2017年06月

2017年06月25日

人間と人工知能の強化学習について

人工知能と脳科学、この密接な関係



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人工知能、もちろん人間にも欠かせないのが、失敗経験などから学習する強化学習です。

人工知能は、もちろん起こった事実から学習し、事実の記録を検索します。

人間も、もちろん起こった事実から学習しますが、それ以上に大切なのが、起こった事実に対して自分がどう感じたか、だったりします。

検索するのも、事実に記録よりも、あいまいで、おぼろげだけど、一部だけ鮮明な「記憶」だったりします。

どちらがいい、とは言い切れません。人工知能が選択する合理的判断よりも、人間にとっては、多少不合理でも、「好き」「これは、いや」「絶対に許せない」など、感情が優先する場合も少なくありません。


と書きました。

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人工知能は学習すると同じ間違いはしないが、人間は同じ間違いを繰り返す。


記憶はアクセスするたびに、書き換えられます。

最初は、嫌悪していた思い出も書き換えるうちに、やがて甘美なものに変わっていくのかもしれません。

それが、人間は同じ間違いを繰り返す、原因かもしれません。

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人間の記憶と歴史的事実のギャップ



過去は変えられる?


スポーツ選手、著名人によくインタビューされる雑誌記者の方からうかがったお話です。

「インタビューさせていただいた方々のお話をまとめて原稿にした段階で、間違いがないか?必ずチェックをかけます。

すると、どうも「実際の記録」と合わないことがあります。

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例えば、

・高校で生徒会長をしていた → 生徒会委員はしていたが、生徒会長ではなかった

・インカレで負けたとき → 関東学生選手権までで、インカレには進んでいない

・神宮球場でベスト4をかけて戦った → ベスト16で負けている

・東大に現役で合格した → 一浪している

など、です。

次の機会にそれとなく、伺うのですが、やはり「歴史的事実」とは違うお話を伺います。

でも、ご本人はインタビューを本当に「事実」として話されています。

一人や二人ではなく、多くの方のインタビューで同様の経験があります。」

本人の考えの中で信じ込まれている「事実」は、「実際にあったこと」と違っていようが、既にそちらが「正しい真実」なのです。


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記録の再現は、起きた通りでなく、他の情報と組み合わせて


「記録」は再現が可能ですが、必ずしも、起きた通りに再現する必要はなく、他の情報と適宜組み合わせ、新たな価値を生み出すこともできます


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デザイナー、クリエーターが発想について語り、言語学者が言語化すると?


人は常に記憶の書き換え作業を行う。書き換えられた記憶は、しばしば「事実」とは違うが、本人にとっては、それが「真実」。書き換えられた記憶をもとにさらに創作が行われる


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人工知能と脳科学、この密接な関係

に書いたように、人工知能は急速に進展し、人間の脳機能を取り入れつつ、人間の感情にも踏み込んだものの開発も進んでいます。

今後の人間と人工知能の連携が楽しみです。



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2017年06月21日

先端技術を駆使して宇宙の謎を探る

加速器と先端計測を駆使して宇宙の謎を探る

という案内が来ました。

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現在、世界の研究者が協力して、国際リニアコライダー(International Linear Collider=ILC) 計画が進められています。

ILCとは、全長20キロメートルから50キロメートルに及ぶ直線型加速器で、先端的な加速器研究の粋を集めた究極的な装置です。

現在達成しうる最高エネルギーで電子と陽電子を衝突させ、宇宙の始まりであるビッグバンを再現し、宇宙創世の謎に迫ります。


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宇宙の起源、生命の起源、とは?起源への問い




宇宙の起源とは?生命の起源とは?そもそも「起源とは何か?」起源の直前と直後で何が、どう違うのでしょうか?

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例えば、宇宙の起源について考えます。

夜空の無数の星は、太古の昔から多くの人が見てきました。

その中から、水星、金星、火星、木星、土星の5つの星だけ、他の星と動きが異なることを見つけたことは凄い、と思います。

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肉眼で見るしかなかった星などの天体ですが、400年前のガリレオ・ガリレイが望遠鏡を発明し、本格的な宇宙、天体の観測が始まります。

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さらに、300年後、1917年のアインシュタインによる一般相対性理論により、宇宙、天体の理論的検討が可能になりました。

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1929年にはハッブル天文台により、これまで「無限で不変」と考えられていた宇宙が膨張していることが発見されました。

これにより、宇宙の起源「ビッグバン」が検討されるようになります。

科学により、自然法則が解明され、真理が明らかになっていくはずが、「ダーク・マター」「反物質」など、未知のことがどんどん出てきます。

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さらに、よくわからないのが、宇宙の起源「ビッグバン」が138億年前にあったとするならば、では、それより前はどうだったのか?


現在の最新鋭の望遠鏡では、138億光年先、つまり、宇宙の起源「ビッグバン」の表面までは見えるそうです。

「ビッグバン」の、その先、あるいは1兆、1億分の1秒後、どうだったか、再現するのが加速器による研究です。

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1980年代以降、高エネルギー加速装置が開発され、それまでは電子、陽子、中性子で構成されるとされていた原子について、クォーク、ヒッグス粒子などが発見されました。

これについては、

物質に質量をもたらす「ヒッグス粒子」とは?

素粒子標準理論とは?

「アインシュタインの夢ー究極の素粒子理論」工学系必読




2013年度のノーベル物理学賞は、物質に質量をもたらす「ヒッグス粒子」の存在を理論的に予言した英エディンバラ大名誉教授のピーター・ヒッグス氏と、ブリュッセル自由大名誉教授のフランソワ・アングレール氏が受賞しました。

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ヒッグス粒子は全部で17種類ある素粒子のうち唯一、未発見だった最後の粒子。1964年、ヒッグス氏はこの粒子の存在を予言し、アングレール氏は物質に質量が生じる仕組みを説明する理論を発表。極微の世界の基本法則である素粒子の標準理論を完成に導きました。

理工系出身でも「ヒッグス粒子とは?」にしっかり答えられる人って少ないのでは?と思います。

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理工系の大学関係者でも、理学系の物理系でないと、素粒子理論、超弦理論などの最新研究へのキャッチアップは難しくなります

大学受験、大学教養課程で、量子力学と相対性理論が両立しない、ことなどは学びつつも、専攻が物理系でないと、素粒子理論、超弦理論などから遠ざかり、最近、話題のヒッグス粒子、と言われても、よくわからなかったりします

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原子核の周りを電子が回っていますが、大昔の物理(湯川秀樹氏が中間子理論でノーベル物理学賞を受賞した頃)では、電子と原子核を構成する陽子、中性子も「素粒子」でした

その後、陽子、中性子がさらに、「クォーク」と呼ばれる、粒子で構成されることがわかり、クォークが「素粒子」とされました

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現時点の素粒子の標準模型は、

・クォーク(陽子や中性子を構成する粒子)

・レプトン(電子やニュートリノの仲間)

・ゲージボソン(力を媒介する粒子)

・ヒッグス(対称性の破れや質量の起源に関係する粒子)

・重力子(未発見)

とされています

一方、物質の相互作用は4つの力、電磁相互作用、強い相互作用、弱い相互作用、重力相互作用とされています

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アインシュタインは一般相対性理論(1915年)で「重力は時空のゆがみによって生じる」を示し、「統一場理論、重力も電磁気力も幾何学的に表現したい」とし、後世はこの研究に力を注ぎましたが、残念ながら、うまくできませんでした

そこで、「統一場理論、重力も電磁気力も幾何学的に表現したい」が、アインシュタインの夢、と言われます

その後、1926年に量子力学が発表され、粒子性と波動性をもつ量子の運動など、ニュートン力学ではうまく説明できなかった、量子レベルの現象の説明ができるようになりました。

しかし、量子力学と一般相対性理論は相性がよくなく、単純に一緒にすると、答えが無限大になってしまいます。

場の量子論でも無限大は出るが、これは朝永振一郎博士の「くりこみ理論」で解決します

特殊相対性理論(1905年)と量子力学(1926年)より「場の量子論」ができました。「標準理論」(電磁相互作用、強い相互作用、弱い相互作用)と「重力」4つの相互作用の統一が現代版アインシュタインの夢でしょうか

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ピーター・ヒッグスらが、1964年に素粒子に質量を与える理論「ヒッグス機構」を提唱しまし、質量を持つ素粒子があると予言しました。これが「ヒッグス粒子」です。

材料の原子は、原子核の周りを電子が回っています。もしヒッグス場がなかったら、電子が質量を持たないので、光の速さでどこか遠くに飛んでいってしまいます。

そして、2012年。スイス・ジュネーブにある欧州合同原子核研究機関(CERN)で稼働している大型ハドロンコライダー(LHC)を使って実験をしているATLAS(アトラス)グループとCMS(シーエムエス)グループが、それぞれにヒッグス粒子らしき新粒子を発見したと報告しました。

現在も、この新粒子がヒッ グス粒子としての性質を満たしているかを検証すべく、実験データの収集と解析とが続けられています。


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ビッグバン直後は、水素とヘリウムしかありません。

それぞれの星の中で、炭素、酸素など、他の原子になっていきます。

太陽など、恒星はなぜ光るのか?陽子がヘリウム、ニュートリノ、陽電子に変化するのですが、この時に、わずかながら質量が減少します。

つまり、質量が光に変換させます。

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太陽など恒星は、誕生と爆発を繰り返します。現在の太陽系は、3回ほど、このサイクルを繰り返した段階だそうです。

さて、太陽系は銀河系の周辺になります。そのため、銀河系の中心の周りを公転します。

ところが、この公転の方程式を解こうとすると、中心部の質量が足りません。それゆえ、遠心力で飛んで行ってしまうことになってしまいます。

そこで、存在が提唱されたのが、暗黒エネルギー、暗黒物質などの存在です。

つまり、宇宙、銀河、星の挙動は、この暗黒エネルギー、暗黒物質などの存在なしには説明がつきません。

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科学により、自然法則が解明され、真理が明らかになっていくはずが、「ダーク・マター」「反物質」など、未知のことがどんどん出てきます。

さて、今回の講師の一人である、東大カプリ機構の 村山斉先生は、独特の話し方で大変興味深い方です。

東大立花隆ゼミ主催の池上高志氏 × 村山斉氏トーク「繰り返す問い、終わらない科学」に参加しました

にも、その様子を書いてありますので、ご参照ください。





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2017年06月19日

人工知能と脳科学、この密接な関係

人工知能研究会「大脳基底核と強化学習」

という案内が来ました。

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過去の研究会では人工知能の工学的応用についての講演がほとんどでしたが、今回は人工知能と神経科学の関係について、ご講演いただきます。

機械学習の一つである強化学習は、エージェントが環境と相互作用するなかで、よりよい行動を学習する枠組みであり、人や動物の脳機能のモデルと考えることができる。

本講演では、人工知能の応用ではなく、人工知能の枠組みをつかって脳を理解しようとする試みである計算論的神経科学について紹介する。


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人々が住み、働く場こそ、人工知能、IoTの活用を

「茶わんの湯」から“予測する科学”「人工知能の予測と予期〜予測する科学と予期する工学」




人工知能の歴史

1.物理記号:知能の本質は記号処理。(→言語化、記号化できない暗黙知は扱えない)

2.パターン認識(画像認識、ニューラル・ネットワーク、ディープ・ラーニングなど)

3.環境との相互作用

超多層の学習であるディープ・ラーニングは、コンピューターの高速化により可能になった。(以前のコンピューターではリアルタイムは不可能で、数年かかった)

以前の知能システムは、認識→推論→行動、の順番で行っていたが、今は、認識、推論、行動のそれぞれを、パラレルで行い、相互にフィードバックする。

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ディープラーニングは、2012年、コンピューターによる物体認識の精度を競う国際コンテスト「ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge(ILSVRC) 2012」で、トロント大学のSuperVisionチームが採用した、もので、ディープラーニングのシステムは、人間の脳についての知識を利用して階層的に認識を行うシステムです。

従来の人工知能で採用されていたパターン認識では、人間の精度に勝てなかったのが、ディープラーニングは人間の精度を超えました。


と書いたように、

従来の人工知能で採用されていたパターン認識では、人間の精度に勝てなかったのが、人間の脳についての知識を利用して階層的に認識を行うシステムである、ディープラーニングを採用したところ、人間の精度を超えました。

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これは、

人工知能に大学、産業、ビジネスはどう対応する?




2015年2月に、ディープラーニングは人間の精度を超えました。

これは地球の歴史45億年、生物の歴史40億年における、5億4000年前のカンブリア爆発、

史上初めて、目を持った生物、三葉虫が誕生し、進化が急速に進んだ、になぞらえたりしてます。


と書いたとおりです。

人工知能の開発には、脳科学の研究が欠かせません。

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ここで、少し疑問が出てきます。

人工知能、もちろん人間にも欠かせないのが、失敗経験などから学習する強化学習です。

人工知能は、もちろん起こった事実から学習し、事実の記録を検索します。

人間も、もちろん起こった事実から学習しますが、それ以上に大切なのが、起こった事実に対して自分がどう感じたか、だったりします。

検索するのも、事実に記録よりも、あいまいで、おぼろげだけど、一部だけ鮮明な「記憶」だったりします。

どちらがいい、とは言い切れません。人工知能が選択する合理的判断よりも、人間にとっては、多少不合理でも、「好き」「これは、いや」「絶対に許せない」など、感情が優先する場合も少なくありません。

これは併用することになりますが、人工知能は人間の感情にも踏み込みつつあります。

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ここで一度整理します。

1.従来の人工知能で採用されていたパターン認識では、人間の精度に勝てなかったのが、人間の脳についての知識を利用して階層的に認識を行うシステムである、ディープラーニングを採用したところ、人間の精度を超えました。人工知能の開発には、脳科学の研究が欠かせません。

2.人間は、もちろん起こった事実から学習しますが、それ以上に大切なのが、起こった事実に対して自分がどう感じたか、だったりします。人工知能の対応は、人間の感情にも踏み込んだものも含むことが求められます。

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これについて、これまで考えたことをまとめてみます。

人間と人工知能の競争?協奏?協創?


人間は試行錯誤、表面に見える情報をもとに、過去にうまくいったパターン、自分が知っているパターン、「直感」で解こうとしますが、コンピューターは、瞬時にすべてのパターンを検索します。

・人間は理論的な最適経路よりも、自分がわかりやすい、近く見える経路、あるいは直感的に近いと考える経路を選ぶ。

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・パターンの固定化、直面する問題に対する解を考える、よりも、むしろ、過去にうまくいったパターン、自分が知っているパターンで解こうとする。そのプロセスで、正しいゴールを見失っている。

・直感で判断、とは、これまで自分が蓄積した知識、経験に照らして、合理的に判断、というよりは、表面に見える情報をもとに、過去にうまくいったパターン、自分が知っているパターンで解こうとする。

・ゴールへの道筋がわかると、感情に動き(うれしい)があり、行動が早くなる。

・被験者の動きを、第三者的立場で観察すると、本来のゴールから、かけ離れたところで、悩み、決断していることがよくわかる

これまで自分が蓄積した知識、経験に照らして、合理的に判断、という「直感」よりは、表面に見える情報をもとに、過去にうまくいったパターン、自分が知っているパターンで解こうとする「直感」、になってしまい、金槌でボルトを抜こう、とするように、正しいゴールを見失っていることがあります

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カメラ付きのメガネで視線が追ったもの、食べたものをを自動的に記録する、簡単なイア・センサーで聞いた音、話したことを録音する、など、人間の行動が自動的に記録され、かつ、検索できる、可能性

計測器を大幅に軽量化してヘアバンドに、制御部を携帯電話、iPod、ヘッドホンに組み込むことができれば、通常の生活での脳波の状態が計測、記録できます。

すると、自分がイライラしているのか?ゆったりしているのか?自分の脳波を見て、確認することができます。


人工知能、ロボット、コンピューターは人間の感情、感覚などは、これまで「扱うことができない」「計測できない」「ブラックボックス」とされていました。

ところが、人間の感情、感覚が計測できる、そしてコントロールできるようになれば、大きく、深く、人間に踏み込んできて、人間の生活、行動が大きく変わってくる、ことになりそうです。


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人工知能、IoT、ロボットなどは進歩が速く、予測してもあまり意味がありません。これからもウォッチすることにします。




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2017年06月10日

東大駒場リサーチキャンパス公開2017に行ってきました

東大駒場リサーチキャンパス公開2017

に行ってきました。

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過去の参加記は、

東大駒場リサーチキャンパス公開2015に行ってきました

先端研究の場でデザインが果たす新しい役割〜プロトタイピングが開く未来

に書いてあります。

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以前は、いくつかテーマを選んで、対応する研究室、研究プロジェクトで、研究員の方から説明をしていただきました。

テーマを選んでしまうと、それ以外については、スキップすることになってしまいます。最先端の技術、研究が網羅的に紹介されているのに、それではもったいないです。

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そこで、今年はテーマを特に選ぶことなく、会場全体をざっと回ることにします。ざっと見ながら、興味があるものについて、質問することにします。それでも、最新の研究動向、テーマは十分に把握できます。

最先端の研究は、実際に携わっている研究者から話を聞くと、研究成果だけでなく、苦労したプロセスもわかるので楽しいです。

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ただ、ちょっとだけお願いがあります。

何のために研究しているのか、研究の背景、目的は説明できるようにしましょう。

研究成果は効率、コストなどを定量的に示すこと。

また、この研究成果をどのような分野にどう活用できるのか、説明できること。

大学院生ならば多少大目に見ますが、プロの研究者はこれは必須です。

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他の人のテーマであっても、研究室のテーマについては、訪問者よりもはるかに専門なのですから、

「他の人のテーマなので」と説明を避けるのではなく、概略はしっかり説明することにしましょう。

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ちょっと苦言でした。




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専門外分野の国際学会での発表の意義について

World Sustainable Built Environment Conference 2017 Hong Kong(世界建築環境会議)

にスピーカーとして参加してきましたが、建築は、「TAK」さんには専門外で、しかも国際学会に査読付き論文の投稿とは、ちょっと無謀です。

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これについて、少し考えてみます。

理工系、理学と工学の間をさまよい、揺れ動く




「理工系、と一口で言うけれど、理学と工学では、研究に対する考え方、姿勢、ビジョン、哲学が随分異なる。

真理を探究する理学と、その探求した真理を社会に適用する工学。

宝探しをする理学と、見つけた宝を社会に役立つように磨く工学。

理学では、自然の真理を探究することが主目的ですが、工学では、その導き出されたファクト、メカニズム、を活用して、よりよい社会つくりをしていくことになります。


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「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」と「研究成果を社会に活かす」の違い


「社会に役に立つことを研究する・学ぶ」は既に、社会で顕在化しているニーズについて、研究する、学ぶ、こと

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一方、「研究成果を社会に活かす」は、その研究成果について、社会で顕在化しているニーズは、特にはなく、研究者と社会の人々がコラボしつつ、その研究成果の活用について、探り、新たな可能性を見出していく、ことになります。

多くの人が顕在化していない、潜在的なニーズの開拓、は苦手なのですが、ここからイノベーションが生まれ、新たな価値、分野が展開していく可能性があります。


と書きました。

役に立つ研究をするのではなく、研究の成果を社会の役に立てる、のが工学の意義です。真理を追求する理学とは少し違います。

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社会のどこに役に立つか、は、他分野、隣接分野の方がよく見えたりします。「再生可能エネルギーの建築物への導入が世界的に急務」と建築分野の方から伺い、試しにアブストラクトを出したところ採択され、本論文の査読も通過し、採択されました。

何がどこに役に立つのか、流れが急な時代、専門にこだわることなく、他分野、隣接分野へ積極的に越境することが大切なようです。

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国内の学会と、国際学会では、同じ研究テーマ、内容でも取り上げられ方が違うことがよくあります。

また、国内の学会では高名な研究者の流れでないと注目されないこともありますが、国際学会は研究内容で勝負です。

論文の引用は英語でないと、海外からは期待できません。国内の学会活動は大切ですが、海外にも目を向けるとよさそうです。

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ところで、この香港の国際学会で発表した論文について、早速、アメリカの科学技術ジャーナルから掲載のオファーが届きました。

取りあえず、掲載の方向で話を進めます。





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