2019年06月

2019年06月30日

テクノロジーが拡張する人間の機能、人間とは何か?

日仏討論会 :「拡張された人間−身体の補完から拡張へ?」

という案内が来ました。

16


新テクノロジー、 特にデジタル技術が可能とする身体の補完と、 アプリケーションによる人間の拡張をめぐり、次のようなより大きな問題について考えたいと思います:

人間とは何なのでしょうか? 身体の補完と拡張の間に境界はあるのでしょうか?

あるとすればその境界線はどこにあるのでしょうか?

17


これについては、これまでも考えてきました。

パラアスリートの物凄さ、身体機能の拡張と脳の再編による回復可能性の示唆

パラアスリートに見る、障害とは何か、障害から日常への帰還とは

障害とはイノベーションの源?


ずっと大昔、まだ眼鏡がなかった時代、近視の人は障害者だった、訳です。

人を襲う肉食動物、あるいは闘いの際の敵、など身近に迫る危険を察知する能力が弱体化しているのですから、大きな障害でした。

視力の障害によるニーズに基づき、眼鏡が発明されました。

眼鏡により、視力の障害は大きく克服されることになりました。

e993de3c



人が眼鏡をかけるように、それぞれの能力や身体機能にあわせた最先端技術の詰まったツールを身にまとい、それぞれの日常でそれぞれが望む動きを可能にする。


これまで、パラリンピックは、

不幸にして、障害を持ってしまった人たちが、その制約される環境下で、頑張っている

という認識だったのですが、そんな薄っぺらな認識をはるかに超える、物凄い可能性を示唆するもの、とのことです。

174a6a50-s


もちろん、グラスファイバー、グラファイト、チタンなど、材料技術の進歩により、軽量高反発の義足などが開発されるようになりました。

ただ、仮に陸上のオリンピック・メダリストが不幸にして、大けがをして、義足になったとして、それまでを上回る記録を出せるでしょうか?

おそらく、歩くのすら、ままならず、とても高速で走ったり、長い距離の跳躍など、できないでしょう。

つまり、パラ・アスリートは既に義足を自分の足として認識、機能させています。これはAR(拡張現実)の一種でしょうか。

9286e2eb-s


パラ・アスリートに限らず、ずっと以前から、手が不自由な人が、足を使って、タイプライターを高速、正確に操作する事例が報告されていました。

最近では、こういった方々、パラ・アスリートの方々の、脳の活動している部位を計測できるようになりました。


すると、健常者に比べて、脳が活動している部位が、異なったり、広範囲であったりすることがわかりました。

さらに、この方々は、身体機能だけでなく、そもそも脳の活動を再編していることがわかりました。

18


つまり、パラ・アスリートの方々は、

障害を持ってしまった人たちが、その制約される環境下で、頑張っている

どころか、

身体機能だけでなく、そもそも脳の活動を再編して、頑張っている

のです。


8b967361-s


人間が使う技術、人間を取り巻く社会環境が急速に進化することにより、人間自体の機能も拡張、進化していきます。

パソコン、ネットで拡張する脳の機能、人工知能時代に備えて




パソコン、ネットが普及する前の、「紙」の時代には、頭が記憶していることが、大切でした。

「これ、書いたことがあるな」と思って、引き出しを調べたり、「これ、確か、どこかで読んだことがあるな」と思って、本棚を調べても、多くの場合は、その資料、本を見つけることができず、「どこかで見たんだけれど」と忘却の彼方に忘れ去られました。


adacc15d-s


「自分の身体」という暗黙の周囲、世界を評価する基準が変化すると、どうなる?


ヒューマンオーグメンテーションは、人間とテクノロジーを一体化させて人間の能力拡張を行うことを意味します。

具体的には、知覚の拡張、身体能力の拡張、認知能力の拡張、存在の拡張など幅広い能力拡張を目指し、それぞれに関わるAR・VR、ロボティクス、人工知能やヒューマンインターフェースといった分野を研究していきます。

0c122922


ヒューマンオーグメンテーションの考え方ではこうした学問分野を能力拡張のための技術として捉え直し、IoA(Internet of Abilities・能力のインターネット)を中心に据えた社会構築を目指していきます。

a4924d16-s


自分の身体、例えば、外見、声、大きさ、性別などは、普段は意識していませんが、周囲、世界を測る、暗黙の「基準」となっています。

例えば、小さな食器にしただけで、食べ物が相対的に大きくなり、食べる量が減るといいます。

そうであるならば、自分の身体、外見、声、大きさ、性別など、周囲、世界を測る、暗黙の「基準」を変化させると、

周囲と自分のインタラクションはどう変化し、そのインタラクションの変化をどう感じるでしょうか?

Yutuberのように、自分の声、外見を違う性別、例えば、自分が中高年の男性であれば、若い女性の音声、外見にすると、周囲の反応、自分の認知も変化します。

デジタル技術を駆使して、これを積極的に活用するとものすごい変化が起きそうです。




stake2id at 22:03|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年06月28日

工学、先に進めるタイミングと、幅を広げるタイミング、の見極め

「一刻を争う理学」と「社会情勢を見極める工学」



IMG_20190618_105437 - コピー



一口に理工系と言っても、「真理を探究する」理学、サイエンスと、「科学技術を社会に活用する」工学、エンジニアリングでは、だいぶスタンスが異なります。

39bee3e0


理学、サイエンスでは、探究した真理を、いち早く、インパクトファクターの高い、海外ジャーナルに発表することが大切です。

「共著の調整で、もたついている間に、海外のライバル機関に、先に出されてしまいました。失敗です。」

b3f58195-s


工学、エンジニアリングは、少し様相が異なります。

「研究した成果をまとめて、投稿したのですが、不採択になってしまいました。

もう少し、最新の動向を見極め、それへの活用という形で書けば、採用されたのですが」

いち早く書く、というよりも、研究成果をどう活かす、が大切のようです。


ab1fc896


理学、サイエンスでは、とにかく、いち早く、他の人よりも早く、が大切なのですが、

工学は、早ければよい、というものではありません。早過ぎると、うまくいかないことも少なくありません。

8eaf77c2


ウェラブル・コンピューターに見る、技術開発のタイミング、早ければよい、というものでもない




1998年以降、コンピューターのモバイル化は急速に進みましたが、端末は腕時計ではなく、携帯電話がその座を射止めました。

iモード付きの携帯電話からスマートフォーンへと、コンピューターのモバイル端末化は進みますが、
「ウェラブル」という切り口から、腕時計が注目されることになりました。

腕に付けるパソコン『Ruputer(ラピュータ)』から15年を経ています。

15年前に、モバイル端末として携帯電話に敗れた腕時計が、その装着性から、見直される結果になっています。

4e1ba3fe


1997年に、衛星により、世界中と通信できる携帯電話「イリジウム」

モトローラ、日本からもKDDI(当時のDDI)が参加したのですが、わずか1年で破産しました。

1997年当時は、

・通信衛星を数十個打ち上げ、メンテするのに莫大な費用が掛かる

・災害救助、国際治安部隊などを除けば、世界中どこでも携帯電話が通じなければならないニーズはなく、主要都市間だけで十分

でした。

その後、世界中の携帯電話会社のカバー率が急速に上がり、地上無線基地局がたくさんでき、数十個の通信衛星を打ち上げなくても、世界中携帯電話が通実用になりました。

a493ccac


夢を実現する技術開発ですが、技術的に可能ならば、必ずしも「早ければよい」という訳ではありません。

周辺のインフラ整備、社会状況、消費者のニーズなど、タイミングを見計らう必要があります。


c5d11750


建築物・住宅のIoTは家電から、センサーは内蔵ではなく、人体ウェラブルで


早過ぎる製品化は失敗する。

世界中どこでも通話できる携帯電話「イリジウム」今では当たり前だが、モバイル通信網が未発達で、衛星に頼ったために、コストがかかり過ぎて失敗。

年に1回の検査ではなく、毎回、尿、便が検査できるインテリジェント・トイレもとん挫。簡易検査手法の開発を待てば、普及が期待される。


aec64f26


自分が携わっている工学の研究が、世の中の進展に比べ、調和している、少し遅れている、ならば、先に進めます。

しかし、世の中の進展が追い付いていない時は、先に進める、よりも、幅を広げ、適用分野を広げる、などした方が得策です。

工学の研究は、研究と社会の進展を見比べつつ、先に進めるタイミングと、幅を広げるタイミング、の見極め、が大切です。





stake2id at 23:19|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

論文はウェブへの掲載がターニングポイント

理工系の論文は英語で書く。引用、閲覧数が桁違い



c7a5eb4e



科学技術の進歩は世界規模で進んでいます。

日本語で論文を書いても、引用、閲覧は日本国内しか期待できません。

ところが、英語で書いておくと、世界中から引用、閲覧があります。

と書きました。

aa6c96f4-s


査読付きの論文が採択されても、ウェブにアップされないと、引用、閲覧はされません。

ウェブへのアップはジャーナルの発行元、国際学会の主催者が行います。

これが、曲者で、すぐにアップしてくれて、教えてくれる発行元、主催者もあれば、忘れた頃に、アップされ、教えてくれない発行元、主催者もあります。

論文はウェブへの掲載がターニングポイントとなります。

612f5f69-s



以前は、Google、Google Scholarで検索すると、検索結果に表示されたのですが、最近は、なぜか表示されないことが多くなりました。

そのせいで、最近は自分の論文がウェブにアップされたことを教えてもらうことが増えました。

今日もいくつか連絡を受けました。

gruppenfoto-auftakt-fraunhofer-_c_-up_01


欧州最大の応用研究機関である、

ドイツのフラウンホーファー研究機構のサイト

に私の論文が掲載されています。

タイトルは

”Evaluation of Saving Energy of SOFC and Battery Combined System ”

無料でダウンロードできます。

2015114122944427



Modern Environmental Science and Engineering

にも

Evaluation of Saving Energy of SOFC and Battery Combined System


が掲載されており、無料でダウンロードできます。

J-STAGE-1


J-STAGEのグランド再生可能エネルギー国際会議論文集


にも

Evaluation of saving energy of solar power generation or fuel cell, and storage battery combined system

が掲載されており、無料でダウンロードできます。

f21adea6


自分の論文をウェブ上で探すのも大変な時代になりました。




stake2id at 23:08|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年06月26日

スマートな街づくりはIT、ロボットがデジタルで

スマートシティー、人口が集中する都市を、快適生活空間にデザインする

に書いた、スマートシティーには建設現場が必ずあります。

IMG_20190618_093927 - コピー


建設現場は、3K(きつい、汚い。危険)と言われますが、海外でも同様に3D(dangerous,dirty,dull)と言われています。

そんな建設業務、建設現場にもIT、ロボット、デジタル化の波が押し寄せています。

IMG_20190618_103651 - コピー


「ものづくり」のデジタル化、ネット化は何をもたらす?




デジタル化の潮流は各分野における設計・生産のありかたを大きく変えつつあります。

製造業現場の機械化、自動化は、ずっと以前から行われています。

ただし、その実態は、製造作業の自動化、にとどまっている感があります。

例えば、部品の在庫管理、製造途中の検査作業、製品の発送作業、などは、あいかわらず、紙ベースの手作業だったり

また、製造現場での課題が、設計、開発にフィードバックされなかったり、されたとしても、やはり紙ベースの手作業だったりしています

IMG_20190618_094010 - コピー


かつては航空機、船舶は、主に流体力学をベースに機体、船体の形状を決め、次に構造計算を行い、最後に操縦性、燃費を算定していましたが、

それぞれのプロセスごとに、矛盾点、対立点があるのは明白で、今では、領域をまたいで設計を行う、複合領域設計が主流です。


IMG_20190619_100646 - コピー


建設業務は、紙の設計図がベースで、設計変更は紙に手書きに書き込まれるため、

設計者と施工者で情報共有が大変で、部材、部品の調達などにミスがつきものでした。

また、作業が意匠→設計→耐震など構造→暖冷房設備、音環境など、のような流れで進んでいましたが、

「上の階の音が下に響き過ぎる」「日射で、熱すぎる個所がある」など、下流で問題が指摘されると、再度、上流からやり直し、

と効率がよくない作業でした。

IMG_20190620_094113 - コピー


今では、BIM Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)

コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、

建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューション

があり、完成品を可視化しつつ、リアルタイムで情報を共有し、意匠、設計、耐震など構造、暖冷房設備、音環境なども、上流から下流ではなく、領域をまたぎつつ、並行して、進んでいきます。

IMG_20190620_140645


また、建設現場も、あらかじめ部品、部材を工場で加工し、

加工された部品、部材を現場に輸送し、

現場では、加工された部品、部材を組み立てるだけ、という作業に変わりつつあります。

工場では3Dプリンター、ロボット、現場では遠隔操作ロボット、ドローンなどが運用され、人が携わらなくてもよくなっています。

IMG_20190620_095919


スマートな街づくりが、これからどう進展していくのか、楽しみです。



stake2id at 18:50|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年06月25日

国際学会で発表すると、何が起こるか?

香港理工大学で開催された、国際学会

CIB World Building Congress 2019 (CIB WBC 2019)

に参加します。

IMG_20190618_083206


理工系の論文は英語で書く。引用、閲覧数が桁違い




科学技術の進歩は世界規模で進んでいます。

日本語で論文を書いても、引用、閲覧は日本国内しか期待できません。

ところが、英語で書いておくと、世界中から引用、閲覧があります。


IMG_20190617_173442


研究もビジネスも、幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くのは、人のネットワーク




研究の幅を広げ、継続させ、キャリアを切り拓くには、研究、勉強と並行的に人のネットワークを構築していくことが大切。

ひとりで研究するよりも、プロジェクトに参加して研究すると、テーマも広がり、人のネットワークも構築でき、キャリアの可能性も広がる。

IMG_20190617_184515


国際シンポジウム、ワークショップ、できる限り参加する。「聞き」に行くよりも、発表する。発表すると、覚えてもらえる。プレゼンは「読む」のでなく、「話す」。自分の魅力をアピールする。自然なリズムで話す。自信を持つこと。アイコンタクトが大切。

学会、シンポジウムで、ネットワークをつくるには、興味のある発表に質問する、懇親会にも参加する。

IMG_20190618_175448


学会は最先端の研究を知るためだけでなく、人のネットワークをアップグレード、再確認するため

他の人々に話すと、自分の考えが整理でき、理解が進み、思いがけない切り口から、進展することがある。

自分の国以外の人の考え方に触れると、自分も変わっていく。人は交流し、シェアすることが大切。


IMG_20190618_193911


ネットにより、学術情報を含め、情報はデスク上で得ることができます。

ただ、そのテーマが、どういった状況で、熱意で、検討されているのか、は、実際に行ってみないとわかりません。

また、人のネットワークは、ネット上だけでの形成は難しく、リアルでお話しすることがポイントとなります。

IMG_20190618_132817



発表後の質疑応答、ティーブレーク、懇親会の時の対話などで、

いろいろな国の人からコメント、感想、フィードバックをいただくことができます。

すると、国内とは全く違う切り口からのものがあり、大きく研究が展開することがあります。

何しろ、世界中から、そのテーマに関心がある、最先端の研究者が集まっているのですから、宝の山の中にいるようなものです。

IMG_20190618_112112


あるいは、研究成果を社会実装するにあたり、国内に比べ、海外にずっと適したところがあることがわかったりします。

ということで、国際学会での発表は、本当にお勧めです。




stake2id at 22:40|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年06月12日

社会を動かす工学は文理融合というよりも文理混在

東大社研セミナー「地域安全システム学」の射程と文理融合

という案内が来ました。

9


生産研では専門分野名を「地域安全システム学」と称してきた.

都市計画,まちづくり技術を基盤としつつ,自然災害リスクに対してより安全な都市・地域のあり方を総合的に考え,実践する分野である.

古典的には「都市防災」と称される分野であったが,時代の変化に対応し,根本から再構築し,新しい地平を拓くことを意図している.

本セミナーでは,これまでの研究範囲を概観することを通して,社研において文理融合の新たな研究活動のきっかけを創りたい.

6


工学の研究の目的は、研究開発だけでなく、社会実装、定着までと考えます。

社会の課題にアプローチするのは、文理が融合というよりも混在しています。

つまり、工学を研究するには、その原理となる理学に加えて、社会課題を見据える社会学、経済学、あるいは、技術をどう開発して、社会をどう変えるのか、という哲学も大切です。

工学とは、実験装置を動かして、コンピューターでシミュレーションするだけではありません。

上記のように、幅広い分野の知識、考え、経験が必要です。

7


さて、社会制度には「慣性の法則」が働き、簡単には変わりません。

縦割り社会では、俯瞰・構想し、横方向につなげ、展開することが大切です。

8


災害は毎年必ずやって来る、防災技術とは、生きる、を支える科学技術




「天災は忘れた頃にやって来る」とは、寺田寅彦の言葉ですが、この頃は、都市が少なく、小規模で、被害自体も少なかったのでしょう。

2cfdafd9-s


都市化に伴い、建築物、インフラが整備されると、「天災」と言うよりも、地震、津波、台風、豪雨など自然現象と人、人が作った建築物、インフラとの対応になります。

忘れた頃、どころか、地震、津波、台風、豪雨など災害毎年必ず起こります。

これは、都市開発が進んだ結果、以前は、人が住まなかったため、台風、豪雨があっても、人が住んでいなかったため、人、人が作った建築物、インフラの被害がなかったものが、顕在化した結果と考えられます。

5f76a575-s


あるいは、地震、台風で、人、建築物には、被害がなくても、その後の停電による2次被害、あるいは、交通機関の乱れによる、帰宅難民などの被害が甚大です。

「忘れた頃にやって来る」災害だと、「いつ来るか、わからない災害のために無駄なお金を使って」と揶揄されることもありますが、毎年来るので、その重要性の理解も進んでいます。



db81fcd4-s


防災は、防災だけ単独で行うのではなく、防災も含めた、総合的な地域づくり、合わせ技一本、が大切です。

「みんなの防災会議」に参加しました


なるべく日常使うもので、防災対策を行う

いつ来るか?わからない(自分には来ないかもしれない?)災害のためにそんなにお金をかけられるか?

という主張が常にあって、防災対策予算は減額されます。

a332f01a


また、

防災設備を使おうとしたのだが、いざという時、使い方がわからなかった、壊れていて使えなかった

防災グッズを持ち出したが、懐中電灯が切れていた、食料は腐っていた

なんてことがよくあります。

できる限り、日常使うものを災害時にも使う、ことが大切です。


882b1062


複業時代、職業だけでなく、専攻も複数を経験・転換する時代


強靭で、耐性のある、いわゆるレジエンスに優れた社会基盤を構築するためには、大切な学問です。

ただ、一方で、新たな時代、社会を切り拓いていく、変革していくのは、IT、バイオ、人工知能など、だったりします。

あるいは、技術をビジネスにつなげる技術経営が大切だったりします。

つまり、耐震工学とは、「守り」の学問で、「攻め」ではありません。

8be8c4e2


今回の熊本地震関連のニュースで地震学、耐震工学の専門家を見ていたのですが、

地震学の専門家は、ずっと以前からの研究者なのですが、

耐震工学の専門家の中には、ゼネコンの研究者、技術者の中から、大学、研究機関に移った方をお見受けしました。

d9b9cc33



阪神大震災(1995)当時は、耐震工学者は優遇され、ゼネコンの研究者、技術者は高給で、やりたい研究ができました。

その後、バブルがはじけ、阪神大震災の教訓を受けて、社会の耐震対策が進むのと、裏返しに、耐震研究の位置づけは低下していきました。

その結果、給料は下がるけれども、ゼネコンから大学、研究機関に移る方が、相当数いました。


防災は、防災だけ単独で行うのではなく、防災も含めた、総合的な地域づくり、合わせ技一本、そういった考えが普及すると、キャリアとしても拓けると考えます。

f9db5917


リスク対策は、まず自助、自分の身は自分で守るのが原則です。

次に公助。公的制度で、どこまで、どれだけ守られるか確認します。

そして、共助。これは、日頃から信頼関係を構築しておくことが大切です。


とりとめがありませんが、いろいろ学んだ社研セミナーでした。




stake2id at 19:19|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年06月10日

人文知は社会に還元されるのが原則だが

知的財産マネジメント研究会(Smips)「京大オリジナルが取り組むナレッジトランスファー」

というお話がありました。

13


人文科学はエリートの必修科目





文系学科、特に人文科学系が軽んじられる風潮の中で、あえて人文科学の研究拠点が設置されるところが、東大らしいところでしょうか。

「いつまでに、何を研究して、どういう成果を出し、社会に貢献する」という具体的な目標なしに、

「とりあえず、各部署にまたがる、人文科学研究者の研究プラットフォームをつくる」というゆるさ

さらには、この研究拠点が科研費などではなく、LIXIL潮田会長からの寄付によるもの、というもの興味深いところです。

「メディチ家の財産はなくなったけれど、ルネッサンスの文化は今も世界中に根付いている。」

5f1a34a7


「層が厚く、豊富な人材」の東大、「知の巨人たち」の東工大、トップ大学は教養教育を重視

に書いたように


日本全体では人文社会系学部、教養課程の削減、廃止し、理工系学部、実学の重視という流れの中、東大、京大、東工大などのトップ大学は、あえて、この流れに反するかのように、教養教育を重視を打ち出しています。

それも、1、2年次の教養課程だけでなく、3年以降の専門課程、大学院進学後の教養教育の大切さも指摘しています。



fcda277c


文系学科、特に人文科学系が軽んじられる風潮の中で、研究予算も厳しい状況です。

理工系、医学系では、国、文科省、大学から配分される予算だけでなく、企業との共同研究、委託研究などによる研究予算があります。

08c327bc


大学で得られた知は社会へ還元、というのが大原則です。

企業との共同研究、委託研究などにより得られた知は、特許、ライセンスにより、企業に独占的な使用権を確保した上で、論文として発表など、社会へ還元するのが原則です。

8e8c8c65


社会系でも、企業との共同研究、委託研究は普及してきました。

市場、マーケティング、社会の推移については、大学の研究手法が有効です。

人文系で、すぐに思いつく事例はありませんが。

76c5b5a1


理工系、医学系で、企業との共同研究、委託研究などにより得られた知を、特許、ライセンスにより確保する、のは、わかりやすいものです。

一方で、人文社会系で、企業との共同研究、委託研究などにより得られた知の独占的確保をどのように行うのか、妙案はありません。

f085920e


得られた知は、次第に陳腐化していきます。それゆえ、早い時期に公開することが大切です。

「メディチ家の財産はなくなったけれど、ルネッサンスの文化は今も世界中に根付いている。」

の言葉のように、古くから、あるいは今でも、欧米では人文系の研究には、寄付によるものが多かったりします。

それらは、すぐに社会一般へ還元されます。

人文社会系の企業との共同研究、委託研究、課題が山積のようです。





stake2id at 16:40|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年06月02日

新しい動きは中心よりも周辺から始まる、「もしかする未来」と「ぞわぞわ」

東大の中心の本郷キャンパスから離れた、東大駒場リサーチキャンパスのさらに外れにS棟があります。

最近この外れのS棟から、新たな面白い動きが起きています。

f0e3e3ca-s


これについては、

新しい動きは中心よりも周辺から始まる、工学とデザイン視点の融合による価値創造

新しい動きは中心よりも周辺から始まる、動きをうごかす

にも書いてあります。

IMG_20190531_150423


「もしかする未来 in 駒場」東京大学生産技術研究所70周年記念展示

日本初の実験用ロケット「ペンシルロケット」から、工 学にデザイン視点を取り入れた価値創造デザイン推進 基盤の新作まで、生産技術研究所が70年にわたって 研究開発してきた新旧のプロトタイプを展示します。

東京大学生産技術研究所(IIS)は、「工学とデザイン視点の融合による価値創造」をコンセプトとする取り組み『価値創造デザイン(Design-Led X)』を推進しています。

英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)と共同でデザインラボ(RCA-IIS Tokyo Design Lab)を発足させ、これまでにマイクロラボ、展示会、ワークショップなどの活動を行って参りました。

eab22016


豊かさを提供するためには、優れた技術だけでなく、デザイン視点を取り込み、新たな価値を創造することが大切です。

高度な技術を駆使しても、ニーズに合わなければ、ユーザーには受け入れてもらえません。

ニーズに合っていても、ありふれた技術では、新たな価値は提供できません。

技術が世界中に拡散するスピードが速くなった今日、イノベーションを起こすための重要なカギは、「人に豊かさをもたらすデザイン」

93da9173-s


価値創造デザインフォーラム「もしかする未来」

「もしかする未来」は、人間中心に現在の技術で、やれることをした結果、やって来る


「もしかして」ではなく、「もしかする」がポイントのようです。

未来は、技術、社会の進歩により、やってくるもの、というのが、大方の考えです。

17


ただ、「未来」の中には、現在の技術でも、やればできるのに、やっていないもの、もありそうです。

これは、現状の規制、モラル、経済性、暗黙の考え、によるものもあります。

ここで「もしかする未来」です。

IMG_20190531_152544


山中研究室プロトタイプ展2019 「ぞわぞわ」


新しい技術との出会いは、時として、私たちの心に不安を生じさせます。

未知のものが目の前に現れた時の、あるいは私たちの振る舞いに反応した時に生じる、

おどろき、とまどい、少しの恐怖とワクワクが入り混じった感覚。

IMG_20190531_152625


山中研究室の作品は、そうした違和感を恐れず、まだ知らない未知の感覚や感触、

あるいは心のより深くに刺さる感覚を具現化しようと試みてきました。

それは私たちにとっても人の感覚のちょうど良いところから心地良さや安心を作り出す、

日用のデザインとは大きく異なる創作態度であり、挑戦です。





stake2id at 23:13|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加
livedoor プロフィール

「TAK」さん

最新記事
Archives