2014年01月

2014年01月30日

「STAP(スタップ)細胞」IPS細胞、ES細胞とどこが違うか?

弱酸性溶液に浸すだけで「STAP(スタップ)細胞」作製に成功

のニュースが飛び交っています。

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皮膚などの体の細胞を弱酸性の溶液に30分間ほど浸すだけで体のさまざまな組織になる「万能細胞」を作り出すことにマウスの実験で成功したと理化学研究所などの研究グループが発表

こうした能力を持つ細胞は、皮膚などの細胞に遺伝子を入れて作るiPS細胞などが知られていますが、今回は外部からの刺激というより簡単な方法で短時間に作れる。iPS細胞は作り出すのに2週間から3週間かかりますが、STAP細胞は1週間ほどでできる。

iPS細胞などと違い、周りの環境を変えて刺激を与えるだけで細胞が変化するという革新的な技術で、再生医療や免疫の研究などに貢献できるのではないか


「STAP(スタップ)細胞」について調べる前にIPS細胞、ES細胞について復習しておきます。

イノベーションカレッジ「ES/iPS細胞による産業イノベーション」に参加しました


ES細胞(Embryonic Stem Cell)

iPS細胞(induced Pluripotent Stem Cell)

の違いを示します。実は多くの人が混同しているのでは、と思います

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ES細胞はヒトの受精卵が分裂し、分化を繰り返して胎児と呼ばれる状態になるまでの間の胚(胚盤胞)の内側にある細胞を取り出して、特別な条件下で培養した細胞のことをいいます。

他人の受精卵から取り出したES細胞を用いて作製した組織や臓器を患者に移植することになるため、拒絶反応や生命倫理の問題が高い障壁となり、ES細胞研究は政治、宗教を巻き込んだ社会問題へと発展していきました。

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iPS細胞は成長途中の胚から細胞を取り出すのではなく、初期化に必要な4つの遺伝子をすでに分化した皮膚などの体細胞に入れて人工的に作り出すことができるため、ES細胞のように受精卵を利用することがありません。

また、初期化する細胞は患者自身の細胞に由来するため、iPS細胞を元に作った臓器を患者に移植しても、免疫系はその臓器を自己と認識し移植が拒絶されることは少ないと考えられます。

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を見ていただくとして、簡単に言うと、両者とも、

・何の細胞にでもなれる

・無限に増殖は

同じなのですが、

・iPS細胞は受精細胞ではなく、一度分化して人の身体になった皮膚などから戻せる点が異なります

それゆえ、受精細胞でなくてよい、患者本人の細胞が利用可能、なところがポイントです


さて、理化学研究所のプレスリリース

体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見−細胞外刺激による細胞ストレスが高効率に万能細胞を誘導−


ダイジェスト版


を抜粋しようと思ったのですが、難しいので、オリジナル版の図表の個所を引用します。

原理、特徴、応用分野などをしっかり理解できた時点で再チャレンジします。

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成体に見られる体細胞は、特定の細胞種へ分化が進んだ細胞であり、その分化状態については固定されている。一方、初期胚に存在する内部細胞塊は未分化で、成体に存在する全ての細胞へ分化する能力(多能性)を有している。ES細胞、iPS細胞は多能性を持つ幹細胞である。

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従来の考えでは、動物細胞の分化状態を未分化な多能性の状態へ初期化するのは、細胞核の未受精来への移植(クローン技術)か多能性に関係する複数の転写因子の強制発現(iPS細胞技術)のように「細胞核の人為的な操作」が必要と考えられていた。しかし、植物では細胞外環境を変えることで、分化した細胞から未分化な細胞塊(カルス)を作ることができることが知られている。

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分化したリンパ球のみを分離した上、酸性溶液で刺激することで、2日以内に初期化が開始し、多能性マーカー(Oct4::GFP)の発現が認められた。7日後にはそれらの細胞は、細胞塊を形成した。

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STAP細胞は、試験管内の分化系(上図、胚葉体形成法など)でも、マウスの皮下移植による奇形腫形成法でも、外胚葉、中胚葉、内胚葉組織への分化が確認された。

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STAP細胞は、胚盤胞(着床前胚)に移植することで、キメラマウスの多様な組織の細胞を生み出し、さらに生殖細胞形成にも寄与する。胎盤のみ形成し、胎仔を形成できない宿主の胚盤胞を用いた場合、注入されたSTAP細胞のみから胎仔全体を形成することも示された。

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胚盤胞に注入されたSTAP細胞は、キメラマウスの胎仔部分のみならず、胎盤や卵黄膜などにも分化していることが分かった。

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試験管内の培養ではSTAP細胞の増殖能が低いが、ATCH(副腎皮質刺激ホルモン)を含む培養液で数日間培養することで、増殖能の高い幹細胞(STAP幹細胞)へ転換される。

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今回発見されたSTAPによる初期化は、全く従来は想定していなかった現象である。その原理の解明は、幹細胞や再生医学のみならず幅広い医学生物学研究に変革をもたらすことが期待される。さらに、ヒト細胞への技術展開も今後の課題。




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2014年01月28日

東京藝術大学 卒業・修了作品展に行ってきました

東京藝術大学 卒業・修了作品展

という案内が来ました。

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卒業・修了作品展は、今回で 62 回目を迎えます。

美術学部全科が上野に一堂に会し、 東京都美術館、大学美術館、陳列館や正木記念館、また、学内の各科の特徴のあるアトリエのスペースや屋外のロケーションなどを活用しながら、展覧会 を構成していきます。


日本画、西洋画、彫刻、現代アートを一堂に鑑賞できる機会なので、早速行ってみることにします。

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上野恩賜公園の国立西洋美術館ではモネ展、ムンク展が開催されており、長い行列になっています。

さて、国立西洋美術館を横目で見つつ、会場の東京都美術館に行きます。

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日曜日ということもあり、かなりの人出です。

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さて、なるべく多くの作品を紹介したいのですが、原則撮影禁止のため、許可をいただいた作品だけの掲載になってしまいます。

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単なる絵画としての作品ではなく、これらの作品を組み合わせることにより、新たな芸術性を生み出しています。

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あるいは、ひとつひとつの作品が集められる、組み合わさる、ことにより、新たな芸術性を生み出しています。

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東京都美術館を出て、すぐ近くの東京藝術大学に向かいます。

歴史的な雰囲気を感じる奏楽堂がありますが、今は休止中です。

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さて、会場に入ると夕日に映える作品がお出迎えです。

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返す返すも、原則撮影禁止のため、許可をいただいた作品だけの掲載になってしまうのが残念です。




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2014年01月22日

東大地球表層変動研究センター・サイエンスカフェ「地球温暖化と台風」に参加しました

東大地球表層変動研究センター・サイエンスカフェ「地球温暖化と台風」

という案内が来ました。

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案内文によると、


2013年は9月・10月に台風が頻発し、台風18号や26号は京都や伊豆大島に大きな被害をもたらしました。

また、台風30号は最低 気圧が895hPaと猛烈な強さとなり、フィリピンに未曾有の災害を引き起こしました。

スーパーコンピュー タ「京」を用いて将来予想される地球温暖化により台風の性質がどのように変化をするかについて研究を進めています。

今回のサイエンスカフェで は、2013年の台風について振り返り、地球温暖化と台風の関係についての現在得られている知見について紹介いたします。


とあります。

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東大地球表層変動研究センター・サイエンスカフェには、何度か参加したことがあり、その様子は、

東大地球表層変動研究センター・サイエンスカフェ「遺伝子解析技術の最前線と展望」に参加しました

サイエンティストとエンジニアの視点の違い

「朝2時起きで、なんでもできる!」枝廣淳子さん

に書いております。

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台風の発生、進路を予測できるようになったのは、数値モデルとそれを計算するスーパーコンピュー タの発達によるものが大きいようです。

雲には、熱を閉じ込め、太陽光を反射する、などの効果がありますが、この「雲」をシミュレーション上で再現できることが台風予測のポイントです。

地球は1周約40000劼△蠅泙后これをメッシュに切って、数値モデルを組み立てるのですが、

100卍度の粗いメッシュでは「雲」をシミュレーション上で再現することはできなかったのが、1卍度の細かいメッシュでは再現できるようになったそうです。

もちろん、計算は飛躍的に増えますが、スーパーコンピュー タの開発が、この計算を可能にしました。

日本は、この数値モデルを作ることでは優れており、研究者の数だけ、数値モデルがあるそうです。

優れたものであっても他者のモデルを使うより、自分のモデルで再現しないと気が済まないようです。


さて、地球温暖化ですが、最近は止まっている、とのことです。

これはリーマンショックによる、世界大不況がもたらした、経済活動の停滞による影響もありますが、熱が海中に蓄えられている影響もあるようです。

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台風の発達は海面温度が大きく影響します。台風は海水をかき混ぜるのですが、その結果、下から出てくる海水の温度が高いと、発達します。

昨年フィリピンに被害をもたらした台風30号は、猛烈に強い台風でしたが、必ずしも史上最強、ではありませんでした。

ただ、強く発達した状態で、フィリピンを襲いました。

気圧895hPa、風速90m/s以上ということですが、実は計測器が壊れてしまっていて、正確な値は計測できていない、ようです。

衛星からの雲の状態などから推測するようです。

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さて、シミュレーションでは実測値との比較を必ず行います。

シミュレーションの初期の段階では、実測値からパラメーターを算出して、実測値に合わせるような「操作」を行うことも、しばしばあります。

現在のモデルでは、このような実測値に合わせる「操作」を特段行わなくても、観測とよく合致する状況が導かれるそうです。

すなわち、シミュレーションにより予測が行える状況です。

ただ、シミュレーションができるのだけれど、理論的な背景、導出が未整備な状況、とのことです。


さて、地球温暖化により、台風はどうなるか?ですが、

・台風の発生数は減る

・台風は強くなる

・発生場所が、中緯度に移行する

ことが予想されるそうです。

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さて、このサイエンスカフェでは、終了後に懇親会もありました。

気象予報士の方々がたくさんいらしていて、話す機会がありました。

一般的な天気予報ではなく、カスタマイズした天気予報、例えば、8月21日に成田から海外に出発するのだが、台風に見舞われるリスクは?タイに工場進出したいのだけれど、洪水の被害が少ない地域は?などは大きな需要がありそうなのですが、

当たればよいのですが、外れた場合の補償請求など、難しい問題がありそう、とのことでした。



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2014年01月21日

海外事情、ネットで調べ、経験者に聞く、のがよさそう

地図のない時代〜海外現地採用という選択肢〜




仕事の場が国内だけでなく、世界に広がる中で、日本企業採用で海外派遣だけではなく、海外現地採用という選択肢により、キャリアが大きく広がる可能性が出てきました。

以前は、日本が高度成長期で、日本が市場としても成長していた頃で、日本企業に就職し、メーカー、商社などで海外派遣がある、というものでしたが、

少子高齢化で日本の市場成長が望めず、アジア、アフリカなどの新興国の市場成長が確実な時代、海外でのキャリア、は当然の選択肢かもしれません。


と書きました。

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インターネットで海外のことも簡単に検索できる時代ですが、実際に海外に行くと

・未知のものとの遭遇、別の世界の扉を開き、未知のものとのコミュニケーションが始まる。

という感じで、ネットで調べた情報とは、かなり違う印象を受けたりします。


そういう場合は、実際に行ったことがある、経験者に聞く、のがよさそう、です。

そうだ海外に行こう!「遠くて近い国、南米のペルーとボリヴィア〜資源開発を中心に〜」

というイベントがあるので参加します。

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ペルーとボリヴィアには明治時代から移民が渡り、現在、数十万人の日系人が暮らしている。インカ帝国、マチュピチュ、ナスカの地上絵など、良く知られる観光地もあるが、治安がよくないせいもあり、あまりなじみがないのが残念。


国土が狭く、資源に恵まれない日本は、鎖国が解除された明治時代から、新天地を求めて海外に移住する人が多くいたようです。

日本とペルーの移住小史

を見ると、


日本人がペルーに向け、南米初の集団移民を開始したのは明治32(1899)年でした。

両国のあいだには、明治5(1872)年に「マリア・ルス号事件」が勃発しています。これは、維新後の日本がはじめて経験した国際問題であり、中南米初の国交をペルーと結ぶ契機となった出来事です。

そのころ、砂糖などの輸出に沸くペルーは未曾有の好景気。しかし1854年に黒人奴隷の解放令が出され、労働力不足は深刻化し、以降20年間で9万人近い中国人クーリーが半ば強制的にペルーに連れていかれました。彼らは各地で反乱を起こし、その結果、「もっと従順な」新移民が求められました。白羽の矢が立ったのが、日本人でした。

以降、日本からの移民は続々と太平洋を渡り、最終的には日系大統領まで生み出しました。 そして現在、彼らは父祖の国「日本」で就労し、家族とともに定住しています。

明治32(1899)年、790人の男子だけの日本人移民が、ペルーのカヤオ港に到着しました。南米における集団移民の嚆矢(こうし)です。彼らの多くは、錦衣帰郷を願う「出稼ぎ」。ペルーに関心はなく、「募集していたから応募した」だけでした。

彼らが送り込まれたのは、「耕地」と呼ばれる大規模なプランテーションで、砂糖キビ耕地の小作人や、製糖工場の作業員として4年の契約を結びました。

いくつかの不運が重なり、初年度には79人の若者が感染症や過労などで死亡し、移民の暴動も頻発しました。移民側も雇用側も、お互いへの理解が低すぎたといえます。


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海外では、このような移民側も雇用側の思惑の違い、「そんなことは聞いていない」「こんなはずではなかった」は昔からあった、

というよりも、インターネット、メールどころか、国際電話すら容易ではなかった時代には、さらに状況はよくなかった、と思われます。

だからこそ、このような海外経験者からお話を伺う機会が大切だったりします。

さて、ペルーとボリヴィアの話は上記サイトを見ていただくとして、海外に共通する話をまとめます。


・共通性から法則を見出し、相違点から多様性を確認する。

・自分の身を守るには他者の反応を予測する。

・人類の歴史は、貴重な資源の争奪戦。

・人間は過去を回顧しても、決して過去には逆戻りできない。

・海外へ行くと日本を「外」から見ること、海外の事例を日本と比較することができる。それぞれに長所、短所がある。海外の事例を、ただ単に賞賛し、日本を批判する、あるいはその逆を行うのではなく、文化、背景を踏まえた上で、お互いに学びあう。


一口に海外と言っても、ヨーロッパ、アメリカのような先進国、東南アジア、南米、アフリカで全く文化、慣習が異なります。

このような経験者からお話を伺う機会は大切にしたいものです。



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2014年01月20日

大学センター入試によせて、大学入試で、志願者にみたいことは?

大学センター入試が先週末に行われましたが、心配された雪などによる天候の乱れ、それに伴う交通機関の乱れも、大きなものはなく、無事平穏にとり行われてよかった、と感じております。

さて、この機会に大学入試について考えていることを

大学入試で、志願者にみたいことは?

10代の最大イベントは大学入試かもしれない、回避するとどうなるか?

から抜粋しつつ、まとめてみたい、と思います。

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大学入試:国公立大、2次の学力試験廃止 人物重視、面接や論文に?教育再生会議検討


政府の教育再生実行会議が、国公立大入試の2次試験から「1点刻みで採点する教科型ペーパー試験」を原則廃止する方向で検討することが分かった。

同会議の大学入試改革原案では、1次試験で大学入試センター試験を基にした新テストを創設。結果を点数グループでランク分けして学力水準の目安とする考えだ。

2次試験からペーパー試験を廃し、面接など「人物評価」を重視することで、各大学に抜本的な入試改革を強く促す狙いがある。


下村文科相は「学力一辺倒の一発勝負、1点差勝負の試験を変える時だ」とし、新テスト創設の必要性を強調。

さらに、大学ごとに実施する2次試験について「大学の判断だが(同会議では)2回もペーパーテストをしないで済むよう考えたい」「暗記・記憶中心の入試を2回も課す必要はない」と述べた。


いつも夏に大学院入試志願者を対象に、

大学院入試 考えていることを、とにかく書くこと!(筆記試験編)

大学院入試、考えていることを明確に (口述試問、面接編)

を書いています。

つまり、大学院入試では、1次試験が「筆記試験」、2次試験が「口述試問、面接」なのが基本です。

「口述試問、面接」には、少なくとも一人に付き、15〜20分程度かかるでしょうか?

「口述試問、面接」を1日、午前、午後4時間ずつ計8時間、先生方が4グループに分かれて面接するとして、1日で対応できるのは128名。

つまり、100名程度が志願者の上限になり、その程度まで、筆記試験で絞る、ことになります。

さて、上記によると、大学院入試でみたいことは、

大学院入試 考えていることを、とにかく書くこと!(筆記試験編)


大学入試は受験者が極めて多くて、ある程度、学力の差が出るような問題の設定にします。

一方、大学院入試では受験者は比較的少数です。

ここで、見たいのは、大学院教育に対応できる、基礎学力、論理的な判断力、思考を組み立てる力、などです。

これらを見るために、論述試験が出題されることが多い、と思います。


大学院入試、考えていることを明確に (口述試問、面接編)


口述試問、面接で質問されることは、

●専門事項

●「なぜ志望したか?」「これまで何をしてきたか?」「入学後何をしたいか?」「(社会人の場合)勤務と両立可能か?」


と書きました。

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では、大学院ではなく大学の入試で志願者にみたいことは、何なのでしょうか?

これは、定説がないので、「TAK」さんの私見ですが、「大学で学ぶことができる基礎学力を身に着けているか?」ではないでしょうか?

この「基礎学力」を見るために、1次試験が「大学入試センターによるマークシート試験」、2次試験が「各大学による試験」になっています。

下村文科相は「暗記・記憶中心の入試を2回も課す必要はない」と述べていますが、2次試験は多くの大学で「考え方・論述を述べる」タイプが中心になっています。

例えば、東大の2次試験

です。

世界史の

「17世紀から19世紀までの、開発の内容や人の移動、人の移動に伴う軋轢について、カリブ海と北アメリカ地域への非白人系の移動を対象にし、奴隷制度廃止前後の差異に留意しながら論じなさい」

などは、この時期の北米における開発、それに伴う人の移動、それがもたらした社会現象を包括的に理解していなければ回答できず、決して、「暗記・記憶中心の入試」などではありません。

この「考え方・論述を述べる」タイプが中心の2次試験は採点が大変なため、1次試験の「大学入試センターによるマークシート試験」で足切りをします。


政府の教育再生実行会議は座長の鎌田薫氏が早稲田大学総長、下村文科相が早稲田大学出身のため、

「暗記・記憶中心の入試を2回も課す必要はない」

とは、国公立大学入試のことではなく、早稲田大学入試のことではないか、との意見も多く出ました。

「TAK」さんは私立大学の入試についてはよく知りませんが、いわゆるマンモス私立大学の先生とお話した時、

「入学試験は私立大学の大きな収入源であることは間違いない」

と伺ったことがあります。

例えば、早稲田大学の財務状況

をみると、入学検定料で40億円程度がまかなわれ、志願者数は減らしたくない、のが本音でしょうか。

もう少し、検討を待ちたいものです。


ところで、大学入試に求められることは勉強し、そうでないものは勉強しない、のは仕方がないことです。

大学入試センター試験に英語のリスニングが導入されたのは2006年以降です。

これ以降の学生、例えば、現在の大学生、大学院生は英語のリスニングを相当訓練しており、TOEFL、TOEICなどのリスニングでも、それほど困ることはありません。

一方、それ以前の世代は、英語のリスニング、スピーキングをTOEFL、TOEIC対策などで独自に勉強せざるを得なくなり、相当苦労してます。

大学入試センター試験の英語のリスニング導入は、確実に日本人の英語能力開発に有効だった、と言えそうです。

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「学ぶ意欲」と「働く意欲」は全く別物?


好きな科目を勉強するのは、わかりやすいですが、食わず嫌い、になってしまうおそれもあります

大切な科目は必修にして、仕方なく勉強しているうちに、面白くなってくることもあります

「大学入試」がよくも悪くも、重大な意味を持っています

「大学入試に出ないものは、勉強しない」と言うのは、入試合格がひとつの目的である以上、当然の帰結でもあります

ただし、「試験にしづらいけれども重要なこと」と「試験にはしやすいので、試験問題にされるけれど、本当はどうでもいいこと」があります

例えば、英語では大量高速の読み取り、聞き取り、文章が適切に書けること、話せることが大切です。TOEFLではこれらが試験されますが、大学入試でよく出題される英文法の前置詞の穴埋めなどは、onでもinでもatでも、通じるので、とにかくリアルタイムのコミュニケーションを切らないことが重要なのは実務で経験することです

また、歴史だって、年号、人名などよりも、なぜそのような歴史的背景が形成され、そういった帰結になったか?が重要なのです

「TAK」さんの持論は、「英語と数学の基本的素養は必須で、これを大学入試が重視するのは当然だが、大学入学後の学業および学業外生活には、それ以外に文学、音楽、美術の鑑賞、表現など、入試に関係ないとされる領域が大きく影響する。修士、博士ではその影響がさらに拡大する」だったりします

「TAK」さんは日本でも有数の進学校を出てますが、国語の先生は大学入試にはおよそ関係のないことを、例えば、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」、ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」などの読書課題を出し、感想文の提出を要求し、厳しく採点する先生でした

在学中は、「模擬試験直前の忙しい時に、なんで入試に関係ないこんな宿題を」を生徒の間で悪評でしたが、卒業してからしばらく立つと「あの先生の読書課題のおかげで」とみんな感謝するようになりました

「TAK」さん自身、教育に携わる身でありながら、これにはスパッと割り切れる明快な解答がありません。生徒、学生だけでなく、現場の先生方、教育関係者も悩んでいます。もう少し検討したいです




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2014年01月17日

東京大学知的資産経営研究講座「知的資産経営の視点からみたデザインドリブンイノベーション」

東京大学知的資産経営研究講座「知的資産経営の視点からみたデザインドリブンイノベーション」

という案内が来ました。

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このシリーズには何回か参加していて、過去の参加記は、

東大知的資産新ビジネス塾「経営戦略としての知財活用」

東京大学知的資産経営研究講座「技術を活かすデザイン・ドリブン・イノベーション」に参加しました

東京大学知的資産経営研究講座「新ビジネス塾」に参加しました

東大知的資産新ビジネス塾「知財戦略はめまぐるしく進化する」

国際標準化と新興国とのコラボレーション

に書いてあります。


かつての知財戦略と言えば、競合他社よりも先んじて技術開発し、それを特許出願し、権利化し、権利を防衛すると共に、ライセンス収入を得る、というものでしたが、オープン・イノベーション、国際標準化の流れの中で、あえてリスクの高い新規技術開発を自ら行うことなく、技術、知財ごと買収する、というのが現在のトレンドでしょうか?

また、日本の生産拠点が中国に移転して、日本国内が空洞化した、と言われて久しいですが、中国の経済発展により、賃金が上昇し、人々が中産階級化した結果、生産拠点が中国から東南アジア諸国に移転し、中国が空洞化、という現象も起きています。

「生産拠点が中国から東南アジア諸国に移転し、中国が空洞化」と書きましたが、この原因は生産コストですが、背景にはディジタル化、モジュール化により、生産コストの安い東南アジア諸国に技術移転が可能、ということがあります。


技術力で勝る日本が、事業で“負け続ける”という状況になってから、久しい感があります

かつては、世界で圧倒的シェアを誇っていた日本製品が、次第にシェアを奪われていく

これまで、日本を成功に導いてきた、7つの「ものづくり神話」

1)技術力優位=事業競争力の優位の神話。

2)国内競争での勝利が海外輸出へと結びつくという神話。

3)自前主義、抱え込み主義、摺合せ垂直統合型優位の神話。

4)高品質優位の神話。

5)製造業=モノづくりの神話。

6)知財権大量取得優位の神話。

7)国際標準降臨の神話

が、もやは通じず、

・ディジタル化、ネットワーク化により、社会構造が変貌し、これまでの成功ビジネスモデルが通用しなくなった

・世界市場の急速な拡大:以前G7諸国(7億人) → 現在G20+BOP諸国(50億人)

同一業界内での競争から、事業環境をあたかも「生態系」のように、異なった遺伝子をもつ異質な企業群が協調したり競争したりしながら、その環境が進化していく、という「産業生態系」で、考えた方が、よさそうです

このような状況下では、

産業生態系、ビジネスモデル、商品、価値

の「デザイン」が大切になってきます。

この場合の「デザイン」とは、単なる外的なスタイリング、ではなく、

モノ(実は、いわゆる、形がある「モノ」だけでなく、形がない「サービス」なども含みますが)が提供され、活用される状況を考慮した、設計、計画

でしょうか

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では、早速出た話をまとめます。

・デザインとは、技術力が、性能や人間的要素、外見、コストパフォーマンスといった顧客ニーズに焦点を当てるプロセス(ジェームス・アッターバック)

・デザイン・ドリブン・イノベーションが注目される背景:技術主導の生産性低下、生産・サービスのコモディティー化、マーケットリサーチの限界

・17世紀までの農耕経済では、生産性は土地、労働力に依存し、国による格差は小さかった。

・18世紀以降の工業化経済では、工業化した時期に生産性が急上昇するが、他国が工業化すると追いつかれる。

・サイエンス経済、自然科学に関する科学的知見だけでなく、社会現象を科学的に究明し、それを経済価値化していく活動がベースになる経済社会システム

・これからのメーカー、商品を顧客に売ったら「おしまい」ではなく、売ってから顧客と価値を創造していく

・スウォッチ(1983年)時間を確認する道具、あるいは高級宝飾品という、これまでの時計の概念に「日常ファッション」という、これまでと全く異なる意味付けがなされた。

・既存の市場の中で、差別化によるシェア拡大ではなく、新しい市場を創り出す

・デザイン・ドリブン・イノベーションの実現は、デザイン担当者ではなく、解釈者との交流により可能になる。 

・Wii、スウォッチ、iPod、いずれも技術的には新しいものはなかったが、顧客にとっての意味づけが異なった。

・デザイン・ドリブン・イノベーションは必ずしもビジネスとしての成功を約束するものではない。意味は、顧客、市場が見出す。

・デザイン・ドリブン・イノベーションを実現するには、実行部隊を本体組織から切り離す。

・デザイン・ドリブン・イノベーションは、顧客が表現できないニーズを捉える試み。顧客の生活世界に住み込むことにより獲得できる。

・ビデオデッキ、携帯電話に見られた機能追加は、競争業者間の差別化であって、顧客に対する差別化ではなかった。

・エジソン、白熱灯、蓄音器は、モノを創ったのではなく、新しい生活を創った。

・技術は目的を持たない。デザインによって技術に目的が与えられる。

・キンドルはデバイスではない。すべての書籍を60秒以内に、手に入るようにするサービス(Jeff Bezos)

・技術や事業について考慮するだけにとどまらず、観察することにより、人間の行動、ニーズ、嗜好を織り込む 

・異質な人材、専門家が協働する。この場合、可視化が有効 

・プロトタイプ化→検証のプロセスの繰り返し

・デザイン思考は、知的財産の可能性を拡大する方法





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2014年01月16日

革新的手法でデータを可視化し、正しく読み解く

東京大学グローバル・リーダーシップ・プログラム(GLP)公開セミナー「Googleが投資し、ビル・ゲイツにグローバルヘルスへのコミットを決心させたハンス・ロスリング教授による生講義「先入観をくつがえそう」」

という案内が来ました。

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カロリンスカ大学のハンス・ロスリング教授は「ギャップマインダー」という、革新的データ・ビジュアライゼーションにより、データを可視化し、正しく読み解く研究を行っています。

これにより、先入観にとらわれることなく、世界を見て、判断することができ、また重要性について説いています。


TEDハンス・ロスリング 最高の統計を披露

の動画の再生回数が600万回以上に達するなど、全世界で今最も注目を浴びる統計学者です。


ギャップマインダー

Gapminder (ギャップマインダー)

という手法は2つのデータの相関関係を時系列的に観察・分析できます。

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このギャップマインダーを使う前に「統計」について整理しておきます。

「論より統計!」大規模データの時代になって、統計が「整備」から「積極活用」に

に書いたように


統計の歴史を振り返る〜統計の3つの源流〜
http://www.stat.go.jp/teacher/c2epi1.htm

より抜粋すると、

「統計」と呼んでいるものの歴史を振り返ると、その源流は以下のように大きく3つに分けることができます。

1. 国の実態をとらえるための「統計」
2. 大量の事象をとらえるための「統計」
3. 確率的事象をとらえるための「統計」

これらは別々のルートをたどって、19世紀半ば、ケトレー(1796-1874)が社会統計を科学的に作成・分析するために確率論を導入したことで、社会現象・自然現象いずれも数量的にとらえる「統計」として形を整えました。


1. 国の実態をとらえるための「統計」

古来、為政者は、徴税、兵役などのために、その支配する領域内の実情をできるだけ正確に把握する必要がありました。

19世紀のフランスの統計学者モーリス・ブロックは「国家の存するところ統計あり」という言葉を残しています。こうしたことからも、統計が国家経営に欠かせないものとして発展してきたことは容易に理解できます。

古代エジプトでは紀元前三千年にピラミッドを建設するための調査が行われたことが知られていますし、ローマ帝国では初代皇帝アウグストゥスの治世の頃に、人口や土地を調べる調査(Census)が行われました。今日、国勢調査のことを「人口センサス」と呼ぶのはその名残です。

日本でも、住民を登録して課税するために670年に最初の戸籍、庚午年籍を作成したり、また後世では豊臣秀吉が同じく課税のために、大規模な太閤検地を行ったことが知られています。


2. 大量の事象をとらえるための「統計」

イギリスのジョン・グラント(1620-74)によってその道が切り開かれました。

グラントは、当時たびたびペスト禍に見舞われていたロンドンで、教会の資料を基にした死亡統計表を分析し、一見偶然とみえる人口現象に規律性のあることを明らかにしました。

彼はまた、当時200万人と考えられていたロンドンの人口について、様々なデータや観察を通じて38万4千人と見積もり、限られた量のサンプルデータを注意深く観察することで全体の人口に関する推測が可能になることを示したのです。


3. 確率的事象をとらえるための「統計」

サイコロ賭博のように偶然に左右されるギャンブルとの関わりの中から産み出されました。

「標本空間」の基本的な考え方は、16世紀にサイコロ賭博やトランプゲームにおける偶然の仕組みを数学的に研究したイタリア人カルダーノ(Geloramo Cardano 1501-76)によっています。

パスカル(1623-62)とフェルマー(1600年代初頭-1665)は期待値、推定、検定、標本理論など確率論の基礎をつくり、18世紀に入り、ベイズ(1702-61)、ラグランジュ(1736-1813)、ラプラス(1749-1827)といった一流の数学者たちの研究を経て大成します。


勘、経験による判断からデータに基づく判断へ移行しているのは間違いありませんが、

そのためには、自動的に計測、記録できるようデザインし、データをわかりやすく可視化するシステムが不可欠です。

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これについては、

今さらながら、PDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)サイクル


PDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)サイクルとは、

(1)測定の仕組みがあるか?(Plan)

(2)計画的に実施しているか?(Do) 

(3)測定結果を適切に評価しているか?(Check)

(4)その結果を改善につなげているか?(Act)

(5)改善効果は得られているか?(成果)

(6)もし(1)−(5)が適切になされていなければその原因は何か?

巷で言われているPlan(計画)よりも、「測定の仕組みがあるか?(Plan)」としているのが特徴です。

計画しっ放し、ではなく、測定できるように、と言っています。

あなたの会社では(1)〜(6)がしっかりできていますか?

なお、この(1)〜(4)の順番は入れ替わることもあります。

こうなりたい姿に現状から目指すのであれば、

PDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)ではなく、CAPD(チェック・アクション・プラン・ドウ)

・なりたい姿と現状のギャップを評価する

・そのギャップを踏まえて、なりたい姿へアクション

・計測できる仕組みづくり

・計画的にできるか?

というステップになります。


例えば、あなたが営業だとします。製品別、地域別、顧客別の売上高、利益率などについての、「測定の仕組み」がありますか?

オンライン・システム、社内LANなどのインフラが整備されているのですから、各自がいつでも、ほしいデータを集計できればよいのですが、実際には担当者がExcelなどを使って、手作業で集計しています。

それゆえ、集計は四半期毎、月毎、などになり、ほしい時に測定することはできません。

すると、PDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)サイクルを回して仕事をしているのではなく、測定できるのは、四半期毎、月毎で、それ以外の時は、いつもの慣習、成り行きで仕事をしている。

そして、トラブルが起きた時、何かイベント(常務への説明、営業リーダー会議など)がある時、顧客と納入業者の板ばさみ、への対応に追われ、仕事をした、と思っている。

すなわち、その場しのぎ、行き当たりばったり、になっており、マネジメントはできていない。

個人でも、業績の目標管理、あるいは個人として目標を目指していること、があると思います。

しっかりPDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)サイクルを回してマネジメントしていますか?



勘、経験からデータに基づくライフスタイルの時代へ


・データは当初の目的だけでなく、それ以外にも大きな利用価値がある、データの再目的化がポイント(ビッグデータ)

・まだ分析されていない「眠っているデータ」を有効に利用することで大きなビジネス上の価値を創出することができる

・Evidence based Society、もっとデータを利用する。勘と経験による判断から、データによる判断へ

・ワインの質、ソムリエのテイスティングよりも、気温、降水量などのデータにより正確に予測可能(オーリー・アッシェンフェルダーのモデル)

・データを意思決定に活用するには、相関ではなく因果を知らなければならない。相関関係と因果関係は別物

・データ・サイエンティスト:高度な数学的素養を持ち、プログラミングにたけ、好奇心旺盛で企業経営に興味を持つ、スーパースターで、アメリカにおいて、最もセクシーな職業(トーマス・ダベンポート) 

・データ・リテラシー:データ処理や統計に関する基本知識に加えて、データの裏にある真実を見抜く力、一見関係がないデータの組合せから、何かを見抜く力


と書いたとおりです。

このギャップマインダー

は、いろいろ活用法がありそうなので、今後検討していきたいと思います。

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ハンス・ロスリング教授が話されていた、

・単なる予測ではなく、事実で評価する。

・他者に説明する時は、まず、自分がしっかり理解する

・説明する時は、スクリーンではなく、聴衆の方を見る

で締めくくります。



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2014年01月14日

メディアの進化、変遷「社会を変えるメディアを創造する」

社会を変えるメディアを創造する

というパネルディスカッションの案内が来ました。

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案内文によると、


ソーシャルメディア時代に入り新たなメディアの形が生まれています。

新しいメディアの可能性を議論します。


メディアの進化、変遷、今後の行方、については、このブログでも何度も取り上げてきましたので、少しまとめてみます。

地域社会から世界へ:20世紀のメディアとコミュニティー


1920年代にラジオが登場した時、そのメディアが新しいコミュニケーションを巻き起こした。

毎日、同じ時刻に流される全国ニュースは、それまで小さな地域社会に生きていた人々を瞬時に国家や世界の出来事に結びつけ、日本人という国民としての意識や世論を醸し出す媒体となった。

地域の祭りや労働と結びついて伝統的に継承されてきた民謡とは違い、全国各地の若者が同じ流行歌を口ずさみ、レコードを買う、という現象が同時多発的に生じ、親の世代を大いにまどわせた。



メディア:そのしたたかなビジネス戦略


正力読売新聞社長の「新聞ほど、戦争で儲かった商売はない」という言葉はあまり知られていません。

この時代には、ラジオはありました。

同時性の強い、ラジオにより、日本中に、

・日米戦争開始「臨時ニュースを申し上げます。帝国海軍はハワイ真珠湾沖において、米英艦隊と戦闘状態に入れり」

・戦況「硫黄島玉砕」

などが知らされました。

しかし、ラジオは音声によるものです。

録音装置が豊富な現代ですら、音声は、原則として、その場で消えていきます。

残るのは、文字です。

それゆえ、この時代は、ラジオと新聞が、うまく補完する形で共存していました。

戦争になると、人々はより詳しい情報を求めます。

それゆえ、戦争になると、購読者は急激に増えました。

政権側も、当初は検閲という形で、新聞の内容に圧力を加えますが、次第に、国威発揚のために手段に使おうと考えます。

新聞社側も、購読者である国民が受け入れやすい内容で、購読数が増えるのに、賛成でしょう。

それゆえ、「戦時下の新聞」とは、実は、軍部と新聞社のwin-winの関係であったのではないか?とも考えられます。

こう書くと、ジャーナリストの方々から、

「ジャーナリズムの中立性、公平性をどう考えているんだ」「戦時中に書きたくても書けなかった記事があるんだ」

と怒られそうです。

ただ、戦争とは特需を生むのですが、その中でも、「新聞ほど、戦争で儲かった商売はない」ことを考えると、軍部と新聞社のwin-winの関係もあながち、否定できるものではないでしょう


さて、軍部と新聞社の関係は、これくらいにしましょう

上に書いたように、ラジオの音声と、新聞の文字、はお互いに補完する形で共生していました。

テレビ放送が始まると、ラジオの衰退は起こりましたが、衰退が予想された新聞は、予想に反して伸びていきました。

テレビの映像と音声は、録画・録音して後で見る人は多いですが、情報は原則としてその場で消えます。

文字で残る新聞とは共存の関係でした。

しかし、インターネットは文字情報をふんだんに持っており、しかも、原則、無料です。

有料で、毎日、印刷し、宅配する新聞は、このインターネットと競合し、スピード、手軽さ、選択性において、はるかに劣ります。

このままの形では、新聞の衰退は避けられません。


140114広告費


JMBAリーダーズフォーラム「ソーシャルジャーナリズムと伝統的新聞社の協働の可能性」に参加しました


新聞の有料購読者は減少し、報道関係者が職を失っています

新聞は紙からWebへ急激に移行しています

長い歴史を誇る新聞社の休刊や廃刊が相次いでいます。

生き残っている新聞社も多くは取材拠点を縮小し、記者や編集者をレイオフしています。

紙媒体をオンライン版に移行すればよい、というだけの問題ではないようです。

紙媒体の方が収益性がずっとよいのに加え、オンライン版に切り替えたものの、無料のYahooニュースとの違いが感じられず、結局辞めてしまう人が多いそうです。



メディアで変わる 所有からシェア(共有)へ


メディア、特にインターネットのおかげでライフスタイルが変わった、と言われて久しいでしょうか

インターネット自体もYahooなどのポータルサイトへの一極集中から、

Facebook、mixi、twitterなどで個人が、ほとんどコストをかけずに情報発信する時代になりました

個人が情報発信する時代になって、情報の価値がコモディティー(潤沢生産品)化しました。

専門知識を持っている人がその知識をタダで提供してくれるようになりました

さらに、個人が持っている日記、スケジュールなどの情報が机の引き出しの奥にしまわれているのではなく、

プロバイダーのクラウドにアップロードされるようになりました。

すなわち、個人が持っている日記、スケジュールなどの情報がいろいろな人に共有されるようになりました


140114ソーシャル


21世紀メディア論:メディアとコミュニティー


メディアにより、多くのコンテンツが生まれています

だけど、

・コンテンツはコピーできるけど,コミュニティはコピーできない。

・コミュニティを所持することはできない。維持するためには「変化」が必要ともいえるかも

新しいメディアとコミュニティーの関係が模索されます



「情報があふれかえる社会」から「表現が編みあがる社会」へ


テレビ、新聞などのマスメディア、それと対極の携帯電話、ブログ、SNSなどの個人コミュニケーションツールはあります。

でも、その中間領域がぽっかり空いています。

ここの「えんがわ」部分がこれからの社会には大切なのかもしれません。

1回だけのワークショップで、「えんがわ」はできるものではありません。

でも、この活動が広がっていくと、細い「えんがわ」が太くなっていくのではないでしょうか?

「情報の消費者」から、「情報の表現者」へと変わっていきます。



地域から発信するイノベーションの挑戦


地方に限らず、個人、小さなチームがムーブメントを起こし、次第に社会にインパクトを与えるまでになる、秘訣が凝縮されています。

自分の「メディア」「ネットワーク」を駆使して、多様な人が集まる「場」を作るだけでなく、継続して、ワカモノ、バカモノ、ヨソモノを集め、イノベーションを起こし、情報発信していく、という感じでしょうか。


前置きが長くなりましたが、メディアのこれまでの進化、変遷をまとめると、こんな感じでしょうか。

では、これからパネルディスカッションで出た話をまとめます。

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・メディア:受け手の変容→送り手の変容→コンテンツの変容のサイクルが進んでいる。

・Yahooニュース、150社と契約、1日3500本のニュース、トップに載るのは70本、1/50だが、これがほとんどのPVを稼いでいる。 

・人々の情報入手行動の変化・多様化、マスからカスタマイズへ、Yahooニュース個人のような、従来のメディアが取り上げなかった、マスニュースとは違ったカスタマイズされたニュースが取り上げられるようになった。

・Yahooニュースに書くと言うと、取材がスムーズ、Yahooトップに掲載されると、PVが急増する、いろいろな仕事が舞い込むようになる。

・「知らせたい」という願望と「無効に誰がいるか、わからない」という怖さ。

・ジャーナリズム、「メディアで社会を変える」という大上段と現場のリアルさの両面を併せ持たなければならない。

・話を聞き、その中から大事なことを見つけて、わかりやすく文章で伝える、ことの大切さ。

・マスメディアが扱う記事だけでなく、パーソナルにカスタマイズされた記事も書けることがこれからは求められる。

・クラウドファンディング:寄付型、購入型、投資型、当初は資金集めの手段だったが、共感型メディアの様相も持つようになった。

・Readyforなどクラウドファンディングのサイトに掲載しておけばお金が集まるのではなく、情報を発信、更新して熱意を示し、出資者と対話することが大切。放置してはダメ。他の掲載プロジェクトとの差別化を図る。 

・クラウドファンディング、初めの段階で周囲の支援が掲載されると、支援の輪が広がりやすい。

・新聞記者、自分が書いた記事への反応をもらうのは難しかった。今はウェブに掲載すると、リアルタイムで反応をもらえるようになった。 

・リアルタイムで反応があると、勇気づけられる。活動の軌道修正ができる。 

・ウェブ掲載では、原語のコンテンツに加えて、適切に描写する写真が大切。

・Yahoo個人、執筆者と読者のやり取りが起こる。ただし、ネガティブなものも少なくなく、執筆者がコメント欄を見ないことも多い。

・ネットの記事、文脈を正しく理解されず、批判を受けることも多い。このような場合、理解を求めるコメントをしても、はなから拒絶されてしまうことが多い。 

・市民が情報の受け手から送り手になるケースが増えてきている。

・有名人でない限り、自分んことについて記事にしてくれるのは、基本的にうれしい。

・個と個のつながりが線、面にはなってきたが、社会を動かすムーブメントには至っていない。

・Yahooニュース個人、リアルタイムのスピード感あるテーマには反応が多いが、2、3日置いたテーマには反応が少ない。

・「ネット」が「ネットの世界」だけのものではなく、実社会と結びつき、表現し、影響を与えるものになってきている。

・メディア、中立性、客観性の立場から、主催者側へは回れない。

・従来メディアではプロジェクトの紹介しかできないが、クラウドファンディングは、プロジェクトに関与するメディアになりつつある。

・「読者へ情報を発信する」から「読者と協働して発信する」ステージへ進みつつある。


メディアは紙媒体からウェブ、マスからカスタマイズ、一方向から双方向、という流れに加えて、

Facebook、twitterなどでの個人の情報発信に呼応する形で、いわゆるマスメディアも世界的、全国的なニュースだけでなく、

ハフィントンポスト、Yahoo個人のように、各分野の専門家や有識者と個人が、意見をやり取りできるソーシャルニュースが登場してきました。

あるいは、当初、クラウドファンディングのような資金調達手段と考えられていたものが共感型メディアとしての機能も帯びてきました。

今後、メディアがどう進展していくのか、社会を変えるものとなり得るのか?楽しみです。



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2014年01月10日

理工系大学こそ、リベラル・アーツが大切

東京工業大学リベラルアーツセンター主催 シンポジウム「今こそ、リベラルアーツ!」

という案内が来ました。

元文部科学大臣遠山敦子氏、池上彰教授、上田紀行教授らがパネリストという豪華な顔ぶれです。

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東京工業大学リベラルアーツセンター

を見ると、


日本の大学教育は、

専門性に重点を置くようになっていますが、その結果、「人間としての教養」を軽視する傾向への反省が語られるようになっています。本センターは、このような社会的背景の認識にもとづいて設立されました。

私たちは、「リベラルアーツ」を「人間としての教養」、また、「リベラルアーツ教育」を「人間としての教養教育」と捉え、日本の将来を担う若者たち一人ひとりがみずからの世界を広げるとともに、自己を深める教育の場として捉えています。

東京工業大学の学生は、理工系分野の高い資質をもちつつ、現代社会の諸問題に正面から立ち向かうことのできるリーダーとなることが期待されています。リベラルアーツセンターでは、そのような東工大生の「人間としての根っこを太くする」教育を担うという使命をもっています。すなわち、一人ひとりの人間性を高め、また堅固な社会性を培うための教育です。

このセンターは、

学生たちが自分自身の頭とハートから発する言葉で語ることができ、世界を展望する広い視野をもちながら、日本のどこでも、世界のどこでも通用する人間をめざす教育を行います。また、多様で複雑な現代社会において、しなやかな感性と強靭な知性をもって行動し、未来を創りだすことのできる人間を目標として、これからの教育を考えるためのさまざまな活動を実践します。
センターは、学生たちがリベラルアーツ教育の創造にも参加する機会を設けています。若者たちが自分たちの身につけるべき「人間としての教養とは何か」を本学の教員とともに創りだしてゆくのです。リベラルアーツセンターは、教員と教員、教員と学生、学生と学生の議論を通じてリベラルアーツセンターの現代的役割を探る拠点でもあります。


とあります。

東工大は理工系のトップクラスの大学ですが、人文、社会系の研究部門が少ないため、KJ法の川喜田二郎氏、江藤淳氏、橋爪大三郎氏ら著名な人文・社会の研究者を招へいしてきました。


日頃から、このテーマについては、いろいろ考えるところがありますので、シンポジウムの内容を書く前に、ポイントをあげると、

・高度に専門化し、専門ごとに分化しがちな理工系だからこそ、リベラル・アーツが大切

・リベラル・アーツは学んでいる時には、「実用的でない。役に立たない。それゆえ、学ぶこと自体が無駄」と感じる人も多いが、ある時を過ぎてから、アイデアの基盤となり、視野を広げ、俯瞰的な思考のベースとなる、大切なものであることに、振り返って気づくもの

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では、シンポジウムの内容をまとめます。

・大学でのアートの授業、1年生は目がキラキラしていて、質問も多いのだが、2年生になると、目が合わなくなり、質問も少なくなる。

・理工系の細分化、専門分化があまりに進んで、少し離れた位置から、自分の研究の立ち位置、影響を俯瞰することができない。 

・最先端の研究領域は専門高度化して、ひとりでの対応は難しい。チームでの対応が不可欠。チームが生み出す力をどうすれば広げ、深め、最大にできるか?

・各大学の改革の結果、教養課程から専門課程にシフトし、結果として、教養課程が軽視されることになってしまった。 

・制度、組織は、創ろうとした時の理想、精神と、結果として、出来上がったものが、往々にして、違ったものになってしまう。

・最近は大学の専攻の名に、「システム」が多く使われるが、「システム」の考え方、定義が大きく異なる。

・人間がデザインする「システム」、システムが人間の活動、思考を拘束していないかチェックすることが大切。

・リベラル・アーツ、学びながら、その価値、それを学ぶ自分の価値に気付いていく。

・質問のやり取りもトレーニングが大切。相手の発言の要点、意図をリアルタイムで理解し、どのタイミングで、どの言葉を選んで質問するか?

・効率化を進めると、「こんな質問しても」のように、最初から省略してしまう。

・教養は大地に張る「根っこ」普段は見えないが、いざという時に、支えになる。 

・他者とのコミュニケーションだけでなく、自分の内側とのコミュニケーションが大切。

・戦争とは、対話、コミュニケーションが破たんした結果。戦争後のアートは、重荷が取れた解放感ではなく、価値観の崩壊が表現されることが多い。

・自分が、どうやってもコントロールできないものがある、ことを知ることが大切。

・人は教育だけでなく、仕事、機会で成長する。

・「壁」にぶつかり、乗り越えるか、回避するか、立ち止まるか、どう対応するか?が大切。 

・外国に行くと、一気に新しい人々、文明、歴史に触れることができる。

・中から変わろうとすると、前任者、中の人を批判することになってしまう。外から変わる方が楽。

・留学生から見た、東工大生。授業中に寝ている学生がいる。エリートとして、学ぶ機会が与えられているのに、寝ているとは恥ずかしい。


会場の若い学部学生から、

「実用性を考えると、リベラルアーツ、教養って役に立つのですか?無駄じゃないですか?小説を読んだり、クラッシック音楽を聴くのって娯楽じゃないですか?」

という質問がありました。

この質問に対して、パネリストがどう答えるのか?楽しみだったのですが、残念ながら、あまり明快なものではありませんでした。

この質問は、リベラルアーツ、教養がテーマである場合、かなりの頻度で出る質問です。

「TAK」さんの回答としては、

リベラルアーツ、教養って、若い、学んでいる時は「役に立たない」と思われることが多いが、ある時を過ぎてから、アイデアの基盤となり、視野を広げ、俯瞰的な思考のベースとなる、大切なものであることに、振り返って気づくものかもしれない。

というものです。

大切さを経験した人は、まだ経験していない人に対して、何とか伝えようとするのですが、
残念ながら、うまく伝わらない。

そして、経験していない人が、ある時に「こういうことだったのか」と悔やむことになる。

東大も駒場の人文・社会科学の幅広い、豊富な人材、講義が非常に素晴らしいのですが、

駒場の時はその良さをわからずに講義をさぼってしまい、

大学院、あるいは社会に出てから、必要性、重要性に気づいて、聴講に来ることがよくあります。


「高度に専門化し、専門ごとに分化しがちな理工系だからこそ、リベラル・アーツが大切」

についてですが、もちろん、数学、物理などの理工系は大切です。これがあることが前提です。

東工大の学生は、数学、物理などの理工系は、難関の入試を突破する以上、日本のトップクラスであることは間違いありません。

これが確保された前提で、最先端の研究活動を行うには、アイデアの基盤となり、視野を広げ、俯瞰的な思考のベースとなる、リベラル・アーツが大切、ということです。

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将来のリーダーを育てるアントレプレナーシップ教育とは


日本の理工系の大学、大学院は専門科目に大きく偏っています。その結果、リーダーではなく、中堅エンジニア向け教育になってしまっています

リーダー向けの教育であれば、専門科目だけでなく、アントレプレナーシップ、MOT、リベラルアーツなどの教育が欠かせません。

MBA、MOT(技術経営)などのビジネススクールは、社会人学生など、社会人経験がある学生は、目的が明確で有効ですが、学部生・大学院生には、実体験がない分、わかりにくかったりします

そこを、ビジネススクール任せではなく、学部レベルから、ボトムアップの意味で、取り入れていくのが、このセンターでしょうか?

また、リベラルアーツにかぎらず、人文科学、社会科学と理系専門科目のバランスは難しいものがあります。

最先端の科学技術研究が諸外国から遅れている、と指摘されると、後者へ傾斜するし、技術をビジネスにつながるには前者が欠かせません



中堅エンジニアから技術経営層への脱却


従来の工学系教育は、学部から大学院修士に進むにしたがって、専門分野を限定し、その分野を深く掘り下げ、最先端の研究、開発を行う、というものでした。

最先端の研究・技術開発には、このプロセスが不可欠なのですが、変化の速い社会では、他領域で注目すべき技術が生まれて、研究していた分野の価値が薄れる、陳腐化する、など、このスタイルの欠点が以前から指摘されていました

一方、MOT(技術経営)と呼ばれる分野は、一つの技術を掘り下げるのではなく、全体を俯瞰し、必要な技術を組み合わせ、マーケティング、ファイナンスなども取り入れて、商品化、実用化、ビジネス化に結び付けます

工学系でありがちなのは、大学院生が自分で有望なテーマを発掘するのではなく、研究室で、あるいは先輩が担当したテーマが既に決まっており、「問題発見」が省略され、既に決められた問題の「解決」だけを求められるケースでしょうか?

「専門を限定し、掘り下げる」と「全体を広く俯瞰する」の、2つの方向で、何も前者が悪くて、後者をすべき、と言っているのではありません。

ただ、これまでの工学系教育は、あまりに前者に傾いており、後者の視点を取り入れないと、前述のように、卒業生は、技術経営層ではなく、中堅エンジニアにおさまってしまいます

技術の研究、開発に携わるだけでなく、その技術を活用して、どのようにビジネスを行うか?という視点も欠かせません


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研究活動とは美しいアートである


最近は、研究成果の報告会はほとんどの場合、パワーポイントを使い、必要であれば動画も使います

この時のスライドの出来不出来が、その研究成果の理解、さらには研究自体への評価にもつながります

以前から、「プレゼンは研究活動の大事な一部分」と言われ、これには研究者間で賛否両論がありました

発表のパワーポイントを見ながら、

「研究は成果発表のプレゼンにアートの才能があると断然有利」

という印象を持ちました

ただ、もしかしたらこれって、極めて表層的な理解に過ぎなかったのではないか?と感じ始めました

「実は、研究活動それ自体がアートではないか?」

「だからこそ、美しいもの、聴衆に伝わるものがあるのであり、単にスライドがわかりやすいだけでないのではないか?」


「TAK」さんは、いわゆるアートの専門家ではないけれど、

アートとは音楽、絵画、写真、彫刻などの媒体を使って、自分が表現したいことを表現するもの、でしょうか?

作品を作る時は自分の概念を具現化させて自分の世界を構築させようという出発点から始まる

無から有を生む、というものよりも、既に自分が抱いている、持っているコアをベースに未知のものを創造していく

作品が重視されがちだけれども、アーティストにとっては、作品以上に創造するプロセスが重要であったりする

研究も既存の研究成果(自分、他者を含めて)をベースに、ある特定の分野を掘り下げて、探究し、真理を発見したり、仮説を構築し、何らかの手法で検討したりして、未知のものを創造して、自分の世界を構築していく



次のような仮説も立てています。


英語と数学の基本的素養は必須で、これを大学入試が重視するのは当然だが、大学入学後の学業および学業外生活には、それ以外に文学、音楽、美術の鑑賞、表現など、入試に関係ないとされる領域が大きく影響する。修士、博士ではその影響がさらに拡大する


なんとか検証してみたいです。



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2014年01月08日

「物語」が人々をつなぎ、社会を変える

NHKクローズアップ現代「未来をひらく “物語”の力が社会を変える」

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暮らし、地域社会が抱える様々な課題を、人と人との「つながり」を広げることで克服しようという試みが始まろうとしている。

これまでも市民運動やNPOなどが活動を続けてきたが、より広範で推進力を持つ動きに中々つながらないのが現状。

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半世紀に渡ってアメリカで市民運動の組織化に取り組み、オバマ氏を大統領に導いた、ハーバード大学講師のマーシャル・ガンツ氏

『人々をつなげる時に鍵になるのは「物語」』多様な人々を結びつける市民運動を理論化し「分断されたアメリカを一つにした男」として世界的に知られる

ガンツ博士が訴えるのは、人々をつなぎ、動かすことのできる「物語」を共有することの重要性。

カリスマ・リーダーに頼らず、一人一人の当事者意識を高めて社会を変革する可能性を探る。


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東京大学グローバル・リーダーシップ・プログラム(GLP)オバマを大統領にした男:マーシャル・ガンツによる「市民の力で社会を変える」

という公開セミナーがあり、参加したのですが、参加記を失念していたので、それを書きつつ、

「物語」が人々をつなぎ、社会を変える

について考えてみたいと思います。


まず、公開セミナー参加記です。

・オバマ大統領の選挙参謀として、パブリック・ナラティブとコミュニティ・オルガナイジングの手法を用いて声なき声を拾い上げ、初の黒人大統領として勝利に導いたマーシャル・ガンツ氏

・非暴力市民運動は緊張を生む。現存する矛盾と直面するから

・マルティー・ルター・キング牧師の暗殺からオバマ大統領誕生まで40年。市民活動はすぐに成果が出るものではなく、時間がかかる。

・コミュニティ・オルガナイジングとは、オバマ大統領選出に向けて、組織が機能するようにデザインすること 

・リーダーシップとは、他人を巻き込む責任を取ること。動機、価値を理解すること。失敗を繰り返しながら、行動し続けること。

・リーダーの役割は、フォロワーに解決策を答えることではなく、一緒に解決策を見つけること。

・リーダーシップは生まれつきの部分も大きいが、トレーニングして身に着けるものでもある。

・自分の意見を持ち、他者に話し、意見を交換する。まず、自分の意見を持つこと。 

・行動することによって、理解され、また他者を理解することができる。 

・他人に何をすべきか?教えるのではなく、気づかせる。

・事前に望んだことと実際とは、どうしても違いが出る。よかった点、改善すべき点をチェックする。失敗は学ぶ機会である。

・キャンペーン活動にはリズムが大切。リズムを作り、活用することが大切。

・途中で自分たちが世の中にもたらした価値を振り返る。

・ほとんどの起業は失敗から始まる。つまり、失敗から学ぶことが成功の始まり。

・失敗から学ぶこと自体をシステム化して、日々の活動のプロセスに組み込む。

・ネット上では国境、人種、性別、年代を超えたやり取りができる。ただし、それを実社会の改善に活用してこそ、意味がある。アラブの春のように。

・意見の違いはあることが健全であり、その中で、どうやって合意を築いていくか?

・変われるものは変わるし、変われないものは変わらない。変われないものを無理に変えようとしても、時間の無駄。

・100%の合意は難しくても、50%の合意は図ることができるかもしれない。

・自然科学と異なり、社会運動は予測がつかない。適切なことを適切なタイミングで行う。モティベーションを保つことが大切。

・どこの世界にも世代のシフトがある。上の世代に諦めないこと。

・希望とは信じること。諦めないで、可能性を信じること。変わることに抵抗があるかもしれないが、変化は着実に進む。

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なお、この公開セミナーは

オバマを大統領にした男:マーシャル・ガンツによる「市民の力で社会を変える」

で映像を見ることができ、

参加記は、

オバマを大統領にした男: マーシャル・ガンツによる「市民の力で社会を変える」

オバマを大統領にした男:マーシャル・ガンツによる「市民の力で社会を変える」公開セミナー開催報告

オバマを大統領にした男、来日です!

などにも書かれていますので、ご参照ください。

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21世紀、世界が大きく変わっていく時代に通用するリーダーシップとは何か?




「リーダーシップ」という言葉の意味は大きく変わっています。

「リーダーシップ」体制内で階層組織を背景にトップが率いるという意味から、ストーリーを語り、人々を巻き込んで、社会にムーブメントを起こすという意味に大きく移行しつつあります。



これからのリーダーシップとは?




これまでの、リーダーシップとは、

「人の上に立つ人が、組織のあるべき方向、ビジョンを示して、組織を動かすため、人を率いる、導く、人を束ねる」

という考えが主流でした。


ただ、歴史上の偉大なリーダー、例えば、織田信長、豊臣秀吉、西郷隆盛、坂本龍馬などを思い浮かべても、最初から人の上に立っていた人はいません。

織田信長は守護代の一奉行、豊臣秀吉は農民、西郷隆盛、坂本龍馬は下級武士でした。


ただ、彼らには、大きな夢、望みがありました。

どうみても不可能で非現実的な、妄想のような夢です。(天下統一など)

また、夢に加えて、情熱がありました。どうしてもやり遂げよう、という情熱です。


夢はひとりではできません。たくさんの人の力が必要です。

彼らは夢を語り、人々の共感を得て、巻き込んでいきました。

引っ張った、というより、巻き込んだのです。


そして、率いた、導いた、というよりも、

いつの間にか、みんなが付いて来た、というものです。



夢をもち、情熱をもち、

夢を語り、共感を得て、人を巻き込み、

いつの間にか、みんなが付いて来た


これが、「これからのリーダーシップ」の基本ではないでしょうか?


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変革するリーダーシップ 矛盾を許容し、対話をはぐくむ


変革の時代にはリーダーシップが大切、という点には異論はないでしょう

ただ、リーダーシップの意味が急激に変わってきました

伝統的なリーダーシップは、

「リーダーはビジョンを持ち、大きな声で、組織を牽引していく」

簡単に言うと、このようなものでしょうか?

これからの組織には、急激に変化する社会環境に応じて、イノベーションが必要です。

イノベーションを起こすには、対話・コミュニケーションが欠かせません。

ところが、リーダーが「この方針で行くぞ!」と明確に宣言してしまうと、対話・コミュニケーションは生まれません。

ちょうど、「1+1=2」「2点を結ぶ最短は直線」というように、完結してしまうのです。

対話・コミュニケーションが生まれるためには、角度、見方を変えられる開かれたもの、である必要があります。

それゆえ、リーダーは、創造と活性化のためには、「矛盾を許容し、対話をはぐくみ」、その中から、方向性、コンセプトをまとめていきます。


こういった、新しい時代のリーダーシップを考える時に、

イギリスの、アートやクリエイティブ産業の幅広い分野で、社会全体の発展に寄与するような活動を展開する組織や個人、「カルチャー・リーダーシップ」

が参考になるので、紹介します。

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次代を牽引するカルチャー・リーダーシップを考える


・カルチャー・リーダーになるには権威(オーソリティー)はいらないし、トップダウンでなるものではない。クリエイティビティー、魅力がポイント

・ビジネスのリーダーには大きな責任が伴うが、カルチャー・リーダーは、一般にそのような責任を負うことはない

・カルチャー・リーダーは情熱的である一方、実利的であり、忍耐力も必要。文化は人々をつなぐもの

・社会は複雑で、急激に変化している。カルチャー・リーダーは多方面にネットワーク、アンテナが必要

・カルチャー・リーダーは現状維持に甘んじたり、古き昔を懐かしがるのではなく、新しい未来を創っていく

・カルチャー・リーダーは、人と人のつながりをコミュニケーションにより築いていく 

・カルチャー・リーダーは美術館など、文化施設のマネジメントをすることではない 

・カルチャー・リーダーは、トップダウンではなく、アイデアを発信し、他者とシェアする。ポジションの問題ではない

・カルチャーリーダーは、自分の分野だけでなく、全体を俯瞰する絵を描き、人と人をつなげ、文化を普及させていく

イギリスでは18世紀に産業革命が起こりましたが、産業だけではなく、文化にも大きな影響があったようです

・18世紀よりイギリスには多様な人々(詩人、アーティスト、科学者、政治家など)が集まり、対話する「場」がある。詩人と科学者が意見交換する、など、異分野の交流が頻繁に見られる

・文化が未来を創っていく。クリエイティビティーが経済発展のキーポイント。文化と技術がコラボして変化する社会に対応していく。もっと文化に投資すべき

・製造業、資源の利用は限界があるが、クリエイティビティー、知識はどれだけ使っても枯渇することはなく無限。これからはクリエイティビティー、知識を活用する社会に移行する

・文化は社会、人々を覗き見る「窓」である 

・文化を普及させていくにはネットワークが不可欠。イギリスでは、オペラを初めは半信半疑だった人たちが、ネットワークを通じて普及させていった

・イギリスではアーティスト、哲学者、デザイナーなどが政治に深く関与している。日本ではアイデアを出す人、活動する人と政治家、官僚が結びついていない。これをつなぐのがカルチャー・リーダーではないか?

・イギリスではテレビなど、マスメディアがアートを人々に紹介し、わかりやすく翻訳する機能を果たしている

・少人数のグループがコラボし、知識、アイデアをシェアし、失敗を許容するのが21世紀のライフスタイル

・日本も暗黙の理解から、きちっと言葉で説明して理解をしてもらう社会に移行していく

・価値構造の変化と共にカルチャー・リーダーシップも変化する。アーティストはアート作品を創るだけではなく、新しい価値を提示できる人

・カルチャーリーダーは、自分の分野だけでなく、全体を俯瞰する絵を描き、人と人をつなげ、文化を普及させていく 

・若い時は、社会は、なかなか変わらない。一方、年を取ると、社会はどんどん変わっていくのに、自分は変われない

・リーダーはみんなから支持される人であって欲しいが、選ばれるリーダーは必ずしもそうではない

・アーティストがアート以外の分野、例えば政治などで意見を述べる「場」がほとんどない

・今西錦司、「生物学」を考える時に、「生物学」の範囲内で考えていてはダメ。もっと広い範囲で考える

・ディジタル社会では、一人のアイデアが短時間で世界に広がる可能性が出てきた

・アーティスト、デザイナー、クリエーターはアート、デザインの評価軸を一度離れて、社会の中での自分たちの活動、作品の価値を考えてみる

・アーティスト、デザイナー、クリエーターは、自分がどうやって社会の中で価値を生み出すか?考えてみる

・現行の行政、予算スキームを単に批判するのではなく、そのスキームの中で、価値を生み出すように、アートを翻訳して、価値を生み出す手もある

・敵対するよりも、隙間を見つけて、ハックする

・Take a job は誰かしら、から仕事を奪うが、Make a job は雇用を創る

・リーダーの役割は人々を誘発して、動き出させること




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2014年01月06日

「アウトカム・ゴール(結果目標)」を「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」に落とし込む

今年の目標作成、昨年できなかったことに要注意




今年の目標を設定する前に、昨年の目標、その達成について検証するのだと思います。

昨年の目標はしっかりできていましたか?

できたことと、できなかったこと、があるかと思います。

さて、「できなかったこと」について、どうしますか?

検討し直すこともなく、そのまま、「今年の目標」にしてしまうのは、ちょっと考えてください。

目標を立てる時には、「決意を新たにする」だけではなく、「時間配分を変える」「住む場所を変える」「つきあう人を変える」など、具体策まで考えましょう。


と書きました。

昨年できなかった目標を、そのまま、「今年の目標」にしてしまわないためには、

「アウトカム・ゴール(結果目標)」を「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」に落とし込みます。

結果目標:東大に合格する

遂行目標:1日最低でも10時間以上勉強する

のように、「結果目標を達成するために、自分が管理できる遂行目標を設定する」

ことになります。

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これだけではわかりにくいので、具体的に書いた

「アウトカム・ゴール(結果目標)」と「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」の組み合わせ

を再掲します。


あなたの今年の目標は何ですか?

高校2年生であれば、「東大に合格」、大学のスポーツ選手であれば、「インカレ出場」、など、いろいろな大目標があるか、と思います。

まず、大きな目標を設定します。これでゴール、道筋は設定されます。

ただ、これだけでは、うまくいきません。

どこから手をつけたらいいのか?こんなことが本当にできるのか?

そして、気が付けば1年も終わりに近づき、何もできなかった、やっぱりこんな大きな目標は難しかったな、でも、自分なりに頑張ったし、まあ、いいか、なんてことになってしまいます。

途中のステップ目標を設定すると、ぐっと目標が身近になり、フィードバック、軌道修正ができるようになります。

「東大に合格」するためには、まず「夏の模擬試験では合格圏突入」、さらに「秋の模擬試験では合格」

「インカレ出場」するためには、まず「レギュラー選手になる」、さらに「夏の関東選手権出場、ベスト16以上」

など、設定します。


ただ、まだこれだけでは不十分です。「東大に合格」、「インカレ出場」は「アウトカム・ゴール(結果目標)」です。これらは、目指すゴールなのですが、あなたにはコントロール、管理できません。

そこで、「アウトカム・ゴール(結果目標)」をあなたがコントロール、管理できる「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」に変換していきます。

「東大に合格」するためには、「最低1日10時間以上勉強して、インターネット・ゲームは1時間以内に抑える。例外はない。」

「インカレ出場」するためには、「最低1日3時間以上の体力トレーニング、15分以上のメンタル・トレーニング」

など、自分でコントロール、管理できるものに変換します。


どうですか?ずっと具体的になったでしょう?

「東大に合格」、「インカレ出場」という目標だけでは、どこから手をつけたらいいのか?わからず、コントロール、管理できなかったものが、日々の積み重ねで達成できるようになりました。

但し、注意が必要です。「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」(「1日10時間以上勉強する」「1日3時間以上の体力トレーニングする」)だけでは、何のためにやっているのか?わからなくなってしまいます。

必ず、「アウトカム・ゴール(結果目標)」があることが前提です。


将来の夢、目標は大きく持ちましょう!

その大きな目標をスケジュールにあわせてステップ毎の目標に設定し直し、さらに、コントロール、管理可能な日々の「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」にすることが成功への秘訣です。


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では作ったばかりの「TAK」さんの「パフォーマンス・ゴール(遂行目標)」を紹介します

●活動、思考の記録化

人は日々、思考、活動をしています。それによる人との出会いもあります。

ただ、これらは放っておくと、忘れて消えていきます

残して跡をたどるには、必ずメモなど記録を取っておくことです

実は昨年の振り返りを記憶に基づいて行っていたのですが、内容が浅くて表面的でした。

「TAK」さんは活動、思考および出会った人々ををA面ブログ「リーダーのためのキャリアデザインカフェ」、B面ブログ「創造とコミュニケーションの実践」に記録しておりますので、その記録に基づいて、再度、昨年の振り返りを行ってみました

すると、記憶によるものとは全く異なる、深い内容のものになりました

具体的には、準備したことがどこで活きたか?あるイベントで出会った人のおかげで行うことができた活動、などが、明確になりました

大いなる意気込みで準備したものが十分な結果を生まなかったり、何気なく参加したイベントで出会った人のおかげで成果を出す活動につながったり

トレースできる記録を残しておくと、振り返りだけでなく、スティーブ・ジョブスの「点を結ぶ」のように、いろいろな記録を結んで、再構築すると、思わぬものが生まれることがあります


●直感など感覚の言語化

上にも関係することですが、講演、セミナーなどは文字にしやすいのですが、

直感、感覚などは文字にはしにくいものです。

ただ、これも「あの時感じた直感」で終らせてしまうと、後からたどることは難しくなります

とにかく、文字、写真などの形で記録に残し、跡からたどれるようにしないと、せっかくの素晴らしい直感が一瞬で終ってしまいます

とにかく、文字、写真などトレースできる形で残しておくことが大切です

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●情報の大量・高速発信、量が質を生む

twitter、facebookなどで個人が情報発信できる時代になりました。

逆に言えば、情報発信しない人は「いないのと同じ」ことになります

大量に情報収集、情報発信を行うことにより、機会、場を創り、活かすことができるようになります

また、量より質、と言う意見もあるが、ディジタル時代は大量が上質を創り上げます。まずは量をこなすことです



●とにかく始めること、動くこと、臨機応変の対応を

激動をチャンスに、100年に一度の激動の時代といわれる時代です。その激動の波に流されることなく、それをチャンスと捉えたいものです。

激動の時代には、周到な計画を立てようとしても、計画を作っているうちに状況が変化します

それゆえ、周到な計画を立てることに時間をかけるよりも、暫定でも計画をつくったら、とにかく活動を始めることが大切です

そして、活動しながら、その結果に応じて、計画を修正していく方が現実的です

ただし、無計画の行き当たりばったりはダメです。これではフィードバックのしようもありません

状況は変化、推移していきますので、予め決めた方法に固執するよりも、臨機応変の対応が望まれます

一昨年は大震災に見舞われましたが、想定を超える災害からの避難では、指定された避難場所が被災し、臨機応変な対応をした人が生き延びたことが知られています

未知のことを行うのですから、とにかく臨機応変の対応になります

「チーズはどこへ消えた?」という本がありました。

迷路のなかに住む、チーズを求め、食べる2匹のネズミと2人の小人。

ある日、チーズが消えた!ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していく。

ところが小人たちは、チーズが戻って来るかも知れないと無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かすばかり。

あなた、小人になっていませんか?

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●チャレンジの基本は安定

なんか、激動をチャンスにと、上で書いてあることと矛盾していませんか?

シリコンバレーの友人の年賀メールにありました。

アメリカでベンチャーにチャレンジできるのは、失敗したって研究者に戻れるから

1000万ドルのベンチャーに失敗したなら、スタンフォード大の10万ドルの研究者に戻ればいい

日本でチャレンジというと、すべてを投げうって、背水の陣で、というイメージがありますが、安定していればこそ、安心してチャレンジできます


●つながりを立体的、面的に

人と人とのつながり、が大切なのは言うまでもありません。

今までは、このつながりが点と点、線と線、のつながりでした。

ところが、上に書いた「TAK」さん自身の活動記録を見ると、ネットワークとネットワークが、立体的、面的に結びついたり、離れたり、が起こるようになりました。

すなわちネットワーク、つながりが静的なものではなく、動的、アクティブなものになっている、と感じます。

これを是非活用したいものです。

ただし、それぞれのコミュニティーの「内輪化」の排除をしなければなりません。

また、気をつけたいのは「つながり」は、あくまで手段で、目的ではない、ということです

これを間違って「つながり」を創ることを目的にしてしまうと、せっかく創った「つながり」を活かすことが出来ません

「ネットワークとネットワークが、立体的、面的に結びついたり、離れたり」と書きましたが、ネットワークの広がり、に加えて、「奥行き」「深み」ができるように、踏み込むと、違った展開も出てきます

●とにかく結果を出す

結果だけではなく、プロセスも重要です。しかし、結果が出ないとモティベーションは上がりません。

周囲を巻き込むには、とにかく結果を出すこと、が大切です

これまで、「種まき」中心でしたが、今年は種まきをしつつ、結果を出す、そんな年にしたいです。




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2014年01月04日

今年の目標作成、昨年できなかったことに要注意

新年ということで、今年の目標を設定している人も多いのではないか、と思います。

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今年の目標を設定する前に、昨年の目標、その達成について検証するのだと思います。

昨年の目標はしっかりできていましたか?

できたことと、できなかったこと、があるかと思います。

さて、「できなかったこと」について、どうしますか?

検討し直すこともなく、そのまま、「今年の目標」にしてしまうのは、ちょっと考えてください。

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昨年できなかったことはたぶん今年もできません

というサイトがありました。

抜粋すると、


新年の目標を立てる際に、「今年こそは」という考え方で目標を立てる人がいる。

例えば、今年こそは英語を勉強しようとか、今年こそはブログを頑張って更新しようとか、バリエーションは色々あるが、とにかく昨年までできなかったことを、今年からはこころを入れ替えて頑張ろう、という考え方で目標を立てる人がいる。

これらは非常に立派な決意だと思うものの、おそらくほとんどの場合はうまく行かずに終わるだろう。

今はやる気に満ち満ちているので行けるんじゃないかと思っているかもしれないけれど、それは錯覚にすぎない。

昨年までできていなかったことは、おそらく今年も同じようにできずに終わる確率のほうが高い。

今年こそはやろうと思っていることが、昨年までできていなかったのには、多くの場合それなりに理由があるからだ。

そのできなかった理由を分析して、今までのやり方を改めない限りは、どんなに決意を新たにしたって根本的な解決にはならない。

昨年失敗したのとまったく同じやり方を取れば、今年もきっと同じように失敗する。

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「やり方を変える」必要がある。「今年の俺は去年までの俺と違う」と思う人もいるかもしれないけど、実際には昨年の自分も今年の自分も同じ自分だ。

同じ人間が、やり方を変えずに同じことをして果たして違う結果になるだろうか?

新年ということで、決意を新たにして今までできなかったことに挑戦するなら、やる気だけに頼るのではなくて「やり方を変える」ことも忘れてはならない。やる気はどうせいずれなくなる。

新年にすべきことは、やる気に頼った無謀な目標を立てることではなく、やる気がなくなっても大丈夫なようなやり方を考えることなのではないだろうか。


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大前研一さんが、人生において人間が変わる方法を非常にロジカルにおっしゃっています。

人間が変わる方法は3つしかない。

・1番目は時間配分を変える。
 
・2番目は住む場所を変える。
 
・3番目はつきあう人を変える。
 
この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。


目標を立てる時には、「決意を新たにする」だけではなく、「時間配分を変える」「住む場所を変える」「つきあう人を変える」など、具体策まで考えましょう。



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2014年01月02日

「意地と面子」によるリスクの回避の大切さ

外交と世論、タイミングと順番、相互主義なんと複雑!




ほんのつまらないことから、「意地と面子」の問題になり、抜き差しならない事態に発展し、とんでもない結果を招く、のは、社会のいたるところで見ますが、国際関係では避けてほしいものです。


と書きました。

電車の中、駅など、人が集まり、混雑するところでは、言い争い、小競り合いを見かけます。

稀にですが、傷害、殺人事件にまで発展することもあります。

少し引いて、冷静な立場から考えれば、ほんのつまらないことで争うのは、ばかばかしいことですが、

瞬間的な怒り、争いが「意地と面子」の問題になり、抜き差しならない事態に発展、とは、よくあることです。

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ここで、「意地と面子」によるリスクを回避するのに、参考になる文章があります。

「山家集」で有名な西行法師が弟子の西往(西住)を破門した時の逸話です。ちょっと長いですが引用します。


西住笠懸けの松


西行と西住の二人は東国(とうごく)の旅に出て遠州の国に入り、すりへったぞうりに竹の杖(つえ)で天竜川の渡し場に来た。

舟は対岸へ渡る旅人でいっぱいになり座れずにいる人も多かった。

この中にやはり立ったまま乗っていた幾人づれかの武士が西行らに向って命令するようにいった。

「お前たちおりろ」

「いや愚僧(ぐそう)らも渡し賃(ちん)を払(はら)って乗ったのだから、お互いに詰め合わせて戴きたい…」

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続けて何かいおうとしたら

「何を!」

と武士の一人がむちで西行の顔をしたたかに打った。

「あ!」

西行は顔を両手で押さえ、うずくまって痛さをこらえているうちに、打ち方が強かったのか指の間から血が流れて衣を朱色(しゅいろ)に染めた。

しかし、そうされても、西行はぐっと痛さに耐えているだけで少しも怒らなかった。そうして静かに舟を下りていった。

その時までそばにいて、どうなることかと師の西行の身を案じていた弟子の西住は、もうがまんがならぬと憤然として立ち、

「何を無体(むたい)なことをするか!」

と持っていた杖でその武士の顔をなぐった。

もともと京で鍛えた武士の腕前、それに加えて怒って一撃必殺の気合をこめて打ったのだからたまらない。

その男はよろめいて危く川に落ちようとするところを仲間に支えられた。しかしとても立ち向える相手ではないと見て舟をとびおりて一目散(いちもくさん)に川原を逃げていった。

「逃げるのか!」

となおも追おうとする西住へ渡し場にいた大勢の人足たちが走り寄ってきて

「ここでけんかをしてはいかん。渡し場でのけんかは御法度(ごはっと)(規則を破ること)だ」と口々に叫んでとめたので、さしもの西住は追うのを思いとどまった。

様子をだまって見ていた師の西行は、もう打たれることがないと戻ってきた武士たちへ向って

「弟子がご無礼をはたらいて誠にもうしわけございません。お許し願いたい」と、ていねいにあやまった。武士たちは西行が普通の者ではない顔付きとおだやかな物腰に、今までのいきさつをすてて、

「いや、こちらが先に無礼を致したのでこちらこそ申しわけない」

とわびて舟にのって去った。

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西行と西住の二人は岸にたたずんだまま、離れていく舟を見送っていたが、しばらくたってから西行は西住に向い、

「私は出家してから、人からどんなに悪くいわれたり邪魔(じゃま)されたりしても少しも気にかけず、今日のことよりもさらにひどいはずかしめを受けても、耐えしのんで行くよう心掛けて来た。

少しばかりの怒りに自分を忘れてしまうような先ほどのお前の考えの浅い振る舞い、あれではとうてい今後いっしょに歩くわけに行かない。お前はここで私と別れて京都に帰るがよい」

といった。

西住は膝をかがめ手をついて西行の言葉を聞いてしばらくは黙っていたが、顔をあげて

「師のお言葉であれば背(そむ)くわけにはまいりません。が、しかし、あの時は師の辱(はずかし)めを目の前にして、手をこまねいて見ていることができず、ついはやまったことをしてしまいました。

今ここで師に見はなされ、修行の途中におめおめと郷里に帰ればどの顔さげて皆にあえましょう。どうか今日のところはお許し下さって今まで通りお供をさせて下さい。お願いでございます」

涙の顔を幾度も地面にすりつけて頼んだ。

「お前の人となりはよく判っている。そういう心根がかわいそうなことだと充分心得ている。

しかし今日のことをよく考えてみよう。もしあの時あの相手を殺してしまったらどういうことになっただろう。

人に対するいつくしみやはずかしめに耐えることは、み仏に仕える者の何よりも第一に心がけるべきこと。たとえその顔につばを掛けられたとしても恥とすべきではない。

今お前をつれていけば人々は私たちを何というであろう。これ以上何も言うことはない」



「君子、危うきに近寄らず」

と言います。

「意地と面子」がちょっと傷つけられたからといって、いちいち、つまらないことに関わっていては、身が持ちません。

西行法師の

「少しばかりの怒りに自分を忘れてしまい、もしあの時あの相手を殺してしまったらどういうことになっただろう。」

「そういう心根がかわいそうなことだと充分心得ている。」

をしっかり自分に言い聞かせたい、と思います。




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2014年01月01日

ライフスタイルの進展、この1年

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

と、新年の挨拶をしておいて、なんですが、昨年の活動が12/29まであったため、1年の総括が済んでいません。

正月三が日は昨年の活動の総括をします。

ライフスタイルの進展について、この1年に限らず、最近の動きを振り返ると、

(1)組織の壁を超えるメタ・リーダーシップの時代

(2)コラボレーション、組むのは『目的地が同じ人』ではなく、『この人とバスに乗りたい人』

(3)グレーゾーンの活動にこそ意義がある

(4)計画よりもリアルタイムの対応

では、と考えています。

昨年の記述から、抜粋してみます。


(1)組織の壁を超えるメタ・リーダーシップの時代

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組織の壁を超えるメタ・リーダーシップの時代


組織内でのリーダーシップの時代から組織の壁を超えるメタ・リーダーシップ、クロス・リーダーシップの時代へ

ハーバード公衆衛生大学院のリーダーシップの授業では、組織におけるリーダーシップではなく、様々な部署、職種間の壁を調整するメタ・リーダーシップという概念を学びました。

刻一刻と変化する状況に合わせて意思決定をするためのミーティングにおける、ファシリテーターという役割も定着しました。

自らが必ずしも専門家ではなく、所属組織の肩書もそれほど通じない状況で必要とされるのが、メタ・リーダーシップでしょうか。


(2)コラボレーション、組むのは『目的地が同じ人』ではなく、『この人とバスに乗りたい人』

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コラボレーション、組むのは『目的地が同じ人』ではなく、『この人とバスに乗りたい人』恋愛にも似ている


継続的に事業成長させるためには、誰と同じバスに乗り込めばよいのでしょうか。

それは『目的地が同じ人』ではなく、『この人とバスに乗りたい!』と思える人なのだと思います。

どこに行きたいかでなく、『誰とイキたいか。』を軸に一緒に乗り込む人を選ぶ、ということです。

この人とイキたい!という気持ちさえあれば、目的地が変わったとしても一緒にイケるならどこでもいい!

と合理性を凌駕した領域にイキつくので、すぐに方針転換、マーケットの変化に順応した機動力の高い組織が組成されます。

誤解のないように言っておきますが、決して「仲良し」を選ぶ訳ではありません。

気が合う仲間の仲良しグループでは、新しいことに挑む研究プロジェクトはできません。

新しい研究プロジェクトは、未知の分野に対応すべく、多様な人々、異質な人々を選びます。

ただ、時には激論を交わしても信頼できる関係が大切です。

これって、恋愛に似ているかもしれません。


(3)グレーゾーンの活動にこそ意義がある

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これって本来業務?グレーゾーンの活動にこそ意義があ


産学官連携の仕事をしていると、企業の方が、これって本来業務?グレーゾーン?で、困っている状況に、よく遭遇します。

手弁当で対応している企業の方から、

「これって、会社が本来、業務でおこなうことですよね。なんで、私が手弁当でやらなきゃいけないのですか?おかしいですよね。」

なんて、愚痴をよくうかがいます。

ただ、ここでパラドクスがあります。

では、本来業務になった途端、社内の部長会議に報告しなければならなくなった、役員が口出ししてくる、など、自由に活動していたのが息苦しくなり、さらには、会社に本来業務と認定されたところ、別の担当者が任命され、自分は外された、なんて事例もあります。

グレーゾーンでいろいろ活動できて、多様な人々を会えて、知識をもらえる、とは、企業人にとって、とても幸せな状態なのではないでしょうか?

ただ、このグレーゾーンは不安定で、バランスを保つのは難しく、労力がいります。

上に書いたように、業務寄りになると、会社から口出しが出てきて、窮屈になるし、業務外とされると、

「勤務中に何やってるんだ」なんてことになります。

と言うことで、この本来業務?グレーゾーン?について、すっきりした解はありません。

状況に応じて、バランスをとって、会社にも利益、本人も多様な人々に会えて、知識をもらう、のがハッピーかな、と思います。


(4)計画よりもリアルタイムの対応

計画立案と実行、フィードバックのバランス

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「泥棒を捕まえてから、縄をなう」が戒められてきたように、以前は計画は周到に準備しておくことがよい、とされていたのですが、

変化が速い時代には、計画を実行する段階には状況が変化しており、さらには、メール、ツイートにより、リアルタイムで反応が得られるようになったため、

計画は、あまり精緻なものではなく、暫定的なものにしておき、反応を見ながらフィードバックしていく、スタイルに変わっているようです。




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