2017年02月

2017年02月28日

大学院生になる人のための指南書

4月から大学院生になる人も多いかと思いますが、

向後千春先生の

院ゼミコラム

が大変参考になるので、紹介します。

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1. 自分のWebサイトを持つ

2. 2年間は優先順位を変える

3. ゼミに出ることは息継ぎのようなもの

4. 統計分析の腕を磨いておく

5. 自分のスキルを磨いておく

6. 研究会に参加したら何をするのか?

7. 研究にはあなたの世界観が現れてしまう

8. 研究のための学術書の読み方

9. 指導教員はあなたの研究を覚えていない

とありますが、

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このうち、

1. 自分のWebサイトを持つ

2. 2年間は優先順位を変える

6. 研究会に参加したら何をするのか?

7. 研究にはあなたの世界観が現れてしまう

について、「TAK」さんの考えを交えつつ、考えていきます。

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1. 自分のWebサイトを持つ


研究者サイトは,mixiやfacebookのようなソーシャルネットとは趣旨が違う.研究者としての自分の活動を記録し,研究成果を社会に公開することにより,研究者としての義務を果たすというのが,こうしたサイトの目的

研究者がブログを書いていれば,どのようなきっかけでこの研究を始めたのかということも書いてあるかもしれない.今,どんな研究アイデアを暖めているのかということも書いてあるかもしれない.


「TAK」さんも、

リーダーのためのキャリア・デザイン・カフェ コミュニケーション、コーチング、リーダーシップをベースにあなたとキャリア・デザインを考えるカフェ

創造とコミュニケーションの実践 産学官プロデューサー「TAKさん」の奮戦日記

の2つのサイトを持っていますが、自分の活動、考えを記録するサイトの重要性は言うまでもありません。

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2. 2年間は優先順位を変える


人は忙しい.職場でも,家庭でも,たくさんの役割と仕事が与えられている.そしてそれをこなさなければいけない.しかし,この2年間だけは,その優先順位を変えてみる.つまり,研究を第一の優先順位にしてみる.

研究を第一順位にするということは,単に,他の役割や仕事よりも研究を優先するということではない.常に研究のことを考えているということだ.職場にいても,家庭にいても,電車に乗っていても,出張に出ていても,常に研究のことを考えている


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社会人大学院、仕事と勉強・研究の両立は?




「仕事と勉強・研究って、どう両立させればいいですか?」

結論から言うと、仕事と勉強・研究の両立は不可能、ということです。

では、みんなどうしているのか?と言うと、すべてに全力投球するのではなく、ここ一番だけ全力投球し、あとは、そこそこで対応する、折り合いをつける、ということでしょうか?


と書きました。特に社会人大学院生の方は心していただきたいところです。

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6. 研究会に参加したら何をするのか?


研究会は,いまやっている自分の研究を進展させるために参加するものだ.勉強するためではない.そう考えると,目の前で発表されている研究が宝の山に見えてくる


研究もビジネスも、幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くのは、人のネットワーク


研究の幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くには、研究、勉強と並行的に人のネットワークを構築していくことが大切。

ひとりで研究するよりも、プロジェクトに参加して研究すると、テーマも広がり、人のネットワークも構築でき、キャリアの可能性も広がる。

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国際シンポジウム、ワークショップ、できる限り参加する。「聞き」に行くよりも、発表する。発表すると、覚えてもらえる。プレゼンは「読む」のでなく、「話す」。自分の魅力をアピールする。自然なリズムで話す。自信を持つこと。アイコンタクトが大切。

学会、シンポジウムで、ネットワークをつくるには、興味のある発表に質問する、懇親会にも参加する。

学会は最先端の研究を知るためだけでなく、人のネットワークをアップグレード、再確認するため

仕事を楽しむ、キャリアを柔軟にとらえる、情熱をもって、それをアピールする。のめり込んで仕事をするのに情熱がないと、つらい。

他の人々に話すと、自分の考えが整理でき、理解が進み、思いがけない切り口から、進展することがある。

自分の国以外の人の考え方に触れると、自分も変わっていく。人は交流し、シェアすることが大切。

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ポイントは、

研究もビジネスも、幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くのは、人のネットワーク


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7. 研究にはあなたの世界観が現れてしまう


研究するということは,あなた自身が問われるということにほかならない.研究というのは,誰かに頼まれてやるわけでもないし,ましてや,お金をもらうためにやる仕事でもない.ただ,自分がこのことを知りたい,そして,もしそれがわかったら,誰かの役に立つかも知れないということを動機づけとして行う行為だ.

だから,必然的に,研究には,あなた自身が世界についてどう考えているのかということが現れてきてしまう.

研究をやるということは自由意思でそれをやるということだ.だから,あなた自身が研究に現れる.それは隠しようのないことだ.

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研究を道具的に使うと,それは研究ではなくなる.「道具的に使う」ということは,研究を何か別の目的の手段とすることだ.たとえば,研究を名声を得るための手段としたり,地位を得るための手段としたりすることだ.

それと同じように,研究を修士号や博士号を獲得するための手段としたとたんに,あなたがやっていることは研究ではなくなる.「どのような研究にすれば,修士論文になりますか?」とあなたが質問した途端,それは研究ではなくなる


これについては、大切なことですが、まだそれほど考えていないので、「TAK」さん自身の考えを整理します。




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2017年02月20日

農学、食料生産技術から生命科学、バイオテクノロジーさらには社会、経済へ

東大農学国際専攻創立20周年記念シンポジウム 「グローバル社会の中で農学はどこへ向かうのか?」
という案内が来ました。

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農学は、人間生存の基礎をなす食料生産や生態系、さらに人間の生活と地域社会を支える生業を扱っており、社会の中での位置づけが重要である。

本シンポジウムでは、文理の多様な分野における知の協同により、将来社会における農学の創造性と有用性とを追究する。

とあります。

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太古の昔から食料の安定供給は人々の切なる願いでした。

この辺の事情は、

高度食料生産業への農業イノベーションは生産だけでなく、流通、消費も巻き込み多彩

「農業」は「高度食料生産業」に急速に移行中


弥生時代に大陸から稲作が導入されて以来、米作が日本の産業の基幹でした。

これにより、水田をつくり、定住が可能になり、毎年の収穫高の予測が可能になり、計画経済社会へ移行します。

ただ、この農業従事者を苦しめたのが、ひでり、大雨、冷夏などの異常気象です。

異常気象と言うと、地球温暖化の影響のように言われますが、実は大昔からあって、その頃の方がずっと深刻でした。

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コメの収穫が少ないと、当然、価格が上昇し、米騒動、打ち壊し、などの社会不安もありました。

江戸時代には、青木昆陽が琉球、長崎を経て伝わった甘藷(サツマイモ)の試作に成功して、飢饉にあえいでいた農民を救ったり、明治以降も、主に東北地方の稲の冷害対策として、陸羽132号、藤坂5号など、冷害に強い稲が開発されました。



医食農イノベーション、植物工場、機能性食材ビジネスなどの可能性


農業のこれまでの取り組みは、日照り、大雨、冷夏などの気象条件との戦いでした。

オランダは九州ほどの面積しかないのですが、アメリカに次ぐ農産物生産量を誇っています。

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気温、降水量、日照時間など自然条件に左右される、これまでの農業から、味がよく、生産量が高い条件を人工的に再現して制御することにより、安定的に、質が良い、農産物を、大量に収穫することができるようになります。

さて、「食」は生活の重要な基本でありながら、イノベーションは、ゆるやかにしか進んできませんでした。ただ、逆に今後大きな可能性がある、ということでもあります。

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人々は早い時期から「火」を使って、煮る、焼く、炊く、などの調理行為を行ってきました。

ただ、肉、魚、などの生鮮食料品を家庭で保存できるようになったのは、昭和30年代の冷蔵庫の普及からです。

それまでは、肉、魚、などを長期に保存するには、煮干し、鰹節など、乾燥させていました。

家庭で、冷蔵、解凍できるようになってから、生産、流通にも劇的な変化が起こっています。

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米、太古よりずっと耕作地が足りず、開拓、干拓などにより、耕作地を増やしてきたが、1970年代以降は、耕作、生産技術の進歩により、生産量が増加し、仮に全農家が米を作ると、膨大な生産過剰になり、価格が崩壊するので、減反(一方で、税金による所得補償)による価格維持、対海外では700%の関税による流入防止、など産業としては矛盾をはらんでいる

20世紀後半から食料は生産力が過剰、余っているのではない、生産調整。


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食料の安定供給という、人類の長年の悲願は、食料生産技術、防疫技術という農業技術の進歩、

及び、食料の冷凍保存技術、輸送技術の進歩により、20世紀後半に取りあえず達成されました。

しかし、これで問題解決、万々歳かと言うと、

・減反による生産調整、価格維持

・国内生産を守るための異常に高い関税(700%を超えるコメの関税)

・親から子への継承が原則のため、農業人口の減少(都市には農業に従事したい人が多いのだが)

・農協などによる流通の独占(生産者から消費者への流通手段が簡易、参入可能にならないか)

・ちょっとしたへこみ、形がよくない、などによる市場出荷段階での廃棄(3割くらい安ければ飛ぶように売れる)

・消費期限調整のための流通時の廃棄(スーパーでやるように安売りすれば飛ぶように売れる)

など、技術的問題よりも、制度、運用上の問題が露呈する状況となりました。

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生命科学、バイオテクノロジーを駆使する農学の今後の展望



人類の課題は、食料だけでなく、医療、環境など多様化していました。

その多様化した、人類の課題に、農学が中心に培ってきた、生命科学、バイオテクノロジーが極めて有効なことがわかってきました。

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かつて農学は工学、理学、医学に比べて脇役だった感がありますが、生命科学、バイオテクノロジーを駆使し、医療、食料、環境など人々の生活全般を急速に進化させる学問に変貌しつつあります。

自然の摂理をより正しく理解し、人類により有効に活用できるように、自然と人間のインターフェースを務める学問と考えられます。

その、自然と人間のインターフェースの役割が当初は食料が中心だったのですが、その範囲が上記のように、医療、環境など急速に広がっています。


と書きました。

このように、農学は生命科学、バイオテクノロジーを駆使し、医療、食料、環境など人々の生活全般を急速に進化させる学問に変貌しつつあるのですが、

上記のように、現在、農業が直面する問題を解決するには、生命科学、バイオテクノロジーなどの理工系学問だけでなく、

経済、社会学など、人文、社会系学問との連携が欠かせません。

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この辺の考え方は

「地球の想像力」地球レベルで考える時代に

経済、社会の持続可能性について


にも書いておいたので参照ください。





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2017年02月18日

シミュレーションによる展開とその限界、基本工学の大切さの再認識

東大工学部荒川忠一教授最終講義「流体力学、風車、アートの研究を振り返って」

という案内が来ました。

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荒川先生の出会いは、大学3年生の時、機械系学生だった「TAK」さんは、田古里哲夫先生の「流れ学」が必修だったのですが、当時講師に着任されたばかりの荒川先生が2度ほど代講に来てくださいました。

それゆえ、先生の最初の授業と最後の授業を受けることになりました。


季節柄、退職される先生の最終講義に、頻繁に参加していますが、最終講義は、その先生の研究の経歴に加えて、ご専攻の学問の流れもわかるので、通常の授業の100倍以上の密度が濃縮されていて、本当におすすめです。

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今日の最終講義から学んだことは、いろいろあるのですが、ポイントをまとめると、

(1)シミュレーションを独り歩きさせることなく、必ず実験で検証する

コンピューター・シミュレーション技術は果てしなく、素晴らしい展開をもたらすが、一方で、コンピューター自体の進歩の制約を受けることになってしまう

(2)教養課程で学ぶ、孤立した、無味乾燥な「質点の力学」が、数学、物理学と結びつき、材料、流体などの工学を解明する「連続体の力学」となると、俄然面白くなる。

(3)コンピューター工学、ウェブ工学など、最先端の「役に立つ」学問は、すぐに陳腐化し、ムダになってしまうことがあるが、

材料力学、流体力学、機会力学、熱力学などの基本工学は、裏切られることなく、必ず、結果として「役に立つ」


ということでしょうか。それぞれについて書いてみます。

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(1)コンピューター・シミュレーション技術について

さて、荒川先生のご専攻は流体力学、風力発電、メディア・アートと多岐に及ぶのですが、上記のように元々のご専攻は流体力学

流体力学は、コンピューター・シミュレーション技術と共に大きく進歩しました。

この辺の事情は、

シミュレーション科学とは?理工学の手法から生活を広げ、豊かにする手段に


「シミュレーション」の定義、コンピューターの発達に伴い、

物理、工学において、実験だけでは再現し切れない現象を、自然条件に即して忠実に再現する手段として使用されるようになった。


工学の自然科学化から社会科学化、そして人間科学へ




建築物、船などは、昔からありましたが、その設計、建造に、科学的知見が取り入れられるようになったのは、日本では明治以降、世界でもニュートン、ベルヌーイ、ライプニッツらの自然科学的知見が出てくる近代になってからで、それまでは大工、職人の経験、勘によるものでした。

産業革命以降、蒸気機関による鉄道、船、飛行機あるいは鉄、コンクリートによる建築物ができると、飛行機の空気による揚力、抵抗、船と波の相互作用、建築物の耐震、耐風など、これまでは考える必要のなかった、新しい自然と人工物の関係が生まれてきました。

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この、新しい自然と人工物の関係は、理学ではなく、主として、これら鉄道、船、飛行機、建築物、をつくった工学が担当することとなりました。

そこで、流体力学、材料力学などの学問が生まれました。

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鉄道、船、飛行機、建築物をつくる、工、技術に対して、新しい自然と人工物の関係の評価は、工、技術よりも、むしろ観察に近い自然科学的手法が取られます。

これは、自然科学の知見を取り入れて、モノ、技術を創りだす、という方向から、創り出したモノ、技術を自然科学的手法で評価する、という、一種のパラダイムシフトを生むことになります。

この自然科学から技術へ、技術を自然科学で評価、という両方向を使いつつ、技術は進歩していくことになります。


新しい飛行機、建築物などをつくる手段として、コンピューター・シミュレーションは大きな威力を発揮するのですが、

実験による検証を行うことが大切です。

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「知識は力なり」想像の展開と事実に基づく検証の組み合わせ


自由に思考、想像、創造を展開していくのは楽しいし、イノベーションを生むきっかっけだったりするのですが、大切なポイントごとに、事実との検証を行わないと、糸の切れた凧のように、自分勝手な理屈を展開しているに過ぎない、状態にもなりかねません


工学におけるコンピューターの役割については、

多分野の研究が生み出す、応用と相乗作用


工学の進歩は、コンピューターの進歩を取り入れて加速する。


工学研究は、人との出会いによる他分野、新技術、コンピューターの進歩の取り入れ


素晴らしい工学の研究者とお会いして、伺うことが、コンピューターの進歩の取り入れ(研究本体の解析の進化、に加えて、自動計測、データの可視化など研究周辺分野の充実)


ということです。

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多くの工学者はコンピューターの進歩についていくことが大変なのですが、最先端の工学者は、コンピューターの進歩の「遅さ」をもどかしく感じます。

「1万倍の大量高速なコンピューターがあれば、これができるのに」

コンピューターの進歩に頼るだけでなく、他の展開も持っているとよさそうです。


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(2)教養課程「質点の力学」から工学「連続体の力学」へ

学生時代の「記憶に残る授業」から自分の興味関心を分析する


工学専門課程進学決定時:「応用解析学」 学問による社会の開拓

工学部への進学が決まると、「応用解析学」を修習するのですが、教養課程での解析学が、厳密さを追求し、概念の世界での「純粋数学」であるのに対し、「応用解析学」では、数学の成果を実際に工学の世界への応用を学びます。

無味だったフーリエ級数、ラグランジュ関数、複素積分が、工学を切り拓く、有力なツールとして、俄然意味を持ちだしました。

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工学専門課程「流体工学」「伝熱工学」 学問による社会の解明

ナビエ・ストークスの定理、パイプの中の流体の流れ、熱の伝わり、など、実際の現象が方程式できれいに表現できることに神秘を感じました。

上記の裏返しですが、実際の現象が、数学、物理学を利用することにより、解明できることに感激しました。


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(3)最先端の「役に立つ」学問は、すぐに陳腐化し、ムダになってしまうことがあるが、基本工学は、裏切られることなく、必ず、結果として「役に立つ」

工部大学校と日本の工学形成


当時の工部大学校でも、学問理論重視か?実地経験重視か?で、だいぶ意見が分かれていたことが伺えます。

いつの時代も、すぐに役に立つ、という点で、学問理論よりも実地経験の方が望まれます。

一方で、新しい技術を生み出すには、学問理論をベースとした研究開発があり、それが実地に展開することが大切であることは、後の歴史が示す通りです。

結果的にみれば、工部大学校は帝国大学令により東京大学工芸学部(前年に理学部より分離)と合併、帝国大学工科大学となり、理論と実践を融合させることになり、日本の技術の原動力となりました。


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多分野の研究が生み出す、応用と相乗作用


「TAK」さんが学生だった1980年代、科学技術の計算には、大型計算機が利用され、工学部の学生はプログラム言語としてFORTRANが必修でした。今から考えれば、「過去の遺物」なのですが。


いつの時代も、コンピューターの最先端の「役に立つ」学問を重視し、基本となる、古典、教養的学問である、材料力学、流体力学、機会力学、熱力学などを軽視する傾向があります。

最先端の「役に立つ」学問を学ぶことは、もちろん大切なのですが、上記のプログラム言語FORTRANのように、陳腐化し、ムダになってしまうこともあります。

決して、裏切られることなく、必ず、結果として「役に立つ」基本となる、古典、教養的学問を学ぶことも大切です。

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先生のメディア・アートへの取り組みも書きたかったのですが、随分長くなりました。

これについては、

工学とメディアの融合から多様な展開が生まれる

を参照していただき、後日あらためて書くこととします。




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2017年02月14日

スマートフォーンの機種変更に寄せて

スマートフォーン、修理後2か月半で故障、有償で再修理、を考える

スマフォの不調、故障の原因は試供品マイクロSDカードだった?

に書いたスマートフォーンですが、5年前に購入したもので、2度ほど故障し、修理しました。

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1か月ほど前から、時たま、再起動するようになり、使えないわけではないのですが、非常に使い勝手が悪い状態でした。

考えられる原因は、アプリのバグ、バッテリーの消耗、部品の消耗によるスマフォ本体の寿命、

この1か月間に、アプリの更新は何回かあり、そのたびに、直ることを期待したのですが、改善されないまま。アプリのバグ、が原因ではないようです。

手許に新しいバッテリーがあれば、装着してみて、直るかどうか、確認するのですが、それができないのが、残念です。

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機種変更は、最新機種だと9〜10万円しますが、1世代前だと1〜2万円、5年前に購入したスマフォからの機種変更ならば、これで十分です。

3000円くらいの出費で、新しいバッテリーを買い、直らないリスクを避け、1世代前の1万円前後の機種に変更します。

スクリーンのサクサク感、バッテリーの消費が遅いこと、はグッと改善されたのですが、

驚いたことに、ダウンした機能がありました。

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一つは、コードと接続しない、「置く」だけで済む、ワイヤレスの「置くだけ充電」の機能がなくなっています。

電線、充電が不要なワイヤレス電送とは?

に書いた、電線、充電が不要なワイヤレス電送は、

鉄道に利用されれば、パンタグラフによる接触給電が不要で、鉄道、特に新幹線の高速化が図れる、

電気自動車に利用されれば、走行しながらの充電が可能になり、サービスエリアなどでの充電が不要

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など、利用価値は大きいのですが、スマフォの充電では、それほど大きな価値は感じられず、コスト削減のため、廃止、となったようです。

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もう一つは、温湿度チェッカー、スマフォに温度、湿度のセンサーが付いていて、特に冬の時期の乾燥のチェックができたのですが、

この機能もコスト削減のため、廃止、となったようです。

5年前は、スマフォの成長期で、どの機能がユーザーに受けるのか、パイロットテストとしてあった機能が、成熟期を迎え、廃止の運命を迎えたようです。

さて、この5年前のスマフォは回収されることなく、手許にあります。スマフォとしての役目は終えましたが、カメラ、温湿度計として、まだまだ使います。

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スマートフォーン、修理後2か月半で故障、有償で再修理、を考える



ユーザー視点でモノ・サービスを再構築するユーザー・イノベーションとは

産業の新たなイノベーションの方法・成長力の構造は何か




・もともとメーカーは製品をユーザーに売った後は、アフターサービスは手がかかるので、やりたくなかった。壊れたらば、新しい製品を買ってもらいたかった。

・メーカーは製品をユーザーに売った後は、アフターサービスは手がかかるので、やりたくない、壊れたらば、新しい製品を買ってもらう、方式が、楽で、慣れていて、この方式からなかなか抜け出せない。


と書きましたが、近年の家電製品の品質、性能の向上、価格の低下により、「壊れたならば、修理ではなく、新しい製品を買う」を消費者が合理的に選択してきました。


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ところが、ひとつだけ例外が出てきました。

ガラケーからスマートフォーンへの変化です。

ガラケーはせいぜい1〜2万円くらい、壊れることも、それほどなく、2〜3年に1回程度の割合で、機種変更というのが、一般的な対応だったでしょうか

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ところが、スマートフォーンになって、状況が一変しました。

価格は一挙に急上昇し、8〜10万円もするようになりました。

新機種が出るのを心待ちにして、予約購入する人たちもいますが、多くの人にとっては、2,3年前の機能、性能でも十分で、10万円近い金額を支払って、買い替えるよりも、壊れたならば修理、になりました。

さらにスマートフォーンは小さなスペースに多くの機能を詰め込むので、テレビ、エアコン、冷蔵庫などの家電製品に比べ、耐用年数が短く、2〜3年で故障が起きるようになりました。

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そのため、au、NTTドコモ、ソフトバンク、などの携帯電話会社は、製品の売り切り、だけでなく、本来、苦手な、壊れた製品の修理、をせざるを得なくなりました。

これは、メーカーもユーザーも慣れていないことで、ルールもしっかり確立しておらず、トラブル続出状態ではないか、と考えます。


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スマフォの不調、故障の原因は試供品マイクロSDカードだった?




日本のメーカーは、高品質、すなわち、標準品であっても、相当の品質は担保されていることが魅力、ウリでした。

日本のメーカーが海外メーカーとの低価格競争にさらされ、東芝、シャープなど、かつては好業績だったメーカーが苦境に陥っています。

ここで、ウリであった、「標準品であっても、相当の品質は担保されている」を手放してしなうと、すべてを失ってしまいます。


ところで、今回は機種変更ができましたが、それすら、難しいことがほとんどです。

ドコモショップに立ち寄ると、待ち時間が1〜2時間ということが頻繁です。これでは、ちょっと相談しよう、という気にすらなりません。

そのために、簡単なことはその場で応えられるよう、受付係員を置いているようですが。

ドコモショップの待ち時間には、ショップごとに大きな違いがあります。早稲田、本郷など、住宅地があるショップの休日の待ち時間は2時間以上で、あきらめざるを得ないことがほとんどです。

大手町、虎ノ門など、オフィス街は昼休み時間帯以外は、比較的すいているのですが、日曜に閉店だったりします。

ショップごとの待ち時間の一覧表示があると便利なので、実現してほしいところです。

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手続き中に、おじいさんの来店があり、係員に「LINEの設定がうまくいかないのだけど」と相談すると、

「LINEの設定はドコモショップでは対応しません」との回答。

それはそうかもしれないけれど、このおじいさんは孫とLINEで連絡を取るために、スマフォを買ったのでしょう。

高齢者のスマフォ、パソコン設定サポートのニーズの高さ、それにつけ入る悪徳商法のおそれ、を感じました。


スマフォの機種変更から、いろいろ考えてみました。







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2017年02月13日

数学は閉じこもることなく、他分野と結びつくことにより、世界を変える

「数学パワーが世界を変える」シンポジウム

という案内が来ました。

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配布資料のなく、「TAK」さんは数学の専門家でもないので、個々のテーマの紹介よりも、全体を俯瞰します。

数学の発展は凄まじいのですが、そのパワーは数学の世界に閉じていては発揮されないでしょう。

経済、社会、工学、医学、生命科学と結びついてこそ、数学のパワーは果てしなく発揮される、という感想を得ました。

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数学は理性の音楽、数楽しましょう




19世紀まで数学と物理に明確に区別はなかった。当時の数学は紙と鉛筆でする学問。20世紀初め、非線形問題などについて、ポアンカレですら、人力による定量的追求を放棄し、数学は定性的、理論的な研究が指向される。

大学入学後に出会う、εとδの数学は、20世紀初め、人力による定量的追求を放棄し、数学は定性的、理論的な研究が指向した結果なのかもしれません。


と書きました。この時期の、「数学が定量的追求を放棄し、定性的、理論的な研究が指向した結果」、純粋数学だけ現実世界から遊離している感につながったのかもしれません。

もちろん、コンピューターの発達に伴い、理工系分野だけでなく、経済、金融など、生活全般に数学が大活躍しています。

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数学は理性の音楽、数楽しましょう


20世紀後半、コンピューターの発達により、定量的追求だけでなく、これまで見えなかった時空間が可視化され、人々が容易にイメージできるようになり、応用する道具としての数学だけでなく、研究対象としての数学も急速に進むことになった。


コンピュータと「巨大頭脳」


産業革命以降、蒸気機関による鉄道、船、あるいは飛行機が発明、開発されていくのですが、人間が計算を行う限界をはるかに超えるようになりました。

1940〜50年代にリレー式、真空管式など大型コンピューターが出現し、人が行っていた大量の計算を瞬時で行うようになりました。

これまで、大勢の人が数か月かかっていた複雑な計算を瞬時に行ってしまうこと自体、当時劇的だったのですが、コンピューターは情報を処理し、計算し、結論を出し、選択することができるのだから、自ら考えることができる、という考えが出てきて、1956年には人工知能という言葉が生まれます。

最近、話題の人工知能ですが、生まれは1956年とかなり古いものです。


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越境ではなく、在来して活躍している数学


IT、バイオなど、科学技術(実は「科学」と「技術」は大いに異なるのですが)が急速に進展する現在、物理学、化学は単に学問としてだけではなく、その成果が社会の発展に大きく貢献している

一方、数学は科学技術の進展とは、薄く、細いつながりはあるものの、独自の「閉ざされた」学問体系の中で、完全に社会から隔絶され、趣味が高じたおタク研究者がタコつぼ研究室に閉じこもり、

紙とペンとコンピューターを駆使し、おおよそ、社会には意味のない趣味研究に明け暮れている、というイメージがある

実際には、数学は、決して閉ざされた学問体系ではなく、大いに他分野に越境し、社会の諸問題の解決に貢献している

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その数学は現場を超え、現場を動かす

に書きましたが、

例えば、年によって、ワインの味わい、質は大きく異なります。これは、ソムリエ、テイスターたちの領域とされてきました

ワインの味わい、質に影響をもたらすのは、気温、降水量など、ぶどう栽培、収穫時の気象条件でしょう

毎年の気温、降水量などの気象条件のデータと、その年のワインの味わい、質を分析すると、ある相関関係がでてきます

すると、気象データを分析することにより、まだソムリエがテイスティングすらしていないワインの質の予測が可能になります

現場の感覚だけでなく、データを記録、管理し、分析することにより、正確な予測が可能になります

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「現場に足を運べ」「現場を見ろ」と言われます。これは、とても大切なことです。でも、それだけでは不十分です

データを計測可能にし、記録し、分析することにより、現場にいる人が気づいていなかったことが発見できたり、予測できたりします


これまでは専門家が経験と勘でやっていたことを、データを取り、モデル化、数値化をし、再現します。

すると、専門家の経験と勘を、専門家以外の一般にもできるようにするだけでなく、専門家自身が気づかなかった本質的な重要因子が見えてくることがあります。


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天才和算数学者「関 孝和」はライプニッツと肩を並べていた?


数学には、日常生活における計算を扱う、極めて実務的な面と、その手法、考えを抽象化することにより、汎用性をもたせ、物理学など多くの学問を進展させる、抽象的な面があります。

実際には、相互に行き来することにより、数学と工学、経済学などが共に発展してきた、ということでしょうか

前者は日常生活に必要とされますが、後者については、実務上のニーズ、および時間、金、才能を十分に持つ人材がいないと、進歩しません

ヨーロッパでは大航海時代、航海に不可欠な天体の軌道観測により、数学が大きく進展しています


今後、数学が他分野と結びついて、どのように世界を変えていくのか、楽しみです。



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工学研究は、人との出会いによる他分野、新技術、コンピューターの進歩の取り入れ

大学は今年度退職なさる先生方の最終講義の季節です。

最終講義は、その先生方の研究の集大成であるばかりでなく、研究を主体とした生活の一部始終から、その先生、研究分野の生きざまが見えてきて、大変有意義なので、可能な限り、参加させていただきます。

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東大社会基盤学専攻小池俊夫先生「幸運な研究者」

に参加します。

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先生の研究は、「水災害の犠牲者を一人でも多く減らす」という目標にむけて、河川、積雪の観測から始められた水資源に関するご研究を発展させ、地球規模の水循環変動観測の推進に多大な貢献をされました。

先生が始められた頃の、河川、積雪の研究は、いくつかの地点のフィールド調査、定点観測が中心でした。

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しかし、広域、定量的かつ、中長期的な観測、予測を行うには、急速に発達してきた、航空機、衛星による観測が不可欠になりました。

河川、積雪の研究と航空機、衛星の研究は、全く分野違いで、通常はコラボする機会がありません。

逆に言えば、この全く分野違いの、航空機、衛星の研究者を巻き込むことができたことが先生の研究を大きく飛躍させることになりました。

衛星により、大量の観測データが得られますが、そのデータを解析するには、最先端の大型計算機、プログラムが不可欠です。

先生の研究は、学問としての進化だけでなく、水循環の高度予測により、渇水、洪水の予測による被害軽減など社会にも大きく貢献してきました。

周囲の人々との立ち位置を考えつつ、実質をしっかり支えることが、良好な信頼関係構築につながり、それがさらに大きなスパイラルを生みます。

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素晴らしい工学の研究者とお会いして、伺うことが、

(1)人との出会いによる他分野、新技術の進歩の取り入れ

(2)コンピューターの進歩の取り入れ(研究本体の解析の進化、に加えて、自動計測、データの可視化など研究周辺分野の充実)

でしょうか。

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研究もビジネスも、幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くのは、人のネットワーク


研究の幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くには、研究、勉強と並行的に人のネットワークを構築していくことが大切。

ひとりで研究するよりも、プロジェクトに参加して研究すると、テーマも広がり、人のネットワークも構築でき、キャリアの可能性も広がる。

国際シンポジウム、ワークショップ、できる限り参加する。「聞き」に行くよりも、発表する。発表すると、覚えてもらえる。プレゼンは「読む」のでなく、「話す」。自分の魅力をアピールする。自然なリズムで話す。自信を持つこと。アイコンタクトが大切。

学会、シンポジウムで、ネットワークをつくるには、興味のある発表に質問する、懇親会にも参加する。

学会は最先端の研究を知るためだけでなく、人のネットワークをアップグレード、再確認するため

仕事を楽しむ、キャリアを柔軟にとらえる、情熱をもって、それをアピールする。のめり込んで仕事をするのに情熱がないと、つらい。

他の人々に話すと、自分の考えが整理でき、理解が進み、思いがけない切り口から、進展することがある。

自分の国以外の人の考え方に触れると、自分も変わっていく。人は交流し、シェアすることが大切。


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工学の自然科学化から社会科学化、そして人間科学へ


産業革命以降、蒸気機関による鉄道、船、飛行機あるいは鉄、コンクリートによる建築物ができると、飛行機の空気による揚力、抵抗、船と波の相互作用、建築物の耐震、耐風など、これまでは考える必要のなかった、新しい自然と人工物の関係が生まれてきました。


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数学は理性の音楽、数楽しましょう


19世紀まで数学と物理に明確に区別はなかった。当時の数学は紙と鉛筆でする学問。20世紀初め、非線形問題などについて、ポアンカレですら、人力による定量的追求を放棄し、数学は定性的、理論的な研究が指向される。


産業革命以降、取り扱う問題が、膨大、複雑になり、まだコンピューターがない当時の、紙と鉛筆では対応しきれなくなり、定量的追求を放棄し、上記のように、数学は定性的、理論的な研究が指向されるようになります。

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数学は理性の音楽、数楽しましょう


20世紀後半、コンピューターの発達により、定量的追求だけでなく、これまで見えなかった時空間が可視化され、人々が容易にイメージできるようになり、応用する道具としての数学だけでなく、研究対象としての数学も急速に進むことになった。


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コンピュータと「巨大頭脳」


産業革命以降、蒸気機関による鉄道、船、あるいは飛行機が発明、開発されていくのですが、人間が計算を行う限界をはるかに超えるようになりました。

1940〜50年代にリレー式、真空管式など大型コンピューターが出現し、人が行っていた大量の計算を瞬時で行うようになりました。

これまで、大勢の人が数か月かかっていた複雑な計算を瞬時に行ってしまうこと自体、当時劇的だったのですが、コンピューターは情報を処理し、計算し、結論を出し、選択することができるのだから、自ら考えることができる、という考えが出てきて、1956年には人工知能という言葉が生まれます。

最近、話題の人工知能ですが、生まれは1956年とかなり古いものです。


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多分野の研究が生み出す、応用と相乗作用


「TAK」さんが学生だった1980年代、科学技術の計算には、大型計算機が利用され、工学部の学生はプログラム言語としてFORTRANが必修でした。今から考えれば、「過去の遺物」なのですが。

パソコンは工学部には普及を始めていましたが、インターネットはまだなく、また、パソコンもメーカーが違うと、例えば、NECのパソコンのデータは富士通のパソコンでは使えない、つまり互換性がない、という、今では信じられない時代でした。

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実験データを手入力して、グラフ化するなどの作業をパソコンで行っていました。

機械、建築系の学生は「製図」が必修でしたが、CADがようやく始まった段階で、なんと鉛筆、あるいは烏口と呼ばれる道具を使って墨で描く、作業でした。

つまり、構造、耐震、流体などの個別の計算を大型計算機で行い、この結果を手作業で「製図」に落とし込む、

という、極めて非効率な作業を、当たり前のように、行っていました。

一連の作業はやがて、パソコンにより、自動化、システム化する設計に急速に変貌します。







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2017年02月10日

宇宙旅行から宇宙開発、宇宙コミュニティーへ

宇宙旅行シンポジウム

という案内が来ました。

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最近、宇宙がホットです。

地球と生命の謎 〜生命の起源はどこまでわかったのか?

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「系外惑星 ― 宇宙における生命」

「この銀河系に、太陽系に、誰か他にいるのか?」それは多くの人が抱く疑問かもしれない。

1995年に「ホット・ジュピター」と呼ばれる、思いもよらない姿の系外惑星が発見された。

その後、堰を切ったかのように、太陽系の木星に対応する巨大ガス惑星が次々と発見されていった。

2010年頃から、地球と同じような惑星かもしれない「スーパー・アース」や「アース」、表面に海を持ち得る軌道半径にあるスーパー・アースやアースも発見されるようになった。

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この銀河系には生命を宿す惑星が無数に存在するのかもしれない。

もちろん、地球外知的生命とか地球外文明の議論までには至っていないが、地球外生命の存在や、それを天文観測でどのように確認するのかに関しての議論も活発になってきた。


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宇宙の起源、生命の起源、とは?起源への問い


宇宙の起源について考えます。

夜空の無数の星は、太古の昔から多くの人が見てきました。

その中から、水星、金星、火星、木星、土星の5つの星だけ、他の星と動きが異なることを見つけたことは凄い、と思います。

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肉眼で見るしかなかった星などの天体ですが、400年前のガリレオ・ガリレイが望遠鏡を発明し、本格的な宇宙、天体の観測が始まります。

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さらに、300年後、1917年のアインシュタインによる一般相対性理論により、宇宙、天体の理論的検討が可能になりました。

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1929年にはハッブル天文台により、これまで「無限で不変」と考えられていた宇宙が膨張していることが発見されました。

これにより、宇宙の起源「ビッグバン」が検討されるようになります。

科学により、自然法則が解明され、真理が明らかになっていくはずが、「ダーク・マター」「反物質」など、未知のことがどんどん出てきます。

さらに、よくわからないのが、宇宙の起源「ビッグバン」が138億年前にあったとするならば、では、それより前はどうだったのか?

などなど

地球誕生 いつ


ソビエト連邦の、ガガーリン飛行士による、有人地球周回「地球は青かった」、アメリカのアポロ計画による月への人類到着、

など、宇宙への探査は進んだのですが、一方で、その実用性、有効性が疑問視され、停滞した時期もありました。

ただ、他の技術の進歩に伴い、通信衛星、気象衛星などの実用的価値は誰もが認めるものになりました。

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さて、今回のシンポジウムでは、宇宙飛行士で現在、京都大学教授の土井隆雄さんから、「有人宇宙学の創出」 という基調講演があります。

宇宙飛行士の方のお話は、これまでも何度か伺い、

スプツニ子!さん×向井千秋さん、サイエンス、アート、キャリアで考える未来のかたち 

山崎直子さん「宇宙飛行士という人生〜宇宙に出るまで、帰って来てから」

宇宙と真空とデザインと

等に書いてきましたので、ご参照ください。

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これまでの宇宙飛行士の方々は、国際宇宙ステーションのプロジェクトへの参画という形でした。

国際宇宙ステーションについては、上記URLに、


さて、「宇宙」とはどこでしょうか?

上空100kmより上を「宇宙」と言い、、国際宇宙ステーションは400kmの位置にあります。

気象衛星ひまわりは30000kmとずっと上で、地球に最も近い天体である月は360000km離れています。

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宇宙開発は、ソ連(今のロシア)、アメリカを中心に進んできました。

人類で初めて地球を衛星で周回したソ連のガガーリン、アメリカのアポロ計画など

宇宙飛行士になるには、アメリカかソ連に生まれるしかありませんでした。

1984年に、アメリカのレーガン大統領が国際宇宙ステーション計画を発表し、日本も参加することになりました。 

11年間訓練の準備をして、シャトル打ち上げから8分30秒で、国際宇宙ステーションに着き、15日でミッションを終えます。

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・宇宙飛行士としての心理的特性(協調性、適応性、情緒安定性、意志力)いろんな人がいる方がチームとして強い

・あらゆるの事態を想定して、すべてのことを訓練するのではなく、基礎をしっかり学んで、その後は、その場に応じて応用する 

・「もしもの時」にそなえる訓練、使うことはまずないが、しっかり準備していく。実際には想定外のことが起こる。もしもの訓練をしておくと、応用が利く。

・1999年から11年間準備して、マッハ25のスピードで、8分30秒で国際ステーションに着き、15日でミッションが終わった。 

・状況は相手との関係性により、相対的に決まる。

・見慣れている風景でも、向きが変わると、わからない。逆に言うと、いつも同じ風景を見慣れている。

・1日に16回の日の出を見る。


と書いたとおりです。

国際宇宙ステーションを中心とした、国際協力あるいは国主導の大型プロジェクトが、宇宙開発には欠かせませんが、

それだけでなく、

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超小型衛星の利用拡大、民生用部品の利用

に書いた、もっと小さな予算で対応できる民間主導の超小型衛星の利用拡大により、


メインフレーム・コンピューターから、低コストのパーソナル・コンピューターに変換し、ネットワーク化していくのと同様です。

このように一つの衛星をシンプル化して「ほどほどがよい」機能にしながら、多様な組み合わせも可能になってきたことで、柔軟な活用が可能となります。

携帯データと衛星観測による地理情報や気象情報、衛星通信と地上波通信を組み合わせるなど、その利活用のアイディア次第で、防災やスマートシティの実現に必要な様々な価値を創造して行ける可能性を秘めています。


と書いたように、利用分野が拡大すると、思いがけない、新たな分野が生まれてきそうです。

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宇宙飛行士を、宇宙に送り出す時代から、宇宙にコミュニティーをつくって、地上と連携しつつ、宇宙開発を進める時代へ、変わりつつあるのかもしれません。

そんな予感がしたシンポジウムでした。







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2017年02月07日

パソコン、ネットで拡張する脳の機能、人工知能時代に備えて

中学入試、「学歴」で分断される日本社会

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近い将来は、大学入試の一部は、タブレット端末を持ち込んで、インターネットに接続し、友達、先生に連絡を取りながら、解答、作成などになるかもしれません。


と書きました。

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これについて考えてみます。

今の「TAK」さんもそうなのですが、文章、資料作成など、ほとんどの知的作業はパソコンをネットに接続して行います。

大学、大学院では、授業にタブレット端末を持ち込む学生も多く、研究活動はやはり、パソコンをネットに接続して行います。

つまり、大学での教育、研究を行う能力を持っているかを見るには、「パソコンをネットに接続して行う」のが適しており、これらを切断しての、ペーパー試験では十分にはわかりません。

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パソコン、ネットが普及する前の、「紙」の時代には、頭が記憶していることが、大切でした。

「これ、書いたことがあるな」と思って、引き出しを調べたり、「これ、確か、どこかで読んだことがあるな」と思って、本棚を調べても、多くの場合は、その資料、本を見つけることができず、「どこかで見たんだけれど」と忘却の彼方に忘れ去られました。

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ところが、今では、「これは、書いて、このディスクに入れてある」ならば、検索すれば、すぐに出てくるし、「これ、ウェブで見たことがある」ならば、Googleで検索すれば、やはり、すぐに見つかります。

つまり、脳の機能が、パソコンのディスク、ネットと「結びついて」いるかのような働きにすら、思えます。

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現代の仕事は、ビジネス、研究に限らず、多くのものが、コラボで行います。

すると、「この人に聞けばいい」という相談できる友達、先生がいることは、その人の大きな知的財産です。

「ひとりぼっち」でネット、と、多様な人々がコラボでネットでは、得られる成果が格段に違いそうです。

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大学で何を学ぶのか?




「TAK」さんの価値観では、大学生活で大切なことは、「勉学・研究」「友達作り」「恋愛」でしょうか?

このうち、先生が教えてくれるのは、「勉学・研究」だけ。

他の大切な、「友達作り」「恋愛」は、自分で方法を探さなければなりません。

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大学では勉学が第一ですが、振り返ってみると、勉学よりもサークル活動などの課外活動、友達、恋愛などが記憶に残っています。

「TAK」さんも含めて、多くの社会人が、勉学については、社会に出てから、ニーズを明確にしたうえで、大学院に再入学して、勉強し直す人が増えています。

もちろん、「友達作り」「恋愛」だって、社会人になってからもしますが、大学時代のサークル活動などの課外活動、「友達作り」「恋愛」は、この時期にしかできない、貴重なものです。


に「友達作り」の大切さを書いているのは、そんな理由があります。

これらについては、まだ、まとまりがありませんが、これからも考えていきたいと思います。






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2017年02月06日

知の融合をもたらすのは、人と人のつながり

「地球の想像力」地球レベルで考える時代に

で書いた

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地球の想像力 人新世時代(Anthropocene)の学び

では、

「知の開放から知の跳躍へ−社会との協働によるオープンサイエンスと橋渡し人材の役割」

というお話がありました。

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オープンサイエンスというように、学問が領域毎に閉じるのではなく、門戸を開いたとしても、学問同士を結びつけて、融合させるのは、エバンジェリスト(伝教師)と呼ばれる人々だったりする。

エバンジェリスト(伝教師)は研究者がなってもいいし、研究者以外でもよい。

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これについては、これまでにいろいろ考えてきました。


学問の融合と破壊的イノベーション


「学際的研究拠点において多様な知識を統合する」について、生命科学を例にとり、考えてみます。

生命科学は生物学だけでなく、物理、化学、数学、コンピューター科学、工学を融合していくことで、極めて高度な学問となりました。

学問領域における、様々な分野間の融合は不可欠です。

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生命科学は以前は生物学と呼ばれていました。

理科の中では、生物学は物理学、化学に押されて、ちょっとマイナーな存在でした。

医学部に進学を予定する高校生でも、生物学よりも物理学、化学を選択することを進められていました。

「医学部に進むと必ず生物は学ぶことになる。

むしろ、物理学、化学を学んでおかないと、実験の原理、実験装置の仕組み、データの分析がわからなくて困る。」

などと言われたものです。

さて、生物学は、その後、物理学、工学、統計学など、他分野学問が入り込んで大きく進展します。

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生物学(バイオロジー)だけでなく、バイオテクノジー、バイオケミストリーなども含んだ「生命科学」に進展し、理系の基礎学問ではなく、文系にも不可欠な学問分野になりました。

東大の理系では、以前は「生物学」は選択でしたが、現在、「生命科学」は必修で、文系学生にも受講者が多いようです。

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ある学問において、他の分野と融合する部門は、多くの場合、主流ではなく、亜流と言われる部門です。

そして、当初、生物学のある分野がコンピューター科学を取り入れようとする場合、主流からは「何やってるんだ」と嘲笑されます。

しかし、やがて、新しい分野を取り込んで、例えば、

東大地球表層変動研究センター・サイエンスカフェ「遺伝子解析技術の最前線と展望」に参加しました

に書いたゲノム解析のように、大きく飛躍します。

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これって、クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」

に書かれている

「性能、品質の改善」である「持続的イノベーション」「連続イノベーション」

ガラッと様相、パターンが変わってしまう「破壊的イノベーション」「非連続イノベーション」

に似ています。

主流部門で行われるのが「持続的イノベーション」。亜流部門で他分野と融合する形で起こるのが「破壊的イノベーション」

当初は嘲笑されていた亜流部門が破壊的イノベーションを起こし、大きく飛躍します。


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新しい出来事は、人との出会いから始まる



研究もビジネスも、幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くのは、人のネットワーク


研究の幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くには、研究、勉強と並行的に人のネットワークを構築していくことが大切。

ひとりで研究するよりも、プロジェクトに参加して研究すると、テーマも広がり、人のネットワークも構築でき、キャリアの可能性も広がる。

他の人々に話すと、自分の考えが整理でき、理解が進み、思いがけない切り口から、進展することがある。

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「新しい出来事が起こるときというのは、アイデアより、人との出会いからはじまることも多い」

便利なSNSのおかげで、リアルな場に参加する機会が減っています。

わざわざ時間をつくって、スケジュールを調整して、時間とお金をかけて、イベント、集まりに参加して、

でも、それだけ手間暇かけて、参加したのに「外れ」のイベント、集まりだったりすることもある

そのリスクを避けると、リアルな場は厳選して、SNSで情報収集となる

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でも、やっぱり、新しい出来事が起こるのは、リアルな場での人との出会いから






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2017年02月02日

「知識は力なり」想像の展開と事実に基づく検証の組み合わせ

宇宙の起源、生命の起源、とは?起源への問い

では、

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宇宙・地球・生命の起源について、今どこまで解き明かされているかその最先端のサイエンスをわかりやすくお話しするとともに、起源を問うとはどういうことなのかという根源的な話題について、サイエンティストと哲学者が対話します。


にあるように、宇宙科学、地球物理のサイエンティストだけでなく、ギリシャ哲学の納富信留先生のお話も伺いました。

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納富信留先生のお話で、気になったのが、

「ギリシャ時代の哲学は、ある事柄から思考、想像、創造を展開していくのだが、この時代は、科学が哲学から分化する前で、実験、観察しようにも、ろくな装置もなく、そのため、事実による検証がほとんど行われず、事実と乖離して展開してしまうおそれがあった」

ということでしょうか。配布資料がなく、「TAK」さんの専門外なので、誤解しているかもしれません。

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事実による検証が行われるようになるのは、

フランシス・ベーコン「知識は力なり」実験と観察に基づく個々の事実から法則・結論を導き出す帰納法を提唱

に書いたフランシス・ベーコン


フランシス・ベーコン(1561年ー1626年)イギリスの哲学者、神学者、法学者。

「知識は力なり」の名言で有名。

真の知識に至るには、正しい認識の妨げになる偏見・先入観を排除しなければならないと説き、さらに実験と観察に基づく個々の事実から法則・結論を導き出す帰納法を提唱しました。

実験と観察に基づく個々の事実から法則・結論を導き出す帰納法を提唱し、自然哲学者として知られていて、知識を得るだけではなく、得た知識を論理で統合し、実践する、実践知の提唱者としても有名です。

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自然科学を専攻していたわけではなく、政治、法学の分野の人で、名門に生まれ、13歳でケンブリッジ大学のトリニティーカレッジで学んだが、当時のスコラ哲学的方法に強い不満を抱いた。

その後パリに留学し、1584年には下院議員となり、検事総長を経て大法官となり(1618)最高位にまで登りつめたが、汚職のかどですべての官職と地位を追われ(1621)

という経歴だったりします。

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政治、法学の分野に身を置きながら、自然科学に関心を持つのは、奇異な感じがするかもしれませんが、

現在でも、経済、金融などで、ICT、人工知能など最新鋭の科学技術の導入が欠かせないように、

16,17世紀のイギリスの政治、法学の分野では、自然科学により、真の知識を得ることが欠かせなかったようです。


以降でしょうか。


自由に思考、想像、創造を展開していくのは楽しいし、イノベーションを生むきっかっけだったりするのですが、大切なポイントごとに、事実との検証を行わないと、糸の切れた凧のように、自分勝手な理屈を展開しているに過ぎない、状態にもなりかねません

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なぜ、こんなことを考えたか、というと、

自分勝手な理屈を展開して、他人にもそれを押し付けることによるトラブルを最近よく見かけます

大学公開イベント参加者の高齢化についての考察


周りに難癖、文句をつけたりして、反論されると、「そんなの常識でしょ」と、自分の価値観を押し付けてくる、おばあさん


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君子は危うきに近寄らないだけでなく、危うきが近寄ってきたら立ち去る

「意地と面子」によるリスクの回避の大切さ


電車の中、駅など、人が集まり、混雑するところでは、言い争い、小競り合いを見かけます。

稀にですが、傷害、殺人事件にまで発展することもあります。

少し引いて、冷静な立場から考えれば、ほんのつまらないことで争うのは、ばかばかしいことですが、

瞬間的な怒り、争いが「意地と面子」の問題になり、抜き差しならない事態に発展、とは、よくあることです。

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「感情が劣化した人」とは、基本的に関わらないことです。一緒になってしまったら、離れることです。

私たちは有限の可処分時間、労力を、いろいろな活動に分配します。「感情が劣化した人」との対応に、貴重な時間、労力を費やすだけでなく、極めて不快な気分になります。


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「そんなの常識でしょ」「常識がない人が困る」などと「常識」と称して、自分の価値観を押し付けてくる状態になると「危ない」と考えます。

そういう人の「常識」とは、法令に基づくもの、事実と検証したもの、ではなく、多くの場合、その人の自分勝手な価値観だったりします。

果たして、自分の主張、考えは、事実に基づいて検証したものか、しうでないのか?検証してみることも大切なようです。




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「TAK」さん

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