2013年05月

2013年05月31日

2013年版東大TMI(Technology Management for Innovation 技術戦略学)か?東工大MOT(Managemrnt of Techmology 技術経営)か?

大学院の出願の時期が迫ってきました

MOT(技術経営)の大学院を目指している学生さんから、

「東大TMIと東工大MOTのどちらがよいでしょうか?」

という質問を多く受けます。


これについては、

東大TMI(Technology Management for Innovation 技術戦略学)か?東工大MOT(Managemrnt of Techmology 技術経営)か?

に毎年、少しずつ変わっているところを加筆、修正していますが、社会人学生の出願時の書類関係で、変更があったようなので、重点的に加筆します。


●工学系大学院の東大、専門職大学院の東工大

東大TMIは専門職大学院ではなく、工学系大学院のひとつ、とされています。修了すると、工学修士の学位が取得できます。

一方、東工大MOTは専門職大学院で、修了すると、技術経営修士(専門職)の学位が取得できます。


●(新規)社会人学生の出願時の所属企業、官庁の承諾書について

MOT(技術経営)の大学院は、社会人学生の志望者が多く、所属する企業、官庁への入学承諾が、結構大きなポイントになります。

企業派遣ならば問題ありませんが、私費入学の場合、受験前は取りあえず、直属の上司にだけ相談し、合格後に正式に会社と折衝、としたいところです。

ところが、東大、東工大とも、原則的に出願時に、所属企業、官庁の承諾書を提出、という方針です。

合格後の入学手続きの時に、会社に承諾書を申請するのは、何とかなるとしても、合否がまだわからない出願時の提出は高いハードルです。承諾書をお願いしていて、不合格だった場合、辛過ぎます。

東大の募集要領

を見ると、勤務先の長の氏名、捺印付きで、出願時に「学業に専念させる」承諾書の提出を求めます。

一方の東工大の社会人学生募集

にも、


企業等に在籍のままの入学となりますので、所属機関の承認が得られることが条件になります。

出願書類
派遣承諾書(所属機関等の代表者又は人事担当責任者発行のもの)(所定用紙)


とあります。

ただ、東工大MOTの場合、8月に行う一般募集と、12月に行う社会人募集があり、一般募集では、上記出願書類は不要です。

また社会人募集でも、


派遣承諾書(所定用紙)
・志願者の所属している機関等の発行のもの。
・派遣承諾者は代表者,人事担当責任者等とします。

※派遣承諾書(所定用紙)の提出ができない場合は,在職証明書,社員証の写し等,在職していることを証明できる書類を提出してください


と、出願時に派遣承諾書の提出ができない場合は,社員証の写し等,在職していることを証明できる書類で代替できます。

ただし、入試時の面接で、学業と仕事の両立については、必ず質問がある、と考えられます。

「TAK」さんは、東工大のMOTに合格し、入学しながら、結局、業務との両立ができずに退学した人を何人か見てきています。このような場合、本人が不本意なのはもちろんですが、この方が合格したために、不合格となり、学ぶ機会を奪われた方の無念もあります。

本来、社会人であれば、学業と仕事の両立は自己責任で、自分の裁量で行うべきですが、現実には難しい問題もあり、東大、東工大とも、原則的に出願時に、所属企業、官庁の承諾書を提出、という方針、と考えます。


なお、東大の「学業に専念させる」承諾書ですが、杓子定規に読むと、社会人は企業派遣で、会社を事実上休業しない限り、参加不能です。

もっとも、実際に博士課程に在学している社会人学生の方にお話を伺うと、

「必ずしも、業務をせずに学業に「専念」ではなく、定時終了後は通学できるように、配慮する、という意味合いであり、

私は9時から5時までは勤務し、平日は業務終了後、および土曜日に通学しました」

というように柔軟な解釈があるようです


●社会人入学に高いハードルの東大、社会人参加を歓迎する東工大

上記のように社会人に対するハードルは両大学ともありますが、東大の方が高いです。

事実、授業に参加すると、東大では社会人がほんの数名いる、のに対して、東工大では社会人が半数を占めます。

社会人大学院は専門学校ではない?

で書いたように、東大TMIは以前は平日夜間に社会人学生を積極的に受け入れていたのですが、東大が期待していたもの、とはかけ離れていた結果になってしまった、とのことです。

この両者の社会人学生に対する考えの相違が、最大のポイントで、以下の事項に大きく影響します。


●学校の時間帯(東工大は午後3時以降!)(東大は月〜金、午前・午後に講義、東工大は、月〜土、講義は平日は午後3時以降)

特に学生さんに注意が必要なのは、東工大は講義は、社会人学生に配慮して、平日は午後3時以降、ということです。

それゆえ、午前中どう過ごすのか?が、実は、かなり大切です。別に他の専攻の授業を取ればよいでしょうか。

また、東工大は田町サテライトでの講義が多いようです。

社会人の通学には便利ですが、学生さんのキャンパスライフとしては、たくさんの学生さんがいる東大・本郷キャンパス、東工大・大岡山キャンパスの方がよさそうです。


●事業プロジェクト演習(東大は学生が主体、東工大は学生・社会人半数)

少人数のグループでの事業プロジェクト演習が主体、というのは、両者共通です。

ただ、上記のように、東大は学生が主体、東工大は学生・社会人半数でのプロジェクト演習になります。

実は、これには大きなプロセスの違いが予想されます。

事業プロジェクト演習は、本当はある程度の社会経験を踏まえてこそ、有効か、と思います。

社会人経験のない学生さんだけの事業プロジェクト演習は、ちょっと心配です。


●単位交換制度があるので、互いの授業に出て、単位取得が可能

東大と東工大は単位交換をしているので、どちらに入学しても他方の講義を取ることができます

東大の授業がない土曜日には、東大の学生が東工大の授業に出ていたりします

また、2年目は自分の大学の授業は取り終わっているので、東大の学生が東工大、逆に東工大の学生が東大に出席したりしています

ただ、人気の授業で教室のキャパシティーから人数制限をしなければならない場合、自分の大学が優先になります


●いわゆるMOTは両者とも修士課程

MOTとは、技術と経営を融合するために、イノベーション論、知的財産、マーケティングなどを横断的に学ぶことでしょうか?

すると、両者ともこれに対応するのは、修士課程です。

博士課程では、あるテーマについて、指導教官について、論文を書くことになり、いわゆる横断的なMOTではなく、あるテーマを深く掘り下げることになります。


●就職は両者とも自分で捜す。社会人のキャリアアップは?

工学系大学院修士課程では、各企業より学科に対して、就職依頼がある場合があります。

両者とも、この制度は適用しておらず、各自が自ら就職活動することになります。

両者とも歴史が浅いので、「これから」なのですが、東大はコンサルタント、金融、商社、東工大はコンサルタント、金融、商社にメーカー、ゼネコンなどが加わります。

就活の内実はわかりませんが、結果だけを見る限り、就職氷河期にもかかわらず、学生さんたちは超優良企業に就職しています

一方、社会人はキャリアアップのためにTMI,MOTに入学する人が少なからず、いるのですが、学位の取得が、有利な転職、自社内でのキャリアアップ、などに直接的に有利に働いた、という話はあまり聞きません。MOTを取得しただけでは、状況は変わりません。スキル、人的ネットワークをパワーアップした自分がキャリアを切り開いていくことになります。


●同窓生のネットワークは?

このような大学院では、いろいろなバックグラウンドの同窓生同士のネットワークから起業、という例も少なくありません。

起業しなくとも、同窓生同士のネットワークは非常に重要です。

同窓生は、上記のように、東大は学生が主体、東工大は学生・社会人半数です。

最近は、学生同士の起業も多いし、逆に社会人の方が保守的だったりするので、何とも言えません。


●両大学とも留学生比率が高い

学年によって違うので一概に言えませんが、両大学とも中国、タイなど、特にアジア諸国からの留学生がかなりの比率を占めます。

文化、習慣が異なる留学生とのグループワークは、かなり貴重な経験になります。


これは「TAK」さんの雑感ですから、違っているかもしてません。

●アカデミアの東大?、実学の東工大???

産業界の課題について、「少し離れた立場から、アカデミックに分析・研究する東大」、「同じ立場で、実際に対応する東工大」という感じがします。


●オールマイティーに他大学出身者を受け入れる東大?、東工大出身者が意外に少ない東工大MOT??

東大の大学院は昔から、大部分が東大出身者で、少数からの他大学出身者を歓迎して受け入れる土壌があります。これは東大大学院の変わらぬ宿命、役割です。

東大TMI(Technology Management for Innovation 技術戦略学)にも感じられました。

一方、東工大MOTは社会人が多いせいか、東工大出身者も多いものの、他大学出身者も多く見かけました

東工大出身者の方に怒られるかもしれませんが、他大学出身者の方が出身大学と東工大という2枚のカードを持ち、ネットワークの多様化が図れている、感じがしました


●どちらも自分に適した履修科目計画を

東大TMIの先生は、多くが、先端技術研究所、システム創成、などの兼務です

「TAK」さんの印象としては、先生方はTMIよりも先端技術研究所、システム創成など原所属に重きを置いている感があります

東工大MOTの先生方もイノベーションマネジメント科に所属している方が多いのですが、知財、品質管理、ICT、ファイナンスなど、自分の専攻を講義します。

どちらも、標準的なプログラムはありますが、知財、経営、金融など、自分が学びたいことに応じて、履修計画を組むことが大切です




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2013年05月29日

地域から発信するイノベーションの挑戦

シンポジウム「地域から発信するイノベーションの挑戦」

という案内が来ました。

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イノベーションとは「技術革新」と訳されることが多いのですが、Wikipediaによると、

経済学者ヨーゼフ・シュンペーターは物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」を創造すること、と定義しています。

新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす人・組織・社会の幅広い変革を意味します。

それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすこと指します。

一極集中し、人、モノ、文化を引き付ける東京の多様性が生み出すイノベーションだけでなく、
ネット、SNSの時代には地方発のイノベーションも発信可能になっています。

以前は、地方には人、モノ、カネが集まらず、文化発信は難しかったのですが、
地方独特の文化、名産をベースに、ネット、SNSにより、特徴あふれる文化が世界に向けて発信され、東京をバイパスし、世界中から集客する取り組みも出てくるようになりました。

かえって、地方の方が小回りが利いて、機動性もあったりします。

では、早速出た話をまとめてみます。



・東京から仕掛ける地域活性化。SNSにより、地理的に離れていても、あるいは、東京からでも地域振興の発信が可能になった。地理的ハンデがなくなった

・幕末の薩摩、長州の若者はなぜ集まり、あれだけの行動を起こせたのか?

・「メガマーケットとしての東京」から「メディアとしての東京」へ、東京の集積、専門的知識、デザイン力、情報発信力、国際化のハブによるヒト、モノ、カネを地域のイノベーションに活用する

・ローカルな地域がSNSにより、世界に発信可能、地域同士がつながる

・官庁、大企業、大学などに所属していなくても、自分の「メディア」「ネットワーク」が武器になる。「金」「時間」は極力使わなくても可能になった 

・街歩き観光、地域がうるおい、活性化する

・これまでの役所による地域振興→パンフレットを予算を使って作成することが仕事、これは民間では販売促進費で費用の扱い。役所が主にやるのではうまくいかない、役所はサポート役が適している 

・東京の下町は関東大震災、戦災で2度焼け野原になっている。近代的なマンション、ストアと下町商店が共存する多様な状況、カオス。ワカモノ、バカモノ、ヨソモノが集まる

・「普段」を変える。「普段」を発信する。それが人生、世界を変える。

・何を買うか?いかに働くか?何に投資するか?これが人生を決める。

・海外のコンクールに権威があり、それに日本から参加する構図から、たとえば、葛飾北斎など、世界に日本が誇れるイベントに世界中から人を集める。

・美術館、午後5時、6時に終了してしまうのでは、老人しか集まらず、多様な人が集まる「場」にはなり得ない。民間委託して、午後8時、9時まで開館する

・観光は、世界から人々が来てくれて、お金を使ってくれる、経済活性化の有効策

・mixi、当初は実名、やがて匿名に、Facebookは実名、有効に機能するネットワークは実名によりできる、出会うべき人々が出会う。匿名のネットワークは幻想

・大量生産によるコストダウンでは東南アジアに負ける

・コールセンター、日本語の言葉の壁のおかげで、海外流出が難しく、守られている業務。山間部の人々でも可能

・地方の過疎化、高校卒業時に一斉に都会へ行き、定年後まで戻ってこないことが主原因

・東京、人口は社会増だが、自然減。子供が産みにくい環境

・単発のイベントだけでは、そこで盛り上がって終わりで、継続しない。ゆるやかに続くスキームがほしい

・団体コンテスト、他団体の活動から参考になるポイントを学ぶ。団体同士のつながりができる

・学生団体がSNSで発信することにより、学生以外の企業、社会人とのつながりが可能に

・つなぐ「場」のプラットフォーム化による、影響の浸透

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地方に限らず、個人、小さなチームがムーブメントを起こし、次第に社会にインパクトを与えるまでになる、秘訣が凝縮されています。

自分の「メディア」「ネットワーク」を駆使して、多様な人が集まる「場」を作るだけでなく、継続して、ワカモノ、バカモノ、ヨソモノを集め、イノベーションを起こし、情報発信していく、という感じでしょうか。


地方の衰退、過疎、例えば、自治体が破産した夕張の場合、現在は人口は1万人ほどですが、かつては石狩炭田の中心地として人口12万を数えました。

その後の石炭から石油へのエネルギー革命、オーストラリアの露天掘りなどの大規模炭鉱とのコスト競争の敗北、炭鉱事故などにより、寂れていきました。

夕張は石炭がなくなって寂れたのではありません。今でも掘れば、石炭は出ます。

衰退、過疎というよりも、産業がなくなり、それに見合った規模に落ち着いたのです。

このような状況で、かつての夢をしのんでも仕方ないのです。

ただ、多くの地方振興策を見ると、「かつての夢をもう一度」の感があります。

これから、どのような「地域から発信するイノベーション」が生まれてくるのか?楽しみです。





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2013年05月27日

東工大MOT(技術経営)卒業生・在校生交流会2013に行ってきました

東工大MOT(技術経営)卒業生・在校生交流会

が東工大ホームカミングデーに合わせて行われるので、参加しました

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MBA、MOTでは卒業生、在校生、先生を含めたネットワークが大切です。欧米のビジネススクールではこのネットワーク形成を非常に重視しているのですが、東工大MOTは、もう一歩、の感があります

ただ、メーリングリストに比べ、はるかに手軽なFacebookが普及してきたので、もっとネットワークがつながるのでは、と期待しています

このようなMOT交流会は年に1回程度は開かれており、以前、

東工大MOT(技術経営)同窓会フォーラム

東工大MOT(技術経営)卒業生・在校生交流会に行ってきました

に書いた考えが、今も通じるので、少し長いのですが、再掲します

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東工大MOT(技術経営)は2005年よりコースを開設しました

当初は、募集定員に応募者が満たず、それでも、コースについていけないと想定される数名を落とす、という、何とも情けないスタートでした

今では、入学選考は約3倍の倍率となかなかの難関、学生は年に1回、社会人は2回、入試がありますが、2回、3回受ける人も珍しくありません

その結果、めでたく参加できる人もいれば、残念ながら、そうでない人もいます

そういう意味では、このコースに参加できること自体、幸せなことなのでしょう

できたばかりのコースなので、卒業生のその後の活躍が出てくる段階では、まだ、ないようです

そんな意味で、卒業生同士のネットワーキングのためにも同窓会フォーラムが開かれました

東工大MOT(技術経営)の特徴は、学生、社会人、留学生より構成される、ということでしょうか?

「TAK」さんは、以前は、慶應丸の内キャンパス、グロービスなどのMOT(技術経営)コースに参加したことがあります

産学官プロデューサーの「TAK」さんは、社外の方々とお会いする機会には恵まれているのですが、どうしても関連する業界に限られます

そんな時に、お会いする異業種の方々のお考えは新鮮でした

ところが、そんな新鮮さも、そのうち、慣れ、飽きがきます。

時間外に慶應丸の内キャンパス、グロービスなどのMOT(技術経営)コースに参加する方は、意欲的な方々なのですが、ほとんどが大企業の方々です

異業種であっても、日本の大企業に勤める人たちって、どこか考え方が似ています

本で読んだマイケル・ポーターのSWOT分析、クリステンセンの破壊的イノベーション、3C(「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」)分析、などを得意気に振り回す・・・

東工大MOT(技術経営)のよいところは、学生の存在でしょうか

社会人には当然で気にも留めない「常識」に、「どうしてですか?」と聞かれると、「そう言えば、どうしてだろう?」とあらためて問い直します

さらに留学生の方から、日本人の「常識」を問い直されると、さらに考えが広がります

異業種の方々が「平面的な広がり」なのに対し、学生、留学生の方々は「立体的な広がり」と言えるでしょうか?

さて、そんな東工大MOT(技術経営)ですが、ちょっと不満もあります

倍率3倍の入試を突破してくる社会人は、ほとんど大企業出身の方々です。ただし、私費参加ですが

ベンチャー、中小企業の人たちは、そもそも大学院に行っている余裕などないのでしょう

上に書いたように、異業種であっても、日本の大企業に勤める人たちって、どこか考え方が似ています

大企業から参加した方々は、MOT(技術経営)修了後に、起業するわけでも、転職するわけでもなく、ほとんどが、もとの大企業に戻っていきます

そこで、MOT(技術経営)での勉強はどのように活きているのか?定かではありません。

聞くと、皆、口をそろえて「役に立っています」というのですが、どのように役立っているのか?よくわかりません。

もしかしたら、せっかく受けたMOT(技術経営)での勉強も、しばらくすると、埋もれてしまうのかもしれません

授業に、シリコンバレーのベンチャー、ベンチャーキャピタルの方々が講師に来ることがあります。

この方たちのお話は、本当に興味深いものです。一度はやってみたい、と思います。もちろん、リスクは高いのですが

社会人大学院は、平日夜間、土曜日の授業と、働きながら参加しやすいものになっていますが、参加しやすい分だけ、結局、修了後リスクを取った行動が少ない、気がします

シリコンバレーのベンチャー、ベンチャーキャピタルの方々が講師でも、学生でもよいから、もっと参加するプログラムにならないか?

これが、東工大MOT(技術経営)を、さらにダイナミック、エキサイティングにする秘訣では?と考えています

こういった交流会で、懇親会だけすると、知っている人としか挨拶をせずに、せっかくのネットワークが広がりません

そこで、何名かの卒業生の人にミニ講演をしてもらい、少しブレークした後に、懇親会という流れです

講演会の中でいくつか面白い話がありましたので、掲載してみます

・理工系の実験系大学院、毎日研究室で実験の連続で、社会から疎くなるリスクがある

・MOT、経営工学など、大学内だけでなく、いろいろな企業でインターンの機会がある

・大学は、そのままでは、アウトプットの場が論文、学会発表のみ。それ以外にも多くのアウトプットの場を作りたい

・実務経験豊富な社会人とグループワークを行う学部生の心構え。「こんなこと当たり前では?笑われるのでは?」と思うことなく、発言すると、社会人にとって、意外に新鮮な発見だったりする

・MOT:企画力、行動力、仕事が早いこと、が大切

・入社すると、他社の見学などは難しい。大学というプラットフォームを活用すべき

・MOTで学んだことを会社で、どう活かすか?すぐに経営に仕事に就く人はほとんどいない。ただ、業務で経営的視野を持つことはできる

・事実はひとつ、解釈は複数 

・プロには、「チームプレー」などという、都合のいい、言い訳は存在しない。あるとすれば、スタンドアローンから生じる「チームプレー」

・他人との違いが存在証明

・各個人が技術、経営をパーソナライズする時代


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東工大MOT(技術経営)卒業生・在校生交流会、どう創っていくか


に書いたのですが、


卒業生は大学にとって重要な資産であり、また、卒業生にとっても出身大学は重要なプラットフォームである、
という考え方は共通したものですが、卒業生と大学をつなぐ同窓会、在校生との交流会の進め方は大学によって全く異なります

集まった卒業生、在校生は20名弱と、ちょっとさびしい感がありますが、2005年4月にできたばかりで、毎年卒業生が30名として、卒業生全体で180名と想定すると、それほど少ない数字でもないかもしれません

こういった歴史が新しい同窓会では、取り敢えず、「安定して継続して、集まれる場」を構築することが、まず大切です。1,2回だけ何とかやっても、継続できなければ意味がありません

こういった交流会で、懇親会だけすると、知っている人としか挨拶をせずに、せっかくのネットワークが広がりません

それゆえ、ゲームなどで、知らない人ともテーマを設定して話して、知り合いになる、などの仕掛けがよさそうです

そして、「卒業生」と「在校生」という壁をなくし、両者が混然一体となっている状態にします。そうでないと、幹事メンバーの引継ぎがうまくいかないと、継続できません

さらに、全体の人数がまだ少ないので、このメンバーだけでやろうとしても、活動が広がらなかったりします

そこで、活動は卒業生・在校生に限定したクローズなものだけでなく、一般からの参加もOKなオープン企画も取り入れることが大切です

さらには、独自企画だけではなく、他団体とのコラボレーションによる、ペースメーク、人の交流も欠かせません


東大のように産業界、行政、など各界にあふれる人材をどう活用するか?という同窓会も楽しいですが、東工大MOTのように、歴史の新しい同窓会をどう創っていくか?というもの、また全く違う楽しみがあります

やれることが、いろいろありそうです


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同じ感想を感じたホームカミングイベントでした。

こういった歴史が新しい同窓会では、取り敢えず、「安定して継続して、集まれる場」を構築することが、まず大切です。

かつ、年に1回でもこういった集まりを開催するためには、SNSによる、ゆるやかな情報連絡、が欠かせなかったりします。

上記のように、東工大MOTは2005年に始まった、まだ新しい学科です。東工大MOTが、今後どのように卒業生ネットワークを作っていくのか、教員、卒業生、、現役学生の取り組みが楽しみです。




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2013年05月22日

理工学系と人文社会学系の研究の違い

東京大学五月祭イベント「東大で理系の恋愛を語ろう」に参加しました

に書いた「東大で理系の恋愛を語ろう」では、東大理系男子、女子学生の恋愛事情が主に話されましたが、それに関連する形で、興味深いお話がありました。


理系の学生(数の上で、ほとんどが男子学生)実験系の研究室の場合、毎日実験に追われ、研究室にこもりっきりで、文系女子とのデートもままならない

という実態報告がありました。

それについて、パネリストの内田麻理香さんから、


博士は人文系よりも理系、工学系の方がテーマが明確で、実験系であれば、数報の論文を書けるので博士の学位を取得しやすい


というコメントがありました。

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「TAK」さん自身、実験工学系からMOT(技術経営)という、社会科学系工学へ移りましたので、この辺の事情を説明します。

実験理工学系の研究室に、大学院の修士で入学する場合、研究テーマは本人の希望よりも、その研究室に在籍する院生、その研究室を修了する院生の研究テーマに大きく影響されます。

多くの場合、その研究室を修了する院生の研究テーマを引き継ぎ、発展させる形になり、自由度はほとんどない、と考えた方がよさそうです。

違うテーマを研究するには、新たな試験装置、研究予算が必要です。新しく入学する大学院生が、これらを持ってくるのは、事実上不可能です。

それゆえ、決められたテーマを研究することになります。

こういうと、自由がなくて、いやそうですが、必ずしもそうではありません。

その分野では最先端の研究テーマが与えられ、実験、計測装置もすでに整備されています。

関連分野の最新の研究動向を押さえていかなければならない、計測、制御技術の進歩に応じて、実験装置のアップデートなどは大変であったり、実験に失敗して、追加実験が必要、などのことはあります。

ただ、「外さなければ」、数報の論文は書くことができ、3年間で博士の学位を取ることも、それほど難しくはありません。

ところが、人文社会系では全く事情が異なります。研究テーマは、大学院生に大きな裁量が委ねられ、研究室の方向性と外れていなければOKとなることが多いようです。

「TAK」さんが、実験工学系から社会科学系工学系に移って、最初に戸惑ったのが「実験装置がない」「どうしても実験するなら社会実験」ということでしょうか?

実験理工学系のように、条件設定が同じであれば、同様の事象が再現されるわけでもなく、実態を調査しようにも、多くのデータが非開示、個人情報の制約などがあり、現状調査さえ、ままなりません。

アンケートを行うにしても、サンプル数が十分か?偏っていないか?アンケートに書かれている内容は正しいか?など、の問題があります。

候補テーマをいくつかあげて、それぞれに先行研究調査を行い、研究手法を考え、その研究手法が、そもそも可能か(物理的に、経済的に)?検討します。

企業とのコラボ研究で、データ、資金が調達できる場合を除いて、3年間での博士の学位の取得は難しい場合が少なくありません。

この話はこれくらいにしておきますが、


実験系の研究室の場合、毎日実験に追われ、研究室にこもりっきりで、文系女子とのデートもままならない


とは、悪いことばかりではない、ようです。








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2013年05月21日

東大理系の恋愛はどうすればよいのか?

東京大学五月祭イベント「東大で理系の恋愛を語ろう」に参加しました

で、男女比が9:1という、極端な男子余剰の、東大理系で起きている

・中高一貫の男子校を卒業し、東大に合格したはいいが、大学、大学院時代に彼女ができない、悲しき東大男子理系学生

・圧倒的な男女比により、相当数の女子が男子に取り囲まれる厚遇、「東大」「理系」による「美人の二階級特進」ファッション、メイクをクリアすると「可愛い子」になれ、女王様化する東大理系女子学生

を多少コミカルに書きました。

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ただ、パネリストの内田麻理香さんが言っていましたが、ここに書いたことはコミックではなく、「現実」なのです。

この大学生活の「現実」が、彼ら彼女らの東大理系学生の学業、将来のキャリアにも、少なからぬ影響を及ぼすのです。

「TAK」さん自身、東大理一から工学部、工学系大学院に進んでいるので、この「現実」をよく知っています。

「TAK」さんの頃は、東大理一定員1090名中女子学生11名という時代でしたから、99:1という比率でした。

つまり、ここ数年(数十年?)で、99:1から9:1と10倍の改善が見られます。でも、このようなイベントが行われるように、事態はあまり進展していないようです。

東大理系の中は男女比が極端でも、それ以外の世界は男女は50:50なのですから、外の世界に飛び出していけばよいわけですが、そのような「甲斐性」がある、稀な東大男子理系学生は、そもそも苦労しません。

さて、男女の仲は50:50の比率でさえ、難しいものです。それが男女比が9:1という、極端な男子余剰の状態では、さらに難しくなります。

では、どうすればよいでしょうか?

社会には男女比が0:10の大学が多く存在します。女子大です。

また、このイベントでも話題に上がりましたが、多くのカップルがサークルで誕生しています。

つまり、東大男子と女子大とのサークル、というのが、男女比の不均衡を解消し、カップルができやすい状況を生みます。

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もちろん、

東京大学五月祭イベント「東大で理系の恋愛を語ろう」に参加しました

で、


東大テニスサークルの東大女子問題、ほとんどが東大男子と他大女子。もっとも東大男子に対しても、厳しい選考があるのだが


と書いたように、多くの東大男子に対して、優位な立場に立っている他の東大男子が選考を行う、という男子間の極めて不平等な状態も存在します。

この辺の事情は、

テニスは楽しい学生生活を送るための手段、だけではない?

に書きました。


運よくメジャー・インカレ・テニスサークルに入った体制側の学生たちは、可愛い女子学生をちゃっかり確保し、楽しいキャンパス生活を送り、入れなかった大多数の反体制側の学生は、完全に排斥され、彼らを羨望の目で眺めつつ、恵まれない学生生活を送る

ただ、テニスサークルとは、参入障壁が低くて、その気になれば、反体制側の学生は体制側に簡単に移行することが出来ます

テニスサークルとは、テニスコートを確保し、テニスをやりたい友達を集めれば、8割がた、準備が整います

ただし、これだけではメジャーサークルにはなれません。

メジャー・サークルに移行するためには、「マドンナ」が欠かせません

美しく輝く、素敵な女子学生がプレーをしていると、男子学生だけでなく、女子学生も集まってきます。すると、あっという間にメジャー・サークルになります

反体制側の学生は、上記のように体制側の学生を羨望の目で眺めつつ、何の行動を起こすこともなく、恵まれない学生生活を送ることになりがちですが、

ちょっと知恵を働かせ、行動を起こせば、全く違う展開が開けてきます


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別にテニスサークルでなくても、東大男子と他大女子のサークルを作る、入る、などできれば、大学生活での圧倒的な男女比のアンバランスは、とりあえず解消できます。

では、この場合、上に書いた「東大テニスサークルの東大女子問題、ほとんどが東大男子と他大女子」はどうなるのか?です。

採用されるのがいやならば、採用する側になればよい

に書いたように、「TAK」さんはテニスサークルを創設したのですが、東大女子にも入ってもらいました。もちろん、絶対数が少ないので、他大学女子に比べるとずっと少数でした。

ところが、東大女子の働きはめざましかったです。

東大女子は、「東大」という点で、東大男子との共通点があり、「女子」という点で、他大学女子学生と共通点があります。

サークルの運営で両者をブリッジする機能を果たし、女王様よいうよりも、女性幹事長という感じでした。もちろん、その人の人格による部分が大きいのですが。

それゆえ、悲しき東大男子理系学生、女王様化する東大理系女子学生の両問題を一挙に解決できました。

ところで、「彼女がいない悲しき東大男子理系学生」ですが、就職すると、社会ではそれなりに価値が認められ、需要が出ます。

これが「東大男子理系学生の社会人デビュー」です。

ただ、企業に就職しても、研究開発部門に配属されると、圧倒的にアンバランスな男女比により、学生時代と同じ状況が続くことになります。


まとまりがなく、発散気味ですが、「悲しき東大男子理系学生」を嘆くだけでなく、一歩踏み出せば、いろいろ道は開けます。

もちろん、痛い失敗も経験するでしょう。女性に接する機会、接した結果による失敗、など経験を積むことにより、また道が開けていきます。





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2013年05月20日

東京大学五月祭イベント「東大で理系の恋愛を語ろう」に参加しました

東京大学五月祭イベント「東大で理系の恋愛を語ろう」

という案内が来ました

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案内文によると、


理系が恋愛するには、理系における性別人口のアンバランス、理系特有の思考法・価値観、研究・労働時間の長さ、研究室に閉じこもりがちな傾向など、様々な障壁があります。しかし、これまで理系が充実した恋愛をするために必要なセオリーについては、深く論じられてきませんでした。そこで今回は、理系の事情に詳しい講師に、理系の恋愛について論じていただくことで、そのセオリーを探っていきます。

以下の項目に興味がある方は是非!

・理系女子がハッピーな結婚をするには?
・理系男子が恋愛するには、どういうことを心がけるべきか?
・理系の恋人と上手く付き合うには?

講師

高世えり子:漫画家。理系男子との恋愛について描いた漫画「理系クン」で有名
内田麻理香:サイエンスライター。東大応用化学科出身で理系女子ならではの視点で執筆活動中
瀬地山角:東大教授。ジェンダー論が専門で駒場キャンパスでの授業が学生に人気
(パネルディスカッションで、ジェンダー論の観点から理系の恋愛を分析)


3名の講師それぞれと司会の学生のコラボレーションが絶妙で、つっこみどころ満載なのですが、
詳しい考察は後ほど、行うとして、まずは出た話をまとめます。

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・文系女と理系男が交際する際のポイント。「時間」が合わない。「話題」が合わない。「価値観」が合わない

・「待たせてしまっている人がいる。こちらも辛い」と相手が思ってくれれば待てる

・理系は一人語り、プレゼン的、自分の意見を通したい。会話とは、結論を出すための議論、一度の伝達量が多い方が効率的、と考える

・社会はマイノリティーにレッテルを張りたがる。「東大女子」「理系女子」など

・東大テニスサークルの東大女子問題、ほとんどが東大男子と他大女子。もっとも東大男子に対しても、厳しい選考があるのだが

・東大女子の銀杏伝説、銀杏並木の銀杏が散り始めるまでに彼氏ができないと、在学中には彼氏ができない

・東大女子の実態、圧倒的な男女比により、相当数の女子が男子に取り囲まれる厚遇

・東大理系女子の実態、「東大」「理系」による「美人の二階級特進」ファッション、メイクをクリアすると「可愛い子」になれる

・東大理系女子は全方位の興味、関心に反応でき、話が合うので、実は多くの男子に重宝がられる

・厳しい世間のイメージと、楽しい自分の経験のギャップによる「こじらせ系東大理系女子」コミュニティー内の女王様化、思い切りよ過ぎる早婚、選択肢が多過ぎ、相手を選べない、天井のない高望み願望

・東大理系女子に求められること、自分が持っている力の源泉を理解する、世間のレッテルによる価値観から自由になる、痛い目に遭う

・東大理系、極端な男女比率が、女性に接した経験が少ない男性が女性との接触に悩む、少ない女性が女王様化を招く。男女比がまともな集団に触れる機会が男女ともに望まれる

・東大理系男子、1年生の時に女子が多いサークルに入らないと、学生時代に彼女ができないおそれ

・東大理系男子は、社会に出ると急激に需要が高まり、モテ始めるので、学生、院生の時に捕まえておくとお買い得

・博士は人文系よりも理系、工学系の方がテーマが明確で、実験系であれば、数報の論文を書けるので博士の学位を取得しやすい

・理系男子は自分の専門を話したがるが、興味を持って聞いてもらえる機会が少ない

・理系男子、女性に接する機会、接した結果による失敗、など経験を積むことが大切

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男女の仲は50:50の比率であっても難しいものです。

それが東大理系の場合、1:9、ずっと以前は1:99(東大理一1100名中女子10人なんて時代がありました)等という比率が男女ともにひずみをもたらしているようです。

しかも、東大理系男子は中高一貫男子校の出身が多く、自力で解決することは難しく、問題を複雑にしています。

そんな東大理系男子ですが、社会に出ると急激に需要が出てきます。(ただし、研究所勤務だと状況は変わりません)

また、実験、実験で研究室にこもりきりで忙しい学生生活、ということですが、


実験テーマが明確で、設備も整っており、実験によりオリジナリティーのある結果が期待でき、複数の論文が書ける


というのは、人文社会系の博士課程学生から見ると、うらやましい限りだったりします。

とても、書き切れないので、それぞれについて、後日書きます。






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2013年05月15日

イノベーションと産学連携

オープン・イノベーション時代における産学連携

に書いたのですが、


これまでの産学連携は

・企業が広範囲な研究を行う中央研究所を廃止し、自社製品に特化した研究開発を行うようになった

・社会の変化が急激で一社単独では研究開発のカバーが難しくなった

などの事情を背景に、大学の研究シーズと企業の商品ニーズをマッチングさせる、のが基本でした。

大学の研究シーズは、利用されぬまま、埋もれているものが多く、一方、企業側のニーズは比較的明確で、

産学連携とは研究成果を実用化するための「手段」でした


ところが、ここ数年で産学連携の様相が変わってきました

「製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せてもらうまで,自分は何が欲しいのかわからないものだ」

というスティーブ・ジョブスの言葉が示す通り、消費者自身が自らのニーズがよくわからない時代であり、企業もニーズが何なのか、よくわからなくなっています

イノベーションを起こしたくても、思考回路が凝り固まった自社企業内では、従来の発想領域を超えようがありません

オープン・イノベーションの時代においては、産学連携は単なる「研究成果を実用化するための手段」ではなく、

ニーズ探索、発想のオープン化も含めて、もっと幅広いものになってきました


企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するにはイノベーション・エコシステムが大切

に書いたように


企業家精神(アントレプレナーシップ)を発揮するには、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムにより、技術、知財、人材、資金が動くことが大切です

大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムは、ポジティブな関係だけではなく、

・大企業をレイオフされた人々が、新しい産業を創る

・大企業をスピンアウトしたベンチャー企業を、数年後にその大企業がM&Aで吸収

のように、かなりドロドロしたものも含みます。これらを含めたエコシステムの中で企業家精神(アントレプレナーシップ)は活かされる、ようです


イノベーションをビジネスにつなげるには、産学連携のみならず、大企業、大学、ベンチャー企業、弁護士、弁理士などの専門家集団などのイノベーション・エコシステムが必要になってきます。

特にバイオ産業では、大学・研究機関と製薬会社のブリッジ役となるバイオベンチャーの役割が欠かせなかったりします。

このベンチャーには正味期限があり、成果が出ない場合、いつまでも歯をくいしばって頑張るよりも、さっさとやめてしまった方がよかったりします。


この辺りの事情を、

知的財産マネジメント研究会(Smips)知財キャリア分科会「大学における研究シーズの事業化の課題と可能性〜バイオベンチャーの事例から」

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より伺うことにします。

講師の松田一敬さんは、もともとは破綻した山一證券の証券マンでありながら、その後、北海道大学で医学博士を取得され、現在、シリコンバレーでも活躍されている、異色の方です。

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・元気ある、若い人たちの、世の中を変えていく行動を、邪魔しようとする老人から守ることが大切

・イノベーションはいろいろな考え方、立場の人々の「ごった煮」から生まれる。均一からは生まれない

・起業家度が高い(自ら起業する、起業を手伝う)人が多い、国、地域ほど、活力がある

・雇用を生み出しているのは、創業5年未満の企業が多く、10年超は雇用を喪失している。つまり、起業を促進することが雇用創出につながる

・日経平均最高値38957.4円(1989年12月バブル崩壊直前)市場は短期的にはともかく、長期的には誤らない

・バイオベンチャー、大学・研究機関と製薬会社のブリッジ役、欧米には多いが、日本には少ない 

・製薬会社のニーズは明確

・バイオベンチャーのミッションは明確:大学のシーズを製薬会社に導入する

・「こんな技術ありますが、どうでしょう?」という、御用聞き、シーズアウトではダメ。製薬会社のニーズは明確で、ホームページ上に開示している会社も多い

・情報のギブ・アンド・テイクは50:50の関係をキープできないと、長続きしない

・バイオ、素材、新エネ等のテクノロジーへの投資は単発投資ではなく、周辺、類似にも投資する

・コミュニティーに入っていかないと、ネットワークは築けない

・ベンチャー企業の賞味期限は5〜10年、賞味期限を過ぎてもIPO、売却などEXITができないのなら、歯を食いしばって頑張るよりも、やめたほうがよい

・優れた大学であっても、大学に知財戦略、商業化戦略がなければ、ビジネスは生まれない 


イノベーションと産学連携をめぐる状況は、目まぐるしく変化します。ついこの間まで「王道」と考えられていた手法が、あっという間に陳腐化します。この辺の事情を見守りたいと思います。





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2013年05月14日

大学の技術のマーケティング

マーケティングというと、顧客を性別、年齢、収入、地域などにより、セグメント化(分割)し、その顧客セグメントに応じたニーズ、ライフスタイル、趣向を調査、発掘し、それに応じた商品、サービスを開発する、と説明されてきたでしょうか?

大学の技術を、学術、研究から実用にするには、企業を巻き込む必要がありますが、この時の技術マーケティングはどのようなものでしょうか?

政策研究大学院大学で開催された知的財産マネジメント研究会(Smips)で、東大TLOの山本貴史社長から「大学技術のマーケティング」の話がありました

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以前書いた

大学技術のマーケティング

と併せて読むと、わかりやすいかと思います。

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・そもそもアイデア、コンセプトがないものを顧客、市場はほしがらない

・大学での研究:顧客、市場が全く想像できない、新たな技術がイノベーションに結実することが多い。たとえば、インターネット、ips細胞

・大学の研究は、研究者の好奇心から生まれることが多く、その研究者が考える、顧客のニーズには合致しているかもしれないが、すべての市場ニーズには合致していない

・大学の研究成果が出た段階で、その技術で何ができるか?は見えるとしても、どういう商品、サービスとして事業化できるかは特定できない

・大学は商品、サービスを事業化できないので、委託先の企業に委ねる部分が大きい

・大学での研究、技術開発はイマジネーションによる部分が大きい

・技術マーケティング:何を売るのか?何をサービスとして提供するのか?決まっていない段階で、技術のコマーシャライズを走りながら考える

・技術マーケティング:後から振り返れば、取るべき当然のプロセスに思えるが、その渦中では走りながら、手探りで考えるしかない

・先行する製品、サービスより優位にある技術をコマーシャライズする場合、従来技術と何が違い、どこに優位があり、どの企業が商品サービスを事業化するのがベストか?検討する(ターゲティング)

・この技術を事業化すると、どんなビジネス展開が行われ、市場に対するインパクトがどんなものになるか?ワクワクするシナリオを作る

・ブレーンストーミング:日本では他者のアイデアを否定することが多いが、本来、自由なアイデアをどんどん出して、膨らませ、後から、数字などの術現可能性を当てはめていく

・「こんな技術開発しましたが、どうでしょう?」ではダメ、この技術により、こんなビジネスが展開され、市場にインパクト、というシナリオを描かないと他者がイメージできない

・新しい技術のマーケティングは、担当レベルにしても、あまり効果はなく、経営層に行う

・大学ができるのは、ターゲティングで決めた企業にシナリオをプレゼンし、合意を得ること

・マーケティング:必ずしも顧客ニーズを調査したり、聞き出したりしなくても、顧客が技術を理解し、結果として普及するケースも数多くある

・アイデアを膨らませるには、複数の人が参加し、否定しないこと

・技術のマーケティングを行うことは、新しいイノベーションを想像すること

・ライセンス・アソシエイトの仕事は未来の絵を描くこと

・ビジネスシナリオ:売上、利益、投資回収年数だけでなく、ビジネス展開、市場へのインパクトを描くこと

・1903年にライト兄弟が初めて空を飛んで、66年後に人類は月に到着した 


真理を探究するサイエンス(理学)と違って、エンジニアリング(工学)では実用を目指すもの、実際に役に立つものが、
大学の研究においても求められます。

ただ、あまりに近視眼的に実用に供しようとするあまり、企業の開発部門が行うような、大学の研究としては新規性、進歩性、オリジナリティーに欠けた、陳腐なものになってしまいます。

むしろ、研究者の好奇心、イマジネーションから生まれた技術が、実際には新しいマーケットを開拓したりしています。

ただ、上に書いたように、「こんな技術を開発しましたがどうでしょう?」ではなく、

大学の研究者自身が、この技術を事業化すると、どんなビジネス展開が行われ、市場に対するインパクトがどんなものになるか?シナリオを描けるか?どうか?が実用化にとって重要なポイントになりそうです。







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2013年05月09日

縁から始まり、信頼による関係性の構築と新規開拓

終わりを告げた恋にすがるのはやめにして、ふりだしから、またはじめればいい(元気を出して 竹内まりや)

いえ、別に失恋したわけではありません(笑)

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人は生活していくためには、食糧、医療、教育、交通など、いろいろなサービスを受けます。

これらのサービスはあるものを、すぐに選ぶのではなく、時には試行錯誤の上、良いもの、自分に合ったもの、を選択し、関係を構築していきます

行きつけのレストラン、居酒屋、スーパーマーケット、コンビニエンスストア

かかりつけのお医者さん

などなど

このうち、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどは、価格、品揃え、従業員の質など、評価の基準が簡単、明確で、また、店舗同士の新陳代謝もあるので、新しいものへの「乗り換え」が頻繁にあります

一方、お医者さんは、そうはいきません。

医療技術だけでなく、ぶっきらぼうな性格か、話しやすい性格か、すなわち、自分との相性、開業している日、時間帯が自分の生活とかみ合うか?処方してくれる薬が自分に適切か?

などなど、いろいろな必須要素、要望要素があります

最初は自宅、職場の近くで、家族、友人の口コミなどの「縁」から始まり、「このお医者さんはいい!」という信頼関係が構築されると長続きすることが多いようです

信頼による関係性は長続きし、絶ち難く、親の代から、とか、単身赴任になったのだけれど、土曜日に自宅に帰ってきた時に受診してもらう

など、多少の障害は乗り越えて関係が継続します

でも、いつかはこの関係も終わりを迎えます。医療施設の移転、廃業、患者側の転居など

長期間の信頼に基づいて構築された関係の終焉は、つらいだけでなく、本当に「困ったもの」でもあります

同レベルの技術、自分との相性、地理的条件、生活時間帯が合致する、代わりの関係をゼロから構築しなければなりません

「運命」は、受け入れざるを得ません

終わりを告げた関係を、惜しんでも、懐かしがっても仕方ありません

異動の時期の4月を経て、生活環境が落ち着いた連休明けの雑感でした



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2013年05月08日

海外旅行 トラブル予防・対応編

海外旅行では予期しないトラブルが起こります

未知の場所への海外旅行は、ほぼすべてが知らないことへのチャレンジで、手探りで失敗しながら、新しいことに触れ合っていく、ことになります

添乗員付きのパッケージツアーならば、トラブルの解決は添乗員にお願いしますが、個人旅行では自分で解決するしかありません

もちろん、日本語は通じませんから、英語、現地公用語でトラブルを解決しなければなりません

「かわいい子には旅をさせよ」と言います。トラブルに遭遇した時は、パニックしますが、振り返るといい経験を積んだ、とも言えます。

トラブルは遭遇するよりも、未然に防ぐに越したことはありません

おかげで今回は大きなトラブルには遭遇しませんでしたが、せっかくの経験、ひやり、はっと、を記録して、皆さんとシェアし、今後の教訓とすることにします

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1.英語が通じるところは限定的、相手がわかる英語で

「海外では英語が通じる」というのは、日本人の幻想でしょうか?

東京のような国際都市でも英語が通じないのですから、英語が通じるところは限定的、と考えた方がよいでしょう

国、地域によって、差はありますが、英語が通じない場合がたくさんあります

そうは言っても、その国の言葉が話せないのならば、共通言語はブロークン・イングリッシュになります

Where,How,Whatなどで聞かずに、for Papete ?のように、相手が答えられるブロークン・イングリッシュで聞くことが大切です

なお、第2、第3外国語のレベルで「ちょっと、いいですか?」「英語話せますか?」などの現地語が話せると、大いに便利です

2.みんなが行く方へ一緒に行くのがリスクが少ない

表示、掲示がない場合は、取りあえず、みんなが行く方へ行きましょう

「他の人と同じ事をやっているようでは仕方ない」と言いますが、未知の場所へ行く場合、取りあえず、みんなが行く方へ一緒に行くのがリスクが少ない、ことになります

取りあえず、周りに人がいるのですから、どうしてもわからなければ、誰かに聞くことができます

知らないところで、一人ぼっちになるほど、心細いことはありません

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3.ルールは暫定的な環境で決まる

「郷に入っては、郷に従え」「ローマではローマ人が振舞うようにせよ」と言いますが、
片言のブロークン・イングリッシュしか話せない多様な人が一時的に集まったカフェ、バスでは、そもそもルールが存在しない場合があります

各自が良心にしたがって、暫定的にうまく過ごせるように、取り敢えずの取り決めを簡単な言葉で、あるいは暗黙に交わしたものが、その場のルールになります

4.ロスト・バッゲージ、フライトのキャンセル・変更に要注意

ヨーロッパの旅行 トラブル編

で書いたロスト・バッゲージ、フライトのキャンセルには今回のタヒチ旅行では直行便のためありませんでしたが、ヨーロッパではよく起こります

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乗り継ぎ便、特にヨーロッパの乗り継ぎ便では、預けた荷物が乗り継げずに、到着時に届かないことが、かなりあります

実際に荷物が出てこないと、かなり、あわててパニックします

こういう時は、荷物のコンベアベルトの近くにある、航空会社のカスタマー・サービスに行きます

出発の空港で荷物を預けた時に、航空券の半券に荷物タグを貼ってもらっています

自分が乗って来た便名とこの荷物タグを示します。それゆえ、航空券の半券、荷物タグは絶対に捨ててはいけません。

航空会社のカスタマー・サービスで、荷物タグ番号などをコンピューターに入力してもらってから、荷物の捜索が始まります

WorldTracer (the international baggage tracing and management system)

にカスタマー・サービスの処理番号と名前を入力すると、荷物の捜索状況が表示されます

荷物は通常、立ち寄った空港で、時間が足りないなどの理由により、乗り継ぎ便に乗せられなかった場合がほとんどで、どこにも見つからない、ということは、ほとんどありません

とにかく、落ち着いて対応しましょう


フライトのキャンセル・変更はかなり頻繁にあります。直前にあることもしばしばです

連絡はほとんどメールできますから、海外旅行には必ずメールが見れるスマート・フォーン、タブレット端末が欠かせません

ヨーロッパの旅行 トラブル編

で書いたケースでは、搭乗しようと空港に行った時に、そのフライトの変更を知ったので、相当あわてました

既にお金は払っているので、空港にその航空会社のカウンターがあれば対応してくれますが、

ヨーロッパの空港ではアジアの航空会社の常設カウンターがないこともあります

とにかく、事前に連絡はあるので、海外旅行には必ずメールが見れるスマート・フォーン、タブレット端末を持ってきましょう


5.ホテルの各部屋のセーフティーボックスは「危険」

残念ながら、今回のタヒチの旅行では、この被害に「TAK」さん自身が遭う羽目に陥りました。

以前のセーフティーボックスはホテルのフロントにあり、パスポート、現金などを預かってくれました。

これは極めて安全で、被害に遭うことは、まずありませんでした。

しかし、いちいち現金を取り出す、預ける時にフロントに頼む煩雑さゆえに、最近では各部屋に設置してあるセーフティーボックスが主流です。

このタイプのセーフティーボックスは4〜6ケタの暗証番号を入力する方式になっています。

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一般の人に対しては安全ですが、盗みのプロ、悪意ある従業員にとっては、開けるのは容易いことで、その手法がインターネットに公開されていたりします。

このタイプの盗みでは、貴重品をすべて盗むのではなく、小額紙幣を数枚抜き取り、被害者に被害を気づかせない手法がとられることが多いようで、「TAK」さんが遭遇したのも、この手法で、紙幣の枚数をチェックしていたので、盗難に気づきました。

パスポート、高額の現金が盗まれ、警察が捜査に乗り出し、部屋に入った人物が特定されることは、常習犯である犯人は望まないので、「被害者に被害を気づかせない手法」になるようです。

犯罪対策はキリがないのですが、セーフティーボックスに現金をとれる状態で入れるのではなく、施錠した状態で入れるなどの対策が必要なようです。





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