2012年01月

2012年01月31日

メルプラッツ研究会「メディアリテラシーに取り組む新たな実践共同体を構想する」に参加しました

東大本郷キャンパス福武ホールで開催された

メルプラッツ公開研究会「メディアリテラシーに取り組む新たな実践共同体を構想する」

に参加します。メルプラッツは、メディア表現とリテラシーについて、ともに語り合う「広場」として2007年7月に生まれました。

この間、32回の公開研究会、3回のエキスポが開催され、「TAK」さんも何度か参加し、

コミュニティをつなぐテクノロジー

表現、伝達、記録の手段としての映像、メディア

メディアとコミュニティー「えんがわでのワークショップから」

21世紀メディア論:メディアとコミュニティー

新しい時代の「えんがわでのコミュニケーション」

「情報があふれかえる社会」から「表現が編みあがる社会」へ

などの参加記録を書きました

メルプラッツは発足当初から5年の年限で活動する予定で、最後の公開研究会となる今回は、メルプラッツの5年間を1つのベースとしながら「メディアリテラシーに取り組む新たな実践共同体を構想する」をテーマに議論されます

この5年間でメディアを取り巻く環境も大きく変化しました。インターネットはもちろんありましたが、ソーシャルメディアと呼ばれるものは、mixiがようやく普及しだした、という感じだったでしょうか。TwitterもFacebookも使われていませんでした。

まだまだ、テレビ、新聞などのマスメディアが全盛の時代で、テレビ、新聞などの報道を個人が適切に読み取ること、読み解くこと、がメディア・リテラシーと考えられていました

このように受信、受け取り、が主体だったのですが、TwitterもFacebookなどでは、情報発信も大きな役割を担っています

また、ネットで情報を検索し、収集し、集めた情報を自分で再構築して発信する、という、ネット時代の基本行動がメディア・リテラシーの基本と考えられるようになりました

さて、最終回のテーマは、「メディアリテラシーに取り組む新たな実践共同体を構想する」です。では、早速出た話をまとめてみます


・ディジタルメディア社会における子供の学びを見つめて、メディアを制作する授業を意識的にデザインする姿勢を提案

・メディア創造力:メディアを通じて、自分の発想や考えを表現する力

・学校教育では、メディアリテラシーという用語は使われていないが、メディア教育を行う状況は整いつつある。「活用型学力の重視」「言語活動の充実」パンフレット、新聞、ニュース番組など、映像、ナレーション、音楽を組み合わせる試み 

・「図表、写真、グラフから読み取る」「図表、グラフ、資料を用いて多くの人に伝える文章を書く」などは、学習指導要領に記載されているが、先生たちがそういう教育を行う「教育」を受けていないのが問題

・グループ作業は、他者の意見を聞く、自分の意見を披露し、説得する、考えの違いがある中で合意形成する、などの実践の効果がある

・メディアリテラシー:人によって、受け取る定義が様々。所属する社会、時代背景、直面する課題により強調するポイントが異なる

・研究会継続の工夫:優れた実践の体系化、地域や業種を越えた人的ネットワーク、企業のサポート、遊び心

・メディアリテラシー、メディアで働く人は拒否反応を感じる言葉

・分野が違うと目指すもの、ニーズが異なる。相手に応じてチューニングして話すと同時に、受け取る時に、自分の文脈で再構築することが大切

・マスメディアはメディアのプロであるはずだが、誤報、やらせ、などの問題を抱え、一方、アラブの春、など、ソーシャルメディアの力が台頭している

・ソーシャルメディア、一般市民でも情報発信が容易になった一方、情報が正しいかどうかの確認が不十分、他者の中傷をする、など、発信する者の能力、モラルが問われている 

・ソーシャルメディア:情報がオリジナルではなく、もとネタはマスメディアのものを再構築あるいは単なるコピーのものも多いが、ニュースの浸透には影響している。ソーシャルvsマス、ソーシャルとマス、のような単純な構図ではなく、複雑に関わりあう構図

・ソーシャルメディア、市民が情報発信する能力を持っただけではなく、犯罪行為を掲載するなど、新たな問題も生み出している。メディアを含む社会構造が変化している

・メディアリテラシーはマスメディアを読み取り、読み解くことだけではない。新しい文化を創造していくこともメディアリテラシー

・自分の世界にいる方が居心地がよくて、言葉が違う人と話すのは辛いけれど、異文化の人と会って話すことによって、新しい文化、考え方に触れることができる 

・やりたい人たちが周辺で、手弁当で、弱いつながりを保ちながらやる方法と、予算を取得し、戦略的だが、しかし制約の中で行う方法もある。一長一短だが、前者の方が着手しやすい



メディアが大きく進歩、変化する中で、メディアを取り巻く環境も大きく変化し、メディア・リテラシーそのものが大きく変わりつつある真っ最中、という感じがします。メディア表現とリテラシーについて、ともに語り合う「広場」はメルプラッツ研究会が一つの区切りとして終了したとしても、新しい場で引き継がれるのでは、そういう予感がした研究会でした






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2012年01月26日

「雪月花の数学」欧米の黄金比、日本の白銀比

東京工業大学世界文明センター「雪月花の数学」 

に参加します

120125雪月花


「雪月花の数学」とは、ちょっと変わったタイトルです。

いきなり本題に入る前に、数学についてのスモールトークがあります

・ギリシャ時代、哲学者は芸術家であり、科学者でもあった

・計算とは旅である。イコールというレールの上を数式の列車が走る

・形の中に潜む数、数から形が生まれる

・フランス・ナポレオン、地球の円周の測量を指示。地球の円周の4000万分の1 を1mとした

・富士山の稜線は指数関数曲線、湖面に映る稜線は対数関数曲線

120126白銀比


黄金比(golden ratio)と白銀比(silver ratio)

黄金比(golden ratio)とは、1 に対する(1 +√5)/2= 1:618 = 8/5 なる数です。身近なところに、この数が潜んでいます。パルテノン神殿正面の縦横比や正五角形の中に黄金比が発見されます。ミロのヴィーナスの頭からへそとへそとつま先までの距離の比が黄金比です。この黄金比のフェボナッチ数列から螺旋が生まれました(ヤコブ・ベルヌーイ) 

白銀比(silver ratio)とは、1 に対する√2 = 1:414 なる数です。正方形の半分にあたる直角二等辺三角形の辺の比に相当します。正方形の一辺と対角線の長さの比ともいえます。コピー用紙の特徴は、形が同じ(相似)で大きさ(面積)が半分になっていくことです。A4用紙を縦に半折りにしてみるとA5用紙になります。面積が半分に、それで形が相似であるためには縦横の比が1対√2 でなければならないのです。この白銀比√2 = 1.4142が日本の芸術の根底に見つかる「雪月花の数学」です 

西洋の黄金比 ≒ 8/5 が美術、建築、あるいは動物、植物など自然界に見つかるのに対して、日本の白銀比√2は建築、能楽堂、茶道、俳句などの人工物に潜んでいます。

黄金比 ≒ 8/5 は正五角形に隠れているのに対し、白銀比√2 は正方形、正四角形に潜んでいます。両方とも「相似」を作り出すことは共通しています

黄金比 ≒ 8/5 がダイナミズムを表現するのに対し、白銀比√2 は静寂の象徴しています。無駄を一切省いた究極の形として正方形、正四角形

Bankを日本では金行ではなく、銀行と言います。日本は銀の国と言えるかもしれません。銀は光の反射率が大きく、その輝きは白に見えるため、白銀と呼ばれます。


鎖国をしていた江戸時代、和算と呼ばれる日本独特の数学は世界的にも大変高度なレベルまで発達しました。特に、関孝和、建部賢弘はライプニッツと肩を並べる、世界トップレベルのものでした

吉田光由『塵劫記』(1627年)には数字の位が記述されています。 一、十、百、千、万、億、兆、京、・・・恒河砂、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数

コンピューターが発達した現代でも使われるのは、億、兆、スーパーコンピューターの速度でやっと「京」が出てくるくらいなのに、400年以上も前の時代に、それをはるかに超える大きな数字の概念があったことは大いに驚くことです。

ちなみに「恒河砂」とはガンジス川の砂の数、と言う意味だそうですから、インドから伝わった考えでしょうか。

・にっちもさっちも行かない、とは、2で割っても、3で割ってもダメ、が語源

・俳句575、とは45℃の二等辺三角形

・時と共に変化する大自然の人の心(流行)を永遠に変わらない形におさめる(不易)ものが俳句、瞬間冷凍して永久保存し、後世の読者が解凍 

・算数の心にしたがう時、心は易し(建部賢弘)

・日本の北国の冬は雪で覆われ、活動に制約。そこで冬に数学をたしなんだため、和算が発達した(山形、岩手など)


数学だけでなく、その根底に潜む文化の話まで踏み込むと、興味深い発見があって楽しいです




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2012年01月23日

日本サイエンスコミュニケーション協会設立シンポジウムに参加しました

「TAK」さんがサイエンスコミュニケーションに携わっていたのは、MOTを始める前だから、4年くらい前のことです

役に立つから勉強する?おもしろいから勉強する?

に書いたように、村上 陽一郎先生のお話など、知的興味をそそり、満たしてくれる内容ではありましたが、では、学んだ内容を実際に活かす実用性の面で物足りず、実用性が活かせるMOTの道へ進みました。

ただ、サイエンスコミュニケーションを全くやめてしまった訳ではなく、いくつかの勉強会には今も参加しています。

そんな訳で案内が来ました

設立趣旨

をみると


21 世紀における科学の責務は「知識のための科学」に加えて「社会における科学、社会のための科学」である(1999 年「ブダペスト宣言」)と言われています。

サイエンス、広い意味での科学をめぐる状況は新しい時代に入っています。これからの社会では、一人ひとりがサイエンスに関心を持ちながらその本質を理解し、自分なりにうまく活用するサイエンスリテラシーを養うことで、社会がかかえる課題に主体的に関与し、判断していくことが求められます。サイエンスは利便性だけでなく、精神的に豊かに生きるための糧、文化ともなりえます。

そこで重要な役割を果たすのが、サイエンスコミュニケーションです。サイエンスに関する理解、関心、意識を深めたり高め合うことを通じて、多様な意見を踏まえた合意形成を図り、人々の声を政策に反映させ、協働して課題を解決していくための活動です。それはまた、サイエンスの健全な発展とその成果の有効活用を促進する活動でもあります。

サイエンスコミュニケーションを促進し、継続していくためには、全国で行われている多様なサイエンスコミュニケーション活動を繋ぐことで支え合い、一般の人々、教員、科学技術者、メディアおよび行政の関係者など社会の多様な活動主体を積極的に巻き込むことで、ネットワークをより頑強なものにしていく必要があります。

そこで私たちは、全国の広範な仲間との交流を通じた情報と理念の共有、学術研究の深化などを積極的に進めるため、「一般社団法人 日本サイエンスコミュニケーション協会」を設立することといたしました。私たちは、サイエンスコミュニケーションを促進し、サイエンスリテラシーを育み、社会に貢献していきたいと考えています。


このように素晴らしいものなのですが、関係者によると、なかなか難しい内情があるようです

すでに、

科学技術社会論学会

科学コミュニケーション研究会

という同様の目的を掲げる会があり、その関係者が今日の設立シンポジウムには、ほとんど来ていない、ということです

人と人の集まりでは運営方針など、どうしても意見の相違はあるのですが、コミュニケーションを掲げる会、集まり同士のコミュニケーションが十分に取れていない、とはなにかおかしな感じもします

何ぶん、ここ数年、活動から離れていましたので、内情はわかりませんので、詮索はこれくらいにして、シンポジウムの内容を述べます


・社会から隔絶した科学ではなく、社会の中の科学、社会のための科学(1999 ブダペスト宣言)

・生物の進化、個々の生物は弱いが、外界の変化に対応して適応するから強い

・情報:持続的に進化するためには、一方的に流れるのではなく、フィードバックを受ける、循環ループが必要

・科学的知識の活用は、主に科学者コミュニティーの外の人たちにより活用される。それゆえ、科学者コミュニティーの外の人々に正しく理解されるように発信する必要がある

・行動者(行動) → 対象(現象) → 観察者(評価) → 構成者(知識提供) → 行動者(行動) という基本ループが必要

・知恵は使用と蓄積を繰り返し、磨かれ、強化される

・科学者は研究によって知識を生み出し、対応する専門家に提供する

・社会は様々な専門家がそれぞれの役割を果たすことにより、維持され、進化する 

・社会と科学者は直接コミュニケーションを行うべきだが、現実にその媒介を報道機関が行っている。ソーシャルメディアの発達により直接コミュニケーションは可能なはず

・学校の理科、自分の生活とどう結びつくのか?生徒は理解するのが難しい

・「学校の理科」から「社会の中での科学」へ。しかし、後者は学校教員が教えるのは難しい。科学者コミュニティーの学校教育への参加が望まれる

・理科教育、学校での教科書による教育だけでなく、リテラシー、人材開発など、学校外でのインフォーマルな教育が望まれる

・サイエンスコミュニケーター、多くの人々が養成されているが、活動の場はあまりない

・サイエンスコミュニケーションとはCommunication based on Science

・科学者と社会の間だけでなく、科学者同士のコミュニケーションが不十分

・研究者は自分の研究がいかにチャレンジングで大変か、ではなく、どう社会と関わるか、と説明することが必要

・欧米の科学技術へキャッチアップする政策は終った。どうやって新しい科学技術を築いていくか?

・これからはすべての人々にプレゼンテーション能力、ディベート能力および科学技術リテラシーが不可欠

・多くの科学者は自分がやりたい研究テーマの事しか、関心がない

・博物館「物言わぬ自然のもの、標本」「先人が残してきた知識、知恵や歴史」が物語ることを正しく引き出し、表現し、伝えることが大切

・博物館、金を使うだけで何も生み出さない、という、そしりを受ける。蓄積した資料を活かす「場」として機能していない

・小さなボランティアの動きを支援して、結集して、大きな流れを創る

・サイエンスコミュニケーターは科学が好きな人の集まりではなく、社会を作り上げていく人々であるべき

・科学技術は社会発展の原動力。新産業の創出、既存産業の発展、など、経済成長のもと

・アメリカではカーネギー、ロックフェラーら、大富豪の寄付により、天文学がハッブルによる宇宙膨張の発見など大きな進展があった

・3.11後のサイエンスコミュニケーション、「科学は常に答えを用意してくれる」という神話の崩壊、「答えを与えてくれない」科学者への不信、「御用学者」のコメントを紹介するマスコミへの不信、自ら学ぶサイエンスコミュニケーションの誕生

・3.11後のサイエンスコミュニケーション、専門家や行政の言うことを鵜呑みにしない、科学の限界を認識する、自ら学ぶ、調べる、測る、対策を実行する、おかしいと思ったら物申す

・マスメディアは羅針盤、拡声器、配達人の役割


さて、一番きになったのが、発表者が総じてスライドがヘタ、ということです。細かい字で20行くらい文字ばかりのスライドでは読みづらく、聴衆に伝わりません。図も駆使して、自分が言いたいことを表現してほしいところです

「サイエンスに関する理解、関心、意識を深めたり高め合う」ことが主旨の協会の設立シンポジウムのスライドとしては失格です

とにもかくにも、今後の活動を見守ることにします




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2012年01月19日

ディズニーリゾート「目に見えない価値とは?」

東工大社会理工学研究科講演会

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの福島前社長「目に見えない価値」

に参加します。

120119Disney2


東工大とディズニーリゾートって、ちょっと結びつかないかもしれませんが、東工大ではこういう講演会が結構あるんです

会場は学生だけでなく、社会人も多く満員です

ディズニーリゾートに行くって、東京近郊にあるから手軽だけれど、ちょっと日常とは離れた、ひとときの楽しいファンタジーの経験をしたくて行きます

ディズニーリゾートが創り出す非日常性、幸福感の秘訣を探ってみることにします

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・将来よりも、まず、今をどう生きるか?理性から感性、心の時代へパラダイムシフト、固定観念からの脱却が欠かせない

・人間の研究をすると、人生が面白くなる

・化粧をすると、心にも化粧をすることになる。周囲が明るくなる

・アイコンタクト、目と目を合わせて話すと、反応がよい。ドーパミンが出て、快感神経が活性化する

・「美味しい」は「旨い」だけではない。見た目などの美感、食べた時の食感、スタッフのもてなし、が加わる

・ディズニーランド:乗り物に乗った人が、見知らぬ人に手を振る。普段は食べないポップコーンを食べたくなる。非日常性の経験

・本物以上に本物を作る。外から見えないところもしっかり作る。作り物と本物では、スタッフ、客の気持ちが違う

・新しいことは、最初は失敗する。失敗の中から、成功要因を見出していく

・まず、想像、イメージすることが大切。想像するだけではなく、行動に移して、形にする。想像から創造へ

・遊びとは?1.ごっこ、模擬、ハロウィーンなど、普段と違う自分を表現する、2.競争、お互いに競い合う、3.確率、さいころ、ばくち、4.揺らぎ、ジェットコースター、スペースマウンテン

・力が入っているとうまくいかない。しなやかさが大切。これは教えるのは難しい。自分で体験すること

・利益を先に求めてはダメ。義を守れば、利益は後からついてくる

・ディズニーフィロソフィー:相手の気持ちになって考えてみることが、すべてのことをスムーズに解決する秘訣である

・江戸しぐさ、傘かしげ、こぶし浮かせ、など、相手を思いやる江戸の町の教え。人々は理屈ではなく、しぐさを見て、自ら身につける。説得ではなく納得

・目の前の仕事をしっかり行って、周囲からの信頼を得ること 

・自分を守ろうとして嘘をつくと、行動が狭まる。一度、嘘をつくと、取り繕おう、として、さらに嘘を重ねることになる。正直な対応が望まれる

・好奇心を持つと新しいことが簡単に入ってくる

・忙しいと周囲への対応がきつくなったり、おろそかになったりする。そんな時こそ、余裕、遊び心を持つ

・肩書きで仕事をしない。自分を出して仕事をする

・逆境、トラブルを乗り越えようとして、人は強くなる

・自分の哲学を持って、その通り生きる幸せ

・志をもって万事の源となす。何事をするにも志が大切

・書物を読んで、自分の考えをまとめ、自分の哲学を作ることが大切

・知・美の環境、感覚の世界、美・自然・文化 + もてなし、人と人のコミュニケーション、出会いや交流 → 喜び・幸福感

・どんなによいものでも人は飽きる。少しずつ変えていくことが大切

・理性+感性で行動して知恵が生まれる。その知恵を行動にフィードバックして、ポジティブなスパイラルを起こす

・心の安らぎ(安全) → 人と触れ合う喜び(礼儀、おもいやり) → 楽しさ・感動(ショー) → 幸福感の増大(効率) の順番でやる。効率化から入ってはダメ 


面白くて眠れなくなる数学 桜井 進
ゲーム理論入門 (日経文庫―経済学入門シ... 武藤 滋夫
東京ディズニーランド・マジカルホリデー ... ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント
東京ディズニーランド 15thアニバーサ... ブエナ・ビスタ・ホームエンターテイメント


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2012年01月16日

シリコンバレーでの起業体験から

政策研究大学院大学で行われる

知的財産マネジメント研究会(Smips) 

に参加します。本日の講師は日立を定年退職後シリコンバレーに渡り、起業し、スティーブ・ジョブスに企業売却した経験をもつ曽我弘氏です

若い時に、右も左もよくわからぬまま、渡米して、シリコンバレーへ、という話は、よく聞きますが、

曽我さんのように定年退職後にシリコンバレーへ、というお話はなかなか伺う機会がないので、楽しみです



・シリコンバレーのベンチャー発企業(HP、インテル、アップル、オラクル、グーグルなど)が世界を変える影響力を持っている

・起業家精神とそれを育てる生態系、オープンでポジティブな考え方、組織ではなく、個人でやっている、多様な人々、文化のるつぼ、決断のスピードが速い、つぶれてしまうのは仕方ない、次の機会にその教訓を活かす

・起業家と弁護士が同じ立場。法的知識だけでなく、起業に関するアドバイス、ネットワーキングも。報酬はストックオプションで、リスクは一緒に取り、会社が成長すれば法律事務所も儲かる

・ベンチャーキャピタルは日本よりも一桁扱う金額が大きい、すなわち投資のサイズが大きい。出資して、上場して、資金を回収するだけでなく、金、人材、戦略でサポート

・メンター:企業がゼロから立ち上がろうとする時、経験が少ない人にアドバイスを行い、大変有効に機能している

・ベンチャーは金を儲けて、出資者に分配し、自分も金持ちになる、というシナリオ

・意思決定のスピードが企業の生死を分ける、意思決定は会社、組織ではなく、個人の判断で行う

・起業は自分の夢を活かす最適手段、一攫千金を夢見ることは悪いことではない、リスクを取ってチャンスをつかめ

・人種、年齢、性別にこだわらない。大切なのはビジネスがうまく行くか?

・失敗したらまたやろう!失敗は勲章だ

・大企業はベンチャー企業に適当なポジションがない場合にチャンスを待つ場所

・タイミングを見計らうことが大切。早過ぎてもうまくいかない

・自分がやってみたいと思えば、大概できてしまう

・企業買収時の企業価値評価、難しい数式よりも、バナナの叩き売りのように2、3日の短期で決める

・投資家と起業家はお互いにお互いの顧客。対等な関係でお互いのニーズをしっかり理解する。起業家は投資家にとって利益を生み出す顧客。投資家は起業家にとってアイデアを買ってくれる顧客

・ビジネスプラン:会社を起業し、ビジネスを始める意義を考え、自分、社員、投資家に、「この事業は儲かる」ことを論理的に納得してもらう

・起業は技術先行ではなく、マーケット調査を先行し、それにあった商品開発を行う

・起業前に技術、マーケット、マネジメントのバランスのよいチームを作り、アドバイザー、メンターも用意しておく。優れたチームは会社の価値を高め、投資家を安心させる

・どこにニーズがあるのか?問題と解決策がペアになっていることが大切。製品が完成してから、どこへ売ろうか?ではダメ

・ビジネスモデル:誰のポケットから、いくら、いつ、どのようにお金が流れ込むか?明確にすること

・ベンチャーはある程度、お金を集めて、勢いをつけないとうまくいかない。しかし、お金は簡単には集まらない。断られた時にショックを受けない、図太さも必要

・優れた技術があるからと言って、必ずしもビジネスが成功する訳ではない。投資家はビジネス、マネジメントチームに投資する

・資金が小さいベンチャーでは、いろいろな製品の開発はうまく行かない。一点集中型で投資する

・シリコンバレーに行けば、資金調達がしやすく、成功率が高いと考え、シリコンバレーに行く日本人が多いが、必ずしもそうではなく、シリコンバレーにも失敗例がゴロゴロある。ただ、壁を超えると視界が良好



日立を定年退職後シリコンバレーに渡り、起業し、スティーブ・ジョブスに企業売却した経験をもつ曽我氏のお話は実体験に満ちており、大変参考になりました。






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2012年01月11日

クリエイティブなアイデアを生み出し、活かす知的生活

「知的生産の技術」から学ぶ生活スタイル

で梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」を紹介しましたが、

早速、蓄積、記録した情報を、探し、動かし、並べ換え、論理的に筋が通る順序に並べて、思想が定着させてみることにします。

自分の中で再構築する前のヒント集と言う感じでまとめてみます


・新しい思想や解決策を提示するときに、その対象となるプロダクトや事例がないと、机上で理想を語るだけになる。つまり、先に(というか思索と並行して)強度ある事例をつくらなきゃだめ。そして事例を作るにはスキルが必要。アイデア、プランだけでは人は動かない

・自分のアイデアを他者のアイデアと融合するには(アイデアを融合させることは創造性、イノベーションには不可欠)1.ランダムに2.関連がないテーマ3.問題4.言葉5.複数のアイデアを2つのコラムに分けて別々に6.極端なもの同士7.異なる才能を

・クリエーターのルール 1.言われた以上の事2.新しいこと 3.他人に教える4.仕事を遊びに、遊びを仕事に5.休みを取る6.他人が休んでいる時に仕事7.いつも創造する8.自分を刺激する9.あなたがすることを愛する、愛せなければ、止める

・幸運な人の4つの方法 1.機会に気づき、また、機会を創る2.直感を活用する3.将来に期待し、夢を実現する4.不運を幸運に変えてしまう

・ヨーロッパの上流社会の富豪。豪華ヨットのサロンでは男たちがフルボディの女たちを侍らせて、妖しい宴。大勢の群衆が羨ましそうに暗ら眺めている。この明白な格差こそヨーロッパ人のモチベーション

・野心的リーダーへの5つの決心(Bill George) 1.信頼できるメンターを、2.リーダーシップ発展グループを結成、3.ボランティアをする、4.新しい国で働くか、旅行する、5.答えられる以上の問題を持つ

・多忙人間の生産性秘訣(Bob Pozen HBS HBR2011best podcast) 1.他者と比較した、自分の優位な点を知る、2.費やす時間ではなく、生み出す結果

・共有価値の創造(Michael Porter HBS)ニーズ、チャレンジに取り組みつつ、経済価値と同時に社会的価値を創り出す

・機会、場を創り、活かすには、大量の情報収集、大量の情報発信が不可欠。量より質、と言う意見もあるが、ディジタル時代は大量が上質を創り上げる。またトレースできるように記録も欠かせない

・岡田斗司夫「なんとなく生きていける社会」一つのところに縛られて、一つの仕事にしかできなくて、定年まで働かなくてはならない世界から、ようやく抜け出せた。目的の為に頑張ってたら燃え尽きちゃう。自分の人生を目的から開放してあげる

・自分の限界を突破するプロセス:「自信」は自分の支えになる。挑んでいく未来は、知らない、未経験の世界なわけだから「自信」が支えではなく、自分を制限してしまう「限界」になってしまう。発想の起点を変え、目的から自分がやるべきことを組み立てていく

・人は欠点に気づいたならば、即座にそれを改めなくてはならない。改める行為そのものが、人間にとって価値ある正しいことなのだ。(『ガンディー 魂の言葉』)

・運命はわたしたちがつくるものである。いまからでも遅くない。いまをどう生きるかで、未来が決まる。(『ガンディー 魂の言葉』)

・石井 裕(MIT メディアラボ副所長) サイエンスとエンジニアリングにとって、スピードとか生産性だけを重視するんじゃなくて、豊かなもっと感動を呼ぶ生活を作るためには、デザインとアートはとても大事

・イノベーションは起こそうと思って起きるものではない。ニーズに答えて行動していくうちに、イノベーションが起こる

・日常的に起こる小さなイノベーションの積み重ねが大切

・指示に基づくものではない、自分の判断によるものは実は難しい

・「幸福」が求めるのは「持続」「希望」は状態を今よりも良くしたいという「変革」を求めるもの。幸福を感じつつ、一方で希望を抱く状態がいいかも

・ネタに大切な5要素。・独創性 (Originality) ・情熱 (Passion) ・苦労 (Pains) ・技巧 (Art) ・面白さ (Interest) これらをまとめて『OPPAI』

・「どこででも寝られる、熟睡できる」って選手として大事な要素だよね。結局「寝られないような繊細なやつ」はいざって時に使える選手ではない。世界の舞台で活躍するのは図太いやつ

・思考とは閃きであり、必ず飛躍する。論理とはそれを再構成し人に説明するためのコミュニケーション能力。閃きを得るためには絶えずチューニングして過敏な楽器のような状態で耳を澄ますこと

・「なかなか」と言い訳ばかりで真実をまっすぐ見つめられずに逃げた人は、人生に成功しない。人生は真実を直視することから始まる。タテマエばかりでは本当のコミュニケーションは生まれず、孤独なまま。ホンネでいかないと、これからの社会はうまくいかない

・「傾く(かぶく)」とは、常識にとらわれない自由な生き方。人と違うスタイルを恐れない勇気であり、一瞬ごとに自分の命を賭ける覚悟

・恋愛は努力するものではなく、落ちるもの。間違えてすることです(高橋 秀実・作 家)

・我慢した先に良い事が待っている、とは決して言いがたい状況。「好きな事をやるのが良い」社会に

・人間が学び知るのは,情報を収集し脳に知識を溜め込むことではない。モノ,人,コトの中で世界に我が身を放り込んだりして,どういう事態が起こっていくかを全身で実感しながら納得する。これが学ぶことであり,知ること。学びにおけるインターラクション

・「1週間感じたことをエッセイに書く → 授業に持っていく → 学生の相互コメントから授業スタート」さずが素晴らしい習慣

・決断に正解はなく、自らの決断を常に良いものにしていこうとする努力の過程がある(落合博満)

・答えよりも問いのほうが遙かに重要なので、すぐに相手に答えを教えて相手の中の問いを塞いでしまわないように。問い続けること

・他人の評価軸に乗っかるのは楽ですが、大抵その軸にガッカリするので、何が大切かは自分で決めたほうがいい

・プロセスと結果、見方によるけど、両方とも大切。受験勉強では、1点差で落ちても、志望校に合格しなければ意味がないが、一方で、勉強したことは、志望校合格以外のことでも役に立つ

・幸せになるためには、ある意味、逆説的ではあるが、自分の中にあるネガティブな感情を、あるがままに認めること

・成功した人に共通すること:ハードワーク、堅い決意、メンターからのアドバイス、家族・友人の協力、それに加えて、恵まれない人々を助けること

・その場があなたに見合った場だから、そこから這い上がらなきゃだめ。その場に安住するのではなく、脱出しなければ変われない

・突然、カミナリに打たれたように音楽やアートに魅了されて、その道を志す、というく話、それまで経験してきたありとあらゆることが、蓄積されて、ある日、何かの引き金によって呼び覚まされる、花粉症みたいな現象。蓄積があって、最後の一押しのカミナリ

・頭の中の空間に配置することだけで、忘れられないことに変わる。創造は、異なるイメージを結びつけて新しいものを作り、未来に向けて発信。創造は未来の記憶

・この人間は優秀であるという名声が広がって、きちんとした対価をいただいて、次の仕事をもらうという仕組みを作るのがプロ。いつ来るか分からない15分のために常に準備をしているのがプロ

・「楽しい仕事」って、仕事が楽しいだけ、ではなくて、一緒にいる仕事仲間や、やってくるお客さんとのやり取りが楽しいという意味を含んでいる。仕事とは、仕事をする環境も含めてのもの

・科学の目的は化け物を捜し出す事。 この世界がいかに多くの化け物によって満たされているかを教える事。教育者自身が常にこの不思議を体験している事が必要である。既得の知識を繰り返して受け売りするだけでは不十分(寺田寅彦)

・内輪だけ動いているうちは何も起こらない。内輪が仕掛けて、周りが動き出すと、何かが変わり出す

・絶望の国の不幸な40代:将来が不安ならば、社会を変えたければ、若者に頼らず自分たちでやれ。若者論は若者に任せて、わたしたちはもっとわたしたち自身のことを考えるべきではないか

・社畜論で個人を歯車に例えることが多いが、調和して動く歯車はそれがないと全体が動かないが、外れて空回りする歯車は不要、さらに全体の動いを乱す歯車は害悪。まず自分がどの状態か、見極めること。なお、あまりの高回転で周囲が着いて行けず、スピンアウトする歯車もある。成功例も失敗例もあるが

・自分が凄いスピードで変わっている時期は、楽しいけど孤独。自分が変わらず足場を固めている時期は、楽しくはないけれど、共感に溢れている。これらは周期で巡ってきて、どちらも希望や絶望に溢れている。退屈で希望や絶望の無い日々は無為であるが故に避けねばならない

・アートとサイエンス:アートと科学は、好奇心、発見に導かれ、人類への表現という点で類似性。アートは身体と心を通して、エゴ、矛盾、人生の乱雑を表現するのに対し、科学は調査、実験により、数式により表現される

・先行研究を収集、濫読して、自分で再構築して仮説を導き出すのが研究の第一歩

・必要とされないと鈍る。そんな当たり前のことが、時代によるデザインのクオリティの差を生んでいる。ニーズがないと、自己満足のみ

・デザインに明確な課題がある時代のものは美しいね

・自分が受けた教育の適切さを、自分自身が愉快に、気分よく人生を送ったという事実によって遡及的に証明すること、それが「卒後教育」というダイナミックなプロセス。「卒後教育」の主体は本人である。「自己教育」である

・サラリーマンを楽しむコツはいつ首になってもいいと思うこと。恋愛を楽しむコツはなるにようにしかならないことを自覚すること。そして自分でコントロールできるほんのわずかなことを真摯にがんばるのが長い人生を楽しむコツ

・限られた時間の中で、とっさの判断や意識決定を求められた場合、情報を十分に精査する余裕はなく、「直感」が大切。ただ、「直感」とは、ブラックボックスではなく、時間をかければ、言葉でしっかり説明できる

・本当の孤独とは、一人で自分と向き合うこと

・「何の役に立つのかわからないけれど、どうしてもやりたい」ことをみつける。「努力したけれど報われなかった」は口にしないで済む

・精神的なスランプからは、なかなか抜け出すことができない。根本的な原因は、食事や睡眠のような基本的なことにあるのに、それ以外のところから原因を探してしまうんだ。 (落合博満)

・MITを卒業するのに失敗する人は、入学して、経験したなによりも難しい問題に遭遇し、助けを求める方法も問題と格闘する方法も知らないために燃え尽きてしまう

・基本的に目に見えるかたちで社会に対してアートができることはない。アートはアート自体が目的なのでそれだけでいい。アートは多くのひとにわかってもらえるものだとは思うけど、多くのひとに必要とされるものではない

・困難な時代? いいえ、新しい時代です。ジュラ紀の恐竜たちが言いました。「君たちの時代は寒くて大変だね」氷河期のマンモスが答えます。「あなたたちの時代は暑くて大変でしたね」

・「初恋」と人は言うけれど、今までに一度も経験したことのないその感情を、人はどうして恋と知るのだろう。つまり、初恋とは後から振り返って気づくもの

・人間は自由を奪われて拘束されると、妄想力や欲望力が増して、本当に自分がやりたかったことに気づける。なのに拘束が終わった直後、たくさん思いついていた「やりたいこと」を完全に忘れてしまう

・「間」の取り方って、とっても大切。「間」に考えを共有する。これによって、聴衆の理解が全く違ってくる

・世界を変える人たちからの5つのレッスン(John Coleman)1.目的をもって始める、2.始めるのに遅すぎることはない、3.アドバイスを求める、4.専門家であれ、5.小さく始めよ




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2012年01月06日

研究テーマの選び方はライフステージにより異なる?

研究者にとって、研究テーマの選定は重要なのは言うまでもありません。

やりたいテーマ、好きなテーマ、であればよいのですが、理工系の場合には、研究室に配属になった時点で、卒業する先輩のテーマを引き継がなければならない、先生から委託研究テーマを割り振られた、など、自分ではテーマを選べないことも珍しくありません

人文科学系、社会科学系の方がテーマ選定の自由度は大きいのですが、では、どこにオリジナリティー、新規性を求め、実際にどう研究を進めるか?は、難しかったりします

社会人大学院性で、会社の仕事とは違うテーマを研究したくて大学院に入学したのに、論文として仕上げるために、結局会社の仕事関連のテーマにせざるを得ない、なんて例も少なくありません

「優れた研究テーマ」はどう選ぶべき?

というサイトを見つけたのですが、参考になると思いますので、紹介します

「優れたテーマ選びは、人材育成の一環である」

「優れたテーマ」の評価軸とは?

1.実行可能性(Feasibility)

・テーマが難しいか簡単か、言い換えれば完了までに要する時間が長いか短いか。
・取り組む研究者の能力とラボの技術蓄積に依存するパラメータ。
・紙の上では簡単でも、実際やってみると難しいテーマは無数にある

2.知的興味と重要度(Interest)

・プロジェクトの完遂によって得られる知の増分
・主観的な興味も絡む
・既知事項からどれだけ遠くにある知識を得られたか、によってある程度測れる

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ほとんどのテーマは「簡単だが重要度の低い(第4象限)」または「解決困難でしかも重要度の低い(第3象限)」テーマに分類されます。数は少なくなりますが「達成困難でかつ実りの多い(第2象限)」テーマも存在しています。しかし「実行可能であるが実りの多い(第1象限)」テーマというのは、ごく稀にしか存在していません。

「研究者人生のステージによって選ぶべきテーマ種は異なる」

大学院生は、まとまった研究期間が与えられる一方で、研究者としては未熟です。このためポジティブ・フィードバックが迅速に得られ、自信を持てる研究テーマこそが有効です。「簡単だが重要度の低い」テーマから始めるのが適当です

博士研究員(ポスドク)は使える時間が短いにもかかわらず、ポジション獲得のため結果を出さねばならないという切実さがあります。できる限り「実行可能でありつつ実りの多い」テーマを追求することが必要です

駆け出しの独立研究者(PI)は、自らのオリジナリティと存在意義をを示すために、数年単位のテーマを選ぶ必要に迫られます。加えて、何人もの学生を訓練しなくてはなりません。ゆえに、小課題に分割可能な「達成困難でかつ実りの多い」テーマ(Grand Challenge)を追求するのが適切です

ありがちな誤り「最初に思いついたアイデアをテーマとして設定してしまうこと」

新入りの学生とポスドクには"3-months rule"「加入後3ヶ月が経つまで問題解決を開始してはいけない」というルール。その3ヶ月間は「とにかく仕事を始めたくなってしまう」誘惑に惑わされず、論文を読みこみ、他メンバーとのディスカッションや計画立案をすることに使え、というわけ

問題の重要性は、

1. 周りが考えている重要性
2. 自分の内なる声、理屈抜きの興味

「内なる声に耳を傾けることが、よりよい科学の実現に寄与する」毎日が単純労働であっても長期的なモチベーションを保つことができる。

インパクトをもたらしうる「重要度の高いテーマ」とは逆説的ながら、「自分自身の世界観を色濃く反映させたテーマ」。現実的な表現で言い換えれば「他人には解けないけれども、自分には解ける重要な問題を選定する」こそが肝要

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「研究過程の紆余曲折こそが成長を促す」

「問題Aからはじめて解答Bを最短経路で目指すこと」が理想的とする見方がある一方、現実には、ほとんどのプロジェクトは、紆余曲折を得てゴールに辿り着くものばかり

横道に逸れることを許さない姿勢を強要してしまうと、激しく落ち込んだり、モチベーションを失ってしまうことになりがちです。

しかし気楽に諦めず取り組んでいれば、いずれは新たな解答Cが見つかることもあります。仮にこれがBよりも重要で、また到達可能なものならば、Cを目指すようにすればそれでOKなのです。「より魅力的なCに至るには、現実的な迂回を誰しも必要とする」という視点こそが重要です。ほとんどの場合、最初からCは見えていません。

未知の領域に繰り返し取り組むことで、学生たちは自信をつけ、挑戦する気概を徐々に獲得していきます。その過程で予想外のことを見つけ出すには、広い視野と精神的な余裕も必要になるのです




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2012年01月02日

「アウトカム・ゴール(結果目標)」と「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」

「TAK」さんは今年の目標を作っている真っ最中です

ここで、混同してはいけないのが、「アウトカム・ゴール(結果目標)」と「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」です

結果目標:東大に合格する

遂行目標:1日最低でも10時間以上勉強する

のように、「結果目標を達成するために、自分が管理できる遂行目標を設定する」

ことになります。

これだけではわかりにくいので、具体的に書いた

「アウトカム・ゴール(結果目標)」と「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」の組み合わせ

を再掲します。


あなたの今年の目標は何ですか?

高校2年生であれば、「東大に合格」、大学のスポーツ選手であれば、「インカレ出場」、など、いろいろな大目標があるか、と思います。

まず、大きな目標を設定します。これでゴール、道筋は設定されます。

ただ、これだけでは、うまくいきません。

どこから手をつけたらいいのか?こんなことが本当にできるのか?

そして、気が付けば1年も終わりに近づき、何もできなかった、やっぱりこんな大きな目標は難しかったな、でも、自分なりに頑張ったし、まあ、いいか、なんてことになってしまいます。

途中のステップ目標を設定すると、ぐっと目標が身近になり、フィードバック、軌道修正ができるようになります。

「東大に合格」するためには、まず「夏の模擬試験では合格圏突入」、さらに「秋の模擬試験では合格」

「インカレ出場」するためには、まず「レギュラー選手になる」、さらに「夏の関東選手権出場、ベスト16以上」

など、設定します。


ただ、まだこれだけでは不十分です。「東大に合格」、「インカレ出場」は「アウトカム・ゴール(結果目標)」です。これらは、目指すゴールなのですが、あなたにはコントロール、管理できません。

そこで、「アウトカム・ゴール(結果目標)」をあなたがコントロール、管理できる「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」に変換していきます。

「東大に合格」するためには、「最低1日10時間以上勉強して、インターネット・ゲームは1時間以内に抑える。例外はない。」

「インカレ出場」するためには、「最低1日3時間以上の体力トレーニング、15分以上のメンタル・トレーニング」

など、自分でコントロール、管理できるものに変換します。


どうですか?ずっと具体的になったでしょう?

「東大に合格」、「インカレ出場」という目標だけでは、どこから手をつけたらいいのか?わからず、コントロール、管理できなかったものが、日々の積み重ねで達成できるようになりました。

但し、注意が必要です。「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」(「1日10時間以上勉強する」「1日3時間以上の体力トレーニングする」)だけでは、何のためにやっているのか?わからなくなってしまいます。

必ず、「アウトカム・ゴール(結果目標)」があることが前提です。


将来の夢、目標は大きく持ちましょう!

その大きな目標をスケジュールにあわせてステップ毎の目標に設定し直し、さらに、コントロール、管理可能な日々の「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」にすることが成功への秘訣です。


では作ったばかりの「TAK」さんの「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」を紹介します



●活動、思考の記録化

人は日々、思考、活動をしています。それによる人との出会いもあります。

ただ、これらは放っておくと、忘れて消えていきます

残して跡をたどるには、必ずメモなど記録を取っておくことです

実は昨年の振り返りを記憶に基づいて行っていたのですが、内容が浅くて表面的でした。

「TAK」さんは活動、思考および出会った人々ををA面ブログ「リーダーのためのキャリアデザインカフェ」、B面ブログ「創造とコミュニケーションの実践」
に記録しておりますので、その記録に基づいて、再度、昨年の振り返りを行ってみました

すると、記憶によるものとは全く異なる、深い内容のものになりました

具体的には、準備したことがどこで活きたか?あるイベントで出会った人のおかげで行うことができた活動、などが、明確になりました

大いなる意気込みで準備したものが十分な結果を生まなかったり、何気なく参加したイベントで出会った人のおかげで成果を出す活動につながったり


●直感など感覚の言語化

上にも関係することですが、講演、セミナーなどは文字にしやすいのですが、

直感、感覚などは文字にはしにくいものです。

ただ、これも「あの時感じた直感」で終らせてしまうと、後からたどることは難しくなります

とにかく、文字、写真などの形で記録に残し、跡からたどれるようにしないと、せっかくの素晴らしい直感が一瞬で終ってしまいます


●情報の大量・高速発信、量が質を生む

twitter、facebookなどで個人が情報発信できる時代になりました。

逆に言えば、情報発信しない人は「いないのと同じ」ことになります

大量に情報収集、情報発信を行うことにより、機会、場を創り、活かすことができるようになります

また、量より質、と言う意見もあるが、ディジタル時代は大量が上質を創り上げます。まずは量をこなすことです


●とにかく始めること、動くこと、臨機応変の対応を

激動をチャンスに、100年に一度の激動の時代といわれる時代です。その激動の波に流されることなく、それをチャンスと捉えたいものです。

激動の時代には、周到な計画を立てようとしても、計画を作っているうちに状況が変化します

それゆえ、周到な計画を立てることに時間をかけるよりも、暫定でも計画をつくったら、とにかく活動を始めることが大切です

そして、活動しながら、その結果に応じて、計画を修正していく方が現実的です

ただし、無計画の行き当たりばったりはダメです。これではフィードバックのしようもありません

状況は変化、推移していきますので、予め決めた方法に固執するよりも、臨機応変の対応が望まれます

昨年は大震災に見舞われましたが、想定を超える災害からの避難では、指定された避難場所が被災し、臨機応変な対応をした人が生き延びたことが知られています

未知のことを行うのですから、とにかく臨機応変の対応になります

「チーズはどこへ消えた?」という本がありました。

迷路のなかに住む、チーズを求め、食べる2匹のネズミと2人の小人。

ある日、チーズが消えた!ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していく。

ところが小人たちは、チーズが戻って来るかも知れないと無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かすばかり。

あなた、小人になっていませんか?


●チャレンジの基本は安定

なんか、激動をチャンスにと、上で書いてあることと矛盾していませんか?

シリコンバレーの友人の年賀メールにありました。

アメリカでベンチャーにチャレンジできるのは、失敗したって研究者に戻れるから

1000万ドルのベンチャーに失敗したなら、スタンフォード大の10万ドルの研究者に戻ればいい

日本でチャレンジというと、すべてを投げうって、背水の陣で、というイメージがありますが、安定していればこそ、安心してチャレンジできます


●つながりを立体的、面的に

人と人とのつながり、が大切なのは言うまでもありません。

今までは、このつながりが点と点、線と線、のつながりでした。

ところが、上に書いた「TAK」さん自身の活動記録を見ると、ネットワークとネットワークが、立体的、面的に結びついたり、離れたり、が起こるようになりました。

すなわちネットワーク、つながりが静的なものではなく、動的、アクティブなものになっている、と感じます。

これを是非活用したいものです。

ただし、それぞれのコミュニティーの「内輪化」の排除をしなければなりません。

●とにかく結果を出す

結果だけではなく、プロセスも重要です。しかし、結果が出ないとモティベーションは上がりません。

周囲を巻き込むには、とにかく結果を出すこと、が大切です

これまで、「種まき」中心でしたが、今年は種まきをしつつ、結果を出す、そんな年にしたいです。





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