2009年05月05日

チャンピオン鷹

香港映画のスター、ユン・ピョウ主演の映画です。





1980年代、ほとんどの日本人がサッカーを無視し、
マラドーナが活躍したメキシコW杯も誰もが無関心だった時代に製作された、
サッカーが主題の映画です。


1980年代、香港映画といえば、ジャッキー・チェンであり、
ジャッキー・チェンといえばカンフー映画、カンフー映画といえば、香港映画。

香港映画といえばこのような構図があり、
これ以外の香港映画はありえないという、わかりやすい時代がありました。

ジャッキー・チェンの1980年代の映画というものは、簡単です。
親とか、師匠が悪の親玉に殺されての復讐か、
追われている女性を“ 偶然 ”助けてしまい、仕方なしに悪の親玉を退治するか、
このどちらかです。それを、カンフーアクションで魅せる映画です。

しかし、さすがにそればかりでは、上には昇れない。
次第にカンフー映画だけの香港映画界も、
「プロジェクトA」や「ポリス・ストーリ 香港国際警察」といった映画の大作化。
非カンフー映画、香港ノワール、ジョン・ウー、チョウ・ユンファ。
新世代の映画監督、ウォン・カーウァイ、ピーター・チャンと変革が現れます。

「チャンピオン鷹」も、カンフー映画から、非カンフー映画への移行が垣間見れるような作品です。



「チャンピオン鷹」は、わかりやすいほどに、
香港映画は、ダサい、変におもしろいという映画です。

映画が始まってすぐ、いかにもカンフーの達人といった主人公、
リー・トン(ユン・ピョウ)が、ばかばかしいことで
地主の息子の股間をケガをさせ、逆恨みのような報復で村にいられなくなります。

町に出てきたリー・トンは、ひょんなことから、
お金持ちになれるということでサッカー・チームに入団します。

しかし、リーは、いじめられ、チームには採用だけされて、
練習はさせてもらえず、ボール拾いや雑用ばかりに使われます。

ある日、チームのリーダー、キング(ディック・ウェイ)は八百長試合を引き受け、
自分は途中でケガをしたふりをし、代わりにリー・トンを出場させます。
チームは負けると思われましたが、リー・トンの活躍で大勝利。
怒ったキングは、リー・トンをさらにいじめ(ほんとうにいじめられます)、
もう嫌だとリー・トンはチームを飛び出し、ライバル・チームのオーナーに拾われます。

そして、リー・トンは、新チームの主力選手として活躍していきます。


1980年代、香港映画には珍しい、非カンフー映画です。
ただ、主人公も、その他登場人物もすべてがカンフーの使い手であり、
サッカーの試合中にもかかわらず、次々とカンフーの技で、反則を繰り返し、
相手を叩きのめす、すばらしいほどにでたらめなサッカー映画です。

そして、主役のユン・ピョウをはじめとして、
登場するサッカー選手のすべてがカンフーの使い手だけでなく、サッカーがとても上手です。
足技が凄く、踵と甲ではさんだボールを走りながら瞬間に浮かせて、相手をかわしたり、
動き自体は遅いかもしれませんが、メッシやC・ロナウドよりもはるかにすばらしいフェイントを
誰もが簡単に披露します。カンフーの達人はサッカーなんて簡単にできるといわんばかりです。



かわいい顔をしたユン・ピョウが、
いとも簡単にカンフーやサッカーのすぐれた技を披露します。

友人が、自分の為に、恋人のように大切にしていた
新品のサッカーシューズをプレゼントされ、感動するユン・ピョウ。

ボール拾いや雑用をまじめにこなし、懸命に明るくがんばるユン・ピョウに、
友人が「なんだよ球ひろいかよー」とばかにされるだけでなく、
友人の目の前で、「球拾いがなにをしている!」とキングに恥をかかされるユン・ピョウ。

サッカーだけでなく、タンゴも上手い、ユン・ピョウ。

ありえねーとか云う「少林サッカー」以前に、すでにありえているカンフーの達人によるサッカー映画。




ばっかな映画です。おもしろい映画です。







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チャンピオン鷹 (1981)

監督 ユン・シャンチャン
製作 ユエン・ウーピン
脚本 ユン・シャンチャン

出演 ユン・ピョウ
    チャン・コッキョン
    ディック・ウェイ
    ムーン・リー

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物語

リー・トン(ユン・ピョウ)は、田舎でのびのびと育った若者。
村の競技会に出場し村の有力者の息子を負かせてしまったり、ケガさせたりと、
トラブル・メイカーとしても目立つ存在。遂に彼は、都会へ出る決心をした。

都会の雑踏の中で、リー・トンは、訪ねるはずの知人の息子アーフン
(チャン・コッキョン)とハプニングを起こし、スリに財布をすられてしまった。
スリを追いかけている最中に、プロサッカーの大スター、キング(ディック・ウェイ)
に油をかけてしまい、叱られるが、ひょんなきっかけで、サッカー・チームに誘われた。
キングは、ある復讐を企み、リー・トンを採用だけして練習させず、ボール拾いや雑用に使う。
ある日、キングは八百長試合を引き受け、自分は途中でケガをしたふりをし、
代わりにリー・トンを出場させた。これでチームは負けると思ったが、リー・トンの活躍で大勝利。
怒ったキングはリー・トンをしごくが、彼はチームを飛び出し、ライバル・チームに拾われる。
おかげで、そのチームは勝ち続けた。遂にキングはリー・トンに挑戦状をつきつけ、
負けた方が両足を切断するという苛酷な条件をつけられる。

キングはチーム全員に反則ラフプレーを指示し、凄絶な試合が展開される。
リー・トンはピンチに追い込まれるが、その直後、大雨が降ってきた。
ぬかるみに強い彼は見事にピンチを脱し勝つのだった。

後日、リー・トンと友人、そして友人の妹が街を歩いている。角を曲がると道ばたに
乞食が座っている。と、乞食が顔を上げると、これが両足を失った元サッカー王。
乞食となった元サッカー王は笑顔で「だんな様、お恵みをー」と言う、
リー・トンと友人たちが飛び上がって驚き、「終劇」する。

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stainbeck at 10:00│Comments(0)TrackBack(0)

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