2017年03月

2017年03月26日

東工大MOT(技術経営)オープンハウス「挑戦する人のためのMOT」

東工大MOT(技術経営)オープンハウス「挑戦する人のためのMOT」

という案内が来ました。

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東工大MOTは定期的にこういったイベントを開催していて、その様子は、


技術経営(MOT)は専門性と統合性が不可欠

イノベーションをサイエンスするー東工大MOTは進化します

東工大MOTオープンハウスに行ってきました。東工大MOTは進化し続ける

東工大MOTは「文理の壁」を超えられるか?

東工大MOTは「イノベーション科学の創成」ができるか?

に書いています。

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エッセンスをかいつまんで書くと、


「MBA、MOTは、今ではビジネスには使えない。」のような言葉をよく聞きます。

これは正確ではありません。

社会、時代、技術が急激に変化しています。

それなのに、以前のMBA、MOTのテキスト、カリキュラムを持ってきて、適用しようとしても、ムリがあるのは当然です。

それゆえ、各大学等教育機関のMBA、MOTのカリキュラムも大きく変化したり、あるいは新たなプログラムが加わっています。

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MOT教育コア・カリキュラムの開発

MOT 教育ガイドライン

があり、それに沿う形で、

技術をビジネスにするのに必要な、技術経営、知財、品質、マーケティング、ファイナンスなどの科目で構成されていました。

これらがMOT(技術経営)のエッセンスであることに変わりはありません。

ただ、エッセンスを学んだだけでは、変化が急激な時代での対応には不十分です。

今回の改革では、バイオ、技術政策、データ・アナリシス、ゲームの理論などの科目が加わり、エッセンスに加えて、いろいろな展開が広がる選択肢が増えました。

欲を言えば、デザイン思考に関する科目がほしい、というところでしょうか?

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様々な人々が協働する時代では、必要なスキルが多様化しており、複数の人の専門性を組み替えて活用する力が必要。H型人材とは、強い専門性が1つあり、他の人の専門性と繋ぐ横棒を持ち、ほかの人とつながってHになる“人と繋がりやすい”人材の像

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上記のように、技術をビジネスにするには、コアの技術の専門性に加えて、他の技術、あるいは、技術経営、知財、品質、マーケティング、ファイナンスなどを取り入れ、組み込み、融合、統合していくことが大切です。

つまり、いろいろな研究、技術が「点」として散在している状態では、イノベーションは起きないし、ビジネスにもつながりません。


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「TAK」さんは最近、東工大に対して「辛口」のコメント、見解になっています。

だけれど、今回のオープンハウスは、興味深く、有意義なものだった、と感じています。

通常、こういったイベントでは、教員側からコース、自らの研究の紹介、傑出した、例外的な修了生のサクセスストーリーの紹介、であったりします。

今回のオープンハウスでは、コースの紹介を最小限に抑え、例外的な、傑出事例(元々、経営者が受講していた場合)ではなく、

通常の修了生の中で、面白くて、注目したい事例を、いくつか紹介されました。

MBA、MOTを受講する社会人は、2つのパターンに分かれます。

・経営者、あるいは大企業のトップクラスのマネージャークラス、順調なキャリアを一層加速するため、あるいは方向を変えるために受講

・少し前までは、大企業のトップクラスのマネージャークラスだったのだが、歯車が外れてきて、トップクラスから優秀クラスに落ちてきて、リカバリーを模索

大雑把には、前者が2割、後者が8割、という感じでしょうか。

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最近の東芝、シャープの事例のように、技術者には、自分の努力とは、関係なく、どうしようもない流れが来ることがあります

JMBAリーダーズフォーラム「ソーシャルジャーナリズムと伝統的新聞社の協働の可能性」に参加しました


日産自動車の宇宙開発事業部に所属していましたが、カルロス・ゴーン氏がCOOとして乗り込んできて、事業部ごと廃止、会社生活の厳しさを味わう


企業研究者が考える社会実装学


高弾性で、薄くて丈夫で、従来よりも3倍以上長時間、記録、再生できるビデオテープを開発したところ、テレビ録画がデジタルの時代に変わっていた


など。

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今回も、リーマンショックの影響で事業部が社内政争の具になり、失職、外資系企業でトップが退任のため、失職、など、苦境の中で、MOT(技術経営)を学び、キャリアを拓いていった方々の事例が興味深かったです。


社会、技術が急速に進化する中、大学院のキャリクラムはそれに対応しようとしても、追いつかないのは、やむを得ないことです。

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ここで、「MBA、MOTは、今ではビジネスには使えない。」と切り捨てるより、社会、技術の進化を創出し、リードする立場に回り、活用する、ことを考えるとよさそうです。

MBA、MOTで学んだスキル、環境の活用の仕方は千差万別、人の数だけあります。




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2017年03月22日

ユビキタス社会は既に到来、IoT、IoSの社会へ

坂村健先生退職記念講演会「オープンアーキテクチャの未来」のお知らせ

という案内が来ました。

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まだ、インターネットが普及していない時代に、先生が提唱した、ユビキタス・コンピューティング、TRONなどの構想が、今、ItoT,ItoSという形で実現しつつあります。

すべてのモノがインターネットにつながる、のではなく、インターネットのように、すべてのモノ、サービスがつながる。

しかし、その道のりは、決して、真っすぐな一本道ではなく、迷い、惑いながらの曲道だったようです。

通常、技術、社会の急速な進歩に、なかなかついていけないのですが、坂村先生の場合は、先生の考えに、技術、社会の進歩がついていけない、社会の流れの半歩先を行くくらいがちょうどよいのですが、坂村先生の場合は先を行き過ぎて、追いつけない、そんな感じでしょうか?


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坂村先生のお話は約10年ほど前から、伺っています。

東京大学21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」(2007年06月25日)


ユビキタス情報社会は、

●「集中」から「分散」へ
大型コンピューターからワークステーション、パーソナル・コンピューターへ

●「PC」から「非PC」へ
PCから携帯電話、ディジタル・カメラへと手段が広がります

●ネットワークに接続されていることが大切
携帯電話自体の容量よりも、ネットワークに接続され、高機能のサーバーがあることが大切

です。

これからは、携帯電話、ディジタル・カメラだけでなく、あらゆる家電製品のみならず、家具、壁、あるいは道路などがコンピューターを内蔵します。

今、東京ユビキタス計画・銀座という計画が進んでいます。銀座地区の道路、建物、地下鉄の通路などにコンピューターが埋め込まれています。

これにより、歩行者ナビを使って、地下街を迷わずに歩いたり、今日1日歩いた道筋を確認できたり、します。


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ケータイと社会(2007年06月25日)


携帯電話の人口普及率は約80%に達しています。これは、乳幼児、高齢者も含めた数字ですから、ほぼ100%に達しています。

10代後半から20代の若年層にあっては携帯電話を利用しない人は皆無に近いでしょう。

今や「ケータイ」は音楽、動画、カメラ、財布機能等、考え得るあらゆる情報交換・収集・享受機能を備えたモバイル情報メディアとして、また片時も手放すことのない身体の一部として利用されています。

生活シーンへのケータイの浸透により、私たちのの生活はどのように変わり、ケータイをもつ子ども達が増えることで、親子関係はどのように変わりつつあるのでしょうか。

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世帯普及率が10%を超えると、急速に普及する、と言われています。周囲に使う人が増え、使用されるようになる訳です。

固定電話は世帯普及率が10%を超えるのに75年かかりました。FAXは19年、パソコンは13年かかっています。

実は携帯電話も15年もかかっています。

インターネットは5年しかかかりませんでした。

インターネット、メール機能が携帯電話の普及の大きな要因でした。


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坂村 健 東大教授「イノベーション基盤としてのユビキタス・ネットワーク」(2006年05月30日)

共通のインフラ(例えば、インターネット)上では、インフラ上の異なる内容が組み合わされる「マッシュアップ」という現象が起きます。

すると、当初は想定もできなかった「化学反応」が起きて、社会全体が急激に変わります。

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ユビキタス・ネットワークは、インターネットをはるかに超える「インフラ型イノベーション」です。

食品、衣服、雑貨、家電などすべての物に、世界でひとつしかないチップが装着され、チップとサーバーがリアルタイムで情報を更新し、すべての物の現在の状況が自動的に認識されます。

これらが、経済システム、医療・福祉システム、交通システム、教育システム、行政システムなどの社会インフラとして定着すれば、インターネットによるネットワークをはるかに超える大きな社会変動をもたらす可能性があります。


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いいでしょうか?

上記の記事は、昨日(2017年3月21日)の退職記念講演会で、伺ったお話ではありません。10年ほど前に伺ったお話です。

上記にあるように、先生のストーリーどおり、

・携帯電話から情報端末としてのスマートフォーン

・高性能端末から、各端末をネットでつなぐ、高性能なクラウドサーバー

・クラウド、ブロックチェーンによるセキュリティー

により、「食品、衣服、雑貨、家電などすべての物に、世界でひとつしかないチップが装着され、チップとサーバーがリアルタイムで情報を更新」できるようになりました。

100円の、おにぎりに、高度なセキュリティー機能を有する、10000万円のチップを装着するのは、非現実的でしたが、セキュリティー機能をクラウドサーバーが担保すれば、安価なチップですみます。

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坂村先生が提唱されていたユビキタス・コンピューティングの世界が、IoT(Internet of Things)、IoS(Internet of Services)の形で実現しつつあります。

坂村先生は東京大学を退職されますが、今後のますますのご活躍が楽しみです。








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2017年03月15日

実験とは未知の事象を解明、検証すること、得られた知見は記録し、発表する

3月14日(火)東大教養教育高度化機構シンポジウム『教養教育と自然科学』

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身近なことから学ぶ教養としての自然科学・授業「茶わんの湯」の紹介

というものがありました。

これについては、参加したことがあり、

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「茶わんの湯」から“予測する科学”「人工知能の予測と予期〜予測する科学と予期する工学」




「茶わんの湯」から“予測する科学”を考える

・日常茶飯事目にするような、なんの変哲も無い身近なことがらに着目し、それを科学的に思考し批判する。

また、その身近なことがらを学問領域横断して異なる様々な視点から考察する。さらに、身近なことがらに付随する文化や歴史の説明も取り入れながら学習する。

これらの作業の楽しさ・醍醐味をこの連載を通じて伝える。


・新しい事象や法則の発見は科学への貢献のみならず、実社会問題の発見や解決と密接に関係しうることを具体的に学習する。

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物理学者の寺田寅彦の随筆「茶わんの湯」

とは、

ここに茶わんが一つあります。中には熱い湯がいっぱいはいっております。ただそれだけではなんのおもしろみもなく不思議もないようですが、よく気をつけて見ていると、だんだんにいろいろの微細なことが目につき、さまざまの疑問が起こって来るはずです。

ただ一ぱいのこの湯でも、自然の現象を観察し研究することの好きな人には、なかなかおもしろい見物です。


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決まり切った、学生実験ではなく、身近な現象をヒントに、何を実験すると、何がわかるか、考え、調査方法、レポートの書き方、までカバーする、うらやましい限りの授業です。

教養とは、よくわからずに学んで、後から学び直すもの


東大駒場の教養学部のカリキュラムは、人文科学、社会科学、自然科学が幅広く、内容も豊富で、講師陣も多様です。

特に、人文科学、社会科学は優れたもので、これだけの陣容を誇るのは、東大ならでは、です。

ただ、20年前までは、ほとんどの授業は、「確立された知」を先生が、学生に教える、ものでした。

この『知の技法』は、学問のやり方、を教えるもので、「知」をもとに、考える、議論する、活用する、という、当時としては画期的なものでした。

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学問のやり方、「知」をもとに、考える、議論する、活用する、ということは、それまでは、授業で教わるものではなく、先生、先輩から盗み見て、身に着けるものでした。

教わるだけではなく、教わったことをもとに、考えて、活用する、文理融合「知の技法」を作成された小林康夫先生。同じく「知の技法」を作成された船曳建夫先生らも駆けつけ、あらためて駒場のリベラルアーツの層の厚さを感じます。

東大の強さは、この駒場の人文・社会・自然科学、文理融合俯瞰プログラムなど教養課程の充実にある、と考えます。

この駒場のリベラルアーツを築き上げた先生方は卒業されますが、多くの後進の方々を育てられてきました。

この先輩を引き継ぐ、若い方々の一層の活躍が楽しみです。


と書きましたが、「知の技法」が多方面に進化しているのを感じます。

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「TAK」さんは、理工系ですが、小中高校、大学を通じて実験が嫌いでした。

なぜかというと、物理、化学などで、決まりきった条件で、決まりきった結果を再現するのが実験。

ただ、本で学ぶだけでなく、自分で再現し、確認することに意義がある。

「TAK」さんが小中高校、大学の頃の、実験とは、そんな感じだったでしょうか。

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大学院に進むと、様相がガラッと変わります。

既に得られている知見をもとに、未知の事象を解明するために行うのが実験の役割。

意図している実験を、正しく再現するよう、制御できるか、計測できるか

すべての状況を実験で行うのは難しいので、シミュレーションも併用するのですが、重要なポイントは実験で検証しておくことが大切です。

実験は意図したとおりの結果が得られなかったとしても、その「ずれ」「違い」に新たなヒントがあったりします。

すなわち、上記のように、実験とは未知の事象を解明、検証するための重要な手段です。

さて、実験と行うための先行調査、実験の条件、得られた結果はレポートにまとめておくことが大切です。

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このレポートが、くせ者だったりしました。

最近では「レポートの書き方」のような授業があるのですが、「TAK」さんの頃は、そのような授業はなく、先輩の事例を見よう見まね、という感じだったでしょうか。

高速で論文がバリバリ読める落合陽一先生のフォーマット

を参照しつつ、良質の論文を大量に読むことが大切なようです。


まとまりがなく、発散気味ですが、「知の技法」のますますの進化が楽しみです。




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2017年03月13日

人工知能に大学、産業、ビジネスはどう対応する?

東大情報理工R2Pシンポジウム「情報理工学系研究科の新たな取り組み」

という案内が来ました。

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人工知能、データサイエンス、ロボットなど、の進展が急速で、大学は、人工知能の高度化、人工知能と人間の対応、人工知能の社会実装などの研究だけでなく、プログラミング、数理、統計、情報技術などを文系、理系を超えて教育することが急務です。

一方で、産業界、ビジネス界も、これらをどう取り入れていくか、対応が急がれます。

ちょうど1年前にも、同様のシンポジウムがあり、その様子は、

人工知能への情報理工学の取り組み

に書きましたが、特に最近注目が集まっているのが、「ディープ・ラーニング」でしょうか?

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ディープラーニングのシステムは、人間の脳についての知識を利用して階層的に認識を行うシステムです。

詳しくは、

ディープラーニングとは何なのか?

ディープラーニングの原理とビジネス化の現状

などをご参照ください。

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ディープラーニングは2012年に誕生しましたが、従来のパターン認識では、人工知能は人間に勝てなかったのが、2015年2月に、ディープラーニングは人間の精度を超えました。

これは地球の歴史45億年、生物の歴史40億年における、5億4000年前のカンブリア爆発、史上初めて、目を持った生物、三葉虫が誕生し、進化が急速に進んだ、になぞらえたりしてます。

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人工知能の歴史を振り返ると、

コンピュータと「巨大頭脳」


1940〜50年代にリレー式、真空管式など大型コンピューターが出現し、人が行っていた大量の計算を瞬時で行うようになりました。

これまで、大勢の人が数か月かかっていた複雑な計算を瞬時に行ってしまうこと自体、当時劇的だったのですが、コンピューターは情報を処理し、計算し、結論を出し、選択することができるのだから、自ら考えることができる、という考えが出てきて、1956年には人工知能という言葉が生まれます。

最近、話題の人工知能ですが、生まれは1956年とかなり古いものです。


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「茶わんの湯」から“予測する科学”「人工知能の予測と予期〜予測する科学と予期する工学」


人工知能の歴史

1.物理記号:知能の本質は記号処理。(→言語化、記号化できない暗黙知は扱えない)

2.パターン認識(画像認識、ニューラル・ネットワーク、ディープ・ラーニングなど)

3.環境との相互作用

超多層の学習であるディープ・ラーニングは、コンピューターの高速化により可能になった。(以前のコンピューターではリアルタイムは不可能で、数年かかった)

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以前は、制御は工作機械、ロボットなど、モノを対象としていましたが、最近では、モノ、人、環境との相互作用を含めて、動的、多層的な制御となります。

以前の知能システムは、認識→推論→行動、の順番で行っていたが、今は、認識、推論、行動のそれぞれを、パラレルで行い、相互にフィードバックする。

人間の判断はトップダウン(予期主義)で、まず判断した後に、根拠となる事実を見つけていく。一方、人工知能はボトムアップ(入力主義)で、集めたデータから判断していく。両者の融合を図ると、面白い。


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人工知能は、シミュレーションによる予測に活用されますが、

シミュレーションによる展開とその限界、基本工学の大切さの再認識


シミュレーション科学とは?理工学の手法から生活を広げ、豊かにする手段に


「シミュレーション」の定義、コンピューターの発達に伴い、

物理、工学において、実験だけでは再現し切れない現象を、自然条件に即して忠実に再現する手段として使用されるようになった。


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工学の自然科学化から社会科学化、そして人間科学へ




建築物、船などは、昔からありましたが、その設計、建造に、科学的知見が取り入れられるようになったのは、日本では明治以降、世界でもニュートン、ベルヌーイ、ライプニッツらの自然科学的知見が出てくる近代になってからで、それまでは大工、職人の経験、勘によるものでした。

産業革命以降、蒸気機関による鉄道、船、飛行機あるいは鉄、コンクリートによる建築物ができると、飛行機の空気による揚力、抵抗、船と波の相互作用、建築物の耐震、耐風など、これまでは考える必要のなかった、新しい自然と人工物の関係が生まれてきました。

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この、新しい自然と人工物の関係は、理学ではなく、主として、これら鉄道、船、飛行機、建築物、をつくった工学が担当することとなりました。

そこで、流体力学、材料力学などの学問が生まれました。

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鉄道、船、飛行機、建築物をつくる、工、技術に対して、新しい自然と人工物の関係の評価は、工、技術よりも、むしろ観察に近い自然科学的手法が取られます。

これは、自然科学の知見を取り入れて、モノ、技術を創りだす、という方向から、創り出したモノ、技術を自然科学的手法で評価する、という、一種のパラダイムシフトを生むことになります。

この自然科学から技術へ、技術を自然科学で評価、という両方向を使いつつ、技術は進歩していくことになります。


新しい飛行機、建築物などをつくる手段として、コンピューター・シミュレーションは大きな威力を発揮するのですが、

実験による検証を行うことが大切です。


と書きました。

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以前は、シミュレーションは初期条件、境界条件を入力して、結果を得て、得られた結果を実験結果と照合しました。

実験結果をシミュレーションに入力していくことは、「シミュレーションを実験に合うように操作している」と、いぶかられたものです。

しかし、最近では、リアルタイムで得られるデータを逐次、入力していくことにより、実際を反映した結果を得る「データの同化」が一般的になり、初期条件、境界条件、方程式そのものが、よくわかっていない時でも、正確な予測ができることが知られています。

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人工知能、データサイエンス、ロボットなど、の進展に対応して、プログラミング、数理、統計、情報技術などを文系、理系を超えて教育することが急務です。

ただ、これらの授業を増やす分、何を削ればよいのか?頭が痛いところではないでしょうか。

シミュレーションによる展開とその限界、基本工学の大切さの再認識




「TAK」さんが学生だった1980年代、科学技術の計算には、大型計算機が利用され、工学部の学生はプログラム言語としてFORTRANが必修でした。今から考えれば、「過去の遺物」なのですが。


いつの時代も、コンピューターの最先端の「役に立つ」学問を重視し、基本となる、古典、教養的学問である、材料力学、流体力学、機会力学、熱力学などを軽視する傾向があります。

最先端の「役に立つ」学問を学ぶことは、もちろん大切なのですが、上記のプログラム言語FORTRANのように、陳腐化し、ムダになってしまうこともあります。

決して、裏切られることなく、必ず、結果として「役に立つ」基本となる、古典、教養的学問を学ぶことも大切です。


と書いたとおりです。

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人工知能、データサイエンス、ロボットなどが進展していく中で、人々の生活スタイルも変わっていき、


固定の時間、固定の場所で働くのではなく、必要な時間、必要な場所で働く

シェアリングが資本主義に代わる


などの変化もありそうです。




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2017年03月11日

博士の能力はアカデミアだけでなく、産業界、ビジネス界にも活用しないともったいない

お茶の水女子大学博士課程教育リーディングプログラム国際シンポジウム「企業における女性博士人材への期待」

という案内が来ました。

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お茶の水女子大ではこのようなオープン・イベントが開催されることがあり、その参加記は、

女性博士人材の社会起業を考えるフォーラム@お茶の水女子大学、に行ってきました

研究もビジネスも、幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くのは、人のネットワーク

国連広報センター所長・根本かおるさん講演「好奇心が原動力」

博士にこそ、起業家精神とビジネスマインド醸成

結婚・博士号取得・出産・子連れでのハーバード大学大学院留学

女性のグローバルな活躍「翔び立とう!チャンスに満ちた世界へ!」

キャリアは偶然をたぐり寄せつつ、構築していく。プランBも用意して

に書いてあります。

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以前のイベントでは、「起業」がテーマだったのですが、今回は「企業」がテーマです。

さて、タイトルにも書いたように、博士の能力はアカデミアだけでなく、産業界、ビジネス界にも活用しないともったいない、です

博士課程では、専攻を深めることが重視されます。専攻の幅を広げることも大切なのですが、その分野の第一人者になるには、「専攻を深める」ことになります。

ただ、産業界、ビジネス界で活躍するためには、専攻を深めるだけでは、「博士は使えない」ということになってしまいます。

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大学で何を学び、何を経験するのか?


大学生は課外活動で何を学ぶのか?




高校まではクラスメート、部活、塾というコミュニティー、

社会人になると会社というコミュニティーが中心で、比較的構造が単純です。

実は大学時代が、クラス、サークル、アルバイト、研究室、ボランティア、インターンなど、活動、コミュニティーが、最も輻輳化、複層化している時期かもしれません。


と書きました。

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ところが、

研究生活、狭まる世界と広げる工夫




大学院生になり、研究生活を始めると、生活が研究室だけに限定されてしまい、毎日会う人も、ほとんどが研究室の先生、スタッフ、大学院生、とタコツボのような生活で、知らぬ間に、行動範囲、交際範囲、思考領域が狭くなる


と書いたように、研究自体だけでなく、研究を取り巻く生活も、社会を狭め、「博士は使えない」につながっているのかもしれません。

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フロンティア人材は「社外のネットワーク」と「社内の合意形成力」を併せ持つ




「社外のネットワーク」に加えて、「社内の合意形成力」を併せ持つことができれば、真の「フロンティア人材」になれる


あえて内向きに、組織、領域、業界内のポジション確立は?




領域、社内外を横断するオープンネットワークが最近、強く標榜されています。

ひとつの会社、業界にとどまるのではなく、広い社会で活躍するには、オープンネットワークが欠かせません。

一方、業界、学会でしっかりした、抜きん出た立場を獲得するには、「業界、学会」内のコア・サークルに加わり、そこでの評価が不可欠です。

後者が内向きとされがちですが、業界内での確固たるポジションも大切です。

オープンネットワークとインナー・サークルは、相乗効果がある場合もあれば、相反する場合もあります。ただ、どちらか一方ではなく、両方が大切です。


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産業界、ビジネス界で活躍するためには、所属する企業で合意を形成し、経営層を動かす力が大切だったりします。

ところが、所属する企業、組織毎に、社風、文化が異なり、それぞれに応じた対応を必要だったりして、これが大変です。

具体的には、キーパーソンは誰で、どこを押せば動くのか、把握することが大切です。

内向きで、泥臭いのですが、これが会社などの組織では大切です。

これは会社だけではなく、「TAK」さんが経験した、産学官、どこでも同様でした。


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今日も、そういったお話が出てきました。


正しいことを主張するだけではダメ。どこに話を通して、どこを押せば、ドアが開くのか?どうすれば動くのか?

人との対話(特に、嫌な奴)を避けてはダメ。

粘り強い対話だけでなく、時には、相手をねじ伏せる強引さも必要。

同じ価値観を持つ人を増やす。

「貸し借り」借りたら、負け、ではない。借りたらば、貸し返せばよい。貸しても返してくれなければ、あげればよい。

アイデア、チャンスは「出会い」が大切。行動範囲を広げる。

知識、知恵は人と人との相互作用。

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博士が企業に就職する時には、学部卒は5年目、修士卒は3年目の中堅です。

専攻を深めるだけでなく、それを活かす対応をあるとよさそうです。





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2017年03月06日

理工学研究には人文・社会が不可欠

大学院生になる人のための指南書




研究にはあなたの世界観が現れてしまう

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研究するということは,あなた自身が問われるということにほかならない.研究というのは,誰かに頼まれてやるわけでもないし,ましてや,お金をもらうためにやる仕事でもない.ただ,自分がこのことを知りたい,そして,もしそれがわかったら,誰かの役に立つかも知れないということを動機づけとして行う行為だ.

だから,必然的に,研究には,あなた自身が世界についてどう考えているのかということが現れてきてしまう.

研究をやるということは自由意思でそれをやるということだ.だから,あなた自身が研究に現れる.それは隠しようのないことだ.

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研究を道具的に使うと,それは研究ではなくなる.「道具的に使う」ということは,研究を何か別の目的の手段とすることだ.たとえば,研究を名声を得るための手段としたり,地位を得るための手段としたりすることだ.

それと同じように,研究を修士号や博士号を獲得するための手段としたとたんに,あなたがやっていることは研究ではなくなる.「どのような研究にすれば,修士論文になりますか?」とあなたが質問した途端,それは研究ではなくなる


これについては、大切なことですが、まだそれほど考えていないので、「TAK」さん自身の考えを整理します。


と書いたのですが、少し整理できたので、書いてみます。

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専門家の哲学と街の哲学

専門を深化する工学と俯瞰し、つなげる人文・社会科学


工学が、個々の専門の技術を深化させる

その進化した個々の技術を、

社会的なニーズに基づいてつなげるのが、経済、社会、法学などの社会科学

自分の中で、ある考えに基づいて、再構築するのが哲学などの人文科学


学問をするにも、ビジネスを行うにも哲学が必要です。つまり、哲学は専門家だけが行うものではなく、すべての人に不可欠なものです。


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理工系大学こそ、リベラル・アーツが大切


リベラルアーツ、教養って、若い、学んでいる時は「役に立たない」と思われることが多いが、ある時を過ぎてから、アイデアの基盤となり、視野を広げ、俯瞰的な思考のベースとなる、大切なものであることに、振り返って気づくものかもしれない。

というものです。

大切さを経験した人は、まだ経験していない人に対して、何とか伝えようとするのですが、残念ながら、うまく伝わらない。

そして、経験していない人が、ある時に「こういうことだったのか」と悔やむことになる。

東大も駒場の人文・社会科学の幅広い、豊富な人材、講義が非常に素晴らしいのですが、駒場の時はその良さをわからずに講義をさぼってしまい、大学院、あるいは社会に出てから、必要性、重要性に気づいて、聴講に来ることがよくあります。

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「高度に専門化し、専門ごとに分化しがちな理工系だからこそ、リベラル・アーツが大切」

もちろん、数学、物理などの理工系は大切です。これがあることが前提です。

東大、東工大の学生は、数学、物理などの理工系は、難関の入試を突破する以上、日本のトップクラスであることは間違いありません。

これが確保された前提で、最先端の研究活動を行うには、アイデアの基盤となり、視野を広げ、俯瞰的な思考のベースとなる、リベラル・アーツが大切す。


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将来のリーダーを育てるアントレプレナーシップ教育とは


日本の理工系の大学、大学院は専門科目に大きく偏っています。その結果、リーダーではなく、中堅エンジニア向け教育になってしまっています

リーダー向けの教育であれば、専門科目だけでなく、アントレプレナーシップ、MOT、リベラルアーツなどの教育が欠かせません。

MBA、MOT(技術経営)などのビジネススクールは、社会人学生など、社会人経験がある学生は、目的が明確で有効ですが、学部生・大学院生には、実体験がない分、わかりにくかったりします

そこを、ビジネススクール任せではなく、学部レベルから、ボトムアップの意味で、取り入れていくのが、このセンターでしょうか?

また、リベラルアーツにかぎらず、人文科学、社会科学と理系専門科目のバランスは難しいものがあります。

最先端の科学技術研究が諸外国から遅れている、と指摘されると、後者へ傾斜するし、技術をビジネスにつながるには前者が欠かせません


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中堅エンジニアから技術経営層への脱却


従来の工学系教育は、学部から大学院修士に進むにしたがって、専門分野を限定し、その分野を深く掘り下げ、最先端の研究、開発を行う、というものでした。

最先端の研究・技術開発には、このプロセスが不可欠なのですが、変化の速い社会では、他領域で注目すべき技術が生まれて、研究していた分野の価値が薄れる、陳腐化する、など、このスタイルの欠点が以前から指摘されていました

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一方、MOT(技術経営)と呼ばれる分野は、一つの技術を掘り下げるのではなく、全体を俯瞰し、必要な技術を組み合わせ、マーケティング、ファイナンスなども取り入れて、商品化、実用化、ビジネス化に結び付けます

工学系でありがちなのは、大学院生が自分で有望なテーマを発掘するのではなく、研究室で、あるいは先輩が担当したテーマが既に決まっており、「問題発見」が省略され、既に決められた問題の「解決」だけを求められるケースでしょうか?

「専門を限定し、掘り下げる」と「全体を広く俯瞰する」の、2つの方向で、何も前者が悪くて、後者をすべき、と言っているのではありません。

ただ、これまでの工学系教育は、あまりに前者に傾いており、後者の視点を取り入れないと、前述のように、卒業生は、技術経営層ではなく、中堅エンジニアにおさまってしまいます

技術の研究、開発に携わるだけでなく、その技術を活用して、どのようにビジネスを行うか?という視点も欠かせません


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研究活動とは美しいアートである


最近は、研究成果の報告会はほとんどの場合、パワーポイントを使い、必要であれば動画も使います

この時のスライドの出来不出来が、その研究成果の理解、さらには研究自体への評価にもつながります

以前から、「プレゼンは研究活動の大事な一部分」と言われ、これには研究者間で賛否両論がありました

発表のパワーポイントを見ながら、

「研究は成果発表のプレゼンにアートの才能があると断然有利」

という印象を持ちました

ただ、もしかしたらこれって、極めて表層的な理解に過ぎなかったのではないか?と感じ始めました

「実は、研究活動それ自体がアートではないか?」

「だからこそ、美しいもの、聴衆に伝わるものがあるのであり、単にスライドがわかりやすいだけでないのではないか?」

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「TAK」さんは、いわゆるアートの専門家ではないけれど、

アートとは音楽、絵画、写真、彫刻などの媒体を使って、自分が表現したいことを表現するもの、でしょうか?

作品を作る時は自分の概念を具現化させて自分の世界を構築させようという出発点から始まる

無から有を生む、というものよりも、既に自分が抱いている、持っているコアをベースに未知のものを創造していく

作品が重視されがちだけれども、アーティストにとっては、作品以上に創造するプロセスが重要であったりする

研究も既存の研究成果(自分、他者を含めて)をベースに、ある特定の分野を掘り下げて、探究し、真理を発見したり、仮説を構築し、何らかの手法で検討したりして、未知のものを創造して、自分の世界を構築していく


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専門を深化する工学と俯瞰し、つなげる人文・社会科学


英語と数学の基本的素養は必須で、これを大学入試が重視するのは当然だが、大学入学後の学業および学業外生活には、それ以外に文学、音楽、美術の鑑賞、表現など、入試に関係ないとされる領域が大きく影響する。修士、博士ではその影響がさらに拡大する




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2017年03月04日

人生とはフィードバック制御?リアルタイム制御?最適制御?

大学院情報理工学系研究科・原辰次教授最終講義「「制御」が教えてくれたもの「制御」を通して見えてきたこと」

という案内が来ました。

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制御の定義は、いろいろありますが、ここでは「状態量をセンサリングし、その系を、意図するように操作すること」としましょう。

制御理論にもいろいろあります。

上記のように、状態量をセンサリングし、その系を、意図するように操作する、フィードバック制御

状態量を即座、瞬時に操作する、リアルタイム制御、

単に、その系を、意図するように操作するだけでなく、最短時間で、最低コストで、など制約条件を満たす、最適制御

制御モデルと実際の系に多少に違いがあっても、制御可能な、ロバスト制御、などなど

また、制御には外乱がつきものです。

外乱にも、ある程度、想定されている外乱と、想定、予期していない外乱があります。

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原先生はバスケットボールが得意で、制御理論を用いたバスケットボールの戦略

「制御理論」×「バスケットボール」

が興味深いです。

バスケットボールの試合は、両チーム5人ずつの選手が参加して、場面は刻々と変化していきます。

この場合の制御は、各選手に対する、リアルタイム制御なのですが、バスケットボールの試合のゴールは、計40分後の試合終了時に、相手よりも1点以上の得点を取っている状態が求められます。

すると、試合終了時から逆時間で解く問題になります。

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ところが、初任のコーチは、刻々と変化するリアルタイムの状況についていくのがやっとで、おろおろするばかりで、この、試合終了時から逆時間で解く問題ができなかったりします。

また、ゴール自体が変化することもあります。

進行している複数のゲームにより、対戦相手が決まる場合など、進行状況により、「勝つと強豪と当たるが、引き分けでも勝ち進めて、その場合は、力が劣る相手と対戦」というように、目指すゴールが途中で変わることも少なくありません。

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こう考えると、人生とは制御理論を活用したプロセス、とも言えそうです。

上記のように、刻々と変化するリアルタイムの状況についていくのがやっとで、おろおろするばかりで、望むゴールとはかけ離れたところに、たどり着いてしまうことがないよう、制御理論が欠かせません。


これについては、これまでも考えてきました。

技術マネジメントにおけるプロセスシステム工学の役割

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図はバイオマスのガス化プロセスのプロセスシステムフローです

「製品製造プロセスを対象とし、複雑なシステムのモデル化を通した構造化・統合化」とは、こんな感じです

モデル化し、可視化することにより、要因の関連、不具合の分析が可能になります

上に書いたように、もともとは工場のプラントの流れを示すものでしたが、今ではビジネスの流れにも使われています

生産、物流、情報、資金などの流れをモデル化、可視化するとわかりやすくなります

さらに、化学プロセスシステムでは、システムが適切にコントロールできるように、計測、制御を行います

計測、制御は、どこでも行えばよい、というものではありません。

化学反応プロセスを踏まえた上で、計測が意味があるポイント、制御可能なポイントで、計測、制御を行います

これを実社会に反映した場合、適切な計測、制御を行っているのか?

例えば、3月末年度という期間を設定し、年度ごとの収支を調整するために、3月末前後で無理やり調整したり、

制御が難しい、あるいは不可能なポイントに大きな労力をつぎ込んでいたり、とか、実社会では無駄なところに力を注いでいる感がします

計測、制御に適したポイントを押さえるとはるかに効率的になります。社会、組織マネジメントは化学工学プロセスに学ぶことが多そうです

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化学反応プロセスでは、物質が対象なので、多くの場合、計測可能ですが、ビジネスでは知識、技術、情報、行動、経験、勘など「暗黙知」と呼ばれる計測、制御が難しいものが対象になります。

これらのものは「暗黙知」にしておくのではなく、できる限り、言語化し、デジタル化することにより、いろいろな展開が生まれてきそうです


「茶わんの湯」から“予測する科学”「人工知能の予測と予期〜予測する科学と予期する工学」

に書いたように、以前は、制御は工作機械、ロボットなど、モノを対象としていましたが、

最近では、モノ、人、環境との相互作用を含めて、動的、多層的な制御となります。

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意図しなかったビッグデータから、プロセス、結果を織り込んだデータへ


ビッグデータという言葉が最近よく使われます。

ビッグデータとは、記録の、自動化、大量化による、「意図しない」データであり、これら「眠っているデータ」を発掘すれば、もの凄い「宝の山」が埋もれているのではないか?と思われていました。

しかし、結果として得られた「結果データ」と、その結果が得られたプロセスでの「プロセスデータ」がセットになるように、データ取得がデザインされていないと、せっかくのビッグデータも活用できないことが指摘されるようになってきました。

これは、非常に重要な、認識の転換点と考え、あらためて考えてみます。

ワインの場合でも、ワインの味わい、質(結果データ)だけでなく、気温、降水量など、ぶどう栽培、収穫時の気象条件(プロセスデータ)をセットにして取得することが大切です。

どの「結果データ」がほしくて、その「結果データ」に影響を及ぼす「プロセスデータ」は何なのか?何の可能性があるのか?

ストーリーを構築し、結果とプロセスを織り込むようにデザインする、ことが大切になってきました。

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今さらながら、PDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)サイクル

PDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)サイクルとは、

(1)測定の仕組みがあるか?(Plan)

(2)計画的に実施しているか?(Do) 

(3)測定結果を適切に評価しているか?(Check)

(4)その結果を改善につなげているか?(Act)

(5)改善効果は得られているか?(成果)

(6)もし(1)−(5)が適切になされていなければその原因は何か?

巷で言われているPlan(計画)よりも、踏み込んで、「測定の仕組みがあるか?(Plan)」としているのが特徴です。

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計画しっ放し、ではなく、測定できるように、と言っています。

あなたの会社では(1)〜(6)がしっかりできていますか?

なお、この(1)〜(4)の順番は入れ替わることもあります。

こうなりたい姿に現状から目指すのであれば、

PDCA(プラン・ドウ・チェック・アクション)ではなく、CAPD(チェック・アクション・プラン・ドウ)

・なりたい姿と現状のギャップを評価する

・そのギャップを踏まえて、なりたい姿へアクション

・計測できる仕組みづくり

・計画的にできるか?

というステップになります。


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これまでは、

(1)測定の仕組みがあるか?(Plan)

が、不十分であったり、あるものの集計が複数の人の手作業で時間がかかる、など、労力、時間がかかり、

(2)〜(6)のステップにタイムラグがあり、タイムリーかつ有効な対応が打てずにいました。

このようなシステムを持ち、経営陣がいつでも見れるみもかかわらず、経営が悪化した企業も少なくありませんでした。

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センサリング技術の進歩により、結果として得られた「結果データ」と、その結果が得られたプロセスでの「プロセスデータ」がセットになるように、データ取得をデザインし、リアルタイムでデータ取得できるようになると、
(2)〜(6)のステップもリアルタイムで行えるようになり、フィードバックが迅速になります。


人生とはフィードバック制御?リアルタイム制御?最適制御?いろいろ考えてみました。





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