2016年12月

2016年12月30日

生命科学、バイオテクノロジー、この1年を振り返る

MOT(技術経営)、この1年を振り返る2016

を書きましたが、急速な進展をとげる、生命科学、バイオテクノロジーについても書いてみたいと思います。

「TAK」さんは、この分野は専門外なので、伺った情報をまとめてみます。

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細胞のなかで不要なものを分解する働きオートファジー(自食作用)とは?

に書いたように、

東京工業大学大隅良典栄誉教授がは「オートファジー(自食作用)の仕組みの発見」(for his discoveries of mechanisms for autophagy)でノーベル生理学・医学賞を受賞されました。


生命科学は大型・高速コンピューターにより、ゲノム解析が可能になってから、その進歩が著しく、

人工物のデザインを生命の進化から学ぶ



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進化論はダーウィンが『種の起源』(1859年)で、「生き物は変化していく」と書きました。

その変化は「生存競争」と「自然淘汰」の中で徐々に起こります。

さて、「生存競争」「自然淘汰」は「適者生存」と、しばしば混同されます。

「適者生存」とはイギリスの哲学者ハーバート・スペンサーが著書『社会進化論』のなかで使った言葉です。


ダーウィン進化論に生じる誤解


スペンサーの適者生存は先ほどの資本主義の話と同じで、梯子のてっぺんを目指していくための勝ち残り競争が前提となっています。

対してダーウィンが唱えた「自然淘汰」は、環境に適応しているか否かが生存と繁殖にかかわるということです。


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当初は、標本などの似た部位を分類することにより、進化の系図をつくっていましたが、最近ではDNA分析により、進化の系図を進めます。

すると、以前考えられていた進化とは、異なる進化であることがわかったりしています。


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生物多様性学の最前線


ダーウィンの進化論は150年前に提唱されたものですが、社会科学にも適用されるうちに、意味が変容、曲解されたり、あるいは、その後の研究で、当初はよくわからなかったことが明らかになってきたりしました。

当初の説では、自然の環境変化に対して、生物種は適応努力をするけれど、それは限定的で、結局は、自然の変化に対応できる生物種だけが淘汰されていく、という考え方でした。

生物種は環境変化に対する適応を、世代をまたいで数千年、数万年の時間をかけて行う、というものでしょうか。

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ところが、最近の研究では、同じ遺伝子のセットでも、環境が異なると、異なる生体発達をし、進化は数世代にわたり、数千、数万年かかるものだけでなく、一つの世代、個体で数週間、数年で行われるものもある、ことがわかってきました。

環境が変化すると、細やかな対応ができるのが生物の特徴です。

生物が環境にどのように働きかけるのか?相手がどのように対応するのか?

生物多様性の状態とは、生物と自然のフィードバックの状態を反映しています。

単純な生態系では、病害虫の発生により、大打撃がありますが、多様な生態系では、被害はある程度で食い止められるそうです。

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「菌類・微生物の「超」多様性をひも解き、地球の未来を考える」

医学上の大発見が、

抗生物質の発見

でしょうか。

ペニシリン、ストレプトマイシン、カナマイシンなどの抗生物質は、人類にとって強大な脅威だった感染症──コレラ、赤痢、破傷風、結核、食中毒など──に優れた効果を示しました。

この菌、微生物は、生態系にとっても重要な役割を果たしていることが、近年明らかになってきました。

陸上植物は真菌類と共生しています。菌、微生物が住む土壌の生態系は、未知の地下生態系と言われます。

それゆえ、土壌を劣化させた文明は、食料を生産できなくなり、崩壊します。

植物と真菌の関係は、真菌が植物に窒素、リンなどの肥料を提供し、植物が光合成により、糖を提供する、という関係です。

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さて、生態系の中で、多様な植物と真菌が複雑なネットワークを形成しているのですが、真菌の中に、「仲良しグループ」があり、さらには、「仲良しグループ」の中に、「まとめ役」がいるようなのです。

北海道、本州、沖縄の生態系では、そこにいる真菌類も異なるのですが、「まとめ役」の真菌類は、どこにでもいたりします。

また、「先住者効果」といって、先に入った菌が、後から入って来ようとする菌を阻む、こともあるそうです。


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地球と生命の謎 〜生命の起源はどこまでわかったのか?


「熱湯の中の微生物・ウイルスから探る生命の起源と進化」

20世紀後半、それまで「死の世界」と思われていた煮えたぎる熱湯の中にも微生物が生息していることが発見された。

これまでに日本をはじめ世界各地にある100℃近くまで達する温泉や、さらにそれ以上の温度になる深海の熱水噴出孔などから数多くの微生物が発見されている。

興味深いことにそれらの「(超)好熱菌」は生命の系統樹の根本に位置し、すなわち約40億年前の最初の生命はこのような高熱環境下で誕生した、と考えられている。

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こうした環境に生息する微生物の発見は、地球上の生命の起源への理解のみならず、地球外生命体の発見にも繋がるとして、非常に注目を浴びている。


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生命とは何かの普遍性に挑む、理論物理と構成的実験からのアプローチ


「普遍生物学:変化しやすさと安定性の状態論」

「生命とは何か」―量子力学の祖の一人、シュレーディンカーは、その著書で、情報を担う分子、DNAの性質を予言しました。

以降、生物内の個々の分子の性質は調べ挙けられてきました。

しかし、それら分子の集まった「生きている状態とは?」の答えには至っていません。

要素(分子や細胞)の間の関係に着目して、「多様な成分を維持し成長し、適応して進化する」生物の普遍法則を構成的実験と理論物理て゛解き明かそう としています。

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「人工細胞テハイスはイノヘーションをもたらすか?」

人工細胞関係の研究者の好奇心に基つく成果を伸はしつつ、その技術を社会実装するための取り組みとしてのフロクラムを行っている。

また始まったはかりたけと、そのきっかけになったエヒソートなとをかいつまんて紹介しなから基礎と実用は意外と近いことを話したい。

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生物物理学は、生命の根元を理解しようとする学問です。生命は物質に担われています。

物質科学の原理から、どのように生命現象が引き起こされるのでしょうか。

また、生命には特徴的な階層構造が見られます。

生命らしさが現れる最も小さい単位は、生体高分子です、生体高分子が自己組織化して超分子集合体が、さらにその有機的な集まりにより細胞が、 そして細胞の組織化により器官や個体が、出来上がります。

さらに、生態系が生命の階層構造の最上位に位置しています、生物物理学の目的は、これらの各階層における生命現象の物質科学的基礎を理解し、 その階層をつなぐ原理原則を見いだすことによって生命現象を解き明かすことです。

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生物学というと、従来、観察、実験が主体でした。

しかし、これだけでは限界があります。

それだけではなく、理論物理によるアプローチ、熱力学、統計力学の手法の適用も盛んです。


生命科学、バイオテクノロジーを駆使する農学の今後の展望


かつて農学は工学、理学、医学に比べて脇役だった感がありますが、生命科学、バイオテクノロジーを駆使し、医療、食料、環境など人々の生活全般を急速に進化させる学問に変貌しつつあります。

自然の摂理をより正しく理解し、人類により有効に活用できるように、自然と人間のインターフェースを務める学問と考えられます。

その、自然と人間のインターフェースの役割が当初は食料が中心だったのですが、その範囲が上記のように、医療、環境など急速に広がっています。

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食料の安定供給という、人類の長年の悲願は、20世紀後半に取りあえず達成されましたが、

その頃には人類の課題は、食料だけでなく、医療、環境など多様化していました。

その多様化した、人類の課題に、農学が中心に培ってきた、生命科学、バイオテクノロジーが極めて有効なことがわかってきました。


果てしなく進展を続ける生命科学


生命科学は以前は生物学と呼ばれていました。

理科の中では、生物学は物理学、化学に押されて、ちょっとマイナーな存在でした。

医学部に進学を予定する高校生でも、生物学よりも物理学、化学を選択することを進められていました。

「医学部に進むと必ず生物は学ぶことになる。

むしろ、物理学、化学を学んでおかないと、実験の原理、実験装置の仕組み、データの分析がわからなくて困る。」

などと言われたものです。

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さて、生物学は、その後、物理学、工学、統計学など、他分野学問が入り込んで大きく進展します。

生物学(バイオロジー)だけでなく、バイオテクノロジー、バイオケミストリーなども含んだ「生命科学」に進展し、理系の基礎学問ではなく、文系にも不可欠な学問分野になりました。

東大の理系では、以前は「生物学」は選択でしたが、現在、「生命科学」は必修で、文系学生にも受講者が多いようです。


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細胞のなかで不要なものを分解する働きオートファジー(自食作用)とは?


オートファジーは、細胞内におけるリサイクリング機能です。オートファジーとは、細胞のなかで不要なものを分解する働きのこと。

オートファジーが特徴的なのは、細胞のなかに大きな袋が現れて、袋のなかのタンパク質を丸ごと分解するという点です(近年は、特定のタンパク質を選んで分解するような「選択的オートファジー」も注目されています)。

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遭難して絶食しているときも、身体の中でタンパク質の合成が止まっているわけではない。つくっては壊し、その壊したものを使って、またつくる。このリサイクルの仕組みが生命を支えている

オートファジーの役目は「栄養源のリサイクル」、そして「細胞内を常にクリーンに保つ」ためのクオリティコントロール


果てしなく進展を続ける生命科学


●生物学的ゴミの除去メカニズムによる新しい疾患治療パラダイム

生体内では、細胞のガン化や細胞の死、変性したタンパク質の蓄積など、生体にとって、好ましくない、様々な異常が常に発生しています。

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生体にとっての、異物・不要物(バイオゴミ)は通常白血球などの細胞により速やかに除去され、組織の修復が誘導されることにより、生体の恒常性は維持されます。

このバイオゴミを除去する機構に障害があると、様々な異物が体内に蓄積し、正常な組織構築が崩れると共に、二次的な炎症や繊維化が惹起され、「異常」は「疾患」となります。





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2016年12月29日

MOT(技術経営)、この1年を振り返る2016

毎年、年末にMOT(技術経営)この1年を振り返っています。

時系列で振り返ることにより、技術の進展も見えてきます。

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2013年は、

MOT(技術経営)この1年を振り返る

(1)センサリング技術を活用して、意図しなかったビッグデータから、プロセス、結果を織り込んだデータへ

(2)デザインによりマネジメントを最小化

(3)サービスイノベーションの進展

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2014年は、

MOT(技術経営)この1年を振り返る2014

(1)デザイン思考、学んだことを活かして、ビジネスとするところまで含んだプログラムの創設ラッシュ

(2)センサリング技術を活用して、意図しなかったビッグデータから、プロセス、結果を織り込んだデータへ
   
   直感、勘、感覚など「計測できない」「ブラックボックス」とされていたモノを計測し、コントロール

(3)3Dプリンター技術により、IT技術だけでなく、「ものづくり」でもプロトタイプが容易に可能

   「絵に描いた餅」ではなく、実際の餅に

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2015年は、

MOT(技術経営)、この1年を振り返る2015

技術にマーケティング、ファイナンスなどのMBAを適用してビジネスにする

こと自体が、当然のこととなり、

技術を駆使して、金融サービスを生み出したり、見直したりするFintech(フィンテック、Financial technology)

なども急激に発達し、MOT(技術経営)という言葉自体が陳腐化し、既に死語になりつつある感がします。

進んだ項目としては、

(1)急激に進んだ人工知能の導入、人が判断するのではなく人工知能が代替

(2)見える化、可視化から仕組み、仕掛けを考えた行動誘導

(3)仮説構築から検証モデルから、大量高速トライアルによる検証

(4)ビジネスモデルの検討、学び、から社会実装へ

(5)ベンチャーの起業から、ベンチャーと大企業のコラボレーション

と書きました。

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2016年はというと、上記の通り、

技術を駆使して、ビジネスの適用すること自体、当然であり、MOT(技術経営)という言葉自体が陳腐化し、既に死語に

(1)急速に進んだ人工知能、センサリングによる自動計測、自動制御の活用の方向性が見えてきて、社会実装が急務

(2)「デザイン思考」から「デザイン」「仕掛け」

(3)ICT技術の進展による、大量高速検索、照合により、学問が演繹から帰納へシフト

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人工知能については、

東大TMI(技術戦略学)設立10周年記念講演会に行ってきました


人工知能、当初はパターンを認識する、多数試みて、失敗することにより、学習し、習熟する、というパターンであったが、

ディープ・ラーニングの登場により、データをもとに、どこに注目するか、自動的に学習し、その結果、エラー率が激減し、人間の精度を超えることになり、今後の進展が大いに期待されることになった


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大学のイノべーションとシンギュラリティ


人工知能については、当初は「パターン認識」を学ぶ機能で、この段階では人間には絶対に勝てなかった、のですが、

インターネットの時代になり、データベースも充実し、大量高速に検索、照合し、間違いを学習するようになると、人間を超える例が出るようになり、

人間の脳の思考回路を参考にした「ディープ・ラーニング」が適用されてから、人間を超えるのは時間の問題


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人工知能「東ロボくん」、東大合格を断念、に寄せて


コンピューターは、大量高速に検索、照合し、間違いを学習するが、「まるで意味がわかっていない」ことが示されました。

問題の俯瞰、ストーリー、意味づけが得意な人間と、大量高速に検索、照合することが得意なコンピューターのコラボレーションの道筋が見えてきました。


東大の人工知能「ワトソン」、10分で遺伝子解析…白血病患者を救う


「急性骨髄性白血病」の患者で、標準的な抗がん剤治療が合わないとみられた60歳代の女性の遺伝子情報を入力したところ、わずか10分で分析結果が示され、「二次性白血病」という特殊なタイプであることが分かった。医師の判断で女性は治療薬を変更し、数か月で回復、退院した。


この事例のように人工知能は既に実用化され、その有効性も示されているのですが、一方で、プロの将棋、囲碁の棋士との勝負など、社会への実用化は、これからの感があります。


センサリング技術の進展により、自動計測、自動制御が急速に進みましたが、社会への実装はこれから、という感があります。

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人間中心イノベーション教育で、大学はどう変わっていくのか?

人間中心イノベーションと技術革新のかかわり




デザイン思考よりも、人工知能、ブロック・チェーン、再生医療など、最先端の技術を導入することによって、

人々の生活は劇的に変化するのではないか。

この場合でも、もちろん、技術が中心ではなく、人間が中心であることに変わりはありません


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東京工業大学COIシンポジウム「『以心電心』ハピネス共創社会」




「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」よりも「研究成果を社会に活かす」ことに肩を持って書きました。

ただし、社会で顕在化しているニーズについて、生体情報やICTなど、大学が有する技術を適用することにより、人々がよりよく、幸せに生活できるのであれば、積極的に乗り出すべきです。


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人間中心イノベーションは、意図的に起こすよりも、結果として起きている


人々の生活を劇的に変えてしまったイノベーションとは、大々的で大がかりな技術革新の結果、というよりも、着実に進行しているデジタル化、ネットワーク化が生活の隅々まで進んだ結果、だったりします。

イノベーションは、意図的に、起こそうとして起きた、、よりも、結果として起きていた、ことが多いのではないでしょうか?


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デザイン、仕掛けを工夫すると、生活は変わる?


「デザイン思考」よりも、むしろ、「デザイン」「仕掛け」


欧米を中心に新たな価値、体験を生み出すためのデザインがより重要になってきています。

技術、イノベーション、ビジネス、コミュニケーションなど、いろいろな分野、あるいは分野融合を起こす方法として、デザインに対する期待は高まっています。

「デザイン」の定義が、製品、建築物の設計から、サービス、システムなど、ハードなモノ、だけでなく、仕組み、仕掛け、などにも適用されるようになってきました。

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「仕掛け」とは「デザイン」に似ています。

「仕掛け」も「デザイン」も人間が考え、設定しますが、一度「仕掛け」「デザイン」出来上がると、今度は人間が、その「仕掛け」「デザイン」に従って行動することになります。

問題に直接働きかけるのではなく、一見、別の方向に人々を誘導し、結果として、目的の問題を解決してしまう「仕掛け」。


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社会、時代の流れ、コンピューター、ICTの進歩と学問の手法の進化


20世紀後半のコンピューターの発達により、大量の計算が瞬時に行えるようになり、演繹的な「一般原理による個別問題の解法」が爆発的に進んだのですが、

インターネットの時代になり、データベースも充実し、大量高速に検索、照合し、間違いを学習するようになると、「一般原理による個別問題の解法」よりも、

大量の事例データを検索、照合し、法則・結論を導き出す帰納的手法に移ってきた感がします。




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2016年12月21日

デザイン、仕掛けを工夫すると、生活は変わる?

人間中心イノベーション教育で、大学はどう変わっていくのか?




イノベーション教育、デザイン思考も転換点に来ている感があります。


と書きましたが、「デザイン思考」よりも、むしろ、「デザイン」「仕掛け」について、あらためて考えてみます。

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「デザイン」とは、

期待学研究会「デザインで期待を超える」




欧米を中心に新たな価値、体験を生み出すためのデザインがより重要になってきています。

技術、イノベーション、ビジネス、コミュニケーションなど、いろいろな分野、あるいは分野融合を起こす方法として、デザインに対する期待は高まっています。

「デザイン」の定義が、製品、建築物の設計から、サービス、システムなど、ハードなモノ、だけでなく、仕組み、仕掛け、などにも適用されるようになってきました。

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・デザインとは、目的をもって、具体的に立案・設計すること

・使いやすい、わかりやすい、格好良い、が、いいデザイン 

・製品のデザインは、デスクワークではなく、現場に行かないとわからない

・製品、サービス、誰が使うか?どう使うか?が、まず大切

・デザイナーはアートだけ、エンジアリングだけ、でなく、両方の素養を持ち合わせていることが大切。

・技術は急激に進歩し、それを活用するのは望ましいが、必ずしもデザインは変える必要はない

「デザイン思考」は、サービス、システムなどを含めて、いろいろなところで活用されていますが、

ひるがえって、むしろ、製品、建築物など、ハードなモノ、にこそ、適用されるとよい、のではないでしょうか?

スペックとコストの製品、漸進的な外観の建築物、よりも、

ユーザーの立場から、人間中心の製品、建築物をデザインしてみると、いいかもしれません。


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Educe Cafe 仕掛学:遊び心を問題解決につなげよう


「仕掛け」とは「デザイン」に似ています。

「仕掛け」も「デザイン」も人間が考え、設定しますが、一度「仕掛け」「デザイン」出来上がると、今度は人間が、その「仕掛け」「デザイン」に従って行動することになります。

問題に直接働きかけるのではなく、一見、別の方向に人々を誘導し、結果として、目的の問題を解決してしまう「仕掛け」。

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JRのゴミ箱、中身が半透明で見える、ゴミの入れ口が、缶は丸、その他は長方形

当初は、地下鉄サリン事件を受けて、危険物の設置を防ぐことが目的だった。

自分の入れたゴミが他者からも見えるために、分別率が高まった

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チップマネー効果、コインが入っているとコインを、札が入っていると札を入れる。

他者の行動に従う、それに従わないには理由が必要、人は集団内で協調することで生き抜くことができる

ただ、事例から仕掛けの原理を見つけ出すことはできるが、仕掛けの原理から事例を生み出すのは難しいのがネック。


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行動科学の「ナッジ(突っつく)」を活用する


「ナッジ」とは、別に、割引など、経済的なインセンティブを提供するわけでもなく、

選択を強制する訳でもないのですが、人々の行動を、予測可能な形で、望む方向へ導こうとするものです。

実は、社会のいろいろなところで見られます。

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例えば、男性トイレ、便器の中央に排尿しないと、便器の周囲が汚れます。

このように、中央に虫の絵が描かれた便器があります。すると、言われたわけでもないのに、虫をめがけて排尿し、結果として、便器の周囲が汚れません。

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駅の階段、上り、下りの矢印を表示しているのですが、もっと効果が高いのが、足跡のマークだったりします。

サンドウィッチ屋さん、今日のおすすめ、当店のNo.1,2商品が表示してあります。

別に、必ずしもこれらの商品を買う必要はないのですが、ここから選ぶ人が多いのです。

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個数限定の商品販売。実は価格はセールス価格、割引価格ではありません。

ただ、お一人様2個限定販売、と表示されると、1個でよいのに、2個買ってしまう人が多いようです。

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もっと顕著、というよりも、露骨なのが、臓器提供ドナーの比率でしょうか?

スウェーデン、フランスなど、90%を超える国々がある一方、デンマーク、日本など10%に満たない国々があります。

これは国々の意識が異なる、というよりも、「反対の場合は、□にマークしてください」「賛同の場合は、□にマークしてください」

のように、意思表明の方法の違いによるものです。


人々の行動を変えるには、その人々の心を変えようとする前に、まず、デザイン、設定をし直すと、よさそうです。





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2016年12月19日

人間中心イノベーション教育で、大学はどう変わっていくのか?

人間中心イノベーションと技術革新のかかわり

を書きましたが、

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人間中心イノベーション方法論、大学が変わる、社会が変わる

EDGEプログラム

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イノベーション創出の活性化のため、大学等の研究開発成果を基にしたベンチャーの創業や、既存企業による新事業の創出を促進する人材の育成と関係者・関係機関によるイノベーション・エコシステムの形成を目的としています。13大学のプログラムが選定されました。

このプログラムに採択された各大学は、理工系が主体の大学が多いのですが、いろいろな学部、さらには自大学だけでなく、他大学、特に美大から参加メンバーを募集し、

さらには社会人、留学生も参加する形で、メンバーの多様性を図り、イノベーションを生み出す教育を行っています。

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イノベーション教育は、東工大の未知のポテンシャルが面白い

東京大学i.schoolにおける イノベーション教育 2.0

のように、参加している各大学から事例紹介がありました。

東京大学i.school、慶應SDM(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科)などは、早い時期から芸術系大学の学生を受け入れ、コラボをしてきて、実績も上がっています。

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東大iclubプロジェクトが同時並列的に進行中、どんなイノベーションが生まれるのか?


「イノベーションの学校」東京大学i.school関連の活動で、いつも感心するのが、

・活動が東大内で完結することなく、どこかで根を下ろした活動が始まる

・複数の団体とのコラボレーションが同時並行的に起きている

ことでしょうか?

学校では先生、専門家、経営者などから知識、経験を学んだり、参加者同士のグループワークにより、調査、話し合い、プランの作成、プレゼンテーションなどを行います。

それぞれが大変有意義なのですが、そのほとんどが「大変ためになった」と学校内で完結してしまいます。

ビジネスに活かすために参加している社会人学生も、決して例外ではなく、せっかくの学びが学校内で完結してしまっています。

スタンフォード大学ではグループワークで考え付いたビジネスプランを実行して、年商数億のビジネスになる、ということもあるようですが、日本ではあまり聞きません。

学校内で完結させずに、どこかで活動を行うためには、誰か、とのコラボが必要になります。

それも「足し算」ではなく、「掛け算」であることが大切です。


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「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」と「研究成果を社会に活かす」の違い


研究、学びを大学の中で完結させることなく、その成果を社会に適用し、実装し、さらには他へも水平展開を図る

「研究成果を社会に活かす」と似た言葉に、「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」があります。

「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」は既に、社会で顕在化しているニーズについて、研究する、学ぶ、こと

一方、「研究成果を社会に活かす」は、その研究成果について、社会で顕在化しているニーズは、特にはなく、研究者と社会の人々がコラボしつつ、その研究成果の活用について、探り、新たな可能性を見出していく、ことになります。

多くの人が顕在化していない、潜在的なニーズの開拓、は苦手なのですが、ここからイノベーションが生まれ、新たな価値、分野が展開していく可能性があります。


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人間中心イノベーションと技術革新のかかわり




デザイン思考は、日本に導入された当初は、

・多様な人々が集まると、当初の想定とは異なる、全く思いもかけない分野でイノベーションを生み出す

と大きな反響がありました。

ところが、このデザイン思考が普及するにつれ、思ったような成果が出ない、という声も聞こえるようになりました。

・いろいろな人が集まって、ワークショップで付箋を貼っても、イノベーションというよりも単なる改善

・人間中心がユーザー・ニーズのヒアリングに終わっていないか

初めて導入する際は、精鋭部隊が取り組みます。これまで、全く例もないことから、画期的な事例が出てきます。

ところが、普及し出すと、一般が取り組み、事例も増えるので、うまくいかない事例も出てきます。

デザイン思考と称しながら、その模造品、粗悪品が入ってきたり、推進者側が不慣れだったりすることもありそうです。


と書きました。

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教育という視点では、上記のように、

理工系が主体の大学が多いのですが、いろいろな学部、さらには自大学だけでなく、他大学、特に美大から参加メンバーを募集し、さらには社会人、留学生も参加する形で、メンバーの多様性を図り、イノベーションを生み出す教育を行っています。

ということで、これまでになかった教育手法がとられることになったのですが、いくつかの先行事例をのぞいて、社会に実装されて、いろいろなイノベーションを生み出す、というところまでは行っていない感もあります。

新しい教育の取り組みということで、一応の成果ということはできます。

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人間中心イノベーションと技術革新のかかわり




デザイン思考よりも、人工知能、ブロック・チェーン、再生医療など、最先端の技術を導入することによって、

人々の生活は劇的に変化するのではないか。

この場合でも、もちろん、技術が中心ではなく、人間が中心であることに変わりはありません


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東京工業大学COIシンポジウム「『以心電心』ハピネス共創社会」




「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」よりも「研究成果を社会に活かす」ことに肩を持って書きました。

ただし、社会で顕在化しているニーズについて、生体情報やICTなど、大学が有する技術を適用することにより、人々がよりよく、幸せに生活できるのであれば、積極的に乗り出すべきです。


と書きました。

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イノベーション教育、デザイン思考も転換点に来ている感があります。



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2016年12月12日

文章という表現、コミュニケーション手法について

演劇という表現、コミュニケーション手法について

を書いてから、

演劇とは、言語と身体を活用して、自らを表現し、それを観衆に伝える

のですが、

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身体を活用する以外にも、言語と図表、写真、動画を活用して、自らを表現し、それを他の人々に伝える

ことを日々行っています。これについても考えてみます。

この場合、想像力がポイントになります。

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同じ言語、表現でも、状況、全体のコンテキストにより、全く異なるものになる。

「自らの考え、想いを表現する」、「自らの考え、想いを表現により、他の人々に伝える」、「自らの考え、想いが表現により、他の人々に伝わる」

「表現する」「伝える」「伝わる」は、似ているけれど、大きく異なります。

特に、「伝える」と「伝わる」は大きく異なります。

一般に「伝わる」が最重要とされます。

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どんなに、表現しても、伝えようとしても、伝えたい相手に、正しく伝わらなかったら、意味がない。

ただし、「自らが表現したいこと」と「相手に伝わること」には、大きなギャップがあります。

相手に伝わるためには、自分が表現したいことを、少し変えてでも、相手に合わせることになります。

時には、相手にはうまく伝わらなくとも、自らが表現したいことをしっかり表現することが大切だったりします。

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文章は言語を使って表現するアートである




文章とは言語という媒体を使って、自分が表現したいことを表現するアート、ということができます。

文章を書く場合、絵画、写真のように、風景、人物、モノ、事象を、言語という媒体を使って、表現する場合があります。

この場合、風景、人物、モノ、事象を忠実に観察し、その結果を言語を使って表現することになります。

これはサイエンスの観察、観測に似ています。

写真の場合、同じ被写体であっても、写真家によって、全く異なる印象を受けるように、同じ風景、人物、モノ、事象の記述であっても、

筆者により、全く異なる記述になる場合が少なくありません。

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風景、人物、モノ、事象を記述するだけでなく、自分の考え、アイデアも言語という媒体を使って表現します。

上記のように、無から有を生む、というものよりも、既に自分が抱いている、持っているコアをベースに、

いくつかのものを組み合わせて、新しいアイデアにする。これは工学に似ています。

あるいは、既にあるものを改良する。これは農学に似ています。

文章は言語が主体ですが、言語だけでなく、写真、イラスト、動画、音楽なども使うことができます。

文章には、読者がいて、読者に理解してもらうことが前提の文章(広告、企画書、ポスターなど)、

自分のために記録する文章(ノート、日記など)があります。

文化、思想を表現する媒体が、言語ですから、外国語のように、異なる言語体系で表現される文化、思想も当然異なるものになります。

異なる言語体系で表現される文化、思想を翻訳することは、単なる言語の置き換えではなく、文化、思想の背景を踏まえることが必要になります。


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想像力なしに偉大なものは何一つ達成されない

に、


・想像力なしに偉大なものは何一つ達成されない

・21世紀は偉大な変革と達成の時代。そのためには、挑戦的な着想や、思考と想像における新たな方法に触れることが大切。そうすれば、想像力は解き放たれ、人類全体のためになる創造が可能になる


東京大学公開講座「想像力ー想像から創造へ、混沌と構造化」に参加しました




・想像力こそは諸能力の女王(詩人・批評家ボードレール)そして想像(イマジネーション)が創造(クリエーション)へつながる

・インスピレーション(触発):外界の刺激に触れることによって、表現のモティベーションが高まったり、新しいアイデアや作品が生まれる現象

・「他者の表現」との出会いからもたらされるインスピレーション(触発)は想像(イマジネーション)、創造(クリエーション)に大きな役割を果たす


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クリエイティブなライフスタイルとは?




よい創作物は私を泣きそうにさせる。それらは現実から目を背けさせるために存在しているかのように見せかけ、実際は現実を直視せざるを得ない状況に人を追い込む。現実は想像の上に、想像は現実の上に、存在する。

想像と現実はあざなえる縄のように一体になっている


豊かな表現力は想像の世界から


想像力が、すべての源泉になります。

上に書いたように、せっぱつまっている時に、想像力は働きません。

ちょっと、ゆとりがあって、遊び心が働く時に、想像力も働きます。

現実と想像の世界を行き来するうちに、想像は創造につながります。


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アーティストの表現と受け手の共感、想像


映像文化が普及してから、表現が豊かになった半面、言葉の表現がもたらす、想像は薄くなってしまった感がある。

記憶はアクセスされるたびに、書き換えられるが、人々の記憶の中で、どういう文化が形成されていくか?興味深い。


人々が行う表現としては、小説、随筆など言語による表現、映画、ドラマなど映像、演劇による表現、音楽、美術など、様々な表現法があります。

すべてにおいて、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの五感に訴えるものです。

近代から現代にかけて、映画からテレビ、インターネットの普及につれて、映像技術が急激に進展、普及し、必ずしも専門家でなくても一般市民でも写真、動画などの映像を発信できるようになりました。

映像による描写は、わかりやすいのですが、反面、これまで、言葉の表現が、受け手にもたらしていた想像を薄くしてしまった感もあります。

一方で、言語だけでは伝わりづらかったものを、映像によって、ぐっと伝わりやすくなり、受け手に新たな想像をもたらすこともあります。

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楽しい読書、から、ゾクゾクする、人生に食い込む読書へ


小説には映像、音声がない分、それぞれの読者が独自のイメージを描いて、手触り、触感がある世界を生み出すことができます。

太宰治の小説に、自分の人生を掛け合わせたり、谷崎潤一郎の倒錯のエロスの世界に入り込む人も少なくない、と思います。


と書きました。

谷崎潤一郎の「痴人の愛」、太宰治の「人間失格」などは、何度か映画化されましたが、小説の境地を見いだせることはなかった感があります。

谷崎潤一郎の「痴人の愛」では、それぞれの読者が抱く「ナオミ」のイメージと、実際に「ナオミ」を演じる女優が設定された段階で、違和感を感じてしまうことになったのでは、と思います。


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研究活動とは美しいアートである


最近は、研究成果の報告会はほとんどの場合、パワーポイントを使い、必要であれば動画も使います

この時のスライドの出来不出来が、その研究成果の理解、さらには研究自体への評価にもつながります

以前から、「プレゼンは研究活動の大事な一部分」と言われ、これには研究者間で賛否両論がありました

発表のパワーポイントを見ながら、

「研究は成果発表のプレゼンにアートの才能があると断然有利」

という印象を持ちました

ただ、もしかしたらこれって、極めて表層的な理解に過ぎなかったのではないか?と感じ始めました

「実は、研究活動それ自体がアートではないか?」

「だからこそ、美しいもの、聴衆に伝わるものがあるのであり、単にスライドがわかりやすいだけでないのではないか?」

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アートとは音楽、絵画、写真、彫刻などの媒体を使って、自分が表現したいことを表現するもの、でしょうか?

作品を作る時は自分の概念を具現化させて自分の世界を構築させようという出発点から始まる

無から有を生む、というものよりも、既に自分が抱いている、持っているコアをベースに未知のものを創造していく

作品が重視されがちだけれども、アーティストにとっては、作品以上に創造するプロセスが重要であったりする

研究も既存の研究成果(自分、他者を含めて)をベースに、ある特定の分野を掘り下げて、探究し、真理を発見したり、仮説を構築し、何らかの手法で検討したりして、未知のものを創造して、自分の世界を構築していく

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「TAK」さんが言いました

「研究とアートは類似点があり、既知から始めて未知の分野を開拓し、他者に理解されるよう表現する。作品に自信をもって、満足していなければ、自分の中の迷いが作品に残り、見る人、聞く人に伝わってしまう」

アーティストの方からの答えです

「う〜ん、ちょっと違います

アートの作品は発表した時点から、作者の手を離れ、見る人、聞く人にゆだねられます。

作者の考えとは関係なく、見る人、聞く人から、予想外の点が好評をいただいて、次の作品へとつながっていくことがあります

たぶん、研究者の中には、自分の研究領域に閉じこもって出てこなかったり、自分の高尚な研究成果など一般人は理解できない、という人がいるのでは?と思います

アーティストの中にも、自分のアート、作品は決して俗人が理解できるような簡単なものではない、という俗世間から離れた孤高の人たちがいます

言い方は悪く聞こえるかもしれないけれど、この人たちは「自分のアート、作品で自慰」しているのかもしれません。でも、ある意味でこれはその人にとってとても幸せは状態なんです」


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さらに、文章には、日常経験していることとは、相容れないことを表現することもあります。

大学のイノべーションとシンギュラリティ




ガリレオ、コペルニクスが提唱した地動説「地球が太陽の周りを回っている」を、理科教育の早い時期に習います。

「地球が太陽の周りを回っている」とは、日常経験していることとは、相容れないことです。

アインシュタインの一般相対性理論「大きな質量の周りでは時空がゆがむ」も、同様に、日常経験していることとは、相容れないことです。

地動説「地球が太陽の周りを回っている」一般相対性理論「大きな質量の周りでは時空がゆがむ」を、単なる「教わった知識」ではなく、自分で実感して納得するには、相当大変な作業が必要です。

さらには、身の回りをどれだけ、観察しても得られることは、正しい真理とは限らない、ということです。


文章による言語、図表、映像を利用した表現、コミュニケーションについて、いろいろ考えてみました。



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2016年12月09日

6大学卒業生(慶応・上智・東大・東工大・一橋・早稲田)合同クリスマスパーティー2016に参加しました

6大学卒業生(慶応・上智・東大・東工大・一橋・早稲田)合同クリスマスパーティー2016

という案内が来ました。

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数年前より上智大学同窓会と早稲田大学ファイナンス稲門会が士業・金融関係者を中心としたビジネス交流会を開催していました。

又上智大学同窓会は一橋大学同窓会如水会の若手メンバーとの交流を合同クリスマス会などを通じて開催していました。

その後上記3大学で交流会を開催し、順次東京工業大学、東京大学をご招待し前回は5大学で交流会を開催しました。

2013年2月 3大学ビジネス交流会

2014年3月 5大学交流会
 
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年1回の交流会だけでなく、カジュアルなイベントを通じての交流継続のご希望を多数頂いたことや、ゲストより次回は慶応大学同窓会三田会の方々にもご参加いただきたいというお声がけがあり、満を持して慶応・上智・東大・東工大・一橋・早大卒業生による交流会を開催する運びとなりました。


クリスマスパーティーのほか、3月、9月にも同様の会があり、その時に参加記は、

6大学(慶応・上智・東大・東工大・一橋・早稲田)合同卒業生交流会に参加しました

6大学卒業生(慶応・上智・東大・東工大・一橋・早稲田)合同クリスマスパーティー2015に参加しました

6大学卒業生(慶応・上智・東大・東工大・一橋・早稲田)合同クリスマスパーティー@東大に参加しました

上智大学、東京大学、東京工業大学、一橋大学、早稲田大学、「5大学合同交流会」に参加しました

大学合同交流会にも「二枚目の名刺」の流れ

6大学卒業生(慶応・上智・東大・東工大・一橋・早稲田)合同ビアガーデン交流会@如水会館に参加しました

に書いたとおりです。

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今回のクリスマスパーティーは、上記の6大学に必ずしも限定せずに、「参加したい」お友達がいれば、誘ってきましょう、という感じです。

それゆえ、上記大学以外の方の、たくさん参加されています。


また、

「この6大学(慶応・上智・東大・東工大・一橋・早稲田)の卒業生なのですが、連絡をいただいていません。」

という声を伺うのですが、この同窓会は大学当局が行っているものではなく、各大学の有志が行っているものです。

それゆえ、大学から連絡は来ません。

参加を希望するのであれば、このサイトのリンクから主催者のサイトにたどり着くとか、「TAK」さんの知り合いであれば次回以降連絡を転送します。


さて、今回の交流会は大人気で、参加者が多くて、ゆっくり写真撮影をしているヒマもなかったほどです。

それゆえ、掲載している写真は今回の交流会だけでなく、前回以前のものも含みます。

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この会には、女優およびキャスター、かつ参議院議員の石井苗子さん(上智大学および東京大学卒業生)が参加され、ご自身が中心に推進している

東日本大震災被災住民支援プロジェクト「きぼうときずな」

について熱く語ってくださいます。

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さて、各大学の卒業生交流会であれば、学部、年代を超えた交流ができますが、大学の枠の中だったりします

この交流会の楽しいところが、大学の枠を超えて、友達の輪が広がってゆく、ことでしょうか

「TAK」さんは東大を卒業、東大大学院を修了、社会人になってから東工大大学院を修了、ということで、大学の枠を超えて、ゆるやかにつなぐ役割ができそうです

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「みなさん、よく、こういう会をされるのですか?」

という質問をたくさん受けましたが、上に書いたとおり、年に3回程度です。

実際に会うのは年に1〜3回、ただ、日ごろの活動はソーシャル・メディアで何となく、知っている、という状況でしょうか。

ソーシャルメディアの時代と言われますが、それに加えて、この「年に1〜3回、実際に会う」のが大きかったりします。

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さて、このクリスマスパーティーは立食形式です。

初対面が多く、ちょっと雰囲気が堅かった参加者同士もすぐに打ち解け、会話が始まり、知り合いを通じて、新たなつながりができる、という楽しい雰囲気になりました。

さて、こういった交流会で、お話した方、全員とお友達になる訳ではありません

ただ、前回の交流会で、お知り合いになって、お友達づきあいを続けている方々もたくさんいます

この会は、大学、業界の枠を超えたつながりができるきっかけ、であることは間違いなさそうです



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2016年12月02日

「茶わんの湯」から“予測する科学”「人工知能の予測と予期〜予測する科学と予期する工学」

「茶わんの湯」から“予測する科学”を考える

という案内が来ました。

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・日常茶飯事目にするような、なんの変哲も無い身近なことがらに着目し、それを科学的に思考し批判する。

また、その身近なことがらを学問領域横断して異なる様々な視点から考察する。さらに、身近なことがらに付随する文化や歴史の説明も取り入れながら学習する。

これらの作業の楽しさ・醍醐味をこの連載を通じて伝える。


・新しい事象や法則の発見は科学への貢献のみならず、実社会問題の発見や解決と密接に関係しうることを具体的に学習する。

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物理学者の寺田寅彦の随筆「茶わんの湯」

とは、

ここに茶わんが一つあります。中には熱い湯がいっぱいはいっております。ただそれだけではなんのおもしろみもなく不思議もないようですが、よく気をつけて見ていると、だんだんにいろいろの微細なことが目につき、さまざまの疑問が起こって来るはずです。

ただ一ぱいのこの湯でも、自然の現象を観察し研究することの好きな人には、なかなかおもしろい見物です。

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これだけでも、考え出すと興味深いのですが、今日のテーマの「人工知能の予測と予期〜予測する科学と予期する工学」に入っていきます。


科学は予測、工学は発明。

未来は予測するものではなく、発明するもの。(アラン・ケイ)

ハードウェアは物理法則に支配されるが、ソフトウェアは人間の認知的能力との勝負。

情報処理は想像力の勝負、デザインが大切。

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予測:将来の出来事を前もって、推し計る。

予期:予め期待、覚悟する。

知能:情報が不足している状況で、適切に処理する能力。

情報が完全な時は、アルゴリズム。情報が不完全な時、人工知能。

解法がわからない問題の処理が人工知能、解決し、実用化されるとITと呼ばれる。画像認識など、今はIT技術とされるものも、以前は人工知能と呼ばれた。

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コンピューターは、以前は、自動制御、工作機械、ロボットなど、モノを対象としていたが、データマイニング、自動翻訳など、人とモノをつなぐ役目をし、さらには仮想現実など、人を対象とするようになった。

多くの技術は適用できる分野は限定されるが、AI、ITは、あらゆる分野に適用できるのが特徴。

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人工知能の歴史

1.物理記号:知能の本質は記号処理。(→言語化、記号化できない暗黙知は扱えない)

2.パターン認識(画像認識、ニューラル・ネットワーク、ディープ・ラーニングなど)

3.環境との相互作用

超多層の学習であるディープ・ラーニングは、コンピューターの高速化により可能になった。(以前のコンピューターではリアルタイムは不可能で、数年かかった)

以前の知能システムは、認識→推論→行動、の順番で行っていたが、今は、認識、推論、行動のそれぞれを、パラレルで行い、相互にフィードバックする。

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アリの社会のように、個体だけでなく、社会としての知能もほしい


人間の判断はトップダウン(予期主義)で、まず判断した後に、根拠となる事実を見つけていく。一方、人工知能はボトムアップ(入力主義)で、集めたデータから判断していく。両者の融合を図ると、面白い。

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人工知能の能力は急速、飛躍的に伸びています。

一方で、人間の能力も、コンピューター、インターネットと協創するようになってから、飛躍的に伸びています。

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人工知能が、人間の能力を超える、シンギュラリティーは、個人によって、大きな開きがありそうです。






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