2017年11月

2017年11月30日

理工系における計測の歴史

多分野の研究が生み出す、応用と相乗作用




「TAK」さんが学生だった1980年代、科学技術の計算には、大型計算機が利用され、工学部の学生はプログラム言語としてFORTRANが必修でした。今から考えれば、「過去の遺物」なのですが。

パソコンは工学部には普及を始めていましたが、インターネットはまだなく、また、パソコンもメーカーが違うと、例えば、NECのパソコンのデータは富士通のパソコンでは使えない、つまり互換性がない、という、今では信じられない時代でした。

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実験データを手入力して、グラフ化するなどの作業をパソコンで行っていました。

機械、建築系の学生は「製図」が必修でしたが、CADがようやく始まった段階で、なんと鉛筆、あるいは烏口と呼ばれる道具を使って墨で描く、作業でした。

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つまり、構造、耐震、流体などの個別の計算を大型計算機で行い、この結果を手作業で「製図」に落とし込む、

という、極めて非効率な作業を、当たり前のように、行っていました。

一連の作業はやがて、パソコンにより、自動化、システム化する設計に急速に変貌します。

当時、「構造、耐震、流体」などが本質的な工学の学問、とされるのに対し、このシステム化は、「付随業務」あるいは「雑用処理」のような扱いをされていました。


と書きました。

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ここで、理工系における計測の歴史を振り返ってみます。

「測量」は、新田の開発、城を築く、河川の整備、にも必要な技術で、古くから活用されていました。

ただ、気温、湿度などの、状態量を、科学的メカニズムによる計測器により、計測する、自然科学的な手法は、明治以降、西洋からの計測器の導入に伴い、行われるようになりました。

「状態量を、科学的メカニズムによる計測器により、計測する、自然科学的な手法」は、当時としては斬新なものでしたが、

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最高気温の歴史を探る




各地の数少ない測候所の百葉箱で人間が目視で測定して、筆記で記録していました。

自動測定装置も記録するハードディスクもない時代です。湿球と乾球の温度計しかない時代です。

測定間隔は、定かではありませんが、昼間でも1時間あるいは2時間に1回程度観測を行うのが限界でしょう。夜間はもっと間隔が長くなるでしょう。


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と書いたように、人間が計測器を目視で測定して、その測定値を紙に筆記で記録します。

大学、研究機関の実験室などであれば、それほど、苦も無くできますが、

新田次郎氏の「芙蓉の人」


のような、富士山頂での気象観測、あるいは、火山活動の観測、などは、過酷な気象条件、危険な状況でした。

この状況は明治時代から、上記のように1980年代まで続きます。

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1980年代になると、ペンレコーダーと呼ばれる、自動記録器が登場します。

これは、文字通り、測定結果を人間が読まなくても、ペンで紙にグラフとして、記録しておくものでした。

つまり、人間が、その場にいなくても、しかも、断続的ではなく、常時連続的に、測定および結果の記録が可能となる、画期的なものでした。

ただ、雨、風に耐えられるような装備、電源の確保、紙の補充、紙詰まり対策などが必要でした。

また、人間が紙の記録から、データを読み取り、コンピューターに入力しました。

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1980年代も後半になると、データロガーが登場し、データをデジタルで記録し、電源がなくても、電池で作動するようになりました。

防水性も装置もあり、屋外でも設置できるようになりました。

ただ、記録できるデータ量は、それほど大きいものではなく、何日か置きに、人が記録媒体を交換に行きました。

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遠隔にある測定センサーから、データを無線でサーバーに飛ばして、大量のデータを常時観測し、記録する、サーバーのデータをPCから見に行く、ことができるようになったのは、高速ネットの普及以降ですから、実は、ほんの、ここ十数年のことです。


工学研究は、人との出会いによる他分野、新技術、コンピューターの進歩の取り入れ





素晴らしい工学の研究者とお会いして、伺うことが、

(1)人との出会いによる他分野、新技術の進歩の取り入れ

(2)コンピューターの進歩の取り入れ(研究本体の解析の進化、に加えて、自動計測、データの可視化など研究周辺分野の充実)

でしょうか。


と書きました。

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コンピューターの技術は、今後ますます進歩します。

これに伴い、理工系の計測技術も進歩していき、研究が加速、促進されることが楽しみです。





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製造業検査データ不正、元・機械工学者からの視点から

日本を支えてきた製造業ですが、日産、神戸製鋼、三菱マテリアル、東レなど、多くの名だたる大企業で検査データなどの不正が発覚しています。

三菱アルミニウムもデータ改ざん 静岡の工場出荷品

<三菱マテ系不正>神鋼改ざんと酷似

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なぜ、このような不正が横行するのか、真相の究明が進んでいますが、元・機械工学者の「TAK」さんが独自の視点から検討してみます。

あくまで、元・機械工学者ですから、現在の工法とは異なるかもしれませんが、ご承知おきください。

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部材、部品などは、JIS基準、経済産業省告示など、多くの基準、ガイドラインに基づき、製造されることが多い、かと考えます。

「TAK」さん自身、いくつかの基準作成にかかわったことがありますが、もちろん「安全」が最優先されます。

部材、部品などを実際に使用する状況下での、最大荷重を実測データなどに基づき、それ以上の強度とします。

その際に、ある程度の安全率、余裕を見込んで、安全性が高い基準が作成されます。

製造現場では、基準、ガイドラインに基づき、製造される訳ですが、多くの大企業は高性能の製品を「売り」にしますので、基準、ガイドラインを上回る強度、安全性とします。

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皮肉なことに、この何段階かの安全率、余裕、が油断を招きます。

「十分に安全率、余裕を見込んであるのだから、基準を少しくらい、下回っても大丈夫」

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また、製造機械、装置が発展途上の頃は、製造ロット、製造物ごとにバラツキがあり、厳しい検査が行われていましたが、

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製造機械、装置が高性能になり、品質が安定したために、検査自体が形骸化してしまったりすることもあります。

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また、中国、東南アジアを中心に、品質は多少劣るものの、実用上問題がない、部材、部品が低コストで製造されています。

多少高くても、高品質、というのが日本製品の「売り」でしたが、中国、東南アジア製の製品の品質も向上してきて、コスト競争が激しくなりました。

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専門外ですので、特に結論めいたことは書きません。

ただ、一度揺らいだ信頼の回復は難しいものです。

信頼を壊さない製造業を期待します。





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2017年11月28日

一人称になるとインタラクションが始まる

VRとは「仮想現実」よりも「実質再現」限りなく現実のものと区別がつかない状態に置き換えること




VRは「一人称」の映像。「仮想現実」と訳されていますが、「実質再現」という方がしっくりきます。

VRの本質は「限りなく現実のものと区別がつかない状態に置き換えること」

VRのあの「没入感」は、ものすごい技術革新です。

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「トップアスリートのプレーを見て、脳裏に焼き付ける」イメージ・トレーニングは、かなり前から行われており、効果も認められています。

ただ、「トップアスリートのプレー」は、どれだけ脳裏に焼き付けても、あくまでも「トップアスリート」のもので、「あなた」ではありません。

テニスであれば、ジョコビッチ、フェデラー、錦織選手であって、「あなた」ではありません。

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ところが、「一人称」のあなたになり切ってしまうのが、VR(仮想現実というよりも実質再現)です。

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映画館で見る、ポルノ映画は、男優と女優の演技です。

もちろん、ある程度の感情移入はありますが、あくまでも「三人称」です。

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ところが、PC、スマフォなどネット上で、アダルトビデオが見れるようになると、「一人称」の自分と女優の共演になりました。

ある意味、自分の性行動そのものだったりします。


と書きました。

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「三人称」では、「面白かったです。」「興味深かったです。」と鑑賞、感想になります。

ところが、「一人称」は自分自身、自分事で、周囲とのインタラクションが始まります。

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スポーツに限らず、ビジネス、研究、学問でも、「三人称」の鑑賞、感想から、「一人称」の自分自身、自分事にしてインタラクションを起こすことがポイントです。






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2017年11月26日

東大駒場祭2017に行ってきました

毎年11月は学園祭のシーズンです。

学園祭は、サークルの模擬店、ミス・ミスターコンテスト、バンド・コーラスなどのミニコンサート、演劇、著名人の講演、など、盛りだくさんです。

特に、最近では著名人の講演が充実して、単独でも有料で聴衆が集まる講演が、目白押しであったりします。

さて、東大では5月に本郷キャンパスで五月祭、11月に駒場キャンパスで駒場祭があります。

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駒場祭は毎年訪れていて、その様子は、

東大駒場祭に行ってきました

東大駒場祭2014に行ってきました
東大駒場祭2015に行ってきました

東大駒場祭2016に行ってきました

に書いてあります。

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五月祭と駒場祭、雰囲気は似ているのですが、違いをあげれば、五月祭はアカデミックな講演が多く、駒場祭は1、2年生が多いせいか、ミニコンサート、演劇など、若い1、2年生の活動が盛ん、という感じでしょうか。

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講演が充実しているのもよいのですが、一つの講演に1時間から1時間半を費やすため、せっかくの学園祭の雰囲気を味わえなかったりします。

学園祭の醍醐味とは、参加している大学生の頃は、にぎやかな雰囲気の中で、サークルの友達と祭りの準備から、運営を行い、一体感を味わうこと、さらには、オープンな場ですから、他大学の女子学生と友達になる場、だったりします。

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教養学部の駒場から本郷キャンパスへ、移ると駒場祭から足が遠のいたりします。特に大学院に進むと、つながりのあるサークルがある場合を除いて、行かなくなります。

「もう、そんな子供じみたこと、やってられるか」と言いながら、キラキラした1、2年生が羨ましかったりします。

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駒場祭ではイベントを中心に回ります。

物凄い混雑の駒場東大駅をぬけて東大駒場キャンパスへ

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若い学生さんだけではなく、親の世代も目立ちます。

実はここ数年、親の世代、あるいはもう少し若い30、40代の参加者が増えてきました。

「親の世代」の方々のお話を聞くと、「子供が出店しているので、来てみました」

ということですが、子供は「だし」「言い訳」ではないか、と

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実は、大人にとっては、学園祭は遠いあの日の自分を、若い学生さんたちに姿を通して、見つけたいイベントなのかもしれません。




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2017年11月23日

慶應義塾大学SFCオープン・リサーチ・フォーラム2017に行ってきました

慶應義塾大学SFCオープン・リサーチ・フォーラム2017
という案内が来ました。

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キャンパス開設以来、変わることなく、私たちをつき動かしているのは「実験する精神」である。それは、「ないものは、つくる」という態度でさまざまな状況に立ち向かう精神だ。

私たちは「実験する精神」を研ぎ、自らの想像力の「圏外」へと向かう努力を続けるのだ。

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福澤諭吉は「学者の議論は現在その時に当たりては功用少なく、多くは後日の利害に関するものなり」と言う。

私たちは、まだ見ぬ「後日」のために、思索と試行を重ねる。

過去を尊び、いまを見つめるのは、私たちのこれからを想い描くためだ。

実験は、いつでも失敗に寛容で、試行錯誤が歓迎されるからこそ、私たちは冒険心をもって実験に臨むことができる。

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「後日」のために、慌てず急かさず実験に没頭することも忘れてはならない。

緻密に統制された実験室から日常の暮らしの現場まで、「実験する精神」は隅々まで染みわたる。

いずれも「ないものは、つくる」という態度でくり返される、私たちの日常である。

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ここ何年かこのオープン・リサーチ・フォーラムには、参加しており、その様子は、

慶應義塾大学SFCオープン・リサーチ・フォーラム2016に行ってきました

慶應義塾大学SFCオープン・リサーチ・フォーラム2015に行ってきました

慶應義塾大学SFCオープン・リサーチ・フォーラムに行ってきました

に書いています。

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(1)大学のキャンパスではなく、東京ミッドタウンのオープンホールで開催

慶應義塾大学SFCがある湘南藤沢キャンパスまで行くのは遠いのですが、六本木の東京ミッドタウンで開催します。

また、大学での開催では、基本的に研究室ごとに行うので、参加者は各研究室に入っていくことになるのですが、

ここではオープンホールに各研究室のブースがオープンな形で設置されます。研究室の入っていくのではなく、各研究室がオープンにさらされます。

各研究室にこもってしまうのではなく、オープンな場に研究ブース、説明員を配置する、という、場のデザインは、この場には適しています。

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(2)テーマが人文・社会科学から工学、医学まで幅広い

テーマが専門的なものばかりで、自分がなじみのないものが並ぶと、なかなか入っていけません。

でも、このオープン・リサーチ・フォーラムでは、テーマが人文・社会科学から工学、医学まで幅広く、

かつ、専門的に掘り下げるだけでなく、社会に適用するものが多いので、関心を持つテーマが必ずいくつかあります。

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(3)講演もあるのだけれど、研究ブースを回る方が面白い

このオープン・リサーチ・フォーラムでは、講演、パネルディスカッションがあります。

以前は、講演に参加して、有意義なお話を伺いました。

ただ、このオープン・リサーチ・フォーラムでは、上に書いたように、各ブースを回って学生さんたちの説明を伺うことができます。

若い研究者と直接対話しながら、いろいろな最先端のテーマを見る方がずっと楽しそうです

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さて、最初にこのオープン・リサーチ・フォーラムに参加したのが2008年です。

その時の参加記

異分野の融合ではなく衝突?


私たちは、「極端なるもの(エクストリーム)」を目指すことを宣言した。

私たちは、「極端なるもの」がぶつかり合うことによって、何が生まれるか…という実験を試みたい。

異分野同志は通常は交わり合うこともないのかもしれない。

もし、交わり合うことがあるとして、いきなり融合するのではなく、まずは激しく「衝突」するのではないか?

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激しく衝突して、砕け散り、一部は消え去り、一部は再度衝突して、ある部分で融合が起きるかもしれない。

衝突によって、消えゆくものは何か。残るものは何か。衝突という創造行為をつうじて、私たちは、「破片」と「部品」を見極めるのだ。

この実験で、私たちは、いま一度、みずからの能力や可能性を知ることになる。変化の激しい時代を生き抜くための、逞しさと繊細さを獲得するために、これは、避けることのできない衝突である

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この文章を読みながら、考えました。

私たちは知らず知らずに「衝突」を避けてきたし、避けているのかもしれません。

無用な衝突はエネルギーのムダ、養老猛氏の「バカの壁」ではないけれど、言ってもわからない人間に言っても仕方ない、と。

これは、おおむね当たっているのでは、と思います。

世の中には二人として同じ人間はいないのだから、考えは人毎に異なります。

その異なる部分について、いちいち衝突していたら、とても生活していけません。

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むしろ、その中から、わかりあえる部分、共通している部分を見つけていく、作業をしているのでしょう。

でも、時として、思いっきり衝突したって、いいんではないか?

衝突から、新しい何かが、生み出されるかもしれない?


この頃の異分野が激しく「衝突」するフェーズは過ぎて、「融合」から新しい価値を生み出し、それを社会に実装し、さらにフィードバックをもらうフェーズに推移してきたのかもしれません。

「最先端の研究」と書きましたが、「技術的に最先端の尖った研究」というよりも、「研究を社会に実装する最先端」という感がしました。

衝突によるエネルギーのロスは少なくなるけれど、予定調和で小さくまとまってしまうリスクもあります。

これを打開しようとしたのが、従来型の「見る」「聞く」から、身体を介在させた「創る」「体験する」への発展かもしれません。

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なんて、閉じようとしていたところに、慶應義塾SFCの卒業生の方々から、お話をいただきました。

「このオープン・リサーチフォーラムは、卒業生が集まって、

今の研究内容、動向を知ると同時に、

現役学生、先生方、卒業生と交流する場でもあります」


研究を発表するだけでなく、交流が起こる場、他の大学、研究機関も行いたい企画です。




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2017年11月22日

VR(仮想現実)によりプロの身体観を獲得する

東大科学技術交流フォーラム「動きを創る・日常生活をサポートする技術」

という案内が来ました。

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人が眼鏡をかけるように、それぞれの能力や身体機能にあわせた最先端技術の詰まったツールを身にまとい、それぞれの日常でそれぞれが望む動きを可能にすることが目標です。


とあります。

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興味深いお話しばかりでしたが、その中でも、

技術で新しい身体観を獲得する〜人間拡張工学で設計する個々人の動き〜

「脳は動作をどう理解し修正するか〜脳状態に応じて創られる運動の記憶〜」

が大変興味深いものでした。

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「理屈ではなく、身体で覚える」スポーツに科学的理論、ビッグデータを取り入れる




「TAK」さんが学生の頃のスポーツは、巨人の星、アタック・ナンバー1などのスポーツ根性アニメの影響を受け、「理屈ではなく、身体で覚えろ」「根性で練習だ」というものでした。

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この考え方は、今となっては時代遅れですが、当時は合理性がありました。

「TAK」さんはテニスをやりますが、

「テイクバックして、軸足を踏み込んで、軸足の前でインパクト」

などと意識して、考えながら、やっていては、いいショットなど打てません。

それよりも、実際に生のボールを打ってみて、体感しつつ、身体で修得する方がずっと上達しました。

ただし、初心者から初級、中級になると、自己流になり、上達が止まってしまいます。

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現在は、スマフォで動画が簡単に撮れて、コンピューター、センサリング技術も発達しています。また、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)も実用化されています。

トップアスリートの動画を見るだけでなく、身体的機能、メカニズム、動きの分析もできます。

すると、トップアスリートのプレーを見て、脳裏に焼き付けるだけでなく、プレーの視覚、聴覚、打感などの触覚を、実際にVR(仮想現実)で体験することもできます。

「理屈でなくて、身体で覚えろ」「根性で練習」だった、スポーツに科学に基づく理論、ビッグデータ、VRによる再現等を取り入れることができそうです。

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このシンポジウムでは、オリンピックの金メダリストと、6位入賞者の身体的機能、メカニズム、動きの分析結果が示されました。もちろん、両者ともトップアスリートです。単に見ただけでは、素人には違いはわかりません。

ただ、金メダリストと6位入賞者では、厳然とした差があります。差のポイント、例えば、一瞬の脱力などを見ると、納得します。

つまり、さらに上を目指すトップアスリートには、科学的理論、ビッグデータの分析が欠かせません。


トップアスリートは、トレーニングにより、筋力、瞬発力、動体視力なども優れているので、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)だけでは、アマチュアが再現するのは難しかったりします。

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ここでは、伝統工芸の人間国宝の方の紙漉きの技術が対象になりました。

人間国宝の方の動きをモーションキャプチャーで記録し、また、筋電センサーを貼付させていただき、筋肉の動き、力の大きさを記録します。

この記録をアマチュアの方々にヘッドフォーン、振動モーターにより、信号で与えます。

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「考えるな、身体で覚えろ」を地で行きます。

すると全員ではありませんが、かなりの方々が人間国宝の方に近い動きができるようになりました。

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名人芸の伝承は、言語の記録によるものがほとんどですが、言語で表現されたことを実際に身体で実現しようとしても難しかったりします。

であれば、「理屈でなくて、身体で覚えろ」を地で行って、身体で名人芸を再現してしまうのも手です。

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上記のように、スポーツでは、いきなりトップアスリートの再現は難しくても、アマチュア初級者が上級者の再現ならばできそうです。

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アスリートの方の中には、

「練習ではうまくいくのに、試合になると実力を発揮できない」

という人が少なからずいます。

無意識に思っていることは身体に反映されてしまいます。

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この方々の動きをモーションキャプチャー、筋電センサーで記録します。

すると、全く別の動きをしている場合が少なくありません。

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であれば、VR(仮想現実)で試合の状況を再現し練習を行い、試合の時に、VR(仮想現実)機器の装着はできないでしょうから、練習環境を再現してみます。

ラグビーの五郎丸選手、野球のイチロー選手の、プレー時のおまじない、は、これかもしれません。

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また、VR(仮想現実)を活用して、プロの選手と自分の違いなどを、自宅のスクリーン上で再現、フィードバックできれば、上達が早そうです。

この分野の進展が楽しみです。






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2017年11月20日

東京大学制作展 “WYSIWYG?”に行ってきました

東京大学制作展 “WYSIWYG?”

という案内が来ました。

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“What You See”見えるもの。あるはずのもの。

“What You Get”得るもの。あると認識するもの。

あるものに気を取られ、あるはずのものに気づかない。

あるはずが、ないはずに。

しかし、その「ないはず」にこそ、ものごとの本質があるのかもしれません。

What You See Is What You Get?ないはずのもの。あるはずの世界。

ふだん見落としているかもしれない「あるはずの世界」へみなさんをお連れします

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東京大学制作展の様子は、

東京大学制作展「FAKE FUTURE」ありえない未来を考えることで本質を見出す

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東京大学制作展「補序線」に行ってきました

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東京大学制作展「わたしエクステンション」に行ってきました

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に書いたのですが、

インターネット、スマートフォーンなど、今では当たり前の技術も、1990年代前半には思いもつかなかった世界です。

今は、まだ先端技術である人工知能、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)が、生活の一部になる時代も、もうそこまで来ている、かもしれません。

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最先端の技術はものすごいスピードで進んでいる。

「それらの技術や概念が、ものすごい極端に進歩した未来はこう変わる」という「スペキュラティブな世界観」を提示するのが今回の制作展のコンセプトである「FAKE FUTURE」なんですね。

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一見ありえない未来だけど、そのありえない未来にこそ、本質が見えてくるんじゃないか。

「ありえない未来を考えることで本質を見出す」

「ありえない未来」にこそ、未来の本質のヒントが隠れているのかもしれません。


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石器からiPhoneにいたるまで、古今東西の技術は、「わたし」を拡張してきました。

時代が進むにつれて、わたしにできることはどんどん広がっていきます。

今や、電話やネットのおかげで遠くの人にもわたしの声や思いは届き、Googleマップによってわたしの土地勘は世界の隅々にまで及びます。

技術に媒介されることで、わたしや社会そのものがますます便利に、自由に、広がっていくのです。

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一方で、拡大とともにその境界は曖昧になっています。

「ネットの声」と紹介された「わたし」のつぶやき、Amazonに薦められて買った「わたしの欲しいもの」、「わたし」の代わりに会議に「出席」してくれるロボット…。

一体、どこまでを「わたし」と認めればよいのでしょうか。

「自分」という言葉があります。 自らを分けると書いて、自分。

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制作展では「わたしエクステンション」というテーマを通じて、「自分」つまり、わたしと社会とそれらを拡張させていくさまざまな技術との境界について問うてみたいと思います。


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視覚、聴覚、触覚あるいは記憶について、

目で見る、耳で聞く、手、身体で触れる、脳で記憶する、だけでなく、

人間のあらゆる感覚に、コンピューターが深くかかわるようになりました。

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コンピューターは人間のツール、道具ではなく、既に、拡張された人間の機能の一部となっています。

そして、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)で体験したこと、と、実際の生活で体験したことの「境界」はあいまいになり、すでに、その区別はつかなくなりつつ、あります。

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VR(仮想現実)、AR(拡張現実)は現段階ではまだ、特殊なツールですが、コンピューターでの検索が、脳の検索を補助、代替し、既に人間の機能の一部となっているように、

VR、ARが人間の機能の一部となる日も、もうすぐそこまで来ている感がします。






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2017年11月10日

研究業務のアウトソーシングとノット・インベント・ヒア

研究を進めるには、一人では難しくて、コラボが欠かせません。

では、研究業務のアウトソーシングはどうでしょうか?

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IoT時代への新しい知財・標準化戦略とは?




●研究開発、技術開発は自分で頭を使って、汗を流して行うもの、インベント・ヒア


東大知的資産新ビジネス塾「知財戦略はめまぐるしく進化する」




かつての知財戦略と言えば、競合他社よりも先んじて技術開発し、それを特許出願し、権利化し、権利を防衛すると共に、ライセンス収入を得る、というものでしたが、オープン・イノベーション、国際標準化の流れの中で、あえてリスクの高い新規技術開発を自ら行うことなく、技術、知財ごと買収する、というのが現在のトレンドでしょうか?


と書きました。

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新規技術の開発には、大学とのコラボレーションの開始、試験設備の導入、研究者の雇用、育成などに、多額の資金、費用だけでなく、少なくとも3〜5年程度の時間がかかります。

ところが、スピードが速い社会では、3〜5年程度の時間を費やしていたのでは、事業の機会を逸してしまいます。

そこで、あえてリスクの高い新規技術開発を自ら行うことなく、技術、知財ごと買収する、というのが現在のトレンド、です。

ところが、新規技術の開発を行う担当者は、以前、研究者だった人が数多くいます。

すると、上記のように、研究開発、技術開発は自分で頭を使って、汗を流して行うもの、他人が行った研究開発、技術開発を、金で買うなんて、とんでもない、という意識の人が少なくありません。

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産学連携、シーズとニーズのマッチングからオープン・イノベーションへ




日本企業はNIH(ノット・インベント・ヒア)自社開発主義が強すぎる。世界的には、技術の知財ごと買収が一般的に。


と書いたとおりです。

もっとも、NIH(ノット・インベント・ヒア)という英語にあるように、日本だけでなく、研究者を経験したことがある人には、受け入れがたいことなのかもしれません。

スピードが速い社会では、技術をビジネスにするには、自分のコア技術は大切ですが、一から研究開発するのではなく、有望な技術を知財ごと買収する、スピード感、スケール感が大切です。



と書きました。

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スピードが速い社会では、研究業務のアウトソーシングも必要かもしれません。

では、研究業務のどの分野をアウトソーシングして、どの分野を自分でやる、のでしょうか?

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実験系の研究業務を例に考えてみます。

実験系の研究業務とは、

・実験の構想、計画

・実験機器、材料、計測装置の選定、調達

・ゲージ貼付、機器のキャリブレーションなど、実験準備

・実験の計測業務

・実験データの分析、解析

・研究論文の作成

などなど

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「研究論文の作成」がアウトソーシング?と思いますが、上記のほとんどすべてがアウトソーシングできます。

「実験の計測業務」「実験データの分析、解析」などは、コンピューターで自動で行うのだから、そもそもアウトソーシングする必要すら、ないのでは?

という声も聞こえてきそうですが、実際にやってみると、データの修正、選別など、手作業が多く、結構、時間、労力がかかります。

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実は、「実験データの分析、解析」を独創的なプロセスではなく、単なるルーティン作業の数的処理、と考え、アウトソーシングする研究者が数多くいます。

科学の進歩をもたらすのは、全くの偶然か、あるいは知的な計画か?




科学と技術における飛躍的進歩とは、ひとつは、あらかじめ立てられた計画に基づいて研究を進めたときに起きます。

もうひとつは、セレンディピティ(=偶然に巡り会えた素晴らしいもの)によるもので、全く予期しない発見によって起きます。

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ある仮説を構築し、その仮説を検証する実験、測定を行うのが、一般的な手法です。

ただ、計画を着実に実行するだけでは想定内の結果しか得られないことがほとんどです。

そこに、偶然の要素が加わると歴史的な発見、開発につながることがあります。

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「ニュートリノ天文学」の幕開けとなった「カミオカンデ」は当初、陽子崩壊観測のために建設されましたが、建設後わずか数か月で、大マゼラン星雲でおきた超新星爆発からのニュートリノを偶発的に観測しました。

準備をしておくからこそ、「偶然」も起きます。実は「偶然」に見えて「必然」だったりするのですが。

準備をしないところには、「偶然」も起きようがありません。何もせずに、「偶然」を待っていてもナンセンスです。


と書きました。


スーパーカミオカンで見られた、μニュートリノがτニュートリノに変換する現象は多くの研究者が観測していたのでしょう。

ただ、ほとんどの研究者は観測ミス、計測ミスと捉えたようです。

取りあえず、この現象を論文にしておいた梶田先生が、後にノーベル物理学賞を受賞することになりました。

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実験データの分析、解析をアウトソーシングしてしまうと、想定内の結果しか得られないことがほとんどです。

提出された解析結果を鵜呑みにするほかありません。予期せぬ発見は起こりません。

ということで、時間、労力がかかっても、実験データの分析、解析は、自分でプログラムを作って、自分の手で行うと、思わぬ発見があるかもしれません。

「TAK」さんは、「実験データの分析、解析」「研究論文の作成」は、どんなに立て込んでいても、自分でやることにしています。




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2017年11月08日

システム・イノベーション、独立したシステムがゆるやかにつながると

「システム・イノベーション」シンポジウム、スマートな社会と産業を目指した「システム・イノベーション」の実現に向けて

という案内が来ました。

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第4次産業革命は、ディジタル化を強力に進める技術によるシステム化がキーテクノロジーとなり、製造業の革新は勿論のこと社会の変革までも視野に入れたグローバルなムーブメントになっています。

社会全体が複雑化・広域化・大規模化した環境のもとで「よいシステム」を創案し、効率よく構築・運用することが、製造、経営、流通など人間活動のあらゆる側面でもっとも重要な課題として浮かび上がっています。

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システムについては、


システム理論、システム思考、そしてシステム科学


工学は自然法則を活用し、主にものづくりを行っていました。

ところが、産業革命により、モノの生産性が大幅に向上し、

交通、物流も大量、高速になりました。

すると、人、モノの流れ、動きが劇的に変化し、これまでの配置、ストックでは対応できなくなりました。

そこで、線形計画法、オペレーションズ・リサーチなど計画、オペレーション、システムを扱う必要が出てきました。


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体系的に学ぶには歴史をたどることが不可欠、MOT(技術経営)の歴史とは?


マネジメントという概念、考え方が生まれてきたのは、産業革命以降、これまで手工業だった工場、生産現場が機械化され、大量生産が実現するようになったころでしょうか?

フォード社が、規格化によって部品互換性を確保することにより、1908年にT型フォードの大量生産に成功し、これが大量生産技術の始まりとなりました。

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「経営学の父」と呼ばれたフレデリック・テイラーが、1911年に科学的管理法を提唱し、「作業管理」「作業の標準化」「作業管理のために最適な組織形態」などが取り扱われるようになりました。

この科学的管理法が可能になるためには、数量的に「計測できること」「記録できること」が基本で、統計の基本が欠かせません。

生産工程の機械化、数量的管理により、当初、マネジメントは生産性向上のため、が主体でした。

例えば、機械化を導入したのに、思惑通りに、生産性が向上しない、生産工程をチャート化したところ、思わぬところに、ネックがあった、などという手法、線形計画法などの開発も進みました。

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当初は生産性向上に利用されていた、マネジメントは、組織、経営、財務、人材にもその考え方が適用されるようになりました。

このように、これまで勘、経験、運で行われていた、経営の世界に科学的手法が導入されるようになりました。


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それぞれの、システムは生産、流通、経理、管理など基本的に業務ごとに独立して使われていました。

社会、時代が高度に発達し、複雑になってくると、それぞれの業務が「独立」ではなく、相互に、かつ、包括的に関連しあうようになりました。

それに伴い、それぞれの業務ごとのシステムも、「独立」ではなく、相互に連携が取れた方が便利になります。

アナログ、バッチ処理の時代は、システム間の連携は、非常に難しかったのですが、デジタル化、ネット化などにより、可能になりました。

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ユビキタス社会は既に到来、IoT、IoSの社会へ


すべてのモノがインターネットにつながる、のではなく、インターネットのように、すべてのモノ、サービスがつながる。

坂村先生が提唱されていたユビキタス・コンピューティングの世界が、IoT(Internet of Things)、IoS(Internet of Services)の形で実現しつつあります。

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坂村 健 東大教授「イノベーション基盤としてのユビキタス・ネットワーク」


共通のインフラ(例えば、インターネット)上では、インフラ上の異なる内容が組み合わされる「マッシュアップ」という現象が起きます。

すると、当初は想定もできなかった「化学反応」が起きて、社会全体が急激に変わります。

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ユビキタス・ネットワークは、インターネットをはるかに超える「インフラ型イノベーション」です。

食品、衣服、雑貨、家電などすべての物に、世界でひとつしかないチップが装着され、チップとサーバーがリアルタイムで情報を更新し、すべての物の現在の状況が自動的に認識されます。

これらが、経済システム、医療・福祉システム、交通システム、教育システム、行政システムなどの社会インフラとして定着すれば、インターネットによるネットワークをはるかに超える大きな社会変動をもたらす可能性があります。



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これまで、それぞれが独立していた人、自動車などが、ゆるやかにつながるのに加えて、システム同士もゆるやかにつながると、どんな世界になるのか?楽しみです。



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2017年11月05日

人工知能は、「だいたい」正しい判断をするけれど、意味を考えない

人工知能時代に求められる読解力

に書いた

リーディングスキルフォーラム〜AI時代に求められる教育とは〜

で、出た話です。

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人工知能の検索、照合、は大量高速ですが、文章の意味を考えてはいません。

人工知能は、「だいたい」正しい判断をする。


「「だいたい」正しい判断をする。」が曲者です。

一般論としては「正しい」けれど、この状況、この文脈では必ずしも正しくない、ことがあります。

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そんな事例を2つ経験しましたので、挙げます。

パリ協定は温暖化対策を、はるかに超えて、世界をつないでいる

で書いた、香港で行われた、World Sustainable Built Environment Conference 2017 Hong Kong(世界建築環境会議)への参加申し込みの時のことです。

参加費用をクレジットカードで立て替え払いします。

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通常、クレジットカードでの支払いは、自宅のパソコンから行いますが、国際学会の申し込みなので、オフィスのパソコンから香港の銀行に振り込みを試みます。

ところが、「この振り込みは拒絶されました」との表示。

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クレジットカード会社に電話すると、「本人から直接、電話があり、本人確認ができたので、振り込みます」とのこと。

通常とは違うパソコンから、香港の銀行への振り込み、ということで、人工知能が、悪用されている「危険」がある、と判断したのでしょう。

セキュリティー上、このような判断は妥当、と考えますが、外国滞在中、深夜など、クレジットカード会社への連絡が難しい時間帯だと困ってしまいます。

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もう一つは、「石田えり、56歳のヌード」という写真をFacebookに掲載したところ、「わいせつ」と判断され、削除されました。

この写真の掲載の意味は、もちろん、わいせつ目的ではなく、

石田えり、という、元グラビアアイドル、女優が、56歳という年齢でヌード写真、

という、新たな、文字通り、身体を張った生き方、を紹介したかったものです。

ところが、「わいせつ」はダメ、と判断されてしまいました。

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これらの事例から、

人工知能は、「だいたい」正しい判断をするけれど、この状況、この文脈では必ずしも正しくない、

ことを理解した上で、活用するとよさそうです。




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2017年11月04日

役に立つ教育の落とし穴

人工知能時代に求められる読解力

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に、

人工知能の発達がめざましく、人の仕事の多くが人工知能によって代替される、と言われ、つまり、人工知能を活用しながら、生きていく時代の教育

について考えてみました。

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学校教育というと、机の上で知識を学ぶだけ、と評判が良くありませんが、「役に立つ教育」「実用に供する教育」も、実はかなり行われてきました。

ところが、「役に立つ教育」の「役に立つ」には、賞味期限があります。

「役に立つ教育」が、当初は役に立ったのですが、今では全く無駄だった例をあげます。

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まず、「そろばん」

大型計算機、当時のコンピューターが登場したのが、世界では1940年代後半のこと、

「TAK」さんが小学生だった1970年代は、コンピューターはほんの一握りの専門家が使うもの

銀行のATMもなく、交通機関の自動販売機もなく、お金の引き落とし、切符の購入も、人が行っていました

計算は、個人だけでなく、会社、商店も、もっぱら「そろばん」で、「そろばん」は当時の役に立つ技術でした。

その後、わずか2〜3年で電卓が登場し、相当複雑は計算でもプログラム電卓、その後、パソコンが行うようになりました。

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「TAK」さんが大学生だった1980年代は理工系学生は、プログラム言語FORTRANを習い、プログラムを作成し、使いこなしたものでした。

今、プログラム言語FORTRANは、ほとんど使われていません。

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一方で、ニュートン力学、有機化学、近現代史、などは、いつまで経っても有効で、直接的ではないにしても、いろいろな場面で「役に立ち」ます。

「役に立つ教育」は、便利で実践的、即戦力である一方、賞味期限があり、陳腐化する運命にある、ことを認識しておくとよさそうです。




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