2015年06月

2015年06月29日

研究生活、狭まる世界と広げる工夫

東大院生によるミニレクチャプログラム、果たして教え方を学んだ成果は?

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大学院生になり、研究生活を始めると、生活が研究室だけに限定されてしまい、毎日会う人も、ほとんどが研究室の先生、スタッフ、大学院生、とタコツボのような生活で、知らぬ間に、行動範囲、交際範囲、思考領域が狭くなっていて、

このような全学部横断型プログラムが大変有効とのこと


と書いたのですが、思いのほか、これが深刻な問題のようなので、これについて書きます。

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問題は「タコつぼ」ではなく 「タコ」だった !?




研究室は「タコつぼ」と呼ばれます。

その「タコつぼ」の研究室で、一般社会から隔離して、博士まで行くと、社会では通用しなくなる

同じ「タコつぼ」に集まる人は、それなりに価値基準は近かったり、似ていたり、しますが、もちろん人によって異なります

ところが、「タコつぼ」は、その中の人たちに、「タコつぼ」の価値観を強要します

その「タコつぼ」の価値観により、「タコつぼ」の中のタコたちを分断し、タコたちは優位性を比較しあい、差別、衝突します

「同期の○○は主任に昇格したのに、自分は平社員のまま」

その「タコつぼ」の外の人たちにとっては、どうでもいいことが、「タコつぼ」の中のタコにとっては一大事です

「タコつぼ」の中のタコだけでなく、「タコつぼ」同士が優位性を比較しあい、差別、衝突することもあります

「昔は○○社が業界ナンバーワンだったが、今では我が社が抜いた」

すっかり、「タコつぼ」の価値観にはまったタコは、つぼを厚くして、外界からの反撃をかわし、「タコつぼ」の価値観を達成することで満足感に浸ります


なんて、感じでしょうか?

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「学部の時に、入っている全学部参加のサークルを続けるので大丈夫です」

大学サークルの同窓会は、ひりひりした原体験の再現ドラマ




大学時代のサークル活動とは、長い人生の中の、ほんの1,2年のことです。

でも、その1,2年の活動は、お互いに「食い込む」、時には「ひりひり」する、強烈な原体験で、末永く人生に影響するものだったりします。


と書きました。

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サークルの部長、副部長などの執行部を行うのは、2,3年生で、遅くとも4年生まで、大学院に進むと「卒業」が一般的で、サークルの運営は下の学年に代替わりしてます。

さらには、文系学部だと学部で卒業する人がほとんどなので(留年する人もいますが)、お互いに「食い込む」、時には「ひりひり」する、強烈な原体験、を共有した人たちが去っていきます。

価値観の再定義と新たな価値の創造




チーム、メンバーが1人替わっただけで、ガラッと雰囲気が変わることがある。 


と書きましたが、サークルも、大学院に進学する頃には、自分たちが中心になって活動していた頃とは、様変わりして、「よそもの」「お客さん」になってしまった寂しさがあります。

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家庭でもない、職場でもない、「第3の場 サードプレイス」とは、ちょっと懐かしい人に会えるかもしれない場所


家庭でもない、職場(企業・学校)でもない、「第3の場」

家庭や職場から離れ、多様な他者とゆるやかにつながり、対話・交流する中で、改めて自分の仕事の意味を問い直したり、新しいアイデアや気づきを得るための場。


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指導教官の先生は、大学院に進学して、研究生活を始めたのだから、研究に専念しなさい、

と言うかもしれませんが、

限定された生活時空間、狭まる世界を、広げる工夫として、自分がいるのとは、異なる世界の人々とのコミュニティーを見つけることが必要なのかもしれません。



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2015年06月27日

東大院生によるミニレクチャプログラム、果たして教え方を学んだ成果は?

東大院生によるミニレクチャプログラム

という案内が来ました。

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東大FFP(フューチャー・ファカルティー・プログラム)で教え方を学んだ成果を体験しにきてください。専門外の人にもわかりやすく自分の研究を伝えます!

東大FFP(フューチャー・ファカルティー・プログラム)

とは、

新たな時代の要請を受け大学院生のうちから「教育」への意識を高め、実践的な力を身につけるために開設されました。

本プログラムは、東京大学のすべての大学院生を対象にしています。ですので、多様な分野を専攻する院生が参加することになります。

異分野の院生との交流は、研究領域に閉じてしまいがちな人間関係を広げるだけでなく、精神的な支えともなるでしょう。

本プログラムは大学院生相互のネットワークを広げる場でもあります。

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話を伺うと、大学院生になり、研究生活を始めると、生活が研究室だけに限定されてしまい、毎日会う人も、ほとんどが研究室の先生、スタッフ、大学院生、とタコツボのような生活で、知らぬ間に、行動範囲、交際範囲、思考領域が狭くなっていて、

このような全学部横断型プログラムが大変有効とのことなのですが、これについては、場をあらためて書きます。

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さて、このミニレクチャは東大図書館で開催されたのですが、

図書館は、知を求める人を集め、つなげて、知を還元する、知の集積センター

将来への架け橋としての博物館、美術館、図書館




図書館は単に本を借りる場所ではなく、知を求める人を集め、つなげて、知を還元する、知の集積センターである。

図書館、本を借りる機能をはるかに超えたことができる。

東京大学が、知的な出会いの場、学びを通じた豊かな知を創出する場としてのミッションを自覚し、社会的使命を果たそうとするとき、それを支える図書館が担うべき機能とはどのようなものでしょうか。


と書いたように、東大図書館も生まれ変わりつつ、あります。詳しくは上記をご覧ください。

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さて、ミニレクチャのテーマは、

「地域をつなぐコミュニティ・ビジネス〜図書館と地域をつなぐ新たなカタチ〜」

です。

東大FFP(フューチャー・ファカルティー・プログラム)で教え方を学んだ成果を楽しみにしていたのですが、結論から言うと、この期待はもろくも裏切られました。

講師は、質問をはぐらかす、聞かれた質問に答えない、対応でした。

ひと口に、コミュニティと言っても、地域コミュニティーから、SNSなどのネット上のコミュニティーなど、多様で、それを対象にしたコミュニティ・ビジネスも多様になります。

いただいた講義資料では、コミュニティーの定義には、上記のように多様なコミュニティーが記載されていましたが、ビジネスには、地域コミュニティ・ビジネスしか、記載がありませんでした。

そこで、

「このレクチャーでは、多様なコミュニティーを対象とするのでしょうか?それとも、地域コミュニティだけを対象にするのでしょうか?」

と質問しました。

すると、頂いた回答が、

「地域コミュニティの方が研究が進んでいるので、それを記載しました。」

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そうであるならば、

「SNSなどのネット上のコミュニティーなども広がってきましたが、このレクチャーでは、地域コミュニティを対象にします」

としなければいけません。

検討の前提となる、定義、対象をはっきりさせなくては、レクチャーはぼんやりしたものになってしまいます。

この大学院生は、研究テーマが「ベンチャー企業の地域による資金調達格差」ということで、

「2008年以降、クラウドファンディングが急速に普及して、研究の仮説の前提も変わって来たのではないですか?」

という質問をしました。

すると、返ってきた答えは、

「学問的、抽象的な仮説は状況が変化しても変わりません」

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クラウドファンディングによる資金調達の変化について伺っているのですが、何も回答がありません。

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自然を対象とする理学はネット環境など、技術が進歩しても、追及するテーマに大きな変化はありません。

ところが、経済、経営、社会など、人間の活動を対象とする、社会科学は環境が変化すると、研究の前提、追求するテーマも変わっていきます。

大学のパラダイムシフト、研究から価値創造へ、仮説検証から価値発見へ




仮説を構築し、検証する枠組みが成り立たなくなっている。それよりも、大量高速で、試しにやってみて、うまくいったポイントを数値的に記録しておき、まず成立させた上で、なぜ成立するのか?論理的に考察していく方が手っ取り早い。


と書いたとおりです。

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東大FFP(フューチャー・ファカルティー・プログラム)で教え方を学んだ大学院生が、この程度の対応なのは、びっくりするとともに、残念でした。

東大FFP(フューチャー・ファカルティー・プログラム)は大学教員を目指す大学院生を主な対象に、インタラクティブな対応ができることを目指したものなのであるにもかかわらず、修了した学生が「質問をはぐらかす、聞かれた質問に答えない」では、プログラムの有効性が問われます。

担当助教のスタッフの方々が助け舟を出していたのですが、この学生は、それにも対応できませんでした。

これについて、関係者の方々から、

「そんなことはありませんよ。しっかり、こんな成果が出てますよ」

と反証していただくことを、願ってやみません。






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2015年06月25日

探しものは何ですか?見つけにくいものですか?

昨日から、探し物をしているのですが、見つかりません。

自宅の部屋の中でしか、使わないので、自室、あるいは広くても自宅内にはある、ことになります。

こういった作業では、可能性が高いと考える場所から探していきます。

それですぐに見つかればよいのですが、それがうまくいかない場合は、思考の範囲内での対応が難しくなり、

一種の視野狭窄状態に陥っていきます。記憶の中の同じところを堂々めぐり、

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最適な行動と実際の行動のギャップ




被験者の動きを、第三者的立場で観察すると、本来のゴールから、かけ離れたところで、悩み、決断していることがよくわかる


と書いた状態になっているのでは、と思われます。

こういう時は、一度離れて、別のところから見ると、思わぬところで見つかったりします。

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拡張現実と予感のセンシング、インターネットからセンサーネットの時代へ

複合現実感技術、リアル世界とバーチャル世界の融合




・Google検索、世界の事はわかるが、自分のことは検索できない。「昨日何を食べた?」「1週間前に会ったあの人の名前は?」など。これが自動的に記録され、必要な時に引き出せると、人間の機能が驚異的に向上する

にあるように、カメラ付きのメガネで視線が追ったもの、食べたものをを自動的に記録する、簡単なイア・センサーで聞いた音、話したことを録音する、など、

人間の行動が自動的に記録され、かつ、検索できる


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と書いたのですが、残念ながら、

「グーグルグラス」ですが、先月には一般ユーザー向けの「Google Glass Explorer Program」が打ち切られてしまい、やや残念な幕切れ

やがて、はるかにバージョンアップした「グーグルグラス」が登場すると思われますが、現時点では、まだ時期尚早のようです。

あやふやな記憶に頼るよりも、確実な記録に頼る方が、捜索ははるかに容易、正確、効率的なのですが、

現時点では記憶をもとに、時系列データを、なるべく忠実に再現して、ヒントを得るしかなさそうです。

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捜索中に思わず口をついて出てきたのが、

井上陽水作詞作曲の「夢の中へ」の歌詞です。

夢の中へ


探しものは何ですか?見つけにくいものですか?

カバンの中も つくえの中も探したけれど見つからないのに

まだまだ探す気ですか?

探すのをやめた時見つかる事もよくある話で


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この歌詞ほど、探し物をしている人、それを周囲から見た状況を、的確に表現するものはありません。

こうやって考えると井上陽水ほど困った時の人々の心理を的確に描写する作詞家はいないかもしれません。

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夕立


洗濯物がぬれるから 女はひきつった顔でわめきまわる ころびまわる

男はどうした事かと 立ちつくすだけ

計画は全部中止だ 楽しみはみんな忘れろ嘘じゃないぞ 夕立だぞ

家に居て黙っているんだ 夏が終るまで

君の事もずっとおあずけ


さてさて、ここは井上陽水の「探すのをやめた時見つかる事もよくある話で」を参考にして様子を見ます。



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2015年06月23日

国立大学の人文社会系学部削減とは、エリート大学の集約

国立大学の人文系学部・大学院、規模縮小へ転換 文科省が素案提示

「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」

が物議を醸しています。

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実は、これには伏線があり、

L型大学とG型大学、一流以外は職業訓練校に

いまの大学を、グローバル人材を育てる「G(グローバル)型大学」と、職業訓練校的な教育をほどこす「L(ローカル)型大学」とに分けて、教育

という提案がなされています。

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技術、学問、社会は絡み合いつつ、一体となって進むから、面白い!




最近は大学教育について、文部科学省から人文社会系学部の削減の方針が打ち出され、

人文社会系学部「京大には重要」 山極総長、文科省通達に反論

幅広い教養と専門知識を備えた人材を育てるためには人文社会系を失ってはならない。

など、京都大学の山極寿一総長の反対発言が注目を集めています。


と書いたように、大学側からは反対の意見が寄せられています。

また、

進化する教養教育〜東工大〜

にも


2016年4月から始まる東工大の新しい教育システム、「東工大教育改革」では、教養教育を重視しています。


と書かれています。

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今日はこれについて考えてみます。

知をひらく、知をつなぐ。『知の技法』新たな普遍性をもとめて




教わるだけではなく、教わったことをもとに、考えて、活用する、文理融合「知の技法」を作成された小林康夫先生。同じく「知の技法」を作成された船曳建夫先生らも駆けつけ、あらためて駒場のリベラルアーツの層の厚さを感じます。

東大の強さは、この駒場の人文・社会・自然科学、文理融合俯瞰プログラムなど教養課程の充実にある、と考えます。


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理工系大学のリベラルアーツ、教養教育はどうする?




リベラルアーツ、教養って、若い、学んでいる時は「役に立たない」と思われることが多いが、ある時を過ぎてから、アイデアの基盤となり、視野を広げ、俯瞰的な思考のベースとなる、大切なものである

「高度に専門化し、専門ごとに分化しがちな理工系だからこそ、リベラル・アーツが大切」

もちろん、数学、物理などの理工系は大切です。これがあることが前提です。

東工大の学生は、数学、物理などの理工系は、難関の入試を突破する以上、日本のトップクラスであることは間違いありません。

これが確保された前提で、最先端の研究活動を行うには、アイデアの基盤となり、視野を広げ、俯瞰的な思考のベースとなる、リベラル・アーツが大切

「理工系のトップ」として、活躍、展開していくためには、リベラルアーツ、教養が大切、という、一見、逆説的な話


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というように、東大、東工大における人文・社会・自然科学、リベラルアーツ、教養の大切さについて書いてきました。

これくらいのことは、文部科学省の委員会、審議会に参加している委員の方々とて、認識している、と考えます。

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それでは、なぜ、人文社会系学部削減など提案するのかと考えると、

深刻な「2018年問題」―大学は生き残れるか?

近年横ばい状態にある18歳人口が、2018年から再び減少する「淘汰の時代」がやってくきます。

すると、あらゆる国立大学が、ミニ東大、京大を目指すのではなく、東大、京大、東工大などのトップ大学以外は、特徴を活かした、生き残り策を検討せざるを得なくなります。

国立大学の人文社会系学部削減とは、エリート大学の集約、と考えるのがよさそうです。







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2015年06月18日

技術、学問、社会は絡み合いつつ、一体となって進むから、面白い!

東京大学・日本電子産学連携室設立10周年記念シンポジウム

という案内が来ました。

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小宮山前総長「課題先進国「日本」からプラチナ社会へのイノベーション」、平尾前工学科長「ポスト「京」スパコンが世界を変える」など、興味深い講演が満載です

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スーパーコンピューター「京」は民主党政権下で、事業仕訳の対象になり、話題となりました。

「1番でなきゃ、いけないんですか?」

の質問が印象的です。

科学技術、その中核となる、スーパーコンピューターは世界中がしのぎを削りつつ、急速な進歩を遂げています。

現時点で1番でも、すぐに追いつき、抜かれていきます。

最低限、現時点では最新鋭のスーパーコンピューターを活用しなければ、とても科学技術立国など、おぼつきません。

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「1番でなきゃ、いけないんですか?」

は民主党が政権担当能力に欠けることを象徴する言葉で、強く国民の印象に突き刺さりました。

それが、現自民党安倍政権が安保法整などで、強気に出られる原因かとも感じます。

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さて、小宮山前総長は「課題先進国「日本」」「プラチナ社会へのイノベーション」などをキーワードに、

東大小宮山前総長熱中講義「知識の構造化〜資源自給社会を考える」

課題を設定しなければならない時代

大学発教育コンソーシアムシンポジウム「大学発」→「社会発」へ「21世紀の教育とプラチナ社会」

などで、お話を紹介してきました。

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最近は大学教育について、文部科学省から人文社会系学部の削減の方針が打ち出され、

人文社会系学部「京大には重要」 山極総長、文科省通達に反論

幅広い教養と専門知識を備えた人材を育てるためには人文社会系を失ってはならない。

など、京都大学の山極寿一総長の反対発言が注目を集めています。

一方で、東京大学の新任の五神真総長については、目立った報道がありません。

東大が小宮山総長であったなら、面白い発言があったのでは、などと、多少残念な気もしています。


さて、とにかく出たお話をまとめます。

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科学は、自然現象から、いくらかの自由を獲得する、人間の知的活動

宿命、運命と考えられていたものについて、原因、因果関係、相関関係、結果が、ある程度でもわかれば、対応法を考えることができる

コンピューター・シミュレーションにより、未来、未知の状態の予測がある程度可能になった

自然現象、社会現象は微分方程式で表される。時間発展解を求めることができれば、現象が解析できて、未来が予測できる

コンピューターは解析数学の脆弱性を補ってくれる

ビッグデータとビッグコンピューターが社会を変える。ビッグデータをコンピューターにより、同化させる。

創薬、コンピューターによるスクリーニングをした上で、試験をすれば、はるかに効率的

コンピューターは科学の基盤技術から、社会の基盤技術へ

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雇用は農業→工業→サービス

量的飽和の最終段階、やがて需要不足

食料の保存技術、冷蔵、冷凍技術が、人類の寿命を延ばした

雇用は人の社会交流を保つもの

伝統産業、飽和型需要、途上国型でゼロサムの量的競争

創造型需要、飽和しない質的競争
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人の仕事が人工知能に置き換わる、よりは、人と人工知能のコラボにより、できることが急激に拡大する




人工知能だけでなく、コンピューター、インターネットの発達、普及により、プロ、企業でなければできなかったことが個人でもできるようになり、数か月かかった作業が、数分でできるようになりました。

すなわち、コンピューター、インターネットの発達、普及により、人間ができることが急激に拡大しました。

人工知能についても、同様に、人の仕事が人工知能に置き換わる、というよりは、人と人工知能のコラボにより、できることが急激に拡大する、


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人間の行動に人工知能をどう活かすか?




情報があふれている社会では、「あらゆる情報」を提供するよりも、ユーザーの行動にカスタマイズして、判断、行動のポイントで、「解釈可能な行動情報」が提供される、人工知能の開発が楽しみです。


と書きました。

今後、技術、学問、社会は絡み合いつつ、どのように進んでいくのか?楽しみです。



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2015年06月16日

組織工学技術による再生医療の発展

いつも興味深い内容なので参加する

東大高校生のための金曜特別講座

今日のテーマは、「人体の組織構造をつくる」

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ヒトの細胞を生体外で培養し人体の組織構造体をつくる「組織工学」に関する研究が、近年国内外で活発に展開されています。

組織工学技術により作製された組織は、実際にヒトのからだに移植して病気を治す再生医療分野への貢献が期待されています。

また、組織工学技術により、スライドグラスの上に血管、肝臓、腎臓などの人体の一部を再現できるようになってきました。

これらは病気の診断、予測、新薬の開発への利用が大いに期待されています。

本講座では、人体の組織構造をつくる「組織工学」を取り巻く科学、工学、医薬の世界についてご紹介します。

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この内容は高校生には少し難しくて、大学生、大学院生向けの感がしますが、参加した高校生は、目を輝かせてメモを取っています。

大学入試には、あまり関係しない分野ですが、この内容を学んだかどうかは、大学入学後に大きく影響する、と考えます。


さて、再生医療では、山中伸弥京都大教授が進めているiPS細胞が注目を集めていますが、

まず、これについて少し整理しておきます。


イノベーションカレッジ「ES/iPS細胞による産業イノベーション」に参加しました


ES細胞(Embryonic Stem Cell)

iPS細胞(induced Pluripotent Stem Cell)

の違いを示します。実は多くの人が混同しているのでは、と思います

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ES細胞はヒトの受精卵が分裂し、分化を繰り返して胎児と呼ばれる状態になるまでの間の胚(胚盤胞)の内側にある細胞を取り出して、特別な条件下で培養した細胞のことをいいます。

他人の受精卵から取り出したES細胞を用いて作製した組織や臓器を患者に移植することになるため、拒絶反応や生命倫理の問題が高い障壁となり、ES細胞研究は政治、宗教を巻き込んだ社会問題へと発展していきました。

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iPS細胞は成長途中の胚から細胞を取り出すのではなく、初期化に必要な4つの遺伝子をすでに分化した皮膚などの体細胞に入れて人工的に作り出すことができるため、ES細胞のように受精卵を利用することがありません。

また、初期化する細胞は患者自身の細胞に由来するため、iPS細胞を元に作った臓器を患者に移植しても、免疫系はその臓器を自己と認識し移植が拒絶されることは少ないと考えられます。


簡単に言うと、両者とも、

・何の細胞にでもなれる

・無限に増殖は

同じなのですが、

・iPS細胞は受精細胞ではなく、一度分化して人の身体になった皮膚などから戻せる点が異なります

それゆえ、受精細胞でなくてよい、患者本人の細胞が利用可能、なところがポイントです

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・iPS細胞技術の産業イノベーションの出口は、再生医療だけでなく、研究試薬・機器、病理研究・創薬支援、テーラーメイド医療と多様

・再生医療には15〜25年かかると予想され、短期間で回収するベンチャーキャピタルの投資は難しい

・細胞自体の優劣よりも、、その細胞を使ったデータ、再現性、などの付帯情報に価値が出てくる

・モノがあると強い。モノを持っていない、何年後に、では、相手にされない

・iPS細胞研究は再生医療だけでなく、幹細胞科学、生体組織工学も。医学だけでなく、科学、工学も大切


まず、これを踏まえた上で、出た話をまとめます。

生物学上の組織、何種類かの決まった細胞が、一定の決まったパターンで集まったもの

生体組織を作る目的

・病気の治療(人の再生力を利用する)

・薬の検査(自分の細胞で薬の検査、個別化医療)

欠損部位のための医療

臓器移植、人工臓器(ドナー不足、免疫拒絶反応などの問題)→自分の細胞組織を移植することにより、より生体に近い機能に、細胞を体内から連れ出して、連れ出したことを気づかせないようにする

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細胞から組織をつくる方法(1990年代にスタート、生命科学と科学の研究者のコラボ、イノベーションは異分野の人々が交流して起こる)

1.細胞を摂取

2.培養して増殖(化学構造を変えることで細胞を培養しやすくする)

3.スポンジ状の足場の上で、培養して3次元の組織をつくる(身体の外で化学、物理環境を再構築する(細胞の機能を保つため))

4.移植して体内に戻す

臓器プリンティング、細胞の塊を3次元プリンティングして立体構造をつくる。ロボットで様々な形を再現性よく形成していく。

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創薬

1.候補物質の選出

2.in vitoro 試験(人の細胞)

3.動物実験(人と動物では薬の反応が異なる)

4.ヒト臨床試験

動物実験を臓器チップで代替する。生体外で生体反応を再現、薬物動態をリアルタイム観察

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ips細胞、皮膚の細胞を初期化して、いろいろな細胞にする、倫理的な問題をクリア

ips細胞を利用した個別化医療

1.疾患の患者から細胞を摂取

2.神経細胞をつくる

3.薬のテスト


組織工学技術、再生医療、などの新しい研究分野は、既存の学問領域の、隙間から起こります。この分野では医療だけでなく、生命科学、化学の知識が必要です。

以前は学際的、と呼ばれていましたが、イノベーションは異分野の人々が交流して起こる、ことはよく知られるようになっています。

それゆえ、既存の学問分野にどっぷり浸かるのではなく、違う分野の研究を知り、また研究者も交流も必要だったりします。

また、講師の方からの、

・迷ったら、一つに限定されることなく、多くの選択肢がある方を選ぶ

・「環境が人をつくる」一方で、「環境は自分で作る」

という言葉も参考になりました。



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2015年06月15日

人間の行動に人工知能をどう活かすか?

国立情報学研究所オープンハウス2015未来を紡ぐ情報学 新しい価値の創成へ

に参加しました。

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「情報学」は、計算機科学や情報工学だけでなく、人文・社会科学や生命科学の領域も包含する新しい学問分野です。

未来価値を創成する情報学研究、社会・公共貢献、融合の情報処理、産学官民の連携、国際的な研究・事業活動を指向した情報学研究を進めています。

この中でも関心があるのが、

AI(人工知能)の可能性

です。

人間と人工知能の競争?協奏?協創?




身近なことでも、例えば、休日の行動を決める(テニスなどに外出するか?雨なのでうちにいるか?)天気予報。

以前は早朝のテレビの天気予報の気圧配置、アメダス、予報から判断していましたが、今では、ネットの雨雲の動きの予想で決めます。

数時間前からの時系列データと現在のデータに基づく予想ですから、人間の判断よりもはるかに精度がよいです。もちろん外れることもありますが。


と書きました。

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気象予報は自然現象ですから、観測データ、パターンの蓄積により、精度は向上していきます。

人が気象の予想を行う際には、その時点の状況の影響を大きく受けます。予想する時点で大雨だと、「今日は雨」と判断してしまいがちです。

一方、「ネットの雨雲の動き」は数時間前からの時系列データと現在のデータに基づく予想ですから、人間の判断よりもはるかに精度がよいことになります。

人工知能は自然現象だけでなく、経済、社会など、人々の社会行動にも活用が試みられています。

自然現象は、人間の考えが入り込む余地はなく、必ず再現されます。

一方、人々の社会行動は、必ずしも再現性があるものではなく、時代、環境により、同じような状況であっても、人々の判断、行動は異なります。


最適な行動と実際の行動のギャップ




経済とは、人の行動を予測し、一歩先を行くこと

古典経済学では、人々は合理的な行動をとる、という前提のもとに構成されていますが、

実際の人々の行動は、経済的に合理的なもの、とは言えません。

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人間の行動は合理的?




従来は、「物価が高くなれば、消費を抑える。安くなれば、購買が増える」のように「人間は合理的に行動する」という前提で、システム、モデルが設計、構築されていました。

ただ、Herbert Simonが指摘したように、人間は必ずしも、理性により合理的に判断するのではなく、感情により、非合理的な行動をとることもよくあります。


経済学は、理工学などと異なり、実験環境を整備することが難しいために、実験は難しい、とされていましたが、

お金を使わない新しい経済学〜暮らしに役立つ「マッチングの仕組み〜




経済を論じる時、市場があることが前提で、市場での需要と供給のバランスで考えるのですが、多くの経済行動を含む社会活動が、市場以外のところで行われます。

例えば、企業、学校など組織内あるいは、組織間の活動も、必ずしも市場を介さないものが少なくありません

この市場を介さない活動を考える特に有効になるのが「ゲームの理論」です

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・フォン・ノイマン(1944)社会の問題を分析する「ゲームの理論」:社会現象をプレーヤー、戦略、利得で表現される「ゲーム」に定式化

・ジョン・ナッシュ(1950)ナッシュ均衡:誰も自分だけ行動を変えようとするインセンティブがない(参加者がお互いに最適化を行っている)一般的な条件化で解が存在する


に書いたように、「ゲームの理論」が提案されてから、実験経済学、行動経済学と呼ばれる学問が生まれました。

「ゲームの理論」では、それぞれのプレーヤーが得点を最大化するように、プレーしますが、実社会の人々の行動は必ずしもそうではありません。


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情報があふれ、変化が激しい時代の「最適な行動」とは?




情報があふれた流動的な社会では、「最適な選択」なるものは単なる幻想。

どんなに「最適な選択」をしたつもりでも、少し時間が経てば状況が変わり、「あれば間違いだったのではないか」と思い返することになり、不安に襲われます。

「自分で何もかもしなくては?」と過剰に思い込む人は、〈最適化〉原理に駆られがちになって不安や抑うつ感から逃れられなくなります。

現にそういう人ばかりでしょう。


全てを読んで読み切って、それに合わせて行動することが知的なことだというのはものすごく知の一部分しか見ていなくて、向こう側に闇のようなカオスというか暗闇があってそれと対峙しているという感覚。

それに対して自分の内的社会をどういうふうに動かせばいいかと考えるのが知的作業。

知というのは不安定に流されてただよっているもの。

変化が激しい時代では、状況が刻々と変化し、判断すべき情報があふれています。

ある時点では「最適」であった選択が、状況が推移すると、よくないもの、になってしまい、ずっと「劣る」と考え、棄却した選択の方がよくなってしまうことも少なくありません。

では、情報があふれ、変化が激しい時代には、どういう選択をすればよいのか?


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人間と人工知能の競争?協奏?協創?




興味深かったのは、ゲームの理論を実際に被験者に試してみると、ゲームの理論から導かれる最大値、最適理論とは、異なる戦略を人々が選択していることがわかった、ということです

感情に流されて不合理な行動をするのではなく、理論的に考察して、合理的な、最適理論に基づく行動をとることで、例えば、経済的な損失は防げるのではないか?

何が起こるか、予測がつかない中、事前に、理論的に考察して、合理的な、最適理論を導き出して行動することなど、実際には不可能です。

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・人間は理論的な最適経路よりも、自分がわかりやすい、近く見える経路、あるいは直感的に近いと考える経路を選ぶ。

・パターンの固定化、直面する問題に対する解を考える、よりも、むしろ、過去にうまくいったパターン、自分が知っているパターンで解こうとする。そのプロセスで、正しいゴールを見失っている。

・直感で判断、とは、これまで自分が蓄積した知識、経験に照らして、合理的に判断、というよりは、表面に見える情報をもとに、過去にうまくいったパターン、自分が知っているパターンで解こうとする。

・ゴールへの道筋がわかると、感情に動き(うれしい)があり、行動が早くなる。

・被験者の動きを、第三者的立場で観察すると、本来のゴールから、かけ離れたところで、悩み、決断していることがよくわかる

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これまで自分が蓄積した知識、経験に照らして、合理的に判断、という「直感」よりは、表面に見える情報をもとに、過去にうまくいったパターン、自分が知っているパターンで解こうとする「直感」、になってしまい、金槌でボルトを抜こう、とするように、正しいゴールを見失っていることがあります。

電車を乗り継いで、どこかへ行く場合、予め、乗り換えのプランはありますが、スマートフォーンの路線検索を念のため調べると、思いもかけなかった、ずっとよい乗り換えプランが提供されて、びっくりすることがあります。

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人工知能、ロボット、コンピューターは人間の感情、感覚などは、これまで「扱うことができない」「計測できない」「ブラックボックス」とされていました。

ところが、人間の感情、感覚が計測できる、そしてコントロールできるようになれば、大きく、深く、人間に踏み込んできて、人間の生活、行動が大きく変わってくる、ことになりそうです。

カメラ付きのメガネで視線が追ったもの、食べたものをを自動的に記録する、簡単なイア・センサーで聞いた音、話したことを録音する、など、センサーデータをリアルタイムで処理しながらのSFのような生活がすぐそこまで来ています。


と書きました。

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この講演でも、人間の行動パターンについて、いろいろな知見が紹介されました。

出た話をまとめると


データから知識発見:機械学習法を用いてデータをモデル化、モデルから新たな法則、知識を引き出す

データの検索→複数データの統合→データマイニング→知識の実用性評価

機械学習、データマイニングより、得られた人の行動特性をシステムに組み込む

ソーシャルネットワーク
・近い時間帯にインタラクションがあると関係が強くなる

・古いインタラクションは関係が弱くなる

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データは背景知識と組み合わせることにより、データが少なくても、意味を持つようになる

意志力は筋肉のように鍛えることができる。

意志力を使わなくても、行動できるように刷り込む

人は近い将来を待つことはできないが、遠い将来は待つことができる

人は報酬よりも損失を重視する

人は小確率を重視する

人は横並びで周囲の規範に合わせる

刷り込みとリマインダー「XならYする」計画時点からスマートリマインダー、失敗しそうなタイミングを分析して自動で警告

手法のカスタマイズ、ユーザーに適した行動促進方法の選択、自己成長と他者の承認の使い分け

達成できない目標は逆効果

「あらゆる情報」から「解釈可能な行動情報」へ


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人間が行うパターンの予測がつくのならば、そのパターンのポイントとなるところで、人工知能から適切な指示があれば、人間の行動がぐっとよくなりそうです。

情報があふれている社会では、「あらゆる情報」を提供するよりも、ユーザーの行動にカスタマイズして、判断、行動のポイントで、「解釈可能な行動情報」が提供される、人工知能の開発が楽しみです。






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2015年06月11日

数学は理性の音楽、数楽しましょう

数楽しましょうー「数学 理性の音楽」@東京大学

という案内が来ました。

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「音楽は感性の数学であり、数学は理性の音楽である」

小学校に入学する頃、多くの人は算数に興味を持っています。この頃の算数は、日常生活にも大いに役に立ちます。

ところが、学年が進むにしたがって、数学がわからなくなり、ついて行けずに、嫌いになる人が増えていきます。

大学を理系で受験する人は、とにかく数学を勉強します。この頃、数学が得意、好きな人と苦手、嫌いな人に、完全に分かれます。

ところが、大学入学までは数学が得意、好きな人だった人が、大学入学後に、εとδの数学に出会うと、突然いやになります。

微積分、行列(高校の数学からなくなってしまうそうですが)などが、あんなに好きだったのに、数学が大嫌いになります。

ところが、3年の専門課程に進み、フーリエ級数、ラプラス変換、複素積分などを習う頃には、その実用性も理解して、また好き、得意になっていたりします。

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これまでも数学については、いろいろ考えてきました。

越境ではなく、在来して活躍している数学


IT、バイオなど、科学技術(実は「科学」と「技術」は大いに異なるのですが)が急速に進展する現在、物理学、化学は単に学問としてだけではなく、その成果が社会の発展に大きく貢献している

一方、数学は科学技術の進展とは、薄く、細いつながりはあるものの、独自の「閉ざされた」学問体系の中で、完全に社会から隔絶され、趣味が高じたおタク研究者がタコつぼ研究室に閉じこもり、

紙とペンとコンピューターを駆使し、おおよそ、社会には意味のない趣味研究に明け暮れている、というイメージがある

実際には、数学は、決して閉ざされた学問体系ではなく、大いに他分野に越境し、社会の諸問題の解決に貢献している


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その数学は現場を超え、現場を動かす

に書きましたが、

例えば、年によって、ワインの味わい、質は大きく異なります。これは、ソムリエ、テイスターたちの領域とされてきました

ワインの味わい、質に影響をもたらすのは、気温、降水量など、ぶどう栽培、収穫時の気象条件でしょう

毎年の気温、降水量などの気象条件のデータと、その年のワインの味わい、質を分析すると、ある相関関係がでてきます

すると、気象データを分析することにより、まだソムリエがテイスティングすらしていないワインの質の予測が可能になります

現場の感覚だけでなく、データを記録、管理し、分析することにより、正確な予測が可能になります

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「現場に足を運べ」「現場を見ろ」と言われます。これは、とても大切なことです。でも、それだけでは不十分です

データを計測可能にし、記録し、分析することにより、現場にいる人が気づいていなかったことが発見できたり、予測できたりします


これまでは専門家が経験と勘でやっていたことを、データを取り、モデル化、数値化をし、再現します。

すると、専門家の経験と勘を、専門家以外の一般にもできるようにするだけでなく、専門家自身が気づかなかった本質的な重要因子が見えてくることがあります。


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天才和算数学者「関 孝和」はライプニッツと肩を並べていた?


ライプニッツと肩を並べたはずの和算数学者「関 孝和」

に書きましたが、

今から300年前の17世紀後半から18世紀初め、ヨーロッパではニュートン、ライプニッツなど、数学、物理学が盛んに行われました。

日本はちょうど元禄時代。徳川幕府の5代将軍綱吉、6代将軍家宣の頃です。

その頃の日本は鎖国をしており、外国からの文化は長崎を通じて、細々としか、伝わりませんでした。実はそうでもない、という説もあるのですが。

もちろん、コンピューターなど無い時代です。

でも、徴税のための検地測量、米の取れ高の評価、洪水対策の堤防建設、などのために、数学は必要でした。

むしろ、コンピューターが無い時代だったからこそ、数学が高度に取り扱える人材が重宝されたのでしょう。

今年が、和算数学者「関 孝和」の没後300年です。

彼の業績を調べると、円周率の正確な算定、多変数連立方程式の解法、行列式、微分・積分、ベルヌーイ数、など、同じ時代のニュートン、ライプニッツと堂々と肩を並べる業績を残しています。

ただ、ニュートン、ライプニッツは、当時ヨーロッパが大航海時代後で、航海に不可欠な天体の軌道観測により、ケプラー、ガリレオ、コペルニクスなどの研究成果の影響を大きく受けています。

大きなハンディキャップを物ともせず、互角に渡り合った、と言って、過言ではない、と思います。

もし、この時代に「関 孝和」が同時代のニュートン、ライプニッツの研究を知りえたら

もし、関家が孝和の息子の代で、取り潰しにならなかったら

もし、明治時代に関の研究成果を、新しく入ってきた西洋の自然科学と融合できたら

興味は尽きません。

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数学には、日常生活における計算を扱う、極めて実務的な面と、その手法、考えを抽象化することにより、汎用性をもたせ、物理学など多くの学問を進展させる、抽象的な面があります。

実際には、相互に行き来することにより、数学と工学、経済学などが共に発展してきた、ということでしょうか

前者は日常生活に必要とされますが、後者については、実務上のニーズ、および時間、金、才能を十分に持つ人材がいないと、進歩しません

上に書いたように、ヨーロッパでは大航海時代、航海に不可欠な天体の軌道観測により、数学が大きく進展しています

日本はどうだったでしょうか?では、日本の数学の歴史を見てみましょう


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『体感する数学』とは?


・数学はエレガントだが、物理学は粗野、ただし、奥が深い。

・数学的に可能な世界の一つが現在の世界 

・アメリカでは「数学」力が社会を動かしている。

・アメリカではGoogke,Apple,Microsoftなど、民間主導でイノベーティブな研究開発が行われているが、日本では公的資金による権威付けがないと軽視される。

・アメリカでは大学が研究成果をビジネス化するメカニズムがしっかり機能している。

・生命科学、物理学などでは、サイエンス、ネイチャーなど、一流誌に取り上げられることが登竜門だが、数学は証明、解法ができてしまえば、直接ウェブで発表すればよく、権威付けは不要。

・数学は物事の神秘性を剥ぎ取って、真実を突き付ける。例えば、皆既日食を太陽、月の軌道から求めることにより、不吉さを取り除いた。

・物事を数理的に分析すると、幻想が取り払われ、やるべきことが明確になる。 

・100マス計算、ある分野、生徒には極めて有効だが、すべてに万能ではない。

・日本では数学の天才少年の取り扱いが安っぽい。東大合格くらいしか評価することができない。

・数学は自由への道を与える。闘争と逃走。


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さて、今日はどんなお話がうかがえるのでしょうか。早速出たお話をまとめてみます。


「音楽は感性の数学であり、数学は理性の音楽である」

道具、言葉、対象としての数学。

物理学は自然現象が対象、数学は道具

研究者として成功するためには、気合、体力、運。努力はみんなする。

先生を選ぶ時、専門よりも、「いい先生」を選ぶ

数学は役に立つか?明日役には立たないかもしれないが、いつかは役に立つ、何に役に立つかは誰もわからない

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「何の役に立つのですか?」の質問への、反対質問「あなたは何の役に立つのですか?」

理工学の引用文献、5年前だと古いが、数学は数十年前の引用もあり得る

19世紀まで数学と物理に明確に区別はなかった。当時の数学は紙と鉛筆でする学問。20世紀初め、非線形問題などについて、ポアンカレですら、人力による定量的追求を放棄し、数学は定性的、理論的な研究が指向される。

20世紀後半、コンピューターの発達により、定量的追求だけでなく、これまで見えなかった時空間が可視化され、人々が容易にイメージできるようになり、応用する道具としての数学だけでなく、研究対象としての数学も急速に進むことになった。

ただし、カオス現象は、現在、コンピューターを駆使しても、十分には解明されていない

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数学は無次元化されるので、タイムスケールが入ってこない

代数、幾何、当初はコンピューターが入りにくい構造だったが、最近では完全に入り込んでいる

数学者は自由人、政治家は少ない。他人と同じことをやりたくない、オリジナリティーの追究

高校までの数学は絶対的なもの、と思われ、自由が感じられないが、方程式は人間が表現し、作り出したもの。人類が始まる前からあったものでは決してない。

数学は一度わからなくなると、あきらめられてしまう


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大学入学後に出会う、εとδの数学は、20世紀初め、人力による定量的追求を放棄し、数学は定性的、理論的な研究が指向した結果なのかもしれません。

この時代に、純粋数学だけ現実世界から遊離している感がありましたが、コンピューターの発達に伴い、理工系分野だけでなく、

経済、金融など、生活全般に数学が大活躍しています。

今後の人と数学の関係が楽しみです。




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2015年06月10日

「科学と哲学と社会」をめぐる哲学対話

「科学と哲学と社会」をめぐる哲学対話

という通知が来ました。

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案内文によると、


科学と哲学は、かつて一体となって明確な区別はなかった。

近代科学が成立すると、哲学は「基礎づけ」という後見人のような役目を果たすようになる。

現代になり、科学が巨大化して人間の手に余るようになると、哲学は「批判」という監視役を演じ、対立するようになる。

ではこれからの科学と哲学の関係は、どのようなものでありうるか――このワークショップでは、サイエンスコミュニケーションと哲学対話という社会と関わる実践から、もっと創造的で協力的な関係を模索する。

いまだかつてない、科学と哲学のコラボレーション!


とあります。

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これについては、

東大立花隆ゼミ主催の池上高志氏 × 村山斉氏トーク「繰り返す問い、終わらない科学」に参加しました

に、科学の中でも、物理学と哲学、数学、工学について


●物理学のおこり

「学問」の源流は古代ギリシャで、数学と物理学もその例に漏れません

真理への執着から、「哲学」を生み出し、ヨーロッパの学問の基礎になりました

特に、「幾何学」は「公理、定理、証明」という強力な枠組みを提供しました

「物理学」は自然哲学から分離し、ガリレオやニュートン以降、「自然現象の中から数量的関係を見出す」方向へ進みます

この過程で、数学と二人三脚で「微分積分」「フーリエ級数」などの道具が生まれました

この過程の中で、自然科学に、個人の主観から脱却した客観的な視点と、予測能力を与えました

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●物理学の基本精神

自然科学とは「自然現象をとらえて論理的に記述する」営みと言うことが出来るでしょう


誰がどこで観測や思考を行っても結果が変わらない、普遍的なかたちが求められます

論理的、普遍的な精神を実現するために、研究者間のコミュニケーションツールとして、数式と数学の体系が利用されます

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●物理学の2つの側面

物理学には、観測のための環境を整えて実験を行う「実験科学」、複数の実験事実を論理的に一貫した形で結ぶ「理論科学」という2つの側面があります

ある自然現象への理解が一旦理論体系として確立されると、「次にどのような実験を行えば新たな推論を行えるか」を考える手がかりを得ることが出来ます

この実験と理論のサイクルが重要なのですが、実際には得意分野から「実験屋」と「理論屋」に分かれているのも事実です

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●物理学と工学の関係

自然科学は「自然をより深く理解する」ことを目標としています。さらに言えば「社会に役に立つことを、そんなに目指さなくてもよい」ことになります

一方、工学は自然科学の知見を活かして、社会のニーズを満たしていきます

また、自然科学の実験環境整備には「工学」の進歩が欠かせません

物理学と工学は、時には「理屈者」「製品工」と互いをののしり合いながらも、この持ちつ、持たれつの協力し合う関係です

・物理学は自然科学の基本となっているが、数学はもはや自然科学ではない

・コンピューターの急速な発展により、自然科学者が仮説を提案するのではなく、コンピューターの大規模シミュレーションの結果より、仮説が示唆されるようになった

上に書いた「実験科学」における実験データの分析、「理論科学」における複数事実の理論付け、などは、人がやっていましたが、最近では、これらもコンピューターが行います。

人がやることとコンピューターがやることの役割分担の変動が進行中です


・金融において数学理論は破綻したといわれるが、利用者がネグリジブルスモールの時は成立した理論は、ネグリジブルスモールでなくなった時には成立しない。新たな系へ移行した訳で、その系での理論を検討することになる

ウォール・ストリートなど金融の世界でも多くの数学者、物理学者が働いています

さらに複雑な数学体系が金融分野で確立するかもしれません


と書きました。

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概略はこういうことなのですが、理学の研究者の方々から


ビッグサイエンス、宇宙、素粒子、核融合など、人、モノ、金が大量にかかる。100億円以上。どこまで大型化が許されるか?

得られる成果と予算が見合うか?大きな予算である以上、削られる分野もある。特定の一つの分野に集約できるか?

理学、学科間で文化が違う

理学、真理の追究、人類がこれまで知り得なかったことを知る。必ずしも社会に役立つものではない。

求められる実学、税金を使っている以上、説明責任がある。

理学の研究を進めるには、予算権限者への説明、説得、予算獲得が不可避的に伴う。

応援してもらったり、いい情報を伝えたりできる、社会といい関係の構築

知識を得ても行動しないとダメ


というお話がありました。

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ここにあるように、かつては、科学と哲学は、一体となって明確な区別はありませんでした。

近代になって、装置の発達などにより、科学においては観察的手法が主流となり、哲学から分離していき、現在では、むしろ対極にあるような印象を受けます。

これは、日本の哲学事情に問題がある気もします。

日本の哲学は、哲学自体を扱うよりも、むしろ、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ヘーゲル、カントなど、古代から中世、近世の西洋哲学を紹介する段階にとどまり、それらを踏まえた、独自の哲学的思考の展開は、いまひとつ、の感があります。

実は哲学は科学を進める基本であり、原動力でもあるのではないでしょうか?

そんな感がしたイベントでした。



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2015年06月09日

東大駒場リサーチキャンパス公開2015に行ってきました

東大駒場リサーチキャンパス公開2015

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東大駒場リサーチキャンパスには、生産技術研究所と先端科学技術研究センターがあります

生産技術研究所は今は駒場にありますが、以前は六本木にありました。

現在の新国立美術館、政策大学院大学がある場所です。

「生産に関する技術的諸問題の科学的総合研究ならびに研究成果の実用化試験」を目的として設立され、学の自立を標榜し、産業界への迎合を潔しとしない古い時代の中、産業界への貢献、産学連携をうたっていました。

敷地は結構広かったのですが、建物の内部、特に地下は迷路のようでした。

施設は老朽化し、とても進んだ研究ができる環境とは考えられませんでした。

そこで、10年前に駒場に移転し、設備も一新しました。

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一方、先端科学技術研究センターは前身が航空宇宙研究所でした。

東大の中心である本郷キャンパスから、離れた場所で、自由な雰囲気で研究するのが特徴でした。

文系分野まで広く含んだ研究テーマで、それぞれの研究者が少し「尖った」研究をしていました。

このふたつの組織が同じ敷地内にあり、同日にイベントを行うことで、いい意味でも悪い意味でも、お互いが影響しあうようになっているのでしょう。

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さて、このリサーチキャンパスですが、上記の2つの研究室、研究プロジェクトが日ごろの研究内容を紹介し、さらには、旬なテーマの講演会も開催され、盛り沢山な訳ですが、逆にいうと、短時間では見切れません。


以前は、いくつかテーマを選んで、対応する研究室、研究プロジェクトで、

研究員の方から説明をしていただきました。

これについては、

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に書いてあります。

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昨年2014年は

身近なまちから創発する学問・社会リテラシー「ぼくらはまちの探検隊」の10年を通して

というシンポジウムが楽しそうだったので、それに参加しました。

これについては、

身近なまちから創発する学問・社会リテラシー「ぼくらはまちの探検隊」

に書いてあります。

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テーマを選んでしまうと、それ以外については、スキップすることになってしまいます。最先端の技術、研究が網羅的に紹介されているのに、それではもったいないです。

そこで、今年はテーマを特に選ぶことなく、会場全体をざっと回ることにします。ざっと見ながら、興味があるものについて、質問することにします。それでも、最新の研究動向、テーマは十分に把握できます。

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ポスターよりもデモ展示に人が集まります。また実際におもしろかったりします。

数年前から、かき氷のサービスがあります。今日はちょっと涼しいのですが、それでもかなり出ています。

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屋台の車もあったりします。イベントを盛り上げるには、こういったものも欠かせません。

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研究内容まで、踏み込むには、ちょっと消化不良でしたが、楽しい研究プロジェクトめぐりでした。

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各研究テーマについては、受付で小冊子をもらったので、詳しくは、興味がありそうな研究室、研究プロジェクトについてネットでアクセスすることにします。





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2015年06月05日

大学サークルの同窓会は、ひりひりした原体験の再現ドラマ

東大ウィンブルドンテニスクラブのブースにて

で書いた大学時代のテニスサークルの同窓会に行ってきました。

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上記ブログに書いたように、

実は、このテニスサークルは「TAK」さんが学生の頃、ちょっとしたきっかけで始めたのですが、その後、後輩の方々が引き継いでくれて、なんと35年になります。

ということで、集まったのは卒業して30年以上のメンバーです。

大学時代に1、2年だけ、一緒に活動したメンバーが、30年以上たっても再会する、

また、そういった同窓会の幹事を引き受けてくれる人がいる、

これって、本当にすばらしいことです。

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会が進むにつれて気づいたことがあります。

単に、昔のことを思い出し、懐かしがり、しみじみと語り合い、共有するだけではなく、

学生当時の、お互いに食い込み合った、原体験を、お互いに引きづり出しながら、

まるで30年前を熱く再現しあう、場になっていきました。

「確か、こうだったな」

「違いますよ、それはですね」

今の状態から、昔の学生時代を振り返って、思い出す、状態から、学生時代に戻って、当時の状況で熱く語り合う場になりました。

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草創期のサークルだったので、課題が山ほどあり、

メジャーサークルに追いつこうと、みんなで協力し、手分けしながら活動した日々でした。

合宿、対抗戦、とみんなで一緒に行動する日々でした。

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「ゆるやかなつながり」と「インタラクションが食い込むつながり」のバランス




「弱い絆」「ゆるやかなつながり」が提唱されていたのですが、最近、風向きが変わってきた気がします。

リアルな「場」に、表面上を「つるっと」流れるだけの関係ではなく、インタラクションがあり、お互いに「食い込む」、時には「ひりひり」するかもしれない、「つながり」を求めているのではないか、そんな気がします。


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クリエイティブ・スタジオという実験場から。創造(Think)と実験(Do)の間、いまどんな変化が起こっているか?




「合宿をやる」盛り上がっていると互いの共感、これがあると継続できる。原体験が大切

メンバーの共感により、自分事として取り組む。メンバーのアイデアを他のメンバーが引き出していく

オニオンピール、自己紹介後に、自己紹介で隠していたことを問い詰めていくと、本音で話せる

アイデアを実現するには、そのアイデアにオーナーシップを感じる人が、実現に向けて、奔走することが必要になります

オーナーシップを感じる人を増やすには、合宿のような、強烈な共有体験が必要だったりします


と書きました。

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大学時代のサークル活動とは、長い人生の中の、ほんの1,2年のことです。

でも、その1,2年の活動は、お互いに「食い込む」、時には「ひりひり」する、強烈な原体験で、末永く人生に影響するものだったりします。

「ゆるやかなつながり」だけでなく、学生時代の、お互いに「食い込む」、時には「ひりひり」する、強烈な原体験にもとづく、つながりの大切さを気づかせてくれる同窓会でした。



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2015年06月01日

スプツニ子!さん×向井千秋さん、サイエンス、アート、キャリアで考える未来のかたち 

「スプツニ子! × 向井千秋 スペシャルトークセッション」

という通知が来ました。

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数学科出身のアーティストのスプツニ子!さんと、医者出身の宇宙飛行士の向井千秋さんがアート、サイエンス、キャリアを縦横無尽に切り裂いていく、とんでもなく楽しいイベントになりそうです。

スプツニ子!さんについては、

スプツニ子!アーティストトーク「デザイン+物語」で考える未来のかたち

でお話を伺い、

スプツニ子!科学とアートとテクノロジーを駆使し、デザインの力で「起こりうる未来」

スプツニ子!「観測されないものは、存在しないも同じ。」

でも紹介しています。

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高校時代についたあだ名「スプートニク(旧ソ連の人工衛星)」が、いまの名前のスプツニ子!(@5putniko )。

日本人の父と英国人の母、両親ともに数学者の家庭に生まれ、東京のインターナショナルスクールを卒業後、

ロンドン大学で数学を学んだ後、論理の証明にもとづいて行う数学よりも、自由なアプローチが可能なアートに魅力を感じ、ロンドンの英国王立芸術学院でデザインを学び、アーティストに転じ、科学と芸術のはざまで、テクノロジーを駆使しポップな独特の才能を開花させています。

2012年より神戸芸術工科大学の客員教授でしたが、2013年11月より、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの助教に就任しました。

マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボからTwitterでの発信、

・新しい研究室では、MITで生まれるテクノロジーやイノベーションをもとに、デザインの力で「起こりうる未来」の物語を描いて発信し議論していきます。その起こりうる未来はユートピアでもディストピアでも構わない。大切なのは人の考えをゆさぶり議論が起きること。無反応が一番の失敗です。

・実現性や効率性の枠をはみ出した想像や議論がテクノロジーやイノベーションを豊かにする場面は非常に多くあります。そして良い作品ほど、激しく議論され愛され嫌われるでしょう。そんな激しい議論を巻き起こすような作品や発信ができる学生を世界中から募集しています!☆ 一緒に研究&制作しよう!

1.今いるところが、世界のすべてじゃない

スプツニ子!さんは学校に通っていて先生と上手くいかなかったとき、大親友に「学校だけがすべてじゃない」と励まされたと書いています。

そんなことは広い世界から見ればどうでも良いことだと。行き詰まったとき、自分を励ましてくれる言葉


2.なぜ、勉強するのか

「大人になった時に、新しいことを発見出来る準備」だと答えています。

これは両親の教えで、「人類には、みんなで作り上げる学問という山がある。一人の力では、いくら新しいことを見つけても、山の高さには積み上がらない。

これまでの歴史で新しいことを見つけてくれた人たちがいるから、その山があるんだよ。」と教わったそうです。

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3.長続きする勉強法

スプツニ子!さんは勉強のコツを、「勉強しない時間を決めること」だと言っています。


4.好きこそものの上手なれ

スプツニ子!さんは「高いレベル」にいくためには、単に能力があるだけではダメで、その分野をものすごく好きじゃないと難しい。」と書いています。


5.観測されないものは、存在しないも同じ

「観測されないものは、存在しないも同じ」というのは量子力学の3値論理の考え方にあるそうですが、スプツニ子!さんはこれをあらゆる場面で実践しています。

作るだけじゃなく、Youtubeでも情報発信する。そうすることでチャンスを掴んでこられました。

・「つなげる力とディレクションする力があるから、絵が描けなくてもアートが創れる」

・巻き込んで、ディレクションする力があれば、絵を描けなくても、物を作れなくても、アートは作れる。

・創った作品を、次々とネット上で公開して、反応、フィードバックを取り入れていく行動力

・ネットメディアを縦横無尽に利用しつつ、トラディショナルなものを否定することなく、巻き込み、利用する手法が参考になる。

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向井千秋さんは毛利衛さんに次いで日本人二人目の宇宙飛行士、で日本人女性では初です。

毛利衛さんは、もともと化学者でしたが、向井千秋さんはもともと医学が専攻で、

最初から宇宙に携わっていたわけではありません。

この辺りの事情は、やはり宇宙飛行士の山崎直子さんから伺った

山崎直子さん「宇宙飛行士という人生〜宇宙に出るまで、帰って来てから」

に書いたあります。

さて、今日はどんなお話が伺えるのでしょうか?早速出たお話をまとめてみます。

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親の影響は大きい

好きなことをやっていると、食事も忘れて、没頭する

人生は1回きり、好きなことをやらないのはもったいない

宇宙開発、パイロットだけでなく、科学者も必要。地上でやっていることを宇宙でやるとどうなるか?

将来は今とつながっているけれど、どうなるか、わからない。ワクワクする

科学者はアーティストに通じる、やりたいことに夢中

「こうなったらいい」将来は想像から始まる。想像は無限、想像を実現していく

科学は、人間、社会に役に立つ目的だけでなく、遊びの要素もある。役に立つ、立たない、を決めるのはユーザー

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「不思議」が科学の原点

研究、好きだから、やりたいから、が大切

最も面白い論文は英語で書かれている

才能ある女性が、男ネットワークに知られていないから、採用されない

「上位」では認められない、かもしれないが、「1番」なら認められる

先人が土壌を築いてきたから今がある

ちょっと背伸びをすると、頑張るしかない

違うものを学び合い、同じものを慈しむ

違う視点が大切、既存分野で優れているよりも、新分野での視点がユニークが大切

科学には国境も垣根もない

語学は勉強ではなく、トレーニング

MITは世界中から人が集まるので8割はヘタな英語

いろいろな友達をもって、いろいろなことをやってみる

独創的かどうか、は周囲が決める

アートとは何か、わからないまま進むからアート

自分の殻を作らない。自分は何ができるか?

楽しんで好きなことをする


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山崎直子さん「宇宙飛行士という人生〜宇宙に出るまで、帰って来てから」




逆説的ですが、宇宙飛行士のキャリアは、宇宙から帰って来てからが、本番だったりします。

山崎さんも宇宙を経験した、元宇宙飛行士として、価値観の再定義を常に続けて、新たな価値を創造していく最中かと思います。

今後、この宇宙飛行士としての経験を活かして、どう活躍していくのか?楽しみです。


と書きました。

向井千秋さんも宇宙開発で培った国際経験を、現在は東京理科大学の副学長という立場で、

大学の国際化、女性の理科系大学への促進などの課題に取り組まれています。

結論めいたことは書きませんが、スプツニ子!さんの

・「つなげる力とディレクションする力があるから、絵が描けなくてもアートが創れる」

・巻き込んで、ディレクションする力があれば、絵を描けなくても、物を作れなくても、アートは作れる。

・創った作品を、次々とネット上で公開して、反応、フィードバックを取り入れていく行動力

・ネットメディアを縦横無尽に利用しつつ、トラディショナルなものを否定することなく、巻き込み、利用する手法が参考になる。

で締めくくります。





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