だよ、キャリアなんて望めないし、
 生活保護を受けて、太って、ハゲて終わり」
「だね、いっそ命でも絶つ?、薬なら出したげるよ
 ──ね、子供ほしいのに恵まれない人多いじゃん、いっそ養子に出せば?」
「そうか!、その手があるよね、大学も就職もあきらめずにすむんだ!、
 計画が何ヶ月かずれ込むだけ、アレックスには妊娠の子と黙っておけばいいし!」
「ちょっと、いきなりそれ強気すぎるんじゃない?」
「まあね、でも未来に希望が出てきた」


そして、ロージーは出産の日を迎える。
そしてその頃、アレックスは、サリーというアメリカ女性と出会っていた──。



幼なじみの12年間、ずっと近くにいたのに、気づいていたのに、伝えられずにいた想い。
2人は何度も何度もすれ違いながらも、運命の糸を手繰り寄せていく。
そして映画の最後は、「誰かがあなたを愛してる」。気分よく物語は完結します。




おもしろい映画です。







監督:クリスチャン・ディッター
出演者:リリー・コリンズ、 サム・クラフリン、 クリスチャン・クック、 タムシン・エガートン、 スキ・ウォーターハウス
収録時間:103分
レンタル開始日:2015-07-03

Story
幼馴染みの男女の12年間にわたるすれ違いの恋を描いたラブストーリー。ロージーとアレックスは6歳からの幼馴染み。アレックスの大学進学で別々の人生を歩むことになったふたりは、近付いては離れてを繰り返し…。主演はリリー・コリンズ。 (詳細はこちら


stainbeck at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ドイツ映画 | イギリス映画

2016年05月21日

6才のボクが、大人になるまで。

2014年のアメリカ、ハリウッド映画です。
監督、製作、脚本は、リチャード・リンクレイター。
撮影は、リー・ダニエル、シェーン・ケリー。
主演は、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター。
共演は、パトリシア・アークエット、イーサン・ホーク。





僕はメイソン(エラー・コルトレーン)。
ママのオリヴィア(パトリシア・アークエット)と姉さんのサマンサ
(ローレライ・リンクレイター)と一緒にテキサス州で暮らしている。
ママがおばあちゃんのいるヒューストンへ引っ越すと言い出したのは、僕が6才のときだった。
もっといい仕事に就くために大学へ行くと決めたからだ。
友達と別れたくないサマンサは引っ越しに大反対。僕も、ママと離婚して
アラスカに行ったパパが僕たちの居場所を探せなくなるのではないかと心配だった。
でも1年半ぶりにアラスカから戻って来たパパ(イーサン・ホーク)は、
ちゃんとヒューストンにやって来て、僕とサマンサをボーリングに連れて行ってくれた。
おかげで僕たちは宿題もせずに楽しい時間を過ごしたけれど、ママはそれが気に入らなかった。
2人が家の外で言い争う姿を僕たちは窓から見ていた。


大学へ通うママに新しい恋人ができた。ママのクラスの先生ビル・ウェルブロックだ。
2人はまもなく結婚し、ヨーロッパへ新婚旅行に行った。
ビルにはミンディとランディという子どもたちがいた。
その2人と僕らはとても気が合って楽しかったけど大家族の幸せは長く続かなかった。
口うるさいビルは子どもたちに家の雑用を命令。それを僕たちがやりきれないと怒鳴りまくった。
実のパパと過ごす2週間に一度の週末は、ビルの支配から解放される時間だったけど、
パパにビルのことを話す気にはなれなくて少しナーバス。
それでも僕たちを楽しませようとするパパは、博物館や野球に連れて行ってくれた。
そして夜はパパがミュージシャン仲間のジミーと暮らす狭い家に泊まった。


酒癖の悪いビルの行動は乱暴になって、僕は有無を言わさず頭を五分刈りにされた。
ママに止めてほしかったけれど、タイミングが悪かった。
「何で再婚したの? あいつサイテー」と言う僕に、
ママはこう答えた。「完璧な人はいない」って。
だけどビルはついに暴力をふるい始めた。意を決したママは隠れ家をみつけ、
サマンサと僕を連れて逃げた。僕らは自由になったけれど、
着の身着のままで新しい学校に通うことに。泣きながら不満を訴えるサマンサにママは言った。
「酔っぱらいの暴力よりずっとマシなはずよ! 少しは感謝して!」。


バラク・オバマが黒人初の大統領候補になったとき、サマンサと僕はパパに誘われて
キャンペーンの手伝いをした。パパはミュージシャンの道をあきらめて保険計理士の資格を取って
保険会社に勤めている。ママは修士号を取り、教師として就職できる大学を探していた。
パパと僕らの会話の内容も前とは違ってきた。
15才になったサマンサにパパは避妊について突っ込んだ質問を浴びせた。かたや僕は、
パパとキャンプに出かけたときに女の子について相談した。女の子と1対1になったとき、
いったい何を話したらいいの?、するとパパは言った。
「彼女を質問攻めにしてその答えを熱心に聞いてやるんだ。そうすりゃライバルを引き離せる」。



6才の子供が、高校を卒業するまでの12年間を描く物語。
リチャード・リンクレイターは、「恋人までの距離(ディスタンス)」で出会いの瞬間を描き、
同一の俳優で、9年後に9歳年を経過した二人が再会する
「ビフォア・サンセット」もまた、再会の瞬間の輝きを見事に描いてありました。

しかし、同一の俳優が12年の歳月をかけて6歳から18歳までを演じる
「6才のボクが、大人になるまで。」は、その時間時間を映し出してはありますが、
“ 輝き ”が、子供の時代にはあるにもかかわらず、少年の時代には映し出されてありません。
やはり、少年の、性・思春期・初恋というものは、あまりにも衝動で未完であり、
人により異なるため、逆に「少年と自転車」のようなフィクションの方がより魅せれるのでしょう。


マーク・トゥエインの「トム・ソーヤの冒険」の最終ページ。
“ この後もトム・ソーヤの冒険はまだまだ続くのだが、
  物語はここでいったん終わりにしよう
  大人の物語は結婚すれば終わりだが、子供の物語は永遠に終わらないのだ ”

「6才のボクが、大人になるまで。」も、6歳から13歳くらいまでを描き、
子供の物語で完結させてあれば、歴史的な名作にもなりうる可能性もあった映画です。




いい映画です。







‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

6才のボクが、大人になるまで。 (2014)

監督 リチャード・リンクレイター
製作 リチャード・リンクレイター、キャスリーン・サザーランド、ジョナサン・セリング、
   ジョン・スロス
脚本 リチャード・リンクレイター
撮影 リー・ダニエル、シェーン・ケリー
衣装 カリ・パーキンス
編集 サンドラ・エイデアー
音楽 ランドール・ポスター、メーガン・カリアー

出演 パトリシア・アークエット
   エラー・コルトレーン
   ローレライ・リンクレイター
   イーサン・ホーク
   マルコ・ペレラ
   スティーヴン・チェスター・プリンス

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

物語

テキサス州に住む6歳の少年メイソン(エラー・コルトレーン)は、
キャリアアップのために大学で学ぶという母(パトリシア・アークエット)に従い、
姉サマンサ(ローレライ・リンクレイター)と共にヒューストンに転居。
そこで多感な思春期を過ごす。アラスカから戻って来た父(イーサン・ホーク)との再会、
母の再婚、義父の暴力、そして初恋──。周囲の環境の変化にも時には過ぎ行き、
時には柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を卒業していくのだった。

やがて母は大学で教鞭をとるようになり、オースティン近郊に移った家族には
母の新しい恋人が加わっていた。ミュージシャンの夢をあきらめた父は保険会社に就職し、
再婚してもうひとり子供を持った。12年の時が様々な変化を生み出す中、
ビールの味もキスの味も、そして失恋の苦い味も覚えたメイソンはアート写真家という
夢に向かって母親から巣立っていく──。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

監督:リチャード・リンクレイター
出演者:エラー・コルトレーン、 パトリシア・アークエット、 イーサン・ホーク、 ローレライ・リンクレイター、 マルコ・ペレラ
収録時間:165分
レンタル開始日:2015-08-05

Story
6歳の少年とその家族の物語を、同じ4人の俳優が12年間にわたって演じたドラマ。母と姉と共にヒューストンに引っ越して来た6歳の少年・メイソン。父との再会、母の再婚、義父の暴力、初恋などを経験し、やがて夢を見つけた彼は母の下から旅立つ。 (詳細はこちら


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2016年05月19日

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

2014年のイギリス、アメリカ映画です。
監督は、モルテン・ティルドゥム。
原作は、アンドリュー・ホッジェズ。
脚本は、グレアム・ムーア。
撮影は、オスカル・ファウラ。
衣装は、サミー・シェルドン・ディファー。
編集は、ウィリアム・ゴールデンバーグ。
音楽は、アレクサンドル・デスプラ。
主演は、ベネディクト・カンバーバッチ。
共演は、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、ロリー・キニア、
アレン・リーチ、マシュー・ビアード、チャールズ・ダンス。





1939年、英国がヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が始まる。
ケンブリッジ大学特別研究員で、27歳の天才数学者アラン・チューリング
(ベネディクト・カンバーバッチ)は、英国政府ためにドイツ軍の誇る
難攻不落の暗号エニグマ解読に挑むことになる。英国海軍のデニストン中佐
(チャールズ・ダンス)は6人の精鋭を解読チームとしてブレッチリー・パークに集めるが、
チューリングは一人で仕事をしたいと訴える。MI6のスチュアート・ミンギス
(マーク・ストロング)はチーム一丸となることを求めるが、チューリングにとって
暗号解読は自分の能力を試すゲームに過ぎなかった。リーダーのヒュー・アレグザンダー
(マシュー・グード)のもと奇襲作戦やUボート情報の暗号文を分析するチームを尻目に、
チューリングは一人でマシンを作り始める。製作費を却下されると、
チャーチル首相に手紙で直訴し、首相から責任者に任命される。
そして、二人の同僚を「無能だ」とクビにしてしまう。子供の頃から孤立し、
唯一の親友とも悲しい別れをしたチューリングには、他人との交流など不要だった。

「二人ともおめでとう、ようこそ英国情報局へ、
 これから見せるものについて一言でも漏らしたら反逆罪で死刑だ」
「・・・。」 「・・・。」
「家族や友人、誰に対しても秘密だ、嘘をついてもらうことになる」
「あの?、いったいなにをするんですの?」
「解読不能のナチスの暗号機を解読して戦争に勝つ」


1940年、解読は一向に進まず、メンバーの苛立ちはチューリングに向けられる。
そんな中、試験でチューリングより早くクロスワードパズルを解いて
チームに加わったジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)が、
チューリングの心を少しずつ開いていく。

「あなたのチーム?」
「ああ」
「挨拶すべき?」
「いいや」
「こんにちは!」
「挨拶しなくていいって言ったろ」

「アラン」
「ああ、ヒュー」
「君も飲むとはね」
「飲んでません、泡をなめているだけ」
「いいこと教えよう、ミス・・」
「クラーク」
「ミス・クラーク」
「よろしく」
「実はぼくも泡が好きだ」
「ほんとに?」
「一緒に飲まないか?」
「ええ、後でぜひ」
「楽しみだ」

「好かれたな」
「そうね」
「君は・・、ヒューに好かれるように仕向けた」
「そうよ」
「なんで?」
「女が男と同じ仕事をする時、嫌われたら終わりだから、
 アラン、あなたがどんなに優秀でも、エニグマはその上を行っている、
 本気でパズルを解きたいのならみんなの協力が必要よ」


「クリストファー」と名付けられたチューリングの装置は完成するものの、
ドイツ軍が毎日暗号を変えるためエニグマの解読に至らない。デニストン中佐は装置の破棄と
チューリングの解雇を命じるが、チューリングの同僚たちがこれを助けてくれた。
中佐から1カ月の猶予を引き出すことに成功した。

「あの人は誰?」
「ヒューよ、かなり悪い男よ」
「好みよ」
「じゃ、紹介しようか?」
「いいの、彼から来るわ」
「ほんとに?」
「ええ、15分前に彼ににっこり微笑みかけてそこからは無視してるから」
「ふふ」

「ジョーンといるこは?」
「ヘレン、ジョーンの同僚だ」
「すごく綺麗な人だね」
「俺が行くのを待ってる」
「なんでわかるんだ?」
「さっき一度微笑んでその後無視してる」

「しとめたわ」
「ほんと?」

「よし、しとめた、アラン紹介してくれ」
「ええ?、どうしてぼくが?」
「女ってのは友達が婚約するとよりハンサムな男とあぶないことをしたくなるのさ」

「アランには持論がある」
「そうね、たくさん」
「たとえば男女別に働くのはいいことだと考えている、近くにいたら必ず恋愛に発展するから」
「いや、そんなこと言っていな・・」
「でもぼくの見方は違う」
「そうなの?」
「ああ、一日中一緒に働けば、女性の知性や能力を鑑賞できるからね、ベッドに誘わなくても、
 ──前に会った?」
「今夜が初めてだと思うけど」
「ヘレン、こちらヒュー・アレグザンダーよ」

「俺とアラン、どっちが正しい?」
「もちろんアランよ」
「ありがとう、でもぼくはそんなこ・・」
「まさか」
「わたしは毎日ある男性と接しているんだけど彼のこと好きになっちゃったんだもの」
「誰だ、そいつは?、蹴り入れてやる」
「大丈夫よプラトニックだから、会ったことないの、ドイツ人よ」
「じゃ、殺してやる」
「ふふ」
「ドイツ人と接しているってどういうことかな?」
「わたしたちは各自決まった無線塔からの通信を傍受してる、つまりいつも同じ相手を傍受してる訳、
 信号の打ち方には癖があって自分の相手を覚えちゃう、
 特別な人、彼をすごく良く知ってるって感じ、向こうには恋人がいるけどね、
 だからあなたの考えには反対、毎日傍受していて好きになったもの、会ったことなくても」
「一杯おごるよ、飲みながら君に反論だ」
「いいわよ」
「ふふ」

「ヘレン!!」
「なあに?」
「そのドイツ人に恋人がいるって思った理由はなんだったの?」
「ジョークだから気にしないで」
「教えてくれ、頼む」
「通信がいつも同じ、5文字“ CILLY ”で始まるの、だからきっと恋人の名前だろうと思って」
「ありえない、ドイツ軍は毎回違う5文字で送るよう指示されているはずだ」
「でも彼は違う」
「人は愛故に変なことをするものさ」
「今回はドイツ軍は愛故に戦争に負けたぞ!」

「なにするの!?」
「いいか、もしもクリストファーが全設定を検索しないで済んだら?、
 通信文の中で確実に含まれる言葉だけ調べればいいとしたら??」
「繰り返される予測可能な言葉」
「そういうことだ」
「あった、これはどう?
 午前6時、本日の天気は晴れ、夜は雨、ハイル、ヒトラー」
「それだ、6時の通信文には必ず3つの言葉が含まれる、まずは“ 天気 ”、
 “ ハイル ”と“ ヒトラー ”だ」


チューリングたちは、エニグマを解読した。
しかし、この事実をドイツ軍に知られると、ドイツ軍は暗号を変えるかもしれない。
そのため、イギリス軍は、エニグマで解析した軍事上重要作戦のみを攻撃し、
その作戦の情報獲得には、それらしい嘘の理由を取り付け、
その嘘の理由をドイツ軍にわざと漏らした。
──それは、ジェームズ・ボンドも在籍したらしい英国情報局が担当した。

そして、情報戦を逆転させた連合国軍は、ミッドウェー海戦、ノルマンディー上陸作戦に挑む。
そのさなか、ひとつの懸念が誰の脳裏にも浮かんだ、
“ クリストファー ”は、エニグマを超える脅威ではないかと。
また、チューリングは誰にも言わなかったが、
“ クリストファー ”は、死に別れたチューリングの唯一の親友の名前だった。




おもしろい映画です。







監督:モルテン・ティルドゥム
出演者:ベネディクト・カンバーバッチ、 キーラ・ナイトレイ、 マシュー・グード、 マーク・ストロング
収録時間:115分
レンタル開始日:2015-10-02

Story
ベネディクト・カンバーバッチ主演、時代に翻弄された天才数学者、アラン・チューリングの数奇な人生を描いたサスペンス。ドイツ軍の暗号“エニグマ”の解読任務に就いたチューリング。仲間と共に見事解読を果たすが、彼の運命は思わぬ方向へと向かう。 (詳細はこちら


stainbeck at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)アメリカ ハリウッド映画 | イギリス映画

2016年05月17日

U−571

2000年のアメリカ、ハリウッド映画です。
監督、原作、脚本は、ジョナサン・モストウ。
主演は、マシュー・マコノヒー。
共演は、ビル・パクストン、ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ボン・ジョヴィ。





「U−571」は、イギリス軍によるエニグマ奪取作戦を基に、
才覚あふれるジョナサン・モストウが物語を作り上げた、娯楽作品としての戦争映画です。
映画公開時、この作品があまりにも評価された為、イギリスからは、
「事実として、この作戦を成功させたのは、アメリカ軍ではなくイギリス軍である」
と、嫉妬からの訴えがあったほどの素晴らしい作品です。


1942年、第二次世界大戦下のヨーロッパ戦線。
アメリカ海軍は戦況打破のため、ナチス・ドイツ所持する暗号解読機エニグマを
奪取すべく、北大西洋上でのドイツ海軍、Uボート、U-571への潜入作戦を敢行します。
タイラー大尉(マシュー・マコノヒー)は歴戦の強者であるクロフ軍曹
(ハーヴェイ・カイテル)、エメット大尉(ジョン・ボン・ジョヴィ)ら乗組員と共に、
上司ダルグレン大佐(ビル・パクストン)に従い、巡洋潜水艦S-33で同盟軍を装いU-571に接近。
嵐の中、同行者の海兵隊少佐クーナン(デイヴィッド・キース)の指揮の元、U-571に潜入し、
見事エニグマを奪いますが、ここで事態は急変します。

帰還しようとしたタイラー大尉たちの目の前で、S-33が別のドイツ軍潜水艦に撃沈され、
タイラー大尉たちは、U-571に閉じ込められたことにより九死に一生を得ます。
が、これでタイラーたちは、敵からも味方からも攻撃される運命に陥ります。


娯楽映画のカタルシスの極みとも称するべき「U−571」
歴戦の海軍兵士たちがそのまま、“ ドイツ語で書かれた”ドイツ潜水艦を操縦することになります。
物語は、主人公たちが敵から逃げる展開となりますが、
その間にも、“ ドイツ語で書かれた”潜水艦内の計器を読み取らなければならず、
「油圧ポンプ」を読み取れなければいけない場面も、どれが油圧ポンプなのか、
“ 知識不足、能力不足 ”ではなく、言語の相違の為、おそらくこれであろうものが判断できません。

これは映画を観る人誰もが実生活でも経験できるカタルシス。
偶然にも憧れの高級車を運転する機会が与えられるも、左ハンドルのため少しとまどってしまう。
店員さんに勧められた服が、着てみると思いのほか気に入ってしまったが、色が好きな色ではない。


捕虜としてのドイツ兵に、操縦機器を訊きながら、潜水艦を操縦する主人公たち。
やがて、駆逐艦から機雷が投石され、危機が訪れ、それから逃れる為に深く潜行します。
が、深く潜行すると、このU-571が、どこまで深く潜れるかが判断がつかない。
作戦を指揮するタイラー大尉は、偶然生き延びた海軍兵士たちの最高役職ではあるが、
本来のこの作戦の指揮者ではない。そのため、タイラー大尉の判断や指揮に対し、
部下の兵士たちは、嫌味ではなく誠実さから反抗します。



そして映画は、娯楽映画最大のカタルシス。
「大爆発でポーン、煙も出る」よくある展開ですが、物語は最高に気分良く完結します。




いい映画です。おもしろい映画です。







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U−571 (2000)

監督 ジョナサン・モストウ
製作 ディノ・デ・ラウレンティス、マーサ・デ・ラウレンティス
製作総指揮
   ハル・リーバーマン
原案 ジョナサン・モストウ
脚本 ジョナサン・モストウ、サム・モンゴメリー、デヴィッド・エアー
撮影 オリヴァー・ウッド
美術 マリア=テレサ・バルバッソ、マルコ・トレンティーニ、ロバート・ウッドラフ
衣装 エイプリル・フェリー
編集 ウェイン・ワーマン
音楽 リチャード・マーヴィン

出演 マシュー・マコノヒー
   ビル・パクストン
   ハーヴェイ・カイテル
   ジョン・ボン・ジョヴィ
   デヴィッド・キース
   トーマス・クレッチマン
   ジェイク・ウェバー
   ジャック・ノーズワージー
   エリク・パラディーノ
   トム・グイリー
   デイヴ・パワー
   マシュー・セトル

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物語

1942年4月、第二次世界大戦下のヨーロッパ戦線。
アメリカ海軍は戦況打破のため、ナチスドイツが誇る暗号解読機エニグマを奪取すべく、
北大西洋上で故障して停泊中の停泊中の独海軍が誇るUボート、U―571への潜入作戦を敢行。
タイラー大尉(マシュー・マコナヘイ)は歴戦の強者であるクロフ軍曹(ハーヴェイ・カイテル)、
エメット大尉(ジョン・ボン・ジョヴィ)ら乗組員と共に、上司ダルグレン大佐
(ビル・パクストン)に従い、巡洋潜水艦S―33で友軍を装いU―571に接近する。

嵐の中、同行者の海兵隊少佐クーナン(デイヴィッド・キース)の指揮の元、
首尾よくU―571に潜入し、エニグマを奪った一同だったが、ここで事態は急変。
S―33が別のドイツ軍潜水艦に撃沈されたのだ。U―571に閉じ込められたことで
九死に一生を得たタイラーたちだったが、これで敵からも味方からも攻撃される運命に。

タイラーはクロフ・エメットら生き残ったものの助けを受け、苦闘しながらも指揮をとり、
敵地脱出を図る。彼らの正体を察知したドイツ軍巡洋艦から凄まじい爆雷攻撃を受けるU―571。
生死の境の緊迫感の中、タイラーは通常よりも深く静かに潜行し、
一計を案じて一本だけ残った魚雷で攻撃を仕掛けた。
かくして、タイラーの見事な指揮の元、彼らは見事敵地を脱出するのだった。

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収録時間:116分
レンタル開始日:2001-02-02

Story
1942年4月、ドイツの潜水艦Uボートは北大西洋上で連合軍の輸送船1000隻以上を撃沈。連合軍はUボートの新暗号システム「エニグマ」を解読できずに、不利な戦いを強いられていた・・・。48時間の休暇を楽しんでいた巡洋潜水艦S−33の乗組員たちは突然、緊急召集される。戦局を左右する重要な指令が下ったのだ。その指令とは大西洋上で故障し停泊しているUボートのU−571を奇襲し、「エニグマ」を奪うというものだった。(詳細こちら


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2016年05月15日

U・ボート

1981年の西ドイツ映画です。
監督は、ウォルフガング・ペーターゼン。


U・ボート













“ 雰囲気で魅了する戦争映画 ”

“ ハリウッド映画を完璧なまでに凌駕した作品のひとつ ”


第二次世界大戦下の1941年秋、ドイツの占領下にあった
フランスの大西洋岸にあるラ・ロシェル港から、1隻のUボートU96号が出航する。
彼らに与えられた任務は、大西洋を航行する連合軍の輸送船の撃沈であった。

血気盛んながら実戦経験不足の若者たちと、報道班員として同乗したヴェルナー少尉。
そんな彼らをため息混じりに見つめるのは、最年長ながらまだ30歳の艦長。
意気揚揚と出撃するUボートだが連合軍はエニグマの奪還など対潜水艦戦術を向上させつつあった。

荒れ狂う北大西洋での孤独な哨戒航行。遠くから微かに聞こえる味方の無線。
血湧き肉踊る敵船団攻撃。そして深海で息を潜めながら聞く敵駆逐艦のソナー音と爆雷の恐怖──。

ようやく哨戒攻撃任務を終え、帰還できると一息ついた彼らに届いたのは、
スペインのビゴにて民間商人に扮した独軍から密かに補給を受け、
敵国イギリス軍の地中海要衝であるジブラルタル海峡を突破し、
イタリアに向え、という非情な命令であった。
艦長、ヴェルナー少尉、そして乗組員達の前には過酷な運命が待ち受けていた──。


初めて潜水艦映画というものを呈し、現代に至っても最高傑作であり続ける西ドイツ映画「U・ボート 」。
戦争の悲劇もあるが、密室の人間関係と“ 死 ”と隣り合わせの恐怖を描き出した名作映画。




素晴らしい映画です。







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U・ボート (1981)

監督 ウォルフガング・ペーターゼン
製作 ギュンター・ロールバッハ
製作総指揮
   ルッツ・ヘンクスト
原作 ロータル=ギュンター・ブーフハイム
脚本 ウォルフガング・ペーターゼン
撮影 ヨスト・ヴァカーノ
音楽 クラウス・ドルディンガー

出演 ユルゲン・プロフノウ
   ヘルベルト・グリューネマイヤー
   クラウス・ヴェンネマン  
   ベルント・タウバー
   マルチン・ゼメルロッゲ
   クロード=オリヴィエ・ルドルフ
   オリヴィエ・ストリッツェル
   アーウィン・レダー
   ハインツ・ホーニヒ
   ウーヴェ・オクセンクネヒト
   オットー・ザンダー

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物語

1941年、ナチス占領下のフランスの港町ラ・ロシェルの酒場。
ドイツ兵たちで賑わうその中に陸での最後の夜を楽しむUボートの乗組員たちがいた。
最年長の30歳である艦長(ユルゲン・プロホノフ)をはじめ、乗組員たちは皆20代前半。
初めてUボートに乗り込む報道部記者ヴェルナーは22歳の若さだった。

翌日の早朝U96で出発した乗組員は、艦長を含めて総勢43名。艦長は、
まずこのU96が水深何メートルまで可能かをテストした。水深計は160メートルを指した。
夜、ヴェルナーは興奮さめないまままに乗組員たちの話に耳を傾けていた。
そんな日々が何日か過ぎた。そして、やっと攻撃命令が来た。
敵の艦隊を攻撃するため、U96潜航を開始。緊張したムードが艦内に溢れる。
乗組員たちは肉体的にも精神的にも限界にまで達する。魚雷が発射し、駆遂艦が姿を現わす。
敵の爆弾で艦内に破片が飛ぶ。そして、水深230メートルに達した時プレッシャーバルブが力尺きた。
しかし150メートルまで浮上し、発射した魚雷が敵方を壊滅した。

そしていよいよ難関ジブラルタル海峡を通過。予想通りU96は致命的な攻撃を受け、
砲台は飛ばされ、状況は最悪となった。皆が息をのんでみつめる中、水深は230、
260と沈んでいった。遂に280メートルの海底に達し、皆の失望の表情が艦内に満ちた。
艦長は、しかしなおも希望を捨てず、修復作業を命じる。そしてU96は見事浮上した。

翌朝、死線を乗りきった乗組員たちの眼前にラ・ロシェルの港が見えてきた。
乗組員たちの出迎えのパレードが行なわれる。しかし、その時、上空に敵方の
爆撃機が近づき攻撃をはじめ、一瞬の間にそこは戦場と化した。
艦長は、U96が沈んでゆくのを見とどけると、そのまま息をひきとるのだった。

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監督:ウォルフガング・ペーターゼン
出演者:ユルゲン・プロフノウ、 ヘルベルト・グリューネマイヤー、 クラウス・ヴェンネマン、 ベルント・タウバー
収録時間:208分
レンタル開始日:2005-01-26

Story
第二次世界大戦中の、ドイツ軍潜水艦の乗組員たちの緊迫感あふれる過酷な戦いの日々を描いた戦争ドラマ『U・ボート』。公開から16年後の97年に、1時間以上ものフッテージを追加して監督自らが再編集し、音声も5.1ch化したディレクターズカット版。 (詳細はこちら


stainbeck at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)西欧の映画 | ドイツ映画

2016年05月13日

パラダイス

1982年のカナダの映画です。
監督、脚本は、スチュアート・ギラード。
主演は、フィービー・ケイツ。


パラダイス



















“ フィービー・ケイツ主演のカナダ映画 ”







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パラダイス (1982)

監督 スチュアート・ギラード
製作 ロバート・ラントス
脚本 スチュアート・ギラード
撮影 アダム・グリーンバーグ
音楽 ポール・ホファート

出演 フィービー・ケイツ
   ウィリー・エイムス
   リチャード・カーノック
   チュヴィア・タヴィ
   ニール・ヴィポンド

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物語

19世紀末、中東の町バグダッド。
15歳のサラ(フィービー・ケイツ)は医師だった父が死んだため、
従者ジェフリー(リチャード・カーノック)を従えて故国のイギリスへ向かった。

途中、サラたちの小さなキャラバンは、アラブの族長ジャッカル(ツービア・タビ)が
率いる一団に襲撃された。生き残ったのはサラとジェフリー、そして16歳のアメリカ人、
デビッド(ウィリー・エイムス)の3人だけだった。一頭のはぐれたラクダを見つけ、
とぼとぼと行く彼らの前に、砂漠の空間が広がっていた。やがて忽然と大きな岩山にぶつかった。
そこには温水が岩間からふき出ており、サラは何の恥じらいもなく水浴びをする。

数日が過ぎ、ジェフリーが食糧を探しに行って、誤ってジャッカルの野営地に入ってしまった。
デビッドが忍び込んだ時は、ジェフリーの死体が逆吊りにされていた。
デビッドは弓矢を奪って洞穴に戻り、再び砂漠の中をあてもない旅に出た。
突然、ラクダが走り出したと思うと、彼らの前にくすんだ城跡が出現。
何日かぶりに見る緑が目にしみる。トカゲが、ウサギも山羊もいる。フルーツの木もたわわだった。
清水が滝となって噴き出しているオアシスだった。歓声をあげて二人は水に飛び込んだ。

水の洞穴を抜けると、向こうは海だった。その夜、デビッドが弓矢で取った肉を、
サラはキャンプ・ファイアでむさぼり食べた。空には星、地上には静かな波の星。
二人にとってその場所は、まさにパラダイスだった。

サバイバル生活が始まった。家を作り、魚もとった。いつの間にか
一頭のチンパンジーがまぎれ込み、サラは“ ドック ”(先生)と名づけた。
数日後、デビッドはサラのまぶしい体に目がくらみ、彼女を望んだが、拒否されてしまった。
いつもは彼の目の前で、平気で裸になって水浴びしたりするサラであったのに。

デビッドがサソリに刺された。サラは一晩中、介抱した。彼が意識を取り戻した時、
サラは涙ぐんだ。二人ははじめてキスした。横になり、もつれあい、互いを感じあう。
幼くも、情熱的なセックス。来る日も来る日も二人は愛しあった。
やがてドックのもとにメスのチンパンジー“ イブ ”が現われ、そのイブが妊娠した頃、
サラも体に変調を感じた。突然、二人を見つけたジャッカルが襲いかかって来た。
だが、今や男として逞しくなったデビッドがサラを護り、ジャッカルを撃退した。
パラダイスの生活も終らせなければならない。再び旅に出た二人の眼前にやがて小さな町が見えた。

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stainbeck at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)北欧、その他の国の映画 | カナダ映画

2016年05月11日

砂漠でサーモン・フィッシング

2011年のイギリス映画です。
監督は、「ギルバート・グレイプ」「ショコラ」のラッセ・ハルストレム。
原作は、ポール・トーディ「イエメンで鮭釣りを」
脚本は、「フル・モンティ」「スラムドッグ$ミリオネア」のサイモン・ボーフォイ。
撮影は、テリー・ステイシー。
音楽は、ダリオ・マリアネッリ。
主演は、ユアン・マクレガー。
共演は、エミリー・ブラント、クリスティン・スコット・トーマス、
アムール・ワケド、トム・マイソン、キャサリン・ステッドマン、レイチェル・スターリング。





「拝啓、ジョーンズ博士、
 わたしが代理人を務める資産家がイエメンへ鮭とフィッシングの導入事業を始めたいとの意向です、
 この事業をどう進めるべきかの会議で、どう準備すべきかぜひ意見を伺いたく存じます、
 心を込めて、ハリエット・チェトウッド=タルボット」

「拝啓、ハリエット・チェトウッド=タルボットさま、メールをありがとう、
 漁業専門家として鮭について書きます、回遊魚の鮭科の産卵には
 冷たく酸素の多い水が必要です、さらに清流での稚魚の自然供給が
 幼魚への生育と生存に必要です、またインド洋、紅海からの遠さも、もうお気づきでしょう?、
 我々は、諸条件によりこの事業が基本的に実現不可能と結論づけます、
 ──残念ながら、本案件にこれ以上の力添えはできかねます、アルフレッド・ジョーンズ博士」


英国の水産学者ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)のもとに、
『砂漠の国イエメンに川をつくって鮭釣りができるようにしてほしい』
という依頼が舞い込む。依頼主はシャイフというイエメンの大富豪。
しかしあまりにも荒唐無稽な話に、ジョーンズは仲介者である投資コンサルタントの
ハリエット(エミリー・ブラント)へ“ 実現は不可能 ”とつれない返事を返す。
ところが、中東との関係改善に頭を悩ませていたイギリス政府がこの話に飛びつき、
首相肝いりの支援事業にしてしまう。結果的に無理難題を押しつけられたジョーンズは、
渋々ながらもハリエットと協力してプロジェクトを進めていくことになる──。


   長江は中国を東西に横断する全長6300キロに及ぶアジア最長の河。
   長江とその支流が潤す地域は1,683,500平方キロ以上に及び、流域に暮らす
   およそ4億人の生活だけでなく、上海、武漢、重慶といった都市を結び、
   中国全土の大動脈ともなっている。
   長江・三峡は、西は四川省から東は湖北省にいたる全長240キロにおよぶ峡谷の呼び名で、
   「三峡」とは3つの大峡谷があることに由来する。
   また、長江の中・下流域は、豪雨の際には、大洪水で人命や財産を奪うことが多い。
   そのため20世紀に入り、洪水を防ぎ、発電を目的とした巨大ダムの建設の構想が生まれる。
   長江・三峡ダムの構想は孫文によって発案。孫文は1919年に三峡ダムの必要性を提唱。
   その構想に沿って当時の国民党政府は32年に最初の大規模な調査を実施した。
   しかし、1947年に国共内戦がぼっ発し、国民党政府は事業を中止。
   が、49年に中華人民共和国が成立すると、三峡ダム構想は、
   その指導者・毛沢東に引き継がれる形で再び動き始め出す。
   毛沢東は自ら視察に赴き、調査、設計を推し進めたが、その間に建設反対派と
   賛成派による論争が巻き起こり、さらには文化大革命がおこるに及んで再び中断。
   文化大革命後、ダム構想は甦るが、建設に伴う危険や環境破壊、建設費への批判が噴出、
   89年にはダム建設を批判する大書「長江 長江−三峡工程論争」3が刊行される。
   多くの反対意見や批判にも関わらず、ついに、1994年、三峡ダムは着工。2009年完成。
   ダムは高さ180メートル、幅2,5キロ。長江の中流をせき止めるこの巨大ダムは、
   洪水を抑えるとともに、貯水容量・発電能力ともに世界最大となり、
   総貯水量は393億立方メートルで日本最大の奥只見ダムの約65.5倍、
   日本にあるダムの貯水総量のおよそ2倍。発電能力においてはエジプトの
   アスワンハイ・ダムの約8倍、日本の黒部第4ダムの約53倍。
   130万人もの住民が移住を強いられ、多くの歴史的遺跡は永遠に水没することになる──。


「それで費用は?」
「4500・・、いや5000万だ」
「ドル?」
「5000万ドル」
「ドル(41億円)ね」
「いや、・・ポンドだ」
「ポンド(67億円)ね」
「・・少なくともだ」
「それで理論上は実現可能と?」
「そりゃ論理上なら、有人火星探索だって可能だ」
「感服しましたジョーンズ博士」
「ちょっと待って、さっきのはジョークだ」
「まさか、5000万ポンドの事業でジョークなんて」
「こんなのは思いつきだ」
「いいえ計画よ、好発進だわ」

「会議?」
「仰いましたよね、三峡ダムの水力発電チームと話がしたいと」
「まだ早いのでは」
「外に来てます」
「誰が?」
「三峡ダムの水力発電チームの主任たちです」
「ここに?」


「イギリスには200万人のフィッシングの愛好家が・・」
「200万人?、200万人が釣竿振り回してるの?、
 ──彼らの票を呼び込めるわね、釣り週刊誌の表紙に首相を載せるわ」


                  「首相、釣りを?」
「最近はあまり」
                  「イエスかノーかで」
「そんなに好きでも」
                  「釣竿を持った有権者が200万人います!」
「わかった、やろう!」


コロンブスがなぜ偉大なのか?──たんに東に向かって航海しただけなのに。
未知への挑戦に踏み出すのはそのほとんどが安易なる無謀。
無謀と適当が交錯する中に生まれる“ 嘘から出た真 ”




おもしろい映画です。







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砂漠でサーモン・フィッシング (2011)

監督 ラッセ・ハルストレム
製作 ポール・ウェブスター
製作総指揮
   ジェイミー・ローレンソン、ポーラ・ジャルフォン、ジギー・カマサ、
   ガイ・アヴシャロム、スティーヴン・ギャレット
原作 ポール・トーディ
脚本 サイモン・ボーフォイ
撮影 テリー・ステイシー
衣装 ジュリアン・デイ
編集 リサ・ガニング
音楽 ダリオ・マリアネッリ

出演 ユアン・マクレガー
   エミリー・ブラント
   クリスティン・スコット・トーマス
   アムール・ワケド
   トム・マイソン
   レイチェル・スターリング
   コンリース・ヒル
   トム・ベアード
   ジル・ベイカー
   キャサリン・ステッドマン

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物語

砂漠の国イエメンに、鮭を泳がせて釣りをするというプロジェクトの顧問を頼まれ、
水産学者のアルフレッド・ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)は呆れていた。
依頼人は、イエメンの大富豪シャイフ(アムール・ワケド)。
英国外務省の支持も得ているが、荒唐無稽であることに違いはない。
だが実は、中東情勢が悪化し、首相広報担当官のマクスウェル(クリスティン・スコット・トーマス)が、
英国への批判をかわすための話題作りに“ イエメンでの鮭釣り ”を選んだのだった。
しかも、雨季の水を蓄えた地層を見つけたシャイフは、人々の生活のために
砂漠に水を引く長期計画を実行、既にイエメンにはダムが完成していた。

プロジェクトに専念しないとクビだと迫られたジョーンズは、
科学者としてのプライドと家のローンとの間で揺れるが、給料が倍になると聞いて承諾。
北海で鮭を1万匹捕まえ、世界最大の輸送機で生きたまま運ぶ。費用は5000万ポンド。
どうせ実現不可能だからと、思いつきのホラ計画をペラペラと話すジョーンズだったが、
窓口であるフィッツハリス&プライス投資コンサルタントのハリエット・チェトウォド=タルボット
(エミリー・ブラント)は「さっそく取りかかりましょう」と微笑む。

だが新チームを組むことになったこの二人には、私生活に心配事があった。
ジョーンズの妻は以前から仕事にしか関心がなく、夫婦は機械的な結婚生活を送っていた。
一方、ハリエットは、つき合い始めてまだ数週間の軍人のロバートが中東に派兵。
それぞれの悩みを胸に秘め、シャイフと面会するためにスコットランドの城へ二人は向かう。
金で買えないものはないと考える不遜な男と思いきや、
シャイフは大富豪である前に人間味に溢れた一人の釣り人だった。
竿を手に共に川へ入り、率直に語り合ううちにジョーンズは彼に共感と敬意を抱くようになる。

「博士の素晴らしい計画についてはミス・ハリエットから聞いています」
「計画?、まだそんな段階ではなく実現できるかの予備調査です」
「理論上は可能なんですよね?」
「ええ、理論上は」
「なるほど、ではもし実現すれば神の奇跡だ」
「数字とデータの成果ですよ」
「神は信じない?」
「ええ、まったく」
「だが博士、あなたも釣り人だ」
「話が見えないです」
「魚が針にかかるまで何時間も粘り続けます、十数時間」
「いいえ、時にはもっとです」
「数字とデータならもっと効率的に取れますよね?
 ──あなたは雨や風、寒さに耐えながらじっと待ち続ける、成功する可能性はわずかだが
 ──なぜなら、あなたには信じる心があるからだ、そしてあなたの信心は魚を得て報われる」

だがそんな時、ロバートが戦闘中に行方不明になったという報せが届く。

会社を休み、家に閉じこもり、ただひたすら安否の情報を待つハリエット。
何度も電話して出社を求めるジョーンズのメッセージにハリエットは傷つきイラ立ち、
突然、訪ねてきたジョーンズに怒りをぶつける。ところがジョーンズは心配して
手作りのサンドイッチとワインを持ってきただけであった。
ジョーンズの冷たく聞こえる言葉の陰に隠れた不器用な真心に気付くハリエット。
そしてジョーンズは、彼女へのビジネスパートナー以上の想いに気付き始めていた──。

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監督:ラッセ・ハルストレム
出演者:ユアン・マクレガー、 エミリー・ブラント、 クリスティン・スコット・トーマス、 アマール・ワケド、 トム・マイソン
収録時間:108分
レンタル開始日:2013-06-08

Story
ユアン・マクレガー、エミリー・ブラント共演によるロマンティックコメディ。イエメンの大富豪から「砂漠で鮭釣りがしたい」という夢の実現を依頼された水産学者・ジョーンズ。不可能だと一蹴するも、それはやがて国家プロジェクトへと発展し…。 (詳細はこちら


stainbeck at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)イギリス映画