2012年10月

2012年10月30日

MOT大会 特別講演・MOT講義に参加しました

10/20(土)21(日)MOT大会 特別講演・MOT講義@田町キャンパス・イノベーションセンター

を紹介しながら、参加記録を書いておりません

実は2日間の日程のうち、日曜日の2セッションしか参加しなかったので、参加記録を書こうか、どうか、迷っていました

MOTのイベントで難しいのは、各大学とも土曜日が、単位が大量に稼げるメインな日のため、授業が盛りだくさん、それゆえ、土曜日のイベントは現役MOT学生は参加が難しい。さりとて、日曜日は家庭の用事もやらなければ、となります。

121030MOT


会場は、後ろの方は、空席で、中高年の男性が目立つ、少しさびしい雰囲気です

IT分野ではスマートフォーン、ライフログなど、バイオ分野ではiPS細胞など、技術は急激な進歩を遂げています

一方、世界をみると、アジア新興国の勢いは変わらないものの、国際標準化でリードしていたヨーロッパが、統一通貨ユーロでつまずき、深刻な経済危機です

一方、MOT(技術経営)は、と言うと、進歩する技術、変化する社会になかなか追いつけていない、と言うか、急速に進歩する技術、変化する社会を模様眺め、状態かな、という気がします

今日の講演の内容も

MOT(技術経営大学院)でキャリアアップ?資格よりも即戦力

MOT(技術経営)のカリキュラムとは?

で書いた内容から、それほどの進歩も感じられないようです

逆に言えば、単なる技術だけでなく、それをマーケティング、ファイナンス、知的財産を活用して、ビジネスに結び付けるMOT(技術経営)が定着してきた、とも言えます

「MOT専門職大学院において学ぶ全ての学生が習得すべきと考えられる内容」「MOT専門職大学院修了生の到達度の保証を目指した今後の取組みの基盤」として、MOTコアカリキュラム

は3年前のものですが、陳腐化することなく、今も活用できそうです

しばらく、見守っていくこととします





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2012年10月23日

Scienceで昨日を知り、Engineeringで明日を創る

大岡山蔵前ゼミ

とは、東工大のOBと学生が一同に会して情報を交換する場です。

Scienceで昨日を知り、Engineeringで明日を創る -産学官のプロを経験して-

というNTTから会津大学、文部科学省宇宙開発委員会 委員長と産学官それぞれの立場を経験された池上徹彦氏のお話を伺う機会があったので、参加します

121023東工大


16時45分からという開始時間のせいか、会場には学生さんと、引退されたOBの方が目につきます。

こういった話は20代後半〜30代に一番刺さるのですが、その年代の卒業生は、残念ながら、この時間帯には来れません

男子率が異様に高く、女子率が極端に低い(1〜2%)のも、東工大の特徴でしょうか?

では、早速出た話をまとめます


・生物は単独では生きられない。集団を作ることで生き延びる

・エンジニアは成熟、飽和した技術の中では能力が伸びない。新しいチャレンジが必要

・産業界は、他人のお金を知恵で増やして返す。利益という、共有された評価軸があるので、わかりやすく、競争が可能。市場があればOK

・日銭稼ぎと景気循環のパターンから抜け出させるのがイノベーション

・生き延びるには健康体であることに加え、変化が不可欠

・経営者は利益をあげることに加えて、従業員、コミュニティーへの貢献がなければダメ 

・イギリスの大学、授業料の上限を撤廃したところ、活性化して、留学生が増えた

・欧米の大学教員、教育第一で、効果的な教育方法で研究の時間をつくる。日本は、研究第一で、授業は義務。優秀な人材を増やすことが資産増大で、研究の推進にもつながるのに

・日本の大学教員は論文数で評価されるため、工学部ですら、論文投稿で終わり、ビジネス化などは検討されない

・好きな研究だけやりたい研究者は敬遠される

・優秀な人材があまり進学しなかった金属学科出身者が、結構活躍している。頭の中で考えるだけでなく、実際に手を動かす学問分野の大切さを示している

・外交関係など、周囲の国々、人々との関係で、「一人勝ち」は危険。win-winの関係を構築できないと、究極には負ける

・外交は個人の信頼関係をベースに、継続+忍耐+寛容

・少数派を経験しておくことが、中長期的に重要

・付き合いの基本、相手の目の中を見続けること

・海外経験は挑戦、努力、自己責任、多様なコミュニティーを身につける機会

・英語は知識と議論を深める、世界共通の便利なツール

・プロフェッショナル(圧倒的に優れたスキルを持つ)を目指す

・トップのなる人は、苦労した暗黒時代の経験が生きている

・自分のスキルアップと並行して、複数のキャリアの経験を積む


これらの言葉が果たして若い学生さんたちに「刺さる」だろうか?

勇敢にも手を上げて質問した彼らの質問ですが、表面的な感じをぬぐい得ません。

もちろん、この時期にこういった話を聞く機会がないよりも、あった方がずっといいのですが

今後このゼミがどう発展していくのか?楽しみです




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2012年10月22日

お金を使わない新しい経済学〜暮らしに役立つ「マッチングの仕組み〜

東大ホームカミングデイ

では、教授陣の「熱中講義」がありました


大学を卒業しても、学びたい。

いま大学の講義を聞けば、あの頃よりも得るものが多いかも。

そんな卒業生の「学び直し」のニーズに応えるべくはじまった、この「熱中講義」。


今年の熱中授業は、政策研究大学院大学の安田洋祐先生による

お金を使わない新しい経済学〜暮らしに役立つマッチングの仕組み〜

121022安田2


本年度のノーベル経済学賞「安定配分の理論とマーケットデザインの実践に関する功績」を称えて,ハーバード大学のアルヴィン・ロス教授とUCLAのロイド・シャプレー名誉教授に授与された、というグッドタイミングのせいでしょうか?会場の教室は超満員で椅子を増設するほどです

マーケットデザインについては、安田先生の

市場を創る:マーケット・デザイン入門

がわかりやすいので、そこから抜粋します


市場は、一方では、どんなに困難な環境でも自生的に発生し、政府に抑圧されてもすぐに復帰する「立ち直りが早い」組織である。

しかし、他方では、市場がその潜在力をフルに発揮するためには、「ルール、慣習、制度による支えが必要」なのであり、とりわけ現代経済における複雑な取引を支えるための洗練された市場は、財産権保有などの面で政府の助けがなければ、十全な機能を発揮することができない。

ここにこそ制度設計のための経済学の役割があるというのである。


121022安田1


・従来の経済学のイメージ:お金、市場、景気、経済成長、神の見えざる手、自由放任、数字がたくさん、机上の空論、現実の役に立たない

・新しい経済学:お金や市場とは関係のない社会・経済現象も分析、自由放任がベストとは限らない、制度設計が必要、学者が考えた制度が現実に応用されつつある

・伝統的な経済学:需要と供給による分析、完全競争市場での個人の最適化行動に基づく需給分析。現実には完全市場は少なく、市場を介さない経済行動も多い

・自然科学:物事が一定の自然法則に従って見える→数理分析可能、社会科学:各人が勝って気ままに行動し、一見すると法則がない→数理分析不能に見えるが、実は可能

・経済学のアプローチ:制度的知識(事実をじっくり調べる)、経済理論(現象の背後にある法則を探す)、経済(学)の法則、各人は自分にとって得になるように「インセンティブにしたがって」行動する




経済を論じる時、市場があることが前提で、市場での需要と供給のバランスで考えるのですが、多くの経済行動を含む社会活動が、市場以外のところで行われます。

例えば、企業、学校など組織内あるいは、組織間の活動も、必ずしも市場を介さないものが少なくありません

この市場を介さない活動を考える特に有効になるのが「ゲームの理論」です


・フォン・ノイマン(1944)社会の問題を分析する「ゲームの理論」:社会現象をプレーヤー、戦略、利得で表現される「ゲーム」に定式化

・ジョン・ナッシュ(1950)ナッシュ均衡:誰も自分だけ行動を変えようとするインセンティブがない(参加者がお互いに最適化を行っている)一般的な条件化で解が存在する

ナッシュ均衡とは、

「ナッシュ均衡」ってなに?

によると、


「相手プレーヤー達の戦略が変わらない時に、自分一人だけ戦略を変えても利得が増えないような戦略の組み合わせ」。

要するに「自分だけ戦略をいじっても得できない」状態がナッシュ均衡なわけです。

逆に言うと、もしもゲームのプレーがナッシュ均衡でないならば、少なくとも一人は戦略を変化させて得をするプレーヤーがいることになります。


・マーケットデザイン(制度設計)ミクロ経済理論で得られた知見をいかして、現実の市場や制度を修正・設計する、理論だけでなく、実験やシミュレーションを通じて事前に実用性の検証を行う

・マーケットデザインの成功に欠かせない3つの要素:参加者の厚み(誰も参加しなければ意味がない)、混雑解消(多くの人の参加を可能に)、安全かつ単純

・様々なマッチング:1対1 結婚、1対多 労働市場、入学試験 、多対多 卸売りと小売


このようにマッチングは、人間生活の様々な分野で日常的に欠かせない事項です。

実際に「周波数オークション」「国債の販売方法」「Google アドワーズ」「研修医マッチング」「臓器交換メカニズム」「公立学校選択制」などに活用されています



・安定マッチング理論:ゲイル=シャープレー・メカニズム、より望ましい相手が残っている可能性ゼロ、自分がマッチできる可能性がある相手の中で最適なパートナー 

・交換問題、トップ・トレーディング・サイクル・メカニズム、自分が手に入れることができる中で最高の商品をもらうことができる


ゲイル=シャープレー・メカニズムのシャープレーは今年度のノーベル経済学賞を受賞しましたが、ゲイルは残念ながらもう亡くなっています

ゲイル=シャープレー・メカニズムは実例で示さないとわかりづらい、と思います

上述の発表用スライドでは、男女3×3の合コンで、できるだけお互いに好みの相手同士とマッチングさせる手法が以下のように説明されています


安定マッチングの求め方

(男性側提案の)GSメカニズム

1. すべての参加者が好み(ランキング)を提出

2. 次の作業をマッチメイカーが機械的に行う

. 各男性が第一希望の女性に一斉にアタック

. 複数の男性からアタックされた女性は、その中でベストの男性を「キープ」(仮マッチ)して後はリジェクト

. リジェクトされた男性が第二希望の女性にアタック

. 女性は毎回ベストな男性をキープ、残りをリジェクト

. リジェクトされる男性がいなくなるまで作業を続ける

3. ストップした段階でマッチング結果が確定!


大昔、フィーリングカップル5対5

という番組があり、ルールは「男女5人づつが相手を選んで、相手も自分を選んでいたらカップル誕生」というものでした。

フィーリングカップル5vs5

にあるように、このルールでは、


・フィーリングカップル5対5でカップルができない確率は28%、1組できる確率は47%、2組できる確率は21%、3組できる確率は0.1%、全員カップルになる確率は0.001%



です。

このルールでは第一希望しか、取り入れられませんが、実際のカップリングでは、第一希望から第三希望、とか、第一希望と第二希望でほとんど差がない、どちらか、なんていう方が現実的です。

これを取り入れられるのが、ゲイル=シャープレー・メカニズムです。

役に立つマッチングの理論『ゲイル=シャープレー・メカニズム』の使い方

を見て頂けば、と思います

ただし、プレーヤーは、

・すべての選択肢を理解して、優先順位を決めている訳ではない

・自分の優先順位をわかっていないことも多い

など、まだまだ課題がありそうです

それにしても、実用的な熱中授業でした




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2012年10月18日

イノベーションカレッジ「ES/iPS細胞による産業イノベーション」に参加しました

アキバイノベーションカレッジオープンセミナー「ES/iPS細胞による産業イノベーション-日本の現状、課題と展望-」

という案内が来ました

山中伸弥京都大教授が今年のノーベル生理学・医学賞を受賞する中で、極めてホットなテーマで早速参加することにしました

まず、講演の内容を書く前に、

ES細胞(Embryonic Stem Cell)

iPS細胞(induced Pluripotent Stem Cell)

の違いを示します。実は多くの人が混同しているのでは、と思います

詳しくは、

iPS細胞とES細胞の関係


ES細胞はヒトの受精卵が分裂し、分化を繰り返して胎児と呼ばれる状態になるまでの間の胚(胚盤胞)の内側にある細胞を取り出して、特別な条件下で培養した細胞のことをいいます。

他人の受精卵から取り出したES細胞を用いて作製した組織や臓器を患者に移植することになるため、拒絶反応や生命倫理の問題が高い障壁となり、ES細胞研究は政治、宗教を巻き込んだ社会問題へと発展していきました。

121018ES


iPS細胞は成長途中の胚から細胞を取り出すのではなく、初期化に必要な4つの遺伝子をすでに分化した皮膚などの体細胞に入れて人工的に作り出すことができるため、ES細胞のように受精卵を利用することがありません。

また、初期化する細胞は患者自身の細胞に由来するため、iPS細胞を元に作った臓器を患者に移植しても、免疫系はその臓器を自己と認識し移植が拒絶されることは少ないと考えられます。

121018ips




を見ていただくとして、簡単に言うと、両者とも、

・何の細胞にでもなれる

・無限に増殖は

同じなのですが、

・iPS細胞は受精細胞ではなく、一度分化して人の身体になった皮膚などから戻せる点が異なります

それゆえ、受精細胞でなくてよい、患者本人の細胞が利用可能、なところがポイントです

121018ESIPS比較


さて、産業イノベーションの話です。

講師の仙石慎太郎京都大学准教授と妹尾堅一郎先生のやり取りが興味深いものがあります

121018アキバ


・戦闘で勝ち、戦争で負ける、にならないように

・研究には学際(interdisciplinary)、国際(international)、産学官(industiral)の3つの連携が不可欠

・iPS細胞技術の産業イノベーションの出口は、再生医療だけでなく、研究試薬・機器、病理研究・創薬支援、テーラーメイド医療と多様

・再生医療には15〜25年かかると予想され、短期間で回収するベンチャーキャピタルの投資は難しい

・全分野の論文数の伸び、年4.4%、幹細胞の論文数の伸び、年12.1%の急成長。アメリカが圧倒的、次が中国

・論文の著者、共著者の量とネットワークを調べることにより、そのテーマがどのように研究されているのかがわかる

・研究環境自体が欧米の仕組み(実験設備、計測装置は欧米製、先行論文、レファレンスの手法が欧米)の中で行わざるを得ない

・細胞自体の優劣よりも、、その細胞を使ったデータ、再現性、などの付帯情報に価値が出てくる

・モノがあると強い。モノを持っていない、何年後に、では、相手にされない

・iPS細胞研究は再生医療だけでなく、幹細胞科学、生体組織工学も。医学だけでなく、科学、工学も大切

・ウィスコンシン大学がES細胞をタダで提供。データがすべてフィードバックされる、手法を標準化できるメリットを狙っている

・研究では論文が先行するが、その先行論文が技術ガイダンスとなり、技術的なキャッチアップを促進する

・技術の3つのアイの段階。Imitation(模倣)、Improvement(改善)、Innovation(革新)

・KIOSK型(問題と解決策がわかっている)、化粧品型(顧客が抱える問題にプロが答える)、人生相談型(顧客は自分が抱える問題がわかっていない)



iPS細胞が今後大きなビジネスになることは間違いないでしょう。

ただ、どの分野でどのような形でビジネスになるのか?ライセンス、標準化、ビジネススキームはどうなるのか?今後が楽しみです




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2012年10月16日

東工大プロジェクトマネージング&MOT(技術経営)勉強会に参加しました

東工大では

東京工業大学プロジェクトマネージングコース

というグローバルCOEプログラムがあり、企業関係者を招きつつ、グループワークが行われていたのですが、昨年度で終了しました

ただ、修了生から「定期的に勉強したい」というニーズがあり、

PMNetwork秋の勉強会(第1回)

という案内が来ました

修了生から「定期的に勉強したい」というニーズはMOT、MBAでも同様にあり、東工大MOT関係者も参加することになりました

今日のテーマが技術リッチなものではなく、『ユーロ危機における国の破綻と我々の生活への影響の一考察』というのが、MOTの懐の広さを示しています。

121016東工大


東工大MOT(技術経営)卒業生・在校生交流会に行ってきました


に書いたのですが、


MBA、MOTでは卒業生、在校生、先生を含めたネットワークが大切です。欧米のビジネススクールではこのネットワーク形成を非常に重視しているのですが、東工大MOTは、もう一歩、の感があります

東工大MOT(技術経営)は2005年よりコースを開設しました

当初は、募集定員に応募者が満たず、それでも、コースについていけないと想定される数名を落とす、という、何とも情けないスタートでした

今では、入学選考は約3倍の倍率となかなかの難関、学生は年に1回、社会人は2回、入試がありますが、2回、3回受ける人も珍しくありません

その結果、めでたく参加できる人もいれば、残念ながら、そうでない人もいます

そういう意味では、このコースに参加できること自体、幸せなことなのでしょう

東工大MOT(技術経営)の特徴は、学生、社会人、留学生より構成される、ということでしょうか?

「TAK」さんは、以前は、慶應丸の内キャンパス、グロービスなどのMOT(技術経営)コースに参加したことがあります

産学官プロデューサーの「TAK」さんは、社外の方々とお会いする機会には恵まれているのですが、どうしても関連する業界に限られます

そんな時に、お会いする異業種の方々のお考えは新鮮でした

ところが、そんな新鮮さも、そのうち、慣れ、飽きがきます。

時間外に慶應丸の内キャンパス、グロービスなどのMOT(技術経営)コースに参加する方は、意欲的な方々なのですが、ほとんどが大企業の方々です

異業種であっても、日本の大企業に勤める人たちって、どこか考え方が似ています

本で読んだマイケル・ポーターのSWOT分析、クリステンセンの破壊的イノベーション、3C(「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」)分析、などを得意気に振り回す・・・

東工大MOT(技術経営)のよいところは、学生の存在でしょうか

社会人には当然で気にも留めない「常識」に、「どうしてですか?」と聞かれると、「そう言えば、どうしてだろう?」とあらためて問い直します

さらに留学生の方から、日本人の「常識」を問い直されると、さらに考えが広がります

異業種の方々が「平面的な広がり」なのに対し、学生、留学生の方々は「立体的な広がり」と言えるでしょうか?

さて、そんな東工大MOT(技術経営)ですが、ちょっと不満もあります

倍率3倍の入試を突破してくる社会人は、ほとんど大企業出身の方々です。ただし、私費参加ですが

ベンチャー、中小企業の人たちは、そもそも大学院に行っている余裕などないのでしょう

上に書いたように、異業種であっても、日本の大企業に勤める人たちって、どこか考え方が似ています

大企業から参加した方々は、MOT(技術経営)修了後に、起業するわけでも、転職するわけでもなく、ほとんどが、もとの大企業に戻っていきます

そこで、MOT(技術経営)での勉強はどのように活きているのか?定かではありません。

聞くと、皆、口をそろえて「役に立っています」というのですが、どのように役立っているのか?よくわかりません。

もしかしたら、せっかく受けたMOT(技術経営)での勉強も、しばらくすると、埋もれてしまうのかもしれません

授業に、シリコンバレーのベンチャー、ベンチャーキャピタルの方々が講師に来ることがあります。

この方たちのお話は、本当に興味深いものです。一度はやってみたい、と思います。もちろん、リスクは高いのですが

社会人大学院は、平日夜間、土曜日の授業と、働きながら参加しやすいものになっていますが、参加しやすい分だけ、結局、修了後リスクを取った行動が少ない、気がします

シリコンバレーのベンチャー、ベンチャーキャピタルの方々が講師でも、学生でもよいから、もっと参加するプログラムにならないか?

これが、東工大MOT(技術経営)を、さらにダイナミック、エキサイティングにする秘訣では?と考えています


さて、参加者が第1回目ということで15名とちょっと少なく、顔ぶれも同窓会でよく見かける人、でしたが、今後、学生、留学生、他の修了生、と輪が広がっていくことを期待します




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2012年10月15日

10/20(土)21(日)MOT大会 特別講演・MOT講義@田町キャンパス・イノベーションセンター

ブログにイベントの開催通知を書くだけでは意味がない、自分で付加価値を掲載してこそ、発信する意義があると考え、開催通知だけのブログ記事は控えてきたのですが、今回だけは、期間もない、MOT関係の記事をしばらく書いていない、ので、掲載します

MOT大会 特別講演・MOT講義

日時:平成24年10月20日(土)13:00〜17:30、10月21日(日)10:00〜17:00

場所:キャンパス・イノベーションセンター1階国際会議場

参加費:無料

第1日目 10月20日(土)

13:00〜13:10 開会挨拶

13:10〜14:10 特別講演 「炭素繊維の事業化」 東レ経営研究所 特別研究員 宮木宏尚氏

14:10〜14:50 「なぜシャープの失敗は会社をつぶすか!」 日本工業大学 教授 武富為嗣

14:50〜15:30 「イノベーションのジレンマとは何か?」 関西学院大学 教授 玉田俊平太

15:40〜16:20 「ライカ・カメラの購買への意思決定」 芝浦工業大学 教授 堀内義秀

16:20〜17:10 「なぜMOTが必要なのか 」 東京工業大学 教授 藤村修三

17:30〜 懇親会


第2日目 10月21日(日)

10:30〜11:10 「日本と欧米との安全認識〜どこまで安全を求めるか〜」 東京農工大学 教授 中村昌允

11:10〜11:50 「サービスロボットの市場化」 長岡技術科学大学 教授 木村哲也

13:00〜14:00 特別講演 「東京スカイツリーR建設について〜世界一への挑戦〜」 大林組 技術本部企画推進室 部長 田村達一氏

14:00〜14:40 「技術戦略シナリオ」 早稲田大学 教授 山本尚利

14:50〜15:30 「特許情報並びに訴訟における心証形成」 山口大学 教授 木村友久

15:30〜16:10 「日本型イノベーションは技術の相互作用から生まれる」 東京理科大学 教授 松島茂

16:10〜16:15 閉会挨拶



「TAK」さんは、10/20(土)は東大のホームカミングデーなので、21(日)の午後にでも顔を出すことにします




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2012年10月09日

将来のリーダーを育てるアントレプレナーシップ教育とは

久しぶりに知的財産マネジメント研究会(Smips)

に参加します。

今日のテーマは、

我が国におけるアントレプレナーシップ教育のあり方について −九州大学の取り組みから−

講演者は谷川徹 氏(九州大学 産学連携センター教授/副センター長 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター長)です。

121009QREC


「アントレプレナーシップ教育」は、日本語に訳すと、「起業家教育」とされがちですが、何も起業を目指す学生向けだけの教育ではありません

「アントレプレナーシップとは、「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として活用すること」」というドラッカーの言葉が示すように、あらゆる学生に大切な教育です

九州大学アントレプレナーシップ・センターのホームページ


によると、


九州大学の全学学生に対し、先進的なアントレプレナーシップ関連教育を提供することにより、九州大学から自立心、向上心、グローバル意識を有し、積極的に新しい価値創造にチャレンジする、世界に羽ばたくリーダー人材を輩出します。

ベンチャー起業に限らず、大企業、アカデミア等を含む社会のあらゆる分野で、新たな価値創造に挑戦する人材育成を目指します。

グローバル:米国やアジアなど、世界の大学や企業等とネットワークを結び国際標準の教育カリキュラムを目指すとともに、国際的な学生交流、教員交流を積極的に進めます。また留学生の積極的な参加を求め、多様性ある環境を提供します。

プラクティカル:座学による講義に留まらず、ケーススタディや現実のアントレプレナーのゲスト講義、具体的なプロジェクトベース教育、双方向のディスカッション等、リアルでインパクトのある講義を行います。また産学連携を活かし、企業との連携講義やインターン等を進めます。

デザイン: 新しい社会的価値実現のためには、問題が何かを探索し発見した問題解決のための構想を立てる(Design)が必要です。またその発想力や能力を高めることは、自らの夢実現にも繋がります。QRECはそのようなデザイン力養成を目指します。


講義による知識伝授からリアリティー重視へ

座学から双方向の考えさせ、行動させる教育へ

教育の本質:考えさせ、自分の個性と能力を気づき発現させること

気づきの機会、知識、アクションの場、評価の場の提供


九州大学に限らず、日本の理工系の大学、大学院は専門科目に大きく偏っています。その結果、リーダーではなく、中堅エンジニア向け教育になってしまっています

リーダー向けの教育であれば、専門科目だけでなく、アントレプレナーシップ、MOT、リベラルアーツなどの教育が欠かせません。

MBA、MOT(技術経営)などのビジネススクールは、社会人学生など、社会人経験がある学生は、目的が明確で有効ですが、学部生・大学院生には、実体験がない分、わかりにくかったりします

そこを、ビジネススクール任せではなく、学部レベルから、ボトムアップの意味で、取り入れていくのが、このセンターでしょうか?

また、リベラルアーツにかぎらず、人文科学、社会科学と理系専門科目のバランスは難しいものがあります。

最先端の科学技術研究が諸外国から遅れている、と指摘されると、後者へ傾斜するし、技術をビジネスにつながるには前者が欠かせません

九州大学では、この教育を全学部・大学院生18000人を対象にしていますが、実際の履修者は316人です。

2010年12月1日に設立されたばかりですから、履修者の増加に期待することにしましょう


このセンターでは、QREP

という、米国シリコンバレーに1週間滞在し、多彩な現地講師らによる講義や、スタンフォード大学等との学生との交流を通じて、自らのキャリア形成を考え、チャレンジ精神を高めるプログラムもあり、他大学学生、社会人も参加するそうです

121009シリコンバレー


このプログラムに参加した学生の多くが留学、専攻変更など、行動に踏み出すなど、劇的効果があるそうです

「チャレンジする前から、あきらめていた自分が恥ずかしい」

参加者の意見です


スタンフォード大学のd-school、東大のi-schoolなどで、同様の主旨のプログラムが先行しています

このブログでも

「人間中心イノベーション」は結果として現れるもの

「スタンフォードのMOT」とはどんなものか?

東大ischool innotalk「Design thinking」ドイツの事例より

に紹介していますので、ご参照ください






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2012年10月04日

希望に向かっている時はよくわからない。実現されてから、こういうことか、とわかる

昨日、

ネットワークの前に希望・時間・挫折「待って、遅れて、つまづいて」

に書いた東大の玄田有史先生と宇野重規先生のやり取りが人気なので、

社会科学と人類学の希望についての対話から

に以前掲載した、両先生のやり取りをもうひとつ紹介します

121002希望学



「社会科学と人類学の希望についての対話から」

ちょっと、こわそうで、難しそうなタイトルです

玄田有史教授と宇野重規助教授の「絶妙の掛け合い」が難しそうなタイトルを、わかりやすく解説してくれます。

シナリオはあるのですが、適度な脱線度合いが何とも言えません


「何だか、よくわからないけれど、何かにコミットすることが希望。

希望に向かっている時は実際の効用はよくわからない。実現されてから、こういうことか、とわかる」

「人と人のつながりこそが希望。3人わかってくれれば、どんな困難も乗り越えられる」


「プロジェクト、イベントは主催者、参加者の両方がワクワクして、エキサイトしていないと失敗する。ワクワク、エキサイトするためには、「おもしろさ」が必要」

「「おもしろさ」は通常とは「違う」ことが必要」


「挫折したことがない人は、失敗を許容できず、希望を喪失する」


「成功した人は、必ず、たまたま運がよかった、という。必然的な偶然を引き寄せる」





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2012年10月02日

ネットワークの前に希望・時間・挫折「待って、遅れて、つまづいて」

東京大学公開講座「ネットワーク」

の中に宇野重規先生の「デモクラシー・地域社会・ネットワーク」のお話があり、

東京大学公開講座「ネットワーク」に参加しました

に書いたのですが、公開講座でわかりやすく、リタイアされた高齢者が中心を意識されたためか、残念ながら、いつもの切れ味がありません

以前に書いた

<待って>、<遅れて>、<つまず>いて:希望・時間・挫折

の方がずっと宇野先生の特徴が出ているので、ここに再掲します

121002希望学



これまでは、希望、それはすなわち欲望や目的となり、その欲望や目的をもとに、消費、進学、就業、結婚、出産などがなされると、考えられてきました。

しかし現在、その前提自体が揺らいでいるようです。


・人々の行動(何がしたいか?)

「直近の光熱費上昇阻止」のような、極めてわかりやすい目標がある場合は、明確で、合理的な行動をとります。

しかし、「教育の効用」のように、すぐには効果がわからない場合、「何となく楽しいから」「そこに山があるから」のように、本人も何がしたいのか?よくわかっていません。

初めから「こうしたい!」という明確な目標があって、行動する訳ではなく、行動していくうちに、行動した結果として、「こうしたかった!」とわかる場合も多いようです。

自分がほしいものはよくわかりません。他人がほしがるものを、自分もほしい。但し、所有してしまうと、いらなくなることも多いようです。


・待つことができない社会

携帯電話社会が象徴するように「待つことができない」社会になっています。

昔は、ラブレターを出すまで、出した後、反応を待つ「長い時間」がありましたが、瞬時に「携帯メールで着信拒否」の社会になっています。


・人々の理解の<遅れ>

人々は、市場経済メカニズムなど、よくわからずに、いやおうなしに、市場経済の中に置かれています。

最新技術も、当初はその機能をよく理解せずに利用し、利用しているうちに、便利なものを理解します。理解するまでに「遅れ」があります。


・将来の予測について

「未来学」はほとんど外れました。インターネット、メール、携帯電話など誰も予測せずに、「月の宇宙基地」などを予測しました。

未来に向けての前傾姿勢:前傾姿勢のため、遠い先を見ずに、足元だけ見ています

未来に向かって後ずさりしながら進む:未来のことはわからないので、過去の経験に基づいて、未来に向かいます




stake2id at 14:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加
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